第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営の基本方針

当社グループは、「健全な娯楽を広く大衆に提供すること」を使命として小林一三により設立されて以来、映画・演劇を中心に、幅広い層のお客様に夢や感動、喜びをもたらす数多くのエンタテインメント作品をお届けしてまいりました。

また、創業者の言葉である「吾々の享くる幸福はお客様の賜ものなり」を大切な価値観とし、「朗らかに、清く正しく美しく」を行動の理念に置き、事業の三本柱である「映画・演劇・不動産」のすべての事業において、公明正大な事業活動に取り組むとともに、常にお客様の目線に立ち、時代に即した新鮮な企画を提案し、世の中に最高のエンタテインメントを提供し続ける企業集団でありたいと考えております。

上記の経営理念に基づき、グループ全体で中長期的に企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2)中期経営戦略について

当社グループは、2018年4月に中期経営戦略「TOHO VISION 2021」を策定しております。その体系と骨子は、以下の通りです。

1.主軸戦略

① コンテンツ戦略(映画・映像・アニメ・演劇・音楽・ゲームなど)

企画開発力をさらに強化し、新機軸の作品を創出する

② プラットフォーム戦略(TOHOシネマズ、帝国劇場、シアタークリエ)

他では得られない上質な「エンタテインメント体験」を提供する

③ 不動産戦略(全国の賃貸物件・開発案件)

保有物件を総点検し、開発と資産の入れ替えを企画・推進する

2.ブレイクスルー戦略

① Godzillaを軸としたキャラクタービジネスの強化

② JAPAN IP(日本の企画)のGlobal(海外)展開の本格化

3.プラス・ワン

・技術革新等により大きく変化する経営環境を見越して、新規事業の育成による裾野の拡大に取り組む

 

なお、上記中期経営戦略において、経営の目標として重視する指標は「営業利益」とし、2019年2月期から2021年2月期の3年間の連結営業利益について「巡航高度」(標準的に維持すべき水準)400億円を確たるものにするとともに、ブレイクスルー戦略の開花等により、過去最高益(502億円)の更新に挑戦すると定めております。

 

上記の中期経営戦略は既に3年の計画期間を経過しておりますが、2年度目となる2020年2月期には、主軸戦略である「映画・演劇・不動産」の三本柱がそれぞれの事業領域で充実した成果を上げたことにより、営業利益は528億円となり、最大の数値目標であった過去最高益の更新を達成することができました。しかしながら、最終年度となる2021年2月期においては、新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループを取り巻く経営環境は著しく変化し、「巡航高度」の400億円という目標指標を下回る大幅な業績悪化を余儀なくされました。

 

本来ならば、当連結会計年度の開始時期より新たな中期経営戦略の策定が求められるところですが、新型コロナウイルス感染の収束時期について現時点では見通しが不透明であることから、当社グループとしては、新たな経営戦略の前提となる中長期的な事業環境は依然不確実性が高く、数値目標等の定量的な要素についても適正かつ合理的な算出が困難な状況にあると判断し、このような状況下において、次期中期経営戦略を公表することは、投資判断の信頼性に懸念を生じさせる可能性もあるとの理由から、次期中期経営戦略の公表についてはいったん延期する旨を2021年2月16日開催の取締役会において決議し、同日開示しております。今後は、アフターコロナの経営環境全般を慎重に見極めながら議論を重ね、中長期の持続的な成長に向けた新たな経営戦略の策定を行ってまいります。

 

 

(3)経営環境についての認識

当社グループを巡る経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大の直前まで極めて順調に推移していたと思われます。2020年2月期は、主力の映画事業において邦画・洋画の大ヒット作品に恵まれ、2019年自然暦の全国映画興行収入が歴代最高の2,611億円を記録するなど、映画業界はかつてない活況を呈しました。演劇事業においても多くのミュージカル公演で盛況となり、体験型消費が支持されてライブ・エンタテインメント市場全体が拡大基調にありました。不動産事業においても都心部を中心にオフィス空室率が歴史的に低い水準で推移するなど、当社グループの主力事業「映画・演劇・不動産」はいずれも好環境に恵まれ、順調に業績を伸長させることができ、その結果、中期経営戦略で定めた過去最高益の更新という目標を達成することができました。

しかしながら、2021年2月期の期初からの新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループを巡る経営環境はまさに一変いたしました。新型コロナウイルス感染症は、映画館や演劇劇場のようなリアルな場所・空間に多くのお客様を集めることによって成り立つ、当社グループの主要なビジネスモデル(集客型のエンタテインメント)の根幹に大きな打撃をもたらすことになりました。緊急事態宣言の発出や政府・自治体からの要請により、主要な事業場である映画館や演劇劇場が全面休業、時間短縮、座席制限等の大きな制約を受け、2021年2月期の通期業績は、映画・演劇の両興行部門において大きな損失を計上するなど、大幅な業績悪化を余儀なくされました。

現時点においても、新型コロナウイルス感染症の影響は依然として予断を許さない状況が続いておりますが、一方で、お客様の安心・安全と従業員の健康を確保すべく、興行現場の感染防止対策は徹底が図られており、ウィズコロナにおける映画館・演劇劇場の事業継続体制はしっかり確保できているものと考えています。また、そこで上映・上演されるコンテンツの供給についても、感染の状況に応じた柔軟かつ臨機応変な公開・公演の方法・時期・スケジュールの設定などのノウハウの蓄積が進んでおります。そして、昨年10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴代最高の映画興行収入記録を打ち立てたように、コロナ禍においても真に魅力的なコンテンツを提供することができれば、多くのお客様を集客できることは既に証明されています。

