(1)会社の経営の基本方針
当企業グループでは以下の通り「ミッション」を定めております。
・日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する。
・時代のニーズをとらえ、あらゆる世代に豊かで多様なコンテンツをお届けする。
今後もこの「ミッション」に則り、お客様の要望に応える魅力あるコンテンツやサービスを提供し、また社外とのパートナーシップを促進して、株主の皆様に信頼され続ける企業グループたることを経営の基本方針として事業活動を進めて参ります。
(2)目標とする経営指標
当企業グループの中核事業である劇場用映画及び演劇は予想と実績の乖離が大きく、このため特定の経営指標をもって経営目標とすることはせず、安定した収益基盤を着実に強化していくことが第一と認識しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大が長期化し、わが国経済においても、感染症を取り巻く環境は日々変化しており、終息時期が不透明な状況が続くものと見込まれます。当企業グループを取り巻く経営環境についても、引き続き予断を許さない状況ではありますが、引き続き感染防止策を徹底することで2023年2月期における影響は限定的となると見込んでおります。
このような状況の中、当企業グループは、事態の推移を考量する中で事業を展開し、あらゆる世代のお客様に喜んでいただき、心の支えとなる映像・演劇のコンテンツを、提供して参ります。
中核部門である映像関連事業及び演劇事業においては、伝統を活かしつつ、変化するお客様の嗜好を取り込みながらも、質の高いコンテンツを継続的に製作します。これを多様な形で水平展開して、より多くのお客様に提供していくとともに、不動産事業他では、資産のより効率的な運用を行い、安定的で活力のある、収益性の高い企業グループを目指して参ります。
映像関連事業の映画の製作・配給では、感染症の感染拡大を予防するためのガイドラインに基づき、スタッフ・キャストの安全のため感染対策を徹底して参ります。他社との連携等を進め、多様な製作・出資形態による作品調達を行いながら、お客様に喜ばれる質の高い自社映画の企画・製作に一層傾注し、利益率を高めて参ります。当企業グループの充実したライブラリーの更なる活用も重要なテーマであり、ブルーレイ、DVD等既存のパッケージは勿論、配信や海外利用等のライセンスビジネスにも活用し、収益機会を拡げて参ります。映画興行では、㈱松竹マルチプレックスシアターズにおいて、より一層の収益力強化に向けて経費削減と効率的運営に努めます。また、他社との差別化につながる設備の導入を進め、お客様に選ばれるシネコンを目指して今後もサービスの拡充に努めて参ります。
演劇事業では、引き続き感染防止策を徹底しつつ、上演形態や日程等も工夫しながら興行して参ります。歌舞伎につきましては、質の高い古典の上演、新しい作品の創作を続け、一線級の俳優の至芸を見せるとともに、次代を担う俳優の活躍の場を一層広げて参ります。また海外公演についても引き続き力を注ぎ、日本が誇る伝統芸能を世界に向けて発信していきます。歌舞伎以外の一般演劇につきましても、製作・興行に意欲的に取り組んで参ります。歌舞伎やメトロポリタン・オペラを高画質・高音質で映像化し、上映する「シネマ歌舞伎」や「METライブビューイング」は、人気が定着してきましたが、ファン層の更なる拡大に向けて注力して参ります。
不動産事業では、長引く感染症の影響も踏まえた、綿密なテナントコミュニケーションによって既存テナントとの良好な関係を構築するとともに、テナントの入れ替えにも柔軟に対応し、賃貸収益の確保に努めて参ります。また、長期的な収益向上策として、最大の拠点である東銀座のブランド価値を高め、将来の開発計画も見据えた街づくりの一環としてエリアマネジメントも推進し、地域の活性化や環境整備等に貢献する活動にも積極的に取り組んで参ります。業界の動向に係わる広範かつ的確な情報入手に一層注力し、また、テナント戦略に創意工夫しつつ、より一層の経費削減と効率的運用に努め、安定収益基盤の強化に取り組んで参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。
(1)新型コロナウイルス感染症拡大に関するリスク
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため緊急事態宣言が発出されるなど経済活動の抑制が続いております。現時点では終息時期を見通すことは困難であり、今後、映画館において営業時間短縮又は臨時休業等の措置が取られた場合、また当社の直営劇場をはじめとする演劇公演について中止又は延期となった場合には当企業グループの経営成績及び財務状態に影響を及ぼす可能性があります。当企業グループでは、映画館及び演劇劇場において感染症拡大を予防するための各種ガイドラインに基づき、医療分野の専門家の意見も独自に取り入れながら、一般的な検温チェック、消毒作業の等の実施は勿論、劇場特性に応じた個別安全施策も加えて感染症対策を徹底して参ります。
(2)劇場用映画の興行成績に関するリスク
映像関連事業における劇場用映画作品の興行成績は、作品による差異が大きく、不安定であり、また、各作品の興行成績を予想することは常に困難であります。当企業グループでは各種データに基づき作品の選定及び編成を行っておりますが、仮に一定の成績に達しない作品が長期にわたり継続した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)知的財産権の侵害に関するリスク
