第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という企業使命のもと、日本国民はもとより、アジアを中心とする海外の人々からも広く愛され、親しまれる企業であり続けること、あらゆるステークホルダーから信頼と共感を集め、その成果であるキャッシュ・フローの最大化を達成することで、長期持続的な企業価値の向上を目指してまいります。またその過程において、気候変動や少子高齢化の進行など、企業を取り巻く社会状況が大きく変化する中で、50年、100年と永続的に社会に価値提供を続け、企業として成長を続けていくために、地球環境問題や社会課題への対応を経営や事業戦略に包括したサステナビリティ経営を目指します。

 

(2)経営環境

当連結会計年度における国内経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進められる中で、緩やかな持ち直しの動きがみられました。

今後のレジャー市場を取り巻く環境は、経済社会活動の再開が本格化し、訪日外国人数も増加していく中で、更に回復することが期待されます。一方で、将来的には国内若年層人口の減少、労働人口の減少なども想定されております。

当社グループの事業は舞浜エリアを中心に、テーマパーク事業やホテル事業などを展開しており、売上高及び営業利益の約8割をテーマパーク事業が占めております。独自の競争優位性は、都心に近い立地に広大な土地を自社で所有していることやディズニー・エンタプライゼズ・インクとのライセンス契約に加え、卓越したホスピタリティを提供する人材を擁していることと考えており、1983年4月の東京ディズニーランド開園以来、40年近くにわたって幅広い層のゲストにご来園いただいております。更に、国内のゲストの約9割が過去に一回以上来園しているリピーターゲストであり、ロイヤルティの高い顧客層に支えられております。このような国内の顧客基盤に加え、新型コロナウイルス感染症流行の収束に伴い訪日外国人数の回復もみられることから、中長期的には海外ゲストも新たな顧客基盤の形成に繋がると見込んでおります。

当連結会計年度においては、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」の緩和に伴い、段階的にテーマパーク入園者数の上限を引き上げて運営いたしました。その結果、連結営業利益及びROEについては、2024中期経営計画の最終年度の目標とした水準を前倒して達成いたしました。

今後につきましては、昨今の内外環境の見通しを踏まえ、中期経営計画における財務目標を再検討するとともに、引き続き中期経営計画で掲げているゲストの体験価値向上に向けて取り組んでまいります。

 

 

 

(3)中長期的な経営戦略

2030年に目指す姿

当社グループは、主力事業であるテーマパークを含むリゾート全体の魅力を向上させることによって多くのゲストをお迎えし、企業としての成長を図ってきました。一方、このような経営を継続する中で認識していた課題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行によって顕在化した課題への取組みが急務であると捉えております。少子高齢化による将来的な顧客人口や労働人口の減少、設備投資に必要な費用の高騰、気候変動・自然災害は、従来からも認識していた課題ではありますが、近年、事業への影響度が拡大し、そのスピードが加速しています。そして、新型コロナウイルス感染症の流行によって長期間の事業停止というリスクが顕在化いたしました。

このような変化に柔軟に対応すべく、今後は、よりサステナブルな事業構造へ転換し、持続的に発展することが重要であると捉えています。

そこで当社グループは、持続可能な社会への貢献と長期持続的な成長に向け、当社グループの提供価値である「ハピネス」を持続的に創造していくために、2030年に目指す姿を掲げ、その実現に向けた中長期の取組み方針を策定しました。

2030年に目指す姿は「あなたと社会に、もっとハピネスを。」としました。具体的には、「テーマパークを含むリゾートのみならず、社会を含めた多くの人々のためにハピネスを創造し続けること」、「持続可能な社会の実現に向けて役割を果たすことで、社会から望まれる企業であり続けること」、「従業員が心から誇れる企業であり続けること」であります。当社グループのステークホルダーのみならず、社会のためにもハピネスを創造し続けられる企業を目指してまいります。

中長期の取組み方針としては、2030年に目指す姿を実現するために、①事業の持続的な発展と②8つのESGマテリアリティへの取組みを推進します。また、ESGマテリアリティへの取組みを通じて、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献します。

 

①事業の持続的な発展

既存事業では、多様化するゲストニーズや需要の変動に対応し、東京ディズニーリゾート全体の付加価値向上を実現します。

新規事業では、既存事業の課題解決や価値向上につながり、新たな収益機会となりうる事業に取り組みます。

 

②ESGマテリアリティ

持続可能な社会への貢献と長期持続的な成長を両立するため、成長につながる機会を取り込み、リスクを低減する8つのマテリアリティ(重要課題)を選定しました。

なお、「従業員の幸福」と「子どものハピネス」は当社グループならではの取組みとして推進します。

 

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2024中期経営計画

当社グループは、2022年4月に、2022年度から2024年度までの新たな中期経営計画を策定いたしました。当社では、本中期経営計画期間を、「新型コロナウイルス感染症の流行による影響からの回復と将来に向けたチャレンジ」を実行する期間と位置づけました。本計画を起点に、起こりうる環境変化に柔軟に対応できる体制の確立を図るとともに、当社グループが掲げる2030年に目指す姿を実現させることを目指します。

本計画では、ゲストの体験価値向上を最優先に進め、同時に財務数値の回復を図り、その先の中長期的な成長につなげてまいります。なお、財務数値は想定していたよりも早期にコロナ禍からの業績回復が実現し、当初予定より前倒しで達成できる見通しを持っております。現在、直近の情報を踏まえて内外環境の見通し、及び2024年度の財務目標を再検討しておりますが、2024中期経営計画の戦略の方向性に大きな変更はございません。

 

・「2024中期経営計画」策定の背景

これまでは、より多くのゲストをお迎えできるようなテーマパーク運営を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により入園者数を制限したテーマパーク運営を行う中で、様々な知見を得ることができました。

また、従来から認識していた、少子高齢化による将来的な顧客人口や労働人口の減少などの課題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行によって長期間の事業停止というリスクが顕在化し、それらに柔軟に対応することが必要であると捉えております。

 

・「2024中期経営計画」の目標

①ゲストの体験価値向上

1日当たりの入園者数上限を新型コロナウイルス感染症流行前(以下、「2019年以前」という)よりも引き下げることで、快適なテーマパーク環境を目指します。さらに、多様化するゲストニーズに柔軟に対応し、ゲストに新たな体験価値を見出していただけるような新規施策を積極的に展開することで、体験価値を向上させてまいります。

 

②財務数値の回復

ゲストの来園回帰を確実に図りながら、財務数値を段階的に回復します。「ファンタジースプリングス」の開業に伴いキャパシティが拡大することにより、一段高い集客レベルへ引き上げ、2024年度に1,000億円以上の連結営業利益、過去最高の連結営業キャッシュ・フロー、ROE8%以上を達成いたします。これらの目標値のうち、1,000億円以上の連結営業利益及びROE8%以上については2022年度に前倒しで達成することができました。過去最高の連結営業キャッシュ・フローという目標については2023年度に達成を見込んでおります。現在、2024年度の財務目標について再検討しております。

*営業キャッシュ・フロー = 親会社株主に帰属する当期純利益 + 減価償却費

 

・テーマパーク事業戦略

①テーマパーク体験の質の向上

1日当たりの入園者数上限を2019年以前よりも引き下げることで、いつ訪れても快適なテーマパーク環境を目指します。加えて、「ファンタジースプリングス」開業など本中期経営計画期間中にスタートする新規コンテンツや、既存施設のリニューアルなど、テーマパークの魅力をさらに高めてまいります。また、ゲストの強い期待やニーズに対応する新たな体験も選択いただけるようにいたします。

これらを実施することにより、テーマパーク体験の質を高水準で確保し、収益の向上につなげます。

 

