第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「優れた技術と豊富な経験を活かし、高品質のサービスを提供することにより社会の発展に貢献するとともに、顧客・株主・社員の期待に応えること」を経営方針とし事業活動を行っております。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び経営指標

 当社グループは、2016年7月に、2017年5月期を初年度とする中期経営計画(2017年度~2019年度)を策定しており、実行しております。

 同計画では、以下の基本方針の下、様々な事業施策に取り組んでおります。

<基本方針>

 事業領域の進化・拡大と、技術力の更なる研鑽による環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立

<重点施策>

 技術士200名体制の構築

<事業施策>

 (1)既存事業領域の差別化による持続的な成長

 (2)高付加価値提案型サービスの展開による事業領域の拡大

 なお、具体的な数値目標として、中期経営計画最終年度である2019年5月期に連結売上高14,500百万円、営業利益1,050百万円の達成を掲げております。

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は、建設コンサルタント官庁需要においては、防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応など、公共投資が堅調に推移する中、受注環境はおおむね好調を維持しております。東日本大震災復興関連事業におきましては、発生当初から当社が業務を行っております宮城県石巻・女川地区の基盤整備を主とする震災復興関連業務が完遂に向うことに伴い、その受注は減少傾向を予想しておりますが、福島県下における復興支援や、発災直後から担当している熊本地震や九州北部豪雨で被災した地域の復興支援、また、本年7月に発災しました西日本豪雨災害の復興支援業務の増加が予想されます。民間需要におきましては、物流施設開発や2020年東京オリンピック・パラリンピック関連業務などにより、引き続き好調な受注環境を予想しております。

 このような事業環境のもと、当社グループは、中期経営計画(2017年度~2019年度)に基づき、「事業領域の進化・拡大と、技術力の更なる研鑽による環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立」を基本方針として、重点施策である「技術士200名体制の構築」と、事業施策である「既存事業領域の差別化による持続的な成長」、「高付加価値提案型サービスの展開による事業領域の拡大」を推進してまいります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループの技術力を基盤として、次の4点を当面の課題に掲げ、業績の向上ならびに社業の発展に努めてまいります。

 

① 技術力の強化

 当社グループの持続的・安定的な成長を実現していくためには、技術力の強化が必要です。新卒採用の継続や、専門的知識・経験・資格を有する技術者の採用により、人材を確保するとともに、社員一人ひとりの人材育成に取り組んでまいります。そうした中で、上下水道、河川・砂防、道路、鋼構造、土質及び基礎等はじめ技術者のレベルアップを図り、当社全体の技術力の一層の強化を推進してまいります。

 

② 収益性の向上

 当社グループの強みである区画整理事業での経験・知見や保留地の処分能力を活かして、調査設計業務に加え、優良案件については、当社自ら業務代行者として参画することで、デベロッパー事業や生産緑地対策など 「まちづくり業務」の収益性の一層の向上を図ってまいります。

 

③ 事業領域の拡大

 当社グループは、既存事業領域の成長とともに、幅広いニーズに対応するための同業他社等との提携・協業、M&Aの強化や、土木管財業務、個人向けコンサル事業などの高付加価値提案型サービスの展開等により、事業領域の拡大を推進してまいります。

 

④ 財務体力の強化

 財務体質を改善し企業価値を向上させるためには、キャッシュ・フローの改善は欠くことのできない課題であり、引き続き売掛債権の圧縮に努めてまいります。また、ROEの更なる改善に向けて資本の効率性向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあると考えております。

 記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)成果品の瑕疵責任と賠償

 成果品のミス・エラー等による瑕疵責任が発生しない様に、成果品のチェック体制には、万全の注意を払っておりますが、現状での建設コンサルタント業における瑕疵担保責任の範囲は、損害賠償の限度がない「公共土木設計業務等標準委託契約約款」に規定されていることから、業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)官公庁受注への依存

