当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策により、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、海外経済の不確実性等を背景に、先行きは不透明な状況が続いており、個人消費についても依然として力強さを欠いた状態にあります。
このような状況下、当社グループではお客さま満足をすべての価値の中心とする「顧客中心経営」を掲げた中期経営計画に基づき、お客さまとの接点拡大や、お客さまニーズに基づく設備の充実に努めてまいりました。
これらの結果、当社グループの売上高は489億7千7百万円(前年比2.5%増)、営業利益は14億1千4百万円(前年比4.5%増)となりましたが、経常利益は為替差損の発生等により、13億3千8百万円(前年比6.1%減)となりました。
一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、札幌地区における固定資産の売却益や、北海道リネンサプライ株式会社の子会社化に伴う負ののれん発生益を特別利益として計上したこと等により、10億5百万円(前年比36.8%増)となりました。
セグメント別の状況は、次のとおりであります。
<クリーニング>
個人向けのクリーニング事業については、中長期的に需要が減少する傾向にある中、「新規のお客さまを増やす・継続してご利用いただく・より多くご利用いただく」ことを目的とし、ショッピングセンター等への新規出店や、アパレルメーカー等の異業種他企業との連携・提携等、お客さまとの接点を拡大するための施策を推進しております。
昨年3月からは、高級ブランド衣料向けのハイグレードなクリーニングサービスである「高級ブランドクリーニング」を新たに開始し、高級ブランド衣料のクリーニングに対する需要の喚起に注力いたしました。
しかしながら、春の衣替えの時期において、暖冬の影響により防寒衣料のクリーニング需要が例年より減少したこと等から、クリーニング事業の売上高は、236億9千6百万円(前年比1.2%減)、セグメント利益(営業利益)は10億3千7百万円(前年比12.0%減)となりました。
<レンタル>
レンタル事業は、ホテル・レストラン等に向けたリネンサプライ部門と、コンビニエンスストアや外食産業、食品工場等に向けたユニフォームレンタル部門とに大別されます。
リネンサプライ部門については、新規の得意先ホテルとの取引開始や、箱根地区における得意先ホテルの稼働率の回復等により、増収となりました。
ユニフォームレンタル部門については、ナショナルチェーンや食品関連企業からの需要の増加等が、売上増に寄与しました。
これらの結果に加え、昨年6月に子会社化した北海道リネンサプライ株式会社の業績を新たに連結業績に算入したこと等から、レンタル事業の売上高は217億1千3百万円(前年比7.2%増)となり、ガス等の単価下落に伴う燃料費の減少等から、セグメント利益(営業利益)は16億4千1百万円(前年比24.5%増)となりました。
<不動産>
不動産事業では、不動産の賃貸および管理・仲介を行っております。
売上高は5億6千1百万円(前年比0.1%減)、セグメント利益(営業利益)は3億9千1百万円(前年比0.0%増)となりました。
<その他>
その他の事業については、連結子会社におけるユニフォームの売上が増加したこと等から、その他事業の売上高は30億6百万円(前年比1.1%増)、セグメント利益(営業利益)は、2億3千3百万円(前年比6.4%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー収入21億3千9百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー支出5億9千6百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー支出17億5千8百万円などにより2億4千4百万円減少いたしました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年比13.5%減の15億7千万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16億9千4百万円、減価償却費13億1千9百万円などにより、前年比17.0%減の21億3千9百万円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出13億6千9百万円、有形固定資産の売却による収入10億9千5百万円などにより、前年比54.3%減の5億9千6百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは長短借入れによる収入144億6千9百万円、長短借入金の返済による支出153億5千4百万円、リース債務の返済による支出5億7千5百万円などにより、前年比182.7%増の17億5千8百万円の支出となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
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クリーニング |
23,696 |
△1.2 |
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レンタル |
21,713 |
7.2 |
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不動産 |
561 |
△0.1 |
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その他 |
3,006 |
1.1 |
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合計 |
48,977 |
2.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当グループは見込み生産を行っていないため、該当事項はありません。
販売実績は、生産実績と同一であるため記載しておりません。
個人向けクリーニング事業を取り巻く環境は、クールビズ等に象徴される服装のカジュアル化など構造的な要因等もあり、需要が中長期的に低下傾向にあります。他方、レンタル事業においては、都市部の高級ホテル・外資系ホテルにおける高稼働率、及び食品関連企業のユニフォームレンタル需要の拡大が引き続き期待できるものの、両事業ともに、人手不足を背景とした人件費上昇等もあり、収益性の改善が課題となっております。
