第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「健全な娯楽を広く大衆に提供すること」を使命として小林一三により設立されて以来、映画・演劇を中心に、幅広い層のお客様に夢や感動、喜びをもたらす数多くのエンタテインメント作品をお届けしてまいりました。
 また、創業者の言葉である「吾々の享くる幸福はお客様の賜ものなり」を大切な価値観とし、「朗らかに、清く正しく美しく」をモットーに置き、事業の三本柱である「映画・演劇・不動産」のすべての事業において、公明正大な事業活動に取り組むと共に、常にお客様の目線に立ち、時代に即した新鮮な企画を提案し、世の中に最高のエンタテインメントを提供し続ける企業集団でありたいと考えております。
 上記の経営理念に基づき、今後ともグループ全体で企業価値の向上に努めてまいります。

(2)目標とする経営指標

当社グループでは、経営の成果として重視する数値を「営業利益」に置いております。収入とコストの両面から、グループ全体でPDCA管理サイクルを回し、着実な営業利益の積み上げを目指してまいります。
 なお、2018年4月に策定した「TOHO VISION 2021 東宝グループ 中期経営戦略」におきましては、対象年度における連結営業利益の水準を400億円超とすると共に、これまでの最高益である2017年2月期の502億円を更新することを目標としております。

(3)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、主力の映画事業において、2018年の映画興行収入が歴代3位の好成績となるなど、引き続き堅調に推移しました。演劇事業でも、体験型のライブ・エンタテインメントのニーズが高まっており、不動産事業では、都心部を中心に空室率の改善が続くなど、当社グループの主要な事業をめぐる環境は、概ね順調に推移しました。一方で、中長期的に見れば、人口減少による国内市場の縮小や、テクノロジーの進化によるメディア環境の変化など、先行きが懸念される要因も抱えております。
 そのような環境下において、当社グループは、今後も持続的な成長を図るべく、2018年4月に「TOHO VISION 2021 東宝グループ 中期経営戦略」を策定し、以下の通り基本方針を掲げました。

第一に、映画・演劇・アニメなどのコンテンツビジネス、TOHOシネマズや帝国劇場・シアタークリエといったプラットフォーム、全国各地に展開する不動産事業、これら3つの領域を「主軸戦略」と定義し、当社グループの強みを生かして、さらなる事業の深耕・拡充を図ります。

第二に、ゴジラを軸としたキャラクタービジネス、日本のIP及び企画の海外展開、これら2つを成長分野と位置づけ、「ブレイクスルー戦略」として積極投資を含め、重点的に取り組みます。

第三に、大きく変化する経営環境を見越して、中長期的な観点から、新規事業の開発・育成による裾野の拡大に努めます。

中期経営戦略の初年度にあたる2019年2月期は、これらの基本方針に沿った施策を多面的に展開した結果、数値目標として定めた水準を上回る好成績を収めることができました。

今後も当社グループは、上記戦略の遂行に加え、業務の効率化やコスト削減による収益力の向上、適切な資本政策とコーポレートガバナンスの充実を図り、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、文中における将来に関する事項は当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。当社グループはこれらの事項を認識したうえで、その発生の回避および発生時の適切な対応に向けて努力してまいります。

 

 ① 映画の公開に係るリスク

当社グループにおける公開予定作品について、製作遅延その他の理由による公開延期等のリスクが存在します。また当社グループは興行網の優位性を基盤に興行力の高い作品の獲得に努めておりますが、作品によっては十分な観客動員を果たせないリスクも存在します。

 ② 演劇公演に係るリスク

当社グループは演劇事業を展開しておりますが、出演俳優の健康上の理由等により出演が不可能になり、結果として公演が中止になるリスクがあります。また、新作公演は演目の幅を広げ新規顧客を開拓するための必要なチャレンジと認識していますが、知名度の点で不利であり、十分な観客動員を果たせないリスクも存在します。

 ③ 知的財産権の侵害に係るリスク

当社グループは様々な知的財産権を保有しておりますが、海賊版や模倣品による権利侵害が現実に発生しております。それらにつきましては適切な対応を図っておりますが、海外やインターネットではその知的財産権の保護を充分に受けられない可能性があります。

