第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

  当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調に推移する企業業績、雇用情勢等を背景に景気回復基調にありましたが、年初からの中国経済不安に端を発し、海外経済は不透明感が強まり、国内では株安、円高が急速に進んだことで企業業績への悪化懸念、個人消費の足踏みが続き、予断を許さない状況が続いております。

  このような中、当社グループは当年度を初年度とする新中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」がスタートいたしました。前中期経営計画「ACT11(アクトイレブン)」で掲げました中長期ビジョン「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」を継承し、「グループシナジー」、「先進性」、「CSR」を重点方針とする経営戦略の実行により、6年越しとなるビジョンの実現を目指してまいりました。

  初年度については、営業収益は堅調に増加したものの、営業費用が想定より増加し、また、海外事業ではインドネシア事業における業績の下ぶれ等があり、当初業績予想を下回る結果となりました。その中で、営業費用増加の抑制を喫緊の課題と捉え、コスト構造改革に着手、推進いたしました。

  クレジット事業は、呉服、時計・宝石・貴金属が好調に推移し、住関連(リフォーム分野)は下期より反転拡大し、取扱高、営業収益が増加いたしました。また、オートローンは輸入車の取扱いが好調に推移し、取扱高、営業収益が増加いたしました。

  カード事業は、ポイント還元率の高いクレジットカードの収益性改善のため、還元率の見直しを行ったことで取扱高の伸びが鈍化しましたが、効率的な顧客データ分析、各種プロモーションの継続的な実施によりカードショッピング全体の取扱高が増加いたしました。キャッシングにつきましては、各種プロモーションを実施してまいりましたが、取扱高及び残高は減少いたしました。

  ファイナンス事業は、証書貸付やカードローン等、株式会社三菱東京UFJ銀行、地方銀行等との金融機関個人ローン保証が好調に推移し、取扱高、残高が増加いたしました。

  新事業は、連結子会社ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社が提供する後払い決済サービス「ATODENE(アトディーネ)」の提携先が拡大し、取扱件数及び取扱高が増加いたしました。

  海外事業は、連結子会社であるベトナムの現地法人JACCS International Vietnam Finance Co.,Ltd.については、当年度より四輪車及び家電の販売金融事業を開始しました。取扱高は、二輪車を中心に着実に増加いたしました。また、カード事業を開始し、会員獲得基盤を整備、拡充してまいりました。持分法適用関連会社であるインドネシアのファイナンス会社PT Mitra Pinasthika Mustika Financeは、マクロ経済の低迷の影響を受け、二輪車・四輪車販売金融事業の取扱高は減少しました。また、未収債権が増加し、貸倒関連費用が増加いたしました。

  なお、当社グループの営業費用につきましては、カードポイント等販促関連、システム投資、貸倒関連等の費用が増加いたしました。一方、金融費用は、低金利の良好な調達環境により減少いたしました。

  以上の結果、当社グループの業績は、連結取扱高3兆4,045億10百万円(前期比11.2%増)、連結営業収益1,136億73百万円(前期比5.0%増)、連結経常利益120億91百万円(前期比1.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益75億69百万円(前期比6.5%増)となりました。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

  当社グループは信販事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。主な部門別の状況は以下のとおりです。

 

(2)部門別の状況

(包括信用購入あっせん)

  カードショッピングにつきましては、ジャックスロイヤルメンバーズプログラム(前年度の利用金額に応じてさまざまな特典が受けられるサービス)をはじめとする利用促進のプロモーションやキャンペーンの実施、各方面での提携カード推進及び新規会員の拡大などから取扱高が増加いたしました。  また、新商品として、株式会社ジェーシービーが展開する非接触型IC決済サービスを搭載した「ジャックスカードJ/Speedy TM」の発行を開始しました。専用端末にかざすだけでスピーディーに決済が行われ利便性が飛躍的にアップすると共によりセキュリティレベルの高いIC決済が可能となりました。今後、国内のキャッシュレス化の推進及びアジア諸国での拡大が見込まれます。  また、地域に根ざしたスーパーやガソリンスタンドをはじめ、さまざまな分野と提携し、新しいカードを発行してまいりました。

  当部門の連結取扱高は、1兆1,272億44百万円(前期比9.8%増)となりました。

 

(個別信用購入あっせん)

