第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、引き続き緩やかな回復基調が続きましたが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響等、依然留意が必要な状況で推移いたしました。映画業界におきましては、2016年度の興行収入は2355億8百万円と前年度から8.5%増となりました。

このような情勢下にあって当社グループでは、主力の映画事業のうち映画営業事業において「ゴジラ」シリーズ第29作目となる「シン・ゴジラ」が大ヒットを記録、新海誠監督作品「君の名は。」がメガヒットのロングラン興行を記録した他、多数の話題作や定番のアニメーション作品を配給いたしました。演劇事業においても様々な話題作を提供いたしました。この結果、営業収入は2335億4千8百万円(前年度比1.8%増)、営業利益は502億2千3百万円(同23.4%増)、経常利益は515億6千2百万円(同21.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は332億5千2百万円(同28.7%増)となりました。

セグメントの業績状況は以下のとおりです。

 

映画事業

映画営業事業のうち製作部門では、東宝㈱において「君の名は。」「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」「暗殺教室~卒業編~」「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」等の29本の映画を共同製作し、また劇場用映画「追憶」「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」、TBSで放送の日曜劇場「仰げば尊し」、NHK総合・BSプレミアム連動ドラマ「スリル! 赤の章・黒の章」を制作いたしました。さらに「ゴジラ」シリーズ最新作「シン・ゴジラ」を公開いたしました。

映画営業事業のうち配給部門では、当連結会計年度の封切作品として、東宝㈱において前記作品の他、「映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生」「映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃」「ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」を含む33本を、東宝東和㈱等において「ペット」「ジェイソン・ボーン」等の16本を配給いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は46,188百万円(前年度比6.2%減)、営業利益は15,279百万円(同31.3%増)となりました。なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(6,223百万円、同235.6%増)控除前で57,240百万円(同20.0%増)であり、その内訳は、国内配給収入が46,028百万円(同15.2%増)、製作出資に対する受取配分金収入が5,710百万円(同136.8%増)、輸出収入が1,119百万円(同23.3%減)、テレビ放映収入が1,045百万円(同40.5%減)、ビデオ収入が1,471百万円(同27.7%増)、その他の収入が1,863百万円(同96.8%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(2,698百万円、前年度比38.3%増)控除前で、4,654百万円(同15.8%減)でした。

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、前記配給作品の他に、「ズートピア」「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」「ファインディング・ドリー」「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「バイオハザード:ザ・ファイナル」等、邦洋画の話題作を上映いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は、46,894千人と前年度比7.5%増となりました。その結果、映画興行事業の営業収入は79,025百万円(前年度比7.5%増)、営業利益は11,001百万円(同21.8%増)となりました。

当連結会計年度中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、4月25日に千葉県柏市に「TOHOシネマズ 柏」(9スクリーン)、7月1日には宮城県仙台市青葉区に「TOHOシネマズ 仙台」(9スクリーン)をそれぞれオープンし、その一方でTOHOシネマズ㈱が2月23日に東京都港区の「シネマ メディアージュ」(13スクリーン)を閉館いたしました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は、共同経営の「札幌シネマフロンティア」(12スクリーン)、「広島バルト11」(11スクリーン)、「新宿バルト9」(9スクリーン)、「TOHOシネマズ 西宮OS」(12スクリーン)、「大阪ステーションシティシネマ」(12スクリーン)を含め、全国で5スクリーン増の666スクリーンとなりました。また、TOHOシネマズ㈱におきましては、スマートフォン向けの映画情報サービス・アプリの提供、インターネットチケット購入時の決済方法としてApple Payへの対応を開始いたしました。

