文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「人々の清潔で、快適な生活空間づくりのために、たゆまぬ技術革新と感動を与えるサービスを提供し、社会に貢献する」ことを経営理念とし、1906年の創業から百十余年間、業界のリーディングカンパニーとして、たえず新しいサービスや技術に挑戦し、最先端を走り続けてまいりました。
2021年度からは、「Together 2023」をテーマとする新たな中期経営計画(3ヵ年)を開始しており、新型コロナウイルス感染拡大の影響で毀損した自己資本を回復し、成長軌道への回帰を目指すべく、不採算店舗の閉鎖や工場の再編等による固定費の削減や、ペーパーレス化の推進による業務効率の改善等、構造改革の更なる加速化に取り組んでおります。さらに、デジタルマーケティングの推進によるクリーニング需要の創造や、事業横断的な地域戦略の推進によるユニフォームレンタルの業容拡大等、経営計画に基づいた事業戦略を進めております。これらに加え、コンプライアンスの更なる徹底とコーポレートガバナンスの強化を通じて中長期的な企業価値の向上を図り、ステークホルダーの皆さまの期待と信頼に応えてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画(2021年度より3ヵ年)において、自己資本比率の20%以上への回復を目標としております。
(3)会社の経営環境、中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
①中期経営計画「Together 2023」
当社グループの事業を取り巻く環境は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響長期化に伴って、需要の回復に時間を要することが想定される等、依然として厳しい状況にあります。
このような状況を踏まえ、当社グループは2021年12月に中期経営計画の見直しを行い、構造改革の規模の拡大及び一層の加速化を図っております。修正後の計画では、マーケットがコロナ禍以前には戻らないことを前提に、需要が十分に見込めないクリーニング事業を中心として、収益性、成長性を踏まえた事業ポートフォリオの見直し・最適化を大胆に進めていきます。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を一層推進し、DX人材の計画的育成を急ぐとともに、デジタルを活用した売上機会の創出、付加価値創造による売上向上、電子化進展に伴う現場事務の本社集約による管理経費の削減等を行ってまいります。
これらの構造改革を、遅くとも今次中計最終年である2023年末までに完遂することにより、2023年目標値は売上・利益とも当初計画値から下方修正いたしますが、次期中計初年度である2024年での大幅利益改善を目指してまいります。
②各事業セグメントの市場環境と戦略
個人向けのクリーニング事業においては、新型コロナウイルスの感染拡大以降、外出の自粛や在宅勤務の浸透に伴って需要の低下が加速しており、人々のライフスタイルが変化していることから、感染拡大の鎮静化が進んだ後も需要の回復は限定的になることを前提として、事業戦略を策定しております。
具体的な取り組み事項として、不採算店舗の閉鎖計画の前倒しによる固定費圧縮と、「CLP(集配スタッフ)」「らくらく宅配便(宅配便を用いたネット宅配クリーニング)」への売上構成シフトを加速することにより、収益性の改善を図ってまいります。また、製造原価に照らした価格改定、会員ポイント施策の見直しによる採算改善、スマートフォンアプリの導入による顧客接点強化・デジタルマーケティングの推進や、非衣類・非クリーニングのサービス拡充等、市場環境の変化を踏まえた営業戦略をスピーディに遂行してまいります。
③事業ポートフォリオの基本方針
当社グループは、企業理念に基づきビジネスモデルを明確化し、経営戦略を策定したうえで、事業ポートフォリオを定期的に見直す仕組みを構築し、資本効率の高い事業ポートフォリオへの転換を実現することで、中長期的に企業価値の向上を図ってまいります。
事業ポートフォリオマネジメントを実施するための体制整備として、事業部門から独立した経営企画部を責任部署に定め、取締役会にて年1回以上、事業ポートフォリオに関する審議を行うこととしております。
事業ポートフォリオの見直しにあたっては、当社グループが保有する各事業について、資本収益性と成長性を軸とし、ROIC(投下資本利益率)等の指標を活用した定量的な事業評価とそれに基づく判断を行うことにより、経営資源配分の適正化に加え、事業ポートフォリオの転換、事業の切り出しを含めた事業再編を行ってまいります。
④サステナビリティへの取組み
当社グループは、これまでも環境負荷の低減に取り組んでまいりましたが、持続可能な社会の実現に向けた取組 をさらに強化・推進するため、サステナビリティを巡る課題への取組に係る基本方針として、以下のとおり「サステナビリティ基本方針」を策定しております。
〔白洋舍グループサステナビリティ基本方針〕
私たちは、白洋舍の基本精神である「奉仕の徹底」「一人代表」「開拓者精神」のもと、経営理念(社会的存在意義)である「人々の清潔で、快適な生活空間づくりのために、たゆまぬ技術革新と感動を与えるサービスを提供し、社会に貢献します」を実践しています。