このように、当社グループの主力事業は、新型コロナウイルスの影響を色濃く受けながらも、それを乗り越えて段階的に改善に向かう手応えが感じられる状況であり、次期(2022年2月期)以降、新型コロナウイルスの感染状況の収束にあわせて、業績は着実に回復へと向かっていくものと認識しています。また、個々の事業ごとに見ればコロナ禍がもたらした様々な環境変化や今後懸念すべき事項は存在しつつも、経営全体としては、これまで当社グループが培ってきた経営基盤や競争優位性、基本となる事業構造は強固なものがあり、事業の継続が困難になるような状況は想定されません。また、人々のエンタテインメントへの需要が失われたわけではなく、むしろ新型コロナウイルスの感染が収束した暁には、あらためてリアルなエンタテインメントの根源的な価値が見直される可能性が高いと考えております。

以下、セグメント別に新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた現在の経営環境等に対する認識について簡潔な説明を記します。

 

[映画事業]

  映画営業事業においては、当社配給作品である邦画については、適切な感染防止対策を実施することで、概ね順調に製作・配給が可能となる状況に改善されております。また、洋画が軒並み公開延期となった影響もあり、興行力のあるコンテンツを継続的に提供できている当社の配給会社としてのシェアは相対的に急拡大し、例年30%台のシェアであるところ昨年は50%を超えるなど、競合他社との間で圧倒的な競争優位性を維持しています。一方で、日本に比べ感染拡大が深刻な欧米の映画産業の混乱は依然継続しており、昨年来延期が続いている東宝東和㈱等が国内配給を担当するハリウッドメジャーの新作公開がさらに後ろ倒しになるなど、洋画配給市場の正常化はいまだ不透明な状況にあります。また、外資系配信プラットフォーム各社が急速に会員数を増やすことは、当社作品の二次利用等の機会創出につながる反面、それら配信プラットフォーマーが日本国内において作品製作に乗り出しており、映画製作における影響力を強めていく懸念があります。

 

映画興行事業においては、緊急事態宣言の発出による2020年4月~5月の映画館の全面休業、新作映画公開の延期等により、2020年自然暦の全国映画興行収入は前年比55%まで大幅に減少しました。しかしながら、その中で特筆すべきは「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴代興行成績の新記録を打ち立てる想定外の大ヒットとなったことです。コロナ禍で外出自粛ムードが蔓延し、巣ごもり消費が進んだと言われる中でも、コンテンツ次第で多くのお客様が映画館に足を運んでいただけることを見事に証明するとともに、大画面・高音質という家庭では得られない迫力ある鑑賞環境や、大勢が一緒に同じ時間・空間を楽しむ映画鑑賞のイベント性といった本質的な点で、映画館ビジネスが変らず多くの人々の支持を得ることができることを実感するに至りました。そのような状況下で、TOHOシネマズ㈱は全国の主要都市の好立地にシネマコンプレックスを展開し、興行収入のシェアは30%弱と業界トップを占めており、競合他社との競争優位性に揺るぎはありません。今後、新型コロナウイルスの収束とともに、映画興行収入は着実に回復していくものと考えていますが、一方で、国内映画興行市場の5割弱を占める洋画のラインナップ編成の先行きが不透明である状況や、海外のメジャースタジオが自社系列のプラットフォームでの独占配信や劇場公開との同時配信を開始するケースが見られるなど、動画配信市場の動向が映画興行事業へ与える影響については、今後も注視していく必要があると認識しております。

映像事業においては、国内に留まらず米国・アジアを中心に世界的な広がりを見せる日本アニメの流行を受け、TOHO animationレーベルのヒット作・話題作を数多く創出することに注力してまいりましたが、それらのパッケージ・配信・商品化・海外等からの各種配分金収入が好調な上、自社IPであるゴジラを中心とした東宝怪獣キャラクターの商品化権収入等も堅調に伸長しております。また、コロナ禍における巣ごもり需要の高まりは、㈱東宝ステラの運営するECサイトにおいて関連商品の売上拡大の機会となっています。一方で、DVD、Blu-rayなどのパッケージ販売に関しては依然として市場の収縮が続いており、また、新型コロナウイルスの感染拡大により、イベント性の高いODS作品の公開や劇場公開に連動するパンフレット等の販売機会が失われるという懸念があります。㈱東宝映像美術や東宝舞台㈱では、テーマパークにおける展示物の製作業務の見直しや音楽ライブイベントの再開見通しが立たないことによる美術製作・舞台製作における受注減の影響を受けており、それらが長引く懸念があります。

 

[演劇事業]

  演劇事業においては、昨春の大規模イベント自粛要請以降、緊急事態宣言の期間中及び解除後も含め、2020年3月~7月中旬という長期にわたって直営劇場を全面休業するに至りました。その後もソーシャルディスタンスに配慮した座席制限の実施や出演者・スタッフの感染症対策によるやむなき休演など、およそ1年にわたり新型コロナウイルス感染症の影響が色濃く残りました。演劇は映画と異なり一回一回の公演が生モノであり、ライブ・エンタテインメントであることから、公演の継続そのものの難しさを感じるとともにリスクマネジメントの重要性を認識することとなりました。また、当社の提供する演劇公演は熱心なコアのファン層に支えられている一方、一定のベースは各種団体のお客様への販売を想定してきたことから、外出自粛ムードが動員活動に与える影響も決して少なくありません。今後も新型コロナウイルス感染症の完全な収束までは、当社グループに留まらず、演劇業界全体でそれらの影響が一定程度続くことが懸念されます。一方で、コロナ禍において演劇の動画配信の積極的な活用等を促進しており、それらについては演劇事業における損失の補填に留まらず今後の業績拡大の機会になると認識しております。

 

[不動産事業]

