第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり

ます。

 

(1)経営方針

当社は「信為萬事本(信を万事の本と為す)」を創業の精神とし、「信義は全てのものごとの基本である」と捉え、皆様との「信用」と「信頼」を第一に考え、事業に取り組んでおります。
 また、経営理念である“「夢のある未来」「豊かな社会」の実現に貢献する”のもと、当社の事業を通じて消費者の皆様をはじめ、お取引先様や株主の皆様など全てのステークホルダーの皆様に対して、「夢のある未来」「豊かな社会」を実現できるよう取り組んでまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

平成29年度を最終年度とする第12次中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」では、「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」というビジョンの実現に向けて、3つの重点方針「グループシナジーによる収益基盤の拡充」「経営資源の戦略的活用による先進性の追求」「高度なCSRの実践」に取り組んでまいりました。

平成30年度よりスタートいたしました第13次中期3カ年経営計画「RAISE 2020」では、これまでの取り組みをさらに進化させ、「日本・ASEANをメインフィールドとし お客さまに選ばれる先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」という中期経営計画ビジョンの実現に向けて、「国内事業の持続的成長」「海外事業の成長拡大」「生産性の向上と成長基盤の強化」を重点方針とする経営戦略を実行し、さらなる成長拡大を図ってまいります。

 

(3)目標とする経営指標

当社グループでは、平成30年度より第13次中期3カ年経営計画「RAISE 2020」がスタートしております。最終年度となる平成32年度は、連結営業収益1,695億円、連結経常利益161億円を主な経営指標としております。

 

(4)対処すべき課題

平成29年度を最終年度とする中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」では、国内及び海外事業において、収益基盤の強化や事業拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。また、IT投資効果の極大化やコスト構造改革を推進し、経営体質の強化を図りました。当社グループは、これまでの取り組みを進化させ、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向けて、引き続き国内主力事業に軸足を置きつつ、成長ドライバーである海外事業の拡大と、継続的な構造改革の実施により、経営体質のさらなる強化を図ってまいります。また、未収債権の発生を抑制しつつ営業債権残高を着実に積み上げ、営業収益の拡大を目指してまいります。

このような方向性のもと、当社グループにおける対処すべき課題は次のとおりです。

① 国内事業の持続的成長

・クレジット事業をはじめとした国内主力事業は、さらなる営業の効率化と生産性の向上、事

業間・グループ内の連携を強化することにより、収益の拡大を図ってまいります。

・決済市場の拡大を成長機会と捉え、カード・ペイメント事業へのリソース投入により商品

開発力と推進体制を強化し、多様な決済サービスの提供を通じて事業拡大を図ってまいりま

す。

 

② 海外事業の成長拡大

・成長ドライバーである海外事業は、ベトナム・インドネシア・フィリピンのさらなる利益拡

大と、カンボジア及び新たな進出国の事業基盤の構築など、ASEANにおける事業拡大を図っ

てまいります。

・海外関係会社においては、内部統制システムの整備やガバナンス強化を図ることで盤石なグ

ループ管理体制を構築するとともに、システム面・経理面などの支援態勢を強化してまい

ります。

 

③ 生産性の向上と成長基盤の強化

・三菱UFJフィナンシャル・グループとの連携強化により、収益基盤・財務基盤など経営基盤

のさらなる強化を図ってまいります。

・継続的なIT投資によるトップラインの拡大と、AIなどの導入による業務効率化を加速させ、

グループベースでのコスト構造改革や業務改革の実行により、高い生産性の実現を目指して

まいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)信用リスク

  <貸倒引当金増加リスク>

 総債権の増加に伴う一定割合での延滞発生による貸倒引当金増加が見込まれます。また、景気の動向、個人破産申立の増加、その他予期せぬ理由等により、貸倒引当金を積み増す場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 一方、利息返還請求(いわゆる過払金返還請求)については、従前より利息制限法以下の融資利率としているため、業績に与える影響は今後も軽微であると考えております。