経営にあたっては ESG を重視し、サステナビリティを巡る課題への対応は重要な経営課題であるという認識のもと、事業と環境(Environment)や社会(Social)とのかかわりに注視し、それらへの影響、それらからの影響を経営戦略に組み込み、規律づけられた企業統治(Governance)のもとで持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指します。また、事業活動にあたっては SDGsの 17 のゴールを白洋舍の 3 つの経営ビジョン「お客さま第一」「魅力ある職場」「自然との調和」に紐づけ、事業を通じて社会課題の解決に貢献すると共に、社会課題の解決に貢献することで企業価値の向上を目指します。

〔マテリアリティ(重要課題)の設定〕
社長が議長を務めるサステナビリティ委員会において、「自社にとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の両評価軸で課題を抽出し、リスクと機会の両面で分析を行ったうえで、当社が優先的に取り組むべき8つのマテリアリティ(重要課題)を特定致しました。
特定したマテリアリティは、それぞれ解決に向けた手段と具体的な取組方法を示し、その達成がSDGsのどの項目(ゴール)の解決に貢献するかを整理のうえ、取締役会による審議を受け、決定しております。今後も、マテリアリティへの取組に関する進捗を定期的にレビューし、必要に応じて見直すことにより、課題設定と計画の妥当性を担保してまいります。
(1)「リスク管理」の枠組み
・基本的な考え方
当社グループでは、「内部統制システムに関する基本方針」「リスク管理規程」を定め、同方針等に基づき、「リスクを知る」「リスクを避ける工夫をする」「非常事態が発生した場合は被害を最小化する」の3点を実践することにより、リスクマネジメントに取り組んでおります。
・リスク管理体制
当社グループでは、リスク管理における全社的な意思決定を適切に行うため、「リスクマネジメント委員会」を設置しております。また、「白洋舍グループリスク管理表」を作成し、リスク項目ごとの「発生頻度」と「影響度」に基づくリスク評価を行うことにより、重点管理すべきリスク項目とその対応策を洗い出し、リスク回避、被害最小化に向けた取り組みを推進しています。
<リスク管理体制図>

「リスクマネジメント委員会」
リスク管理の方針の決定、リスク管理規程の整備・運用状況の検証、その他リスク管理全般に関する事項についての審議
「グループ内部統制委員会」
当社と子会社とのグループ内でのリスク情報の共有とコンプライアンス遵守を目的に開催
(2)主要なリスク(リスク評価に基づき、重点管理すべきリスク項目)
当社グループの経営成績および財務状況等に重要な影響を与える可能性のある主要なリスクには以下のようなものがあります。
①新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、国内外の旅行客・観光客の減少に伴うホテル・レジャー施設等の休業や稼働率の低下が継続する場合、緊急事態宣言等による外出の自粛やリモートワークの普及などの生活様式の変化に伴いクリーニング需要の減少が想定以上に進んだ場合などには、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
また、特にレンタル事業においては、大手のホテル・レストラン・コンビニエンスストア等を中心とする大口法人得意の売上占有率が高く、外国人観光客減少等に伴うホテル稼働率の低下や得意先の業績不振、取引内容の変更、契約終了等が当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
[対応策]
当社グループにおいては、これまで、支店の統廃合、工場の閉鎖集約、店舗閉鎖、グループ会社の吸収合併、資産売却などを行い、収益構造改革を進めております。また、2021年度から「Together 2023 - 成長軌道への回帰」をテーマとした新中期経営計画(2021年~2023年の3か年計画)をスタートさせており、同計画に基づく構造改革の一層の加速化や新たな成長領域の創出による経営基盤の再構築を推進することにより、新型コロナウイルス感染拡大によって毀損した自己資本の回復を図り、成長軌道への回帰を目指しております。2021年12月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響長期化を踏まえ、中期経営計画の見直しを行っており、特に個人向けのクリーニング事業においては、マーケットがコロナ禍以前には戻らないという前提の元、構造改革の更なる規模の拡大、加速化を図っております。
また、レンタル事業においては、新規顧客の獲得や取引業種の多様化への取り組みを進めており、特定取引先への集中リスクの抑制に努めております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止にあたっては、社長を本部長とする新型コロナウイルス緊急対策本部の設置、「新型コロナウイルスによる感染予防及び顧客対応方針」の制定および周知徹底、職場および日常生活における従業員の感染予防対策の実施、在宅勤務や時差出退勤の励行など、お客さまと従業員の安全を最優先に、適切な感染防止策を実施しながら事業活動を展開しております。
②自然災害等に関するリスク
地震・風水害等の自然災害が発生した場合、当社グループ拠点や設備等の損壊、電力・ガス等の供給困難による生産活動やサービス提供への障害、損壊した設備等の復旧費用の発生、あるいは、取引先ホテル等の営業状態への甚大な影響などにより、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
