当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、景気の緩やかな回復基調が見られる一方で、海外景気の下振れリスクや物価上昇、金融資本市場の変動の影響などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下にあって当社グループでは、2022年4月に策定した「中期経営計画 2025」の最終年度にあたり、映画、アニメ、演劇、不動産の「事業の4本柱」それぞれにおいてさらなる成長を目指し、積極的な投資や着実な事業展開を進めております。当第1四半期連結累計期間における経営成績は、営業収入は859億7千6百万円(前年同四半期比15.9%増)、営業利益は245億7千6百万円(同34.1%増)、経常利益は233億5千1百万円(同24.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は161億4千9百万円(同31.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
映画事業
映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」が大ヒット、「変な家」「映画ドラえもん のび太の地球交響楽」「ゴジラxコング 新たなる帝国」もヒットいたしました。また、前連結会計年度中に公開された「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」が引き続き高稼働となり、興行収入100億円を突破いたしました。その他、昨年公開し話題となった「ゴジラ-1.0」の国内配信権収入が業績に寄与いたしました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は19,730百万円(前年同四半期比42.4%増)、営業利益は9,873百万円(同70.3%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映画館への配給が13,951百万円(前年同四半期比22.6%増)、劇場用映画の国内配信が2,361百万円(同713.5%増)となりました。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品等を上映いたしました。洋画のヒット作に恵まれなかったこともあり、当第1四半期連結累計期間における映画館入場者数は11,220千人と前年同四半期比9.5%の減少となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は21,372百万円(前年同四半期比7.9%減)、営業利益は3,805百万円(同18.5%減)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間中の劇場の異動はありません。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で722スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像事業では、東宝㈱において、「ハイキュー!!」「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信・商品化権収入に加え、各種配分金収入が業績に大きく貢献いたしました。パッケージ事業では「ゴジラ-1.0」が好調なセールスとなった他、TOHO animation作品の「葬送のフリーレン」「ウマ娘 プリティーダービー」「呪術廻戦」等の販売が伸長いたしました。出版・商品事業では、劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「劇場版ハイキュー‼ ゴミ捨て場の決戦」「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」「ゴジラxコング 新たなる帝国」をはじめとする当社配給作品の販売が好調に推移いたしました。また、TOHO animation作品のキャラクターグッズ販売が営業収入に寄与いたしました。TOHOスタジオ㈱では、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、原価管理に努めながら、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務、メンテナンス業務等を受注いたしました。これらの結果、映像事業の営業収入は18,899百万円(前年同四半期比36.4%増)、営業利益は6,418百万円(同138.8%増)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、アニメコンテンツの利用が7,743百万円(前年同四半期比47.6%増)、パッケージの販売が2,479百万円(同98.9%増)、映像作品等に係る美術製作が2,132百万円(同8.8%増)となりました。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は60,002百万円(前年同四半期比17.8%増)、営業利益は20,098百万円(同52.8%増)となりました。
演劇事業
演劇事業では、東宝㈱の帝国劇場におきまして、「舞台『千と千尋の神隠し』」「Endless SHOCK(Endless SHOCK/ Endless SHOCK Eternal)」を上演し全席完売となりました。シアタークリエにおきましては「骨と軽蔑」が大入りとなった他、「町田くんの世界」「CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~」「ナビレラ -それでも蝶は舞う-」を上演いたしました。日生劇場では「王様と私」が大入りとなりました。また、「舞台『千と千尋の神隠し』」等の社外公演を展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に推移いたしました。
以上の結果、演劇事業の営業収入は5,246百万円(前年同四半期比2.6%減)、営業利益は1,009百万円(同16.7%減)となりました。
不動産事業
不動産賃貸事業では、前連結会計年度末に㈱東京楽天地を連結子会社としており、当第1四半期連結累計期間より経営成績に含んでおります。賃貸用不動産の空室率は、当第1四半期連結会計期間末において0.5%となりました。一方で、大規模修繕費など一時的な費用の増加があったことから、不動産賃貸事業の営業収入は9,419百万円(前年同四半期比29.6%増)、営業利益は2,835百万円(同14.1%減)となりました。
道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、慢性的な建設技能者の不足に加え、労務費・資機材価格の上昇が継続する等、依然として予断を許さない状況が続きました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、一般競争入札における総合評価落札方式への対応強化を図り、各種工事の受注に努めましたが、採算性の高い工事の減少がありました。その結果、道路事業の営業収入は8,062百万円(前年同四半期比3.8%増)、営業利益は1,551百万円(同5.0%減)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等7,431百万円(前年同四半期比4.1%増)であり、またその他の収益229百万円(同9.7%増)が含まれております。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、原材料価格の高騰や人手不足が継続する中、新規受注に取り組むとともに請負金額の改定や業務の効率化等に努めました。その結果、営業収入は2,908百万円(前年同四半期比16.4%増)、営業利益は352百万円(同56.0%増)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は20,390百万円(前年同四半期比16.3%増)、営業利益は4,739百万円(同8.2%減)となりました。
その他事業
東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」やTOHOリテール㈱の劇場売店等において、積極的な営業活動に努めました。その結果、その他事業の営業収入は337百万円(前年同四半期比10.3%増)、営業利益は48百万円(同6.9%減)となりました。
(財政状態の概況)
当第1四半期連結会計期間末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は3,919百万円減少し、611,907百万円となりました。これは現金及び預金で16,217百万円、土地で12,361百万円、有価証券で6,381百万円の増加がありましたが、現先短期貸付金で28,000百万円、受取手形、売掛金及び契約資産で6,010百万円、投資有価証券で3,470百万円の減少があったこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から22,491百万円増加し、153,562百万円となりました。これは主に、短期借入金で19,997百万円の増加があったこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して26,410百万円減少し、458,344百万円となりました。これは自己株式で22,394百万円の増加、非支配株主持分で10,220百万円の減少、利益剰余金で4,871百万円の増加があったこと等によるものです。
当第1四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,441百万円増加し、88,865百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動による資金は、税金等調整前四半期純利益が23,362百万円、減価償却費が3,020百万円、持分法による投資損失が1,644百万円、売上債権及び契約資産の減少が6,181百万円ありましたが、仕入債務の減少が4,901百万円、法人税等の支払額が11,339百万円あったこと等により、23,745百万円の資金の増加(前年同四半期比13,059百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が22,610百万円ありましたが、有形固定資産の取得による支出が19,915百万円、子会社株式の取得による支出が6,544百万円あったこと等により、5,705百万円の資金の減少(前年同四半期比6,376百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動による資金は、短期借入れによる収入が20,000百万円ありましたが、自己株式の取得による支出が20,054百万円、配当金の支払額が11,029百万円あったこと等により、11,879百万円の資金の減少(前年同四半期比4,778百万円の減少)となりました。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
該当事項はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。