当企業グループの保有する知的財産権について、海賊版や模倣品による権利侵害が現実に発生しており、そのケースごとに適切な対応をとるように努めておりますが、海外やインターネットにおいては、法規制その他の問題から知的財産権の保護を充分に受けられない可能性があります。仮に、当企業グループが長期にわたり大規模な侵害行為を受けてそれを回避不可能な場合には、その侵害行為が当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)演劇事業の興行成績に関するリスク
当企業グループは演劇事業として歌舞伎及び一般演劇を上演しておりますが、出演俳優の健康上の理由及び不慮の事故等により出演が不可能になる恐れがあります。そのような事態に対しては、常に代役の出演が可能な状況を維持する等の対策を講じてはおりますが、場合によっては当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、常にお客様に満足していただけるような魅力ある公演を提供するよう努力しておりますが、公演及び出演俳優の話題性・認知度やお客様の嗜好の変化等により、入場者数が大きく左右される可能性があります。それに伴い当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等の発生に関するリスク
映像関連事業、演劇事業、不動産事業、その他における映画館(シネコンを含む)・演劇劇場、飲食店舗及び事業用テナントビル等、当企業グループは、多数の顧客を収容可能な営業施設等において、自然災害や衛生上の問題等顧客の安全・健康にかかわる予期せぬ事態が発生する可能性があります。万一、そのような事態が発生した場合、当企業グループでは「危機管理計画書」「危機管理ガイドブック」等を作成し被害を最小限に留めるよう安全対策を講じておりますが、その規模等によっては、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)固定資産の減損会計に関するリスク
当企業グループが保有する固定資産において、地価の動向及び対象となる固定資産の収益状況によっては減損処理に伴う損失が発生する可能性があります。当企業グループでは、早期に減損の兆候を把握し適切な対応をしておりますが、減損損失が発生した場合には経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)保有有価証券に関するリスク
当企業グループは、市場性のある有価証券を保有しております。保有有価証券は四半期ごとに時価評価をはじめ各種検証を行い、特に政策保有株式については、個別銘柄ごとに直近の財務状況、取引関係、配当等を総合的に検証し、定期的に取締役会に報告することによって保有の適否を判断しておりますが、将来大幅な株価下落が続く場合等には保有有価証券に減損又は評価損が発生し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)財政状態に関するリスク
1.当社は、長期借入金として金融機関5行との間で122億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。
各連結会計年度及び第2四半期連結会計期間の末日における連結貸借対照表上の株主資本の部の金額を400億円以上に維持すること。
2.当社は、長期借入金として金融機関8行との間で91億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。
各連結会計年度及び第2四半期連結会計期間の末日における連結貸借対照表上の株主資本の部の金額を400億円以上に維持すること。
(9)不動産賃貸に関するリスク
当企業グループは全国に賃貸不動産を保有しておりますが、不動産市況によっては賃貸物件の空室率が高くなることや主要テナントの撤退等により期待通りの収益を得られない可能性があります。各テナントと綿密なコミュニケーションを取りながら賃料交渉にも誠実に対応し、また撤退の際には後継テナントを誘致する等で対処をしておりますが、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当企業グループは税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、解消見込年度のスケジューリング及び将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を検討した上で繰延税金資産を計上しております。解消見込年度のスケジューリング及び将来の課税所得については、新型コロナウイルス感染症の状況を含む経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っておりますが、結果として繰延税金資産の全額または一部に回収可能性がないと判断し、繰延税金資産の取崩しが必要となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の計上にあたっての重要な会計上の見積りの前提条件については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(以下、感染症)による影響が続く中、ワクチン接種の進展により、経済活動に持ち直しの動きが見られたものの、新たな変異株による感染の急拡大により、依然として先行きの不透明な状況が続きました。
