(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国をはじめとするアジア諸国の景気の下振れ懸念、英国のEU離脱に向けた動き、米国新政権の政策運営等、海外経済の不確実性が増し、景気の先行きが不透明な状況の中、日本政府による各種政策、日銀の継続的な金融緩和政策を背景に、雇用・所得環境に改善が続くなど緩やかな回復基調での推移となりました。
建設コンサルタント業界においても、公共事業関係予算の前倒し執行、景気の緩やかな回復基調での推移もあり、公共事業需要及び民間需要ともに好調に推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループでは「まちづくり業務」の豊富な経験と実績を活かし、「まちづくりのソリューション企業」として東日本大震災の復興業務の完遂に貢献していくとともに、都市再生・地方再生業務、公有地アセットマネジメント業務、東京オリンピック・パラリンピック関連業務、まちづくり事業推進サポート業務などを重点分野と位置づけて積極的な営業活動を展開してまいりました。また、区画整理事業ではプロジェクト全体を俯瞰できるコンサルタントとしての経験、知見や保留地の処分能力を活かして、調査設計業務に加え業務代行者としての参画を企図し、「まちづくり業務」の収益性向上を図るとともに、土木管財業務、個人向け不動産資産の活用事業、PM/CM、海外事業、システム開発などへの業域拡大により、「まちづくり業務」の更なる高付加価値化に注力してまいりました。
当連結会計年度の概況は以下のとおりであります。
官庁受注及び民間受注がともに順調に推移したことにより、受注高につきましては15,092百万円(前年同期は15,841百万円)となり、手持受注残高は8,964百万円(前年同期は9,414百万円)を確保することができました。
売上高につきましては、東日本大震災復興関連業務を中心に15,542百万円(前年同期は15,479百万円)となりました。
営業利益は1,045百万円(前年同期は915百万円)、経常利益は1,097百万円(前年同期は983百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は702百万円(前年同期は746百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して330百万円増加し1,101百万円(前年同期は771百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは2,304百万円の収入(前年同期は369百万円の収入)であり、主なものは、税金等調整前当期純利益977百万円と売上債権の減少による収入1,688百万円、法人税等の支払額301百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは13百万円の収入(前年同期は641百万円の支出)であり、有価証券の売却による収入143百万円、有形固定資産の取得による支出117百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは1,986百万円の支出(前年同期は181百万円の収入)であり、短期借入金の純減額1,570百万円、配当金の支払いによる支出215百万円及び自己株式取得による支出144百万円等によるものであります。
(1)生産高実績
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の生産高を記載しております。
|
業務の区分等 |
生産高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
2,797,169 |
18.2 |
108.4 |
|
環境業務 |
744,739 |
4.8 |
55.3 |
|
まちづくり業務 |
6,735,745 |
43.7 |
95.0 |
|
設計業務 |
3,477,844 |
22.6 |
125.9 |
|
事業ソリューション業務等 |
1,653,411 |
10.7 |
87.9 |
|
合計 |
15,408,908 |
100.0 |
98.4 |
(注)1.価格の基準は販売価格であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注高実績
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の受注高を記載しております。
|
業務の区分等 |
受注高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
2,865,444 |
19.0 |
106.3 |
|
環境業務 |
747,248 |
5.0 |
67.7 |
|
まちづくり業務 |
6,964,672 |
46.1 |
95.6 |
|
設計業務 |
3,528,242 |
23.4 |
114.3 |
|
事業ソリューション業務等 |
986,460 |
6.5 |
59.0 |
|
合計 |
15,092,066 |
100.0 |
95.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前期以前に受注した業務で、契約額の増減があるものについては、変更の行われた期の受注高にその増減額を含んでおります。
(3)完成高実績
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の完成高を記載しております。
|
業務の区分等 |
完成高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
2,575,336 |
16.6 |
87.3 |
|
環境業務 |
1,055,648 |
6.8 |
96.7 |
|
まちづくり業務 |
6,952,246 |
44.7 |
103.1 |
|
設計業務 |
3,263,526 |
21.0 |
115.3 |
|
事業ソリューション業務等 |
1,695,317 |
10.9 |
90.8 |
|
合計 |
