第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

① 温浴施設「極楽湯」において、時代の変化や顧客ニーズを的確に捉えた、質の高いサービスを提供することで、顧客満足度を高め、企業として適切な利益を安定的に獲得する

② あらゆるステークホルダーを重視した経営を行い、その健全な関係の維持・発展に努める

③ 各地域の文化や慣習を尊重し、地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する

④ 「開かれた企業経営体質」を基本に、危機管理体制の構築と法令遵守を徹底する

⑤ ホスピタリティ、チャレンジ精神、経営マインドを持った人材を育成する

 この経営方針のもと、経営基盤の拡充及び経営の効率化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、既存店と新店それぞれ店舗の改装や企画イベント、安心・安全の付加価値のあるサービスを通じて顧客満足度を高め、来店客数と売上高、店舗利益の向上を図るとともに、新モデルや新業態の店舗等の開発により顧客の増大を目指しております。来店客数と売上高の拡大に加え、コストや業務の効率化を推進することを重視した経営により、収益体質の強化に努めております。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、日本と中国で新型コロナウイルスの感染拡大により、売上高が大幅に減少し、当連結会計年度において2期連続で営業損失(2021年3月期 1,524百万円、2022年3月期 568百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失(2021年3月期 3,081百万円、2022年3月期 1,979百万円)となりました。この結果、当期末における当社グループの連結純資産は△12百万円、当社の純資産は△997百万円となり、債務超過となりました。

これらの状況に加え、当社の有利子負債について、全ての取引金融機関からの支援(返済猶予)について理解を得られているものの、現時点では業績や財務体質が正常化するまで支援が確約されているものではないことから、当社グループは継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

当社グループは、当該状況を早急に解消し、業績及び財務体質の改善に努めてまいります。なお、取り組みにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (注記事項)(継続企業の前提に関する事項)」をご参照ください。

 

(4) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題

当社グループを取り巻く日本の経済は、新型コロナウイルスの感染者数が減少してきたことにより緩やかに回復の兆しが見られたものの、ウクライナ情勢の緊迫化、円安やエネルギーコストの高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。温浴業界におきましても、新型コロナウイルスの影響による来店客数の減少や飲食など付帯施設の利用減少に加え、エネルギーや原材料等の様々なコストの上昇、人手不足等により、依然として厳しい経営環境が続いております。

また、中国では、一時的に新型コロナウイルスの感染封じ込めが成功したことで中国国内における移動制限の解除等により人出が正常化し、個人消費は堅調に増加、外食などのサービス支出も回復しておりました。しかし、2022年に入ると各地で新型コロナウイルスの感染者が増加したことに伴い、感染地域ごとに封鎖され、上海市では数か月にもわたるロックダウンが実施されました。上海市のロックダウン解除後もゼロコロナ政策に基づく厳戒態勢が全国的に続いており、中国国内だけでなく世界中に影響を与えるなど先行き不透明な状況が続いております。

 

このような状況の中、以下の対処すべき課題に対して中長期的な経営戦略にて取り組んでまいります。

 

① 出店戦略の再構築

日本においては、60店舗体制の確立に向けて既存店舗の修繕・維持管理に加え、新しい店舗モデルの開発にも取り組んでまいります。併せて、出店候補地やフランチャイズ案件、運営受託等の様々な形態の出店に関する情報収集の強化、並びに投資効率の更なる向上を図るための出店条件精査にも注力してまいります。

中国においては、新たなフランチャイズ店の出店に向けて営業・交渉を進めていくとともに、「極楽湯ブランド」の確立を図るべく、既存の直営店の安定的な運営と収益向上に向けて取り組んでまいります。

 

② 人材の確保・育成

日本と中国の各店舗において、店舗運営スキルや接客スキル、おもてなしの心をもった人材は当然として、様々な外部環境の変化に対応できうる適切な人材の確保及び育成が重要であると考えております。

中国においては、“安心・安全”や“心からのおもてなし”など当社グループの根幹となる考え方やサービスへの理解をより一層深め、適正かつ安定した店舗運営を行っていくためにも、日中相互の人材交流に加え、徹底した指導・育成に取り組んでまいります。

