第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の各種経済政策や日銀による金融政策等を背景に、雇用・所得環境に改善が見られ、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方、米国新政権の政策運営や、英国のEU離脱問題による欧州経済の動向など、世界経済の先行きに不透明感が高まっております。

 当社グループを取り巻く環境は、電子商取引(EC)市場の拡大、非接触型電子マネーの普及など「決済のキャッシュレス化」が進み、今後はモバイル決済のさらなる普及も見込まれ、決済ビジネスにおける競争はますます激化しております。

 このような中、当社グループは中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」の2年目を終え、経営資源の戦略的な活用に向けたコスト構造改革を推進してきました。また、海外事業として新たにフィリピンへの進出、「次世代審査システム」の稼働、アクワイアリング事業への参入、業界初となるクラウドファンディング事業の開始など、中計ビジョン「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」の実現に向け、「グループシナジー」、「先進性」、「CSR」を重点方針とする経営戦略を着実に実行してまいりました。

 クレジット事業は、住宅関連、高級時計、二輪の取扱いが拡大し、輸入車、中古車及びオートリースの取扱いが好調に推移したことから取扱高が増加いたしました。

 カード事業は、上新電機株式会社をはじめとした提携カードの新規会員獲得が堅調に推移し、在籍会員数が拡大いたしました。また、各種プロモーションを実施したことによりショッピングの取扱高は増加、アリペイやApple Payなどの決済メニューの多様化にも取り組みました。キャッシングは、各種プロモーションを実施いたしましたが取扱高は減少いたしました。

 ファイナンス事業は、銀行個人ローン保証等が好調に推移し、さらに投資用マンション向け住宅ローン保証においては、過去最高の取扱いとなった結果、取扱高が増加いたしました。

 新事業は、連結子会社ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社が提供する後払い決済サービス「ATODENE(アトディーネ)」において、株式会社バンダイをはじめとした新規提携先が拡大し、取扱高が増加いたしました。

 海外事業は、連結子会社であるベトナムの現地法人が、二輪のローンカウンターを増設、家電ローンにおいては営業エリアの拡大を図った結果、取扱高が増加いたしました。持分法適用関連会社であるインドネシアのファイナンス会社PT Mitra Pinasthika Mustika Financeについては、今後の事業拡大を展望し、株式の追加取得を本年2月に決議し子会社化することにいたしました。さらに、昨年5月にはフィリピンで三菱自動車を専門に取扱う販売金融会社、MMPC Auto Financial Services Corporationを合弁で設立、昨年9月より本格的に営業を開始し、順調に取扱いを伸ばしております。

 なお、当社グループの営業費用につきましては、コスト構造改革の推進や、組織・業務運営の効率化を図り経費削減に努めてまいりました。また、良好な調達環境により引き続き金融費用が減少いたしました。一方、退職給付費用や戦略的投資のためのシステム関連費用等が増加しました。そのほか営業債権残高の拡大に伴う未収債権の発生に鑑み、貸倒引当金の積み増しを行った結果、一時的に費用が増加いたしました。

 

  以上の結果、当社グループの業績は、連結取扱高3兆7,681億18百万円(前期比10.7%増)、連結営業収益1,196億54百万円(前期比5.3%増)、連結経常利益118億15百万円(前期比2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益87億24百万円(前期比15.3%増)となりました。

 当社グループは信販事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。主な部門別の状況は以下のとおりです。

(2)部門別の状況

(包括信用購入あっせん)

 カードショッピングの取扱高は、ポイント還元率の見直しを行った一部のクレジットカードで取扱い減少の影響があったものの、利用促進キャンペーン等を積極的に行ってきた結果、取扱高が増加いたしました。また、家賃決済をはじめとするペイメント関連商品においても、新規提携先の拡大及び大手取引先の安定的な取扱い拡大により順調に推移いたしました。さらに、九州・中四国を中心に展開するディスカウントストアのダイレックス株式会社と提携し、「ダイレックスクレジットポイントカード」の発行や、北海道内に40店舗のサービスステーションを展開する茂田石油株式会社と提携したクレジットカード「MODACA」の発行を開始するなど、新規提携先の獲得にも努めてきました。