映画業界は、2021年年間興行収入が1,618億9,300万円(前年比113.0%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降最低の成績となった前年の成績は上回ったものの、依然として厳しい状況が続きました。また、入場人員は1億1,481万人(前年比108.2%)と興行収入同様に前年を上回りました。邦画・洋画の構成比は、邦画が79.3%、洋画が20.7%となりました。邦画は2000年以降、第3位の好成績となり回復傾向にあります。一方、洋画は公開本数の減少等、前年の成績をさらに下回る結果となりました。全国のスクリーン数は前年より32スクリーン増えて、3,648スクリーンとなりました。
演劇業界は、感染防止策のガイドラインを遵守し、日程や上演時間等を工夫しながら興行を執り行って参りました。その中で、松竹直営劇場の演劇公演では、お客様の安全、安心を第一と考え、上演形態に合わせつつ、できる限りの感染防止策を実施する中でお客様をお迎えいたしました。
不動産業界は、感染症の相次ぐ変異株出現による見通しが立たない状況を受けて、飲食業や宿泊業、一部の企業のオフィスで縮小や撤退が生じ、賃貸事業における空室率の影響が懸念されます。オフィス賃貸としては、今後はテレワーク等に対応した設備増設、充実した執務スペースのレイアウト要望等の傾向が見られ、中長期的なトレンドの注視が必要とされます。
このような状況下、当社グループはより一層の効率化を図るとともに、本格的な事業再開に向けた環境整備に努めて参りました
以上の結果、当連結会計年度は、売上高71,835百万円(前連結会計年度比37.0%増)、営業損失4,005百万円(前年同期は営業損失5,483百万円)、経常損失2,801百万円(前年同期は経常損失5,610百万円)となり、特別利益593百万円及び特別損失1,026百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純損失は1,762百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失11,407百万円)となりました。
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売上高 (百万円) |
営業損失(△) (百万円) |
経常損失(△) (百万円) |
親会社株主に帰属する当期純損失(△) (百万円) |
1株当たり 当期純損失(△) (円) |
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当連結会計年度 |
71,835 |
△4,005 |
△2,801 |
△1,762 |
△128.33 |
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前連結会計年度 |
52,434 |
△5,483 |
△5,610 |
△11,407 |
△830.50 |
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増減率(%) |
37.0 |
- |
- |
- |
- |
②財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりであります。
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資産合計 (百万円) |
負債合計 (百万円) |
純資産合計 (百万円) |
自己資本比率 (%) |
1株当たり純資産 (円) |
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当連結会計年度末 |
188,781 |
107,947 |
80,833 |
42.4 |
5,827.78 |
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前連結会計年度末 |
191,205 |
110,597 |
80,608 |
41.9 |
5,837.84 |
|
増減率(%) |
△1.3 |
△2.4 |
0.3 |
- |
△0.2 |
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりであります。
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営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
現金及び現金同等物 の期末残高 (百万円) |
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当連結会計年度 |
4,806 |
△1,668 |
△4,977 |
16,531 |
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前連結会計年度 |
△8,144 |
△3,106 |
8,019 |
18,017 |
④生産、受注及び販売の実績
当企業グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であるため単価を特定できるものではなく、また受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の実績については「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績等の分析」における各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の分析
セグメントの業績は次のとおりであります。
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売上高 |
