第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により個人消費や企業活動が著しく制限され、景気は急速に悪化しました。今後の先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを段階的に引き上げていく局面でありますが、当面のあいだは、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。

 映画業界におきましては、3月から5月にかけて、各月の興行収入が統計を開始した2000年以降の最低を3か月連続で更新するなど、新型コロナウイルス感染症の拡大は市場に甚大な影響を及ぼしました。
 このような情勢下にあって当社グループにおいては、映画の配給作品の公開延期や、演劇公演の中止があった他、感染拡大の状況ならびに政府、自治体からの各種要請等を踏まえ、3月以降一部の劇場や商業施設の臨時休業や営業時間短縮を行ってまいりましたが、4月に発出された政府による緊急事態宣言の対象が全国に拡大されてからは、全国の劇場、商業施設で営業を休止いたしました。これらの結果、営業収入は330億1千2百万円(前年同四半期比51.3%減)、営業利益は28億3百万円(同82.5%減)、経常利益は28億9千1百万円(同82.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億1千8百万円(同98.0%減)となりました。なお、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等、ならびに緊急事態宣言発出以後、解除されるまでの期間に中止を決定した、演劇公演に係る製作費用等を臨時休業による損失として特別損失に計上しております。
 セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

 映画事業
  映画営業事業では、東宝㈱において共同製作を行った「貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-」「弥生、三月 -君を愛した30年-」を公開いたしましたが、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「名探偵コナン 緋色の弾丸」等の定番アニメーション作品の他、公開を予定していた作品が相次いで公開延期となりました。東宝東和㈱等におきましても、「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」他、公開予定作品がいずれも公開延期となっております。これらの結果、映画営業事業の営業収入は3,577百万円(前年同四半期比75.7%減)、営業利益は86百万円(同98.0%減)となりました。

公開スケジュールが変更となった当第1四半期連結累計期間の封切予定作品

東宝㈱ 共同製作/配給作品

映画ドラえもん のび太の新恐竜

名探偵コナン 緋色の弾丸

映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者

コンフィデンスマンJP プリンセス編

燃えよ剣

アニメーション映画「思い、思われ、ふり、ふられ」

 

 

 

 

東宝東和㈱等 配給受託作品

ドクター・ドリトル

ソニック・ザ・ムービー(東和ピクチャーズ㈱)

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ

透明人間

クワイエット・プレイス PARTⅡ(東和ピクチャーズ㈱)

ワイルド・スピード/ジェットブレイク

 

 

  なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(1,125百万円、前年同四半期比45.1%増)控除前で3,467百万円(同80.7%減)であり、その内訳は、国内配給収入が693百万円(同95.5%減)、製作出資に対する受取配分金収入が98百万円(同76.4%減)、輸出収入が460百万円(同10.5%減)、テレビ放映収入が346百万円(同29.7%減)、ビデオ収入が680百万円(同71.7%増)、その他の収入が1,186百万円(同36.4%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(48百万円、前年同四半期比89.6%減)控除前で192百万円(同85.8%減)でした。

  映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、一部新作の上映がございましたが、邦洋画の配給各社が3月以降新作の公開を相次いで延期したため、2月以前公開作品の続映や、旧作を上映するなどの対応を余儀なくされました。また、政府からの緊急事態宣言を受け、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館していたこと等もあり、当第1四半期連結累計期間における映画館入場者数は、1,973千人と前年同四半期比84.3%の大幅減となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は3,525百万円(前年同四半期比84.3%減)、営業損益は1,722百万円の損失(前年同四半期は4,324百万円の営業利益)となりました。
  なお、当第1四半期連結累計期間中の劇場の異動はありません。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で695スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

  映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「天気の子」「劇場版おっさんずラブ」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」等を提供、前年同四半期比で大幅な増収となり、厳しい状況下にあって業績を下支えいたしました。出版・商品事業は、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて新作の公開が延期されたことや、劇場が全国的に臨時休業したこと等が影響し、大幅な減収となりました。アニメ製作事業では、TVアニメ「BNA ビー・エヌ・エー」等に製作出資いたしました。アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では「PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR」等を提供いたしましたが、「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46」「映像研には手を出すな!」等の公開予定作品が公開延期となりました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作、テーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事等に関して、開催の中止や延期、見直しが相次いだため、減収となりました。これらの結果、映像事業の営業収入は7,700百万円(前年同四半期比7.8%増)、営業利益は1,092百万円(同24.4%減)となりました。
  なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(1,083百万円、前年同四半期比58.3%増)控除前で6,827百万円(同25.1%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が3,286百万円(同186.5%増)、出版・商品事業収入が104百万円(同93.2%減)、アニメ製作事業収入が3,121百万円(同99.4%増)、実写製作事業収入が262百万円(同64.3%減)、ODS事業収入が52百万円(同88.7%減)でした。
  以上の結果、映画事業全体では、営業収入は14,803百万円(前年同四半期比66.7%減)、営業損益は544百万円の損失(前年同四半期は10,153百万円の営業利益)となりました。

 