こうしたなか、当社グループは、「顧客中心経営」を掲げた中期経営計画(平成27年度より3カ年)に基づき、お客さま満足度向上に資する「基盤」を整備することで、持続的成長へ向けた取り組みを行っており、来期はその最終年にあたります。
個人向けクリーニング事業においては、これまで、お客さまから直接ご意見を頂戴する懇談会開催などお客さまの声を聴く活動の推進や「高級ブランドクリーニング」の導入など、品質やサービスの差別化を図ることに加え、異業種他企業との連携・提携によるお客さまとの接点拡大にも努めてまいりました。来期は、新システムの展開により、店頭でのお客さまの待ち時間短縮やサービス店での業務効率化などを目指してまいります。
レンタル事業のうち、ユニフォームレンタル部門においては、高度な衛生管理が求められる食品関連企業のニーズにお応えするため、東西の生産設備増強を実施し、生産能力・生産効率の改善を図るとともに、食品安全の国際標準規格であるISO22000に基づき衛生品質向上に取り組んでおります。リネンサプライ部門においては、2020年東京オリンピックに向けて、都心高級ホテルの客室数増加が予想されることから、グループ総体での生産性向上や生産設備増強を図り、需要増加に対処していく考えであります。なお、本年6月に、JR北海道グループであった北海道リネンサプライ㈱を子会社化致しましたが、今後は、既存子会社である北洋リネンサプライ㈱とのシナジー効果等を実現することで、連結業績の向上につなげてまいります。
また、当社の基本精神である「奉仕の徹底」が可能な強い現場をつくるため、工場技術や接客などのプロフェッショナルな人材を育成することに加え、接客やサービスメニューの開発等には、女性の視点や感性が不可欠であることから、引き続き女性の活躍を推進してまいります。
当社グループは、中期経営計画を完遂していくとともに、コンプライアンスの徹底やコーポレートガバナンスの強化を図り、株主さま、お客さまをはじめとするステークホルダーの皆さまのご期待に沿うよう、企業価値の向上に取り組んでまいる所存です。何卒、株主の皆さまの相変わらぬご支援とご理解を賜りますよう心からお願い申し上げます。
当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
① クリーニング需要の大幅後退のリスク
クリーニング需要の変動は短期的には起こりにくく比較的安定していると言えますが、人口高齢化に伴う生産年齢人口の減少、服装のカジュアル化、家庭用洗濯機並びに洗剤の高機能化等の要因により、クリーニング需要は中長期的に減少傾向となっています。当社グループではこれらの要因が今後もクリーニング需要の減少要因になることを、経営上の前提として認識した上で経営計画を策定していますが、中長期的に想定以上の需要後退が進んだ場合、当社グループの経営成績に大きな悪影響が及ぶ可能性があります。
② 天候のリスク
クリーニング事業は、天候変動の影響を受けやすく、暖冬や冷夏、あるいは季節の変わり目の時期の遅れなどによりクリーニング需要が変動するケースがあります。
また、レンタル事業のうちホテル依存度の高いリネンサプライ部門でも天候不順によるホテル宿泊客の変動などにより需要が変動する場合があります。当社グループではこれらの事前の予測等も踏まえつつ、生産計画、雇用計画を策定していますが、予想に反する大幅な天候変動があった場合、当社グループの経営成績に影響が及ぶ可能性があります。
③ 特定取引先への集中リスク
レンタル事業においては、大手のホテル・レストラン・コンビニエンスストア等を中心とする大口法人得意の売上占有率が高く、外国人観光客減少等に伴うホテル稼働率の低下や得意先の業績不振、取引内容の変更、契約終了等が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 業務委託に関するリスク
当社グループは、業務の一部をグループ外部の工場等へ業務委託しています。業務委託に関しては問題発生を未然に防止するよう綿密な連携をとりながら、関連法規制の遵守、品質管理等の徹底を図っておりますが、不測の事態により委託先において業務に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤ 法的規制等によるリスク
クリーニング施設を廃止する場合等に、土壌汚染対策法で規定された対応が必要になります。当社グループでは土壌汚染については万全の防止策をとっていますが、土壌改良等が必要になった場合、経営成績への一定の悪影響が生じる可能性があります。
また、環境関連その他で新たな法令、規制等が導入された場合、業務への支障、経営成績への悪影響が及ぶ可能性があります。
⑥ 石油系の洗浄・乾燥設備に起因するリスク
ドライクリーニング工場には石油系の洗浄・乾燥設備があり、防火防爆の安全対策を施しています。しかし、万一爆発火災が発生すれば、人身事故、近隣への延焼、クリーニング品の焼失、工場設備の焼損など多大な損害につながる可能性があります。
⑦ 原油価格・原材料の高騰によるリスク
燃料、資材の高騰は当社グループの経営成績に直接的な悪影響を及ぼします。とりわけ原油価格の高騰は、溶剤価格、燃料費、仕入資材の値上り等、幅広く影響が及びます。
⑧ 情報システム障害によるリスク
経理・営業・工場の各部門に導入している情報管理システムについて、維持管理・セキュリティー管理には万全を期しておりますが、不測の天災・人災等によって設備やソフトウエアが損壊し、情報システムの停止や内部データの消失が発生した場合、被害の程度によっては当社グループの財政状態や業績に重要な影響を与える可能性があります。
⑨ 情報漏洩によるリスク
当社の所有する個人情報は、個人情報保護法に基づいて社内で定めた個人情報管理規程および情報システム管理規程により、情報の取り扱いを制限しておりますが、何らかの形でこれらが漏洩すれば関係者はもとより周辺に及ぼす影響は多大なものとなります。
⑩ 減損会計適用の影響
当社グループは、事業用の不動産をはじめとする固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなると減損処理が必要となる場合があり、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 得意先の経営破綻
当社グループは、得意先に対する売掛金等の与信管理について事前に情報収集を行うなど十分に留意しておりますが、予期せぬ得意先の経営破綻が発生した場合には、当社グループの財政状態および業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 繰延税金資産等
