第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績の概況)

当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さがみられ先行き不透明な状況が続いております。

このような情勢下にあって当社グループでは、緊急事態宣言により映画館や商業施設等の臨時休業・営業時間の短縮や座席販売の制限、演劇公演の中止・一部公演チケット販売の停止等をいたしましたが、一方で東宝配給作品の大ヒットやアニメーションレーベル「TOHO animation」作品が業績に寄与いたしました。また、緊急事態宣言解除後も適切な感染予防の取り組みを講じたうえで、営業を継続した結果、営業収入は1686億2千万円(前年同四半期比22.3%増)、営業利益は281億7千6百万円(同64.0%増)、経常利益は299億4千6百万円(同64.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は201億6千4百万円(同79.6%増)となりました。なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金及び国や地方自治体等からの助成金等を「助成金収入」として特別利益に、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等ならびに中止した演劇公演に係る製作費等を「臨時休業による損失」として特別損失に計上しております。

 セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。

 

映画事業
 映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「名探偵コナン 緋色の弾丸」「竜とそばかすの姫」「マスカレード・ナイト」「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」が大ヒットを記録したほか、東宝㈱・東和ピクチャーズ㈱との共同配給において「映画 モンスターハンター」や東宝東和㈱において「ワイルド・スピード/ジェットブレイク」「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」等を配給いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は29,636百万円(前年同四半期比4.0%増)、営業利益は6,986百万円(同15.2%増)となりました。

なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(2,514百万円、前年同四半期比3.4%増)控除前で33,888百万円(同3.0%減)であり、その内訳は、国内配給収入が26,155百万円(同5.5%減)、製作出資に対する受取配分金収入が874百万円(同64.9%増)、輸出収入が2,422百万円(同76.5%増)、テレビ放映収入が655百万円(同35.4%減)、ビデオ収入が342百万円(同66.5%減)、配信その他の収入が3,439百万円(同3.8%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(81百万円、前年同四半期比86.1%減)控除前で540百万円(同36.3%減)でした。

映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、緊急事態宣言により東京・大阪等での休館・営業時間短縮や座席販売の制限等を実施し、緊急事態宣言解除後も公開予定作品の延期やリバウンド防止措置対応など引き続き厳しい状況にありましたが、上記配給作品がヒットしたことや、前年同四半期に比べ劇場の休館等の制約期間が短くなったこともあり、増収となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における映画館入場者数は21,524千人と前年同四半期比20.7%の増加となりました。映画興行事業の営業収入は40,958百万円(前年同四半期比27.6%増)、営業利益は488百万円(前年同四半期は1,235百万円の営業損失)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間中の劇場の異動は、TOHOシネマズ㈱が11月17日に大阪府松原市「TOHOシネマズ セブンパーク天美」(10スクリーン)をオープンいたしました。これにより当企業集団の経営するスクリーン数は全国で10スクリーン増の712スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。

映像事業では、TOHO animationレーベルの作品が各種事業において好調に推移いたしました。パッケージ事業において、Blu-ray、DVDにてTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」が好調なセールスとなった他、TVアニメ「呪術廻戦」、映画「ゴジラvsコング」等を提供いたしました。アニメ製作事業におきましては、TVアニメ「呪術廻戦」「僕のヒーローアカデミア」「ゴジラ S.P〈シンギュラポイント〉」等の作品に加え、映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」に製作出資し、商品化権収入をはじめとした各種配分金収入により増収となりました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて映画「名探偵コナン 緋色の弾丸」、TVアニメ「呪術廻戦」、映画「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション」の販売が伸長しました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、順調に稼働しました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務に関して、一部持ち直しの兆しがみえたものの、依然として厳しい状況にありました。これらの結果、映像事業の営業収入は36,270百万円(前年同四半期比67.4%増)、営業利益は8,853百万円(同196.8%増)となりました。

なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(6,386百万円、前年同四半期比103.7%増)控除前で35,119百万円(同74.2%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が10,297百万円(同64.9%増)、出版・商品事業収入が2,751百万円(同27.1%減)、アニメ製作事業収入が20,592百万円(同137.3%増)、実写製作事業収入が769百万円(同25.5%減)、ODS事業収入が482百万円(同12.9%増)、その他の収入が225百万円(前年同四半期に比べ225百万円増)でした。

以上の結果、映画事業全体では、営業収入は106,865百万円(前年同四半期比29.9%増)、営業利益は16,328百万円(同109.0%増)となりました。

 