  不動産賃貸事業においては、緊急事態宣言中に臨時休館を実施した直営商業施設の賃料免除が発生したほか、緊急事態宣言解除後においても、保有する物件の入居テナントに対する賃料減額の措置等の影響が現在も継続しており、さらに一部テナント解約による賃料の減収の影響も発生しております。不動産市況全体では、これまで低く推移していた都市部におけるオフィスの空室率が急速な上昇に転じるなど、新型コロナウイルス感染症の影響が顕在化しておりますが、好立地が多い当社グループ保有物件の空室率は1.0%台で推移しており、比較的底堅い状況にあります。しかしながら、当社グループのテナントには、新型コロナウイルス感染症が事業に与える影響が大きいホテルや百貨店・飲食店等の商業施設の割合が大きく、それら業種の業績悪化が当社グループの不動産賃貸事業の賃料収入に与える影響については、今後も十分に注視していく必要があります。

 

道路事業においては、老朽化による道路関連のインフラ整備をはじめとする公共投資の受注は引き続き堅調であり、コロナ禍の影響はほぼ感じられず、今後も当面は順調に推移すると思われます。スバル興業㈱と同社の連結子会社が積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注による業績拡大に努めております。

不動産保守・賃貸事業においては、緊急事態宣言中の臨時休業による機会損失があったものの、その後の経済活動の再開において、連結子会社である東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱が社会全体の“エッセンシャルワーカー”としての強みを生かし受注を徐々に回復させております。

 

[その他事業]

 娯楽事業及び物販飲食事業においては、「東宝調布スポーツパーク」でゴルフ練習場、テニスクラブ等を運営する東宝共栄企業㈱が順調に利用者数を回復させている一方、飲食店舗・劇場売店等を運営するTOHOリテール㈱は、外食需要の厳しい落ち込みが長期に渡り、先行きの回復も不透明なことから、2021年8月までに直営飲食事業から撤退することを決定しております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループでは、経営の目標として重視する指標を「営業利益」としております。中期経営戦略「TOHO VISION 2021」においては、連結営業利益について「巡航高度」(標準的に維持すべき水準)400億円を確たるものにするとともに、ブレイクスルー戦略の開花等により、過去最高益(502億円)の更新に挑戦すると定めております。なお、現時点で次期中期経営戦略の策定・公表はなされてないものの、今後も「営業利益」を重視していく方針に変更はありません。

 

(5)当社グループが優先的に対処すべき課題

当社グループを巡る経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により、一変いたしました。緊急事態宣言の発出や政府・自治体からの要請により、主要な事業場である映画館や演劇劇場が全面休業、時間短縮、座席制限等の大きな制約を受け、映画作品の公開延期や演劇公演の中止が相次ぐなど、当社グループの業績は大幅な悪化を余儀なくされました。

このような未曾有の事態に直面しながらも、当社グループは、お客様の安心・安全と従業員の健康を守るため、感染防止対策を徹底するとともに、「健全な娯楽を広く大衆に提供する」という使命を全うすべく、魅力的なコンテンツを継続して提供することに努力いたしました。その結果、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴代興行成績の新記録を打ち立てるなど、今後の業績回復への道筋をつけることもできました。

しかしながら、今後も新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であり、お客様の消費行動にも一定の影響が残ることが予想されます。したがって、当社グループが優先的に対処すべき課題は、この厳しい経営環境を乗り越え、「映画・演劇・不動産」の主力事業における業績を着実な回復軌道に乗せることにあります。

映画事業においては、映画・アニメの強力なコンテンツを確保し、効果的なプロモーションにより多数のヒット作を生み出すべく努力するとともに、多様なメディアにおける関連ビジネスを積極的に展開してまいります。また、TOHOシネマズ㈱の映画館では、バラエティに富んだ作品を取り揃え、安心・安全な上映環境と最高のサービスでお客様をお迎えいたします。

演劇事業においては、引き続き劇場や製作現場での感染防止対策を徹底しつつ、出演者・スタッフ一丸となって、一人でも多くのお客様にライブならではの豊かな感動をお届けすることで、すべての公演を盛況に戻すべく専心してまいります。

不動産事業においては、コロナ禍で変化するオフィス環境や保有物件の入居テナントの状況を注視しながら、柔軟かつ機動的な対応により賃貸収入の維持・拡大に努めます。また、自社物件の再開発事業の推進や、他社との共同開発プロジェクトへの参画にも挑戦してまいります。

経営管理面においては、デジタル化への対応や柔軟で効率的なワークスタイルの推進、リスクマネジメントやコーポレート・ガバナンスの強化等に積極的に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及び事業運営に特に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。

当社グループでは、「リスクマネジメント基本規程」に基づき、代表取締役社長を議長とする「リスクマネジメント会議」を設置し、グループ全体にわたるリスクの洗い出しと評価、連絡・報告体制の整備、対応策の検討等を実施し、これら主要なリスク発生の回避及び発生時の迅速かつ適切な対応に向け、全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。なお、特に優先すべきと考えられる新型コロナウイルス感染症に係るリスクに対しては、代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を別途設置し、迅速かつ臨機応変な対応が可能な措置をとっております。

なお、文中における将来に関する事項は当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)特に優先すべき重要なリスク

≪新型コロナウイルス感染症に係るリスク≫

 製作遅延・公開延期等のリスク

当社グループの以下の事業において、新型コロナウイルス感染症の拡大による製作遅延、公開延期、公演中止等のリスクが存在します。

・映画事業:映画、アニメ等の公開予定作品の製作遅延、公開延期等の具体例として、撮影スタジオの休業、ロケーションの中止、出演者・スタッフ等への感染等のリスク。また、洋画作品についても、欧米における新型コロナウイルス感染症の拡大による影響による製作遅延、公開延期等のリスク。