  ショッピングクレジットにつきましては、主要業種である呉服、時計・宝石・貴金属及び情報・通信分野が順調に推移したことから取扱高が前年を上回りました。

また、利便性の観点から推進を強化しているWeb関連では、「WeBBy店頭かんたんクレジット」の新機能追加や専用タブレット端末の導入拡大などからWeb経由での申込み比率が順調に増加いたしました。

  オートローン(オートローン保証を含む)につきましては、一部国産新車ディーラーの取扱いが伸び悩んだものの、中古車販売店を中心とした各販売チャネルへの施策の実施及び取引深耕に努めたことから、国産車の取扱高が順調に推移いたしました。

  一方、輸入車におきましては、インポーターとの新規取引の拡大や、キャプティブファイナンス(※)としての取り組み強化、またディーラーの低金利施策に伴うクレジット利用の増加などから取扱高は前年を大幅に上回りました。

  当部門の連結取扱高は、4,461億53百万円(前期比45.0%増)となりました。

 

(信用保証)

  金融機関個人ローン保証につきましては、株式会社三菱東京UFJ銀行のWeb商品及び地方銀行等との取引が拡大し、証書貸付、カードローンなど取扱高が前年を大きく上回りました。

また、新商品として「相続支援ローン」「空き家等活用ローン」をリリースし、保証提携を進めてまいりました。

  投資用マンション向け住宅ローン保証につきましては、不動産取引が活発化し期を通して好調な販売が続くなか、取引拡大に向け営業を強化したことから過去最高の取扱高となりました。

  住宅関連商品につきましては、ソーラーローンの取扱高が減少いたしました。一方、ハウスメーカーを中心としたリフォームローンは順調に推移したことから全体の取扱高は前年を上回りました。

  当部門の連結取扱高は、7,515億80百万円(前期比3.7%増)となりました。

 

(融資)

  カードキャッシングにつきましては、既存会員及び未稼働会員に対するプロモーション等を実施したものの、取扱高の減少の歯止めとなるまでには至りませんでした。

  当部門の連結取扱高は、773億48百万円(前期比2.4%減)となりました。

 

 

(その他)

  集金代行業務につきましては、家賃関連及びスポーツクラブの会費等順調な取扱いとなりました。また、集金代行サービス専用のWebサイトをリリースし、委託者向けのサービス向上に努めてまいりました。

  連結子会社につきましては、ジャックスリース株式会社におけるリース事業が順調に拡大し、取扱高を伸ばしました。

  そのほか、福利厚生サ―ビスの大手である株式会社ベネフィット・ワンと提携し、Visaプリペイド機能を付与した福利厚生会員証を参加企業・団体の福利厚生会員に向け発行するなど新たな取り組みを実施してまいりました。

  当部門の連結取扱高は、1兆21億82百万円(前期比8.6%増)となりました。

 

(※)メーカーと連携した自動車販売金融事業

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ14億18百万円減少し、840億73百万円となりました。

 各事業活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1,444億53百万円(前連結会計年度は866億83百万円の使用)となりました。

 収入の主な内訳は、仕入債務の増加額1,138億33百万円、税金等調整前当期純利益119億77百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額2,803億68百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は88億59百万円(前連結会計年度は139億42百万円の使用)となりました。

 支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出89億4百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,518億97百万円(前連結会計年度は1,151億97百万円の獲得)となりました。

 収入の主な内訳は、長期借入れによる収入1,425億18百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額675億円、短期借入金の増加額443億74百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,080億円であります。

 

(4)提出会社の事業の種類

 当社の事業は、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせん、信用保証、融資の4部門を主力とし、この他に集金代行業務などを行っております。

 主要な業務の内容は次のとおりであります。

 

① 包括信用購入あっせん

 消費者からカード申込みを受け、当社が信用調査の上、クレジットカードを発行します。カード会員が、当社の加盟店でカードを提示して署名あるいは、暗証番号を入力(サインレスの場合もあり)し、1回払いまたは分割払い・リボルビング払いで商品やサービスを購入すると、当社がカード会員に代わって代金を加盟店に立替払いし、カード会員から約定に基づいて回収を行います。

 クレジットカードには当社プロパーのカードと加盟店との提携カードがあります。

 

