第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により個人消費や企業活動が著しく制限され、景気は急速に悪化しました。緊急事態宣言の解除後は、経済活動の再開に伴い持ち直しの動きは見えるものの、新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、依然として先行きの不透明な状況が続いております。

このような情勢下にあって当社グループでは、映画の配給作品の公開延期や演劇公演の中止を余儀なくされたほか、緊急事態宣言を受けて全国の劇場が一斉休業に追い込まれる等、かつてない事態に陥りました。緊急事態宣言の解除後は、政府、自治体及び関係団体からのガイドラインに基づき、適切な感染予防の取り組みを講じたうえで環境変化に対応し、順次営業を開始いたしましたが、座席販売の制限や邦洋画の公開延期等の影響が依然として残り、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部の演劇公演が中止となる等、厳しい経営環境が続いております。そのような状況下で、10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、社会現象を巻き起こし、歴史的な大ヒットとなり、業績の回復に寄与いたしました。これらの結果、営業収入は1378億4千万円(前年同四半期比31.5%減)、営業利益は171億7千6百万円(同59.9%減)、経常利益は182億5百万円(同58.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は112億2千6百万円(同61.9%減)となりました。なお、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等、ならびに緊急事態宣言発出以後、解除されるまでの期間に中止を決定した、演劇公演に係る製作費用等を臨時休業による損失として特別損失に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金等を助成金収入として特別利益に計上しております。

 セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業
 映画営業事業では、予定していた配給作品が相次いで公開延期となりましたが、東宝㈱において、緊急事態宣言の解除後に公開となりました「今日から俺は!!劇場版」「コンフィデンスマンJP プリンセス編」や「映画ドラえもん のび太の新恐竜」がヒットしたほか、スタジオジブリの長編アニメーション4作品のリバイバル上映が好評を博すとともに、10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が大ヒットとなりました。また、東宝㈱において劇場用映画「ブレイブ -群青戦記-」等を制作いたしました。東宝東和㈱等においては、「ドクター・ドリトル」等を配給いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は28,491百万円(前年同四半期比28.9%減)、営業利益は6,063百万円(同41.6%減)となりました。

なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(2,430百万円、前年同四半期比24.5%減)控除前で34,923百万円(同24.2%減)であり、その内訳は、国内配給収入が27,671百万円(同23.4%減)、製作出資に対する受取配分金収入が530百万円(同78.2%減)、輸出収入が1,372百万円(同49.6%減)、テレビ放映収入が1,014百万円(同23.7%減)、ビデオ収入が1,020百万円(同45.1%増)、その他の収入が3,314百万円(同20.3%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(586百万円、前年同四半期比52.0%減)控除前で848百万円(同68.1%減)でした。

 

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットがあり回復基調ではありますが、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館したことや、劇場再開にあたっては感染予防措置の一環として間隔を確保した座席販売の措置を施していたこと、また、洋画の期待作が公開延期や配信限定へ転換したこと等もあり、当第3四半期連結累計期間における映画館入場者数は、17,836千人と前年同四半期比54.5%の大幅減となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は32,107百万円(前年同四半期比54.8%減)、営業損益は1,235百万円の損失(前年同四半期は13,073百万円の営業利益)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、7月3日に東京都豊島区に「TOHOシネマズ 池袋」(10スクリーン)、9月10日に東京都立川市に「TOHOシネマズ 立川立飛」(9スクリーン)をそれぞれオープンし、11月30日に愛知県名古屋市港区の「TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ」(12スクリーン)を閉館しました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は全国で7スクリーン増の702スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「天気の子」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」「劇場版おっさんずラブ」等を提供し、好調に推移いたしました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をはじめとする当社配給作品の販売が伸長しましたが、邦洋画の話題作が公開延期となったことが引き続き影響し、前年同四半期比では減収となりました。アニメ製作事業では、TVアニメ「呪術廻戦」等に製作出資いたしました。アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では、「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」「映画『映像研には手を出すな!』」等を提供いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作で稼働を再開したものの、ライブイベントやテーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事等に関して、開催の中止や延期、見直しが相次いだため、減収となりました。これらの結果、映像事業の営業収入は21,672百万円(前年同四半期比7.9%減)、営業利益は2,982百万円(同41.4%減)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(3,135百万円、前年同四半期比8.2%減)控除前で20,155百万円(同4.2%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が6,243百万円(同24.2%増)、出版・商品事業収入が3,773百万円(同6.2%減)、アニメ製作事業収入が8,676百万円(同26.6%増)、実写製作事業収入が1,033百万円(同31.1%減)、ODS事業収入が427百万円(同77.9%減)でした。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は82,270百万円(前年同四半期比38.9%減)、営業利益は7,811百万円(同72.6%減)となりました。

