第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、『未来を拓く夢創造企業~人がいるかぎり、心をこめた夢創り~』を経営理念として掲げ、

第一に、劇場経営を中心とした芸能文化事業のパイオニアとして、お客様のための一流の夢創りをプロデュースし
ます。

第二に、新しい時代のニーズに的確に対応し、常に歴史と伝統を踏まえ、未来の可能性にチャレンジします。

第三に、当社のメンバー一人一人は、伝統とチームワークを重んじ、お客様に夢と感動をお届けするために、常に
真心をもってベストを尽くします。

の3点をモットーとして、社員一人一人が意識して取り組んでおります。また、創業の精神を忘れることなく、地域における芸能文化の担い手としての使命感をもって真摯に業務に取り組み、その模範となる存在感を示すとともに、地域の人々から感謝される企業であり続けるべく、お客様、株主、社員、社会に対する責任感を常に心掛けながら、業務向上を図っております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社の目標とする経営指標としては、公演ごとの収支及び営業利益を重視しております。

当社は劇場事業のみの経営であります。劇場の経営は、基本的には各公演の収支を公演終了後速やかに集計・確認し、当初計画と比べて増加したか減少したかを確認・把握しており、その集大成が四半期の業績となり、年間の業績となります。仮に、当初計画よりも公演収支が未達となる公演が発生した場合、その後の公演で取り返すべく、合理的な範囲で当初目標を上方修正させるなど、柔軟かつ適切に対応しております。

今後の経営を占う意味では、新劇場開場2年目の令和2年3月期が試金石になると考えております。それは売上高や営業利益などの営業成績の結果だけでなく、今後を見据えて、各公演の収支管理を徹底させること自体の浸透や、公演収支の目標設定の妥当性、公演ラインナップの計画段階での考察がより深化できると考えるからであります。

 

(3)経営環境

当事業年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費も持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

そのような中、当社におきましては、平成30年4月に予定どおり新劇場が開場し、4月1日より、松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎の襲名披露となる杮落し公演「杮葺落四月大歌舞伎」が行われました。また、5月には「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」、6月には「滝沢歌舞伎2018」、「鳥羽一郎 山川豊 with 石原詢子 ふるさとコンサート」、7月には「舟木一夫特別公演」、8月には「ミュージカル モーツァルト!」、「舞台 レインマン」、「ブロードウェイミュージカル ピーターパン」、「志村けん一座 第13回公演 志村魂」、9月には「三山ひろし特別公演」、「三山ひろしリサイタル」、「福田こうへいコンサート」、10月には「第49回吉例顔見世」、11月には「コロッケ特別公演」、「よしもと爆笑公演」、12月には「ミュージカル マリー・アントワネット」、「加藤登紀子ほろ酔いコンサート」、平成31年1月には「松平健・中村美律子 新春特別公演」、「綾小路きみまろ 爆笑スーパーライブ」、「ザ・ニュースペーパー特別公演」、2月には「舟木一夫シアターコンサート」、「鶴瓶御園座独演会」、「梅沢富美男・香西かおり 特別公演」、3月には「悪魔と天使」、「五木ひろし特別公演 市川由紀乃特別出演」が行われました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記の2点があります。

 

①さまざまなジャンルの公演の充実 

 平成31年3月期は、平成30年4月の新劇場開場以降、お陰様で年間を通じご好評をいただき順調な業績を残すことができましたが、一般的に、新しい施設も、2年目になりますと徐々に「開業効果」が薄れてまいります。

従来までと同じような公演を続けてまいりますと、だんだん飽きられてしまいます。一方で、同じような公演を好まれるお客様もいらっしゃいますので、そのバランスを取る必要はありますが、御園座に実際に観に来る日までに「ドキドキ、ワクワク」指折り数えて待つような場所であり続ける必要があります。

そのためには、これまで御園座で行われていなかったようなジャンルの公演、御園座で初登場となる出演者、或いは「この俳優」の「この演目」を是非観たいというような、公表直後から観劇の当日までお客様に高揚感を沸き立たせるような公演、観覧後には再び足を運んでいただいたりするような公演を、今後公表予定のものを含め、実施できるよう努めてまいります。