 

  <加盟店リスク>

 加盟店の経営悪化や破綻により、当該提携先で当社をご利用いただいたお客様に対する継続的役務提供の停止や商品未納などが発生する可能性があり、社会問題化した場合にお客様より訴訟を受ける可能性があります。この場合、結果的に当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、平成20年における割賦販売法の改正により、特定契約加盟店が不適切な販売(過量販売、不実告知等)を行ったときには、お客様は契約申込の意思表示を取り消すことができ、不適切な販売が認められた場合は、クレジット会社に既払金の返還を請求することができることとなりました。

 さらに、平成28年12月に公布された割賦販売法改正により、今後、包括(クレジットカード)業務も登録制となり、包括契約加盟店の不正販売・セキュリティ対策等の調査を行うこととなります。

 このため、加盟店による不適切な販売が増加した場合、結果として当社が損害を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)市場関連リスク

  <調達金利の上昇リスク>

 平成30年3月末日における当社単体の調達全体(普通社債、コマーシャル・ペーパー含む)の金利固定化比率は49.5%、金利変動比率は50.5%となっております。市場動向により調達金利は変動いたしますが、融資における適用金利、包括及び個別信用購入あっせんにおける加盟店及びお客様との取引条件は、同業他社との競合の状況などの様々な要因により総合的に決定され、更に規約や契約書の変更を伴います。したがって、金利上昇分を取引条件等に転嫁するにはタイムラグが生じる為、調達金利の変動を伴う金融情勢の変化が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 平成30年3月末日現在、株式会社日本格付研究所(JCR)、株式会社格付投資情報センター(R&I)の2社から、長期債は共にA-、コマーシャル・ペーパーは、J-1(JCR)、a-1(R&I)の格付けを取得しております。また、コマーシャル・ペーパーの発行限度額は4,500億円ありますが、金融市場に応じた低利な水準で調達できております。しかしながら、当社グループの業績が悪化すれば、格付けや信用力が低下し、通常より高い金利での資金調達を余儀なくされ、資本市場や金融機関からの調達コストの上昇などを招き、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

  <投資有価証券等の価格下落リスク>

 当社グループは、平成30年3月末日現在で173億79百万円の投資有価証券(上場・非上場株式等)及び218億88百万円の有形固定資産(土地・建物等)を保有しておりますが、市場価格の下落や投資先の価値の毀損により評価損を計上する可能性があります。

 

  <為替変動リスク>

 当社グループの海外関係会社の財務諸表は、現地通貨で作成されている一方、当社グループの連結財務諸表は、日本円で作成されており、為替相場の大幅な変動が生じた場合に、日本円換算での当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外関係会社の資金調達の一部は現地通貨以外の通貨で行い、運用は現地通貨で行っているため、為替相場の大幅な変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)事務リスク

 当社グループでは、業務遂行に際して多種大量な事務処理を行っております。事務処理に際しては、基本ルールに則った厳正な事務を心がけ、事務処理精度の向上や事故、不正の防止とともに事務処理におけるシステム化促進など、より効率的な事務を目指しています。しかしながら、正確な事務処理を怠ったことで事故や不正が発生した場合、その内容や規模によってはお客様の信用や加盟店の事業に影響を与え、損害賠償責任や社会的信用の失墜を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システムリスク

 当社グループの基幹コンピュータシステム「JANET」は、運用委託会社が管理する情報センターに設置しております。この情報センターは、地震対策、電源の複数系統による供給と自家発電を装備し、ライフラインの切断に対しても数日間の自家供給による稼働が可能になっております。なお、業務再開に必要なデータなどは、バックアップを取り、情報センターとは、60㎞以上離れた別の場所に保管しております。入出力の処理に不測の事態があった場合に備えて、加盟店精算業務などの重要な業務については、代替処理を可能にする等の安全管理体制を構築しておりますが、万一基幹システムに誤作動、停止などの事態が発生した場合、業務が停止することがあり、この場合、お客様へのサービスに支障をきたす可能性があります。