②平準化の推進

1日当たりの入園者数上限を2019年以前よりも引き下げた中でも、平日や休日、時期などの繁閑差を年間通じて最小限にすることで平準化を推進し、年間入園者数の底上げを図ります。なお、2024年度の入園者数は2,600万人程度と想定していますが、現在、2024年度の財務目標の再検討と共に入園者数についても再検討しております。

 

③効率的なテーマパーク運営の確立

1日当たりの入園者数上限を2019年以前よりも引き下げることで、これまで以上に必要な資源を継続的にコントロールできるようになり、環境変化にも対応できる運営体制を確立いたします。

 

・ホテル事業戦略

本中期経営計画期間中にモデレートタイプである「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」が開業し、ラグジュアリータイプとデラックスタイプの客室をもつパーク一体型ホテル「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル」が開業予定となります。ラグジュアリー、モデレートという2つの新たなカテゴリーが増えることで、ホテル事業においても多様化するゲストニーズに応えてまいります。

さらに、ディズニーホテル宿泊ゲストに向けてはテーマパークとの連携強化や、ディズニーコンテンツを活用した宿泊体験などを提供し、ホテルとしての魅力を高めます。

また、新たな2つのホテルの誕生により、ディズニーホテルは合計で6つとなりますが、経営資源の有効活用をすることで、長期持続的な収益基盤を構築いたします。

 

・人事戦略

新たな発想でのゲストサービスの向上や業務改革を推進するために、従業員一人ひとりの働きがいを高め、個人と組織のパフォーマンスを最大化してまいります。また、環境変化に柔軟に対応しながら高い付加価値を提供し続けられる人員体制の構築、及び、デジタル環境の整備など従業員が働きやすい環境づくりにも取り組んでまいります。

 

・投資戦略

2022年度から2026年度までの5ヶ年では、着工中の「ファンタジースプリングス」開業や、既存アトラクションの魅力向上につながる開発を行い、以降の「スペース・マウンテン」及び周辺環境の一新をはじめとする東京ディズニーリゾートのさらなる躍進につなげてまいります。

また、新たな成長戦略として、東京ディズニーリゾート内外の新規領域への種まきのための投資や、人的資本への投資を含むサステナビリティにかかわる取組みへの投資にも、経営資源を配分してまいります。

 

・財務方針

創出された営業キャッシュ・フローを投資に優先して配分いたします。テーマパーク事業への投資に加え、ESGや将来の種まきにも着手します。この結果、さらなるキャッシュ・フローを創出し、長期持続的に企業価値を向上させるとともに、安定的な配当を目指すという方針を継続しつつ、本中期経営計画期間中に2019年以前の水準に戻すことを目指してまいります。

 

今後の開発方針

「ポテンシャルを最大限に発揮するための基盤づくり」を行ってまいります。

オンステージでは、魅力の向上につながる投資を行い、常に変化し続けるテーマパークをゲストに提供いたします。

また、バックステージでは、キャストにとって働きやすい労働環境の整備を行うと同時に、将来の開発用地の創出を行います。これ以外にも現状の課題解決と東京ディズニーリゾートのポテンシャルを引き出すための検討を並行して行ってまいります。

上記方針のもと、2027年に、東京ディズニーランドのトゥモローランドに最新の技術や特殊効果を加えた新しい「スペース・マウンテン」を建設します。あわせて周辺環境も一新、光や音の演出機能を付加することで、スペクタクルに富んだ世界にゲストを誘います。(総投資額:約560億円予定)

2023年度以降も引き続きハードとソフトの両面を強化することで、東京ディズニーリゾートのさらなる成長に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組の状況は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループが目指すサステナビリティ経営とは、「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立することであり、具体的には、ゲストの多様なニーズにより応える運営へと進化させること、需要変動への対応力の向上による東京ディズニーリゾート全体の付加価値向上を図ること、また、ESGマテリアリティの取組みを通じて、SDGsの達成への貢献など社会課題の解決に寄与することであります。今後も、「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供し続けるという企業理念を起点として、50年、100年先もハピネスを創造し続けることを目指してまいります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ経営の実現に向け、2022年3月の取締役会において、「2030年に目指す姿」、機会を取り込み、リスクを低減する「8つのESGマテリアリティ」を含む「中長期の取組み方針」について決議いたしました。

「2030年に目指す姿」、「中長期の取組み方針」の詳細については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な経営戦略 2030年に目指す姿」に記載しております。

 

ESGマテリアリティを中心としたサステナビリティに関わる事項は、環境対策委員会、企業行動委員会などの委員会や業務遂行組織で検討され、代表取締役社長執行役員を議長とした「サステナビリティ推進会議」において、取組み内容における優先順位や資源配分等についての議論を深めた後、経営会議や取締役会に付議する体制としております。

「取締役会」は「経営会議」で協議・決議された内容の報告を年1回以上受け、サステナビリティに関する重要課題について議論・監督を行っております。当社の社長は「サステナビリティ推進会議」の議長を担い、サステナビリティに係る経営判断の責任を負っております。

また、ESGマテリアリティごとに、目標、そして進捗状況を評価するための指標として、2030KGI、2026KPI、2024中期経営計画のKPIを設定しており、年1回以上、取締役会及び経営会議に進捗を報告しております。

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取締役会における2022年度のESGマテリアリティを中心としたサステナビリティに関わる主な付議事項

・TCFDフレームワークに沿った開示内容について

・「OLCグループ環境方針」改定について

・「OLCグループ調達方針」策定について

・2021年度の環境対策委員会の活動について

 

 

リスク管理

当社グループのリスクは、「OLCグループリスク管理規程」に基づき個別リスクの予防・対応策を策定するリスクマネジメントサイクルを設定し、運用しております。当社の社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」にて、事業活動に係るリスクを抽出・評価し、「戦略リスク」と「運営リスク」を特定しております。

サステナビリティ関連リスクを含む「戦略リスク」は、所管組織が予防策・対応策を策定・実行し、その対応状況を「戦略リスク」を統括する経営戦略部が確認しております。その確認結果は、経営戦略部が取りまとめ、年に1回、「経営会議」並びに「取締役会」に報告を行い、「取締役会」の監督体制の下、当社グループの戦略に反映いたします。

サステナビリティ関連リスクとして、人権・多様性に関するリスク、気候変動に関するリスク、循環型社会に関するリスクを特定しており、各所管組織は、当該リスクについて「戦略リスク」対応の一環として実行計画に落とし込んでおります。

リスク項目、発生可能性や影響度の評価の詳細については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に掲載しております。

 

(2)重要な戦略並びに指標及び目標

当社グループでは、サステナビリティ経営を推進するにあたり、2030年までに優先して取り組む8つのESGマテリアリティを特定しております。ESGマテリアリティごとに、関連するリスクと機会を洗い出し、戦略と指標及び目標を策定し、上記サステナビリティのガバナンスにおいて、ESGマテリアリティごとの進捗状況をモニタリングしております。

 

ESGマテリアリティにおける戦略並びに指標・目標

従業員の幸福

人的資本に関わる戦略、指標・目標については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標」に記載しております。

子どものハピネス

戦略

-機会-

・事業活動において重要な子どもに関わる社会課題の解決

-リスク-

・子どもを取り巻く社会課題の深刻化

未来を担う子どもたちの夢や心を育むことによって豊かな社会を実現するために、東京ディズニーリゾート事業を通じた子どもたちの信頼や共感を育む取組みや、子どもに関する社会課題の解決への取組みを実施

指標・目標(2030年KGI)