パソコンやスマートフォンなどによる動画サイトの普及などにより、実際に足を運ぶことなく芝居、コンサートなどを楽しめる機会が増えてまいりました。娯楽の種類の多様化は、娯楽を楽しむ人口が増加する半面、ライブの公演の楽しさに触れることがない方が増加する可能性があります。

お馴染みの公演を継続するとともに、今まで来たことがないお客様にも、一度御園座に行ってみたいと思っていただけるような公演を広く告知することにより、初めてご来場いただくお客様を増やし、ひいては御園座ファンを増やしてしていきたいと考えております。

 

②劇場の設備、運営面の改善など 

 劇場運営に関してましては、劇場の設備・案内看板、場内売店やお手洗いなどの待機列の動線、劇場スタッフによるお客様の誘導や説明内容、各種企画及びその告知方法などに関し、さまざまな声が寄せられております。

 その中には、そうした声を踏まえ既に対応したものや中期的な課題として認識しているものなど、当社としてしっかり受け止めているものも多数ございます。すぐにはできないこともございますが、次善の策を速やかに対応することを含め、より多くのお客様にご満足いただける劇場作りに努めてまいる所存です。

 そうした観点から、平成31年度より「御園座モニター制度」を新設いたしました。性別、年齢、これまでの観劇経験など様々なタイプの15名のモニターの皆様に1年間活動いただく予定です。実際に御園座でいろいろなジャンルの公演を、さまざまな座席位置から観劇いただき、感想やご意見を承ることを予定しております。

 

③収益管理の徹底 

 新劇場開場に当たり資金調達を実施したことを踏まえ、損益面においては収支管理の徹底と、営業部門・制作部門の連携の強化などにより、引き続き収益の確保に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 劇場事業損益に影響を及ぼす事項について

当社の中心事業である劇場事業は、歌舞伎公演やミュージカル、各種演劇、歌謡ショー等を上演しておりますが、出演俳優の健康上の理由及び不慮の事故等により出演が不可能になる恐れがあります。これに対しては、常に代役の出演が可能な状況を維持するなどの対策を講じてはいるものの、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

又、斬新で魅力ある公演の提供に努めておりますが、公演及び役者の話題性や認知度並びに近隣の他劇場の公演との兼ね合いや個人消費の動向等により、入場者数が大きく左右される可能性があります。それに伴い、当社業績が変動する可能性があります。

 

(2) 個人情報の取り扱い

御園座友の会及び個人電話予約センター(御園座チケットセンター)にてお客様の個人情報や予約状況を保有しております。個人情報漏洩について、当社の対応策は、管理責任者を配置し、個人情報の管理・徹底に努めております。又、外部からの不正侵入防止の為にファイアウォールを導入しております。しかしながら、外部からのハッキング等、不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には、当社の信用失墜に伴う劇場売上高の減少及び損害賠償による費用の発生等が起こる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 地震・台風等の自然災害による影響について

当社の事業拠点は、すべて愛知県にあり南海トラフ地震の防災対策強化地域内にあることから、地震発生時の対策マニュアルを新たに策定し、緊急時における社内体制の強化を図っておりますが、近い将来に発生すると予想される南海トラフ地震は、その災害規模も甚大であるとされております。これらに代表される自然災害のため、事業活動の停止も予想されます。その結果、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

  当事業年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費も持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。