映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-ray(一部)にて「刀剣乱舞-花丸-」「暗殺教室~卒業編~」「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「君の名は。」「シン・ゴジラ」をはじめとする当社配給作品及び「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」「ファインディング・ドリー」等の洋画作品が順調に稼働いたしました。アニメ製作事業では、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」「刀剣乱舞-花丸-」、映画「君の名は。」「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」等に製作出資いたしました。実写製作事業では、TVドラマ「弱虫ペダル」、「RADWIMPSのHESONOO Documentary Film」等に製作出資いたしました。また、アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では「闇金ウシジマくん Part3/ザ・ファイナル」「傷物語 <Ⅱ熱血篇> / <Ⅲ冷血篇>」等を提供いたしました。さらに、㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では原価管理に努めながら、映画やTV・CMなどでの舞台製作・美術製作、テーマパークにおける周年関連工事や展示物の製作業務、メンテナンス業務、及び大規模改修工事などを受注いたしました。これらの結果、映像事業の営業収入は29,359百万円(前年度比2.6%増)、営業利益は7,494百万円(同38.5%増)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(4,095百万円、前年度比125.1%増)控除前で26,209百万円(同12.4%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が9,921百万円(同13.7%減)、出版・商品事業収入が4,172百万円(同6.4%減)、アニメ製作事業収入が8,088百万円(同97.5%増)、実写製作事業収入が1,477百万円(同26.4%増)、ODS事業収入が2,550百万円(同21.4%増)でした。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は154,573百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は33,775百万円(同29.5%増)となりました。

 

演劇事業

演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、3月「Endless SHOCK」が全席完売、4、5月「1789 -バスティーユの恋人たち-」が大入り、6、7月「エリザベート」が連日満席、8月「王家の紋章」が大入り、9月「DREAM BOYS」、12、1月「ジャニーズ・オールスターズ・アイランド」、2月「Endless SHOCK」がいずれも全席完売となりました。シアタークリエにおきましては、「ピアフ」「エドウィン・ドルードの謎」が共に連日満席、「ジャニーズ銀座2016」が全席完売、「ジャージー・ボーイズ」が大入り、「縁(えん)~むかしなじみ~」が全席完売、「ナイスガイ in ニューヨーク」が連日満席、「クリエ・ミュージカル・コレクションⅢ」が大入りとなりました。日生劇場におきましては10月「ABC座2016 株式会社応援屋!! OH&YEAH!!」が全席完売となりました。また、全国へと展開を続けている社外公演が事業収益に貢献いたしました。東宝芸能㈱では所属俳優がCM・TV・映画等で稼働、また東宝シンデレラオーディションを開催し、11月にグランプリが決定いたしました。以上の結果、前期と演目等の違いはございますが、演劇事業の営業収入は15,586百万円(前年度比4.1%増)、営業利益は3,268百万円(同6.1%減)となりました。

なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(209百万円、前年度比1.7%減)控除前で14,651百万円(同3.5%増)であり、その内訳は、興行収入が11,592百万円(同8.3%増)、外部公演収入が2,853百万円(同10.8%減)、その他の収入が204百万円(同18.1%減)でした。

 

不動産事業

不動産賃貸事業では、東宝㈱の不動産経営部門及び、全国各地で不動産賃貸事業に関わる連結各子会社が有する建物等が好調に稼働し、事業収益に寄与いたしました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は31,371百万円(前年度比2.6%減)、営業利益は13,728百万円(同14.3%増)となりました。

また、空室率については企業集団として、一時的なテナントの入れ替えにより、0.1%台で推移しております。企業集団の固定資産の含み益については、平成28年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2135億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)また、東宝㈱の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに順調に稼働いたしました。

なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(658百万円、前年度比0.8%増)控除前で、26,216百万円(同3.0%増)でした。
 道路事業では、受注競争の激化や建設技能者の不足等があり、依然として予断を許さない状況での事業展開となりました。このような中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、積極的な営業活動で受注増に努めるとともに、原価管理の徹底や業務の効率化、コスト削減等に努め、その結果、道路事業の営業収入は、20,254百万円(前年度比0.1%減)、営業利益は2,169百万円(同16.4%増)となりました。
 不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び㈱東宝サービスセンターが、労務費や資材価格の高騰、人員不足の定常化等厳しい経営環境が続く中、新規受注に取り組むとともにコスト削減努力を重ねました。その結果、営業収入は9,816百万円(前年度比2.0%増)、営業利益は932百万円(同1.9%増)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は61,442百万円(前年度比1.1%減)、営業利益は16,830百万円(同13.8%増)となっております。