東京ディズニーリゾート:日々の生活を潤し、心豊かな子どもを育てる活動の実施

社会貢献活動:未来をひらく子どもたちを育む・支える活動の実施

ダイバーシティ&

インクルージョン

戦略

-機会-

・変容する社会や顧客ニーズへの対応による体験価値向上

-リスク-

・ダイバーシティへの対応不足による体験価値の低下

・人権尊重への対応不足によるリスクの顕在化

変容する社会や顧客ニーズの変化に対応し、顧客の多様な価値観を尊重した事業活動を展開するために、人権尊重への体系的な取組みや、既存製品・サービスの見直しと多様性に配慮するための仕組みの構築などの取組みを実施

指標・目標(2030年KGI)

・特定した重要人権課題に対する人権デューデリジェンスプロセスの構築と運用

・多様性を尊重した事業活動ができる仕組みの構築

 

 

サプライチェーン・マネジメント

戦略

-機会-

・サプライチェーン全体での環境や社会への配慮による競争力拡大

-リスク-

・サプライチェーン全体への社会的関心の高まり

取引先と協働し、持続可能な調達を実現するために、方針整備を実施

指標・目標(2030年KGI)

・一次サプライヤーへ「調達方針」「お取引先行動指針」の周知と承認100%

・社内で特定した品目について持続可能な原材料調達100%

気候変動・自然災害

気候変動への対応については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)気候変動への対応(TCFD提言への取組)」に記載しております。

循環型社会

戦略

-機会-

・環境価値も備えた新製品やサービスの提供による新たな需要の創出

-リスク-

・資源枯渇や資源価格の高騰

循環型社会の構築に貢献するために、製品・サービスの省資源化と廃棄物削減、持続可能な資源利用などの取組みを実施

指標・目標(2030年KGI)

・廃棄物総量削減(重量)2016年度比10%削減

・リサイクル率(実績)80%

ステークホルダー・エンゲージメント

戦略

-機会-

・社会情勢変化への対応力強化

-リスク-

・新たなニーズの変化や潜在リスクへの対応力の低下

事業活動を進化させ、持続可能な社会に資するために、ステークホルダーに対して適切で開かれた情報開示と対話を大切にする取組みを実施

指標・目標(2030年KGI)

ステークホルダーに対する適切で開かれた情報開示と双方向でのコミュニケーションを大切にすることで、事業活動を進化させ、持続可能な社会に資する活動の実施

企業経営の公正性

戦略

-リスク-

・適切な意思決定機能の欠如による、成長機会や社会的信用の低下

各種法令及びコーポレートガバナンス・コードを遵守し、変化に柔軟に対応し、成長できる体制の構築

指標・目標(2030年KGI)

各種法令及びコーポレートガバナンス・コードを遵守できており、変化に柔軟に対応し、成長していける体制となっている

 

 

 

(3)気候変動への対応(TCFD提言への取組)

次世代にも大きな影響を与える気候変動に対し、企業が責任を果たすことが求められております。また、環境に配慮した事業活動を展開することは、企業の持続可能性にもつながります。かけがえのない地球環境を次世代につなぎハピネスを提供し続けるために、OLCグループでは、真摯な姿勢で気候変動リスクの低減に取り組みます。

当社グループは、2030年までのESGマテリアリティとして「気候変動・自然災害」を設定しており、温室効果ガスの排出削減によって温暖化の進行を食い止める「緩和」、温暖化による渇水・気温上昇・台風の増加などが今後起こるものと想定し、その影響がゲストに及ぶことを最小限にする「適応」への取組みを行います。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティのガバナンスに組み込まれております。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)ガバナンス及びリスク管理 ①ガバナンス」に記載しております。

 

②リスク管理

気候変動に関するリスクは、サステナビリティ関連リスクとして、「戦略リスク」に含まれております。詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)ガバナンス及びリスク管理 ②リスク管理」に記載しております。

 

③戦略

「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立したサステナビリティ経営を目指す中において、気候変動は長期間にわたり、事業活動に影響を与える可能性があると考えております。そこで、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」を目標に掲げ、気候変動の緩和と適応に取り組んでおります。気候変動の影響は長時間かけて顕在化していく性質のものであるため、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」の時間軸と整合した中長期事業戦略の策定の検討を行います。

 

期間

定義

短期

2022年度~2024年度まで

2024中期経営計画期間

中期

2030年度まで

当社グループの温室効果ガス排出量中期目標設定期間

長期

2050年度まで

当社グループの温室効果ガス排出量長期目標設定期間

 

また、気候変動が当社グループに与えるリスク・機会とそのインパクトの把握及び2050年時点の世界を想定した当社グループの戦略・レジリエンス(強靭性)と、さらなる施策の必要性の検討を目的に、2021年度に初めてシナリオ分析を実施しました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数の既存シナリオを参照しております。

シナリオ分析の内容など、TCFD提言に沿った情報開示の詳細については、弊社ウェブサイトに掲載しております。(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/environment/climate/tcfd.html)

 

④指標と目標

気候変動リスク対応において、温室効果ガス排出量の削減が重要であると認識しており、気候変動への緩和と適応の取組みを進めております。また、パリ協定で定められた日本政府の削減目標及び日本政府が産業界別に定めた方針に合わせた温室効果ガス排出量削減目標を設定しております。

※スコープ1、2の排出量実績と指標・目標は以下のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

温室効果ガス排出量スコープ1・2

・2050年度までにネットゼロ

・2030年度までに51%削減(2013年度比)

174千t

 

 

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(4)人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標

当社グループにおける、人的資本の考え方、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。

当社グループにとって人材とは、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要で不可欠なものです。特に東京ディズニーリゾート事業においては、ゲストを魅了するハードへの継続的な投資と同様に、事業に誇りを感じエンゲージメントの高い従業員によるゲストサービスが強みの源泉であるといえます。

当社グループでは、2030年に目指す姿を実現するために、ESGマテリアリティのひとつに「従業員の幸福」を掲げております。「仕事のやりがい」(働くことによって得られる喜びや達成感)の向上と、「働きやすさ」(社内環境や制度)の整備を目指す取組みを行うことで、当社グループで働くすべての従業員が働きがいを感じられること、そして、これからも働きたい場所として選ばれ続けることを目指し、人的資本への取組みを行っております。

「従業員の幸福」を実現し、働きがいを高めていくためには、従業員は「自ら一歩踏み出す」こと、会社・マネジメントはその「一歩」を引き出し支援する姿勢が重要であると考えております。双方向で刺激しあいながら、求めあい、高めあう関係性を構築していくことを目指していきます。また、そのために必要な要素は「自ら創造する人材の育成」と「多様な人材の活躍」、そして「活き活きと働ける環境整備」の3つと整理しております。こうした働きがいの最大化は人事施策だけで達成できるものではなく、各組織のマネジメント力、従業員一人ひとりの意識向上、仲間とのより良い関係性の構築など、複数の取組みが行われてこそ達成できるものであり、全社一丸となって働きがいを高めることに取り組んでいく姿勢が必要だと考えております。

 

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当社グループでは、上記に記載したESGマテリアリティ「従業員の幸福」について、次の指標・目標を設定しております。

指標

目標(2030KGI)

従業員の働きがいの向上

「働きがいに関する調査」の働きがい総合設問

ポジティブ回答率 8割以上(OLCグループ全体平均)

 

①多様性の確保を含む人材育成方針

当社グループでは、人材教育において、従業員と会社の「求めあい、高めあう」関係性の実現を目指して、さまざまなプログラムを実施しております。従業員が自身のキャリアに責任を持ち、志をもって成長し続けられるよう、キャリアと能力を開発し続ける機会を提供しております。さらに、部下の育成を担う管理職層に対する教育プログラムを拡充することで、人と組織の成長を推進しております。