 また、当社グループでは、お客様の信用情報を含めた個人情報ならびに加盟店との取引条件などの当社事業に関する情報は、大半を「JANET」で一元管理しております。「JANET」は、専用ネットワークにより構築され、外部とのアクセスパスを一切遮断しており、さらに安全管理上次の様な対策を実施しておりますが、不足の事態により情報が外部に流出した場合、当社グループの信用低下や経営状態への影響を及ぼす可能性があります。

・「JANET」端末機の機能は、設置場所、操作者の役職や職種に応じ、業務上必要な範囲の操作に制限した設定としております。

・一連の端末操作は、操作履歴を取得し、正当な操作か否かをモニタリングしています。

・端末機本体は全て施錠管理し、機器そのものの外部持ち出しができない状態にしています。

・端末機には外部記憶媒体への入出力装置は付属させておらず、個人でのデータ持ち込みや反映、外部記憶媒体へのデータの書き出しや記録が行えない環境となっています。

・システム開発、運用担当者によるシステムアクセスは、事前に操作可能なIDを申請、承認する手続きを要する他、使用後のID返却管理等を行っております。また、操作が適正に実施されているか日々監視しております。

・JANETホストシステム及びWEBシステム開発・保守・運用の管理業務の範囲で、情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC 27001:2013」を取得しております。これにより情報セキュリティに関する施策を効果的に推進させることができております。

 

(5)サイバーセキュリティリスク

 当社グループのコンピュータシステムは、サイバーセキュリティ対策としてファイヤーウォール及びIPS、WAF等の導入により安全対策を行っていますが、外部からのサイバー攻撃及びその他の不正アクセスやウイルス感染等により情報の流出やシステムの機能停止、誤作動が生じる可能性があります。この場合、業務の停止及びそれに伴う損害賠償等の負担が発生し、当社グループの信頼性も失われ、当社グループの信用低下や経営状態への悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6)コンプライアンスリスク

 当社グループは、当社が貸金業、包括及び個別信用購入あっせん業、資金決済業(プリペイド・カード業務、資金移動業務)、連結子会社が債権管理回収業(サービサー業務)などを行っておりますが、これらについては、法令により当局に登録又は許可が必要な事業とされています。

 当社グループでは、法令を遵守するために、コンプライアンス態勢の整備に取り組んでおりますが、万一法令に抵触する行為があった場合には、当局から法令による処分(業務改善命令、業務の一部又は全部の停止命令、登録の取消など)を受ける可能性があり、その場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

  <割賦販売法、特定商取引法>

 当社の包括及び個別信用購入あっせん関連の事業は、「割賦販売法」の適用を受けます。このため当社は、同法の定める行為規程(支払可能見込額調査、加盟店調査、書面の交付、クレジットカード番号等の適切な管理など)、民事ルール(支払停止の抗弁、与信契約のクーリングオフ、契約解除等に伴う損害賠償の額など)及び認定割賦販売協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

  <貸金業法>

 当社の融資事業は、「貸金業法」の適用を受けます。このため当社は、貸金業法の定める各種規制(過剰貸付の禁止、貸付条件並びに標識の表示、書面の交付、帳簿の備え付け、取立行為の規制、債権証書の返還など)及び認定貸金業協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

  <資金決済法>

 当社のプリペイド・カード、資金移動の事業は、「資金決済法」の適用を受けます。

 このため当社は、資金決済に関するサービスの提供にあたり、法令等遵守態勢の整備、利用者等の保護、資金決済システムの安全性の確保等を規定した認定資金決済事業者協会の自主ルールを遵守した業務運営を確保しなければなりません。

  <犯罪収益移転防止法>

 当社グループのクレジットカード事業、融資事業、資金移動事業及びリース事業は、「犯罪収益移転防止法」の適用を受けます。

 このため、犯罪収益移転防止法の定める取引時確認及び疑わしい取引の届出を遵守した業務運営を確保しなければなりません。

 