また、日本と中国の本社に勤務する間接部門の人材についても適正に配置ができるよう人材の確保及び育成に努めてまいります。

 

③ 衛生管理及び設備の維持管理

当社グループは、衛生管理の徹底を最重要事項として取り組んでおります。お客様に快適かつ安心してご利用いただけるよう、営業中の定期的な水質検査や浴場配管設備の清掃を徹底しております。また、施設の経年劣化に伴って設備の維持管理が重要となりますので、店舗設備のメンテナンスには一層注力し、安心かつ安全で清潔な施設運営に努めてまいります。

 

④ 新形態・新業態の開発

当社グループがこれまでに蓄積してまいりました温浴施設を核とした店舗開発・運営に関するノウハウを活かし、感染対策としても注目される人気の“サウナ”や“バーベキュー”などアウトドア的要素を組み入れた施設など、これまでの形態や立地にとらわれ過ぎることなく、既存店改装や新規出店に関わらず、付加価値の高い施設の開発に向けて、取り組んでまいります。

 

⑤ 子会社の経営管理

当社が日本の温浴事業を承継するために設立した「株式会社極楽湯」に加え、中国での事業展開を統括するために香港に設立し、その過半数を当社が保有している「Gokurakuyu China Holdings Limited(中国語名:極楽湯中国控股有限公司)」等の子会社について、適正かつ健全な経営が行われるよう財務戦略を絡めて積極的にサポートするとともに統括してまいります。

今後も当社グループのブランド力の向上及び業績への貢献を図るために、日本と中国における事業展開を円滑に推進できるよう努めてまいります。

 

⑥ 外部環境の著しい変化に対する適切な対応

近年多発する気候変動による自然災害の激甚化や新型コロナウイルス感染症の拡大について、当社グループの運営店舗における営業時間の短縮や臨時休業、来店客数が大幅に減少する等の影響が懸念されます。
 市場動向が不透明な環境下におきましては、日本国内の動向にとどまらず世界経済の動向にも注視しながら、資金管理や店舗運営管理において、様々な助成金制度を積極的に活用し、支払猶予や賃料減免等の支援策を必要に応じて要請するなど柔軟かつ慎重に対応してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 退店について

当社グループの直営店は基本的に土地を購入せず、土地の有効活用を考える地主等から、定期借地権を設定して賃借する型を取っております。その賃貸借期限が切れた場合もしくは中途解約する場合は原則として、建物を撤去し、現状復帰して返却する必要があり、その現状復帰費用は当社グループの負担となり、該当する店舗においては資産除去債務を計上しているものの、状況により追加費用等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループはスーパー銭湯を開設、営業するに際して、公衆浴場法のほか、食品衛生管理法、建築基準法等の法令並びに地方自治体の条例、各種行政指導による規制を受けます。当社グループはこれらの法令等の遵守を徹底しており、当局に対して十分に事前打合せや問合せを行っておりますが、万が一、営業許可が下りなかった場合、もしくは承認が長引いた場合は出店計画の修正を余儀なくされ、また既存店舗で法令違反が起きた場合は営業停止等の行政処分によって業績に大きな影響が出ると予想されます。また、これら規制が強化された場合、当社グループが負担するコストが上昇し、業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

 

(3) 水質管理について

公衆浴場において最も大切なものとして浴槽内の水質管理が挙げられます。温浴施設でのレジオネラ属菌による事故が同業店舗で過去に発生していることもあり、当社グループでは誰もが安心・安全に入浴できるよう徹底した水質検査に努めております。具体的には従業員が各浴槽を一時間から二時間毎に巡回し目視及び検査試薬による水質検査を実施し絶えず安全を確認しておりますが、万が一、レジオネラ属菌による事故等が起こった場合、「極楽湯」、「RAKU SPA」としてのブランドが低下し、来店客数が減少する恐れがあります。また、営業停止処分が解除された後も評判が回復するまで時間を要したり、十分に回復しない恐れがあります。

 