  当部門の連結取扱高は、1兆1,961億77百万円(前期比6.1%増)となりました。

 

(個別信用購入あっせん)

 ショッピングクレジットにつきましては、高級時計・二輪等の業種が牽引し順調に拡大いたしました。また、Web商品の利便性向上を図った結果、Webの利用率が伸長いたしました。

 オートローンにつきましては、国産新車の取扱いが、各メーカーファイナンスの施策等の影響を受けたものの、キャプティブファイナンス(※)の取り組み強化により、輸入車の取扱高が好調に推移いたしました。また、中古車においては、各種施策による中古車ディーラーとの取引拡大に努めてきた結果、取扱高が増加いたしました。

  当部門の連結取扱高は、6,403億21百万円(前期比43.5%増)となりました。

(※)メーカーと連携した自動車金融販売業

 

(信用保証)

 銀行個人ローン保証につきましては、株式会社三菱東京UFJ銀行のWeb商品や地方銀行等との取引拡大を図った結果、取扱高が増加いたしました。また、新商品として目的ローン借換商品「Reファイナンス」及び「無担保住宅ローン」をリリースいたしました。さらに非対面Web申込システムの機能を拡充し、提携先の拡大に努めてまいりました。

 投資用マンション向け住宅ローン保証につきましては、投資用マンションの販売の好調を受け、取引拡大に向けて営業を強化した結果、過去最高の取扱高となりました。

 住宅関連商品につきましては、ソーラーローンの取扱高が減少する中、ハウスメーカーを中心としたリフォームローンの取扱高の拡大により前年実績を上回りました。

  当部門の連結取扱高は、7,803億78百万円(前期比3.8%増)となりました。

 

(融資)

 カードキャッシングにつきましては、プロモーションの拡充を図ってまいりましたが、取扱高は減少いたしました。

  当部門の連結取扱高は、726億67百万円(前期比6.1%減)となりました。

 

(その他)

  集金代行業務につきましては、家賃及びスポーツクラブ等の継続課金の取扱いが順調に推移いたしました。また、連結子会社のジャックスリース株式会社におけるリース事業も堅調に推移いたしました。そのほかネッツトヨタ多摩株式会社と提携し、ハウス型プリペイドカード「T's Family Member's Card」による車両購入資金等の積立制度を構築いたしました。

  当部門の連結取扱高は、1兆785億73百万円(前期比7.6%増)となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ345億46百万円減少し、495億27百万円となりました。

 各事業活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1,527億22百万円(前連結会計年度は1,444億53百万円の使用)となりました。

 収入の主な内訳は、仕入債務の増加額1,203億98百万円、税金等調整前当期純利益129億80百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額3,200億55百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は61億43百万円(前連結会計年度は88億59百万円の使用)となりました。

 収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入23億47百万円であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出77億4百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,243億18百万円(前連結会計年度は1,518億97百万円の獲得)となりました。

 収入の主な内訳は、長期借入れによる収入1,654億32百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額540億円、短期借入金の増加額309億37百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出1,434億26百万円であります。

 

(4)提出会社の事業の種類

 当社の事業は、包括信用購入あっせん、個別信用購入あっせん、信用保証、融資の4部門を主力とし、その他に集金代行業務などを行っております。

 主要な業務の内容は次のとおりであります。

 

① 包括信用購入あっせん

 消費者からカード申込みを受け、当社が信用調査のうえクレジットカードを発行します。カード会員が、クレジットカードを利用して、1回払いまたは分割払い・リボルビング払いで商品やサービスを購入すると、当社がカード会員に代わって代金を加盟店に立替払いし、カード会員から約定に基づいて回収を行います。