(7)情報関連リスク

 当社グループでは、事業の性格上、個人信用情報(クレジットカード番号単体の情報を含む)を中心に大量の個人情報を取得し、かつ保有、利用しております。個人情報保護法が施行される前から、その取扱いは厳格に行っておりますが、万一当社グループ又は業務委託先等から、個人情報の漏えいや紛失又は不正利用等が発生した場合、当社グループの信用毀損、損害賠償責任を招き、業績に影響を及ぼす恐れがある他、個人情報取扱事業者として法令に違反した場合、勧告、命令等の行政処分を受ける可能性があります。なお、当社グループでは、コンプライアンス統括部が中心となって、個人情報ならびに特定個人情報の適正な取扱い、安全管理等の維持に努めております。また、当社及び国内の連結子会社4社は、一般財団法人日本情報経済社会推進協会より、個人情報の保護レベルを評価するプライバシーマークの認証を取得し、実効性の確保に努めております。

 

(8)災害リスク

 当社グループでは、地震、大規模な災害や事故などの突発的な事態に備えて、「安否確認システム」の導入、「災害対応マニュアル」の整備、「緊急対策協議会運営規程」「事業継続計画(BCP)」の策定等、危機管理体制の構築に努めております。 ただし、想定以上の大規模な事態が発生し、当社グループの物的資産や人的資産に決定的な損害を被った場合、結果的に事業の中断や継続維持が困難な状況に至り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)有形資産リスク

 地震、台風等の自然災害、テロ等の人為的災害などにより、当社グループの有形資産が毀損する可能性があります。

 当社グループは、管理すべき動産・不動産の現状を定期的に把握するとともに、防災・防犯対策等を講じております。

 

 

(10)人的リスク

 当社グループは、幅広い分野で業務を行っていることから、有能な人材を継続的に確保し、採用した人材を育成・教育していくことが必要不可欠ですが、当社グループが有能な人材の確保及び雇用の維持、人材の教育ができなくなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)評判リスク

 当社グループの評判は、顧客、投資家、監督官庁及び社会との関係を維持する上できわめて重要です。法令違反、従業員の不正行為、システム障害、コントロールすることが困難又は不可能な相手方の行動等、様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを避けることができず、又は適切に対処することができなかった場合には、当社グループは、現在又は将来の顧客及び投資家を失うこととなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)関係会社リスク

 当社グループは、当社と当社の関係会社8社(連結子会社7社及び持分法適用関連会社1社)から構成されています(平成30年3月末日現在)。当社グループの事業における連単比率に関して、当社の占める割合が極めて高いものとなっております。しかしながら、関係会社に関連する事業上のリスクが大きく顕在化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)海外事業リスク

 当社グループは、東南アジアを中心に海外市場における事業拡大を図っており、ベトナム、インドネシア、フィリピン及びカンボジアにおいて事業展開を行っております。これらの海外市場への事業展開にあたっては、国内とは異なる予期しない法律又は規制の変更、政治・経済の混乱、為替の変動等のリスクが内在しており、これらの事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、これらの「事業等のリスク」は、本有価証券報告書の提出日現在において、当社グループで把握している情報に基づいて、事業上リスクとなる可能性があると考えられる主要な事項を記載しております。しかしながら、リスクの全てを網羅しているものではなく、将来の経済情勢や業界を取り巻く環境の変化など、様々な不確定要因により新たなリスクが発生する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、平成27年度からスタートした中期3カ年経営計画「ACT-∑(アクト・シグマ)」の最終年度が終了いたしました。中期経営計画のビジョンである「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」の実現に向けて、「グループシナジー」「先進性」「CSR」を重点方針とする経営戦略を着実に実行してまいりました。グループシナジーについては、海外事業の進展をはじめ、国内連結子会社においても当社の営業ネットワークを活かした収益基盤の拡大を図るなど、成長への布石を打ってまいりました。先進性については、ローコストオペレーションの追求や戦略的なIT投資の継続により、クレジット事業などが牽引役となり、トップラインが拡大いたしました。さらに、コスト構造改革を推進することで経営体質の強化を図りました。一方、想定以上に貸倒関連費用が増加したことは、今後の取り組むべき課題となりました。CSRについては、ガバナンスの強化や働き方改革の推進、社会貢献活動など持続的な企業価値向上に向けた取り組みを行ってまいりました。