② 個別信用購入あっせん

 消費者が当社の加盟店から商品の購入やサービスの提供を受け、分割払い等を希望する場合、当社が信用調査の上、承認した顧客に対して加盟店に利用代金を立替払いし、顧客から分割払い等にて回収を行います。

 

③ 信用保証

 消費者が不動産や自動車等の購入資金を金融機関等から借り受けるにあたり、当社が信用調査のうえ、その債務を保証するものです。投資用マンションに特化した住宅ローンやリフォームローン、オートローンなどがあります。

 

④ 融資

 主として、カード会員に対して行うキャッシングサービスです。カードにはクレジットカードと融資専用のローンカードなどがあります。

 

⑤ 集金代行

 提携先が顧客から定期的にお支払いを受ける代金を、当社の口座振替のネットワークを利用してその提携先に代わり集金を行います。

 

2【営業実績】

当社グループにおける営業実績は、以下のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

(1)部門別営業収益

部門

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん収益

27,444

25.4

29,709

26.1

8.3

個別信用購入あっせん収益

19,479

18.0

21,653

19.1

11.2

信用保証収益

39,861

36.8

40,967

36.0

2.8

融資収益

12,706

11.7

11,625

10.2

△8.5

その他の営業収益

8,309

7.7

9,218

8.1

10.9

金融収益

457

0.4

498

0.5

9.0

合計

108,259

100.0

113,673

100.0

5.0

(注)  営業収益の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

個別信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

信用保証収益            :保証料・事務手数料

融資収益                :利息

 

(2)部門別取扱高

部門

前連結会計年度

(自  平成26年4月1日

至  平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん

1,026,247

33.5

1,127,244

33.1

9.8

個別信用購入あっせん

307,767

10.1

446,153

13.1

45.0

信用保証

725,019

23.7

751,580

22.1

3.7

融資

79,235

2.6

77,348

2.3

△2.4

その他

923,027

30.1

1,002,182

29.4

8.6

合計

3,061,297

100.0

3,404,510

100.0

11.2

(注)  取扱高の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん

:クレジットカードによるあっせん取引であり、取扱高の範囲はアドオン方式についてはクレジット対象額に顧客手数料を含めた額であり、リボルビング方式についてはクレジット対象額であります。

個別信用購入あっせん

:個別契約による割賦購入あっせん取引であり、クレジット対象額に顧客手数料を含めた額であります。

信用保証

:顧客が提携金融機関等から融資を受ける際に、顧客の債務を保証する業務であり、取扱高の範囲は残債方式のものは保証元本であり、アドオン方式のものは保証元本に利息と保証料を含めた額であります。

融資

:顧客に融資する取引であり、取扱高の範囲は残債方式のものは融資額であり、アドオン方式のものは融資額に利息を含めた額であります。

 

(3)部門別カード会員数、利用者数

部門

区分

前連結会計年度末

(平成27年3月31日)

当連結会計年度末

(平成28年3月31日)

包括信用購入あっせん

カード会員数

6,621,722名

6,730,053名

個別信用購入あっせん

利用者数

985,788名

1,078,810名

信用保証

利用者数

1,364,869名

1,436,389名

(注)1.カード会員数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるカード発行延人数であります。

2.利用者数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末に残高のある延人数であります。

 

 

(4)部門別信用供与件数

部門

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

(件)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(件)

包括信用購入あっせん

156,866,143

173,385,595

個別信用購入あっせん

565,742

1,009,322

信用保証

920,237

1,081,590

融資

1,627,755

1,592,636

合計

159,979,877

177,069,143

 

(5)融資における業種別貸出状況

業種

前連結会計年度末

(平成27年3月31日)

当連結会計年度末

(平成28年3月31日)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

製造業

農業

林業

漁業

鉱業

建設業

電気・ガス・熱供給・水道業

運輸・通信業

卸売・小売業、飲食店

2,060

0.8

1,064

33

0.0

2

金融・保険業

不動産業

7,239

2.9

83

11,873

4.8

187

サービス業

地方公共団体

個人

242,989

96.3

337,508

238,316

95.2

313,022

その他

合計

252,289

100.0

338,655

250,222

100.0

313,211

 

(6)融資における担保別貸出状況

担保の種類

前連結会計年度末

(平成27年3月31日)

当連結会計年度末

(平成28年3月31日)

貸出金残高(百万円)