15,542,073 |
100.0 |
100.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の完成高及び当該完成高の総完成高に対する割合は次のとおりであります。
|
相 手 先 |
前連結会計年度 (自 平成27年6月1日 至 平成28年5月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年6月1日 至 平成29年5月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
(独)都市再生機構 |
1,605,563 |
10.4 |
2,068,580 |
13.3 |
|
財務省 |
1,900,376 |
12.3 |
1,615,576 |
10.4 |
|
石巻市 |
1,587,271 |
10.3 |
- |
- |
(4)手持受注高
当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の手持受注高を記載しております。
|
業務の区分等 |
手持受注高(千円) |
構成比(%) |
前年同期比(%) |
|
建設コンサルタント業務 地理空間情報業務 |
1,673,386 |
18.7 |
121.0 |
|
環境業務 |
681,924 |
7.6 |
68.9 |
|
まちづくり業務 |
4,475,688 |
49.9 |
100.3 |
|
設計業務 |
1,593,785 |
17.8 |
119.9 |
|
事業ソリューション業務等 |
540,172 |
6.0 |
43.2 |
|
合計 |
8,964,955 |
100.0 |
95.2 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「優れた技術と豊富な経験を活かし、高品質のサービスを提供することにより社会の発展に貢献するとともに、顧客・株主・社員の期待に応えること」を経営方針とし事業活動を行っております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標
当社グループは、2016年7月に、2017年5月期を初年度とする中期経営計画(2017年度~2019年度)を策定しており、実行しております。
同計画では、以下の基本方針の下、様々な事業施策に取り組んでおります。
<基本方針>
事業領域の進化・拡大と、技術力の更なる研鑽による環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立
<重点施策>
技術士200名体制の構築
<事業施策>
(1)既存事業領域の差別化による持続的な成長
(2)高付加価値提案型サービスの展開による事業領域の拡大
なお、具体的な数値目標として、中期経営計画最終年度である2019年5月期に連結売上高16,000百万円、営業利益1,010百万円の達成を掲げております。
(3)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、建設コンサルタント官庁市況においては、公共投資は緩やかな減少傾向を辿っておりましたが、予算執行の前倒し等により回復基調にあります。東日本大震災復興関連事業におきましては、発生当初から当社が業務を行っております宮城県石巻・女川地区の基盤整備を主とする震災復興関連業務が完遂に向うことに伴い、その受注は減少傾向を予想しております。民間市況におきましては、物流施設開発や2020年東京オリンピック・パラリンピック関連業務などにより、引き続き好調な受注環境を予想しております。
このような事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画(2017年度~2019年度)に基づき、「事業領域の進化・拡大と、技術力の更なる研鑽による環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立」を基本方針として、重点施策である「技術士200名体制の構築」と、事業施策である「既存事業領域の差別化による持続的な成長」、「高付加価値提案型サービスの展開による事業領域の拡大」を推進してまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループの技術力を基盤としつつ、次の4点を当面の課題に掲げ、業績の向上ならびに社業の発展に努めてまいります。
① 技術力の強化
当社グループが今後も持続的な成長を達成するためには、技術力の更なる研鑽が必要と考えております。これは生産性の向上だけでなく、受注にも寄与するものと考えております。具体的には、中期経営計画にも掲げたとおり上下水道、河川・砂防、道路、鋼構造、土質及び基礎などの技術士を増やしてまいります。
② 人材の確保
当社グループの成長は、技術部門の優秀な技術者や高度な熟練技能者等によって支えられているため、専門的な知識、経験及び資格を有する人材の採用を積極的に行うとともに、新卒採用を毎年継続的に行い、有能な人材を確保することにより、技術力の確保及び伝承に努めてまいります。
③ 事業領域の拡大
当社グループは、既存事業領域の成長とともに、土地管理業務、工事等の土木管財事業を拡大させ、幅広いニーズに対応するために同業他社との提携・協業関係の強化、建設コンサルタントの知識経験を活かした個人向けコンサル事業などの高付加価値提案型サービスの展開等による事業領域の拡大を推進してまいります。
④ 財務体力・収益性の改善
財務体質を改善し企業価値を向上させるためには、キャッシュ・フローの改善は欠くことのできない課題であり、引き続き売掛債権の圧縮に努めてまいります。また、D/Eレシオ、自己資本比率の改善を図るとともに、ROEの更なる改善に向けて資本の効率性向上に努めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあると考えております。
記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
(1)成果品の瑕疵責任と賠償