(4) 店内で提供する飲食について

当社グループは、店内に飲食スペースを設けており、食品衛生管理法の規制対象として管轄保健所から営業許可を取得しております。定期的な衛生検査等食品衛生管理の遵守を心掛けており、安心安全な食材を提供することを徹底しておりますが、万が一、食中毒が発生した場合には営業停止等の行政処分によって業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 管理体制について

小規模組織にて運営しておりますが、内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。今後は事業の拡大に備えて人材の確保・育成に一層の充実を目指しておりますが、人材等の充実が適切かつ十分に進まなかった場合、或いは既存の人材が流出した場合は当社グループの業務執行に支障が生じる可能性があります。

 

(6) その他店舗運営について

当社グループの店舗運営は関係法令に則り、店舗勤務の従業員全員へ店舗運営マニュアルによる指導・教育を徹底し、厳格に管理体制を強化しておりますが、設備運転及び薬品取扱い等での事故のリスクが存在します。これらのリスクに対しては、従業員の指導・教育により発生を予防するとともに必要な保険措置を行うことで、業績への影響を軽減しております。また、大規模な自然災害が発生した場合は、人材、商品、電力の確保に影響が生じ、店舗運営に支障をきたすリスクが依然として存在します。また、電気、ガス、水道、電話などのライフラインが広範囲にわたって長期的に機能停止になった場合には、営業時間の短縮や休業等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 顧客情報管理について

当社グループは会員に対して各種サービスを提供していることから、恒常的に顧客の機密情報管理には社員教育と守秘義務の認識を醸成し、顧客情報の漏洩防止に努めております。また、システム保守管理に関する委託先企業の社員に対しても当社グループ社員同様厳しく指導しておりますが、万が一、顧客情報が外部に漏れた場合には顧客からのクレームを受け、或いは損害賠償請求を受ける可能性があります。かかる場合には、信用失墜による来店客数の減少等により業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(8) 固定資産の減損について

当社グループは、有形固定資産及びソフトウエアなどの固定資産を保有しております。これらの資産について、経営環境の変化等で、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上することとなるため、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) FC加盟店における不祥事及び経営状態について

当社グループは、FC加盟店とフランチャイズ契約を締結することにより「極楽湯」ブランドでの店舗運営を認めておりますが、FC加盟店の不祥事等によって、直営店及び他のFC加盟店に対するお客様の信頼が失墜し、当社グループ店舗全体の来店客数が減少する恐れがあります。加えて、フランチャイズ契約先の経営状態等により、フランチャイズ料及び貸付金等の債権が回収できない可能性があります。

 

(10) 海外への事業展開に係わるリスク

当社グループは、日本だけでなく、中国にて温浴施設を展開しております。現在、直営及びフランチャイズ形式で新たな出店計画も進んでおります。今後、中国の政治的・経済的要因により、①法律や税制上の諸規制の変更、②未整備な社会制度・社会基盤、③投資規制・収益の本国送金規制、④その他の経済的、社会的、政治的な事情等に起因する事業活動に対する障害が顕在化するリスクが内在し、これらの問題が発生した場合、海外における事業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 為替変動のリスクについて

当社は、中国に連結子会社を有しております。当該連結子会社の外貨建ての売上高等は、連結財務諸表の作成時に円換算するため、換算時の為替レートが元安に大きく変動した場合には、現地通貨の価値は変わらないものの、換算後の売上高等が減少し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、当該連結子会社に対して外貨建て債権を有しております。当該債権は為替レートが元安に大きく変動した場合には、為替差損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 電気料金等の上昇について

電気料金等、エネルギーに係る費用は著しく変動する可能性があります。これらのエネルギーコストの増大により、当社グループがサービス提供に必要な設備等の維持運用に係る費用が増加し、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(13) シンジケートローンによる資金調達に伴う財務制限条項への抵触に伴うリスク

当社が締結しておりますシンジケートローン契約には財務制限条項が定められております。

純資産の維持及び利益の維持に関する財務制限条項に抵触した場合、利率の上昇や期限の利益の喪失等、当社の業績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