当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社グループの財政状態および業績に影響を与える可能性があります。
⑬ 地震等の自然災害によるリスクについて
地震等の自然災害が発生した場合、当社グループ拠点、設備等の損壊、電力・ガス等の供給困難により生産活動やサービス提供に支障を来たし、また、設備等の復旧に費用が発生し、グループの事業、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループでは、研究部門(全社(共通))において、東京都大田区下丸子に洗濯科学研究所をもっており、研究内容は主として洗濯溶剤の管理・事故品の経過追及等の業務であります。
当連結会計年度の研究開発費62百万円(セグメント上は配賦不能営業費用)となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
詳細につきましては、「第一部企業情報 第5経理の状況 1連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産合計は、137億2千3百万円となり、前連結会計年度末の118億円と比較して19億2千3百万円の増加となりました。主に、たな卸資産の増加19億3千5百万円によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産合計は、239億4千1百万円となり、前連結会計年度末の239億7千3百万円と比較して3千2万円の減少となりました。主に、土地の減少4億2千万円、無形固定資産の増加2億4千2百万円によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債合計は、122億4千2百万円となり、前連結会計年度末の145億9千5百万円と比較して23億5千3百万円の減少となりました。主に、支払手形及び買掛金の増加4億7千5百万円、短期借入金の減少6億2千1百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少21億6千1百万円によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債合計は、166億1千5百万円となり、前連結会計年度末の131億4千3百万円と比較して34億7千1百万円の増加となりました。主に、長期借入金の増加22億9千5百万円、リース債務の増加11億2千1百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、88億7百万円となり、前連結会計年度末の80億3千4百万円と比較して、7億7千2百万円の増加となりました。主に、利益剰余金の増加7億7千1百万円によるものです。
当連結会計年度の概況につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 1業績等の概要(1)業績」に記載しております。具体的な経営成績の分析につきましては以下のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は489億7千7百万円となり、前連結会計年度の売上高477億6千8百万円と比較して12億8百万円の増加となりました。セグメント別の業績及び主な理由につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 1業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上原価は416億5百万円となり、前連結会計年度の売上原価406億3千8百万円と比較して9億6千7百万円の増加となりました。販売費及び一般管理費は59億5千6百万円となり、前連結会計年度の販売費及び一般管理費57億7千7百万円と比較して1億7千9百万円の増加となりました。
上記の①売上高及び②売上原価、販売費及び一般管理費に記載しました理由により、当連結会計年度の営業利益は14億1千4百万円となり、前連結会計年度の営業利益13億5千3百万円と比較し6千1百万円の増加となりました。
当連結会計年度の営業外収益は3億4千3百万円となり、前連結会計年度の営業外収益4億2千8百万円と比較して8千5百万円の減少となりました。当連結会計年度の営業外費用は4億1千9百万円となり、前連結会計年度の営業外費用3億5千5百万円と比較して6千3百万円の増加となりました。
上記の④営業外損益に記載しました理由により、当連結会計年度の経常利益は13億3千8百万円となり前連結会計年度の経常利益14億2千5百万円と比較して8千6百万円の減少となりました。
当連結会計年度の特別利益は固定資産売却益3億4千1百万円、負ののれん発生益2億2千5百万円等により、5億7千1百万円となり、前連結会計年度の特別利益4千3百万円と比較して5億2千8百万円の増加となりました。
当連結会計年度の特別損失は固定資産処分損1億2百万円、減損損失1億1千3百万円等により2億1千6百万円となり、前連結会計年度の特別損失4千万円と比較して1億7千5百万円の増加となりました。
上記の⑥特別損益に記載しました理由により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は16億9千4百万円となり、前連結会計年度の税金等調整前当期純利益14億2千8百万円と比較して2億6千5百万円の増加となりました。
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計金額が、前連結会計年度と比較して1千2百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億5百万円となり,前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益7億3千5百万円と比較して、2億7千万円の増加となりました。
キャッシュ・フローの分析については、「第一部企業情報 第2事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
戦略的現状と見通しにつきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3対処すべき課題」に記載のとおりであります。
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3対処すべき課題」に記載のとおりであります。
経営成績に重要な課題を与える要因につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 4事業等のリスク」に記載のとおりであります。