営業利益又は営業損失(△) |
||||
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
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映像関連事業 |
31,827 |
40,648 |
27.7 |
△2,761 |
△1,890 |
- |
|
演劇事業 |
7,317 |
15,728 |
115.0 |
△4,268 |
△4,068 |
- |
|
不動産事業 |
11,931 |
11,992 |
0.5 |
5,379 |
5,038 |
△6.3 |
|
その他 |
1,359 |
3,465 |
155.0 |
△886 |
△197 |
- |
|
全社・消去 |
- |
- |
- |
△2,946 |
△2,888 |
- |
|
連結計 |
52,434 |
71,835 |
37.0 |
△5,483 |
△4,005 |
- |
(映像関連事業)
配給は、邦画11作品、洋画3作品、アニメ9作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等の作品を公開しました。緊急事態宣言の発出により、対象となる地域では映画館が休館・時短営業となり、公開予定作品が延期になる等、大きな影響を受けましたが、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」「ハニーレモンソーダ」「99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE」が大ヒットし、「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」は、興行収入45.5億円と、邦画洋画を通して2021年実写映画1位となり、収益に貢献しました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズでは、感染拡大予防ガイドラインに従い、空調設備を適切に稼働させ、お客様の体表面温度の非接触測定やアルコール消毒液の設置等、万全な感染防止策を行っております。興行では、7月には「東京リベンジャーズ」、11月には「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」、12月には「劇場版 呪術廻戦 0」「99.9-刑事専門弁護士- THE MOVIE」が大ヒットし、若い世代を中心に多くのお客様にご来場いただきました。また、4月には九州初となる熊本ピカデリーを開業し、11月には丸の内ピカデリー1・2を改装しリニューアルオープンしました。
テレビ制作は、地上波にて、時代劇「幕末相棒伝」「必殺仕事人2021」、2時間ドラマ「再雇用警察官2、3」、BS放送にて、BS時代劇「雲霧仁左衛門5」「春だ!さくらだ!寅さん祭り」、時代劇スペシャル「無用庵隠居修行5」「寅さんファンクラブ あなたの寅さん、私の寅さん」、連続ドラマ「ソロモンの偽証」、CS放送にて、時代劇「殺すな」、配信にて、「#休暇今井」等を、万全な感染症対策をとった上で制作いたしました。番組販売では、CS局に鶴田浩二主演「大空港」、田宮二郎主演「白い滑走路」他、昔懐かしい名作を販売して好調に推移しました。
DVD・ブルーレイディスク販売では、「弱虫ペダル」「ARIA The CREPUSCOLO」「ハニーレモンソーダ」「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」「たまゆらコンプリートBlu-ray BOX」等の新作や人気のアニメーションを販売し、好調に推移しました。
定額制動画配信では、Netflixにて「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」独占配信をスタートさせ、大きな話題となりました。都度課金型動画配信の新作は、「事故物件 恐い間取り」「さんかく窓の外側は夜」等の新作を配信しました。
テレビ放映権販売では、BSテレビ東京で、4月より「釣りバカ日誌」全22作品を、10月より「男はつらいよ」シリーズ4Kデジタル修復版の放送を開始し、収益に貢献しました。海外では、カンヌ国際映画祭に篠田正浩監督生誕90周年記念として4Kデジタルリマスターした「夜叉ケ池」を、ベルリン国際映画祭に「乾いた花」を出品し、大きな反響となりました。また、10月には中国で「おくりびと」が劇場公開され、大ヒットしました。
CS放送は、松竹ブロードキャスティング㈱は、中国アニメの放送開始や、アジアで人気の俳優が出演するドラマを日本初放送する等、競合との差別化によって収益を確保しました。
この結果、売上高は40,648百万円(前年同期比27.7%増)、セグメント損失は1,890百万円(前年同期はセグメント損失2,761百万円)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、歌舞伎座では年間を通して三部制興行を行いました。緊急事態宣言の発出により、「四月大歌舞伎」「五月大歌舞伎」の一部日程が中止になりましたが、4月の「上の巻」と6月の「下の巻」にわけて上演した「桜姫東文章」や1月の「壽 初春大歌舞伎」等が好評を博し、収益改善に貢献しました。「桜姫東文章」は第29回読売演劇大賞選考委員特別賞を受賞しました。1月からは客席の収容率を上げ、収益改善に努めました。