 主要顧客である国及び地方公共団体の公共事業費予算が総体的に厳しい状況にある中、公共事業の更なる縮小などがあった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、東日本大震災に係る復興関連業務は、当初から当社が業務を行っております宮城県石巻・女川地区の基盤整備を主とする震災復興関連業務が完遂に向うことに伴い、その受注は減少傾向を予想しておりますが、福島県下における復興支援や、発災直後から担当している熊本地震や九州北部豪雨で被災した地域の復興支援、また、本年7月に発災しました西日本豪雨災害の復興支援にも注力してまいりますが、復興関連業務の受注動向次第では、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)民間取引先の信用リスク

 受注額の3~4割程度は民間企業との取引ですが、今後の経済状況の変化に伴い当該企業の破綻等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)保有資産の価格変動

 当社は、関東・東北を中心として自社ビル・不動産等を保有しております。

 今後の不動産市況の動向如何によっては、当社が保有する資産価値が下落し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)本社ビル老朽化の問題

 当社が保有し、本社及び東京支店が入居している東京都目黒区青葉台の本社ビルは昭和44年に竣工したもので、同ビルは旧耐震基準に基づき建設されましたが、経年劣化もあり大規模・直下型の地震等に対して耐震上の問題があると考えております。当社グループの最大の資産は技術を有する人材であり、全社員の約半数が勤務している本社ビルの現況については事業リスクの一部を構成するものと認識しております。当社はこのようなリスクを低減させるべく、本ビルを平成29年9月29日付にて締結済みであります売買契約に基づき、平成30年12月(予定)に引渡しを行い、同時期に本社・東京支店の移転を行います。

 

(6)自然災害について

 当社グループの全社員のうち約半数の社員の勤務が東京都に集中しております。そのため、東京都で地震等の自然災害があった場合、業務不能又は、業務能力の低下が発生して、業務が滞る可能性があります。また、東京都に限らず当社グループの支店、営業所等において、自然災害により操業停止等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材確保について

 当社グループの成長は、技術部門の優秀な技術者や高度な熟練技能者によって支えられており、当社グループが今後も高い競争力を維持していく上でこれらの人材確保はますます重要となっております。また、技術面のみならず、当社グループの成長過程においては、経営管理面の優秀な人材確保も一層重要になっております。一方、こうした人材への需要は大きく、企業間における人材の獲得競争は激しいものとなっております。これらの有能な人材の確保及び雇用の維持が困難な場合には、当社グループの成長に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)新規事業の取り組みに伴うリスクについて

 当社グループでは、収益基盤をさらに拡大するために、今後も新規事業への取り組みを進めていく方針ですが、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間を要することが予想されます。このため、当社グループ全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当社グループの目論見どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、現在進行中の新規事業のうち、北海道北広島における太陽光発電の売電事業の管理運営は、事業環境の著しい悪化等により計画どおりに推移しなかった場合には、太陽光発電所施設の減損損失が発生する可能性があります。

 

(9)売上・営業利益の季節的変動について

 当社グループの売上高は、第4四半期連結会計期間に完成する業務の割合が大きいため、第1、第2、第3四半期連結会計期間までの各四半期連結会計期間の売上に比べ第4四半期連結会計期間の売上が増加する傾向にあり、業績を判断する場合に留意を要します。

 なお、最近2連結会計年度における四半期の売上高及び営業損益の推移は下表のとおりであります。

 

 

平成29年5月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

1,240,248

3,396,900

1,643,484

9,261,440

15,542,073

構成比(%)

8.0

21.8

10.6

59.6

100.0

営業損益(千円)

△312,668

154,872

△146,494

1,349,639

1,045,348

 

 

平成30年5月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

合計

売上高(千円)

835,850

2,999,921

1,862,211

10,388,353

16,086,336

構成比(%)

5.2

18.6

11.6

64.6

100.0

営業損益(千円)

△404,265

57,820

△224,337

1,644,501

1,073,719

 

