第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「大衆に健全、かつ明朗な娯楽を提供する」ことを創業の理念とし、「Sound of Your Life ~あなたの人生に豊かな響きを~」を企業理念として掲げ、基幹事業である映像関連事業、飲食関連事業、不動産関連事業を通じて、社会に貢献していくことを経営の基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大や地政学的リスクの高まりによる原材料価格の高騰、供給面での制約が懸念されるなど、先行きは不透明な状況が続いております。こうした中、人々の生活スタイルや価値観の変化のスピードは以前に増して早くなっているといえます。

当社グループは、このような事業環境下で企業価値を向上させるために、これまでのような他社が開発した商品やサービス、あるいは過去に創造したものの販売や、店舗展開に依存した事業構造から、消費者ニーズに添った商品やサービスを自社で開発、創造する事業構造へと転換することが必要であると考えております。

 そこで当社グループは、中期的な経営方針を「プロデュースカンパニーへの革新」と定め、経営に取組んでまいります。

 また、プロデュースカンパニーへの革新のため、当社グループでは資産をそれほど所有せずに、人的資本の充実により売上及び収益の伸長を見込む「ヒューマンリソース型ビジネス」を中核事業とし、事業を支える社員の「人財化」に一層取組んでまいります。

 

当社グループの「人財化」方針
① 社員一人一人が「創造者」としての意識を高め、政策提案型の仕事スタイルに変革する。

② 既存顧客を満足させることに留まらず、インサイト(消費者が認識していないニーズ)を探求し、市場認知されるレベルの商品やサービスを創造するといった高い目標に挑戦し続ける。

③ トライ&エラーを高質な教育の機会と捉え、充実した社員教育を推進する。

 

(3)経営環境

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染拡大により、運営する映画館や飲食店では営業時間短縮や酒類販売の制限を余儀なくされるなど多大な影響を受けました。そのような中で、映像関連事業においては配信も視野に入れた映画制作及び字幕・吹替制作などの映像編集ビジネスの拡大や、飲食関連事業においては所有するセントラルキッチンを活かした中食・卸売ビジネスの拡大に努めてまいりました。今後はワクチン接種などの感染予防対策が進む中で景気の持ち直しが期待されますが、地政学的リスクの高まりによる原材料価格の高騰、供給面での制約、金融資本市場の変動等による下振れリスクが懸念されるなど先行きは不透明な状況となっております。
 各セグメントの経営環境は以下のとおりです。
 

① 映像関連事業

国内の映画市場は2019年に過去最高の2,611億円の興行収入を記録し、緩やかながら堅調に推移しておりましたが、2020年に新型コロナウイルスが感染拡大して以降、映画館は休業や時短営業を余儀なくされてまいりました。その結果、2020年の興行収入が1,432億円、2021年の興行収入は1,618億円と、2021年は僅かながら回復を見せたものの2019年とは約1,000億円乖離しており、コロナ以前の水準には戻っておらず、映画の市場は未だ回復の途上にあります。一方、作品が相次いで公開中止もしくは延期されていた状況からは脱し始めており、順調な公開が見込まれております。作品の供給が滞りなく進むことを前提として、洋画のヒット本数やシニア層及びファミリー層の回復が今後期待されます。なお、この2年間で動画配信市場が大きく拡大し、今後も成長が見込まれております。映画館への客足への影響以外に、国内配給作品においても公開スタイルに変革を及ぼす可能性も考えられるため、動画配信プラットフォーム各社の動向は注視していく必要があります。

国内の広告市場は、総広告費6兆7千億円で2020年比110.4%となり、大きく回復いたしました。回復傾向にあるマスコミ4媒体の広告費に加え、引き続きインターネット広告が好調で、インターネット広告費がマスコミ4媒体の広告費を初めて上回ったことが市場を大きく牽引しました。更に、東京2020オリンピック・パラリンピックが広告需要を後押ししました。プロモーションメディア広告費は前年比97.9%に留まりましたが、巣ごもり・在宅需要を取り込んだ折り込みやDMの分野では増加、屋外広告ではインパクトのあるデジタルサイネージの活用が進みました。2022年の広告市場は、インターネット広告が更に伸長することが見込まれており、個人消費の揺り戻しも期待されているため、プラス成長となる見通しです。

