第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針・経営戦略等

当社は、『未来を拓く夢創造企業~人がいるかぎり、心をこめた夢創り~』を経営理念として掲げ、

第一に、劇場経営を中心とした芸能文化事業のパイオニアとして、お客様のための一流の夢創りをプロデュースし
ます。

第二に、新しい時代のニーズに的確に対応し、常に歴史と伝統を踏まえ、未来の可能性にチャレンジします。

第三に、当社のメンバー一人一人は、伝統とチームワークを重んじ、お客様に夢と感動をお届けするために、常に
真心をもってベストを尽くします。

の3点をモットーとして、社員一人一人が意識して取り組んでおります。また、創業の精神を忘れることなく、地域における芸能文化の担い手としての使命感をもって真摯に業務に取り組み、その模範となる存在感を示すとともに、地域の人々から感謝される企業であり続けるべく、お客様、株主、社員、社会に対する責任感を常に心掛けながら、業務向上を図っております。

 

当社の目標とする経営指標としては、公演ごとの収支及び営業利益を重視しております。

当社は劇場事業のみの経営であります。劇場の経営は、基本的には各公演の収支を公演終了後速やかに集計・確認し、当初計画と比べて増加したか減少したかを確認・把握しており、その集大成が四半期の業績となり、年間の業績となります。仮に、当初計画よりも公演収支が未達となる公演が発生した場合、その後の公演で取り返すべく、合理的な範囲で当初目標を上方修正させるなど、柔軟かつ適切に対応しております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響や政府による緊急事態宣言の発令などにより、令和2年4月以降、予定していた公演が中止や規模を縮小することとなり、新型コロナウイルス感染症がなければ得られた利益を獲得できない状況が続きました。令和2年8月以降、公演の上演を再開し、その後は当初予定していた大半の公演を上演いたしましたが、座席数や公演回数を抑制するなど、感染対策に留意しながら運営してまいりました。

新型コロナウイルス感染症が一定の収束を迎え、公演が通常通りに行えるようになった後には、改めて公演ごとの収支状況を確認し、新型コロナウイルス感染症による収益への影響の度合いを含め、経営上の目標の達成状況を確認する体制を再び構築してまいる所存であります。

 

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ワクチン接種の進展等により一時的な経済活動の回復が見られたものの、全国各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返し行われるなど、個人消費を取り巻く環境は極めて厳しい状況で推移いたしました。また、景気の先行きについても、生活必需品の物価上昇等も加わり、依然として強い不透明感が残る状況が続いております。

このような状況の中、当社におきましては、感染対策の徹底、座席数の制限などの対策を継続し、その中でお客様のニーズに合わせた公演の実現、観客動員の維持を図りながら、一部公演の中止を除く、予定していた大半の公演を上演することができました。

当事業年度に上演した公演は28種類、上演日数として180日間、上演回数として249回(前事業年度161回)となりました。一方で、中止となった公演は、令和3年9月のミュージカル公演(上演予定日数9日、上演予定回数11回)及び発売後即完売した令和4年2月の宝塚歌劇公演の一部(上演予定日数10日、上演予定回数13回)となりました。

 

 

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記の3点があります。

 

①新型コロナウイルス感染症の対応

新型コロナウイルス感染症は再度感染拡大しており、今後の先行きが不透明な状況が続いておりますが、当劇場においては、引続き感染拡大予防対策を講じ、来場するお客様及び出演者・公演関係者の安全と安心を確保することに努めながら、公演を行ってまいる予定です。

 

②魅力ある公演の実施と収益力向上

そうした前提のもと、令和5年3月期の当社主催の公演は、以下の通り予定しております。

歌舞伎公演につきましては、例年同様、4月と10月の2回の公演を予定しております。このうち4月は「陽春花形歌舞伎」を上演いたしました。

また、6月に上演を予定している舞台「千と千尋の神隠し」のほか、ミュージカル、舞台演劇、歌謡ショー、お笑いなど多種多様な公演を、公演種類として約25種類、公演回数として約260回提供してまいる予定です。この中には、公演期間が10~25日間程度の期間に亘るものもあれば、1日間、2日間の短期公演もあり、さまざまなジャンルのファンの方に、何度も足をお運びいただけるような魅力ある公演を提供し、収益を確保してまいります。

新型コロナウイルス感染症が一定の収束を迎えた後には、これまで培ってきたさまざまな経験やリスク軽減のための対策を実施することにより、安定した収益を計上してまいることができると確信しております。