貸出金残高(百万円)

有価証券

1

1

債権

商品

2,060

33

不動産

12,537

15,982

その他

0

0

小計

14,600

16,017

保証

信用

237,689

234,205

合計

252,289

250,222

 

3【対処すべき課題】

平成24年にスタートしました前中期3カ年経営計画「ACT11(アクトイレブン)」では、その6年後の目指す姿として「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」というビジョンを掲げ、3つの基本方針「トップラインの反転拡大」「環境変化に耐えうる経営体質のさらなる強化」「コンプライアンス態勢の継続的改善」に取り組んでまいりました。平成27年度よりスタートしました第12次中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」では、前中期3カ年経営計画からそのビジョンと方向性を引き継ぎ、6年越しとなるビジョンの実現を目指しております。

また、当社は「アジアのコンシュ-マーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」という長期ビジョンを掲げております。三菱UFJフィナンシャルグループの一員として、アジアを代表する企業となり、お客様・社会に高品質なフィナンシャルサービスを提供する企業を目指してまいります。

 

当社グループにおける対処すべき課題は次のとおりです。

 

(1)連結経営を意識した収益基盤の拡充

   MUFGグループとジャックスグループの力を結集し、多様な収益基盤を構築してまいります。あわせて、当社関係会社の収益力を強化し、連結経営への転換を目指します。

   ・MUFGグループ企業としてのシナジー効果の極大化

   ・既存事業の革新による収益基盤の強化

   ・新事業の創出・育成、海外事業の躍進による収益基盤の多様化

   ・当社関連会社の収益力向上

 

(2)先進性の追求による経営体質の強化

   これまで推進してきたWeb戦略やIT投資効果の極大化により、営業面・コスト面の両面において競争優位となる先進性を発揮します。

   ・IT投資効果の極大化によるコスト構造改革の推進

   ・重点分野への資源投資による先進性の追求

   ・攻めの投資を実現するマーケティング力の強化

 

(3)高度なCSRの実践

   当社は透明で公正な事業活動を通じてあらゆるステークホルダーと真摯に向き合い、満足度を向上させ期待に応え続ける企業活動をします。

   ・コンプライアンス態勢及びリスク管理態勢の強化

   ・コーポレートガバナンス・コードへの対応

   ・社会貢献活動の実践

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)信用リスク

  <貸倒引当金増加リスク>

 当社の延滞発生状況は一定規模で推移しており、現状は大幅に増加する要因も見受けられず、引き続き良質な債権が維持される見込みです。総債権の増加に伴う一定割合での延滞発生は見込まれますが、業積に与える影響は軽微であると考えております。また、利息返還請求(いわゆる過払金返還請求)については、従前より利息制限法以下の融資利率としているため、業績に与える影響は今後も軽微であると考えております。

  <加盟店リスク>

 加盟店の経営悪化や破綻により、当該提携先で当社を利用いただいたお客様に対する継続的役務の提供の停止や商品未納などが発生する可能性があります。この場合、結果的に当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成20年における割賦販売法の改正により、特定契約加盟店が不適切な販売(過量販売、不実告知等)を行ったときには、お客様は契約申込の意思表示を取り消すことができ、不適切な販売が認められた場合は、クレジット会社に既払金の返還を請求することができることとなりました。加盟店による不適切な販売が増加した場合、結果として当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場関連リスク

  <調達金利の上昇リスク>

 平成28年3月末日における当社グループの調達全体(普通社債、コマーシャル・ペーパー含む)の金利固定化比率(スワップを含む)は51.3%、金利変動比率は48.7%となっております。市場動向により調達金利は変動いたしますが、融資における適用金利、包括及び個別信用購入あっせんにおける加盟店及びお客様との取引条件は、同業他社との競合の状況などの様々な要因により総合的に決定され、更に規約や契約書の変更を伴います。したがって、金利上昇分を取引条件等に転嫁するにはタイムラグが生じる為、調達金利の変動を伴う金融情勢の変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 平成28年3月末日現在、株式会社日本格付研究所(JCR)、株式会社格付投資情報センター(R&I)の2社から、長期債は共にA-、コマーシャル・ペーパーはJ-1(JCR)、a-1(R&I)の格付けを取得しております。また、コマーシャル・ペーパーの発行限度額は3,500億円であり、当面の資金調達は困難なものではないと考えております。しかしながら、当社グループの業績が悪化すれば、格付けや信用力が低下し、通常より高い金利での資金調達を余儀なくされ、資本市場や金融機関からの調達コストの上昇などを招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