・演劇事業:公演の中止、延期等の具体例として、公演予定作品の出演者・スタッフ等への感染、海外招聘スタッフの渡航制限等のリスク。

これらのリスクが顕在化する可能性は、ワクチン普及等による新型コロナウイルス感染症の収束まで一定程度残ると考えられますが、適切な感染防止対策の徹底により、徐々に低減しています。一方で、洋画作品については、欧米における新型コロナウイルス感染症の動向に関連するため、リスクが長期化する可能性があります。

また、リスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、製作投資の回収可能性の低下によるたな卸資産の評価減等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策としては、業種別ガイドライン等に基づく適切な感染防止対策や自主的PCR検査が積極的に実施されており、出演者・スタッフ等の感染リスク低減策がとられています。

 

 映画館・演劇劇場の休業等のリスク

当社グループの以下の事業において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府・自治体からの要請による休業、営業時間の短縮、座席数の制限、劇場内飲食の禁止等のリスクが存在します。

・映画事業:休業、営業時間の短縮、座席数の制限、劇場内飲食の禁止等のリスク。

・演劇事業:休業、座席数の制限、劇場内飲食の禁止等のリスク。

これらのリスクが顕在化する可能性は、ワクチン普及等による新型コロナウイルス感染症の収束まで断続的に残ると考えられますが、地域別の感染者数や医療体制の状況等により大きく左右されます。

また、リスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、映画館や演劇劇場の設備投資の回収可能性の低下による固定資産の減損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクに対しては、業種別ガイドライン等に基づく適切な感染防止対策を徹底し、お客様や従業員等に対する感染リスクを低減することで、事業継続に向けた対応策がとられています。

 

 不動産市況の悪化によるリスク

当社グループの不動産事業において、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う政府・自治体からの要請により、自社で運営する商業施設の臨時休館を実施した場合にテナントに対する賃料免除が発生するほか、政府・自治体からの要請がない場合でも、保有する物件の入居テナントの業績不振に対応するため、賃料減額要請への対応、退店解約による賃料の減収、テナントの信用度の低下による貸倒れ等のリスクが存在します。また、テレワークの定着により社会全体の働き方が変化することで、オフィスの需要に変化が生じるリスクも存在します。

これらのリスクが顕在化する可能性については、ワクチン普及等による新型コロナウイルス感染症の収束後においても不動産市況の回復には時間を要すると考えられるため、当面は一定程度の発生が想定されます。

また、リスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、賃貸物件の設備投資の回収可能性の低下による固定資産の減損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクに対しては、テナントの経営状態等を冷静に分析しながら、柔軟かつ機動的な対応によりリスクの発生を最小限に止めるように努めてまいります。

 

 映画事業のビジネスモデルの変化によるリスク

当社グループの映画事業において、新型コロナウイルスの感染拡大及びその長期化を契機として、インターネットによる動画配信プラットフォームの普及が全世界的に加速しており、映画・アニメ等の映像を家庭で視聴する習慣が根づくことにより、映画館の動員が漸減していくリスクが存在します。

これらのリスクが顕在化する可能性は、コロナ禍を契機としてハリウッドメジャーの映画会社が自社系列のプラットフォームでの独占配信や劇場公開との同時配信を開始するケースが一部に見られるなど、映画館での公開をファーストウインドウとしてきた映画業界のビジネスモデルや商慣習が変化していく可能性があり、その動向を中・長期的に注視していく状況にあります。

また、リスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が漸減するとともに、映画館の設備投資の回収可能性の低下による固定資産の減損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクに対しては、映像視聴に関する顧客動向や動画配信プラットフォーム各社の戦略を冷静に分析するとともに、これまで以上に映画館の魅力を高めることで、リスクの発生を最小限に止める対応に努めてまいります。

 

(2)その他の主要なリスク

① 自然災害や事故、火災等の発生によるリスク

当社グループの以下の事業において、不特定多数のお客様が来場される事業場における自然災害(大規模な地震・風水害など)や事故、火災等の発生により事業活動の継続に支障をきたすリスクが存在します。

・映画事業:全国各地に保有する映画館に係る自然災害や事故、火災等の発生リスク。

・演劇事業:直営劇場として保有する帝国劇場・シアタークリエに係る自然災害や事故、火災等の発生リスク。

・不動産事業全国各地に保有する商業施設等に係る自然災害や事故、火災等の発生リスク。

これらのリスクが顕在化する可能性について、自然災害に関しては、近年の気候変動による風水害の激甚化、度重なる地震の発生等の傾向から見て、顕在化する可能性が高まりつつあると考えられます。また、事故、火災の発生に関しては、長年にわたり各種予防策を徹底してきたことにより、昭和33年の東京宝塚劇場での死者3名を出した火災以降、当社グループの事業場において重大事故の発生に至った事例はありません。

また、リスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、固定資産の滅失・毀損等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、防火・防災に対応した施設・設備管理を徹底するとともに、緊急時の連絡報告体制やお客様及び従業員の人命・安全を第一にした各種マニュアルの整備等に努めております。また、火災保険等の加入により経済的損害の発生に備えています。

 

② 映画、演劇公演等に係る事業の不確実性によるリスク

当社グループの以下の事業において、作品によっては十分な観客動員を果たせないリスク、作品の製作遅延や公開延期、公演中止等のリスクが存在します。

・映画事業:公開作品によっては十分な観客動員を果たせないリスク。また、出演者・スタッフ等のトラブルや撮影時の事故等による公開予定作品の製作遅延や公開延期・中止等のリスク。

