文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、映像関連事業を中心に各部門とも営業成績の向上に全力を傾注し、また、資産の有効活用と収益基盤の強化に取り組むとともに、経営の合理化・効率化をはかり、もってグループの安定向上に努力してまいる所存であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、既存の事業においてより高い成長性を確保し、更に新規の事業にも資力を投入していくことが重要であると考えております。これらの実現のために、売上高の増加、適正な利益の確保を目標としてまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループの基幹的な事業である映像製作および営業につきましては、劇場映画は関連する業界各社と連携を保ち強力な企画を立案し、当社グループが主導的な立場で製作を遂行し、時流に即した娯楽性豊かなラインナップの営業に努めます。
また、競争激化するシネマコンプレックス事業につきましては、当社グループの㈱ティ・ジョイにおいて、2000年末の「T・ジョイ東広島」開業より都内では「新宿バルト9」「T・ジョイPRINCE品川」など他社との提携を含め、2020年3月末現在、全国で20サイトを展開しております。全サイトにおいてデジタル上映システムを導入し、ODSなどオリジナリティ溢れるコンテンツの企画・上映・配信を試み、新たなる興行形態の展開をはかっております。
テレビ・ビデオ・アニメーションなど各映像作品の製作・営業につきましては、当社グループは業界のトップクラスに位置し、活発な事業展開を行っております。今後も『相棒』『科捜研の女』などのテレビドラマシリーズ、『ワンピース』や『プリキュア』シリーズなどのテレビアニメ、『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズなどの特撮キャラクター作品といった当社グループの特色を生かした映像作品の製作を継続し、一層の営業拡大に努めてまいります。
また、映像の多角的な利用としては、近年、各種の海外への販売が活発化しており、特にテレビ映画、アニメーションとその商品化権の輸出が今後の有力な事業となります。国内におきましても多メディア・多チャンネル時代を迎えて、映像娯楽専門チャンネルの「東映チャンネル」や「東映特撮ファンクラブ」他各種の映像配信ビジネスなど当社グループの豊富なソフトを利用した活発な営業活動を推進いたします。
さらに新たな技術革新に対応すべく、東京撮影所において撮影からポストプロダクション(編集から完成までの仕上工程)までの一貫したワークフローの実現を目的としたデジタルセンターを中心に、京都撮影所ともオンラインで連携して取り組んでおります。また、東映アニメーション㈱の新大泉スタジオなどグループ各社との連携も強化し、さらなる展開をはかっております。
また、シネマコンプレックスを中心にした東京大泉地区の「オズ スタジオ シティ」や、映像製作及び映像アミューズメントのテーマパークである京都地区の「東映太秦映画村」など、撮影所隣接地を利用した再開発事業やリニューアルも堅実に推進してまいります。
その他、イベント事業、ホテル業、広告代理業やCM制作業、貿易業、建築内装業、テナント事業など多彩な展開を行い、経営の安定化をはかってまいります。
他方経営の効率化につきましては、各種経費の節減により業績の改善に努めてまいりましたが、今後とも気を緩めることなく多面的・総合的に進めていく所存です。
以上の施策、グループ各社の連携強化、及びIR活動をより積極的に進めることで、ステークホルダーとの長期にわたる信頼関係を確立し、ゆるぎない収益基盤を築くこと、また、コンプライアンス・リスクマネジメント規程順守に基礎を置く内部統制体制を整備することにより、「経営ビジョン2020」に掲げる「総合コンテンツ企業」としての当社グループの企業価値ひいては全てのステークホルダー共同の利益の長期安定的な向上に努めていく所存です。
(4)経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制される等、依然として先行き不透明な状況が続いており、当社グループを取り巻く事業環境におきましても、個人消費の多様化や節約志向などにより、厳しい情勢下にあります。
次期以降における経済の動向につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を避けられないものと考えられます。当社グループは、同感染症の拡大防止、お客様や社員をはじめとした全ての関係者の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府の方針に基づいた対応を実施し、事業継続体制の構築に取り組んでまいります。当社グループの2021年3月期の業績には、同感染症が相当の影響を及ぼすことが予想されますが、先行き不透明な環境下、業績の維持向上のため、社員一丸となって邁進してまいる所存であります。
映像関連事業におきましては、当社グループの基幹的な事業である劇場用映画を中心として、質の高い作品の製作を続け、番組編成の充実と受注の確保に努めてまいります。グループ保有の映像資産を多様なメディアに向けて最大限に活用しながら、新たなキャラクターの創出にも注力し、利益の最大化を目指してまいります。また、東西両撮影所やデジタルセンター、東映太秦映画村と一体となり、映像コンテンツのみならず多様なエンターテインメントの創造に挑戦し、2020年のその先へとグローバルな展開をはかってまいります。
催事関連事業につきましては、文化催事と人気キャラクターイベントを柱として、キャラクターショー、ライブイベントや展示型イベント、商品販売など、様々な切り口での営業展開を続け、収益の拡大を目指してまいります。
観光不動産事業につきましては、京都太秦地区の活性化に取り組む一方、賃貸収益の安定確保のため、新規開発案件の取得及び所有不動産の有効活用にも注力してまいります。また、ホテル業につきましては、サービスの向上と効率化に一層努力し、収益の向上を目指してまいります。