当社グループの映画館は首都圏及び関西の大都市圏に位置しており、独立系映画館ではトップのシェアとなります。グループの映画館所有を背景に、映画制作配給事業は、アニメシリーズを数本ストックし全国の映画館に販売網を広げております。ソリューション事業は、映画館CMを足掛かりとした屋外広告以外に、デジタル広告も手掛け売上獲得に努めております。

 

② 飲食関連事業

国内の外食市場は、2020年比98.6%、2019年比83.2%と市場規模が縮小しました。2021年は時短営業の要請等が10月まで続き、特に規制に酒類提供の制限や禁止が加わったことで、「パブレストラン/居酒屋」業態の市場は、2020年比57.8%、2019年比で27.2%と縮小がより強まった年となりました。規制解除後も夜の売上が戻らず、厳しい状況が継続しました。一方、引き続きテイクアウト・デリバリー需要に支えられた「ファーストフード」業態は、2020年比104.8%と好調を維持しました。2022年は連続して前年同月を上回っているものの、夜の需要の回復スピードは鈍く、「パブレストラン/居酒屋」業態の回復には時間を要するものと考えられます。

中食市場は、前年比103%で10兆1千億円となり、2年ぶりにプラス成長を記録しました。また、総合スーパーや百貨店等、全業態で前年を上回りました。人流の回復に合わせた販売施策の他、新型コロナウイルス収束後を見据えた店舗数の維持や別業態にするなど様々な取組みが奏功したものと考えられます。

新型コロナウイルス感染拡大を巡る各種要請が解除されたことは外食市場にとっては追い風ですが、原材料費が高騰しているため企業には厳しい状況が継続すると見込まれます。

当社グループの和・洋のバル業態の店舗は、立地毎にオフィスワーカーの需要、テイクアウト・デリバリーの需要等を見極め、商品やサービスを柔軟に変更しながら市場の変化に対応しております。札幌地区を中心に展開する串焼き業態は、店内飲食売上の回復を優先課題としながら、テイクアウト商品の拡充や新たな業態及び販売手法の開拓、地方での店舗開発への協力、卸売事業の発展に努めております。

 

③ 不動産関連事業

当社グループが主に不動産賃貸事業を展開している都内では、新型コロナウイルス感染拡大後、オフィスビルの空室率が上昇し横這いの状態が続いているため、募集賃料は下落、募集面積も横這いの状況です。国内の経済活動は回復傾向にありますが、2023年にかけてオフィスビルの大量供給が予定されております。在宅・テレワークが浸透してきた現状においては、オフィスを縮小する企業もあることから、供給が過剰となる可能性が指摘されております。

当社グループは、主に首都圏で中古マンションの再生販売事業を行っております。首都圏の中古マンション市場は活況を呈しており、成約件数は2年振りに前年を上回り6年連続で37,000件を維持しました。このように需要は高いものの在庫となる新規登録物件数は漸減しているため、1㎡当たりの成約単価が9年連続で上昇しており、同様に成約物件価格も9年連測で上昇しております。その一方で、成約物件の面積は縮小、築年数は年々上がっており築古物件が増加の傾向にあります。高まる需要に備え、よりよい新規登録物件を確保することが中古マンションにおいては重要な課題となっております。また、世界的に影響を及ぼしているウッドショックや半導体不足による住宅設備機器の供給遅延など、工期に大きな影響を及ぼす問題もあり、物件の仕入・販路だけではなく安定的納品に至るコスト及びスケジュール管理が肝要な状況となっております。

当社グループの所有する不動産物件におきましては、働き方の変化に伴い、より快適なオフィス空間や質の高いサービスが求められるものと認識し、施設の保全に努めてまいります。中古マンション再生販売事業においては、厳選した仕入を継続しながら住居やワークスペースをより快適な空間にしたいという要望を的確に捉えリフォームに反映してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社の従来型ビジネスであります映画興行事業、飲食事業における店舗経営といった「固定資産所有型ビジネス」においては業績回復に努めてまいります。一方で、資産を所有せず、人的資本をより充実させることで売上及び収益の伸長が見込まれる「ヒューマンリソース型ビジネス」につきましては、以下の政策に優先して取組んでまいります。

 