 

③資金繰りへの対応

資金繰りにつきましては、当事業年度末の現金及び預金の残高に加え、資金計画に基づき取引金融機関と協議を行い適切に運転資金を確保する計画を実行していくことにより、懸念はないと考えております。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成 績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 劇場事業損益に影響を及ぼす事項について(新型コロナウイルス感染症の影響以外)

当社の中心事業である劇場事業は、歌舞伎公演やミュージカル、各種演劇、歌謡ショー等を上演しておりますが、出演俳優の健康上の理由及び不慮の事故等により出演が不可能になる恐れがあります。これに対しては、常に代役の出演が可能な状況を維持するなどの対策を講じてはいるものの、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

又、斬新で魅力ある公演の提供に努めておりますが、公演及び役者の話題性や認知度並びに近隣の他劇場の公演との兼ね合いや個人消費の動向等により、入場者数が大きく左右される可能性があります。それに伴い、当社業績が変動する可能性があります。

 

(2) 新型コロナウイルス感染症が劇場事業の運営や損益に及ぼす影響について

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、令和2年3月19日、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(以下「専門家会議」という。)より、「換気の悪い密閉空間・人が密集している・近距離での会話や発声が行われるという3つの条件が同時に重なる場」を避ける努力を続けない場合には、感染に気付かない人たちによるクラスター(患者集団)が断続的に発生し、その大規模化や連鎖が生じえるため、「3つの条件が同時に重なる場」を避けるための取組や「3つの条件が同時に重なる場」を避けるなどの行動変容の徹底が極めて重要であるとの見解が示されました。

また、専門家会議が令和2年4月22日、「市民の皆様に心がけていただきたいこと」の1つに「人と人との距離をとること(ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保))」を上げたことなどにより、「2メートル以上離れる」ことが目安とされるなどの動きが広まりました。こうした動きを踏まえて、令和2年5月14日、公益社団法人全国公立文化施設協会より、新型コロナウイルス感染予防対策として実施すべき基本的事項を整理した「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」が公表されました。

その後、当劇場においても、当該ガイドラインに沿って劇場の運営が行われております。なお、「御園座」は、客席の各座席の真下から外気との入れ替えを図る「密閉」ではない空間です。また、公演の上演中は、お客様は一方向を向いて観覧し、対面による会話が原則想定されませんので、上演中においては「密接」な状態ではないと考えております。したがって、3つの条件が同時に重なることはありませんので、感染対策に留意しながら、上演しております。

現在も引続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に留意しながら運営しておりますが、こうした状況が長期間続いた場合には、収益力の安定回復が阻害されたり、本来ならば満席近い販売が期待されるような人気俳優・人気演目の公演の上演を行えなくなる恐れがあります。

 

(3) 継続企業の前提に関する重要事象等

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束しなかったものの、当社は感染対策の徹底を図り、令和3年9月及び令和4年2月の一部公演を中止した他は、当事業年度において予定していた大半の公演を上演することが出来ました。これにより、当事業年度の売上高は20億5千2百万円と前事業年度に比較して大きく改善し、当期純利益も計上いたしましたが、営業損益及び経常損益については連続赤字となっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が続いております。

しかしながら、感染対策を十分に行ったうえで公演を再開し、予定していた公演のうち大半を上演しております。また、当事業年度末の現金及び預金の残高に加え、資金計画に基づき取引金融機関と協議を行い、適切に運転資金を確保する計画を実行していくことにより、当該事象の解消が実現できるものと考えており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

 

 

(4) 個人情報の取り扱い

御園座友の会及び個人電話予約センター(御園座チケットセンター)にてお客様の個人情報や予約状況を保有しております。個人情報漏洩について、当社の対応策は、管理責任者を配置し、個人情報の管理・徹底に努めております。又、外部からの不正侵入防止の為にファイアウォールを導入しております。しかしながら、外部からのハッキング等、不測の事態により、万が一、個人情報が外部に漏洩するような事態となった場合には、当社の信用失墜に伴う劇場売上高の減少及び損害賠償による損失の発生等が起こる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 地震・台風等の自然災害による影響について

当社の事業拠点は、すべて愛知県にあり南海トラフ地震の防災対策強化地域内にあることから、地震発生時の対策マニュアルを新たに策定し、緊急時における社内体制の強化を図っておりますが、近い将来に発生すると予想される南海トラフ地震は、その災害規模も甚大であるとされております。これらに代表される自然災害のため、事業活動の停止も予想されます。その結果、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中で、ワクチン接種の進展等により一時的な経済活動の回復が見られたものの、全国各地で緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用が繰り返し行われるなど、個人消費を取り巻く環境は極めて厳しい状況で推移いたしました。また、景気の先行きについても、生活必需品の物価上昇等も加わり、依然として強い不透明感が残る状況が続いております。