成果品のミス・エラー等による瑕疵責任が発生しない様に、成果品のチェック体制には、万全の注意を払っておりますが、現状での建設コンサルタント業における瑕疵担保責任の範囲は、損害賠償の限度がない「公共土木設計業務等標準委託契約約款」に規定されていることから、業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)官公庁受注への依存
主要顧客である国及び地方公共団体の公共事業費予算が総体的に厳しい状況にある中、公共事業の更なる縮小などがあった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、東日本大震災に係る復興関連設計業務は減少傾向が見込まれるため、他地区における復興関連業務、福島県における除染モニタリング業務及び除染後のまちづくり業務等、安定受注の確保に向け、引き続き注力しておりますが、東日本大震災に係る復興関連業務の受注動向次第では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)民間取引先の信用リスク
受注額の3~4割程度は民間企業との取引ですが、今後の経済状況の変化に伴い当該企業の破綻等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)保有資産の価格変動
当社は、東京・東北を中心として自社ビル・不動産等を保有しております。
今後の不動産市況の動向如何によっては、当社が保有する資産価値が下落し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)本社ビル老朽化の問題
当社が東京都目黒区青葉台に保有する本社ビルは昭和44年に竣工したもので、本社及び東京支店が入居しております。同ビルは旧耐震基準に基づき建設されましたが、経年劣化もあり大規模・直下型の地震等に対して耐震上の問題があると考えております。当社グループの最大の資産は技術を有する人材であり、全社員の約半数が勤務している本社ビルの現況については事業リスクの一部を構成するものと認識しております。当社といたしましては、本社・東京支店の移転を含めて引き続き検討をしております。
(6)自然災害について
当社グループの全社員のうち約半数の社員の勤務が東京都に集中しております。そのため、東京都で地震等の自然災害があった場合、業務不能又は、業務能力の低下が発生して、業務が滞る可能性があります。また、東京都に限らず当社グループの支店、営業所等において、自然災害により操業停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)人材確保について
当社グループの成長は、技術部門の優秀な技術者や高度な熟練技能者によって支えられており、当社グループが今後も高い競争力を維持していく上でこれらの人材確保はますます重要となっております。また、技術面のみならず、当社グループの成長過程においては、経営管理面の優秀な人材確保も一層重要になっております。一方、こうした人材への需要は大きく、企業間における人材の獲得競争は激しいものとなっております。これらの有能な人材の確保及び雇用の維持が困難な場合には、当社グループの成長に影響を及ぼす可能性があります。
(8)新規事業の取り組みに伴うリスクについて
当社グループでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後も新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、現在進行中の新規事業のうち、北海道北広島における太陽光発電の売電事業の管理運営は、事業環境の著しい悪化等により計画どおりに推移しなかった場合には、太陽光発電所施設の減損損失が発生する可能性があります。
(9)売上・営業利益の季節的変動について
当社グループの売上高は、第4四半期連結会計期間に完成する業務の割合が大きいため、第1、第2、第3四半期連結会計期間までの各四半期連結会計期間の売上に比べ第4四半期連結会計期間の売上が増加する傾向にあり、業績を判断する場合に留意を要します。
なお、最近2連結会計年度における四半期の売上高及び営業損益の推移は下表のとおりであります。
|
|
平成28年5月期 |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
|
売上高(千円) |
483,663 |
4,162,718 |
911,464 |
9,922,119 |
15,479,964 |
|
構成比(%) |
3.1 |
26.9 |
5.9 |
64.1 |
100.0 |
|
営業損益(千円) |
△527,746 |
259,828 |
△369,578 |
1,553,012 |
915,516 |
|
|
平成29年5月期 |
||||
|
第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期 |
第4四半期 |
合計 |
|
|
売上高(千円) |
1,240,248 |
3,396,900 |
1,643,484 |
9,261,440 |
15,542,073 |
|
構成比(%) |
8.0 |
21.8 |
10.6 |
59.6 |
100.0 |
|
営業損益(千円) |
△312,668 |
154,872 |
△146,494 |
1,349,639 |
1,045,348 |
(10)法的規制について
当社グループは事業活動を行う上で、独占禁止法、下請法、個人情報保護法等の様々な法規制の適用を受けております。これからの法規制の遵守を徹底するため、すべての役員及び従業員が、行動規範の基本原則である「法令遵守」の精神を理解し、公正で透明な企業風土の構築に努めております。また、コンプライアンス規程、コンプライアンスマニュアルを定め、運用体制を整備し、当社グループ全体での厳格な運用に努めております。しかしながら、万が一これらの法規制を遵守できなかった場合には、社会的な信用や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、主務官庁から建設コンサルタント登録や測量業登録をはじめとして、様々な登録、許認可を受けて事業をおこなっていることから、登録、許認可の根拠となる各法令等を遵守し、許認可等の更新に支障が出ないよう、役職員の教育等に努めております。