① 映画を中心とした「コンテンツ」への積極投資による映画制作配給事業の収益拡大

・映画制作配給事業においては、手掛ける作品の興行規模の拡大を図り、年間興行収入30億円を安定的に達成することを目指します。

・映画館を所有していることを背景に、映画だけでなく様々なジャンルへの「コンテンツ」投資を行い、配信などの二次利用収入拡大のライツビジネスを強化してまいります。

・映画の出資や配給に付随して、シネアド・デジタルサイネージといった屋外広告等の周辺ビジネスを強化してまいります。

 

② 中古マンション再生販売事業におけるエリア拡大

・中古マンション再生販売事業においては、従来の仲介会社を通じた仕入に加えて、Webや自社の映画館や飲食店等を活用した個人からの直接仕入れに取組み、仕入件数の増加につなげています。このノウハウを更に強固なものにしながら、仕入販売エリアを拡大し競争力を強化してまいります。

・個人向けのワンストップサービス「リノまま」ブランドによる品質に拘った商品づくりを一層高めてまいります。

 

③ 飲食事業における中食や卸売りビジネスの強化

・飲食事業においては、所有するセントラルキッチンを活かした、中食、卸売ビジネスの強化を図り、既存資源の有効活用による収益拡大を推進してまいります。

 

④ ヒューマンリソース型ビジネス拡大のスピードアップ

・それぞれの事業拡大をより迅速かつ着実なものにすることを目的として、他社とのアライアンスやM&A、資本提携などを積極的に進めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは特定の指標を中期的な経営目標としておりません。主要事業であります映画興行事業と映画制作配給事業は特に予想と実績の差が大きいことから、年度ごとの経営政策の進捗度を踏まえて設定する単年度目標を着実に達成していくことが第一と認識しております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお文中の将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)全社的なリスク

① 新型コロナウイルスの感染拡大

新型コロナウイルス感染拡大はその発生以降、全世界に甚大な影響を及ぼしました。ワクチン接種が進み重症化率も低下したことで国内の経済活動は回復基調にあるものと考えられますが、新型コロナウイルスの変異株の出現など、完全な収束は見通せない状況にあります。収束するまでの間、当社グループにおいては次のようなリスクが考えられます。

 

(映像関連事業)

・緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等が再び発せられた場合、映画館において、休業や営業時間の短縮、酒類販売の自粛、座席の間引き販売等が要請されるリスク。

・制作や配給、上映予定の作品について、制作や公開の延期・中止となるリスク。

・企業の広告マインドの低下による、広告出稿削減のリスク。

・イベントの開催自粛が要請されるリスク。

(飲食関連事業)

・緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等が再び発せられた場合、飲食店において、休業や営業時間の短縮、酒類販売の自粛等が要請されるリスク。

(不動産関連事業)

・賃貸ビルにおいて、賃料の減額措置やテナントが退去するリスク。

 

 これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経済状況・消費者動向

 当社グループは、主に個人顧客を対象とした事業活動を行っております。したがって、景気の悪化、消費税率の引き上げなどにより個人消費が低迷すれば、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 資金調達

 当社グループは資金調達を主に金融機関からの借入により行っております。固定金利による調達や金利スワップによる金利の固定化に努めておりますが、市場金利が大幅に上昇した場合には金利負担が増加したり、新たな資金調達の条件が悪化したりすることにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材の確保及び育成

 当社グループは、継続的な成長を実現させるためには優秀な人材を確保し育成することが重要な要素の一つであると認識しております。しかしながら、雇用環境の変化が急速に進む中で、人材の確保及び育成が計画どおり進まない場合や人件費が増加した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 個人情報保護

 当社グループでは、映像関連事業、不動産関連事業において個人情報を取り扱っております。情報漏洩事故が発生した場合には、損害賠償等の費用の発生や企業イメージの悪化に伴う売上の減少等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。情報セキュリティ対策を講じるとともに、情報管理責任者の選任により管理責任を明確にし、情報の利用・保管などに関する社内ルールを整備し、当該リスクへ備えております。

 

⑥ 固定資産の減損会計

当社グループは有形固定資産や無形固定資産等の固定資産を保有しており、これらの資産について減損会計を適用しております。当該資産から得られる将来キャッシュ・フローにより資産の帳簿価額が回収可能であるか検証しており、回収不能見込額については適切に減損処理を行っております。しかし、将来的に市場環境等が悪化し収益性が低下した場合や固定資産の市場価額が著しく下落した場合などには追加の減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 投資有価証券の価格変動