 クレジット事業は、住宅関連、高級時計、家電、二輪車などの主要業種と、輸入車、中古車及びオートリースの取扱いが好調に推移したことで取扱高が増加いたしました。

 

 

 カード事業は、家電量販店、ディスカウントストアなどを中心とした提携カードの新規会員獲得が堅調に推移したことにより在籍会員数が拡大し、加えて各種プロモーションの実施によりショッピングの取扱高が増加いたしました。また、Visa/Mastercardのアクワイアリング事業やアリペイ決済は、提携先数が増え、取扱高が増加いたしました。キャッシングは、各種プロモーションの実施により取扱高が底打ちいたしました。

 ファイナンス事業は、銀行個人ローン保証の取扱高が減少いたしましたが、投資用マンション向け住宅ローン保証の取扱いが好調に推移し、ファイナンス事業全体として取扱高が増加いたしました。

 新事業は、連結子会社ジャックス・ペイメント・ソリューションズ株式会社が提供する後払い決済サービス「ATODENE(アトディーネ)」において、提携先数の増加と既存提携先での利用拡大に努めてきた結果、取扱高が増加いたしました。

 海外事業は、連結子会社であるベトナムの現地法人が、各種施策の実施により二輪車を中心に取扱高が増加いたしました。また、昨年5月に株式の追加取得を行い当社の連結子会社となったインドネシアのPT Mitra Pinasthika Mustika Finance(以下MPMF社)は、四輪車及び二輪車の取扱いが順調に推移し、取扱高が増加いたしました。また、フィリピンの持分法適用関連会社であるMMPC Auto Financial Services Corporationは、提携先の拡大、各種プロモーションを行ったことで、順調に取扱高が増加いたしました。さらに、平成30年1月にカンボジアにおいて、当社100%出資の現地法人JACCS FINANCE (CAMBODIA) PLC.が事業ライセンスを取得し、3月より営業を開始いたしました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

イ.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,855億9百万円増加し、4兆1,960億92百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ4,726億73百万円増加し、4兆429億68百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ128億36百万円増加し、1,531億23百万円となりました。

 

ロ.経営成績

  当社グループの業績は、連結取扱高4兆1,587億円(前期比10.4%増)、連結営業収益1,340億51百万円(前期比12.0%増)、連結経常利益127億33百万円(前期比7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益78億59百万円(前期比9.9%減)となりました。

 

 当社グループは信販事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。主な部門別の状況は以下のとおりとなりました。

(包括信用購入あっせん)

 カードショッピングは、取扱高の拡大を図るため、新規提携カードをリリースし、各種提携カードの会員獲得に注力してまいりました。さらに、プロモーション等による既存会員の活性化を図ってきたことで、取扱高が増加いたしました。また、Visa/Mastercardのアクワイアリング事業やアリペイ決済など、決済メニューを拡充し、取扱高の拡大に向けた取り組みを行ってまいりました。家賃決済関連につきましては、新規提携先の拡大及び大手取引先との安定的な取扱いにより、取扱高が順調に推移いたしました。

 当部門の連結取扱高は、1兆2,470億46百万円(前期比4.3%増)となりました。

 

(個別信用購入あっせん)

 ショッピングクレジットは、主力業種である二輪車や高級腕時計等が引き続き堅調に推移し、取扱高が増加いたしました。また、Web申込みによる取扱いを推進することで、利用率が向上し、取扱高の拡大につながりました。