しかしながら、役員が罰金以上の刑に処されることその他何らかの理由により登録、許認可の取り消しや更新ができない状態が発生した場合及び関連法規の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の登録、許認可取り消し事由に抵触しておりません。
|
登録の種類 |
保有会社 |
有効期限 |
取消事由 |
|
建設コンサルタント登録 |
当社 |
平成31年9月30日 |
建設コンサルタント登録規程 第12条、13条 |
|
日本都市整備㈱ |
平成34年2月23日 |
||
|
東北都市整備㈱ |
平成31年7月16日 |
||
|
近畿都市整備㈱ |
平成32年2月26日 |
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、本社・技術本部・システム開発事業部を中核として、既存技術の高度化並びに時代の変化を先取りした新規業務の研究開発を、全支店の専門技術者と連携を図りつつ実施しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費総額は121百万円となっております。
具体的には、「まちづくりのソリューション企業」として、震災復興業務の完遂を目指すと共に復興関連業務で得た知見・知識の更なる展開、急速に進む少子・高齢化及び安全・安心に馴染むまちづくりなどの幅広い技術、またこれからの建設産業動向を見据えた新技術に注力してまいりました。その結果、「CM(コンストラクション・マネジメント)、PM(プロジェクト・マネジメント)技術の更なる研究と応用」、「国土強靭化に資する多様な防災・減災技術」、「長寿命化計画策定技術の研究と応用」、「コンパクトなまちづくりの研究と応用」、「CIM(コンストラクション・インフォメイション・モデリング)技術の導入」などへの展開を行っております。更に、システム開発事業部では、GIS(ジオグラフィック・インフォメイション・システム:地理情報システム)技術を中心にこれらに関連するシステムの研究・開発を行っております。
個別の研究開発活動は、以下の通りです。
・自治体の技術者不足・財政難を背景にCM・PM業務の需要が高まりつつある中、当社の技術者の多くは震災復興業務に携わり、そのノウハウの蓄積と分析を基にコスト縮減並びに工期短縮に向けた技術提案に取り組んでおります。
昨年発生した熊本地震では、これらの知見を技術提案書に盛り込み「平成28年熊本地震からの市街地復興方策検討調査業務」を国土交通省からプロポーザルで特定に至っております。
・今後、発生が予測される南海トラフ・首都直下型地震などの大規模な災害に対し、防災まちづくりなどへの展開、平常時でも有効に活用できる工夫など、国土強靭化に資する幅広い技術提案を昨年と同様に取り組んでおります。
また、国土強靭化の一助となるインフラの点検・調査においては、MMS(モービル・マッピング・システム:移動計測装置)、3Dレーザースキャナーなど駆使し効率的に計測を行い、橋梁長寿命化計画・下水道長寿命化計画・公園長寿命化計画などと合わせ研究・開発を実施し、同時に技術提案も行っております。
・大幅な人口減少が叫ばれる中、これからのまちづくりは「コンパクトなまちづくり」が主流となることが予想されることから都市再生・中心市街地活性化など研究開発にも取り組んでおり、集約型都市構造を目指した立地適正化計画・公共施設等管理計画なども推進しております。その一環としてシステム開発事業部では、公共施設等管理計画に準拠したシステムの研究・開発を行っております。
また、「コンパクトなまちづくり」おいて、将来的に懸念される市街化区域内農地の保全制度である生産緑地の営農義務が解除されることから、その後の相続・活用・承継対策などのコンサルティングサービスにも取り組んでいます。
・建設就業者が減少傾向にある現在、国土交通省ではi-Con(アイ-コンストラクション:情報化施工)を推奨しております。当社においては、i-Con対応のCIM技術に関して、第83期から全店を対象に地理空間情報・まちづくり・設計各部門でCIMソフトのハンズオン研修並びに課題を与えた実務研修などを実施しております。昨今では、MMS・3Dレーザースキャナーなどにより取得した3次元地図データをCIMと連動させ、i-Conへの展開を図っております。
・システム開発事業部では、当社独自開発であるGIS技術(CMAPT-4)の後継機種となる(CMAPT-5)のコアエンジンの開発が終了すると共にこのエンジンをベースに、3D対応・クラウド化などへの機能強化を図っております。
その他、CMAPT-4・CMAPT-5のアプリケーションを他部門との連携を図り、「公園管理システム改訂版」、などの開発の他「MMS3次元点群データ現況復元ツール」などの研究開発にも取り組んでおります。
当社グループは、被災地における一日も早い復興を目指し、これからも鋭意努力する所存であります。また、常に時代の要請、社会環境の変化に応じて、新技術の開発及びこれまで培ってきた技術を総合し、「まちづくりのソリューション企業」と致しまして、これからも社会に貢献してまいります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
なお、当社グループは、まちづくりのソリューション企業として、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一の事業の企業集団であるため、セグメント情報は記載しておりません。
当連結会計年度の受注高は15,092百万円(前年同期は15,841百万円)となりました。前連結会計年度に比べ749百万円減少いたしました。
(1)業績報告
① 売上高
売上高は15,542百万円(前年同期は15,479百万円)となりました。前連結会計年度に比べ62百万円増加いたしました。
② 売上総利益
売上総利益は3,706百万円(前年同期は3,705百万円)となりました。売上高に対する売上総利益率は23.9%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ1百万円増加、0.1%減少いたしました。
③ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は2,661百万円(前年同期は2,789百万円)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費率は17.1%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ128百万円、0.9%減少いたしました。
④ 営業利益
営業利益は1,045百万円(前年同期は915百万円)となりました。売上高に対する営業利益率は6.7%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ129百万円、0.8%増加いたしました。
⑤ 営業外損益
営業外損益は51百万円の利益(前年同期は68百万円の利益)となりました。前連結会計年度に比べ16百万円減少いたしました。営業外収益は81百万円となり、その主な要因は受取配当金によるものであり、前連結会計年度に比べ36百万円減少いたしました。営業外費用は29百万円となり、その主な要因は支払利息によるものであり、前連結会計年度に比べ20百万円減少いたしました。
⑥ 経常利益
経常利益は1,097百万円(前年同期は983百万円)となりました。売上高に対する経常利益率は7.1%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ113百万円、0.7%増加いたしました。
⑦ 特別損益
特別損益は120百万円の損失(前年同期は51百万円の損失)となりました。前連結会計年度に比べ68百万円減少いたしました。特別利益は0百万円となりました。特別損失は120百万円となり、その主な要因は減損損失と固定資産売却損によるものであります。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、702百万円(前年同期は746百万円)となり、前連結会計年度に比べ43百万円減少いたしました。
(2)財政状態
① 資産、負債及び純資産
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末から1,618百万円減少して11,084百万円となりました。流動資産は現金及び預金の増加と受取手形及び売掛金の減少を主な要因として1,392百万円減少し、固定資産は建物及び構築物、投資有価証券の減少と貸倒引当金の増加を主な要因として222百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から2,015百万円減少して4,636百万円となりました。流動負債は短期借入金、未成業務受入金と買掛金の減少を主な要因として2,130百万円減少し、固定負債は長期借入金の増加を主な要因として115百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末から397百万円増加して6,447百万円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と剰余金の配当による減少により488百万円増加し、自己株式は取得・処分により93百万円減少いたしました。
② キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 資金需要
当社グループは、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一事業(建設コンサルタント業)の企業集団であり、当社グループの運転資金需要の主なものは、建設コンサルタント業務の受注業務遂行のための人件費、業務委託費、材料費等その他経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは給与手当、福利厚生費などの人件費、営業活動に伴う交通費等であります。当社グループの研究開発費用は様々な営業費用として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究費用の主要な部分を占めております。
④ 契約債務
平成29年5月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
|
区分 |
合計(千円) |
年度別要支払額(千円) |
||||
|
1年内 |
1年超2年内 |
2年超3年内 |
3年超4年内 |
4年超5年内 |
||
|
短期借入金 |
150,000 |
150,000 |
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長期借入金(1年内返済予定を含む) |
1,081,569 |
416,492 |
346,492 |
192,922 |
60,452 |
60,452 |
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社債(1年内償還予定を含む) |
60,000 |
60,000 |
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⑤ 財政政策
当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。資金調達の方針につきましては、運転資金は返済期限が1年以内の短期借入金で調達し、設備投資資金及び事業規模が1年を超える不動産開発業務資金につきましては、原則として固定金利の長期借入金及び社債で調達しております。
平成29年5月31日現在、1年内返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高は150百万円であります。
また、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の残高は1,081百万円であります。
当社グループは、引き続き営業活動によるキャッシュ・フローを借入金の返済に充当し、有利子負債の圧縮に努める所存であります。