また、教育体系としては、従業員一人ひとりが自ら考え役割を果たすことで、企業使命を実現することを目指し、役割に応じた教育体系を構築するほか、全従業員が、役割にかかわらず、入社時にディズニーのフィロソフィー(哲学)やディズニーテーマパークについて学ぶプログラムを実施しております。

 

<人材の育成方針>

■社員

全社員の、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、各役割に応じた「求める行動」を明確化しております。この行動要件をベースに、管理職がメンバーの活躍状況の把握、育成計画の策定、業務アサイン、日々の育成・支援、目標設定・評価を行う、「育成サイクル」を整備しております。

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図版:全社員に求める行動要件/育成サイクル

 

■テーマパークオペレーション社員及び準社員

当社では、キャストがゲストのハピネスを創造することで得られる「自己効力感」と、キャスト自身も成長を感じる「成長実感」の2つの側面から、活き活きと働ける組織風土の醸成を行うことで、さらなるキャストの成長につながると考え、教育プログラムの整備やパフォーマンス発揮への支援体制を含めた環境整備に取り組んでおります。

テーマパークオペレーション社員には、社員同様、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、「求める行動」を明確化しております。具体的には、「より良く」を求め続ける改善意識や、最後まで諦めることなく徹底して「やり切る」姿勢、一人ひとりが自らの責任を全うしたうえで「一丸となって」組織としての力を発揮する行動を定め、それをベースに育成サイクルを整備しております。また、役割に応じた育成プログラムに加え、自己を理解し、自分のキャリアを考え実現するためのキャリア支援プログラムを整備し、自立的な成長への支援を行っております。

すべてのテーマパークオペレーション社員及び準社員には、キャストの目指すゴール「We Create Happiness」に基づき、ディズニーフィロソフィー(哲学)やキャストとしての行動規準について学ぶ導入研修教育プログラムを実施しております。配属後には、OJT(実地トレーニング)を含む部門ごとのトレーニングも実施しております。ほかにも、トレーナーとして後輩を育成する役割を担う制度、ディズニー教育プログラムがあります。

なお、具体的な研修・キャリア支援プログラムについては弊社ウェブサイトに掲載しております。(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/relation/careers.html)

 

<多様な従業員を活かすための基本的な考え方>

当社グループでは、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりを重視しております。さまざまな強み・個性・価値観を持つ従業員同士が、互いに認めあい、活かし高めあうことで、活き活きと働くことができると考えます。そのうえで、仕事に情熱を持って取り組むことができ、会社と仲間への安心感・信頼感を持つことができる状態を目指していきます。また、従業員が私生活を充実させながら活躍できるよう、仕事と生活の調和を支援する制度を整えるとともに、それを支える風土づくりにも努めております。

 

<多様な価値観を活かすための取組み事例>

従業員が多様性への理解を深めるために、社内報やイントラネットを通じて多様性に関する情報を発信するなど、さまざまな社内教育を実施するほか、誰もが自分らしく働くことができる環境作りを多角的に推進しております。

・ゲストやキャストの多様性を理解し、受容するマインドとサポートスキルを学ぶ「ノーマライゼーション・クリエイター・クラス」の実施

・全従業員への「ダイバーシティ&インクルージョンハンドブック」の配布

・従業員の身だしなみを規定した「ディズニールック」の一部変更(男女別の表記撤廃など)

・一部コスチュームにおけるユニセックス運用の開始

・性別に関わらず利用できる個室の着替えスペースの増設

 

<仕事と生活の調和を図るための取組み事例>

従業員が仕事と生活の調和を図るための取組みとして、育児休職、子の看護休暇、介護休職、介護休暇、半日単位の有給休暇、病気有給休暇(家族の介護事由でも取得可能)などの各種制度を整えております。

社員には、業務内容に応じ、フレックスタイム制や在宅勤務制度、時間単位の有給休暇制度を導入しております。テーマパークオペレーション社員は、社員の制度の中で適用可能なものを準用しております。準社員は、主婦や学生が生活に合わせた働き方ができるように短時間のシフトを用意するほか、より積極的に勤務に就きたいという要望に応えられるよう、個人のスマートフォンから勤務可能なシフトを見つけて就業申請ができるシステムを整備するなど、より柔軟な働き方ができる体制を整えております。

 

<両立支援施策>

従業員が仕事と子育ての両立を図れるよう、さまざまな制度を整えるとともに、従業員の相談に対する相談窓口を設置しております。

・産前産後休暇

・配偶者出産休暇

・育児のための勤務時間短縮

・所定外勤務の免除

・深夜勤務の免除

・休日勤務の免除

・子の看護休暇

・搾乳ができる施設「マミールーム」の設置

・シフト勤務社員に対する勤務時間を固定・短縮するミドル復帰プログラムの導入

・共働きの社員などを対象にしたベビーシッターなどの育児補助金支援施策の導入

・企業主導型保育所「キッズビレッジあるぶる」の設置

 

<女性活躍の推進>

当社ではすべての従業員が安心して働ける環境づくりを進めており、男女が分け隔てなく働く社風のもと、多くの女性従業員が活躍しております。現在では、社員の男女の勤続年数の差は4.8年、社員の女性比率は54.4%、準社員など社員以外の女性比率は78.0%となっております(2023年3月末現在)。今後も、これまで以上に女性が力を発揮しやすい職場づくりに配慮しながら、男女分け隔てなく能力を開発し、キャリアが継続できるよう支援します。また、2025年度に管理職に占める女性従業員の割合を25%以上にすることを目標に掲げ、女性管理職候補者向けの勉強会を実施するほか、育児や介護などでキャリアが中断しないように両立を支援する制度を整備しております。

指標

目標

実績(当事業年度)

女性管理職比率

管理職に占める女性従業員の割合

2025年度までに25%以上

18.1%

なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

②社内環境整備方針(人材の採用・維持並びに従業員の安全・健康に関する方針)

中長期的な企業価値向上のためには、少子高齢化の進行などによる労働人口の減少や、働き方への多様な価値観などを踏まえたうえで、従業員の働きがいを最大化し、持続可能な人員体制へ変化することが必要であると考えております。そこで、当社グループでは、現状維持にとどまらず新たな発想でゲストサービスの向上、オペレーションの改善、業務改革を推進できる多様な人材・組織づくりを推進しております。また、限られた人員数で高い付加価値を提供し続けることのできる体制へと変化することが重要であると考え、そのために、一人ひとりがポテンシャルを最大限に発揮できる環境を整えることに努めております。

加えて、社員においては新卒採用だけでなく経験者採用など、さまざまな強みを持つ人材を採用し続けることで、多様な人材が活躍できる環境づくりに努めております。また、キャストにおいては、パークでのゲストサービスにより醸成される当社事業への高い共感や、キャストとしての働きがいを今後も育んでいくために、組織での対話風土を醸成する仕組みや、パフォーマンスの発揮に向けた支援体制を整えるなど、キャストの成長にも繋がり、働きたい場所としても選ばれ続けるための環境整備に取り組んでおります。

 

<企業風土醸成>

「夢、感動、喜び、やすらぎ」を提供し続け、常に新たな感動を創造し続けるための企業風土を育んでおります。人の喜びを自分の喜びと感じるマインド、年齢・ジェンダー・役職に関わらずともに称えあう文化が培われ、そして、受け継がれております。これらは、従業員全員が一丸となってゲストサービスに取り組む姿勢が約40年にわたり、脈々と受け継がれていることによるものです。全社活動として、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組めるよう、独自のユニークな施策を導入しております。