 クレジットカードには当社プロパーのカードと加盟店との提携カードがあります。

 

② 個別信用購入あっせん

 消費者が当社の加盟店から商品の購入やサービスの提供を受け、分割払い等を希望する場合、当社が信用調査のうえ、承認した顧客に対して加盟店に利用代金を立替払いし、顧客から分割払い等にて回収を行います。

 

③ 信用保証

 消費者が不動産や自動車等の購入資金を金融機関等から借り受けるにあたり、当社が信用調査のうえ、その債務を保証するものです。投資用マンションに特化した住宅ローンやリフォームローン、オートローンなどがあります。

 

④ 融資

 主として、カード会員に対して行うキャッシングサービスです。カードにはクレジットカードと融資専用のローンカードなどがあります。

 

⑤ その他

 提携先が顧客から定期的にお支払いを受ける代金を、当社の口座振替ネットワークを利用して集金を行う集金代行業務や、後払い決済業務、法人・個人向けリースなどがあります。

2【営業実績】

当社グループにおける営業実績は、以下のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

(1)部門別営業収益

部門

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん収益

29,709

26.1

31,115

26.0

4.7

個別信用購入あっせん収益

21,653

19.1

25,555

21.4

18.0

信用保証収益

40,967

36.0

41,294

34.5

0.8

融資収益

11,625

10.2

10,769

9.0

△7.4

その他の営業収益

9,218

8.1

10,422

8.7

13.1

金融収益

498

0.5

496

0.4

△0.5

合計

113,673

100.0

119,654

100.0

5.3

(注)  営業収益の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

個別信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

信用保証収益            :保証料・事務手数料

融資収益                :利息

 

(2)部門別取扱高

部門

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん

1,127,244

33.1

1,196,177

31.8

6.1

個別信用購入あっせん

446,153

13.1

640,321

17.0

43.5

信用保証

751,580

22.1

780,378

20.7

3.8

融資

77,348

2.3

72,667

1.9

△6.1

その他

1,002,182

29.4

1,078,573

28.6

7.6

合計

3,404,510

100.0

3,768,118

100.0

10.7

(注)  取扱高の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん

:クレジットカードによるあっせん取引であり、取扱高の範囲はアドオン方式についてはクレジット対象額に顧客手数料を含めた額であり、リボルビング方式についてはクレジット対象額であります。

個別信用購入あっせん

:個別契約による割賦購入あっせん取引であり、クレジット対象額に顧客手数料を含めた額であります。

信用保証

:顧客が提携金融機関等から融資を受ける際に、顧客の債務を保証する業務であり、取扱高の範囲は残債方式のものは保証元本であり、アドオン方式のものは保証元本に利息と保証料を含めた額であります。

融資

:顧客に融資する取引であり、取扱高の範囲は残債方式のものは融資額であり、アドオン方式のものは融資額に利息を含めた額であります。

 

(3)部門別カード会員数、利用者数

部門

区分

前連結会計年度末

(平成28年3月31日)

(名)

当連結会計年度末

(平成29年3月31日)

(名)

包括信用購入あっせん

カード会員数

6,730,053

6,895,526

個別信用購入あっせん

利用者数

1,078,810

1,300,527

信用保証

利用者数

1,436,389

1,495,888

(注)1.カード会員数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるカード発行延人数であります。

2.利用者数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末に残高のある延人数であります。

 

(4)部門別信用供与件数

部門

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

(件)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(件)

包括信用購入あっせん

173,385,595

185,252,687

個別信用購入あっせん

1,009,322

1,767,948

信用保証

1,081,590

1,378,714

融資

1,592,636

1,623,042

合計

177,069,143

190,022,391

 

(5)融資における業種別貸出状況

業種

前連結会計年度末

(平成28年3月31日)