当社グループは投資有価証券を保有しておりますが、時価のある投資有価証券は決算日時点の市場価格により評価を行うため、回復可能性のない大幅な下落が生じた場合は評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 自然災害の発生

当社グループの事業所や所有資産が首都圏、札幌及び阪神エリアに集中していることから、これらの地域に被害をもたらす大規模自然災害が発生した場合や、事故・火災・テロその他の人災等が発生した場合も、その規模等によって当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、防災マニュアルの整備、定期的な避難訓練及び安否確認を実施し災害発生に備えております。また、自然災害の中でも予報が発表されるものにおいては、事前に店舗を休業にするなどし、お客様及び従業員の安全を優先し人的被害を防いでいます。

 

(2)各セグメントのリスク

① 映像関連事業

映画作品の興行成績は、作品毎の差異が大きく不安定であり予測が困難です。作品によっては一定の観客を動員できないリスクがあります。十分な成績に達しない作品が連続した場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

映画興行事業においては、設備の保全や衛生管理に努め、安全で快適な環境の維持向上に取組んでおりますが、予期せぬ災害や事故など安全衛生上の問題の発生等により映画館の存続が困難な状況に至った場合には当該映画館を閉館することとなり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

映画制作配給事業においては、制作遅延による公開の遅れや災害その他の要因により公開が中止となった場合、権利収入が得られません。また、その作品が出資作品である場合は、出資金の回収が出来ないことから、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

ソリューション事業においては、広告業界の中でも、主として、シネアド等の屋外広告市場で事業を行っておりますが、この市場の需要が低迷するなど、事業環境の変化があった場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 飲食関連事業

飲食事業においては、BSEや鳥インフルエンザ等の疫病や、天候不順、自然災害の発生、供給不足、円高等の影響により食材調達に支障を来たす場合や食材価格が高騰した場合には、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また衛生管理には十分注意を払っておりますが、食中毒等の事故が発生した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 不動産関連事業

不動産関連税制の変更、銀行融資金利の上昇や銀行融資の抑制等が生じた場合、コストの増加や収入の減少に繋がり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、建築基準法・都市計画法その他不動産関連法制が変更された場合も、資産に対する権利が制限され、所有資産の価値が低下する、新たな義務やコストが発生する、といったこと等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

不動産賃貸事業においては、賃料相場が下落した場合や入居テナントの収益が悪化した場合には、賃料収入の減少や、退室に伴う空室増加等により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、自社所有不動産については計画的に修繕等を実施しておりますが、竣工後相当の年数を経過した物件が多いことから突発的な修繕等が発生した場合には業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 中古マンション再生販売事業においては、物件仕入れが期待どおりに進捗しない場合や販売用不動産が長期にわたり滞留した場合や時価価格が大幅に下落した場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、ウッドショック等により建築資材及び住宅設備の供給が滞り、完工出来ず工期延長や代替え品調達等によりコストが増加した場合や資材価格が高騰した場合には業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度(以下「当年度」といいます。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

① 財政状態及び経営成績の状況

イ.財政状態

 当年度末の資産合計は、前年度末と比べて2,180百万円減少し、23,927百万円となりました。これは、商品が410百万円増加したこと、販売用不動産が924百万円増加したこと、現金及び預金が945百万円減少したこと、受取手形、売掛金及び契約資産が1,610百万円減少したこと等によるものです。

 負債合計は、前年度末と比べて2,930百万円減少し11,876百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が1,306百万円減少したこと、未払金が1,500百万円減少したこと等によるものです。

 純資産合計は、前年度末と比べて750百万円増加し、12,050百万円となりました。これは、利益剰余金が671百万円増加したこと等によるものです。

 