当社グループの経営成績又は財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして認識している事項には以下のようなものがあります。なお、当社グループのリスクのうち主なものを記載しており、現時点では予見できない又は重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、前述の「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載する方法などにより、その発生の回避及び発生時の適切な対応に向けて努力してまいる所存であります。
文中の将来に関する内容については、当有価証券報告書提出日現在における判断に基づくものであります。
(1)劇場用映画の興行成績が不安定であること
劇場用映画の興行成績は、作品による差異が大きく、不安定であり、また、各作品の興行成績を予測することは困難を伴います。可能な限りの厳密な興収予測を立て、動員力と完成度を重視した企画選定を徹底しておりますが、仮に、一定の成績に達しない作品が長期にわたり連続した場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)知的財産権の侵害等
当社グループの保有する知的財産権については、海賊版や模倣品等による権利侵害が現実に発生しております。それらについては、ケースごとに適切な対応をとるよう努めておりますが、海外あるいはインターネット等においては、法規制その他の問題から、知的財産権の保護を充分に受けられない可能性があります。仮に、当社グループが、侵害行為を回避できない場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
一方、当社グループが所有又は利用する知的財産権に関して、第三者から訴訟を提起される等の結果、損害賠償義務を負ったり、知的財産権の利用が差し止められたりする可能性があります。
(3)多数の顧客等を収容可能な施設における災害の発生等
映画劇場(シネマコンプレックスを含みます。)、テーマ・パーク、ホテルなど、当社グループは多数の顧客等を収容可能な施設において事業を行っております。それらの施設において、万一、大地震・津波、台風等の災害、衛生上の問題など顧客等の安全にかかわる予期せぬ事態が発生した場合、さらには人的被害があった場合などには、当社グループの経営成績、財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)不動産賃貸リスク及び不動産価値の低下
当社グループが保有する全国各地の賃貸用不動産をはじめとした事業用不動産が、市況の悪化による賃貸水準の低下や空室率の上昇等により期待通りの収益を得られない場合、また、地価が下落した場合や天災その他の予期せぬ原因により施設の価値が損なわれた場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)取引先の経営成績、財政状態等が悪化する可能性
市場環境の変化や経済全般の悪化等により、当社グループの取引先の経営成績、財政状態等が悪化し、当社グループに対する債務の一部もしくは全部の履行が不能となるか、又は債務の履行が著しく遅延する可能性があります。当社グループは、取引先の過去の支払実績、信用情報等に基づいて貸倒引当金を設定しておりますが、それを上回る実際の貸倒れや貸倒引当金の積み増しの必要が生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)資産運用及び資金調達環境の変化の可能性
今後、株価の大幅な下落や金利水準の上昇等により、評価損の発生や債権等の時価額の減少等が生じるなど、当社グループの資産運用及び資金調達環境が変化した場合には、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)法的規制、企業会計基準の変更等
当社グループの事業の遂行は、様々な法令等(証券取引所の定める上場規則その他法令以外のルールで、当社が遵守すべきものを含みます。)の規制を受けております。当社グループとしては、法令遵守を徹底しておりますが、今後、法令等の制定や改正、又は法令に関する解釈の変更等により、当社グループの事業の遂行に制限が加わる可能性や当社グループの事業の遂行に伴う負担が増大する可能性、あるいは、法令等の規制に対して適切な対応をとらなかったことにより当社グループにペナルティが課される可能性や当社グループの信用が失墜する可能性があり、それが、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、今後、新たな会計基準が適用されたり、従来の会計基準が変更されたりする可能性があり、それが、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 個人情報の取扱い
当社グループでは、顧客から得た個人情報を数多く保有しております。最近では、マイナンバー法施行に伴い個人情報保護法が改正され、当社グループにおいても個人情報をより厳密に管理・運用しておりますが、仮に、個人情報の漏えいといった事態が発生した場合は、企業イメージの悪化等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定の経営者(当社代表取締役)への権限集中
当社グループの経営陣、特に当社代表取締役グループ会長である岡田剛と当社代表取締役社長である手塚治に不測の事態が生じた場合、当社グループの事業の展開等に影響を及ぼす可能性があります。このリスクを最小限にすべく、現在、当社グループでは、両氏に過度に依存しないよう、他の役員等への権限移譲、内部管理体制の整備等に鋭意努めております。
(10) 役職員による不正、ハラスメント問題等
当社グループにおいては、社員教育の徹底、内部通報制度をはじめとした内部管理体制の構築を実施しておりますが、役職員による不正、ハラスメント問題等が顕在化した場合には、社会的信用を失うこととなり、それが、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新型コロナウイルス