(10)法的規制について

 当社グループは事業活動を行う上で、独占禁止法、下請法、個人情報保護法等の様々な法規制の適用を受けております。これからの法規制の遵守を徹底するため、すべての役員及び従業員が、行動規範の基本原則である「法令遵守」の精神を理解し、公正で透明な企業風土の構築に努めております。また、コンプライアンス規程、コンプライアンスマニュアルを定め、運用体制を整備し、当社グループ全体での厳格な運用に努めております。しかしながら、万が一これらの法規制を遵守できなかった場合には、社会的な信用や経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、主務官庁から建設コンサルタント登録や測量業登録をはじめとして、様々な登録、許認可を受けて事業を行っていることから、登録、許認可の根拠となる各法令等を遵守し、許認可等の更新に支障が出ないよう、役職員の教育等に努めております。

 しかしながら、役員が罰金以上の刑に処されることその他何らかの理由により登録、許認可の取り消しや更新ができない状態が発生した場合及び関連法規の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開及び経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の登録、許認可取り消し事由に抵触しておりません。

 

登録の種類

保有会社

有効期限

取消事由

建設コンサルタント登録

当社

平成31年9月30日

建設コンサルタント登録規程

第12条、13条

日本都市整備㈱

平成34年2月23日

東北都市整備㈱

平成31年7月16日

近畿都市整備㈱

平成32年2月26日

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の穏やかな回復基調の下、日銀の金融緩和や財政政策による景気の下支えにより、雇用・所得環境の改善が進み、穏やかな回復基調が続きました。

 建設コンサルタント業界においても、防災・減災、老朽化した社会インフラの維持・管理、国土強靭化への対応など、公共投資が堅調に推移する中、受注環境はおおむね好調を維持しました。

 このような状況の中、当社グループでは、「まちづくり業務」の豊富な経験と実績を活かし、「まちづくりのソリューション企業」として、国土強靭化や防災・減災など「安全と安心なまちづくり」、都市再生・地方創生業務、公共施設マネジメント業務、東京オリンピック・パラリンピック関連業務、まちづくり事業をパッケージで支援する事業推進サポート業務などを重点分野と位置づけ、積極的な営業活動を展開してまいりました。

 東日本大震災の復興関連業務では、宮城県石巻・女川地区の復興支援の完遂に努めるとともに、福島県の復興支援を行いました。発災直後から担当している熊本地震や九州北部豪雨で被災した地域の復興支援にも、取り組んでいます。

 さらに、区画整理事業での当社のコンサルタントとしての経験・知見や保留地の処分能力を活かして、調査設計業務に加え業務代行者としての参画を企図し、デベロッパー業務や生産緑地対策など「まちづくり業務」の収益性の向上を図るとともに、土木管財業務、個人向け相続・不動産コンサル事業、PM/CM・PFI事業、システム開発など、「まちづくり業務」の高付加価値提案型サービスの展開により、事業領域を拡大してまいりました。

 

 当連結会計年度の概況は以下のとおりであります。

 官庁受注及び民間受注がともに順調に推移したことにより、受注高につきましては16,918百万円(前年同期は15,092百万円)となり、手持受注残高は9,796百万円(前年同期は8,964百万円)を確保することができました。

 売上高につきましては、青葉台四丁目所在土地の販売2,050百万円を含め、16,086百万円(前年同期は15,542百万円)となりました。

 営業利益は1,073百万円(前年同期は1,045百万円)、経常利益は1,120百万円(前年同期は1,097百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は744百万円(前年同期は702百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比較して509百万円増加し1,610百万円(前年同期は1,101百万円)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは1,696百万円の収入(前年同期は2,304百万円の収入)であり、主なものは、税金等調整前当期純利益1,114百万円とたな卸資産の減少による収入1,343百万円、売上債権の増加に伴う支出900百万円、法人税等の支払額368百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは191百万円の支出(前年同期は13百万円の収入)であり、有形固定資産の売却による収入226百万円、有価証券の売却による収入13百万円、有形固定資産の取得による支出233百万円、無形固定資産の取得による支出33百万円及び敷金の差入れによる支出150百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは996百万円の支出(前年同期は1,986百万円の支出)であり、長期借入金の返済による支出423百万円、短期借入金の純減額150百万円、配当金の支払いによる支出213百万円及び自己株式取得による支出149百万円等によるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