当連結会計年度末

(平成29年3月31日)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

製造業

農業

林業

漁業

鉱業

建設業

電気・ガス・熱供給・水道業

運輸・通信業

卸売・小売業、飲食業

33

0.0

2

699

0.3

17

金融・保険業

不動産業

11,873

4.8

187

16,924

7.1

212

サービス業

地方公共団体

個人

238,316

95.2

313,022

219,681

92.6

308,543

その他

合計

250,222

100.0

313,211

237,305

100.0

308,772

 

 

(6)融資における担保別貸出状況

担保の種類

前連結会計年度末

(平成28年3月31日)

当連結会計年度末

(平成29年3月31日)

貸出金残高(百万円)

貸出金残高(百万円)

有価証券

1

0

債権

商品

33

699

不動産

15,982

20,853

その他

0

小計

16,017

21,554

保証

信用

234,205

215,751

合計

250,222

237,305

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり

ます。

 

(1)経営方針

当社は「信為萬事本(信を万事の本と為す)」を創業の精神とし、「信義は全てのものごとの基本である」と捉え、皆様の「信用」と「信頼」を第一に考え、事業に取り組んでおります。
 また、経営理念として“「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する。”と掲げております。本経営理念のもと当社の事業を通じ、消費者の皆様をはじめお取引先様、株主の皆様、そして全てのステークホルダーの皆様に対して「夢のある未来」「豊かな社会」を実現できるよう取り組んでまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

第12次中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」では、前中期3カ年経営計画より「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」というビジョンを継承し、その実現へ向けて3つの重点方針「グループシナジーによる収益基盤の拡充」「経営資源の戦略的活用による先進性の追求」「高度なCSRの実践」に取り組んでおります。また、10年後の目指すべき姿として「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」という長期ビジョンを掲げております。三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、アジアを代表する企業となり、お客様や社会に高品質なファイナンスサービスを提供する企業を目指してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループでは、平成27年度より第12次中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」がスタートしております。最終年度となる平成29年度は、連結営業収益1,357億円、連結経常利益153億円を主な経営指標としております。

 

(4)対処すべき課題

「ACT-Σ(アクトシグマ)」最終年度を迎えるにあたり、当社グループの取り巻く環境は、決済手段の多様化などにより競争環境が激化しております。このような中、未収債権の発生を抑制しつつ営業債権残高を着実に積み上げ、営業収益の拡大を図ってまいります。

当社グループにおける対処すべき課題は次のとおりです。

①連結経営を意識した収益基盤の拡充

   MUFGグループとジャックスグループの力を結集し、多様な収益基盤を構築してまいります。あわせて、関係会社の収益力を強化し、連結経営への転換を目指します。

   ・MUFGグループ企業としてのシナジー効果の極大化

   ・既存事業の革新による収益基盤の強化

   ・新事業の創出・育成、新たな海外事業への進出

   ・関連会社の収益力向上

 

②先進性の追求による経営体質の強化

   これまで推進してきたWeb戦略やIT投資効果の極大化により、営業面・コスト面の両面において競争優位となる先進性を発揮します。

   ・IT投資効果の極大化によるコスト構造改革の推進

   ・重点分野への資源投資による先進性の追求

   ・攻めの投資を実現するマーケティング力の強化

 

③高度なCSRの実践

   当社は透明で公正な事業活動を通じてあらゆるステークホルダーと真摯に向き合い、満足度を向上させ期待に応え続ける企業活動をします。また、「働き方改革」に積極的に取り組み、仕事と生活のより一層の充実を目指します。

   ・コンプライアンス態勢及びリスク管理態勢の強化

   ・コーポレートガバナンス・コードへの対応

   ・社会貢献活動の実践

   ・「働き方改革」の推進

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

(1)信用リスク

  <貸倒引当金増加リスク>

 総債権の増加に伴う一定割合での延滞発生による貸倒引当金増加が見込まれます。また、景気の動向、個人破産申立の増加、その他予期せぬ理由等により、貸倒引当金を積み増す場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 一方、利息返還請求(いわゆる過払金返還請求)については、従前より利息制限法以下の融資利率としているため、業績に与える影響は今後も軽微であると考えております。

