第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当企業グループが判断したものであります。

  また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

(8)財政状態に関するリスク

1.当社は、長期借入金として金融機関5行との間で104億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。

(イ)各年度の決算期および中間期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2022年2月期の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

(ロ)各年度の決算期および中間期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2022年2月期の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

2.当社は、長期借入金として金融機関8行との間で62億円の金銭消費貸借契約を締結しており、この契約には下記の財務制限条項が付加されております。当社では、安定した経営による財務体質強化に努めておりますが、それに抵触した場合には借入金の返済を要請される可能性があります。

(イ)各年度の決算期および中間期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2023年2月期の決算期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

(ロ)各年度の決算期および中間期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を、前年同期比75%以上かつ2023年2月期の決算期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上に維持すること。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善等により個人消費が増加したことで、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、資源価格の高騰や為替変動による物価の上昇など、依然として先行き不透明な状況が続きました。

 このような状況下、当企業グループはより一層の効率化を図るとともに、積極的な営業活動に努めて参りました。以上の結果、当中間連結会計期間は、売上高39,587百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益715百万円(前年同期比69.6%減)、経常損失3,148百万円(前年同期は経常利益1,665百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は681百万円(前年同期は親会社株主に帰属する中間純利益3,315百万円)となりました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 (映像関連事業)

 配給は、邦画7作品、洋画4作品、アニメ3作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等、多様な作品を公開しました。6月の「九十歳。何がめでたい」はシニア層を中心に、7月の「あのコはだぁれ?」は10代・20代を中心に、お客様の支持を集め、ともに興行収入10億円を越えるヒット作となりました。

 興行は、邦画では「劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦」「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」が興行収入100億円を超え、「変な家」「キングダム 大将軍の帰還」、洋画では「インサイド・ヘッド2」が大ヒットとなりました。なお、当期は売店部門の強化に注力しており、収益に貢献しました。

 テレビ制作は、BS放送にて時代劇「広重ぶるう」「無用庵隠居修行8」、連続ドラマ「めんつゆひとり飯2」「雲霧仁左衛門ファイナル」、CSチャンネルにて「鬼平犯科帳」2作品を制作いたしました。

 DVD・ブルーレイディスク販売は、「シチリア・サマー」「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」「ブルーアーカイブ The Animation 第1巻」「シネマ歌舞伎 刀剣乱舞 月刀剣縁桐」等を発売し好調に推移しました。

 配信は、「おまえの罪を自白しろ」をAmazon Prime Videoで独占配信し、売上に大きく貢献しました。「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」は、4月にU-NEXTで都度課金サービスにて先行独占配信、8月にAmazon Prime Videoで定額見放題サービス独占配信を実施し、大きな話題となりました。松本清張原作「黒革の手帖」2作品をAmazon Prime Video他配信会社に提供し、好評を得ました。テレビ放映権販売では、4月からBSテレ東で「釣りバカ日誌」全作品の4K版を半年にわたって放送しました。また、江戸川乱歩原作「氷柱の美女」等の販売も行いました。

 CS放送事業等は、松竹ブロードキャスティング㈱において、ホームドラマチャンネル開局25周年を記念したオリジナルドラマ「お母さんが一緒」を放送し、映画版に編集して劇場公開もいたしました。放送では、話題のアジアドラマや人気俳優が出演する舞台やライブ等を編成し、新規契約者の獲得に努めました。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は20,681百万円(前年同期比14.3%減)、セグメント利益は438百万円(前年同期比80.4%減)となりました。

 (演劇事業)

 歌舞伎座は、5月の「團菊祭五月大歌舞伎」、6月の「六月大歌舞伎」、8月の「八月納涼歌舞伎」で上演した京極夏彦脚本「狐花」等、各月、話題に富んだ公演が揃い、前期を上回る成績を収めました。増加傾向のインバウンド対応として、7月から貸出タブレット端末での英語字幕サービスを開始しました。

 新橋演舞場は、4月の「祭 GALA」、5月の「トンカツロック」、6月の東京喜劇 熱海五郎一座公演等が好成績を収めました。3月のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」、7月の「七夕喜劇まつり」、8月のOSK日本歌劇団「レビュー 夏のおどり」「カルメン故郷に帰る」が大変好評を博しました。