 

(1)生産高実績

当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の生産高を記載しております。

業務の区分等

生産高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

地理空間情報業務

 

2,877,710

 

17.0

 

102.9

環境業務

657,537

3.9

88.3

まちづくり業務

6,924,462

40.8

102.8

設計業務

3,841,957

22.6

110.5

事業ソリューション業務

2,669,806

15.7

161.5

合計

16,971,472

100.0

110.1

 (注)1.価格の基準は販売価格であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注高実績

当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の受注高を記載しております。

業務の区分等

受注高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

地理空間情報業務

 

2,839,323

 

16.8

 

99.1

環境業務

653,835

3.9

87.5

まちづくり業務

6,719,174

39.7

96.5

設計業務

4,050,102

23.9

114.8

事業ソリューション業務

2,655,772

15.7

269.2

合計

16,918,206

100.0

112.1

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.前期以前に受注した業務で、契約額の増減があるものについては、変更の行われた期の受注高にその増減額を含んでおります。

3.事業ソリューション業務の受注高には、青葉台四丁目所在土地(販売用不動産)の譲渡価額2,050百万円が含まれております。

 

(3)完成高実績

当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の完成高を記載しております。

業務の区分等

完成高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

地理空間情報業務

 

2,793,716

 

17.4

 

108.5

環境業務

587,810

3.6

55.7

まちづくり業務

6,619,821

41.2

95.2

設計業務

3,415,342

21.2

104.7

事業ソリューション業務

2,669,647

16.6

157.5

合計

16,086,336

100.0

103.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の完成高及び当該完成高の総完成高に対する割合は次のとおりであります。

 

相 手 先

前連結会計年度

 (自 平成28年6月1日

   至 平成29年5月31日)

当連結会計年度

 (自 平成29年6月1日

   至 平成30年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱サンケイビル

2,050,000

12.7

(独)都市再生機構

2,068,580

13.3

1,565,176

9.7

財務省

1,615,576

10.4

537,826

3.3

3.事業ソリューション業務の完成高には、青葉台四丁目所在土地(販売用不動産)の譲渡価額2,050百万円が含まれております。

 

(4)手持受注高

当社グループは、単一セグメントであるため、業務の区分別の手持受注高を記載しております。

業務の区分等

手持受注高(千円)

構成比(%)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

地理空間情報業務

 

1,718,993

 

17.5

 

102.7

環境業務

747,949

7.6

109.7

まちづくり業務

4,575,041

46.7

102.2

設計業務

2,228,545

22.8

139.8

事業ソリューション業務

526,298

5.4

97.4

合計

9,796,826

100.0

109.3

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、将来に関する事項には不確実性、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。

 なお、当社グループは、まちづくりのソリューション企業として、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一の事業の企業集団であるため、セグメント情報は記載しておりません。

 当連結会計年度の受注高は16,918百万円(前年同期は15,092百万円)となりました。前連結会計年度に比べ1,826百万円増加いたしました。

(1)業績報告

① 売上高

 売上高は16,086百万円(前年同期は15,542百万円)となりました。前連結会計年度に比べ544百万円増加いたしました。

② 売上総利益

 売上総利益は3,725百万円(前年同期は3,706百万円)となりました。売上高に対する売上総利益率は23.2%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ18百万円増加、0.6%減少いたしました。

③ 販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は2,651百万円(前年同期は2,661百万円)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費率は16.5%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ9百万円、0.6%減少いたしました。