・演劇事業:新作公演等の作品によっては十分な観客動員を果たせないリスク。また、俳優の健康上の理由・トラブル等により出演が不可能になり、公演が中止になるリスク。

これらのリスクが顕在化する可能性は、映画事業、演劇事業が不確実性を本質的な事業特性とする限り、一定程度、常に存在すると言えます。

また、これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入、営業利益が減少するとともに、製作投資の回収可能性の低下によるたな卸資産の評価減等、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、常に幅広い種類の良質なコンテンツの獲得に努め、年間を通じてバランスの取れたラインナップを編成してボラティリティの高い興行リスクを軽減しております。また、製作段階におけるトラブルを防止するため作品ごとの管理を徹底するとともに、万が一の場合には、速やかな代替策の実施を検討してまいります。

 

③ 知的財産権の侵害や不正転売に係るリスク

当社グループの以下の事業において、保有する知的財産権が侵害されるリスクや入場券等の不正転売等によるリスクが存在します。

・映画事業:映画、映像作品の違法動画配信や海賊版の流通、またキャラクターグッズ等での無許諾商品、模倣品等による知的財産権の侵害リスク

・演劇事業:演劇公演の盗撮による知的財産権の侵害や劇場の入場券等の不正転売リスク

これらのリスクが顕在化する可能性は、現在においても様々に発生しており、根絶することは事実上困難と考えられます。

また、これらのリスクが顕在化した場合は、損益において逸失利益が発生します。特に海外やインターネット上では、知的財産権の保護を十分に受けらず、被害が拡大する可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、著作権、商標権等の保護に関する各種対策を強化し、仮にリスクが顕在化した場合は、法的措置を前提に毅然とした対応をとることを徹底しております。入場券等の不正転売に関しては、電子チケットの導入を推進していくとともに、行政機関とも協力して可能な限りの対策を講じてまいります。

 

海外展開に係るリスク

当社グループの映画事業において、海外における映画・アニメ等の劇場公開、テレビ放映やインターネット上での配信、商品化権の許諾等については、当該国における政情不安や経済情勢の不確実性に加え、文化や慣習の違いに起因するビジネスリスク、知的財産権に関するリスク、SNSにおける炎上リスク、労使関係、貿易や租税を始めとする各種法的規制の変更、為替リスクなど多岐にわたるリスクが存在します。

これらのリスクが顕在化する可能性は、当社グループが海外展開を積極的に拡大する中で増加しつつあります。

また、これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入や営業利益が減少するとともに、訴訟コスト等が臨時に発生する可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、事前に経験豊富な専門家にアドバイスを得るなど、可能な限りリスクの低減に努めています。また、知的財産権に関するリスクについては、法的措置を前提に毅然とした対応をとることを徹底しています。

 

道路事業に係わるリスク

当社グループの不動産事業において、スバル興業㈱と同社の連結子会社が道路事業に係わっており、これらの事業においては、公共工事への高い依存に伴うリスク、労働人員不足のリスク、労務費及び資機材価格の高騰リスク、自然災害のリスク、建設業法等の規制に関するリスク等、道路事業特有のリスクが存在します。

これらのリスクが顕在化する可能性は、それぞれ一定程度存在します。

また、これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入や営業利益が減少する可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、スバル興業㈱を中心に安全管理・品質管理の徹底、優れた技術者の採用・育成・配置など、影響を最小限にするための具体的な施策が検討され、実施されております。

 

情報セキュリティに係るリスク

当社グループは、チケット販売やECサイト等におけるお客様の個人情報や映像素材のデジタルデータ等の取扱いにおいて、悪意の第三者からの予期せぬ不正アクセス、コンピュータウィルス侵入等による個人情報・機密情報の漏洩、設備の損壊・通信回線のトラブル等による情報システムの停止等のリスクが存在します。また、財務データを含む電子データが暗号化される等により、事業活動の継続ができなくなる等のリスクも存在します。

これらのリスクが顕在化する可能性は、様々な対策を実施していたとしても一定程度存在するものと思われます。また、業務のデジタル化、オンライン化が進むに連れ、顕在化する可能性が増加していくものと思われます。

また、これらのリスクが顕在化した場合は、営業収入や営業利益が減少するとともに、顧客からの損害賠償請求等が臨時に発生する可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、当社情報システム部を中心に、最新の技術に基づく可能な限りのセキュリティ対策やインシデント対応体制の整備、標的型攻撃メール訓練等によるユーザー教育を実施しているほか、情報システムに関する社内規程や運用ルールの整備を進め、全社的な情報セキュリティマネジメント体制の構築に努めています。また、サイバーリスク保険への加入により経済的損害の発生に備えています。

 

投資有価証券等に係るリスク

当社グループは、重要な取引先との関係を強固にするため、上場株式および非上場株式を複数保有しておりますが、将来大幅な株価下落や企業価値の毀損が起きた場合には、保有有価証券を減損処理する可能性があります。

なお、これらのリスクへの対応策は、有価証券の投資基準・保有意義を明確にするとともに、取締役会への報告を含む定期的なモニタリングを実施することで、リスクの軽減に努めています。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の概況)

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により個人消費や企業活動が著しく制限され、景気は急速に悪化しました。昨年春の緊急事態宣言解除後は、経済活動の再開に伴い持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられ依然として先行き不透明な状況が続いております。