このような状況の中、当社におきましては、感染対策の徹底、座席数の制限などの対策を継続し、その中でお客様のニーズに合わせた公演の実現、観客動員の維持を図りながら、一部公演の中止を除く、予定していた大半の公演を上演することができました。

当事業年度に上演した公演は28種類、上演日数として180日間、上演回数として249回(前事業年度161回)となりました。一方で、中止となった公演は、令和3年9月のミュージカル公演(上演予定日数9日、上演予定回数11回)及び発売後即完売した令和4年2月の宝塚歌劇公演の一部(上演予定日数10日、上演予定回数13回)となりました。

 

当社は目標とする経営指標として、公演ごとの収支及び営業利益を重視しておりますが、上記のような事情を反映し、厳しい収益状況となりました。

 

この結果、当事業年度の売上高は、20億5千2百万円(前期比118.5%増)となりました。利益面では、営業損失3億9千3百万円(前期は営業損失4億4千5百万円)、経常損失4億6百万円(前期は経常損失4億5千万円)、当期純利益3億2千7百万円(前期は当期純損失5億2千6百万円)となりました。

なお、当事業年度に予定していた公演が中止となったことから、当該公演にかかる制作費・キャンセル料等の公演中止損失及び臨時休業等による損失を特別損失として1億2千2百万円計上しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響により公演を延期・中止した主催事業者に対して、公演の実施等に係る費用の負担を軽減するため、必要経費の一部を補助するコンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金等を、補助金収入として特別利益に8億9千1百万円計上しております。

 

 

生産、受注及び販売の状況について、当社は劇場事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。また、当社は受注生産形態をとらない業種であるため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。

 

当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。

区分

当事業年度
(自 令和3年4月1日
  至 令和4年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

劇場

2,052,229

118.5

合計

2,052,229

118.5

 

(注)1 総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

 

(2) 財政状態

① 資産の部

当事業年度末における流動資産の残高は、8億8千9百万円となり、前事業年度末に比べ4億3千9百万円の増加となりました。この主な要因は、現金及び預金が1億9千7百万円、未収入金が2億3千万円増加したことによるものであります。固定資産の残高は、53億8千8百万円となり、前事業年度末に比べ2億5千2百万円の減少となりました。この主な要因は、建物が1億2千万円、機械及び装置が9千万円減少したことによるものであります。この結果、総資産は、62億7千7百万円となり、前事業年度末に比べ1億8千6百万円の増加となりました。

 

② 負債の部

当事業年度末における流動負債の残高は、5億3千8百万円となり、前事業年度末に比べ1億2千1百万円の増加となりました。この主な要因は、未払法人税等が7千万円、前受金が4千8百万円増加したことによるものであります。固定負債の残高は、12億9千8百万円となり、前事業年度末に比べ2億6千4百万円の減少となりました。この主な要因は、長期借入金が2億2千9百万円減少したことによるものであります。この結果、負債合計は、18億3千6百万円となり、前事業年度末に比べ1億4千3百万円の減少となりました。

 

③ 純資産の部

当事業年度末における純資産の残高は、44億4千万円となり、前事業年度末に比べ3億3千万円の増加となりました。この主な要因は、利益剰余金が3億2千7百万円増加したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ1億9千7百万円増加し、4億3千8百

万円となりました。

 

【営業活動によるキャッシュ・フロー】

営業活動によるキャッシュ・フローは、4億1千万円の収入(前事業年度末は4億9千4百万円の支出)となりました。この主な要因は、税引前当期純利益3億6千2百万円によるものであります。

 

【投資活動によるキャッシュ・フロー】

投資活動によるキャッシュ・フローは、1百万円の収入(前事業年度末は0百万円の支出)となりました。

 

【財務活動によるキャッシュ・フロー】

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億1千4百万円の支出(前事業年度は1億4千8百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出2億5百万円によるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社の資金需要のうち主なものは、公演に係る経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金需要に対して、主に自己資金を充当していく方針であります。

当事業年度末の現金及び現金同等物は4億3千8百万円となっており、当社の事業活動を推進していくうえで十分な流動性を確保していると考えております。

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。

詳細については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。