④ 営業利益

 営業利益は1,073百万円(前年同期は1,045百万円)となりました。前連結会計年度に比べ28百万円増加いたしました。売上高に対する営業利益率は前連結会計年度と同様の6.7%となりました。

⑤ 営業外損益

 営業外損益は46百万円の利益(前年同期は51百万円の利益)となりました。前連結会計年度に比べ5百万円減少いたしました。営業外収益は66百万円となり、その主な要因は受取配当金によるものであり、前連結会計年度に比べ14百万円減少いたしました。営業外費用は19百万円となり、その主な要因は支払利息によるものであり、前連結会計年度に比べ9百万円減少いたしました。

⑥ 経常利益

 経常利益は1,120百万円(前年同期は1,097百万円)となりました。売上高に対する経常利益率は7.0%となり、前連結会計年度に比べ、それぞれ23百万円増加、0.1%減少いたしました。

⑦ 特別損益

 特別損益は5百万円の損失(前年同期は120百万円の損失)となりました。前連結会計年度に比べ114百万円減少いたしました。その主な要因は投資有価証券評価損によるものであります。

⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は、744百万円(前年同期は702百万円)となり、前連結会計年度に比べ42百万円増加いたしました。

(2)財政状態

① 資産、負債及び純資産

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末から268百万円増加して11,352百万円となりました。流動資産は現金及び預金と受取手形及び売掛金の増加と未成業務支出金の減少を主な要因として95百万円減少し、固定資産は投資有価証券と長期保証金の増加を主な要因として364百万円増加いたしました。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末から234百万円減少して4,402百万円となりました。流動負債は短期借入金の減少と未成業務受入金の増加を主な要因として94百万円増加し、固定負債は長期借入金の減少を主な要因として328百万円減少いたしました。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末から502百万円増加して6,950百万円となりました。利益剰余金は親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加と剰余金の配当による減少により531百万円増加し、自己株式は取得等により145百万円減少いたしました。

② キャッシュ・フロー

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

③ 資金需要

 当社グループは、地理空間情報業務、環境業務、まちづくり業務、設計業務及び事業ソリューション業務を総合的に営む単一事業(建設コンサルタント業)の企業集団であり、当社グループの運転資金需要の主なものは、建設コンサルタント業務の受注業務遂行のための人件費、業務委託費、材料費等その他経費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは給与手当、福利厚生費などの人件費、営業活動に伴う交通費等であります。当社グループの研究開発費用は様々な営業費用として計上されておりますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究費用の主要な部分を占めております。

④ 契約債務

 平成30年5月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。

区分

合計(千円)

年度別要支払額(千円)

1年内

1年超2年内

2年超3年内

3年超4年内

4年超5年内

長期借入金(1年内返済予定を含む)

658,510

346,040

192,470

60,000

60,000

⑤ 財政政策

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。資金調達の方針につきましては、運転資金は返済期限が1年以内の短期借入金で調達し、設備投資資金及び事業規模が1年を超える不動産開発業務資金につきましては、原則として固定金利の長期借入金及び社債で調達しております。

 平成30年5月31日現在、1年内返済予定の長期借入金を除く短期借入金の残高はありません。また、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金の残高は658百万円であります。

 当社グループは、引き続き営業活動によるキャッシュ・フローを借入金の返済に充当し、有利子負債の圧縮に努める所存であります。

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年9月14日開催の当社取締役会において、本社・東京支店ビル土地建物及び隣接所在土地を譲渡することについて決議し、平成29年9月29日付で売買契約を締結いたしました。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、業界動向を見据え最新技術に関する研究開発を技術本部・システム開発事業部を中核として実施しており、また各事業所では地域ニーズを俯瞰的に捉えた中で既存技術の更なる高度化など全店的に研究開発に取り組んでおります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費総額は118百万円となっております。

 

