第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、景気の回復基調が続いているものの、海外経済の景気減速、英国のEU離脱問題、米国の政権交代等の影響もあり、先行き不透明な状況で推移した。

このような経営環境のもと当社では、引き続き「感動の創造」に努め、サービスの一層の充実を推進してきた。

この結果、売上高は40億41百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は1億71百万円(前年同期比56.1%増)、経常利益は1億73百万円(前年同期比55.1%増)となり、リラクゼーション事業において減損損失3億68百万円を計上した影響もあり、当期純損失は49百万円(前年同期は当期純利益69百万円)となった。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりである。

①シネマ事業

映画業界では、平成28年の全国入場人員は前年比8.1%増の1億80百万人、興行収入は、8.5%増の2,355億8百万円となり、入場人員、興行収入とも平成22年に記録した年間記録を更新した。

このような状況のなか当事業では、平成28年7月15日,名古屋駅前のシンフォニー豊田ビルに「ミッドランドスクエア シネマ2」(7スクリーン)を開業し、既存の「ミッドランドスクエア シネマ」と合わせて名古屋市内最大の14スクリーン体制となった。さらに、上質なアート作品をお届けする「アートレーベル」、様々なアニメ作品をお届けする「アニメレーベル」という2つのレーベルを立ち上げ、他に「シネマ歌舞伎」、ライブビューイング、人気アイドルによるライブイベント等、様々なジャンルのエンターテイメント作品も提供し、お客様の期待に応える多彩な作品を編成してきた。

また、「ミッドランドシネマ 名古屋空港」においては、興行収入が平成20年10月の開館以来、初めて年間で10億円を超えることができた。

主な上映作品としては、洋画では、7月公開の「アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅」、11月公開の「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」、12月公開の「ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー」、邦画では、6月公開の「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」、7月公開の「シン・ゴジラ」、10月公開の「デスノート light up the NEW world」、アニメでは、4月公開の「ズートピア」、「名探偵コナン 純黒の悪夢」、7月公開の「ファインディング・ドリー」、8月公開の「君の名は。」、ODSでは、6月公開のシネマ歌舞伎「歌舞伎NEXT 阿弖流為」、3月公開の「WE ARE X」などの番組を編成した。特に「君の名は。」は、幅広い年齢層に支持され、ロングラン興行を記録するなど大好評を得た。

また、平成28年9月16日には名古屋駅前シンフォニー豊田ビルに、映画館に持ち込んでいただいたり、上映後にご利用いただける店舗として、「LA BOBINE ガレットカフェ」をオープンした。名古屋初、ラップドガレット&クレープの専門店として、食と空間を楽しむためのカジュアルでありながら上質な店舗を提供させていただいた。

この結果、当事業では、売上高は30億84百万円(前年同期比22.2%増)、営業利益は1億70百万円(前年同期比50.9%増)となった。

なお、名古屋駅前センチュリー豊田ビルの「ピカデリー」は、シネマ事業の効率化を図るため、平成28年6月30日をもって閉館した。

 

②リラクゼーション事業

飲食部門の名古屋市千種区の「覚王山カフェJi.Coo.」では、商品のクオリティ向上を図るとともに、素材を生かした定番メニューの開発を実施し、お客様に満足いただける店舗創りに努めた。

温浴部門の名古屋市中川区の「太平温泉 天風の湯」、および愛知県江南市の「松竹温泉 天風の湯」では、積極的な店舗イベントの実施やサービスの提供で、売上向上に努めた。

しかしながら、当部門では、客単価の低下や近隣の大型施設進出の影響大きく受け、依然として厳しい状況であった。

この結果、当事業では、売上高は6億29百万円(前年同期比18.8%減)、営業損失は34百万円(前年同期は営業損失22百万円)となった。なお、「松竹温泉 天風の湯」は、経営資源の選択と集中を強化し、今後一層名古屋駅前を核とした事業展開をするため、平成29年1月1日をもって事業譲渡した。

 

③アド事業

当事業は、大きく拡がりを見せる名古屋駅前の営業強化を図るとともに、得意分野の映画宣伝関連やコインパーキング等のサイン工事を中心とした積極的な営業展開により売上向上に努め、安定的な収益の維持に努めてきた。

この結果、当事業では、売上高は3億28百万円(前年同期比0.7%減)、営業利益は35百万円(前年同期比86.3%増)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物の期末残高は、13億78百万円と前事業年度末と比べ4億58百万円の増加となった。

営業活動によるキャッシュ・フローは、2億76百万円(前年同期比14百万円減)となった。これは主に、減価償却費2億85百万円、減損損失3億68百万円等によるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、2億53百万円(前年同期は△16百万円)となった。これは主に、有形固定資産の売却による収入2億45百万円等によるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△71百万円(前年同期は△2億17百万円)となった。これは主に、借入金の返済による支出△1億54百万円、配当金の支払額△31百万円等によるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 売上実績

当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

シネマ

3,084,115

122.2

リラクゼーション

629,205

81.2

アド

328,613

99.3

合計

4,041,934

111.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれていない。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものである。

当社は、サービス業を通じて地域社会に貢献するとともに、お客様に感動のあるサービスを提供することを経営の基本方針としている。

また、当社の中核事業であるシネマ事業は、作品により予想と実績の乖離が大きいため、特定の経営指標をもって経営目標とすることはせず、安定した収益基盤の強化に努めていく方針である。