なお、当連結会計年度末において当該財務制限条項に抵触しておりますが、主要取引先金融機関と密接な関係を維持し、定期的に建設的な協議を継続していることから、今後も主要取引先金融機関より継続的な支援が得られるものと考えております。

 

(14) 新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、来店客数の減少や臨時休業、営業時間の短縮により売上の減少が生じております。新型コロナウイルスの感染拡大による売上への影響が長期化・深刻化する可能性があります。

さらに、有形固定資産に関する減損損失の認識要否の判断及び測定において、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、一定の仮定を置き将来キュッシュ・フローの見積りを行っております。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が今後長期化した場合や深刻化した場合には有形固定資産の減損損失が追加で発生する可能性があります。

加えて、中国及び日本において、FC先企業の業績悪化による営業指導料・ロイヤリティ収入が減少する可能性や新規店舗の出店や海外展開の計画に遅れが生じる可能性、直営店やFC店への感染症対策や支援等によりコストが増加する可能性があります。

 

(15) 継続企業の前提に関する重要事象等のリスク

当社グループは、日本と中国で新型コロナウイルスの感染拡大により、売上高が大幅に減少し、当連結会計年度において2期連続で営業損失(2021年3月期 1,524百万円、2022年3月期 568百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失(2021年3月期 3,081百万円、2022年3月期 1,979百万円)となりました。この結果、当期末における当社グループの連結純資産は△12百万円、当社の純資産は△997百万円となり、債務超過となりました。

これらの状況に加え、当社の有利子負債について、全ての取引金融機関からの支援(返済猶予)について理解を得られているものの、現時点では業績や財務体質が正常化するまで支援が確約されているものではないことから、当社グループは継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているものと認識しております。

当社グループは、以下の対応策を実行することで、当該状況を早急に解消し、業績及び財務体質の改善に努めてまいります。

 ① 業績改善への対応策

  ⅰ)コラボイベントの実施強化による業績向上

コロナによる客数や売上の落ち込みを補うべく直近の数年間は、有名なアニメの人気キャラクターやコンテンツ、及び有名企業商品との様々なコラボイベントを1,2か月のサイクルで店舗を厳選して定期的に実施しております。今年度は、前年以上に1回あたりのコラボイベントの期間を短く、頻度を上げるともに、同時期に異なる店舗で違うイベントを実施するなど、全体的な開催回数を増やす取り組みを進めております。引き続き、コラボイベントの数やメニュー、実施店舗を増やして実行できるように工夫することで、業績の向上へ繋げてまいります。また、人気コンテンツに特化した新規事業も検討してまいります。

  ⅱ)入館料等の価格見直し

急激な円安に伴う物価高に加え、エネルギーコストや人件費の高騰等から、原価の値上りが営業努力ではまかなえない状況にきていると考えたことから入館料を見直し、2022年9月に値上げいたします。また、様々な価格の見直しについて随時検討し、その他メニューの改定も適宜実施してまいります。

  ⅲ)店舗ごとの長期シミュレーションと計画的判断

店舗ごとの計画(業績と投資)を十分に精査し、投資の適切なタイミングと業績改善に向けたコスト圧縮など対策を検討してまいります。不採算な状況が継続すると判断した店舗については、撤退を含めて見極め時期を決め、最適な判断が適宜できるよう速やかに体制を整えてまいります。

  ⅳ)グループ会社の合理化

持ち株会社体制によるグループ管理・統制の再構築を検討し、管理コストの圧縮や財務戦略の見直しに取り組みます。

 

 ② 財務体質の改善

  ⅰ)資本政策と有利子負債の圧縮

資本政策としては、ファシリティ型新株予約権を実施し資金調達をします。2022年4月からファシリティ型新株予約権による資金調達(増資)を実施しており、2025年4月末までの約3年の間に概算で14億円を調達する見込みです。有利子負債については、2022年6月から9月にかけて1,255百万円を返済し圧縮します。取引金融機関とは運転資金確保を最優先することに賛同を得ており、それを踏まえた上で有利子負債の圧縮は適宜状況に合わせ検討してまいります。この他、資産の売却や増資等の資本政策も引き続き検討してまいります。