 大阪松竹座は、3月の「おいでよ!ミナミ笑店街」、4月のOSK日本歌劇団「レビュー 春のおどり」、5月の「トンカツロック」等が好成績を収めました。また、8月の「関西ジュニア サマバケ 2024」も大変好評を得ました。

 南座は、3月に「三月花形歌舞伎」、6月の「坂東玉三郎特別公演」、8月の坂東玉三郎演出「星列車で行こう」が収益に貢献しました。

 その他の公演は、5月のTHEATER MILANO-Za「歌舞伎町大歌舞伎」公演が高収益を上げ、6月の三越劇場では「初夏の新派祭」が好評を博しました。

 巡業は、5年ぶりに「四国こんぴら歌舞伎大芝居」を4月に開催し、全国から多くの来場者を迎え好評を博しました。7月の公文協松竹特別歌舞伎巡業は、中村獅童、中村陽喜の親子共演が話題を呼び、各地大盛況となりました。

 シネマ歌舞伎は、4月に新作「刀剣乱舞 月刀剣縁桐」から「月イチ歌舞伎2024」がスタートし、同作のDVD・ブルーレイディスクが発売され好評を得ました。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は10,952百万円(前年同期比4.7%減)、セグメント損失は923百万円(前年同期はセグメント損失722百万円)となりました。

 (不動産事業)

 不動産賃貸は、入居テナントとの綿密なコミュニケーションと良好な関係構築に努めることで、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエア等主要物件の高稼働により安定収益を確保しました。また、収益向上を目指した資産入れ替えの施策として新規取得した銀座2丁目松竹ビル・同ANNEXも高稼働となりました。中長期戦略である東銀座エリアマネジメント活動は、一般社団法人とまちづくり推進協議会に賛同・入会いただく企業も増え、街の賑わい創出イベントを開催する等、地域貢献とエリアの価値向上のための取り組みを一層強化しました。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は6,919百万円(前年同期比10.8%増)、セグメント利益は3,034百万円(同9.9%増)となりました。

 (その他)

 各事業でのオンラインによる商品販売やコンテンツ配信の強化を図りつつ、人気シリーズ作品やコア層向けの商品開発・販売を主軸に展開しました。また、新規事業領域における事業展開については、コストを抑制しつつも、これまでにない企画やコンテンツ開発に注力し、他業種企業との新しい取り組みや基盤づくりを進めました。

 劇場プログラムおよびキャラクター商品は、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」「赤羽骨子のボディガード」等の作品を中心に収益に貢献しました。

 ホラーコンテンツ「松竹お化け屋本舗」は、ゲームプラットフォーム「フォートナイト」にてオリジナルマップ「呪園」をプロデュースし、4月と5月にリアルイベントを企画・制作しました。また、イベント事業では、6月に人気ゲーム「薄桜鬼」15周年記念オーケストラコンサートを開催、7月に丸の内ピカデリー100周年記念「浪漫活弁シネマ~映画『青春の夢いまいづこ』篇~」を開催して話題となりました。

 この結果、当中間連結会計期間の売上高は1,034百万円(前年同期比0.4%減)、セグメント損失は222百万円(前年同期はセグメント損失346百万円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5,195百万円減少し、205,944百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したこと等によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末に比べ2,535百万円減少し、114,139百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末に比べ2,660百万円減少し、91,805百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ185百万円増加し、当中間連結会計期間末には20,878百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は154百万円(前年同期に得られた資金は5,887百万円)となりました。これは主として、投資有価証券売却益4,002百万円の計上があったものの、持分法による投資損失3,890百万円、売上債権の減少2,578百万円の計上等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果得られた資金は49百万円(前年同期に得られた資金は303百万円)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出2,111百万円、関係会社株式の取得による支出2,000百万円があったものの、投資有価証券の売却による収入5,994百万円の計上等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は18百万円(前年同期に得られた資金は563百万円)となりました。これは主として、長期借入れによる収入3,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,892百万円の計上等によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した内容に、重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当企業グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)従業員数

 当中間連結会計期間において、当企業グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

(9)主要な設備

 当中間連結会計期間において、著しい変動はありません。

 

(10)経営成績に重要な影響を与える要因

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営成績に重要な影響を与える要因に、重要な変更はありません。

 

(11)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性について著しい変動はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 前事業年度の有価証券報告書に記載した契約以外に、当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。