・会社表彰「Award of Excellence」

・ドリームアップ アイデア!(全従業員対象のアイデア提案制度)

・マジカルディズニーキャスト(従業員同士で称賛メッセージを送り合う活動)

・ウォルト・ディズニー・レガシー・アワード(最もすばらしいキャストを選出するプログラム)

・サンクスデー(年1回キャストに対して感謝を伝えるイベント)など

 

<心と体の健康維持及び労働安全衛生への取組み>

従業員が長く健康に生活し、働くことができるように主体的に心と体の健康を維持するための環境を構築し、心と体を整える支援を行っております。健康管理センターには産業医と保健師が常駐し、健康相談への対応や診断後のフォローを行っているほか、常用労働者の定期健康診断とメンタルヘルスチェック、ストレスチェックを実施し、健康状況を把握したうえで、対策を行っております。

また、従業員の健康を会社が後押しする施策という位置づけの「心と体の健康プロジェクト」を開始しました。社長の健康宣言を皮切りに、健康に関する社内啓発や知識インプットを定期的に実施しております。2023年1月には、「OFS(オリエンタルランド・フレンドシップ・ソサエティー)」、健康保険組合、共済会、グループ会社と合同で、従業員向けの「健康フェスタ」を開催しました。

心の健康については、ストレスチェックや健康診断の結果を踏まえ、従業員自身のセルフケアや、各組織におけるラインケアの強化を中心に取組みを推進し、体の健康については生活習慣病の予防を目的としたBMIの適正化や喫煙率の低下に向けた継続的な取組みを実施しております。

 

<快適な施設・デジタル環境の整備>

従業員に対する施設環境への調査などを基に、特にパークオペレーションに関わる従業員が利用する施設の改修を計画的に進めております。主に、アトラクション施設周辺で働く従業員向けのオフィス改修工事の中で、オフィスレイアウトの変更や会議スペースの増設など、キャストと社員が日々の面談・コミュニケーションを行うためのスペース増設を行っております。施設環境だけでなく、IT化に伴う業務ワークフローシステムの見直しなども行い、効率的に働くための環境整備も推進しております。

 

3【事業等のリスク】

当社グループのリスクマネジメント体制について

当社グループでは、当社の社長を委員長とするリスクマネジメント委員会にて、年に一度以上を目安に当社グループにおけるリスクを抽出して評価し、「戦略リスク※1」と「運営リスク※2」を特定し、「戦略リスク」は経営戦略部が、「運営リスク」はリスクマネジメント委員会が、それぞれ統括し管理しております。

 

戦略リスク

経営戦略部は、戦略リスクごとに所管組織を指定し、当該リスクの所管組織が作成した対応策の実行状況を確認しております。

 

運営リスク

リスクマネジメント委員会は、運営リスクごとに監理責任者及び実行責任者を指定し、当該リスクの監理責任者が作成した対応策がリスクを許容範囲内に抑えるために有効であるかを定期的にモニタリングしております。

 

経営戦略部並びにリスクマネジメント委員会は、それぞれのリスクの管理状況を経営会議・取締役会に報告し、リスクマネジメントの実効性を確認しております。

 

(管理体制図)

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※1戦略リスク

 

事業のサステナビリティに重大な影響を与えるリスク。

主要マーケットの変化、従業員エンゲージメントの変化、人材の確保、人権・多様性、気候変動、循環型社会、単一事業によるリスク等。

※2運営リスク

 

事業の遂行に重大な影響を与えるリスク。

自然災害・テロ・感染症、公的な規制(人事、法務等)の違反、情報セキュリティに関するリスク、事故等。

 

緊急的に事態の収拾を図る必要がある場合、対応方針を決定する組織として、「ECC(Emergency Control Center)」を設置しております。また、当社グループ各社において緊急的に事態の収拾を図るべき事態を認識した場合においても、ECCへの速やかな状況報告を義務づけております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

リスクの種類

番号

リスク項目

戦略リスク

主要マーケットの変化

従業員エンゲージメントの変化

人材の確保

-1

サステナビリティ課題の対応

人権・多様性に関するリスク

-2

気候変動に関するリスク

-3

循環型社会に関するリスク

単一事業によるリスク

運営リスク

自然災害・テロ・感染症

公的な規制(人事、法務等)の違反

情報セキュリティに関するリスク

事故

 

当社グループにおけるリスクについて、影響度を定量・定性の両面から評価し、影響が大きいものを記載しております。上記以外のリスクについても、当社グループの各組織においてリスク管理を実施しており、リスク発現による損失等の回避または低減を図っております。

なお、発生可能性については、リスクが発生すると思われる時期で評価しており、5年以内、5年超の2区分に分けております。リスクの影響度は、2段階(極大・大)で評価しております。今後も定期的な評価の見直しと対応策の検討を経営戦略課題の一つとして取組んでまいります。

 

発生可能性

5年以内 :常に発生する可能性がある事項

5年超   :長期的にみると顕在化する可能性がある事項

影響度

極大    :当社グループの経営戦略及び事業運営への影響が極めて大きくなると想定される事項

大      :当社グループの経営戦略及び事業運営への影響が大きくなると想定される事項

 

●戦略リスク

①主要マーケットの変化

内容

当社グループの主力事業であるテーマパーク事業の来園者は、国内ゲストが多くを占めております。日本の少子化に伴う人口減少をはじめとする人口動態の変化や、経済環境の変化により、入園者数及び売上高が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、余暇の選択肢における新たな製品・サービスの登場や、顧客の価値観の変化に当社グループが十分に対応することができなかった場合に、入園者数及び売上高が減少し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、国内の人口動態の変化や経済環境の変化により需要が低迷した場合にも、ハード面・ソフト面での取り組みにより、テーマパークの価値向上を図るとともに、国内の集客強化及びインバウンド集客の向上、並びに単価向上に向けた取組みを行ってまいります。また新たな製品・サービスの登場や、顧客の価値観の変化をとらえるべく、市場調査・分析を行い、ゲスト満足度の維持・向上につなげてまいります。

発生可能性

5年超

影響度

極大

 

 

②従業員エンゲージメントの変化

内容

当社グループが運営するテーマパークを含むリゾート全体は、多くの従業員と、そのホスピタリティによって支えられております。そのため、従業員が日々働く中で、仕事そのものへの「やりがい」を感じるとともに、会社の施設、制度だけでなく職場の仲間との関係性も含めた「働きやすさ」が高まっている状態を目指し、エンゲージメントを重要視しております。しかしながら、人事制度、職場環境、組織風土において十分な対応が取れていない場合、従業員のエンゲージメントが低下する可能性があります。

これにより当社グループの従業員がゲストに提供するホスピタリティが低下し、当社グループへの信頼の低下や、当社グループの経営戦略への重大な影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、ESGマテリアリティの一つに「従業員の幸福」を選定し、2030年に向けた取組み方針や目標を策定し、従業員の「やりがい」や「働きやすさ」を高める支援を行っております。働きがいに関する調査を継続的に実施し、調査結果を受けた組織マネジメント改善を各組織で戦略化し、推進してまいります。働きやすい環境の整備のために、デジタル環境の整備や職場の施設環境の改善に取組むほか、学習機会の拡充やキャリア開発支援を通じて従業員の成長支援を行っております。

発生可能性

5年超

影響度

 

③人材の確保

内容

当社グループが運営するテーマパークを含むリゾート全体は、多くの従業員によって支えられております。労働人口の減少等により従業員の採用・育成が厳しい状況に陥った場合、採用コスト・人件費の増加や、人材確保に向けた戦略への重大な影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、従業員や採用市場にとって魅力的な会社となることを目指した取組みを行っております。退職傾向の分析等から職場環境や組織風土の改善を行い、従業員が働きやすい環境を構築して定着率を高めてまいります。