演劇事業
  演劇事業では、緊急事態宣言が発出され、公演の中止や公演チケット販売の停止・払い戻し対応等を行いました。緊急事態宣言の解除後も感染症予防対策に努め公演いたしました。東宝㈱の帝国劇場におきまして「Endless SHOCK -Eternal-」「モーツァルト!」「レ・ミゼラブル」「王家の紋章」「DREAM BOYS」「ナイツ・テイル―騎士物語―」「マイ・フェア・レディ」を上演、シアタークリエにおきましては「GHOST」「きみはいい人、チャーリー・ブラウン」「CLUB SEVEN ZERO Ⅲ」「SHOW BOY」「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」「ドッグファイト」「VOICARION XIII~女王がいた客室~」「Home,I'm Darling~愛しのマイホーム~」「GREASE」等を上演し、その他全国へと社外公演を行いました。また、東京建物 Brillia HALLにおきまして「マドモアゼル・モーツァルト」を上演したなど、前年同四半期に比べ公演数の増加により、大幅増収となりました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に推移しました。以上の結果、演劇事業の営業収入は11,904百万円(前年同四半期比148.3%増)、営業利益は2,455百万円(前年同四半期は1,043百万円の営業損失)となりました。

  なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(160百万円、前年同四半期比20.4%増)控除前で10,444百万円(同187.8%増)であり、その内訳は、興行収入が7,960百万円(同155.2%増)、外部公演収入が2,324百万円(同494.1%増)、その他の収入が159百万円(同34.6%増)でした。

 

不動産事業
  不動産賃貸事業では、オフィス環境の変化や商業施設の休館等で、引き続き厳しい状況下にありました。企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、0.3%台で推移いたしましたが、一時的なテナントの入れ替え等もあり減収となりました。不動産賃貸事業の営業収入は20,273百万円(前年同四半期比3.9%減)、営業利益は8,768百万円(同8.8%減)となりました。なお、東宝㈱が2021年11月1日を効力発生日として、連結子会社の萬活土地起業㈱を吸収合併いたしました。

企業集団の固定資産の含み益については、2021年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約3461億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)
  なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(591百万円、前年同四半期比3.6%減)控除前で21,645百万円(同2.8%減)でした。

道路事業では、老朽化によるインフラ整備をはじめとする公共投資が堅調に推移するなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めましたが、労務費・資機材価格の上昇傾向が継続する等、依然として予断を許さない状況が続きました。その結果、道路事業の営業収入は20,324百万円(前年同四半期比1.0%減)、営業利益は2,972百万円(同10.5%減)となりました。

不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、ホテルや劇場等、商業施設の稼働率の改善による受注増加や経費削減に努めました。その結果、営業収入は7,288百万円(前年同四半期比1.4%増)、営業利益は541百万円(同16.9%増)となりました。

以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は47,885百万円(前年同四半期比1.9%減)、営業利益は12,283百万円(同8.3%減)となりました。

 

その他事業
 娯楽事業及び物販・飲食事業では、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が増加傾向にあり、好調に推移いたしました。TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等においては、外食需要の厳しい状況が続き、休業や店舗の閉店をいたしました。その結果、その他事業の営業収入は1,965百万円(前年同四半期比0.1%増)、営業損益は35百万円の損失(前年同四半期は232百万円の営業損失)となりました。

 

(財政状態の概況)

当第3四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は12,185百万円増加し、485,990百万円となりました。これは投資有価証券で8,081百万円の減少がありましたが、現先短期貸付金で8,999百万円、土地で13,818百万円の増加があったこと等によるものです。

負債では前連結会計年度末から4,945百万円増加し、89,738百万円となりました。これは未払法人税等で3,461百万円の増加があったこと等によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比較して7,239百万円増加し、396,251百万円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益20,164百万円の計上及び剰余金の配当6,205百万円による利益剰余金13,958百万円の増加の他に、自己株式の公開買付けによる取得等があり自己株式が4,938百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,581百万円減少したこと等によるものです。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,755百万円増加し、101,583百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が30,803百万円、減価償却費が6,573百万円、未払消費税等の増加が1,708百万円、法人税等の還付額が2,355百万円ありましたが、売上債権の増加が1,923百万円、法人税等の支払額が6,284百万円あったこと等により、38,379百万円の資金の増加(前年同四半期比31,146百万円の増加)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が47,500百万円、金銭の信託の解約による収入が3,100百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が35,599百万円、有形固定資産の取得による支出が23,840百万円、投資有価証券の取得による支出が2,006百万円あったこと等により、11,412百万円の資金の減少(前年同四半期は21,132百万円の資金の増加)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が5,788百万円、配当金の支払額が6,133百万円あったこと等により、12,360百万円の資金の減少(前年同四半期比4,750百万円の増加)となりました。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。