今後のわが国経済は、緩やかに景気が回復していくことが期待される一方、海外経済等の見通しに不確実性を残し、引き続き先行き不透明な状況が依然として続くものと思われる。

このような状況のもと当社では、お客様目線に立った一層のサービスの充実を図り、なおかつスピード感をもって、お客様の感動の創造に努めていく所存である。

シネマ事業では、名古屋駅前という立地条件を活かし、かつスクリーン数のメリットを活かした番組編成に注力していくとともに、新規顧客の開拓をすべく、シネマ会員の拡大にも努めていく所存である。

今後の主な上映作品としては、洋画では、7月公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」、8月公開の「スパイダーマン:ホームカミング」、12月公開の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」、邦画では、7月公開の「君の膵臓をたべたい」、12月公開の「鋼の錬金術師」、2月公開の「曇天に笑う」、アニメでは、7月公開の「メアリと魔女の花」、「怪盗グルーのミニオン大脱走」、11月公開の「GODZILLA-怪獣惑星-」、ODSでは、「シネマ歌舞伎」や「METライブビューイング」など、幅広いジャンルの良質な作品を予定している。さらに、特に素晴らしい旧作の娯楽作品を1年間に渡り連続上映する「午前十時の映画祭8」を従来の「ミッドランドシネマ 名古屋空港」に加え、「ミッドランドスクエア シネマ」において上映を開始し、「アートレーベル」、「アニメレーベル」においても、より充実させていく所存である。

リラクゼーション事業では、商品の魅力向上を図るとともに、引き続き地域密着型の運営を心掛け、店舗独自のイベントの実施やサービスの一層の充実に努め、賑わいのある店舗創りを目指していく所存である。

アド事業では、さらに商材研究と開発を行うことにより、競争力を上げ積極的な営業展開で商圏の拡大を図っていく。得意分野の映画宣伝や関連サイン工事をさらに伸ばし、質の向上とともに、売上の上積みを目指す所存である。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、文中の将来に関する内容については、当事業年度末現在において判断したものである。

(1)劇場用映画の興行成績に関するリスク

劇場用映画作品の興行成績は、作品による差異が大きく不安定であり、各作品の興行成績を予想することは常に困難である。仮に、一定の成績に達しない作品が長期間にわたり継続した場合には、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

(2)多数の顧客を収容可能な営業施設における災害等の発生に関するリスク

当社は、映画館、飲食店、スーパー銭湯等の多数の顧客を収容可能な施設において営業をおこなっており、それらの施設において、災害、衛生上の問題など顧客の安全にかかわる予期せぬ事態が発生しないという保証は存在しない。万一、そのような事態が発生した場合には、その規模によっては、当社の経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし。

 

6 【研究開発活動】

該当事項なし。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものである。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計方針について重要な判断や見積りをおこなっている。その主なものは貸倒引当金、賞与引当金等であり、その概要については「財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載している。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づいて行っているが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合がある。

 

 

(2)当事業年度の経営成績の分析

(売上高)

当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ、4億10百万円増加し、40億41百万円となった。これは、平成28年7月15日に「ミッドランドスクエアシネマ2」をオープンしたことによる売上高の増加が主な要因である。

(営業損益)

売上総利益は20億3百万円(前事業年度比1億74百万円増)となり、売上総利益率は49.6%となった。また、販売費及び一般管理費は18億32百万円(前事業年度比1億12百万円増)となった。この結果、営業利益は1億71百万円(前事業年度比61百万円増)となった。

(経常損益)

経常利益は1億73百万円(前事業年度比61百万円増)となった。

(当期純損益)

リラクゼーション事業において、減損損失を計上した影響もあり、当期純損失は49百万円(前事業年度は当期純利益69百万円)となった。

 

(3)当事業年度の財政状態の分析
①資産及び負債・純資産

当事業年度の総資産は50億88百万円(前事業年度比6.0%増)となった。

流動資産は18億37百万円(前事業年度比56.4%増)となった。これは主に、現金及び預金の3億58百万円の増加、有価証券の1億99百万円の増加等によるものである。

固定資産は32億50百万円(前事業年度比10.4%減)となった。これは主に、建物の5億39百万円の減少と構築物の46百万円の減少等によるものである。

流動負債は7億58百万円(前事業年度比28.0%増)となった。これは主に、買掛金の1億17百万円の増加とリース債務の34百万円の増加等によるものである。

固定負債は6億26百万円(前事業年度比32.1%増)となった。これは主に、長期借入金の33百万円の増加とリース債務の1億39百万円の増加等によるものである。

純資産は37億2百万円(前事業年度比0.8%減)となった。これは主に、繰越利益剰余金の49百万円の減少等によるものである。なお、当事業年度末の自己資本比率は、前事業年度末の77.8%から72.8%となった。

 

②キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については「第2事業の状況1[業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりである。

 

(4)戦略的現状と見通し

当社は、サービス業を通じて地域社会に貢献するとともに、「感動の創造」をキーワードに、お客様に感動のあるサービスを提供することを重点項目として取り組んでいる。

なお、中期的な経営戦略については「第2事業の状況[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載している。