 オートローンは、メーカーファイナンスの施策の影響で、一部の国産ディーラーにおいて取扱いが伸び悩んでいるものの、輸入車及び中古車販売店との関係を強化し、さらに各種施策の実施により取扱高が増加いたしました。

 当部門の連結取扱高は、7,829億94百万円(前期比22.3%増)となりました。

 

(信用保証)

 投資用マンション向け住宅ローン保証は、既存提携先のシェアを拡大し、取扱高が増加いたしました。さらに、新規提携先の拡大を図り、取扱高の上積みを図りました。

 銀行個人ローン保証は、マイナス金利等の影響により、主要銀行では保証の内製化が進み、当社との取引が抑制され、取扱高が減少いたしました。一方、株式会社三菱UFJ銀行のWeb商品におけるキャンペーン施策や地方銀行等の提携拡大により、保証残高は着実に積みあがり、営業収益が増加いたしました。

 住宅関連商品は、太陽光発電の固定価格買取制度の見直しによる影響で、ソーラーローンの取扱いが引き続き減少いたしましたが、リフォームローンを中心としたその他住宅関連商品でカバーし、取扱高が増加いたしました。

 当部門の連結取扱高は、8,567億16百万円(前期比9.8%増)となりました。

 

(融資)

 融資は、貸金業法改正の影響によりカードキャッシングの取扱高が減少傾向で推移しておりましたが、平成18年度以来の前年比プラスとなりました。また、その他融資においても堅調に推移し、取扱高が増加いたしました。

 当部門の連結取扱高は、743億86百万円(前期比2.4%増)となりました。

 

(その他)

 集金代行業務は、利便性の向上を図りながら提携先の拡大に努めてまいりました。また、家賃・スポーツクラブ等の継続課金の取扱いが順調に推移し、取扱高が増加いたしました。

 連結子会社のジャックスリース株式会社は、リース事業が堅調に推移いたしました。

 当部門の連結取扱高は、1兆1,975億57百万円(前期比11.0%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ318億93百万円増加し、814億21百万円となりました。

 各事業活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果使用した資金は1,678億15百万円(前連結会計年度は1,527億22百万円の使用)となりました。

 収入の主な内訳は、仕入債務の増加額1,941億23百万円、割賦利益繰延の増加額142億46百万円、税金等調整前当期純利益125億84百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額3,994億67百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は104億64百万円(前連結会計年度は61億43百万円の使用)となりました。

 支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出75億14百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出37億50百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は2,101億59百万円(前連結会計年度は1,243億18百万円の獲得)となりました。

 収入の主な内訳は、長期借入れによる収入2,073億43百万円、コマーシャル・ペーパーの増加額430億円、短期借入金の増加額393億47百万円、社債の発行による収入350億円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出920億71百万円、社債の償還による支出200億円であります。

 

③ 営業実績

 当社グループにおける営業実績は、以下のとおりであります。なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント情報の記載は省略しております。

 

イ.部門別営業収益

部門

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん収益

31,115

26.0

32,142

24.0

3.3

個別信用購入あっせん収益

25,555

21.4

35,319

26.3

38.2

信用保証収益

41,294

34.5

41,552

31.0

0.6

融資収益

10,769

9.0

10,639

7.9

△1.2

その他の営業収益

10,422

8.7

13,882

10.4

33.2

金融収益

496

0.4

516

0.4

4.0

合計

119,654

100.0

134,051

100.0

12.0

(注)  営業収益の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

個別信用購入あっせん収益:顧客手数料・加盟店手数料

信用保証収益            :保証料・事務手数料

融資収益                :利息

 