緊急事態宣言は解除されましたが、終息には至っておらず、拡大第2波への懸念は払拭されておりません。当社グループにおいても、様々な感染拡大防止策を積極的に推進しておりますが、今後も同ウイルスの感染拡大が続く場合は、国内経済活動の低下により家計行動がより慎重になり、当社グループの事業活動等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境が改善傾向に向かい、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、通商問題を巡る動向や金融資本市場の変動の影響等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いており、当社グループを取り巻く事業環境におきましても、個人消費の多様化や節約志向などにより、厳しい情勢下にありました。
このような状況のなかで当社グループは、映像関連事業におきましては、映像4部門(映画事業・ビデオ事業・テレビ事業・コンテンツ事業)の連携強化や興行関連事業・催事関連事業の積極展開等によって収益の拡大をはかるとともに、観光不動産事業・建築内装事業の各部門におきましても堅実な営業施策の遂行に努めました。その結果、売上高は1,413億7千6百万円、営業利益は220億3百万円、経常利益は253億6千万円となり、また、特別利益として投資有価証券売却益等を、特別損失として投資有価証券評価損等を計上いたしまして、親会社株主に帰属する当期純利益は113億5千7百万円となりました。
|
|
売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に帰属する当期純利益 (百万円) |
1株当たり 当期純利益 (円) |
|
当連結会計年度 |
141,376 |
22,003 |
25,360 |
11,357 |
902.74 |
|
前連結会計年度 |
137,038 |
22,970 |
25,983 |
10,816 |
856.98 |
|
増減率(%) |
3.2 |
△4.2 |
△2.4 |
5.0 |
5.3 |
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態の状況については、次のとおりです。
|
|
資産合計 (百万円) |
負債合計 (百万円) |
純資産合計 (百万円) |
自己資本比率 (%) |
1株当たり純資産 (円) |
|
当連結会計年度末 |
300,379 |
77,088 |
223,290 |
57.9 |
13,909.16 |
|
前連結会計年度末 |
296,292 |
82,084 |
214,208 |
57.3 |
13,442.08 |
|
増減率(%) |
1.4 |
△6.1 |
4.2 |
- |
3.5 |
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、次のとおりです。
|
|
営業活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
投資活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
財務活動による キャッシュ・フロー (百万円) |
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
|
当連結会計年度 |
23,669 |
△3,989 |
△5,573 |
63,680 |
|
前連結会計年度 |
20,049 |
△6,215 |
△5,619 |
49,739 |
|
増減額(百万円) |
3,620 |
2,225 |
46 |
13,940 |
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、広範囲かつ多種多様であり、受注生産形態をとるものも少ないため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため、生産、受注及び販売の実績については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①経営成績の分析」における各セグメントごとの経営成績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は、次のとおりです。
|
|
売上高 |
営業利益 |
||||
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減率 (%) |
|
|
映像関連事業 |
93,805 |
93,843 |
0.0 |
19,298 |
19,250 |
△0.3 |
|
興行関連事業 |
21,430 |
21,547 |
0.5 |
1,876 |
1,801 |
△4.0 |
|
催事関連事業 |
8,166 |
8,182 |
0.2 |
1,179 |
1,057 |
△10.3 |
|
観光不動産事業 |
6,517 |
6,476 |
△0.6 |
2,900 |
2,727 |
△6.0 |
|
建築内装事業 |
7,119 |
11,326 |
59.1 |
313 |
124 |
△60.3 |
|
全社・消去 |
- |
- |
- |
△2,596 |
△2,956 |
- |
|
連結計 |
137,038 |
141,376 |
3.2 |
22,970 |
22,003 |
△4.2 |
〔映像関連事業〕
映画事業は、提携製作作品等41本を配給し、「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」が大ヒットを収めたのに加え、「劇場版仮面ライダージオウ Over Quartzer/騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」「仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」「犬鳴村」等がヒットしました。
ビデオ事業は、セル市場・レンタル市場ともに厳しい状況が続いておりますが、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品を主力として販売促進に努め、当連結会計年度はDVD、ブルーレイディスク合わせて342作品を発売いたしました。その結果、劇場用映画「劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』」「ドラゴンボール超 ブロリー」に加え、「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」をはじめとした「仮面ライダー」シリーズのDVD・ブルーレイディスク販売が売上高に寄与しました。