 

  <加盟店リスク>

 加盟店の経営悪化や破綻により、当該提携先で当社をご利用いただいたお客様に対する継続的役務提供の停止や商品未納などが発生する可能性があり、社会問題化した場合にお客様より訴訟を受ける可能性があります。この場合、結果的に当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成20年における割賦販売法の改正により、特定契約加盟店が不適切な販売(過量販売、不実告知等)を行ったときには、お客様は契約申込の意思表示を取り消すことができ、不適切な販売が認められた場合は、クレジット会社に既払金の返還を請求することができることとなりました。

 さらに、平成28年12月に公布された割賦販売法改正により、今後、包括(クレジットカード)業務も登録制となり、包括契約加盟店の不正販売・セキュリティ対策等の調査を行うこととなります。

 このため、加盟店による不適切な販売が増加した場合、結果として当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場関連リスク

  <調達金利の上昇リスク>

 平成29年3月末日における当社グループの調達全体(普通社債、コマーシャル・ペーパー含む)の金利固定化比率(スワップを含む)は48.7%、金利変動比率は51.3%となっております。市場動向により調達金利は変動いたしますが、融資における適用金利、包括及び個別信用購入あっせんにおける加盟店及びお客様との取引条件は、同業他社との競合の状況などの様々な要因により総合的に決定され、更に規約や契約書の変更を伴います。したがって、金利上昇分を取引条件等に転嫁するにはタイムラグが生じる為、調達金利の変動を伴う金融情勢の変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 平成29年3月末日現在、株式会社日本格付研究所(JCR)、株式会社格付投資情報センター(R&I)の2社から、長期債は共にA-、コマーシャル・ペーパーはJ-1(JCR)、a-1(R&I)の格付けを取得しております。また、コマーシャル・ペーパーの発行限度額は4,000億円ありますが、金融市場に応じた低利な水準で調達できております。しかしながら、当社グループの業績が悪化すれば、格付けや信用力が低下し、通常より高い金利での資金調達を余儀なくされ、資本市場や金融機関からの調達コストの上昇などを招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  <投資有価証券等の価格下落リスク>

 当社グループは、平成29年3月末日現在で227億79百万円の投資有価証券(上場・非上場株式等)及び196億17百万円の有形固定資産(土地・建物等)を保有しておりますが、市場価格の下落や投資先の価値の毀損により評価損を計上する可能性があります。

 

(3)事務リスク

 当社グループでは業務遂行に際して、多種大量な事務処理を行っております。事務処理に際しては、基本ルールに則った厳正な事務を心がけ、事務処理精度の向上や事故、不正の防止とともに事務処理におけるシステム化促進など、より効率的な事務を目指しています。しかしながら、正確な事務処理を怠ったことで事故や不正が発生した場合、その内容や規模によってはお客様の信用や加盟店の事業に影響を与え、損害賠償責任や社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)システムリスク

 当社グループの基幹コンピュータシステム「JANET」は、運用委託会社が管理する情報センターに設置しております。この情報センターは、地震対策、電源の複数系統による供給と自家発電を装備し、ライフラインの切断に対しても数日間の自家供給による稼働が可能になっております。なお、業務再開に必要なデータなどはバックアップを取り、情報センターとは60㎞以上離れた別の場所に保管しております。入出力の処理に不測の事態があった場合に備えて、加盟店精算業務などの重要な業務については、代替処理を可能にする等の安全管理体制を構築しておりますが、万一基幹システムに誤作動、停止などの事態が発生した場合、業務が停止することがあり、この場合、お客様へのサービスに支障をきたす可能性があります。