加えて、より効率的な人員配置の推進のための投資を行った上で、採用活動を実施してまいります。

発生可能性

5年超

影響度

 

-1 サステナビリティ課題の対応 人権・多様性に関するリスク

内容

当社グループが運営するテーマパークを含むリゾート全体には、多様な背景を持つ従業員や取引先、ゲストをはじめとするステークホルダーがおります。人権やダイバーシティへの意識がますます高まる中で、社会からの対応要請は高度化しております。

当社グループにおける人権・多様性に関する取組みや、サプライチェーンにおける人権・多様性の取組みが適切に行われていない場合、当社グループの社会的信頼が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、ESGマテリアリティの一つに「ダイバーシティ&インクルージョン」、「サプライチェーン・マネジメント」を選定し、2030年に向けた取組み方針や目標を策定しております。

人権・多様性に関する社内の取組み全般を推進するために、「企業行動委員会」を設置し、人権方針の改訂、従業員の人権・多様性に関する教育・啓発の随時実施、調達方針の制定や、2022年度より人権デューデリジェンスを開始しています。

また、サプライチェーン上のリスクに対して、「サプライチェーン・マネジメント分科会」を設置し、調達方針を踏まえたお取引先行動指針の周知、自主調査リストの運用を行っております。その他、取引先の人権侵害等についてディズニー社の基準に沿った監査や、サプライチェーンで問題が発生した場合に速やかな対応ができるようなリスク分散を行っております。

発生可能性

5年超

影響度

 

 

-2 サステナビリティ課題の対応 気候変動に関するリスク

内容

当社グループの主力事業は、屋外での体験が多い施設であるテーマパークへ来訪していただくことで成立しております。気候変動により気温が上昇した場合、夏季における来園者数の減少や対策コストの増加等につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動が要因の異常気象や自然災害の激甚化等が発生した場合には、営業時間の短縮や施設の被災により休園につながる可能性や、対策コストの増加、サプライチェーンへの被害による商品等の供給不能により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、CO2削減目標等気候変動対策の目標未達は、地球環境に及ぼす悪影響への社会的関心の高まり等から、当社グループの社会的信頼の低下につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、ESGマテリアリティの一つに「気候変動・自然災害」を選定し、2030年に向けた取組み方針や目標を策定しております。

また温室効果ガスの排出の削減等について、現状把握のための調査や戦略策定、環境負荷低減のための取組みを進めるため、「気候変動対応分科会」を設置しております。

TCFDが提言する情報開示の枠組みを活用し、事業における適切なリスク評価とシナリオ分析及び戦略策定を実施しております。短期・中期視点での事業計画を立てる一方、気候変動の影響はさらに長い時間をかけて顕在化していく性質のものであることより、「2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ」の時間軸と整合した長期事業戦略の策定を検討しております。

(TCFD提言に沿った情報開示の詳細については、弊社ウェブサイトに掲載しております。(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/environment/climate/tcfd.html))

暑さ対策としては、設備面での対策や、安全に配慮した運営ルールを設け、実施しております。

また国の基準に沿った施設の対策や定期的な点検を実施し、極端な気象現象が起こった際も、常にゲスト・従業員の安全を最優先に考え、被害を最小限に留めるよう対策を実施しております。

発生可能性

5年超

影響度

極大

 

-3 サステナビリティ課題の対応 循環型社会に関するリスク

内容

当社グループの主力事業であるテーマパークは、事業運営に食材やプラスチック製品、水などの多様な資源を使用しております。テーマパークで販売する飲食や商品においては、需要予測に基づいた発注量のコントロールにより適切に在庫を管理しておりますが、やむを得ずフードロスや商品の大量廃棄を発生させた場合や、自然共生社会への貢献、水資源の有効活用についての取り組みの不足により、当社グループの社会的信頼が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、事業活動で使用するさまざまな原材料の調達に際しては、サプライチェーンにおける環境・社会的側面への影響を踏まえた持続可能性に配慮しておりますが、社会要請の急速な変化への対応に時間を要した場合、当社グループの社会的信頼が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

 

当該リスクへの対応策として、ESGマテリアリティの一つに「循環型社会」、「サプライチェーン・マネジメント」を選定し、2030年に向けた取組み方針や目標を策定しております。

サービスの省資源化と廃棄物削減、持続可能な資源利用、自然共生社会への貢献、水資源の有効活用について、現状把握のための調査や戦略策定、循環型社会の構築のための取組みを推進するため「資源循環促進分科会」を設置しております。在庫管理の徹底や発注精度の向上等、廃棄物削減目標の達成や、資源や水のリサイクル率の向上に向けた対応を実施しております。

また、持続可能な原材料調達に対しては「サプライチェーン・マネジメント分科会」を設置し、環境・社会的側面を踏まえた対応をタイムリーに推進できる体制を整えています。

発生可能性

5年超

影響度

 

 

単一事業によるリスク

内容

当社グループの経営成績は、テーマパーク事業を中心とした既存事業に依存しております。今後もテーマパーク事業を中心に成長を目指してまいりますが、将来テーマパーク事業の成長が鈍化した場合、他に成長のドライバーとなる事業を持たないことにより、当社グループの社会的評価の低下につながる可能性があります。

対応策

 

当該リスクの発現を未然に防止するため、ハード面・ソフト面での取り組みにより、テーマパークの価値向上を図るとともに、集客強化及び単価向上に向けた取組みを行うことで、テーマパーク事業の持続的な成長を目指してまいります。

また新規事業については、既存事業の課題解決・価値向上につながり、かつ成長機会にできる新規事業に挑戦してまいります。将来に向けた種まきを継続し、2026年度までに累計100億円レベルの投資を予定しており、2030年までに1セグメント化を目指します。

発生可能性

5年超

影響度

 

●運営リスク

自然災害・テロ・感染症

内容

当社グループの事業は、多数のゲストを迎え入れる施設を有しており、また事業基盤はほぼ舞浜に集中しております。舞浜地区周辺における大地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ各施設や国内外の大規模集客施設等においてテロ事件が発生した場合、また感染症が流行した場合には、ゲストや従業員への危害、施設の被害、周辺の交通機関及びライフライン(電気・ガス・水道)への影響、政府・自治体によるテーマパークの臨時休園や入園者数制限措置に関する要請、レジャーに対する消費マインドの冷え込み等が想定され、売上高の減少等、当社グループの業績に影響を及ぼすのみならず、一時的な事業停止等が発生する可能性があります。

対応策

当該リスクへの共通の対応策として、リスクが発現した際の被害を軽減するために、従業員が取るべき措置手順をマニュアル化し、定期的に見直すとともに、研修や訓練等の実施、必要な資材の調達・保管を実施しています。また、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす場合は、当社の社長を本部長とした対策統括本部を設置し、事態の収拾を図る体制を整備しております。

上記の共通の対応策に加え、大地震への対応策として、事業の継続のための手元流動性確保を目的に、2019年2月には「地震リスク対応型コミットメント期間付タームローン」を再設定しており、有事の際に即時資金調達が可能となっております。テロへの対応策としては、テーマパークのエントランスに金属探知機やX線検査機を設置する等の対策や警備の強化を講じております。感染症への対応策としては、従業員や施設の衛生管理の徹底に日々努めております。なお、新型コロナウイルス感染症への対応として、2020年2月より東京ディズニーリゾート運営に関する重要事項の決定を行ってきた「東京ディズニーリゾート感染症対策統括本部」は、政府対策本部の廃止に伴い、2023年5月に廃止いたしました。

発生可能性

5年以内

影響度

 