演劇事業
  演劇事業では、東宝㈱におきまして、新型コロナウイルス感染症拡大にかかわる行政の方針や要請等を受け、2020年2月末から順次公演の中止を決定し、払戻しの対応などを行いました。政府により緊急事態宣言が発出された4月以降には、公演のための十分な準備期間を確保できないことや、全国ツアー公演においては都市間の移動を伴うことなどを踏まえ、2020年7月までに東京で初日を迎える予定であった公演及びそれらの全国ツアー公演を中止することを決定しました。東宝芸能㈱では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止等の影響を受け減収となりました。以上の結果、演劇事業の営業収入は674百万円(前年同四半期比84.6%減)、営業損益は710百万円の損失(前年同四半期は1,221百万円の営業利益)となりました。

公演中止となった当第1四半期連結累計期間の上演予定作品

帝国劇場

(3月)Endless SHOCK(2月28日以降の全公演中止)

(4-5月)エリザベート

(5月)ミス・サイゴン

 

シアタークリエ

(3月)VOICARION Ⅶ ~女王がいた客室~

(2月28日以降の全公演中止)

(3月)リトル・ショップ・オブ・ホラーズ

(一部公演実施)

(4月)モダン・ミリー

(5月)ジャニーズ銀座2020 Tokyo Experience*

その他の劇場

(3月) ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~*(一部公演実施)
 (日生劇場)

(5月)ニュージーズ*

(日生劇場)

 

 (注)作品名の「*」は共同製作公演となります。

 
  なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(47百万円、前年同四半期比52.9%増)控除前で323百万円(同91.7%減)であり、その内訳は、興行収入が288百万円(同91.2%減)、外部公演収入が0百万円(同100.0%減)、その他の収入が34百万円(同0.6%減)でした。

 

不動産事業
  不動産賃貸事業では、コロナ禍の厳しい状況下にありましたが、企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては0.1%台で推移いたしました。しかしながら、政府や自治体からの要請等を踏まえ、感染拡大防止に努めるとの観点から商業施設の営業時間短縮や臨時休館を実施したことに伴う賃料の免除や、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたこと等もあり、前年同四半期比で減収となりました。東宝㈱の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに制作の延期や中止の影響を受け減収となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は6,964百万円(前年同四半期比5.7%減)、営業利益は3,315百万円(同7.3%減)となりました。

 企業集団の固定資産の含み益については、2020年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2871億円となっております。(本情報開示時点までに最新の固定資産税評価額の入手が困難なため、一部に2019年1月1日の数値を使用しております。当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)
  なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(207百万円、前年同四半期比5.2%減)控除前で7,379百万円(同6.6%減)でした。
  道路事業では、防災・減災対策や老朽化するインフラ整備をはじめとする公共投資が底堅く推移するなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら安全管理の徹底を図り、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めました。その結果、道路事業の営業収入は7,606百万円(前年同四半期比0.1%減)、営業利益は1,649百万円(同0.6%増)となりました。
  不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、ホテルや劇場等、商業施設の臨時休業を受け清掃業務等の受注が減少し、前年同四半期比で減収となりました。また、受注回復後の人手確保のため、出勤調整による待機者へ支払う休業手当等の負担が利益を圧迫したことなどから、大幅な減益となりました。その結果、営業収入は2,506百万円(前年同四半期比8.6%減)、営業利益は81百万円(同69.6%減)となりました。
  以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は17,076百万円(前年同四半期比3.8%減)、営業利益は5,046百万円(同8.0%減)となっております。
 

その他事業
  娯楽事業及び物販・飲食事業は、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等において政府や自治体からの要請等を踏まえ臨時休業を行いました。その結果、その他事業の営業収入は457百万円(前年同四半期比62.4%減)、営業損益は79百万円の損失(前年同四半期は62百万円の営業利益)となりました。

 

 当第1四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は42,110百万円減少し、448,173百万円となりました。これは現金及び預金で13,105百万円の増加がありましたが、現先短期貸付金で29,499百万円、有価証券で12,215百万円、受取手形及び売掛金で9,931百万円の減少があったこと等によるものです。
 負債では前連結会計年度末から28,189百万円減少し、73,881百万円となりました。これは買掛金で11,967百万円、未払法人税等で10,270百万円の減少があったこと等によるものです。
 純資産は前連結会計年度末と比較して13,920百万円減少し、374,291百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益218百万円の計上及び剰余金の配当6,749百万円による利益剰余金6,531百万円の減少の他に、自己株式が5,187百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,366百万円減少したこと等によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,383百万円減少し、102,061百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が1,106百万円、減価償却費が1,848百万円、売上債権の減少が9,926百万円ありましたが、仕入債務の減少が11,967百万円、法人税等の支払額が10,927百万円あったこと等により、14,424百万円の資金の減少(前年同四半期は17,398百万円の資金の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が23,800百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が10,199百万円、有形固定資産の取得による支出が3,208百万円あったこと等により、10,119百万円の資金の増加(前年同四半期比5,817百万円の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が5,188百万円、配当金の支払額が6,542百万円あったこと等により、11,953百万円の資金の減少(前年同四半期比7,024百万円の減少)となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。