  ⅱ)投資計画と資金繰り

投資計画は、現在施設維持を主に投資額を最小限に抑えた計画で「新規投資」と「既存店の更新投資」に区分しています。「新規投資」は、新規事業や新店舗の開業、既存店舗の改装など付加価値創造を目的とした投資であり見直しし、縮小又は慎重に実施してまいります。「既存店の更新投資」については、IT化や既存設備の維持や交換、利便性の向上、安全面からの予防措置等に実施するために計画しており、継続的な運営に必要な投資として計画通り実施してまいりますが引き続きコスト削減できないか検討の上、努めてまいります。

また、資金繰りについては、当面の更新投資も含め事業環境を乗り越えるだけの資金(国内30億円から35億円程度)を保有していることから、支障はないと判断しております。また取引金融機関との関係は良好であり今後も継続的な支援を受けられるものと考えておりますが、今後も業績が回復し財務状況が正常化するまで継続的な支援を得られるよう要請してまいります。

以上の対応策に取り組んでまいりますが、これら対応策の実現可能性は、新型コロナウイルス感染症の拡大や国・地方公共団体の助成制度、原油価格の変動等、外部環境に大きく影響を受けます。現時点では、取引金融機関から返済猶予の支援について理解を得られているものの、業績や財務体質の正常化するまで確約されているものではないことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

なお、当社グループの連結財務諸表は継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数が昨年の秋頃から減少してきたことにより一時持ち直しの動きがみられたものの、2022年に入り感染力が強い新たな変異株が出現したことによる感染再拡大や、ウクライナ情勢の緊迫化、円安やエネルギーコストの高騰等、依然として先行き不透明な状況が続いております。温浴業界におきましては、新型コロナウイルスの影響による来店客数の減少や飲食など付帯サービスの利用減少に加え、エネルギーや原材料等の様々なコストの上昇、人手不足等により、依然として厳しい経営環境が続いております。

このような状況の中、当社グループにおいては、連結売上高10,036百万円(前期比14.5%増)、営業損失568百万円(前期営業損失1,524百万円)、経常利益751百万円(前期経常損失926百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失1,979百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失3,081百万円)となりました。

なお、「収益認識会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用するとともに、従来は営業外収益「その他」に計上していた販売委託契約に係る取引に付随する取引については、売上高に計上する方法に変更しております。この結果、遡及適用を行う前と比べて、前連結会計年度の売上高が1,783百万円減少し、営業損失が22百万円減少しておりますが、経常損失と税金等調整前当期純損失については変更ありません。

 

セグメントの業績を示すと次のとおりです。

<日本>

当セグメントにおきましては、売上高8,374百万円(前期比11.1%増)、セグメント損失(営業損失)476百万円(前期セグメント損失1,153百万円)となりました。

 

<中国>

当セグメントにおきましては、売上高1,662百万円(前期比35.8%増)、セグメント利益(営業利益)45百万円(前期セグメント損失217百万円)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,240百万円減少し17,274百万円となりました。負債合計は、前連結会計年度末に比べ103百万円増加し17,286百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,343百万円減少し△12百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は6,172百万円(前期は4,788百万円)となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期は、日本における消費マインドの回復や中国における近郊レジャー需要の高まり等から売上高は前期に比べて大幅に回復いたしました。加えて、新型コロナウイルス感染症対策に伴う雇用調整助成金や時短営業協力金の入金等により、営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ1,376百万円増加し、1,499百万円の獲得となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当期は、既存店舗の大型修繕により、投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ380百万円増加の655百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当期は、ファシリティ型新株予約権の行使等により、財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ559百万円増加し、456百万円の収入となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

該当事項はありません。

b. 受注実績

該当事項はありません。

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

日本

8,374,579

+11.1

中国

1,662,265

+35.8

合計

10,036,845

+14.5

 