映画業界におきましても、2020年の興行収入は1432億8千5百万円と前年から45.1%減となり、前年の歴代最高記録から一転し大幅な減少となりました。

このような情勢下にあって当社グループでは、映画の配給作品の公開延期や演劇公演の中止を余儀なくされたほか、昨年春の緊急事態宣言を受けて全国の劇場が一斉休業に追い込まれる等、かつてない事態に陥り、緊急事態宣言解除後は、政府、自治体及び関係団体からのガイドラインに基づき、適切な感染予防の取り組みを講じたうえで環境変化に対応し、順次営業を開始いたしましたが、座席販売の制限や邦洋画の公開延期等の影響が依然として残り、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部の演劇公演が中止となる等、厳しい経営環境が続いております。そのような状況下で、10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、社会現象を巻き起こし、歴史的な大ヒットとなり、業績に寄与いたしました。これらの結果、営業収入は1919億4千8百万円(前年度比27.0%減)、営業利益は224億4千7百万円(同57.5%減)、経常利益は241億9千5百万円(同56.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億8千8百万円(同59.9%減)となりました。なお、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等、ならびに昨年春の緊急事態宣言発出以後、解除されるまでの期間に中止を決定した、演劇公演に係る製作費用等を臨時休業による損失として特別損失に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金等を助成金収入として特別利益に計上しております。

セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業

映画営業事業では、予定していた配給作品が相次いで公開延期となりましたが、東宝㈱において、昨年春の緊急事態宣言解除後に座席制限の中で公開となりましたスタジオジブリの長編アニメーション4作品のリバイバル上映が映画館に活気を取り戻し、新作映画「今日から俺は!!劇場版」の大ヒットに繋げました。続く「コンフィデンスマンJP プリンセス編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「糸」も好調で、座席制限解除後の10月には、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が記録的な大ヒットスタートとなりました。その後も「STAND BY ME ドラえもん2」「新解釈・三國志」「映画 えんとつ町のプペル」とヒット作が続きました。また、東宝㈱において劇場用映画「ブレイブ -群青戦記-」等を制作いたしました。東宝東和㈱等においては、「ドクター・ドリトル」等を配給いたしましたが、洋画話題作品が軒並み次期以降に公開延期となった影響により減収となりました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は39,840百万円(前年度比18.4%減)、営業利益は6,478百万円(同47.8%減)となりました。

なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(3,024百万円、前年度比28.8%減)控除前で49,426百万円(同8.9%減)であり、その内訳は、国内配給収入が39,841百万円(同3.0%減)、製作出資に対する受取配分金収入が626百万円(同78.8%減)、輸出収入が2,012百万円(同51.3%減)、テレビ放映収入が1,364百万円(同7.7%減)、ビデオ収入が1,141百万円(同15.1%増)、その他の収入が4,439百万円(同22.5%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(527百万円、前年度比67.2%減)控除前で950百万円(同75.2%減)でした。

 

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットがあり回復基調ではありますが、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館したことや、劇場再開にあたっては感染予防措置として間隔を確保した座席販売の措置を施していたこと、また、洋画の期待作が公開延期や配信限定へ転換したこと等もあり、当連結会計年度における映画館入場者数は、25,325千人と前年度比49.3%の大幅減となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は46,242百万円(前年度比49.3%減)、営業損益は1,100百万円の損失(前年度は14,948百万円の営業利益)となりました。

なお、当連結会計年度中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、7月3日に東京都豊島区に「TOHOシネマズ 池袋」(10スクリーン)、9月10日に東京都立川市に「TOHOシネマズ 立川立飛」(9スクリーン)をそれぞれオープンし、11月30日に愛知県名古屋市港区の「TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ」(12スクリーン)を閉館しました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は全国で7スクリーン増の702スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「天気の子」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をはじめとする当社配給作品の販売が伸長しましたが、邦洋画の話題作が公開延期となったことが引き続き影響し、前年度比では減収となりました。アニメ製作事業では、TVアニメ「呪術廻戦」等に製作出資いたしました。アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では、「Endless SHOCK」「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」「映画『映像研には手を出すな!』」等を提供いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作で稼働を再開したものの、ライブイベントやテーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事等に関して、開催の中止や延期、見直しが相次いだため、減収となりました。これらの結果、映像事業の営業収入は30,114百万円(前年度比8.5%減)、営業利益は4,973百万円(同25.1%減)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(4,554百万円、前年度比0.5%増)控除前で27,589百万円(同0.1%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が8,236百万円(同14.7%増)、出版・商品事業収入が4,402百万円(同17.6%減)、アニメ製作事業収入が12,870百万円(同26.5%増)、実写製作事業収入が1,441百万円(同25.2%減)、ODS事業収入が637百万円(同78.2%減)等でした。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は116,197百万円(前年度比32.8%減)、営業利益は10,351百万円(同69.5%減)となりました。(㈱東宝映画は12月1日を効力発生日として、非連結子会社の㈱東宝スタジオサービスを吸収合併し「TOHOスタジオ㈱」に商号変更しております。)

 

演劇事業

演劇事業では、東宝㈱におきまして、緊急事態宣言が発出された4月以降、東京公演及びそれらの全国ツアー公演をすべて中止しておりましたが、7月より順次公演を再開いたしました。再開にあたっては、劇場の消毒や換気の強化等の感染予防の取り組みを実施しております。公演再開後、帝国劇場においては「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」「THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE」「ローマの休日」「ビューティフル」「DREAM BOYS」「Endless SHOCK -Eternal-」等を上演、シアタークリエにおきましては「メイビー、ハッピーエンディング」「Gang Showman」「おかしな二人」「オトコ・フタリ」等を上演いたしましたが、間隔を確保した座席販売や公演関係者の新型コロナウイルス感染による一部公演中止等もあり、減収となりました。また、有料のライブ映像配信やアーカイブ配信を実施し、新たな収益源の確保に努めました。東急シアターオーブでは新作ミュージカル「プロデューサーズ」や「マリー・アントワネット」を上演し好評を博しました。東宝芸能㈱では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止等の影響を受け減収となりました。以上の結果、演劇事業の営業収入は7,948百万円(前年度比54.7%減)、営業損益は1,066百万円の損失(前年度は4,082百万円の営業利益)となりました。

なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(179百万円、前年度比8.1%増)控除前で6,226百万円(同60.0%減)であり、その内訳は、興行収入が5,283百万円(同58.2%減)、外部公演収入が772百万円(同71.9%減)、その他の収入が171百万円(同17.5%減)でした。

 

 

不動産事業

不動産賃貸事業では、昨年春の緊急事態宣言を受けて商業施設の臨時休館を実施したことに伴う賃料の免除や歩合家賃の減少、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたこと等もあり、前年度比で減収となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は27,913百万円(前年度比5.9%減)、営業利益は12,329百万円(同9.4%減)となりました。

企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、一時的なテナントの入れ替えにより、1.0%台で推移しております。企業集団の固定資産の含み益については、2020年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2862億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)

なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(813百万円、前年度比6.0%減)控除前で29,594百万円(同8.1%減)でした。

道路事業では、公共投資が堅調に推移しましたが、建設技能者の不足による労務費の上昇や資機材価格の高騰もあり、依然として予断を許さない状況が継続したなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら安全管理の徹底を図り、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めました。その結果、道路事業の営業収入は27,460百万円(前年度比0.9%増)、営業利益は4,048百万円(同1.0%減)となりました。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、ホテルや劇場等、商業施設の経済活動が再開し、受注回復の動きがみられますが、昨年春の緊急事態宣言時の臨時休業による休業手当等の負担が営業利益を圧迫したことなどから減益となりました。その結果、営業収入は9,750百万円(前年度比10.0%減)、営業利益は684百万円(同29.4%減)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は65,124百万円(前年度比3.8%減)、営業利益は17,062百万円(同8.6%減)となっております。

 

その他事業

娯楽事業及び物販・飲食事業は、昨年春の緊急事態宣言等を踏まえた臨時休業後、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が回復しておりますが、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等においては、営業時間の短縮等や外食需要の厳しい状況が続き、減収となりました。その結果、その他事業の営業収入は2,678百万円(前年度比41.1%減)、営業損益は320百万円の損失(前年度は78百万円の営業利益)となりました。

 

(財政状態の概況)

当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は16,478百万円減少し、473,804百万円となりました。これは現金及び預金で8,165百万円、投資有価証券で19,908百万円増加がありましたが、受取手形及び売掛金で4,797百万円、現先短期貸付金で39,499百万円の減少したこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から17,277百万円減少し、84,792百万円となりました。これは主に、未払法人税等で9,005百万円、未払費用で3,656百万円、買掛金で2,679百万円減少したことによるものです。

純資産は前連結会計年度末と比較して799百万円増加し、389,011百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益14,688百万円の計上及び剰余金の配当9,863百万円等による利益剰余金4,896百万円の増加の他に、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が6,868百万円増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が2,453百万円増加したこと等によるものです。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ32,617百万円減少し、85,827百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が23,738百万円、減価償却費が8,797百万円、売上債権の減少が4,771百万円ありましたが、仕入債務の減少が2,679百万円、未払消費税等の減少が3,181百万円、法人税等の支払額が18,877百万円あったこと等により、12,512百万円の資金の増加(前年度比43,380百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が52,100百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が41,395百万円、有形固定資産の取得による支出が9,517百万円、投資有価証券の取得による支出が26,993百万円あったこと等により、27,226百万円の資金の減少(前年度比19,873百万円の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が6,872百万円、配当金の支払額が9,860百万円あったこと等により、17,220百万円の資金の減少(前年度比8,812百万円の減少)となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。

a. 受注実績

 

セグメントの名称

受注高
(百万円)

前年同期比
(%)

受注残高
(百万円)

前年同期比
(%)

映画事業

2,911

△46.1

211

△63.7

演劇事業

不動産事業

25,115

14.5

5,157

6.7

その他事業

合計

28,026

2.5

5,368

△0.9

 

(注) 1 当企業集団では映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業以外は、受注生産を行っておりません。

2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

 

b. 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

(百万円)

前年同期比(%)

映画事業

116,197

△32.8

演劇事業

7,948

△54.7

不動産事業

65,124

△3.8

その他事業

2,678

△41.1

合計

191,948

△27.0

 

(注) 1 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。

2 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある相手先がないため記載を省略しております。

  映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、不動産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)  経営成績の分析

当連結会計年度における当社グループを巡る経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により、好調だった前連結会計年度と比べ一変いたしました。緊急事態宣言の発出や政府・自治体からの要請により、主要な事業場である映画館や演劇劇場が全面休業、時間短縮、座席制限等の大きな制約を受けることとなり、特に映画・演劇の両興行部門(映画興行事業及び演劇事業)において営業損失を計上するなど、大幅な業績悪化を余儀なくされました。その結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ70,818百万円(27.0%)減収の191,948百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ30,409百万円(57.5%)減益の22,447百万円となり、大幅な減収減益となりました。

当社グループでは、経営の目標として重視する指標を「営業利益」とし、中期経営戦略「TOHO VISION 2021」においては、連結営業利益について「巡航高度」(標準的に維持すべき水準)を400億円としておりましたが、新型コロナウイルスの多大な影響を受けた当連結会計年度は、その数値目標を大きく下回りました。

一方で、お客様の安心・安全と従業員の健康を確保すべく感染防止対策の徹底を図り、コロナ禍においても魅力的なコンテンツを可能な限り継続して提供することに努力した結果、映画事業において「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴代興行成績の新記録となる大ヒットとなるなど、今後の業績回復への道筋をつける一定の成果を得ることもできました。また、主力の映画事業と演劇事業が厳しい環境下に置かれる中、不動産事業が比較的堅調な成績で推移するとともに、キャッシュ・フローの安定的創出にも貢献し、当社グループの経営全体を下支えしました。