 また、当社グループでは、お客様の信用情報を含めた個人情報ならびに加盟店との取引条件などの当社事業に関する情報は、大半を「JANET」で一元管理しております。「JANET」は専用ネットワークにより構築され、外部とのアクセスパスを一切遮断しており、さらに安全管理上次の様な対策を実施しておりますが、不足の事態により情報が外部に流出した場合、当社グループの信用低下や経営状態への影響を及ぼす可能性があります。

・「JANET」端末機の機能は、設置場所、操作者の役職や職種に応じ、業務上必要な範囲の操作に制限した設定としております。

・一連の端末操作は、操作履歴を取得し、正当な操作か否かをモニタリングしています。

・端末機本体は全て施錠管理し、機器そのものの外部持ち出しができない状態にしています。

・端末機には外部記憶媒体への入出力装置は付属させておらず、個人でのデータ持ち込みや反映、外部記憶媒体へのデータの書き出しや記録が行えない環境となっています。

・システム開発、運用担当者によるシステムアクセスは、事前に操作可能なIDを申請、承認する手続きを要する他、使用後のID返却管理等を行っております。また、操作が適正に実施されているか日々監視しております。

・JANETホストシステム及びWEBシステム開発・保守・運用の管理業務」の範囲で、情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC 27001:2013」を取得しております。これにより情報セキュリティに関する施策を効果的に推進させることができております。

 

(5)サイバーセキュリティリスク

 当社グループのコンピュータシステムは、サイバーセキュリティ対策としてファイヤーウォール及びIPS、WAF等の導入により安全対策を行っていますが、外部からのサイバー攻撃及びその他の不正アクセスやウイルス感染等により情報の流出やシステムの機能停止、誤作動が生じる可能性があります。この場合、業務の停止及びそれに伴う損害賠償等の負担が発生し、当社グループの信頼性も失われ、当社グループの信用低下や経営状態への悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)コンプライアンスリスク

 当社グループは、当社が貸金業、包括及び個別信用購入あっせん業、資金決済業(プリペイド・カード業務、資金移動業務)、連結子会社が債権管理回収業(サービサー業務)などを行っておりますが、これらについては、法令により当局に登録又は許可が必要な事業とされています。

 当社グループでは、法令を遵守するために、コンプライアンス態勢の整備に取り組んでおりますが、万一法令に抵触する行為があった場合には、当局から法令による処分(業務改善命令、業務の一部又は全部の停止命令、登録の取消など)を受ける可能性があり、その場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

<割賦販売法、特定商取引法>

 当社の包括及び個別信用購入あっせん関連の事業は「割賦販売法」の適用を受けます。このため当社は、同法の定める行為規程(支払可能見込額調査、加盟店調査、書面の交付、クレジットカード番号等の適切な管理など)、民事ルール(支払停止の抗弁、与信契約のクーリングオフ、契約解除等に伴う損害賠償の額など)及び認定割賦販売協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

<貸金業法>

 当社の融資事業は「貸金業法」の適用を受けます。このため当社は、貸金業法の定める各種規制(過剰貸付の禁止、貸付条件並びに標識の表示、書面の交付、帳簿の備え付け、取立行為の規制、債権証書の返還など)及び認定貸金業協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

<資金決済法>

 当社のプリペイド・カード、資金移動の事業は「資金決済法」の適用を受けます。

 このため当社は、資金決済に関するサービスの提供にあたり、法令等遵守態勢の整備、利用者等の保護、資金決済システムの安全性の確保等を規定した認定資金決済事業者協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

<犯罪収益移転防止法>

 当社グループのクレジットカード事業、融資事業、資金移動事業及びリース事業は「犯罪収益移転防止法」の適用を受けます。

 このため、犯罪収益移転防止法の定める取引時確認及び疑わしい取引の届出を遵守した業務運営を確保しなければなりません。

 