   (注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-注記事項-(連結財務諸表作成のための基本となる重要事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表を作成するに当たり、必要な見積りを行っており、それらは資産、負債、収益及び費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りは、その性質上判断及び入手し得る情報に基づいて行いますので、実際の結果がそれらの見積りと相違する場合があります。特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

 固定資産の減損処理

減損の兆候のある資産又は資産グループについて、回収可能価額に基づき減損の判定を行っております。回収可能価額は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い方により測定しております。回収可能価額は、事業計画や市場環境の変化により、その見積り金額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、追加の減損処理が必要になる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-注記事項-(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,240百万円減少し17,274百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,442百万円増加した一方で、主に減価償却費により有形固定資産及び無形固定資産が2,848百万円減少したことによるものであります。

次に、負債合計は、前連結会計年度末に比べ103百万円増加し17,286百万円となりました。これは主に、未払法人税等が144百万円、前受金110百万円増加した一方で、短期借入金が返済により135百万円減少したことによるものであります。

最後に、純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,343百万円減少し△12百万円となりました。これは主に、ファシリティ型新株予約権の行使により、資本金が290百万円及び資本剰余金が277百万円増加した一方で、利益剰余金が1,859百万円減少したことによるものであります。また、自己資本比率につきましては、△2.0%となりました。

 

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

<日本>

当セグメントの業績は、緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用に伴い、営業時間の短縮やアルコールの提供停止、飲食エリアの時短営業等の制限を強いられたものの、前期に比べ制限内容が緩和されていたことに加え、新規感染者数の減少とともに消費マインドが緩やかに回復したこと等により売上高は増加しました。また、「呪術廻戦」、「東京リベンジャーズ」、「ヒプノシスマイク」等のTVアニメを中心とした様々なコンテンツとのコラボイベントも好評を博し収益向上へ貢献いたしました。一方で、エネルギーコストや原材料費は上昇しており、収益を圧迫する要因となりました。以上のことからセグメント損失となったものの、前期に比べ増収増益となりました。

<中国>

当セグメントの業績は、前期に臨時休業していた直営店が営業を再開したことや前期に比べて為替が円安に動いたこと等により、売上高が前期に比べ大幅に増加しました。また、増収効果に加え、様々なコストを抑えたことから前期はセグメント損失であったのに対し、セグメント利益(営業黒字)で着地しました。

なお、新型コロナウイルス感染拡大に対する中国政府からの通達により2022年3月上旬より直営全店を対象に臨時休業しておりましたが、ロックダウン等の制限が解除された地域より順次営業を再開し、2022年7月には直営全店で営業を再開しております。

 

新型コロナウイルス感染症拡大による日本国内の経済活動は、新規感染者数の減少により緩やかに回復の兆しが見られているものの、以前のように回復するには時間を要するものと予想されます。また、中国のゼロコロナ政策に基づきロックダウンや臨時休業の要請等が今後も突発的に発生することが想定されるとともに、これらの制限の解除後においても中国国内の経済活動や消費活動に大きな影響を与えることも想定されます。加えて、世界的なエネルギーコストや原材料費の上昇、円安についても不確定な要素であり、先行きを見通すことが非常に難しい状況であると認識しております。

このような状況のもと、当社グループの連結業績予想につきましては、現時点においてその影響額を合理的に算出することが困難であると判断し、未定といたします。今後、合理的な予想の開示が可能になった時点で速やかに公表いたします

なお、当社グループは、「第2事業の状況-1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した対処すべき課題に取り組むことで、経営基盤の安定、業績の回復等に努めてまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

「第2事業の状況-3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(1)経営成績等の状況の概要-②キャッシュ・フロー状況」に記載のとおりです。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

第24回新株予約権(行使価額修正条項付新株予約権)の発行及び権利行使により、590百万円の資金調達を実施し、金融機関からの借入金の返済資金として留保いたしました。 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、全ての取引金融機関と借入金返済条件の変更に関して、当面の期間の返済を猶予いただくことについて合意しております。このうち、シンジケートローン契約の返済条件の変更に関する詳細につきましては「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-注記事項-(重要な後発事象)-3 借入金返済条件の変更について」に記載しておりますので、ご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。