自然災害を想定した設備対応と安否確認訓練のほか、地震対策本部設置を含む初動対応訓練の実施等により、事業継続計画(BCP)の対応強化を図っております。一方、需要減少への対応力を高めるため、工場での機動的な生産調整等による損益分岐点引き下げや、外部委託先の活用による費用の変動費化に努めております。
③中期経営計画の進捗に関するリスク
当社グループは、2021年度を初年度とする今後3年間の中期経営計画を策定し、新型コロナウイルス感染拡大によって毀損した自己資本の回復を図り、成長軌道への回帰を目指しております。しかしながら、構造改革に向けた取り組みの遅れ等により、中期経営計画の進捗に遅延が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
当社グループは、これまで進めてきた構造改革を加速化し、事業ポートフォリオの最適化による収益力の安定・強化およびリスク分散を実現するとともに、新たな成長領域の創出による企業価値の向上に取り組んでまいります。また、中期経営計画の進捗状況については、年2回、取締役会で報告し、フォローアップを行っております。
2021年12月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響長期化を踏まえ、中期経営計画の見直しを行いました。2023年度の目標数値については下方修正を行った一方、次期中期経営計画初年度である2024年における大幅利益改善を目指し、営業チャネルシフト計画(店舗部門を縮小し、収益性の高いCLP(集配スタッフ)やネット宅配クリーニングへ売上構成比率をシフトする計画)の完遂予定時期の前倒し等、構造改革の取組について更なる規模の拡大、加速化を図ってまいります。
④工場機械・設備に関するリスク
ドライクリーニング工場には石油系の洗浄・乾燥設備があり、万一爆発火災が発生すれば、人身事故、近隣への延焼、クリーニング品の焼失、工場設備の焼損など多大な損害につながる可能性があります。
[対応策]
工場に防火防爆の安全対策を施すとともに、関係法令に基づく各種マニュアルを定め、リストに基づく日常点検・定期点検、工場部による業務点検や防災訓練を実施しております。また、支店長・工場長等を対象とした石油系溶剤安全管理に関する試験を実施しております。
⑤資金調達に関するリスク
当社グループの事業資金の一部は金融機関からの借入により調達しています。景気の後退、金融収縮等の全般的な市況の悪化や業績悪化による信用力の低下等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達できない可能性があります。また、今後、長期金利や短期金利が上昇した場合、借入コストの増加により当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループの借入金にはシンジケート・ローンが含まれており、財務制限条項が付されています。業績の悪化等により同ローンの期限前弁済義務が生じた場合には、当社グループの財政状態に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
金融機関等と十分なコミュニケーションを通じて資金繰りを確保しながら、中期経営計画に基づく収益構造改革による収益力の向上により、中長期的に借入金の圧縮を図りながら、当社グループにおける財務基盤を強化してまいります。
⑥環境汚染に関するリスク
クリーニング施設の廃止等にあたり、土壌汚染対策法で規定された土壌改良等の対応が必要となった場合には、経営成績への一定の悪影響が生じる可能性があります。また、環境関連その他で新たな法令、規制等が強化・導入された場合、業務への支障や対応コストが経営成績や財務状況に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、「白洋舍グループ環境方針」「白洋舍グループ環境保全規程」および各種マニュアルを定め、溶剤使用に係る保守管理点検や従業員への教育訓練を実施しております。また、ドライクリーニング洗場床面の樹脂被膜による不浸透化や洗濯科学研究所による土壌調査、排水測定等の土壌汚染防止対策の実施等により事業活動に伴う環境汚染の防止に努めています。
⑦クリーニング品質に関するリスク
当社グループは、お客さまの期待と信頼に応え続けていくために常に品質・サービスの向上に努めております。しかしながら、万一、当社が定めた品質基準や洗浄工程等を守られていない等の不正が発生し、当社グループに対する信用低下や多額の損害賠償責任が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、品質検査要項や各種マニュアルを定め、当社基準に従った適正な洗浄が行われていることを定期的に点検するとともに、洗浄品質維持のため、全国の工場の洗浄品質を一斉にチェックする試験(洗浄管理試験)を定期的に実施しております。また、特に品質不正によるブランド毀損の回避・最小化を目的として、本社内に品質管理に関する統括・監査組織(品質管理室・品質監査室)を設置し、内部管理体制の強化を図っております。
⑧情報漏えいに関するリスク
当社グループは、事業を展開するうえで、お客さま及び取引先の個人情報や機密情報、当社グループ内の個人情報や経営情報を保有しております。しかしながら、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報が漏洩し問題が発生した場合には、社会的信用の低下、漏えい対策強化や損害賠償等の費用の発生など、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