(7)情報関連リスク

 当社グループでは事業の性格上、個人信用情報(クレジットカード番号単体の情報を含む)を中心に大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。個人情報保護法が施行される前から、その取扱いは厳格に行っておりますが、万一当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を及ぼす恐れがある他、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。なお、当社グループではコンプライアンス統括部が中心となって、個人情報ならびに特定個人情報の適正な取扱い、安全管理等の維持に努めております。また、当社及び国内の連結子会社4社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の保護レベルを評価するプライバシーマークの認証を取得し、実効性の確保に努めております。

 

(8)災害リスク

 当社グループでは地震、大規模な災害や事故などの突発的な事態に備えて、「安否確認システムの導入」「災害対応マニュアル」の整備、「緊急対策協議会運営規程」「事業継続計画(BCP)」の策定等、危機管理体制の構築に努めております。 ただし、想定以上の大規模な事態が発生し、当社グループの物的資産や人的資産に決定的な損害を被った場合、結果的に事業の中断や継続維持が困難な状況に至り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)有形資産リスク

 地震、台風等の自然災害、テロ等の人為的災害などにより、当社グループの有形資産が毀損する可能性があります。

 当社グループは、管理すべき動産・不動産の現状を定期的に把握するとともに、防災・防犯対策等を講じております。

 

(10)人的リスク

 当社グループは、幅広い分野で業務を行っていることから、有能な人材を継続的に確保し、採用した人材を育成・教育していくことが必要不可欠ですが、当社グループが有能な人材の確保および雇用の維持、人材の教育ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)評判リスク

 当社グループの評判は顧客、投資家、監督官庁及び社会との関係を維持する上できわめて重要です。法令違反、従業員の不正行為、システム障害、コントロールすることが困難又は不可能な相手方の行動等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを避けることができず、又は適切に対処することができなかった場合には、当社グループは、現在又は将来の顧客及び投資家を失うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)関係会社リスク

 当社グループは、当社と当社の関係会社7社(連結子会社5社及び持分法適用関連会社2社)から構成されています(平成29年3月末日現在)。当社グループの事業における連単比率に関して、当社の占める割合が極めて高いものとなっております。しかしながら、関係会社に関連する事業上のリスクが大きく顕在化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)海外事業リスク

 当社グループは、東南アジアを中心に海外市場における事業拡大を図っており、ベトナム、インドネシア及びフィリピンにおいて事業展開を行っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる予期しない法律または規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、これらの「事業等のリスク」は、本有価証券報告書の提出日現在において、当社グループで把握している情報に基づいて、事業上リスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載しております。しかしながら、リスクの全てを網羅しているものではなく、将来の経済情勢や業界を取り巻く環境の変化など、様々な不確定要因により新たなリスクが発生する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年2月3日の取締役会において、当社の持分法適用関連会社Pt Mitra Pinasthika Mustika Financeの株式を追加取得することを決議いたしました。同年5月17日に株式譲渡手続きが完了し当社の連結子会社となりました。

 なお、株式取得等の詳細につきましては、「第5経理の状況(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

  特記事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

 「1 業績等の概要 (1)業績」において記載のとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度に比べ2,719億41百万円増加し、3兆6,341億14百万円となりました。

 これは、現金及び預金、立替金が減少したものの、割賦売掛金、信用保証割賦売掛金、リース投資資産の増加等によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度の固定資産は、前連結会計年度に比べ9億99百万円増加し、764億68百万円となりました。

 これは、投資有価証券、差入保証金が増加したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度の流動負債は、前連結会計年度に比べ1,739億61百万円増加し、3兆132億41百万円となりました。

 これは、信用保証買掛金、コマーシャル・ペーパー等有利子負債、支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度の固定負債は、前連結会計年度に比べ919億75百万円増加し、5,570億53百万円となりました。

 これは、社債、長期預り保証金が減少したものの、長期借入金、繰延税金負債が増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ70億4百万円増加し、1,402億87百万円となりました。

 これは、利益剰余金、その他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 「1 業績等の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」において記載のとおりであります。