また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~平成29年12月31日、以下、「当第3四半期」という。)の日本経済は、企業収益や雇用情勢の改善を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、米国の金融政策、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行き、英国のEU離脱問題に伴う不透明感、地政学リスクによる影響など、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意が必要な状況で推移しました。
このような状況の中で、“いつでも、どこでも、誰もが「安全・安心・快適・便利」に暮らせる社会”を実現する「社会システム産業」の構築を目指す当社グループは、平成29年5月に「セコムグループ2030年ビジョン」を策定しました。このビジョンのもと、“ALL SECOM”(セコムグループ総力の結集)を継続的に推進し、当社グループが展開する各事業間の連携を深めるとともに、セコムと想いを共にするパートナーが参加して様々な技術・知識を持ち寄り(“共想”戦略)、暮らしや社会に安心を提供する社会インフラである「あんしんプラットフォーム」の構築を進めております。当第3四半期も、さまざまな取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。
平成29年12月には、7月に発売した健康管理・救急対応サービス「セコム・マイドクターウォッチ」に続く、ホームセキュリティとIoT機器が接続するコネクテッドサービスの第2弾として、不在時でも在宅時でも荷物を安全に受け取ることができる「セコムあんしん宅配ボックス」を「セコム・ホームセキュリティ」と連携が可能なオプションサービスとして販売開始しました。また、医療機関のスタッフステーションなどで一時的に保管する医薬品の厳格な管理をサポートする、日本初のオンライン・セキュリティシステムと連動可能な履歴保持機能付き医薬品保管庫「セサモMBX」を販売開始しました。
さらに、オープンイノベーションにより大手電機メーカーのAI技術を活用し、商業施設や公共空間における来場者の状況に応じて、店舗運営や接客を支援する情報などを提供する施設運営支援サービスの実証実験を11月から開始しました。また、街の安全・安心機能の向上を目指し、ウェアラブルカメラと移動式モニタリング拠点「オンサイトセンター」を用いたセキュリティシステムの運用実験を実施するなど、先進テクノロジーをセキュリティに活用する取り組みを推進しました。
このような積極的な業務推進に加えて、働き方改革の視点も意識して、人的基盤整備として採用など人材投資を強化するとともに、AIやIoTなどの新技術も活用して、業務改革等にも繋がるシステム基盤の再構築を積極的に進めています。
なお、当第3四半期より、コールセンター業務を含む様々なBPO(注1)業務の受託・運営を行う株式会社TMJを連結子会社としました。同社をこれまでICT(注2)・データセンター分野を中心に事業展開してきた、従来の情報通信事業と融合させることにより、これらの事業のより一層の発展を目的として、従来「情報通信事業」としていた報告セグメントを「BPO・ICT事業」に変更しております。この変更による報告セグメントの区分に変更はありません。
(注1)BPO(Business Process Outsourcing):効率化、生産性の向上などを目的として、
データ入出力・処理業務などを外部に委託すること
(注2)ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術
当第3四半期の連結売上高は6,928億円(前年同期比3.4%増加)となりましたが、営業利益は保険事業および不動産・その他の事業などの減益の影響もあり、948億円(前年同期比1.5%減少)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用損益で73億円減少したことなどにより、1,019億円(前年同期比6.1%減少)となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は631億円(前年同期比4.4%減少)となりました。なお、当第3四半期の売上高は過去最高を達成することができました。
事業別にみますと、以下のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、売上高は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび主に集配金サービスを提供している株式会社アサヒセキュリティの増収などにより、4,032億円(前年同期比2.2%増加)となり、営業利益は860億円(前年同期比2.4%増加)となりました。
防災事業では、売上高は積極的な営業活動に努めたことおよび消火設備の大型案件の寄与などにより、885億円(前年同期比9.3%増加)となり、営業利益は68億円(前年同期比12.2%増加)となりました。
なお、当事業は建設業界の影響を受ける部分が多いため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
メディカルサービス事業では、売上高は医療機器・薬剤提供サービスなどの販売が好調に推移したことなどにより、532億円(前年同期比7.0%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇および販売費及び一般管理費の増加により、40億円(前年同期比0.8%減少)となりました。
保険事業では、売上高はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が好調に推移したことなどにより、318億円(前年同期比4.2%増加)となりました。営業利益は台風による発生損害の増加により、25億円(前年同期比28.4%減少)となりました。
地理情報サービス事業では、売上高は国内および海外部門が共に減収となったことにより、332億円(前年同期比5.2%減少)となり、営業損益は9億円の営業損失(前年同期は4億円の営業損失)となりました。
なお、当事業は主要市場である官公庁への納品時期が主に3月末になるため、収益は期末に向けて集中する傾向があります。
BPO・ICT事業では、売上高は新たに連結子会社となった株式会社TMJの寄与およびデータセンターの売上の増収などにより、467億円(前年同期比28.2%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇および販売費及び一般管理費の増加により、52億円(前年同期比6.6%減少)となりました。
不動産・その他の事業では、売上高は不動産開発・販売事業が減収となったことなどにより、358億円(前年同期比15.9%減少)となり、営業利益は38億円(前年同期比23.6%減少)となりました。
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末に比べ313億円(1.9%)増加して1兆6,815億円となりました。流動資産は、現金護送業務用現金及び預金が411億円(31.5%)増加の1,717億円、仕掛販売用不動産が241億円(108.2%)増加の464億円、現金及び預金が291億円(9.6%)減少の2,732億円、受取手形及び売掛金が158億円(13.3%)減少の1,039億円、有価証券が85億円(29.2%)減少の208億円となり、流動資産合計は前連結会計年度末に比べ142億円(1.9%)増加して7,760億円となりました。固定資産は、無形固定資産が178億円(15.9%)増加の1,299億円、投資有価証券が34億円(1.2%)増加の2,844億円、有形固定資産が43億円(1.2%)減少の3,722億円となり、固定資産合計は前連結会計年度末に比べ171億円(1.9%)増加して9,055億円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ53億円(0.8%)減少して6,315億円となりました。流動負債は、現金護送業務用預り金が402億円(37.3%)増加の1,481億円、未払法人税等が191億円(69.5%)減少の83億円、賞与引当金が95億円(61.6%)減少の59億円、支払手形及び買掛金が62億円(14.0%)減少の384億円となり、流動負債合計は前連結会計年度末に比べ56億円(1.6%)増加して3,596億円となりました。固定負債は、繰延税金負債が61億円(28.0%)減少の158億円、長期借入金が55億円(39.5%)減少の85億円となり、固定負債合計は前連結会計年度末に比べ110億円(3.9%)減少して2,719億円となりました。
純資産は、利益剰余金が303億円(3.8%)の増加、その他有価証券評価差額金が43億円(17.2%)の増加、非支配株主持分が23億円(1.9%)の増加となり、純資産合計は前連結会計年度末に比べ367億円(3.6%)増加して1兆499億円となりました。
当第3四半期において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
当第3四半期の研究開発費の総額は5,373百万円であります。