  <投資有価証券等の価格下落リスク>

 当社グループは、平成28年3月末日現在で218億57百万円の投資有価証券(上場・非上場株式等)及び196億66百万円の有形固定資産(土地・建物等)を保有しておりますが、市場価格の下落や投資先の価値の毀損により評価損を計上する可能性があります。

 

(3)事務リスク

 当社グループでは業務遂行に際して、多種大量な事務処理を行っております。事務処理に際しては、基本ルールに則った厳正な事務を心がけ、事務処理精度の向上や事故、不正の防止とともに事務処理におけるシステム化促進など、より効率的な事務を目指しています。しかしながら、正確な事務処理を怠ったことで事故や不正が発生した場合、その内容や規模によってはお客様の信用や加盟店の事業に影響を与え、損害賠償責任や社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システムリスク

 当社の基幹システムは以下のとおりの安全管理体制を構築しておりますが、万一基幹システムに誤作動、停止などの事態が発生した場合、業務が停止することがあり、この場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

①当社の基幹コンピュータシステム「JANET」は、プロセス、I/O(出力)、運用監視の3つのシステムで構成しております。3つのシステムはいずれも運用委託会社が管理する情報センターに設置しております。この情報センターは、地震対策、電源の複数系統による供給と自家発電を装備し、ライフラインの切断に対しても数日間の自家供給による稼働が可能になっております。なお、業務再開に必要なデータなどはバックアップを取り、情報センターとは60㎞以上離れた別の場所に保管しております。

また、I/Oセンターの処理に不測の事態があった場合に備えて、加盟店精算業務などの重要な業務については、代替処理を可能にしております。その場合、臨時的な業務運用を行うため、お客様へのサービスに支障をきたす可能性があります。

当社では、お客様の信用情報を含めた個人情報並びに加盟店との取引条件などの当社事業に関する情報は、大半を「JANET」で一元管理しております。「JANET」は専用ネットワークにより構築され、外部とのアクセスパスを一切遮断しておりますが、安全管理上、その他に次の様な対策を実施しております。

イ.「JANET」端末機の機能は、設置場所、操作者の役職や職種に応じ、業務上必要な範囲の操作に制限した設定としております。

ロ.一連の端末操作は、操作履歴を取得し、正当な操作か否かをモニタリングしています。

ハ.端末機本体は全て施錠管理し、機器そのものの外部持ち出しができない状態にしています。

二.端末機には外部記憶媒体への入出力装置は付属させておらず、個人でのデータ持ち込みや反映、外部記憶媒体へのデータの書き出しや記録が行えない環境となっています。

ホ.システム開発、運用担当者によるシステムアクセスは、事前に操作可能なIDを申請、承認する手続きを要する他、使用後のID返却管理等を行っております。また、操作が適正に実施されているか日々監視しております。

ヘ.「JANETホストシステム及びWEBシステム開発・保守・運用の管理業務」の範囲で、情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC 27001:2013」を取得しております。これにより情報セキュリティに関する施策を効果的に推進させることができております。

 

(5)コンプライアンスリスク

 当社グループは、当社が貸金業、包括及び個別信用購入あっせん業、資金決済業(プリペイド・カード業務、資金移動業務)、連結子会社が債権管理回収業(サービサー業務)などを行っておりますが、これらについては、法令により当局に登録又は許可が必要な事業とされています。

 当社グループでは、法令を遵守するために、コンプライアンス態勢の整備に取り組んでおりますが、万一法令に抵触する行為があった場合には、当局から法令による処分(業務改善命令、業務の一部又は全部の停止命令、登録の取消など)を受ける可能性があり、その場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

  <割賦販売法、特定商取引法>

 当社の包括及び個別信用購入あっせん関連の事業は「割賦販売法」の適用を受けます。このため、当社は、同法の定める行為規程(支払可能見込額調査、加盟店調査、書面の交付、クレジットカード番号等の適切な管理など)、民事ルール(支払停止の抗弁、与信契約のクーリングオフ、契約解除等に伴う損害賠償の額など)及び認定割賦販売協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