ロ.部門別取扱高

部門

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比

(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

包括信用購入あっせん

1,196,177

31.8

1,247,046

30.0

4.3

個別信用購入あっせん

640,321

17.0

782,994

18.8

22.3

信用保証

780,378

20.7

856,716

20.6

9.8

融資

72,667

1.9

74,386

1.8

2.4

その他

1,078,573

28.6

1,197,557

28.8

11.0

合計

3,768,118

100.0

4,158,700

100.0

10.4

(注)  取扱高の主な内訳は次のとおりであります。

包括信用購入あっせん

:クレジットカードによるあっせん取引であり、取扱高の範囲はアドオン方式についてはクレジット対象額に顧客手数料を含めた額であり、リボルビング方式についてはクレジット対象額であります。

個別信用購入あっせん

:個別契約による割賦購入あっせん取引であり、クレジット対象額に顧客手数料を含めた額であります。

信用保証

:顧客が提携金融機関等から融資を受ける際に、顧客の債務を保証する業務であり、取扱高の範囲は残債方式のものは保証元本であり、アドオン方式のものは保証元本に利息と保証料を含めた額であります。

融資

:顧客に融資する取引であり、取扱高の範囲は残債方式のものは融資額であり、アドオン方式のものは融資額に利息を含めた額であります。

 

ハ.部門別カード会員数、利用者数

部門

区分

前連結会計年度末

(平成29年3月31日)

(名)

当連結会計年度末

(平成30年3月31日)

(名)

包括信用購入あっせん

カード会員数

6,895,526

6,962,884

個別信用購入あっせん

利用者数

1,300,527

1,642,357

信用保証

利用者数

1,495,888

1,541,291

(注)1.カード会員数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末におけるカード発行延人数であります。

2.利用者数とは前連結会計年度末及び当連結会計年度末に残高のある延人数であります。

 

ニ.部門別信用供与件数

部門

前連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(件)

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

(件)

包括信用購入あっせん

185,252,687

189,354,112

個別信用購入あっせん

1,767,948

2,630,908

信用保証

1,378,714

1,700,033

融資

1,623,042

1,659,066

合計

190,022,391

195,344,119

 

ホ.融資における業種別貸出状況

業種

前連結会計年度末

(平成29年3月31日)

当連結会計年度末

(平成30年3月31日)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

貸出金残高

(百万円)

構成比

(%)

契約件数

(件)

製造業

10

0.0

6

農業

14

0.0

3

林業

漁業

鉱業

6

0.0

1

建設業

電気・ガス・熱供給・水道業

運輸・通信業

3

0.0

1

卸売・小売業、飲食業

699

0.3

17

631

0.3

22

金融・保険業

不動産業

16,924

7.1

212

19,233

8.6

281

サービス業

1,014

0.5

53

地方公共団体

0

0.0

1

個人

219,681

92.6

308,543

201,590

90.6

301,595

その他

合計

237,305

100.0

308,772

222,505

100.0

301,963

 

ヘ.融資における担保別貸出状況

担保の種類

前連結会計年度末

(平成29年3月31日)

当連結会計年度末

(平成30年3月31日)

貸出金残高(百万円)

貸出金残高(百万円)

有価証券

0

0

債権

商品

699

623

不動産

20,853

23,998

その他

小計

21,554

24,622

保証

信用

215,751

197,883

合計

237,305

225,505

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

① 経営成績等

イ.財政状態

連結貸借対照表の概要

 

平成29年3月期末

(百万円)

平成30年3月度末

(百万円)

増減

(百万円)

増減率

(%)

流動資産

3,634,114

4,122,482

488,367

13.4

固定資産

76,468

73,609

△2,858

△3.7

資産計

3,710,582

4,196,092

485,509

13.1

流動負債

3,013,241

3,350,404

337,163

11.2

固定負債

557,053

692,563

135,510

24.3

負債計

3,570,295

4,042,968

472,673

13.2

(内、有利子負債)

(1,211,954)

(1,458,518)

(246,563)

(20.3)

純資産

140,287

153,123

12,836

9.2

(内、自己資本)

(140,071)

(146,894)

(6,822)

(4.9)

(注)上表の(内、有利子負債)には、リース債務は含めておりません。

 