ロ.経営成績

 当年度におけるわが国の経済は、景気の緩やかな持ち直しが見られるものの、原材料価格の高騰や新型コロナウイルス変異株の感染拡大が懸念されるなど、先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当年度の連結業績は、中古マンション再生販売事業が好調に推移したものの、前年度に公開した『花束みたいな恋をした』の大ヒットによる配給収入の反動減から、売上高13,056百万円(前年度比1.9%減)となりましたが、同作品の出資配分金収入の計上や飲食事業における不採算事業所の閉店効果から営業損失は595百万円(前年度は営業損失1,627百万円)に縮小し、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う助成金収入1,174百万円を営業外収益に計上したことから経常利益は704百万円(前年度は経常損失1,151百万円)となり、固定資産売却益403百万円を特別利益に計上したことなどから、親会社株主に帰属する当期純利益は825百万円(前年度は親会社株主に帰属する当期純損失2,292百万円)となりました。

 

■連結経営成績                                                                             百万円

 

前年度

当年度

増 減

売上高

13,306

13,056

△249

営業利益(△は損失)

△1,627

△595

+1,032

経常利益(△は損失)

△1,151

704

+1,855

親会社株主に帰属する当期純利益(△は損失)

△2,292

825

+3,118

 

② キャッシュ・フローの状況

 当年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前年度末より822百万円減少し3,565百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、支出した資金は1,025百万円(前年度は582百万円の支出)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益887百万円、減価償却費311百万円、減損損失212百万円、棚卸資産の増加額1,337百万円、その他の負債の減少額1,215百万円があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、得られた資金は678百万円(前年度は548百万円の支出)となりました。この主な要因は、有形固定資産の売却による収入762百万円があったこと等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は474百万円(前年度は1,760百万円の収入)となりました。この主な要因は、社債の償還による支出が180百万円、長期借入れによる収入が1,250百万円、長期借入金の返済による支出が1,417百万円となったこと等によるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

 当社グループの営む業種柄、生産、受注の概念は乏しいと考えております。販売の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(セグメント分析・検討内容)

イ.売上高及び営業損益

 売上高は13,056百万円(前年度比1.9%減)、営業損失は595百万円(前年度は営業損失1,627百万円)となりました。セグメントごとの業績概況は以下のとおりです。

 

■セグメント別外部売上高                                                                   百万円

 

前年度

当年度

増 減

映像関連事業

4,110

3,391

△718

飲食関連事業

3,426

3,307

△119

不動産関連事業

5,769

6,357

+587

13,306

13,056

△249

 

■セグメント別営業利益(△は損失)                             百万円

 

前年度

当年度

増 減

映像関連事業

△553

△116

+437

飲食関連事業

△1,302

△896

+405

不動産関連事業

952

1,073

+121

調整額

△723

△655

+67

△1,627

△595

+1,032

 

<映像関連事業>

(映画興行事業)

新型コロナウイルス感染症拡大防止のための営業制限が前年度よりも緩和されたことや『ちょっと思い出しただけ』『ドライブ・マイ・カー』『さがす』などが高稼働し、前年度比で増収となりましたが、コロナ以前の水準まで回復せず、大幅な損失となりました。
 なお、当年度末は9館23スクリーンの営業体制となっております。

 

(映画制作配給事業)

 当年度公開の作品では『ちょっと思い出しただけ』などが好成績を収め、2021年1月に公開され、大ヒットロングラン上映となった『花束みたいな恋をした』の配給収入や出資配分金収入が計上されたものの、同作品の前年度の配給収入の反動減により、前年度比で大幅な減収となりました。

 なお、当年度は、邦画7作品、洋画1作作品の合計8作品を配給いたしました。

 

(ソリューション事業)

 新型コロナウイルス感染症の影響が先行き不透明な中で、シネアドやイベントプロモーション、屋外広告は需要の低迷が続き、レギュラー受注は維持できたものの、スポット受注が獲得できず、前年度比で減収となりました。

 

以上の結果、映像関連事業の売上高は3,391百万円(前年度比17.5%減)となりましたが、『花束みたいな恋をした』の出資配分金収入の計上等により営業損失は116百万円(前年度は営業損失553百万円)となり、大幅に縮小いたしました。

 

■当年度の政策進捗

映像関連事業においては、映画を中心とした「コンテンツ」への積極投資による映画配給事業の収益拡大を掲げる中で『花束みたいな恋をした』が興行収入38億円となる大ヒットとなり規模拡大に寄与。同作品の実績により大型作品の企画参画が増加しています。

 

<飲食関連事業>

(飲食事業)