現時点でも、新型コロナウイルス感染症の状況は予断を許さない状況が続いており、次連結会計年度においても一定程度の影響が残ることが予想されますが、事業活動の制約が段階的に縮小されるに連れ、当社グループの業績は徐々に改善・回復していくものと考えております。

 

(a) 営業収入

当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ70,818百万円(27.0%)減収の191,948百万円となりました。

(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ25,849百万円(17.3%)減少の123,485百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ14,558百万円(24.0%)減少の46,014百万円となりました。これは広告宣伝費が5,158百万円、借地借家料が2,806百万円、人件費が2,709百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ30,409百万円(57.5%)減少の22,447万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ23,638百万円(69.5%)減益の10,351百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ5,149百万円減益の1,066百万円の営業損失、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ1,608百万円(8.6%)減益の17,062百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ399百万円減益の320百万円の営業損失でした。

 

なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

 

(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ305百万円(13.2%)減少の2,007百万円となりました。これは主として、持分法による投資利益が前連結会計年度に比べ267百万円減少したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ158百万円(155.1%)増加の260百万円となりました。これは主として、為替差損が前連結会計年度に比べ152百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ30,872百万円(56.1%)減少の24,195百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて1,820百万円(221.2%)増加の2,643百万円となりました。これは、当連結会計年度に助成金収入を952百万円計上したことや投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ472百万円増加したことによるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ2,903百万円増加の3,100百万円となりました。これは主に、当連結会計年度に臨時休業による損失を2,211百万円計上したことや前連結会計年度と比べ減損損失が585百万円増加したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税8,082百万円、法人税等調整額△345百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,312百万円を計上し、前連結会計年度と比べ21,920百万円(59.9%)減少の14,688百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の203.77円から82.54円に減少しました。
 
2)  財政状態の分析
(a) 資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ16,478百万円(3.4%)減少して473,804百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べ35,842百万円(16.3%)減少して184,028百万円となりました。このうち、現金及び預金は前連結会計年度末と比べ8,165百万円(27.8%)増加し37,530百万円、受取手形及び売掛金が4,797百万円(19.1%)減少し20,345百万円、現先短期貸付金が39,499百万円(45.1%)減少し47,999百万円となりました。

有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ95百万円(0.1%)減少の151,626百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建物及び構築物は竣工と減損損失計上及び減価償却額の差額等で2,516百万円(3.1%)減少し79,482百万円、機械装置及び運搬具は300百万円(5.4%)増加し5,848百万円、工具、器具及び備品が156百万円(5.8%)減少し2,556百万円、リース資産が6百万円(138.8%)増加し11百万円、土地は取得と売却の差額等により2,626百万円(4.5%)増加し61,620百万円、建設仮勘定が356百万円(14.5%)減少し2,106百万円となりました。

無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ693百万円(10.3%)減少の6,066百万円となりました。

投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ20,153百万円(18.0%)増加し132,083百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ19,908百万円(21.3%)増加し113,400百万円となったこと等によるものであります。

 

(b) 負債

当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ17,277百万円(16.9%)減少の84,792百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べ17,158百万円(30.3%)減少の39,473百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、買掛金が2,679百万円(12.7%)減少して18,397百万円、未払法人税等が9,005百万円(79.9%)減少して2,258百万円、未払費用が3,656百万円(56.6%)減少して2,807百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて119百万円(0.3%)減少して45,319百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、繰延税金負債が1,301百万円(12.4%)増加して11,762百万円、長期預り保証金が892百万円(3.8%)減少して22,600百万円、退職給付に係る負債が215百万円(5.8%)減少して3,489百万円となりました。

(c) 純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて799百万円(0.2%)増加し、389,011百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益14,688百万円の計上及び剰余金の配当9,863百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が4,896百万円(1.4%)増加、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が6,868百万円(40.6%)増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が2,453百万円(14.6%)増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.6ポイント増加し、79.3%となりました。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としており、不確実性が高い事業を運営するため、十分な手許資金が必要であると考えております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高85,827百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,479百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮しても、現時点で予測可能な将来の資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないと判断しております。

(資金需要の内容及び経営資源の配分)

当社グループの資金需要の主な内容は、営業活動の支出として、劇場用映画の製作、出資やシネコンの運営資金、新規事業場の開設費、演劇興行における運営資金、製作費等及び不動産事業における設備投資及び物件の新規取得費等であります。戦略的に経営資源を配分し成長分野への投資を促進し、持続的な企業価値向上と長期的・安定的な株主還元の充実に努めております。

(資金調達)

短期的・中長期的な投資資金については、自己資金を前提としており、中長期的な投資資金については、事業機会に即した資金調達の安定性向上に努めており、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持向上を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の変化を慎重に見極め、今後の経営課題に柔軟に対応するため、機動的な資金調達に努めております。

 

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。

連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響についての考え方は、「「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報)」に記載しております。

 

1) 有形固定資産及び無形固定資産の減損

当社グループは、市場価額が著しく下落したものや営業活動から生ずる損益が継続してマイナスで、かつ、業績回復の見通しが立たない資産又は資産グループについて、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。回収可能価額の測定は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額によっております。回収可能価額の測定に用いた前提条件や仮定が変更された場合には、減損処理を行う可能性があります。

 

2) 繰延税金資産の評価

当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、回収可能性の検討にあたって用いた前提条件や仮定が変更された場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。

 

3) 退職給付債務及び費用

当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づいて、退職給付費用及び退職給付債務を算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、退職給付に係る負債(又は資産)及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。

なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](退職給付関係)」に記載のとおりであります。

 

経営成績に重要な影響を与える要因

「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。