(流動資産)

 当連結会計年度の流動資産は、前連結会計年度に比べ4,883億67百万円増加し、4兆1,224億82百万円となりました。

 これは、割賦売掛金、信用保証割賦売掛金、現金及び預金、リース投資資産の増加等によるものであります。

 

(固定資産)

 当連結会計年度の固定資産は、前連結会計年度に比べ28億58百万円減少し、736億9百万円となりました。

 これは、投資有価証券の減少等によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度の流動負債は、前連結会計年度に比べ3,371億63百万円増加し、3兆3,504億4百万円となりました。

 これは、信用保証買掛金、コマーシャル・ペーパー等有利子負債、支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。

 

(固定負債)

 当連結会計年度の固定負債は、前連結会計年度に比べ1,355億10百万円増加し、6,925億63百万円となりました。

 これは、長期借入金、社債の増加等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度の純資産は、前連結会計年度に比べ128億36百万円増加し、1,531億23百万円となりました。

 これは、利益剰余金、非支配株主持分の増加等によるものであります。

 

 

ロ.経営成績

 当社グループの経営成績につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」及び下記「③.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。

 

 

② 資本の財源及び資金の流動性

イ.資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの包括信用購入あっせん業務、個別信用購入あっせん業務における取扱いに伴う提携先への立替金やお客様への融資業務及び各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、情報処理のための基幹システムに対する無形固定資産投資等があります。

 

ロ.財務政策

 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、メインバンクを中心とした金融機関からの借入、社債、コマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化により幅広く資金調達を行っております。資金調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入先・社債等の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段について資金計画を作成し、状況を適宜判断して実施しています。

 当社グループの主要な事業資産である割賦売掛金の回収期間に応じて、有利子負債の調達を行っており、当期末の有利子負債残高は、1兆4,585億18百万円となりました。

 また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、資金調達の半分程度を固定金利で調達しております。

 当社グループは、本報告書提出時点において、株式会社日本格付研究所(JCR)、株式会社格付投資情報センター(R&I)から、長期債は共にA-、コマーシャル・ペーパーはJ-1(JCR)、a-1(R&I)の格付けを取得しております。また、国内金融機関において合計1,000億円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっております。

 海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接邦銀現地法人等より調達を行っております。

 

③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 平成29年度を最終年度とする第12次中期3カ年経営計画「ACT-Σ(アクト・シグマ)」では、「日本を代表する先進的なコンシューマーファイナンスカンパニー」というビジョンを掲げ、その実現に向けて3つの重点方針「グループシナジーによる収益基盤の拡充」「経営資源の戦略的活用による先進性の追求」「高度なCSRの実践」に取り組んでまいりました。結果につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、平成29年5月に公表いたしました平成30年3月期の業績予想に対して実績は以下のとおりとなりました。

連結

業績予想

(百万円)

実績

(百万円)

予想対比

(%)

営業収益

135,700

134,051

98.8

経常利益

15,300

12,733

83.2

親会社株主に帰属する当期純利益

9,800

7,859

80.2

 営業収益は、国内及び海外事業において、収益基盤の強化や事業拡大に向けた取り組みを進め、概ね順調に推移いたしました。

 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、IT投資効果の極大化やコスト構造改革の推進、組織・業務の効率化に取り組むなど、経営体質の強化及び各種費用の削減に努めてまいりましたが、営業総債権の拡大に伴う未収債権残高の増加及び自己破産など債務整理の増加により貸倒関連費用が増加したことから、予想を下回る結果となりました。

 今後、さらなる成長拡大に向けて、未収債権の発生を抑制しつつ営業債権残高を着実に積み上げ、営業収益の拡大を目指します。

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成29年5月17日付で持分法適用関連会社であるPT Mitra Pinasthika Mustika Financeの株式を追加取得し、同社は当社の連結子会社となりました。

 なお、株式取得等の詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

  特記事項はありません。