 コロナ禍において積極的に取組んでいる都内ダイニング&バーのデリバリーや「串鳥」のスーパーマーケットへの卸売りが伸長したものの、前年度から当年度にかけて、大幅な損失が見込まれる店舗を10店舗閉店したことから前年度比で減収となりました。


■飲食店の店舗数

 

前年度末

当年度末

増減

 

焼鳥専門店チェーン「串鳥」

41

38

△3

 

串焼専門店「串鳥番外地」他

5

4

△1

 

ダイニング&バー

6

5

△1

 

飲食店合計

52

47

△5

※2021年4月30日に「ヨコハマ・マルマーレ」、「串鳥」JR琴似駅前店を、2021年8月31日に「串鳥」虎屋 横丁店を、2022年1月15日に「串鳥」南町通店を、2022年3月31日に「串鳥番外地」すすきの店を閉店いたしました。

 

 以上の結果、飲食関連事業の売上高は3,307百万円(前年度比3.5%減)となりましたが、店舗の閉店効果や既存店における経費の削減から営業損失は896百万円(前年度は営業損失1,302百万円)となり、大幅に縮小いたしました。

 

■当年度の政策進捗
 飲食関連事業では中食・卸売ビジネスの育成を掲げております。実店舗は損益を見極め整理しながら(2021年度5店舗閉店)、北海道最大手のスーパーとの提携を強化し、総菜から生肉、冷凍商品まで販売を拡大し、売上を伸ばしています。

 

<不動産関連事業>

(不動産賃貸事業)

 当年度に賃貸ビルを1棟売却いたしましたが、スモールオフィスの需要が伸びたことや、その他の賃貸ビルも高稼働と前年度の賃料水準を維持したことから、前年度並みの売上高となりました。

 

(中古マンション再生販売事業)

 中古マンション再生販売においては、マーケットの活況を受け販売単価が上昇したことや、仲介会社を介さない個人との直接取引が伸びて販売件数も増加し、前年度比で増収となりました。

 

 以上の結果、不動産関連事業の売上高は6,357百万円(前年度比10.2%増)、営業利益は1,073百万円(前年度比12.8%増)となりました。

 

■当年度の政策進捗
 不動産関連事業では、中古マンション再生販売事業においてエリア拡大や個人からの直接仕入れの強化を掲げておりますが、エリアについては取り扱い物件のエリアを首都圏から首都圏近郊に拡大するとともに、個人からの直接仕入れではウェブサイトの開設等により順調に仕入件数を伸ばしています。

 

ロ.販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は3,736百万円(前年度比9.9%減)となり、前年度に比べて410百万円減少しました。主に、人件費が減少したこと等によるものです。

 

ハ.経常損益

 経常利益は704百万円(前年度は経常損失1,151百万円)となりました。営業外収益は1,358百万円(前年度比150.7%増)となり、前年度に比べて816百万円増加しました。主に助成金収入1,174百万円を計上したこと等によるものです。営業外費用は58百万円(前年度比11.0%減)となり、前年度に比べて7百万円減少しました。主に、借入関連費用が減少したこと等によるものです。

 

ニ.特別損益

 特別利益は448百万円(前年度比2,700.0%増)となりました。主に、固定資産売却益403百万円を計上したことによるものです。特別損失は264百万円(前年度比60.7%減)となりました。主に、固定資産の減損損失212百万円を計上したこと等によるものです。

 

ホ.親会社株主に帰属する当期純損益

 親会社株主に帰属する当期純利益は825百万円(前年度は2,292百万円の損失)となりました。税金等調整前当期純利益887百万円に加えて、法人税等合計56百万円を計上したこと等によるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要の主なものは、商品、商品不動産、原材料等の仕入れ、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また投資資金の主なものは、映画館や飲食店、賃貸不動産等の設備改修や修繕、新規開発等であります。運転資金と投資資金については、営業キャッシュ・フローでの充当を基本とし、必要に応じて金融機関からの借入等の手段を通じて資金調達を行っております。

資金の流動性については、当年度末の現金及び現金同等物は3,565百万円となっており、当社グループの事業活動を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。また、金融機関との間に当座貸越契約や貸出コミットメントライン契約を締結しており、流動性に一部支障をきたす事象が発生した場合にも、一定の流動性を維持できると考えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債及び収益費用の報告額に影響を与える見積り及び仮定を用いており、実際の結果は異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。