第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当会計年度における我が国の経済状況は、企業業績および株価が好調で、雇用情勢は改善され所得環境が上向いており、景気は緩やかな回復基調が続きました。

しかしながら、個人消費は将来不安に対する節約志向が定着しており、興行業界においては、消費者のニーズに応えられる新たな取り組みが必要となっております。

そのような中、当社は、平成30年4月の新劇場開場に向けた準備と、平成29年10月に開催する歌舞伎公演「錦秋名古屋顔見世」の成功に向けて全力を傾注してまいりました。

新劇場の開場につきましては、平成25年3月18日に公表しました「御園座事業再生計画」に基づき、平成29年3月30日付で積水ハウス株式会社より新劇場建築予定地の土地部分の区分所有権を取得いたしました。更に、平成29年12月26日付で建物・舞台設備等の劇場部分の区分所有権を取得し、平成30年1月から3月に舞台設備等の調整を行いました。平成30年4月には予定どおり新劇場が開場し、4月1日より杮落し公演「杮葺落四月大歌舞伎」が行われました。
このような状況の下、当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記の2点があります。

 

①新劇場の運営
 新劇場開場後におきましては、当劇場の使命である、伝統と文化をしっかりと継承していくとともに、新しい時代の劇場として、幅広い年代の皆様に劇場に足を運んでいただくよう歌舞伎のみならず、ミュージカル公演など、これまで上演されなかった新たな演目を多く取り入れ、顧客の幅を広げる対策を行うとともに、劇場運営においてお客さまから寄せられる様々なご意見に耳を傾け、より多くのお客様にご満足いただける劇場運営を目指してまいります。 

 

②収益管理の徹底
 新劇場開場に当たり、資金調達を実施したことを踏まえ、損益面においては収支管理の徹底と、営業部門・制作部門の連携の強化などにより、収益の確保に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 劇場事業損益に影響を及ぼす事項について

当社の中心事業である劇場事業は、歌舞伎公演や各種演劇、歌謡ショー等を上演しておりますが、出演俳優の健康上の理由及び不慮の事故等により出演が不可能になる恐れがあります。これに対しては、常に代役の出演が可能な状況を維持するなどの対策を講じてはいるものの、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

又、斬新で魅力ある公演の提供に努めておりますが、公演及び役者の話題性や認知度並びに近隣の他劇場の公演との兼ね合いや個人消費の動向等により、入場者数が大きく左右される可能性があります。それに伴い、当社業績が変動する可能性があります。

 

(2) 個人情報の取り扱い

御園座友の会及び個人電話予約センター(御園座チケットセンター)にてお客様の個人情報や予約状況を保有しております。個人情報漏洩について、当社の対応策は、管理責任者を配置し、個人情報の管理・徹底に努めております。又、外部からの不正侵入防止の為にファイアウォールを導入しております。しかしながら、外部からのハッキング等、不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には、当社の信用失墜に伴う劇場売上高の減少及び損害賠償による費用の発生等が起こる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 地震・台風等の自然災害による影響について

当社の事業拠点は、すべて愛知県にあり南海トラフ地震の防災対策強化地域内にあることから、地震発生時の対策マニュアルを新たに策定し、緊急時における社内体制の強化を図っておりますが、近い将来に発生すると予想される南海トラフ地震は、その災害規模も甚大であるとされております。これらに代表される自然災害のため、事業活動の停止も予想されます。その結果、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当会計年度における我が国の経済状況は、企業業績および株価が好調で、雇用情勢は改善され所得環境が上向いており、景気は緩やかな回復基調が続きました。

しかしながら、個人消費は将来不安に対する節約志向が定着しており、興行業界においては、消費者のニーズに応えられる新たな取り組みが必要となっております。

そのような中、当社は、平成29年10月には恒例となりました金山の日本特殊陶業市民会館における歌舞伎「錦秋名古屋顔見世」、11月には「八代亜紀スペシャルステージ」を上演し、本年4月開場に向けた年間の公演発表及び 「杮葺落四月大歌舞伎」記者会見を行いました。

また、中日劇場への各種公演の販売協力を行いました。

その結果、当事業年度の業績は、売上高5億2百万円(前年同期比2.6%減)となりました。利益面では、営業損失1億3千4百万円(前年同期は営業利益1千9百万円)、経常損失1億5千9百万円(前年同期は経常利益2千1百万円)、当期純損失は、周波数変更に伴う関連機器設置費用について電波法改正の促進措置を活用し当該費用が免除となったため、固定資産受贈益6千4百万円を計上したこと等により9千7百万円(前年同期は当期純利益1千8百万円)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況について、当社は劇場事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。また、当社は受注生産形態をとらない業種であるため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

 

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度
(自 平成29年4月1日
  至 平成30年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

劇場

502,316

△2.6

合計

502,316

△2.6

 

(注)1 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

2 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当事業年度末における流動資産の残高は、10億5千9百万円となり、前事業年度末に比べ15億2千1百万円の減少となりました。この主な要因は、未収消費税等が3億3千4百万円増加したものの、現金及び預金が19億2千6百万円減少したことによるものであります。固定資産の残高は、63億9千1百万円となり、前事業年度末に比べ43億2千9百万円の増加となりました。この主な要因は、建物が29億5千8百万円、構築物が1千3百万円、機械及び装置が9億7千3百万円、工具、器具及び備品が2億円、土地が1億1千4百万円増加したことによるものであります。この結果、総資産は、74億5千万円となり、前事業年度末に比べ28億8百万円の増加となりました。

 

② 負債の部

当事業年度末における流動負債の残高は、8億1千1百万円となり、前事業年度末に比べ7億5千5百万円の増加となりました。この主な要因は、前受金が2億5千8百万円、未払金が2億1千9百万円、1年内返済予定の長期借入金が2億円増加したことによるものであります。固定負債の残高は、21億5千万円となり、前事業年度末に比べ18億5千1百万円の増加となりました。この主な要因は、長期借入金が18億円増加したことによるものであります。この結果、負債合計は、29億6千1百万円となり、前事業年度末に比べ26億6百万円の増加となりました。

 

③ 純資産の部

当事業年度末における純資産の残高は、44億8千8百万円となり、前事業年度末に比べ2億1百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が9千7百万円減少したものの、資本金が1億5千万円、資本剰余金が1億5千万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ4億3千1百万円増加し、6億3千万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1億2千7百万円の支出(前年同期は1千9百万円の収入)となりました。これは主に、未払又は未収消費税等の減少3億3千4百万円、前受金の増加2億5千8百万円、売上債権の増加5千7百万円、減価償却費3千9百万円によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、17億3千5百万円の支出(前年同期は0百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出40億9千2百万円、及び定期預金の払戻による収入23億5千7百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、22億9千4百万円の収入(前年同期は1百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入20億円、及び第三者割当増資による収入2億9千8百万円によるものであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。