テレビ事業は、各局間の激しい視聴率競争により番組編成の多様化が進むなか、受注市場は厳しい状況にありましたが、作品内容の充実と受注本数の確保に努め、当連結会計年度は60分もの「相棒」「科捜研の女」など82本、30分もの「仮面ライダージオウ」「ワンピース」「スター☆トゥインクルプリキュア」など269本、ワイド・スペシャルもの「日曜プライム 西村京太郎トラベルミステリー」など34本の計385本を製作して高率のシェアを維持し、また「騎士竜戦隊リュウソウジャー」「仮面ライダージオウ」「仮面ライダーゼロワン」などキャラクターの商品化権営業も堅調でした。
コンテンツ事業は、劇場用映画・テレビ映画等の地上波・BS・CS放映権及びビデオ化権の販売に加え、スマートフォンやタブレット端末向け配信サービスに映像ソフトの供給を行い、その結果、旧作テレビ時代劇の放映権販売、劇場用映画「ドラゴンボール超 ブロリー」等のビデオ化権販売及びAmazonプライム・ビデオをはじめとしたVOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売が好調でした。また、「東映特撮ファンクラブ」における会員数の増加が売上高に寄与しました。さらに、アニメ関連では、ゲーム化権の国内外販売が好調だった前連結会計年度の勢いには及ばなかったものの、海外での「ドラゴンボール超 ブロリー」の劇場上映権販売が好稼働しました。
そのほか、国際事業は、劇場用映画・テレビ映画・キャラクターショー等の海外販売、「宇宙戦隊キュウレンジャー」などテレビ映画の海外向け商品化権営業とともに、「Mr.&Mrs.スミス」など外国映画のテレビ放映権の輸入販売を行い、順調に推移しました。教育映像事業は、教育映像の製作配給・受注製作等を行い、2019年教育映像祭において「いじめ 心の声に気づく力」「君が、いるから」が最優秀作品賞を受賞しました。撮影所関連営業及びデジタルセンターは、劇場用映画・テレビ映画等の受注製作、部分請負等を行いました。
以上により、当セグメントの売上高は938億4千3百万円(前年度比0.0%増)、営業利益は192億5千万円(前年度比0.3%減)となりました。
〔興行関連事業〕
映画興行業は、㈱ティ・ジョイ運営のシネコンが好調に稼働し、東映㈱直営劇場4スクリーンを含む205スクリーン体制で展開しております。
以上により、当セグメントの売上高は215億4千7百万円(前年度比0.5%増)、営業利益は18億1百万円(前年度比4.0%減)となりました。
〔催事関連事業〕
当連結会計年度は、文化催事の「不思議の国のアリス展」をはじめとして、様々なジャンルの展示型イベント、ライブイベントや舞台演劇、人気キャラクターショーなど各種イベントの提供を行うとともに、映画関連商品の販売など積極的な営業活動を展開いたしました。また、東映太秦映画村は引き続き堅調に推移しました。
以上により、当セグメントの売上高は81億8千2百万円(前年度比0.2%増)、営業利益は10億5千7百万円(前年度比10.3%減)となりました。
〔観光不動産事業〕
不動産賃貸業は、賃料水準が上昇線を描く状況には至らず、商業施設の賃貸業においては、全体的に厳しい市場環境が続いております。当連結会計年度は、引き続き「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」等の賃貸施設が稼働いたしました。ホテル業においては、インバウンドの需要拡大に伴い、マーケットは好調を維持しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、業界環境は非常に厳しい状況に陥っております。当連結会計年度は、2019年7月に湯沢東映ホテルにおいて温浴施設を、同年11月に新潟東映ホテルにおいてステーキハウスをリニューアルするなど、収益の確保に向けて積極的な営業活動を展開いたしました。
以上により、当セグメントの売上高は64億7千6百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は27億2千7百万円(前年度比6.0%減)となりました。
〔建築内装事業〕
建築内装事業では、民間設備投資は高水準の企業収益を背景に緩やかに増加し、公共投資は底堅く推移することが見込まれており、受注環境は良好な状況となりました。しかしながら、技術労働者不足や建築資材価格の高止まりなど、依然として厳しい経営環境が続いております。このような状況でありますが、従来の顧客の確保および新規顧客の獲得に懸命の営業活動をいたしました。
以上により、当セグメントの売上高は113億2千6百万円(前年度比59.1%増)、営業利益は1億2千4百万円(前年度比60.3%減)となりました。
翌連結会計年度以降のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外の経済活動が抑制されるなど、引き続き先行き不透明な状況で推移すると予測しております。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の今後の広がりによっては、映像関連事業、興行関連事業及び催事関連事業において、劇場用映画の公開延期、シネコンを含む劇場や東映太秦映画村の営業休止、イベントの中止等の対応を実施することが考えられます。また、観光不動産事業におきましても、行政による外出自粛要請等により、賃貸収入の減少や宿泊需要の低迷が予測されるなど、翌連結会計年度の一定期間にわたり幅広く当社グループの事業へ影響を及ぼすことが想定されます。
このような状況のなかで当社グループとしては、映像関連事業を中心に、より一層のコンテンツ事業の強化及び効率的な活用に傾注し、また資産の有効活用に努めるとともに、不採算部門の見直し等により、今後も収益基盤の強化に取り組んでまいります。
なお、中長期的な経営戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。