 

演劇事業
  演劇事業では、東宝㈱におきまして、緊急事態宣言が発出された4月以降、東京公演及びそれらの全国ツアー公演をすべて中止しておりましたが、7月より順次公演を再開いたしました。再開にあたっては、劇場の消毒や換気の強化等の感染予防の取り組みを実施しております。公演再開後、帝国劇場においては「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」「THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE」「ローマの休日」「ビューティフル」等を上演、シアタークリエにおきましては「メイビー、ハッピーエンディング」「Gang Showman」「おかしな二人」等を上演いたしましたが、間隔を確保した座席販売や一部の公演が中止となったこと等もあり、減収となりました。また、有料のライブ映像配信やアーカイブ配信を実施し、新たな収益源の確保に努めました。東急シアターオーブでは新作ミュージカル「プロデューサーズ」を上演し好評を博しました。東宝芸能㈱では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止等の影響を受け減収となりました。以上の結果、演劇事業の営業収入は4,793百万円(前年同四半期比62.7%減)、営業損益は1,043百万円の損失(前年同四半期は3,221百万円の営業利益)となりました。

なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(133百万円、前年同四半期比8.5%増)控除前で3,629百万円(同68.3%減)であり、その内訳は、興行収入が3,119百万円(同66.1%減)、外部公演収入が391百万円(同81.6%減)、その他の収入が118百万円(同14.3%減)でした。

 

不動産事業
  不動産賃貸事業では、緊急事態宣言を受けて商業施設の臨時休館を実施したことに伴う賃料の免除や歩合家賃の減少、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたこと等もあり、前年同四半期比で減収となりました。東宝㈱の東宝スタジオでは、ステージレンタル事業におきまして、映画・TV・CMともに制作の延期や中止の影響を受け減収となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は21,098百万円(前年同四半期比5.1%減)、営業利益は9,611百万円(同0.6%減)となりました。

企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、一時的なテナントの入れ替えにより、0.2%台で推移しております。企業集団の固定資産の含み益については、2020年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2872億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)

なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(613百万円、前年同四半期比5.8%減)控除前で22,278百万円(同5.8%減)でした。

道路事業では、老朽化によるインフラ整備をはじめとする公共投資が堅調に推移するなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら安全管理の徹底を図り、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めました。その結果、道路事業の営業収入は20,527百万円(前年同四半期比3.3%増)、営業利益は3,320百万円(同0.8%増)となりました。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、ホテルや劇場等、商業施設の経済活動が再開し、受注回復の動きがみられますが、緊急事態宣言時の臨時休業による休業手当等の負担が営業利益を圧迫したことなどから、大幅な減益となりました。その結果、営業収入は7,187百万円(前年同四半期比11.0%減)、営業利益は463百万円(同38.8%減)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は48,812百万円(前年同四半期比2.7%減)、営業利益は13,395百万円(同2.4%減)となっております。

 

その他事業
 娯楽事業及び物販・飲食事業は、緊急事態宣言等を踏まえた臨時休業以降、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が回復しておりますが、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等においては、外食需要の厳しい状況が続き、減収となりました。その結果、その他事業の営業収入は1,963百万円(前年同四半期比44.8%減)、営業損益は232百万円の損失(前年同四半期は124百万円の営業利益)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は14,521百万円減少し、475,761百万円となりました。これは現金及び預金で8,090百万円の増加がありましたが、有価証券で11,325百万円、現先短期貸付金で7,499百万円、投資有価証券で8,306百万円の減少があったこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から8,498百万円減少し、93,572百万円となりました。これは買掛金で8,184百万円の増加がありましたが、未払法人税等で10,490百万円の減少があったこと等によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比較して6,022百万円減少し、382,189百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益11,226百万円の計上及び剰余金の配当9,863百万円による利益剰余金1,362百万円の増加の他に、自己株式が6,864百万円増加、その他有価証券評価差額金が743百万円減少したこと等によるものです。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,816百万円増加し、129,262百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が17,681百万円、減価償却費が6,425百万円、仕入債務の増加が8,184百万円ありましたが、未払消費税等の減少が3,280百万円、法人税等の支払額が18,619百万円あったこと等により、7,233百万円の資金の増加(前年同四半期比34,385百万円の減少)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が46,600百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が12,199百万円、有形固定資産の取得による支出が8,316百万円、投資有価証券の取得による支出が6,109百万円あったこと等により、21,132百万円の資金の増加(前年同四半期は、7,722百万円の資金の減少)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が6,868百万円、配当金の支払額が9,797百万円あったこと等により、17,111百万円の資金の減少(前年同四半期比8,809百万円の減少)となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。