  そのような中、当社におきましては、平成30年4月に予定どおり新劇場が開場し、4月1日より、松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎の襲名披露となる杮落し公演「杮葺落四月大歌舞伎」が行われました。また、5月には「スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース」、6月には「滝沢歌舞伎2018」、「鳥羽一郎 山川豊 with 石原詢子 ふるさとコンサート」、7月には「舟木一夫特別公演」、8月には「ミュージカル モーツァルト!」、「舞台 レインマン」、「ブロードウェイミュージカル ピーターパン」、「志村けん一座 第13回公演 志村魂」、9月には「三山ひろし特別公演」、「三山ひろしリサイタル」、「福田こうへいコンサート」、10月には「第49回吉例顔見世」、11月には「コロッケ特別公演」、「よしもと爆笑公演」、12月には「ミュージカル マリー・アントワネット」、「加藤登紀子ほろ酔いコンサート」、平成31年1月には「松平健・中村美律子 新春特別公演」、「綾小路きみまろ 爆笑スーパーライブ」、「ザ・ニュースペーパー特別公演」、2月には「舟木一夫シアターコンサート」、「鶴瓶御園座独演会」、「梅沢富美男・香西かおり 特別公演」、3月には「悪魔と天使」、「五木ひろし特別公演 市川由紀乃特別出演」が行われ、前年同期には当社主催公演は「錦秋名古屋顔見世」など52回でしたが、当事業年度の公演回数は415回となりました。

  その結果、当事業年度の業績は、売上高50億5千2百万円(前年同期は5億2百万円)となりました。利益面では、営業利益5億2千8百万円(前年同期は営業損失1億3千4百万円)、経常利益5億1千3百万円(前年同期は経常損失1億5千9百万円)、当期純利益4億5千2百万円(前年同期は当期純損失9千7百万円)となりました。

 

生産、受注及び販売の状況について、当社は劇場事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。また、当社は受注生産形態をとらない業種であるため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

 

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度
(自 平成30年4月1日
  至 平成31年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

劇場

5,052,250

合計

5,052,250

 

(注)1 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

2 当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、平成30年4月に新劇場が開場となり、年間を通して公演を行うこととなったためであります。

3 販売実績の前年同期比は、1000%を超えているため記載しておりません。

4 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当事業年度末における流動資産の残高は、14億7千7百万円となり、前事業年度末に比べ4億1千7百万円の増加となりました。この主な要因は、未収消費税等が3億3千4百万円減少したものの、現金及び預金が5億7千5百万円、売掛金が1億7千4百万円増加したことによるものであります。固定資産の残高は、61億2千7百万円となり、前事業年度末に比べ2億6千3百万円の減少となりました。この主な要因は、建物が1億5千2百万円、機械及び装置が8千4百万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、76億5百万円となり、前事業年度末に比べ1億5千4百万円の増加となりました。

 

② 負債の部
当事業年度末における流動負債の残高は、7億5千1百万円となり、前事業年度末に比べ5千9百万円の減少となりました。この主な要因は、買掛金が1億1千5百万円、未払法人税等が9千4百万円増加したものの、未払金が1億5千9百万円、前受金が1億3千2百万円減少したことによるものであります。固定負債の残高は、19億1千5百万円となり、前事業年度末に比べ2億3千5百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が2億円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、26億6千7百万円となり、前事業年度末に比べ2億9千4百万円の減少となりました。

 

③ 純資産の部

当事業年度末における純資産の残高は、49億3千8百万円となり、前事業年度末に比べ4億4千9百万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が4億5千2百万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ5億7千5百万円増加し、12億5百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、9億6千9百万円の収入(前年同期は1億2千7百万円の支出)となりました。この主な要因は、売上債権が1億7千4百万円増加、前受金が1億3千2百万円減少したものの、税引前当期純利益5億1千2百万円、未払又は未収消費税等の増減4億1千2百万円、減価償却費2億4千9百万円によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1億8千9百万円の支出(前年同期は17億3千5百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億7千7百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億4百万円の支出(前年同期は22億9千4百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2億円によるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

平成25年3月末をもって旧劇場(御園座会館)が一時閉館となり、その後5年間他劇場を借りて運営をしてまいりました。その間、平成25年9月の第三者割当増資による33億4千2百万円の調達、平成29年12月の7金融機関による長期借入金20億円の調達などを原資として、平成29年12月に新劇場を取得いたしました。その結果、現在、当面の間大きな資金需要はございません。当面の間は、単年度利益の極大化を図り、キャッシュフローよりも、各公演収支の黒字を積み上げ、年間での営業利益の確保に努めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特に記載すべき事項はありません。