当社グループは、すべての役員および従業員に対する行動規範、法令・ガイドライン等に基づくプライバシーポリシー、各種規程(個人情報管理規程、情報システム管理規程等)やマニュアルを定めるとともに、定期的な研修の実施を通じて、個人情報の適正な管理および取り扱いを行っております。また、セキュリティソフトの導入、データの暗号化、サーバへのアクセス管理等による情報管理システムにおける安全対策を実施しております。
⑨外部委託先管理に関するリスク
当社グループは、業務の一部をグループ外部の工場等へ業務委託しています。委託先において法令違反や品質管理等に問題が発生した場合など、委託先における業務に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
[対応策]
当社グループでは、業務委託に関する問題発生を未然に防止するため、委託先への定期的な巡視・指導・点検を行うなど、委託先と綿密な連携をとりながら、関連法規制の遵守、品質管理等の徹底を図っております。
⑩その他のリスク
・減損会計適用の影響
当社グループは、事業用の不動産をはじめとする固定資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなると減損処理が必要となる場合があり、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を与える可能性があります。
・繰延税金資産等
当社グループでは、将来の課税所得等に関する予測に基づき回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産等を計上しております。しかし、今後の業績動向等により、一部ないし全部について回収可能性が低いと判断された場合、繰延税金資産等の計上額が修正され、当社グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。
(3)継続企業の前提に関する重要な事項
当社グループは、新型コロナウイルス感染症が依然として収束しない状況下において、個人向けクリーニング事業における集品の減少やリネンサプライ事業における得意先ホテルの稼働率の低下等により前連結会計年度から継続して営業損失を計上しております。これらの状況から、当連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況が存在しております。
当社グループはこのような状況を解消すべく、事業拠点の統廃合による工場稼働の効率化によるコスト低減等、当連結会計年度末以降の業績回復を展望した構造改革の加速化に取り組んでおります。また、資金面では、翌連結会計年度の事業計画等をもとに金融機関に対し説明を行い、必要な資金調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。以上から、当該重要事象等を解消、改善するための対応策を講じることにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
なお、当連結会計年度末において当社のシンジケートローンに付された純資産の金額に係る財務制限条項に抵触しているものの期限の利益喪失による一括返還請求権は放棄する旨の同意を得ております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(経営成績等の状況の概要)
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の断続的な発出等を背景に、個人の消費行動や社会全体の経済活動が大きく影響を受ける形となりました。ワクチンの接種がスタートし、秋期には緊急事態宣言が解除される等、収束に向けた動きも一時的には見られましたが、本年1月にはオミクロン株の感染拡大を受けて、まん延防止等重点措置が再度発出される等、先行きは依然として不透明であります。
こうした状況下、当社グループにおいては、「Together2023」をテーマとする新たな中期経営計画(2021年度より3ヵ年)に基づき、不採算店舗の閉鎖による固定費の削減や、集配やネット宅配といった収益性の高い営業チャネルへの売上構成比率のシフト、ユニフォームレンタル事業の業容拡大、デジタル化の推進による業務効率の改善等、構造改革の加速化と新たな成長領域の創出に向けた取り組みを進めてまいりました。2021年12月には、新型コロナウイルスの感染拡大の影響の長期化を踏まえ、中期経営計画の見直しを行い、取り組みの更なる加速化と規模の拡大を図っております。
当社グループの売上高は、外出自粛・在宅勤務等を背景とするクリーニング需要の低迷等による集品の減少や、レンタル事業における法人得意先の稼働減等により、351億3千1百万円(前年比10.3%減)となりました。営業損失は、不採算店舗の閉鎖等の構造改革を推進し、人件費等固定費の圧縮を図ったこと等から、29億7百万円(前年は営業損失47億4千2百万円)、経常損失は21億7千9百万円(前年は経常損失44億3千9百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、固定資産(不動産)の売却益や環境対策引当金を計上したこと等により、12億4千9百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失は31億5千9百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「その他」に含めておりましたクリーンサービス事業のうちハウスクリーニング事業を「クリーニング」に含めて記載しており、変更後の算定方法による前年同期の金額と比較しております。