公的な規制(人事、法務等)の違反

内容

当社グループでは、各事業の運営やそれらにかかわる資材・製品の調達等において、コンプライアンスを重視し業務を遂行しております。しかしながら、役職員の過失等による重大な労働災害や法令違反等が発生した際には、行政処分による一部業務の中断や当社グループへの信頼の低下、当社グループのブランドの毀損及び訴訟等の多額の費用負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクの発現を未然に防止するため、当社グループ・コンプライアンス行動規範及びビジネスガイドラインを制定し、コンプライアンスの推進体制の整備、並びに、役職員への教育・啓発活動に努めております。また、役職員がコンプライアンス違反を認識した場合には、公益通報窓口を兼ねた通報窓口にて受け付け、必要な調査、是正を行っております。

発生可能性

5年以内

影響度

 

 

情報セキュリティに関するリスク

内容

当社グループでは、事業遂行に関連して顧客の情報や営業上の秘密情報等を保有しているほか、様々な情報システムを活用し、サービスの提供や業務の遂行を行っております。そのため、顧客の情報や営業上の秘密情報等に対する外部からのハッキング、社内データベースの悪用、漏えい、改ざん等といった情報セキュリティ事故、また、情報システムにおける障害の発生に伴うサービスの質低下や業務遂行の停止等が発生した際には、当社グループへの信頼の低下、当社グループのブランドの毀損及び訴訟等の多額の費用負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、情報セキュリティ事故を未然に防止するため、情報セキュリティの推進体制整備と役職員への啓発、社内ネットワークに関する監視機能の強化や情報へのアクセスの制限等を実施しております。また、当該リスクが発生した場合には、その適切な対応を行うことは勿論のこと、原因解析や影響範囲の調査を行い、再発防止並びに防御の最適化を図る体制をとっております。

発生可能性

5年以内

影響度

 

事故

内容

当社グループが運営するテーマパークを含むリゾート全体における製品やサービスは、安全を最優先に考え、設計されております。しかしながら、万一の事故(火災の発生、建築物や装飾物の落下、食中毒等)により、ゲストに重大な危害が加わる事態が発生した場合には、安全を最優先する当社グループへの信頼の低下、当社グループのブランドの毀損及び訴訟等の多額の費用負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

対応策

当該リスクへの対応策として、重大な事故の発生を未然に防止するため、安全に関する法令及び当社グループが定めた規定・基準・マニュアルの遵守に努め、定期的に所管部門以外の組織による監査を行っております。

発生可能性

5年以内

影響度

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

(財政状態の状況)

当連結会計年度末における財政状態とそれらの要因は次のとおりです。

(資産)

当連結会計年度末の資産の部合計は、1,206,419百万円(前期末比11.0%増)となりました。

流動資産は、有価証券の増加などにより、348,941百万円(同28.6%増)となりました。

固定資産は、有形固定資産の増加などにより、857,477百万円(同5.2%増)となりました。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債の部合計は376,730百万円(同14.0%増)となりました。

流動負債は、1年内償還予定の社債の増加などにより、161,249百万円(同89.2%増)となりました。

固定負債は、社債の減少などにより、215,480百万円(同12.2%減)となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産の部合計は、利益剰余金の増加などにより、829,689百万円(同9.7%増)となり、自己資本比率は68.8%(同0.8ポイント減)となりました。

 

(経営成績の状況)

前年同期は千葉県に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され、政府・自治体からの要請を踏まえて入園者数を制限していましたが、2022年3月には「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」で求められるソーシャルディスタンスが「前後左右ともに人と人とが触れ合わない程度の間隔」に緩和されました。これを受けて、当社グループでは東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの入園者数の上限を段階的に引き上げて運営したため、当連結会計年度の入園者数は大幅に増加しました。

その結果、売上高は483,123百万円(前年同期比75.2%増)、営業利益は111,199百万円(前年同期は営業利益7,733百万円)、経常利益は111,789百万円(前年同期比891.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は80,734百万円(前年同期比900.7%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりです。

 

(テーマパーク)

テーマパーク事業においては、入園者数の増加に加え、ゲスト1人当たり売上高も増加したことなどから、売上高は396,098百万円(前年同期比81.2%増)となりました。

各費用は増加したものの、売上高が増加したことから、営業利益は93,394百万円(前年同期は営業利益2,512百万円)となりました。

 

(ホテル)

ホテル事業は、宿泊収入が増加したことなどにより、売上高は73,861百万円(前年同期比55.7%増)となりました。

各費用は増加したものの、売上高の増加により営業利益は17,272百万円(前年同期比178.5%増)となりました。

 

(その他)

売上高は13,162百万円(前年同期比35.3%増)となりました。

売上高が増加したことから、営業利益は232百万円(前年同期は営業損失1,305百万円)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスになったものの、営業活動によるキャッシュ・フローがプラスになったことから、142,232百万円(前期末残高129,868百万円)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、167,729百万円(前年同期54,602百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が増加した要因は、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、△144,426百万円(同△138,984百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が増加した要因は、有価証券の取得による支出が増加したことなどによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、△10,939百万円(同48,933百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が増加した要因は、社債の発行による収入が減少したことなどによります。

 

③販売の実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

テーマパーク(百万円)

396,098

181.2

ホテル(百万円)

73,861

155.7

報告セグメント計(百万円)

469,960

176.7

その他(百万円)

13,162

135.3

合計(百万円)

483,123

175.2

 

a.テーマパーク

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

アトラクション・ショー収入(百万円)

197,847

184.3

商品販売収入(百万円)

122,685

182.0

飲食販売収入(百万円)

68,711

175.4

その他の収入(百万円)

6,853

147.3

合計(百万円)

396,098

181.2

 

(東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーの入園者数)

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

入園者数(千人)

22,089

183.2

 

 

b.ホテル

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

ディズニーホテル(百万円)

67,334

154.0

その他(百万円)

6,527

176.2

合計(百万円)

73,861

155.7

 

c.その他

区分

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

イクスピアリ事業(百万円)

5,923

116.5

モノレール事業(百万円)

3,752

204.3

その他(百万円)

3,486

124.3

合計(百万円)

13,162

135.3

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態に関する認識及び分析・検討内容)

(資産の部)

当連結会計年度は、設備投資を行ったことなどにより、有形固定資産が増加しました。

なお、当連結会計年度の設備投資額は994億円となりました。セグメント毎の設備投資額(有形固定資産・無形固定資産・長期前払費用)は以下のとおりです。

項目

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

増減

主な増減要因

テーマパークセグメント(億円)

608

782

173

 

 

東京ディズニーランド(億円)

30

123

92

スペース・マウンテンのリニューアル、ディズニー・ハーモニー・イン・カラーの開発の増

東京ディズニーシー(億円)

411

492

81

ファンタジースプリングスの開発の増

その他(億円)

166

165

0

 

ホテルセグメント(億円)

377

178

199

東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル、ファンタジースプリングスの開発の減

その他(億円)

19

35

15

劇場事業、モノレール事業の増

消去又は全社(億円)

△3

0

2

 

合計(億円)

1,002

994

7

 

 

 

(負債の部)

当連結会計年度は、未払法人税等が増加したことなどにより、流動負債が増加しました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことなどにより、純資産は増加しました。

 

(経営成績に関する認識及び分析・検討内容)

前年同期は千葉県に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出され、政府・自治体からの要請を踏まえて入園者数を制限していましたが、当連結会計年度は「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」で求められるソーシャルディスタンスが「前後左右ともに人と人とが触れ合わない程度の間隔」に緩和されたことを受け、当社グループでは東京ディズニーランド・東京ディズニーシーの入園者数の上限を段階的に引き上げて運営いたしました。それにより当連結会計年度の入園者数は大幅に増加しました。