 

その他事業

娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」、㈱東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」等でお客様ニーズを捉えた充実したサービスの提供に努力いたしました。また、平成28年12月1日付で、東宝不動産㈱が行う飲食・物販事業を東宝不動産㈱の完全子会社である㈱東宝レストランサービスに吸収分割し、同日に商号をTOHOリテール㈱に変更しております。なお、当連結会計年度よりTOHOリテール㈱を連結の範囲に含めております。

その結果、その他事業の営業収入は1,946百万円(前年度比100.0%増)、営業利益は135百万円(同350.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,597百万円増加し、87,990百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が51,310百万円、減価償却費が9,801百万円ありましたが、仕入債務の減少が3,497百万円、法人税等の支払額が18,345百万円あったこと等により、41,803百万円の資金の増加(前年度比4,376百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が22,499百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が31,021百万円、有形固定資産の取得による支出が7,699百万円あったこと等により、17,219百万円の資金の減少(前年度比5,498百万円の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が8,442百万円、配当金の支払額が5,504百万円あったこと等により、14,216百万円の資金の減少(前年度比4,797百万円の減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。

(1) 受注高及び受注残高

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

映画事業

3,077

△17.9

274

144.2

演劇事業

不動産事業

18,191

10.4

3,011

56.3

その他事業

合計

21,269

5.2

3,285

61.2

 

(注) 1 当企業集団では映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業以外は、受注生産を行っておりません。

2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

(百万円)

前年同期比(%)

映画事業

154,573

2.1

演劇事業

15,586

4.1

不動産事業

61,442

△1.1

その他事業

1,946

100.0

合計

233,548

1.8

 

(注) 1 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある相手先がないため記載を省略しております。

  映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は不特定の個人であり、不動産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く経営環境は、主力の映画事業において、当社製作・配給の「シン・ゴジラ」「君の名は。」のメガヒットが牽引し、2016年の映画興行収入が歴代最高を記録、入場者数も42年ぶりに1億8,000万人を超えるなど、活況を呈しております。個人消費が全体に盛り上がりを欠く中、「コト消費」「体験型消費」の代表とも言われる映画・演劇コンテンツの持つ付加価値は、今後も相対的に増大していくものと考えられます。
 一方、中長期的な視点に立てば、人口減少・少子高齢化による国内市場の縮小や、定額動画配信の普及拡大等による映像メディアの流通構造の変化など、先行き不透明な要因も数多く抱えております。そのような環境下で当社グループは、ますます多様化するお客様のニーズに対し、常に新鮮で魅力的なコンテンツを提供することを基本としながら、関連するエンタテインメント・ビジネスを多角的に展開することで、持続的な成長を遂げたいと考えております。
 そうした基本方針のもと、当社グループは、平成27年4月に「TOHO VISION 2018 東宝グループ 中期経営戦略」を策定し、事業の三本柱である「映画・演劇・不動産」それぞれにおいて、これまで築き上げてきた強みを基盤にしつつ、次の5つの重点分野を掲げ、これに沿った各種施策を強力に推進してまいります。

① 自社企画作品の拡充および幅広いライツの確保

映画・演劇・アニメ等において、自社における企画開発・プロデュース力を強化し、作品ラインナップのさらなる拡充に努めます。また、有力コンテンツの幅広いライツの確保(パッケージ・配信・海外販売・商品化・舞台化・音楽・ライブイベント等)に努め、多様な関連領域と新しい市場におけるマネタイズを推進してまいります。

② ゴジラを中心としたキャラクタービジネスの展開

「ゴジラ」は当社がオールライツを有する最重要IPであり、昨年の「シン・ゴジラ」の成功を受け、本年はアニメーション映画「GODZILLA -怪獣惑星-」の公開及びECサイトを含めたキャラクター・グッズの販売強化に取り組みます。また、ゴジラ以外のキャラクターの開発・育成にも努め、ライセンスビジネスの収益拡大を目指してまいります。