新橋演舞場は、3月は「滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie」の再上映、4月と5月は「滝沢歌舞伎ZERO 2021」を上演し、連日大好評となりました。2019年以来の上演となる6月の「熱海五郎一座」をはじめ、7月の「おあきと春団治」、8月の「レビュー夏のおどり」と「喜劇 老後の資金がありません」、9月のジャニーズJr.公演「少年たち 君にこの歌を」、10月の第76回文化庁芸術祭賞の大賞を受賞した「十月新派特別公演」、11月のジャニーズJr.「虎者 NINJAPAN 2021」等、いずれも感染防止策を徹底して上演いたしました。
大阪松竹座は、公演関係者の感染症罹患により一部日程の中止はありましたが、3月から翌2月までのすべての予定公演を上演することができ、収益改善に繋がりました。3月の関西ジャニーズJr.公演「ANOTHER 新たなる冒険」や、4月の「未来記の番人」、10月の花形歌舞伎「GOEMON 石川五右衛門」が好評を博しました。
南座は、5月の「舟木一夫シアターコンサート 2021 in 南座」の延期や、9月の「九月南座超歌舞伎」の一部公演中止等、緊急事態宣言発出の影響を受けました。6月の「海老蔵歌舞伎」、7月の「松竹新喜劇 夏まつり特別公演」、7月と8月の「坂東玉三郎 特別舞踊公演」、10月の「虎者 NINJAPAN 2021」は感染症が落ち着きを見せた情勢で予定通り開催し、一定の成果を収めることが出来ました。12月の「吉例顔見世興行」も昨年に引き続き三部制で行い、収支の大幅な改善に繋がりました。
その他の公演は、4月は日生劇場で今井翼主演ミュージカル「ゴヤ –GOYA-」、5月はBunkamuraシアターコクーンで「夏祭浪花鑑」を上演し高い評価を得ました。2月のBunkamuraシアターコクーンでは、10年ぶりとなる宮藤官九郎脚本の「天日坊」を上演し大好評となりました。
受託製作は、受託製作の歌舞伎公演は、公演期間や規模を縮小して実施いたしました。4月の御園座「市川海老蔵特別公演」、6月の博多座「六月博多座大歌舞伎」、11月のTBS赤坂ACTシアター「赤坂大歌舞伎」、2月の博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」、一般演劇では3月の博多座「藤山寛美公演」が好評を博しました。
シネマ歌舞伎は、5月から翌2月にかけて「月イチ歌舞伎2021」10作品の上映を行いました。緊急事態宣言発出による映画館の休館もありましたが、ラインナップ後半にかけて少しずつ動員が回復して参りました。6月には、公開延期となっていた新作「鰯賣戀曳網」を公開いたしました。
METライブビューイングは、2月から8月まで、過去シーズンの人気演目を「プレミアム・コレクション2021」として上映し、好評を博しました。秋には現地メトロポリタン歌劇場が再開し、1月より最新の2021-22シーズンを上映いたしました。
配信は、「歌舞伎オンデマンド」では、劇場に来られないお客様のニーズに応え、毎月の歌舞伎座公演を千穐楽の数日後から配信しました。6月の信州・まつもと大歌舞伎2021「夏祭浪花鑑」では、配信でしか見られない貴重な特別映像を新たに加え、既に公演をご覧になった方でも楽しめると評判になりました。年末年始には、「おうちで新春浅草歌舞伎」と銘打ち、過去の浅草歌舞伎の舞台映像を特集配信し好評を博しました。「歌舞伎家話」「紀尾井町家話」等、歌舞伎俳優のトークショーも配信し、定番の人気コンテンツとなりました。
この結果、売上高は15,728百万円(前年同期比115.0%増)、セグメント損失は4,068百万円(前年同期はセグメント損失4,268百万円)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・大船ショッピングセンターなど主要物件の高稼働により安定収益を確保し、感染症の影響による賃料減額も最小限に留めることで計画通りの収益に貢献しました。また、大規模物件の照明LED化などサステナビリティへの取り組み、将来の街づくりの一環として地域と連携したエリアマネジメント活動にも注力しました。
この結果、売上高は11,992百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は5,038百万円(同6.3%減)となりました。
(その他)
ウィズコロナの社会状況を見据え、各事業におけるオンラインによる販売、配信の強化をはかりつつ、人気シリーズ作品やコア層向けの商品開発・販売を主軸に展開しました。
プログラム・キャラクター商品は、実写作品では、「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」「ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM “Record of Memories”」等、アニメ作品では「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」「ARIA The CREPUSCOLO/The BENEDIZIONE」等の作品を中心に収益に貢献しました。
イベント事業/オンライン配信は、4月に幕張メッセにて開催した超歌舞伎2021「御伽草紙戀姿絵」では、同時生配信も実施しました。熊本ピカデリーでは次世代の“3面上映システム”の初上映作品として「3面スクリーン版 超歌舞伎『今昔饗宴千本桜2020 夏』」を上映し好評を博しました。7月には体験型推理ゲーム「マーダーミステリーシアター 演技の代償」の第二弾を、12月には新作「マーダーミステリーシアター 裏切りの晩餐」をライブ配信しました。
また、バーチャルプロダクション手法を用いたコンテンツ開発の拠点として、「代官山メタバーススタジオ」を開設し、1月にコンテンツ第一弾として、源氏物語を題材とした「META歌舞伎 Genji Memories」をオンライン配信し、次世代のエンタテインメントとして好評を博しました。