その結果、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加しました。

セグメントごとの要因は次のとおりです。

 

(テーマパーク)

上記のとおり入園者数の上限を段階的に引き上げて運営したことに加え、両パークでのさまざまなスペシャルイベントや2022年11月にスタートした東京ディズニーシーの新規ナイトタイムエンターテイメント「ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~」が好評であったこと、また政府・自治体の観光需要の喚起策の影響もありレジャー需要が回復したことなどから入園者数が大幅に増加しました。また、ゲスト1人当たり売上高は、2022年5月から新たに導入した「ディズニー・プレミアアクセス」等により増加しました。それらの結果、当連結会計年度は、前年同期と比較すると大幅な増収となりました。

各費用については人件費や諸経費が増加したものの、売上高の増加により増益となりました。

 

(ホテル)

当連結会計年度は、2022年4月より東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルがオープンしたことに加え、販売客室数の制限を解除したことなどから、宿泊収入が増加し、増収となりました。

各費用は東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテルの開業に伴う費用などが増加したものの、売上高の増加により、増益となりました。

 

(その他)

売上高は、乗降客数の増加に伴うモノレール事業の売上高の増加に加え、不動産賃料収入の増加によるイクスピアリ事業の売上高の増加により、増収となりました。

各費用は増加したものの、主に売上高が増加したことにより、営業損益は黒字に転換いたしました。

 

②中長期的な目標に照らした経営者の分析・評価

2024中期経営計画は、「ゲスト体験価値向上」と「財務数値の回復」を目標としております。

2022年度は、1日当たりのパーク入園者数を新型コロナウイルス感染症流行の影響や運営体制の整備状況などを勘案し、入園者数上限を引き上げながら運営を行いました。また、パークチケットの変動価格制の通期での運用により平準化に取り組んでまいりました。選択肢の提供として、ディズニー・プレミアアクセスの導入・展開及び東京ディズニーリゾート・バケーションパッケージの拡充を実施してまいりました。パークの魅力向上として、東京ディズニーシー「ファンタジースプリングス」の工事は順調に進捗しており、また、「東京ディズニーリゾート40周年“ドリームゴーラウンド”」の開始に始まり、2023年度はスペシャルイベントやエンターテインメントプログラムなどの規模も順次回復させていく予定です。さらに効率的なパーク運営として、よりスリムな運営体制や省力化の推進、ITの活用など適切なコストコントロールを実施してまいりました。引き続きこれらを実行することでゲスト体験価値向上を図ってまいります。

また、2024中期経営計画の財務目標のうち、連結営業利益1,000億円以上及びROE8%以上については2022年度に前倒しで達成することができ、想定していたよりも早期にコロナ禍からの業績回復が実現し、財務目標については、当初予定より前倒しで達成できる見通しを持っております。これらは、ゲスト構成の変化やディズニー・プレミアアクセスの導入などでゲスト1人当たり売上高が高まり、入園者数とゲスト1人当たり売上高のバランスを取りながら財務レベルを回復させることができたと評価しております。

現在、内外環境の見通しを踏まえ2024年度の財務目標は再検討しております。なお、2024中期経営計画の戦略の方向性に大きな変更はございません。

 

③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、142,232百万円(前期末残高129,868百万円)となりました。各キャッシュ・フロー分析は次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、167,729百万円(前年同期54,602百万円)となりました。前年同期に比べ、収入が増加した要因は、当期は政府・自治体による制限が緩和されたことなどにより入園者数が増加したことやゲスト一人当たりの売上高が増加したことで売上高が増加したことなどから、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、△144,426百万円(同△138,984百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が増加した要因は、有価証券の取得による支出が増加したことなどによります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、△10,939百万円(同48,933百万円)となりました。前年同期に比べ、支出が増加した要因は、当期社債を発行しなかったことや配当金の支払額が増加したことなどによります。

 

今後の当社グループの事業活動における資金需要の主なものとしては、東京ディズニーシーにおける「ファンタジースプリングス」の開発(2024年度第1四半期開業予定、投資予算額 約3,200億円)、東京ディズニーランドにおける「スペース・マウンテン」及び周辺環境の一新(2027年開業予定、投資予算額 約560億円)を予定しております。

当社グループの事業活動を行う上で必要となる運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローを主とした内部資金を主な財源とし、必要に応じて金融機関等からの借入や、社債発行等による資金調達も検討いたします。

なお、「ファンタジースプリングス」など、長期的な設備投資に対する設備投資資金として、前期までに社債発行により計1,800億円の資金を調達いたしました。また、2020年9月に設定いたしました社債発行登録枠が2022年8月31日をもって期限を迎えたため、コロナ禍の影響により不透明な環境が続く場合など、仮に今後資金が必要になった場合にも、機動的かつ柔軟に必要な金額を調達できるよう、2022年9月1日より新たに1,500億円の社債の発行登録をいたしました。

その他、地震災害等の有事に対しても、2019年1月の社債発行による手元資金500億円、及び「地震リスク対応型コミットメント期間付タームローン」1,500億円により備えております。

引き続き、コストの精査・コントロールを継続していくことで、着実な財務基盤の強化を進めております。

 

5【経営上の重要な契約等】

契約会社

相手先

国名

契約内容

契約期間

提出会社

ディズニー・エンタプライゼズ・インク

米国

「東京ディズニーランド」のライセンス、設計、建設及び運営に関する業務提携

1979年4月30日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「東京ディズニーシー」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

1996年4月30日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

「東京ディズニーシー」に関する契約と同期間。

「ディズニーアンバサダーホテル」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

1998年9月30日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「ディズニーリゾートライン」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

1998年10月6日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「東京ディズニーランドホテル」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

2005年1月31日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「東京ディズニーセレブレーションホテル」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

2015年8月31日から2038年8月19日まで。

「東京ディズニーシー・ファンタジースプリングスホテル

」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

2018年6月14日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」のライセンス、開発、建設及び運営に関する業務提携

2018年11月27日から最長で2051年9月3日まで。

ただし、各当事者はさらに5年間ずつ、5回にわたり延長することができる。

提出会社

㈱イクスピアリ

日本

「イクスピアリ」及び「ディズニーアンバサダーホテル」の建物賃貸借契約

2000年5月1日から2020年4月30日まで。

ただし、各当事者は回数の定めなく、さらに10年間ずつ延長することができる。

(注)2

㈱イクスピアリ

㈱ミリアルリゾートホテルズ

日本

「ディズニーアンバサダーホテル」の建物転貸借契約

2000年5月1日から2020年4月30日まで。

ただし、各当事者は回数の定めなく、さらに10年間ずつ延長することができる。

(注)2

提出会社

㈱ミリアルリゾートホテルズ

日本

「東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ」の建物賃貸借契約

2001年7月31日から2020年4月30日まで。

ただし、各当事者は回数の定めなく、さらに10年間ずつ延長することができる。

(注)2

「東京ディズニーランドホテル」の建物賃貸借契約

2008年4月21日から2028年4月20日まで。

ただし、各当事者は回数の定めなく、さらに10年間ずつ延長することができる。

「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」の建物賃貸借契約

2022年1月17日から2042年4月4日まで。

ただし、各当事者は回数の定めなく、さらに10年間ずつ延長することができる。

(注)1.ディズニー・エンタプライゼズ・インクと当社との間で締結した上記契約については、一定料率にしたがって当社がロイヤルティーを支払う契約となっております。

2.2020年5月1日から2030年4月30日まで、契約期間を自動更新しております。

6【研究開発活動】

該当事項はありません。