  <貸金業法>

 当社の融資事業は「貸金業法」の適用を受けます。このため当社は、貸金業法の定める各種規制(過剰貸付の禁止、貸付条件並びに標識の表示、書面の交付、帳簿の備え付け、取立行為の規制、債権証書の返還など)及び認定貸金業協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

 

(6)情報関連リスク

 当社グループでは事業の性格上、個人信用情報(クレジットカード番号単体の情報を含む)を中心に大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。個人情報保護法が施行される前から、その取扱は厳格に行っておりますが、万一当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を及ぼす恐れがある他、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。なお、当社グループではコンプライアンス統括部が中心となって、個人情報並びに特定個人情報の適正な取扱い、安全管理等の維持に努めております。また、当社及び国内の連結子会社4社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の保護レベルを評価するプライバシーマークの認証を取得し、実効性の確保に努めております。

 

(7)災害リスク

 当社グループでは地震、大規模な災害や事故などの突発的な事態に備えて、「安否確認システムの導入」「災害対応マニュアル」の整備、「緊急対策協議会運営規程」「事業継続計画(BCP)」の策定等、危機管理体制の構築に努めております。ただし、想定以上の大規模な事態が発生し、当社グループの物的資産や人的資産に決定的な損害を被った場合、結果的に事業の中断や継続維持が困難な状況に至り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)有形資産リスク

 地震、台風等の自然災害、テロ等の人為的災害などにより、当社グループの有形資産が毀損する可能性があります。

 当社グループは、管理すべき動産・不動産の現状を定期的に把握するとともに、防災・防犯対策等を講じております。

 

(9)人的リスク

 当社グループは、幅広い分野で業務を行っていることから、有能な人材を継続的に確保し、採用した人材を育成・教育していくことが必要不可欠ですが、当社グループが有能な人材の確保及び雇用の維持、人材の教育ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)評判リスク

 当社グループの評判は顧客、投資家、監督官庁及び社会との関係を維持する上できわめて重要です。法令遵守違反、従業員の不正行為、システム障害、コントロールすることが困難又は不可能な相手方の行動等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを避けることができず、又は適切に対処することができなかった場合には、当社グループは、現在又は将来の顧客及び投資家を失うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)関係会社リスク

 当社グループは、当社と当社の関係会社6社(連結子会社5社及び持分法適用関連会社1社)から構成されています。グループの連単比率は営業収益では1.02倍、経常利益では0.97倍(平成28年3月31日現在)となっており、当社グループの事業中、当社の占める割合が極めて高いものとなっております。このため、関係会社に関連する事業上のリスクが顕在化した場合でも、直ちに当社グループ全体に大きな影響を及ぼすものではありません。

 

(12)海外事業リスク

 当社グループは、東南アジアを中心に海外市場における事業拡大を図っており、ベトナム(連結子会社)並びにインドネシア(持分法適用関連会社)において事業展開を行っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる予期しない法律または規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、これらの「事業等のリスク」は、本有価証券報告書の提出日現在において、当社グループで把握している情報に基づいて、事業上リスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載しております。

 しかしながら、リスクの全てを網羅しているものではなく、将来の経済情勢や業界を取り巻く環境の変化など、様々な不確定要因により新たなリスクが発生する可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

  特記事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 「1 業績等の概要 (1)業績」において記載のとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度に比べ2,842億13百万円増加し、3兆3,621億72百万円となりました。

 これは、割賦売掛金、信用保証割賦売掛金、リース投資資産の増加等によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度の固定資産は、前連結会計年度に比べ46億16百万円減少し、754億68百万円となりました。

 これは、ソフトウエアが増加したものの、投資有価証券、退職給付に係る資産が減少したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度の流動負債は、前連結会計年度に比べ2,730億86百万円増加し、2兆8,392億80百万円となりました。

 これは、信用保証買掛金、コマーシャル・ペーパー等有利子負債の増加等によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度の固定負債は、前連結会計年度に比べ60億73百万円増加し、4,650億77百万円となりました。

 これは、長期借入金、繰延税金負債が減少したものの、社債が増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ4億36百万円増加し、1,332億82百万円となりました。

 これは、その他有価証券評価差額金、退職給付に係る調整累計額が減少したものの、利益剰余金が増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 「1 業績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」において記載のとおりであります。