<クリーニング>
個人向けのクリーニング事業は、服装のカジュアル化等を背景に、中長期的に需要が低下する傾向にありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降は、外出の自粛や、在宅勤務の普及等の影響により、ビジネスウェアやおしゃれ着のクリーニング需要の減少に一層拍車が掛かっております。こうした状況を受け、当社グループでは、不採算店舗の閉鎖を通じて店舗部門を縮小すると共に、集配部門等の収益性の高い営業チャネルに売上構成比率をシフトさせるチャネルシフト計画を進める等、事業の収益性を改善するための構造改革を推進しております。
需要の低下に伴ってワイシャツや背広等のクリーニング売上が低調に推移したことから、クリーニング事業の売上高は171億3千6百万円(前年比8.5%減)となりましたが、構造改革の進捗に伴い、人件費や賃借料等、実店舗の運営に関わる経費が減少したこと等から、セグメント損失(営業損失)は、4億1千8百万円(前年はセグメント損失(営業損失)12億2千万円)となりました。
<レンタル>
レンタル事業は、主にホテル・レストラン等のリネン品を取り扱うリネンサプライ部門と、コンビニエンスストアや外食産業、食品工場等のユニフォームを取り扱うユニフォームレンタル部門との、2つの部門からなる法人向け事業です。
当事業は、新型コロナウイルス感染拡大以降、厳しい事業環境が続いておりますが、政府の観光立国化政策やHACCP(食品衛生管理の世界標準)の義務化等を踏まえ、コロナ後における需要の回復を見据えた体制整備を推進しております。
リネンサプライ部門においては、年初から緊急事態宣言が断続的に発出されたことを背景に、得意先ホテルの稼働率が低調に推移し、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間や、9月末の宣言解除以降には回復の動きも見られたものの、年間での売上は減少いたしました。また、ユニフォームレンタル部門においては、得意先ナショナルチェーンや外食店舗等の稼働減に伴い、レンタルユニフォームの取扱いが減少いたしました。
これらの結果、レンタル事業の売上高は158億5千3百万円(前年比8.7%減)となりましたが、取引量の減少に対応し、一部工場の休業による生産拠点の集約や、工場の稼働日数の調整等により経費の削減を図ったこと等から、セグメント損失(営業損失)は10億4百万円(前年はセグメント損失(営業損失) 19億3千4百万円)となりました。
<不動産>
不動産事業では、不動産の賃貸および管理を行っております。
不動産事業の売上高は4億9千3百万円(前年比4.4%減)、セグメント利益(営業利益)は4億1千6百万円(前年比16.8%増)となりました。
<物品販売>
物品販売事業では、クリーニング業務用の機械・資材や、ユニフォーム等の販売を行っております。
連結子会社において、クリーニング資材やユニフォーム等の売上が減少したことから、物品販売事業の売上高は4億4千8百万円(前年比38.5%減)、セグメント利益(営業利益)は9千1百万円(前年比24.2%減)となりました。
<その他>
その他の事業として、モップ・マットのレンタル等を手がけるダストコントロール事業を行っております。
当第4四半期連結会計期間において、同事業を手がける株式会社レンテックスの株式を売却し、同社が連結決算の範囲から除外されたこと等から、その他事業の売上高は11億9千9百万円(前年比33.9%減)、セグメント損失(営業損失)は、2千2百万円(前年はセグメント損失(営業損失) 4千万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー支出2千9百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー収入17億6千1百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー支出17億7千1百万円などにより2千1百万円減少いたしました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年比2%減の10億4千4百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失△9億2千7百万円、減価償却費15億5千7百万円などにより2千9百万円の支出(前年比97.8%減)となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入17億円などにより、17億6千1百万円の収入(前年比88.8%増)となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入れによる収入199億2千7百万円、長短借入金の返済による支出209億1千1百万円、リース債務の返済による支出7億5百万円などにより、17億7千1百万円の支出(前年は7億8千万円の収入)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当グループは見込み生産を行っていないため、該当事項はありません。
販売実績は、生産実績と同一であるため記載しておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載しております。