東日本大震災発災から7年が経過し徐々にまちの賑わいが戻りつつある状況の中、「まちづくりのソリューション企業」として培った復興関連技術の経験・知見を更に醸成させ、CM(コンストラクション・マネジメント)、PM(プロジェクト・マネジメント)技術並びに今後発生が想定される大規模災害に関する防災・減災の一助となる研究開発・提案も推進しております。

また、まちづくりの視点では、急速に進むと予測される人口減少並びに財政難に対し、これまで蓄積・保有している「まちづくりのノウハウ」を活用し都市の再構築などに関する研究開発により技術提案を行っております。このような中、国土の開発・強靭化の推進も必至であり、国交省ではその方策の一環として労働生産性及び品質確保の向上を掲げたi-Con(アイ-コンストラクション:情報化施工)を既に導入しており、当社においてもこれらに関連するICT(インフォメイション・コミュニケーション・テクノロジー:情報技術)の研究開発を行っております。

なお、個別の研究開発活動は、以下の通りです。

 

・自治体職員の高齢化・人手不足を背景にCM・PM業務の需要は益々旺盛で昨年と同様に取り組むと同時に、今後発生が予測される南海トラフ・首都直下型地震などの大規模災害に対し、復興関連技術の経験・知見を基に国交省からプロポーザルで特定された「大規模災害に備えた復興事前準備のあり方検討調査」業務の中で更に研究開発を進め、「復興事前準備」に関する技術提案を関連する自治体を中心に行っております。

 また、被災地が整備・開発されつつある現在、新たに「土地の利活用」が大きな課題となっています。この課題を解決すべくこれまで区画整理・事業コンサルなどで培った経験・知見を生かした研究開発により、関連自治体に土地の有効活用に資する提案を行っております。

 

・当社が最も得意とするまちづくり分野に関しては、従来のまちづくり技術に加え立地適正化・スポンジ化・立体換地などの研究開発により「都市の再構築」並びに「集約的都市構造」など、今後まちづくりの目玉となるコンパクトシティーへの取組みを地域の実情に併せた技術提案を今後更に拡大してまいります。

 また、公共施設の包括管理への取組み並びにPFI(プライベート・フィナンシャル・イニシアティブ:民間資金活用による施設整備)事業への参入も視野に研究開発を進めております。

 

・限られた財源の中、急速に進む人口減少と相反するように国土強靭化は必須となっています。その為、インフラの維持補修設計を含めた長寿命化技術並びにそれらの効率的な調査が重要となります。こうした中、当社では橋梁・上下水道・公園などの長寿命化計画の内、主に施設管理を当社独自開発であるGIS(地理情報システム:C-MAPT)と連動した研究・開発を推進し、技術提案を行っております。

 また、調査手法においては、MMS(モービル・マッピング・システム:移動計測装置)・3Dレーザースキャナーなど点郡データの利活用、更にUAV(ドローン)による高所作業調査などの研究開発により効率的・効果的な提案を行っております。

 

・建設就業者が減少傾向にある現在、国土交通省では生産性向上並びに品質確保の視点からi-Conを推奨しております。当社においては、i-Con対応であるCIM(コンストラクション・インフォメイション・モデリング)技術を習得すべく、第83期から全店の若手を対象に研修を実施しております。これに加え第84期では、CIMコーディネーター合宿研修を中堅社員に実施し、更に三次元設計・計画のテーマを事業所単位で推進させCIMへの取組みの醸成を図りつつ、将来的にi-Conへ繋がるよう研究開発を継続しております。

 

・システム開発事業部では、当社独自開発であるGIS技術(CMAPT-4)を3D対応・クラウド化・描画速度の高速化など更に深化させたCMAPT-5並びに新規アプリケーションの研究開発が既に終了しており、既存システムを導入している自治体を中心に営業展開を図っております。

 

 当社グループは、常に時代の先端を走り続けるために時代の要請、社会環境の変化に応じた新技術の開発及びこれまで培ってきた技術を深化発展させ、「まちづくりのソリューション企業」としてこれからも社会に貢献してまいります。