この結果、売上高は3,465百万円(前年同期比155.0%増)、セグメント損失は197百万円(前年同期はセグメント損失886百万円)となりました。
(売上高)
売上高は71,835百万円(前年同期比37.0%増)となりました。これは主に前期において緊急事態宣言等自治体等の要請に従い新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う演劇公演の中止及び延期、映画館の休業及び営業時間の短縮等を実施しましたが、当期は上期において前期と同様に緊急事態宣言等に伴う公演の中止や映画館の休業等一部影響は受けたものの、下期において緊急事態宣言等の解除等感染症の影響も縮小し、売上高は増加しています。
(売上原価)
売上原価は46,403百万円(前年同期比39.4%増)となりました。これは主に売上の増加に伴うものであります。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は29,437百万円(前年同期比19.5%増)となりました。これは主に広告宣伝費、人件費、地代家賃等が増加したためであります。
(営業損失)
売上高は増加したものの、上期において緊急事態宣言等に伴う公演の中止や映画館の休業等を実施した影響もあり、営業損失は4,005百万円(前年同期は営業損失5,483百万円)となりました。
(経常損失)
営業外収益は2,986百万円(前年同期比157.7%増)となりました。これは主に協力金、補助金、雇用調整助成金の増加によるものです。また、主に持分法による投資損失が増加したことにより営業外費用は1,783百万円(同38.7%増)となりました。その結果、営業外損益計上後の経常損失は2,801百万円(前年同期は経常損失5,610百万円)となりました。
(特別損失)
特別利益は固定資産売却益295百万円、投資有価証券売却益170百万円等合計593百万円を計上しました。また、特別損失については、公演中止損失560百万円、臨時休業等による損失340百万円等合計1,026百万円を計上しました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は1,762百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失11,407百万円)となり、1株当たり当期純損失は128円33銭となりました。
②財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,423百万円減少し、188,781百万円となりました。これは主に受取手形及び売掛金が増加したものの、現金及び預金、有形固定資産が減少したこと等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,649百万円減少し、107,947百万円となりました。これは主に買掛金が増加したものの、長期借入金が減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ225百万円増加し、80,833百万円となりました。これは主に利益剰余金が減少したものの、その他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は16,531百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,486百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は4,806百万円(前年同期に使用した資金は8,144百万円)となりました。これは主として、減価償却費5,614百万円の計上等によるものであります。
(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は1,668百万円(前年同期に使用した資金は3,106百万円)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出2,263百万円等によるものであります。
(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は4,977百万円(前年同期に得られた資金は8,019百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入4,460百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出9,908百万円等があったことによるものであります。
(ニ)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当企業グループの主な資金需要は運転資金及び設備投資資金であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は16,531百万円となっております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤経営成績等に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社は、2022年3月24日開催の取締役会において、当社が保有する固定資産を譲渡することを決議するとともに、同年3月25日付で譲渡契約を締結しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
特にありません。