② 財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、3,003億7千9百万円となり、前期末に比べ40億8千6百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が134億1千4百万円、仕掛品が11億2千万円、繰延税金資産が13億9百万円増加し、受取手形及び売掛金が51億1千1百万円、流動資産のその他が13億6千7百万円、投資有価証券が46億3千9百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、770億8千8百万円となり、前期末に比べ49億9千5百万円減少しました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が25億6百万円、流動負債のその他が20億8千6百万円増加し、支払手形及び買掛金が49億8千1百万円、長期借入金が49億5千8百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、2,232億9千万円となり、前期末に比べ90億8千2百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が87億8千3百万円、土地再評価差額金が16億7千1百万円、非支配株主持分が48億2千1百万円増加し、自己株式が21億5千7百万円増加(純資産は減少)、その他有価証券評価差額金が37億3千5百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが236億6千9百万円増加し、投資活動によるキャッシュ・フローが39億8千9百万円減少し、財務活動によるキャッシュ・フローが55億7千3百万円減少した結果、636億8千万円(前年同期は497億3千9百万円)となりました。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動により得た資金は、236億6千9百万円(前年同期は200億4千9百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益264億3千万円、減価償却費35億4千6百万円、売上債権の増減額50億4千2百万円、その他の流動負債の増減額33億8千万円による増加と、持分法による投資損益23億9千5百万円、仕入債務の増減額48億6千万円、法人税等の支払額75億2千8百万円による減少があったことによります。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動により支出した資金は、39億8千9百万円(前年同期は62億1千5百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入89億7千6百万円による増加と、定期預金の預入による支出84億5千5百万円、有形固定資産の取得による支出40億6千4百万円による減少があったことによります。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動により支出した資金は、55億7千3百万円(前年同期は56億1千9百万円の減少)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出24億5千2百万円、配当金の支払額9億2百万円、非支配株主への配当金の支払額16億6千2百万円による減少があったことによります。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能であると考えております。また、資産の有効活用と収益基盤の強化をはかりつつ、適正な手許資金の水準について検証を実施し、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することが、長期安定的な株主還元に繋がると考えております。
ロ.資金調達の方法及び状況
当社グループは、運転資金及び通常の設備改修資金などは、内部資金又は金融機関等からの借入金により資金を調達しております。また、財務基盤をより堅固なものとするべく、グループ内の資金の一元管理等を含め、資金調達コストの低減をはかり、グループ全体の有利子負債の削減に努めております。
なお、当連結会計年度末における金融機関等からの借入金については、次のとおりです。
|
|
前連結会計年度末 (百万円) |
当連結会計年度末 (百万円) |
増減額 (百万円) |
|
短期借入金 |
200 |
200 |
- |
|
1年内返済予定の長期借入金 |
2,452 |
4,958 |
2,506 |
|
長期借入金 |
9,910 |
4,951 |
△4,958 |
|
合計 |
12,562 |
10,110 |
△2,452 |
ハ.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要の主な内容は、営業活動に係る資金支出では、劇場用映画やテレビ映画等の製作費、DVD・ブルーレイディスクの製作費、配給収入やコンテンツ事業収入に係る配分金のほか、シネコンの運営に関わる地代家賃、劇場用映画等の広告宣伝費、人件費等の販売費及び一般管理費があります。投資活動に係る資金支出では、撮影所やシネコン等の設備改修等があります。
(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、これらは連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のすべてを包括的に記載するものではなく、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「追加情報」に記載した事項を補足するものであります。
① 貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
② 退職給付に係る負債
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、当該見積り及びその前提とした仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。