③ 海外市場開拓の新しいビジネスモデルの確立

「君の名は。」は中国をはじめとしたアジア各国で大ヒットを記録しました。これに続く映画・アニメ作品の海外セールス拡大に積極的に取り組みます。また、自社及び日本国内の「企画」を海外に売り込み、有力なパートナーとの共同開発・製作を進めるなど、多面的アプローチで海外市場開拓のビジネスモデルを確立すべく取り組んでまいります。

④ TOHOシネマズの戦略的出店と高機能・高付加価値化

本年秋に「上野」、来年春に「日比谷」、さらに平成32年予定で「池袋」と、都心部への集中的な出店を継続いたします。加えて、MediaMation MX4D™やIMAX®を積極導入するなど、時代の変化とお客様の志向に即した施設・商品・サービスの充実を促進し、さらに強力なシネコンチェーンへ進化させるべく取り組んでまいります。

⑤ グループ不動産事業再編による基盤強化と新規取得

本年3月1日付で東宝不動産㈱を吸収合併し、不動産事業基盤の強化を目的とした組織再編は完了しました。今後は、当社の本拠地「日比谷」「有楽町」地区のリニューアル事業の推進や、新規物件の取得も含めた保有資産のポートフォリオ見直しにも取り組み、不動産事業の収益拡大と競争力向上を目指してまいります。

当社グループは、上記の経営戦略に基づいた具体的な経営施策を積極的に展開し、さらなる業績の伸長と企業価値の向上に向けて、全力で取り組んでまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、文中における将来に関する事項は当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社グループはこれらの事項を認識したうえで、その発生の回避および発生時の適切な対応に向けて努力してまいります。

 

 ① 映画の公開に係るリスク

当社グループにおける公開予定作品について、製作遅延その他の理由による公開延期等のリスクが存在します。また当社グループは興行網の優位性を基盤に興行力の高い作品の獲得に努めておりますが、作品によっては十分な観客動員を果たせないリスクも存在します。

 ② 演劇公演に係るリスク

当社グループは演劇事業を展開しておりますが、出演俳優の健康上の理由等により出演が不可能になり、結果として公演が中止になるリスクがあります。また、新作公演は演目の幅を広げ新規顧客を開拓するための必要なチャレンジと認識していますが、知名度の点で不利であり、十分な観客動員を果たせないリスクも存在します。

 ③ 知的財産権の侵害に係るリスク

当社グループは様々な知的財産権を保有しておりますが、海賊版や模倣品による権利侵害が現実に発生しております。それらにつきましては適切な対応を図っておりますが、海外やインターネットではその知的財産権の保護を充分に受けられない可能性があります。

 ④ 不動産賃貸に係るリスク

当社グループは多数の不動産物件を抱えており、物販・飲食店やオフィスなど様々な賃貸によって売上を計上しております。しかしながら主要テナントの予期せぬ退店等により一時的に収益が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤ 投資等に係るリスク

当社グループは従来より重要な取引先との関係を強固にするため、市場性のある株式を保有しておりますが、将来大幅な株価下落が起きた場合には保有有価証券に減損または評価損が発生する可能性があります。

 ⑥ 当社施設に係るリスク

 当社グループは全国各地に多数の映画館や演劇劇場および商業施設等を保有しており、不特定多数のお客様がご来場されます。これらの施設において自然災害や事故等の発生により事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。

 ⑦ 個人情報等の管理に係るリスク

 当社グループは多数のお客様の個人情報を取り扱っております。これらをはじめとする機密情報の取り扱いについては万全のセキュリティ体制を敷いて管理にあたっておりますが、悪意の第三者によるハッキング等予期せぬ事態により、これらの情報について漏えいするリスクが存在します。

 

5 【経営上の重要な契約等】

  (東宝不動産株式会社の吸収合併)

当社は、平成29年1月16日開催の取締役会において、当社の連結子会社である東宝不動産株式会社を吸収合併することを決議し、同日に合併契約を締結いたしました。概要につきましては「第5 経理の状況 2.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計方針についていくつかの重要な判断や見積りを行っております。たな卸資産の評価基準、貸倒引当金の計上基準、退職給付に係る会計基準、固定資産の減損に係る会計基準、資産除去債務に関する会計基準等の重要な会計方針及び見積りについては、後述の注記事項に記載しておりますが、これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①営業収入