 ④ 不動産賃貸に係るリスク

当社グループは多数の不動産物件を抱えており、物販・飲食店やオフィスなど様々な賃貸によって売上を計上しております。しかしながら主要テナントの予期せぬ退店等により一時的に収益が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤ 投資等に係るリスク

当社グループは従来より重要な取引先との関係を強固にするため、市場性のある株式を保有しておりますが、将来大幅な株価下落が起きた場合には保有有価証券に減損または評価損が発生する可能性があります。

 ⑥ 当社施設に係るリスク

 当社グループは全国各地に多数の映画館や演劇劇場および商業施設等を保有しており、不特定多数のお客様がご来場されます。これらの施設において自然災害や事故等の発生により事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。

 ⑦ 個人情報等の管理に係るリスク

 当社グループは多数のお客様の個人情報を取り扱っております。これらをはじめとする機密情報の取り扱いについては万全のセキュリティ体制を敷いて管理にあたっておりますが、悪意の第三者によるハッキング等予期せぬ事態により、これらの情報について漏えいするリスクが存在します。

 ⑧ 海外展開におけるリスク

 当社グループは「TOHO VISION 2021 東宝グループ 中期経営戦略」にも掲げている通り、「Global」JAPAN IP(日本の企画)の海外展開を本格化しております。海外展開におきましては、政情不安や経済情勢の不確実性に加え、文化や慣習の違いに起因するビジネスリスク、知的財産権に関するリスク、労使関係、貿易や租税を始めとする各種法的規制の変更、為替リスクなど多岐にわたるリスクが存在します。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、引き続き緩やかに回復してきましたが、通商問題の動向や海外経済の動向と政策に関する不確実性等、依然留意が必要な状況で推移いたしました。映画業界におきましては、2018年の興行収入は2225億1千1百万円と前年から2.7%減となりました。

このような情勢下にあって当社グループでは、主力の映画事業において、定番のアニメーション作品他、話題作を配給し、演劇事業においても様々な話題作を提供いたしました。この結果、営業収入は2462億7千4百万円(前年度比1.5%増)、営業利益は449億8千2百万円(同5.5%減)、経常利益は465億6千8百万円(同4.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は301億9千7百万円(同10.0%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業

映画営業事業のうち製作部門では、東宝㈱において「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」「マスカレード・ホテル」「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」等、29本の映画の共同製作等を行い、また劇場用映画「君は月夜に光り輝く」等を制作いたしました。
 映画営業事業のうち配給部門では、当連結会計年度の封切作品として、東宝㈱において前記作品の他、「映画ドラえもん のび太の宝島」「映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~」等を含む32本を、東宝東和㈱等において「ジュラシック・ワールド/炎の王国」「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」「ボス・ベイビー」等の15本を配給いたしました。また、東宝㈱は、11月1日を効力発生日として、非連結子会社の㈱日本アート・シアター・ギルドを吸収合併いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は44,565百万円(前年度比2.3%減)、営業利益は10,049百万円(同13.9%減)となりました。

なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(2,729百万円、前年度比43.6%減)控除前で43,634百万円(同2.2%減)であり、その内訳は、国内配給収入が33,701百万円(同7.1%増)、製作出資に対する受取配分金収入が1,677百万円(同4.5%減)、輸出収入が2,696百万円(同14.1%減)、テレビ放映収入が1,560百万円(同31.0%減)、ビデオ収入が1,406百万円(同59.7%減)、その他の収入が2,592百万円(同4.2%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(1,912百万円、前年度比25.4%減)控除前で3,599百万円(同30.0%減)でした。

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、前記配給作品の他に、「ボヘミアン・ラプソディ」「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」「万引き家族」等、邦洋画の話題作を上映いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は、47,866千人と前年度比9.8%増となりました。その結果、映画興行事業の営業収入は83,993百万円(前年度比11.0%増)、営業利益は12,588百万円(同29.6%増)となりました。