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産合計は、93億6百万円となり、前連結会計年度末の111億5千6百万円と比較して18億5千万円の減少となりました。主に、受取手形及び売掛金の減少3億5百万円、たな卸資産の減少14億5千7百万円によるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産合計は、221億5百万円となり、前連結会計年度末の236億9千9百万円と比較して15億9千4百万円の減少となりました。主に、建物及び構築物(純額)の減少4億3百万円、機械装置及び運搬具(純額)の減少4億2千1百万円、投資有価証券の減少3億8千4百万円によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債合計は、112億4百万円となり、前連結会計年度末の142億7千2百万円と比較して30億6千7百万円の減少となりました。主に、短期借入金の減少6億1千万円、1年内返済予定の長期借入金の減少20億1千6百万円によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債合計は、158億3千万円となり、前連結会計年度末の145億2千5百万円と比較して13億4百万円の増加となりました。主に、長期借入金の増加15億6百万円によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、43億7千6百万円となり、前連結会計年度末の60億5千7百万円と比較して、16億8千1百万円の減少となりました。主に、利益剰余金の減少12億4千4百万円によるものです。
当連結会計年度の概況につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。具体的な経営成績の状況の分析につきましては以下のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は351億3千1百万円となり、前連結会計年度の売上高391億4千6百万円と比較して40億1千5百万円の減少となりました。セグメント別の業績及び主な理由につきましては、「第一部企業情報 第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上原価は329億5千8百万円となり、前連結会計年度の売上原価382億5千6百万円と比較して52億9千7百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は50億8千万円となり、前連結会計年度の販売費及び一般管理費56億3千2百万円と比較して5億5千2百万円の減少となりました。
上記の①売上高及び②売上原価、販売費及び一般管理費に記載しました理由により、当連結会計年度の営業損失は29億7百万円となり、前連結会計年度の営業損失47億4千2百万円と比較し18億3千4百万円の減少となりました。
当連結会計年度の営業外収益は10億3千1百万円となり、前連結会計年度の営業外収益6億2千7百万円と比較して4億4百万円の増加となりました。当連結会計年度の営業外費用は3億3百万円となり、前連結会計年度の営業外費用3億2千4百万円と比較して2千万円の減少となりました。
上記の④営業外損益に記載しました理由により、当連結会計年度の経常損失は21億7千9百万円となり前連結会計年度の経常損失44億3千9百万円と比較して22億5千9百万円の減少となりました。
当連結会計年度の特別利益は固定資産売却益16億2千3百万円等により20億5千2百万円となり、前連結会計年度の特別利益13億5千6百万円と比較して6億9千6百万円の増加となりました。
当連結会計年度の特別損失は減損損失1億8千1百万円、環境対策引当金繰入額5億2千6百万円等により8億1百万円となり、前連結会計年度の特別損失1億6千1百万円と比較して6億3千9百万円の増加となりました。
上記の⑥特別損益に記載しました理由により、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は9億2千7百万円となり、前連結会計年度の税金等調整前当期純損失32億4千4百万円と比較して23億1千6百万円の減少となりました。
法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の合計金額4億3千4百万円が、前連結会計年度1億1千5百万円と比較して3億1千9百万円の増加となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は12億4千9百万円となり、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失31億5千9百万円と比較して、19億9百万円の減少となりました。
当社グループは、新中期経営計画(2021年度より3ヵ年)において、自己資本比率の20%以上確保を目標としております。
当連結会計年度においては、自己資本比率は13.5%となり新中期経営計画 (2021年度より3ヵ年)の目標値は未達となっております。
当社グループは、資金計画に基づき、必要な運転資金や設備資金は、長期の銀行借入及び社債により調達しております。資金の流動性については、充分な当座借越枠を設定することにより、手元流動性を確保しております。
該当事項はありません。
当社グループでは、研究部門(全社(共通))において、東京都大田区下丸子に洗濯科学研究所をもっており、研究内容は主として洗濯溶剤の管理・事故品の経過追及等の業務であります。
当連結会計年度の研究開発費