 当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ4,116百万円(1.8%)増収の233,548百万円となりました。

②営業原価、販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ5,688百万円(4.3%)減少の127,774百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ291百万円(0.5%)増加の55,550百万円となりました。これは借家料が335百万円増加したこと等によるものです。

③営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ9,512百万円(23.4%)増益の50,223百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ7,698百万円(29.5%)増益の33,775百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ213百万円(6.1%)減益の3,268百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ2,040百万円(13.8%)増益の16,830百万円、「その他事業」では新たに1社を連結の範囲に含めた影響等により前連結会計年度と比べ105百万円(350.1%)増益の135百万円でした。

④営業外収益、営業外費用

 当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ480百万円(24.3%)減少の1,495百万円となりました。これは主として、前連結会計年度と比べ受取配当金が228百万円減少したこと等によるものであります。

 また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ57百万円(26.7%)減少の157百万円となりました。これは主として、前連結会計年度と比べ為替差損が123百万円減少したこと等によるものであります。

 この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ9,090百万円(21.4%)増益の51,562百万円となりました。

⑤特別利益、特別損失

 当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて179百万円(46.4%)減少の208百万円となりました。これは主に、前連結会計年度において投資有価証券売却益136百万円を計上したこと等によるものであります。

 特別損失は、前連結会計年度と比べ1,739百万円(79.1%)減少の459百万円となりました。これは主とて、減損損失が前連結会計年度と比べ1,659百万円減少の37百万円計上したこと等によるものであります。

⑥親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税16,502百万円、法人税等調整額793百万円、非支配株主に帰属する当期純利益761百万円を計上し、前連結会計年度と比べ7,405百万円(28.7%)増益の33,252百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の140.22円から182.72円に増加いたしました。

 

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

①資産及び負債・純資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ25,383百万円(6.5%)増加して417,526百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末と比べ21,055百万円(15.1%)増加して160,322百万円となりました。このうち、現金及び預金は前連結会計年度末と比べ8,058百万円(60.4%)増加し21,402百万円、受取手形及び売掛金が1,042百万円(5.9%)増加し18,841百万円、有価証券は前連結会計年度末と比べ8,723百万円(118.2%)増加し16,106百万円、現先短期貸付金が5,002百万円(8.3%)増加し64,999百万円となっております。

 有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ1,678百万円(1.1%)減少の153,045百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建物及び構築物は竣工と減損損失計上及び減価償却額の差額等で2,814百万円(3.1%)減少し86,667百万円、機械装置及び運搬具は764百万円(14.0%)増加し6,223百万円、工具、器具及び備品が99百万円(4.0%)増加し2,604百万円、リース資産が7百万円(23.1%)減少し25百万円、土地は取得等により547百万円(1.0%)増加し55,962百万円、建設仮勘定が268百万円(14.7%)減少し1,560百万円となっております。

 無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ511百万円(5.9%)減少の8,156百万円となりました。

 投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ6,518百万円(7.3%)増加し96,002百万円となりました。このうち、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ、保有する株式の時価の上昇等により7,305百万円(10.5%)増加し77,128百万円、退職給付に係る資産が396百万円(89.9%)減少し44百万円となりました。

 当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比べ624百万円(0.6%)減少の97,084百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末と比べ2,313百万円(4.5%)減少の49,592百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、買掛金が3,497百万円(15.9%)減少して18,493百万円、未払法人税等が1,460百万円(14.0%)減少して8,995百万円、未払費用が808百万円(16.6%)増加して5,679百万円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末と比べて1,689百万円(3.7%)増加して47,492百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、繰延税金負債が2,389百万円(20.9%)増加して13,815百万円となっております。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて26,008百万円(8.8%)増加し、320,442百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益33,252百万円の計上及び剰余金の配当5,502百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が28,061百万円(11.1%)増加、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が8,338百万円(79.2%)増加したこと、またその他有価証券評価差額金が5,954百万円(37.9%)増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ1.8ポイント増加し、74.4%となっております。

 

②キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。