当連結会計年度中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、3月29日に東京都千代田区に「TOHOシネマズ 日比谷」13スクリーンをオープンし、全国で11スクリーン増の687スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となりました。なお、「TOHOシネマズ スカラ座・みゆき座」2スクリーンを改装・名称変更し「TOHOシネマズ 日比谷」(スクリーン12・13)として一体運営しております。

映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「ウマ娘 プリティーダービー」「舞台『刀剣乱舞』ジョ伝 三つら星刀語り」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」「劇場版ポケットモンスター みんなの物語」をはじめとする当社配給作品及び「ボヘミアン・ラプソディ」等の洋画作品が順調に稼働いたしました。アニメ製作事業では、映画「GODZILLA 決戦機動増殖都市」「GODZILLA 星を喰う者」「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」、「僕のヒーローアカデミア」等に製作出資いたしました。実写製作事業では、「映画刀剣乱舞」等に製作出資いたしました。また、アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では「映画刀剣乱舞」「ペンギン・ハイウェイ」等を提供いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では原価管理に努めながら、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務、及び大規模改修工事等を受注いたしました。これらの結果、映像事業の営業収入は30,670百万円(前年度比19.4%減)、営業利益は5,261百万円(同42.8%減)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(3,357百万円、前年度比26.0%減)控除前で25,542百万円(同25.9%減)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が9,304百万円(同42.7%減)、出版・商品事業収入が4,211百万円(同1.7%減)、アニメ製作事業収入が8,847百万円(同14.0%減)、実写製作事業収入が1,366百万円(同27.8%減)、ODS事業収入が1,812百万円(同3.0%増)でした。
  以上の結果、映画事業全体では、営業収入は159,229百万円(前年度比0.0%減)、営業利益は27,899百万円(同8.8%減)となりました。

 

演劇事業

演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、3月「Endless SHOCK」が全席完売、4、5月「1789 -バスティーユの恋人たち-」、5、6月「モーツァルト!」がともに大入り、7、8月「ナイツ・テイル-騎士物語-」、9月「DREAM BOYS」がともに全席完売、10、11月「マリー・アントワネット」を上演、12、1月「ジャニーズKing & Prince アイランド」、2月「Endless SHOCK」がともに全席完売となりました。シアタークリエにおきましては、「ジャニーズ銀座2018」が完売、「ゴースト」「ジャージー・ボーイズ」「ピアフ」がともに大入り、「レベッカ」「キューティ・ブロンド」がともに連日満席となりました。日生劇場では3月「ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち」、10月「ジャニーズ伝説2018」、東急シアターオーブでは3月~5月「メリー・ポピンズ」、9月「マイ・フェア・レディ」、東京芸術劇場プレイハウスでは1月「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」を上演し、その他全国へと社外公演を展開いたしました。東宝芸能㈱では所属俳優がCM・TV・映画等で順調に稼働いたしました。以上の結果、前期と演目等の違いはございますが、演劇事業の営業収入は17,005百万円(前年度比6.5%増)、営業利益は、「帝国劇場」リニューアル費用を計上したこともあり3,187百万円(同3.3%減)となりました。

なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(177百万円、前年度比12.5%減)控除前で15,284百万円(同6.2%増)であり、その内訳は、興行収入が12,304百万円(同9.3%増)、外部公演収入が2,823百万円(同4.4%減)、その他の収入が156百万円(同16.0%減)でした。

 

不動産事業

不動産賃貸事業では、東宝㈱の「日比谷シャンテ」を3月にリニューアルオープンいたしました。また、全国に所有する不動産が堅調に稼働し、事業収益に寄与いたしました。東宝㈱の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに順調に稼働いたしました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は29,283百万円(前年度比0.9%減)、営業利益は13,497百万円(同2.0%増)となりました。また、東宝㈱が埼玉県熊谷市所在の「妻沼東宝リバーサイドモール」(貸店舗)を3月に売却いたしました。
企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、一時的なテナントの入れ替えにより、0.3%台で推移しております。企業集団の固定資産の含み益については、2018年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2859億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)

なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(888百万円、前年度比1.7%増)控除前で31,750百万円(同1.2%増)でした。
 道路事業では、受注競争の激化や建設技能者の慢性的な不足等があり、依然として予断を許さない状況での事業展開となりました。このような中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、安全管理の充実を図り、事業拡大を目指し積極的な営業活動で受注増に努め、その結果、道路事業の営業収入は25,164百万円(前年度比7.8%増)、営業利益は3,047百万円(同3.3%減)となりました。
  不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱(6月1日に㈱東宝サービスセンターから社名変更しております。)が、労務費や資材価格の高騰、人員不足の常態化等により厳しい経営環境が続く中、新規受注に取り組むとともにコスト削減努力を重ねました。その結果、営業収入は11,058百万円(前年度比6.6%増)、営業利益は990百万円(同0.4%増)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は65,506百万円(前年度比3.6%増)、営業利益は17,535百万円(同1.0%増)となっております。

 

その他事業

  娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」、㈱東宝エンタープライズの「東宝ダンスホール」、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等で、お客様ニーズを捉えた充実したサービスの提供に努力いたしました。

その結果、その他事業の営業収入は4,532百万円(前年度比9.6%増)、営業利益は87百万円(同8.7%減)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状況は、前連結会計年度末と比較して、総資産は14,837百万円増加し、460,622百万円となりました。これは主に投資有価証券で18,650百万円の減少がありましたが、有価証券で14,922百万円、現先短期貸付金で16,000百万円増加したこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から1,134百万円減少し、94,718百万円となりました。これは主に未払法人税等で1,141百万円減少したこと等によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比較して15,971百万円増加し、365,903百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益30,197百万円の計上及び剰余金の配当9,009百万円等による利益剰余金21,197百万円の増加の他に、その他有価証券評価差額金が4,280百万円減少したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,026百万円増加し、78,496百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が45,609百万円、減価償却費が9,526百万円ありましたが、売上債権の増加が3,225百万円、たな卸資産の増加が3,123百万円、法人税等の支払額が14,969百万円あったこと等により、37,603百万円の資金の増加(前年度比5,824百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が65,800百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が59,915百万円、有形固定資産の取得による支出が10,594百万円、投資有価証券の取得による支出が10,181百万円あったこと等により、11,349百万円の資金の減少(前年度比45,718百万円の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が839百万円、配当金の支払額が9,002百万円あったこと等により、10,319百万円の資金の減少(前年度比1,618百万円の増加)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。

a. 受注実績

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

映画事業

3,569

△0.6

223

48.2

演劇事業

不動産事業

21,062

△11.6

6,825

△9.5

その他事業

合計

24,631

△10.1

7,049

△8.4

 

(注) 1 当企業集団では映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業以外は、受注生産を行っておりません。

2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

 

b. 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年3月1日

至 2019年2月28日)

(百万円)

前年同期比(%)

映画事業

159,229

△0.0

演劇事業

17,005

6.5

不動産事業

65,506

3.6

その他事業

4,532

9.6

合計

246,274

1.5

 

(注) 1 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある相手先がないため記載を省略しております。

  映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は不特定の個人であり、不動産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計方針についていくつかの重要な判断や見積りを行っております。たな卸資産の評価基準、貸倒引当金の計上基準、退職給付に係る会計基準、固定資産の減損に係る会計基準、資産除去債務に関する会計基準等の重要な会計方針及び見積りについては、後述の注記事項に記載しておりますが、これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果がこれらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

1) 経営成績の分析
(a)  営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ3,605百万円(1.5%)増収の246,274百万円となりました。
(b)  営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ5,958百万円(4.4%)増加の141,786百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ251百万円(0.4%)増加の59,505百万円となりました。これは広告宣伝費が2,368百万円減少した半面、人件費が782百万円、借地借家料が821百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c)  営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ2,604百万円(5.5%)減益の44,982百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ百万2,683円(8.8%)減益の27,899百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ109百万円(3.3%)減益の3,187百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ166百万円(1.0%)増益の17,535百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ8百万円(8.7%)減益の87百万円でした。当社グループでは、2018年4月に「TOHO VISION 2021 東宝グループ 中期経営戦略」を策定し、主軸戦略である「コンテンツ戦略」「プラットフォーム戦略」「不動産戦略」を推進した結果、目標数値を上回る業績を収めました。

 

 

なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(d)  営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ313百万円(20.0%)増加の1,876百万円となりました。これは主として、前連結会計年度と比べ受取配当金が126百万円、為替差益が128百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。 
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ214百万円(42.4%)減少の291百万円となりました。これは主として、前連結会計年度と比べ持分法による投資損失が249百万円減少、為替差損は当連結会計年度の計上がなく131百万円減少しましたが、貸倒引当金繰入額を199百万円計上したこと等によるものであります。 
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ2,077百万円(4.3%)減益の46,568百万円となりました。
(e)  特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて1,171百万円(79.6%)減少の299百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ固定資産売却益が207百万円、投資有価証券売却益が132百万円、それぞれ減少したほか、前連結会計年度に計上した固定資産受贈益、事業譲渡益が当連結会計年度に計上がなかったことによるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ979百万円(351.0%)増加の1,258百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ投資有価証券評価損が257百万円増加したほか、固定資産解体費用を256百万円、立退補償金を564百万円、それぞれ計上したこと等によるものであります。
(f)  親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税14,046百万円、法人税等調整額425百万円、非支配株主に帰属する当期純利益939百万円を計上し、前連結会計年度と比べ3,355百万円(10.0%)減益の30,197百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の185.95円から167.92円に減少しました。
 
2)  財政状態の分析
(a) 資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ14,837百万円(3.3%)増加して460,622百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末と比べ34,039百万円(23.0%)増加して182,183百万円となりました。このうち、現金及び預金は前連結会計年度末と比べ1,021百万円(6.7%)増加し16,311百万円、受取手形及び売掛金が3,225百万円(17.5%)増加し21,682百万円、現先短期貸付金が16,000百万円(35.6%)増加し60,999百万円、有価証券は前連結会計年度末と比べ14,922百万円(51.1%)増加し44,138百万円となりました。

 有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ593百万円(0.4%)増加の150,999百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建物及び構築物は竣工と減損損失計上及び減価償却額の差額等で704百万円(0.8%)減少し83,156百万円、機械装置及び運搬具は276百万円(4.6%)減少し5,737百万円、工具、器具及び備品が40百万円(1.6%)減少し2,402百万円、リース資産が5百万円(36.6%)減少し9百万円、土地は取得と売却の差額等により1,024百万円(1.8%)増加し57,457百万円、建設仮勘定が595百万円(36.3%)増加し2,236百万円となりました。

 無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ440百万円(5.5%)減少の7,628百万円となりました。

 投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ19,355百万円(13.9%)減少し119,810百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ18,650百万円(15.5%)減少し101,918百万円となったことなどによるものであります。

 

(b) 負債

 当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ1,134百万円(1.2%)減少の94,718百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ473百万円(1.0%)減少の44,925百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、買掛金が811百万円(4.0%)減少して19,371百万円、未払法人税等が1,141百万円(14.8%)減少して6,545百万円、未払費用が1,051百万円(25.9%)増加して5,107百万円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末と比べて660百万円(1.3%)減少して49,792百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、繰延税金負債が1,506百万円(9.2%)減少して14,959百万円となりました。

(c) 純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて15,971百万円(4.6%)増加し、365,903百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益30,197百万円の計上及び剰余金の配当9,009百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が21,197百万円(6.9%)増加、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が819百万円(3.7%)増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が4,280百万円(15.2%)減少したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.9ポイント増加し、77.0%となりました。

 

3) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

 

4) 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2[事業の状況] 2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

 

5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な資金は、自己資金を原則としております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高78,496百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,592百万円と、高い自己資金での投資余力を維持しておりますが、不測の事態に備えて、取引銀行との良好な関係の維持に努めております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年2月26日開催の取締役会において、当社の非連結子会社である国際東宝㈱(Toho International, Inc.)の新株式引受についての決議を行い、同日付で契約を締結のうえ2019年3月5日に株式代金15,446百万円の払込を行いました。概要につきましては「第5[経理の状況] 2[財務諸表等] (1)[財務諸表] [注記事項](重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。