文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社業を通じて社会に貢献することを企業理念とし、セキュリティサービスをはじめとするさまざまなサービスを複合的・融合的に提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当社は、さまざまな経営環境に対応すべく、指標経営にとらわれない柔軟な経営判断を行うことにしております。「社会システム産業」の構築を目指し、リスクを把握しつつ、柔軟かつ迅速な事業展開を図ります。
(3)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
社会システム産業の構築に邁進する中で、外部環境が大きく変化し、不確実性の増す今日において、当社は、2030年を一つのターゲットとして、「セコムグループ2030年ビジョン」を策定しました。このビジョンのもと、「あんしんプラットフォーム」構想の実現を目指して様々な施策に取り組んでおり、当社の今後の進むべき方向性をより深く示し、2030年に向けた成長をさらに確かなものにするため、2018年5月に「セコムグループ ロードマップ2022」を策定しました。
これまでセコムが培ってきた社会とのつながりをベースに、セコムと想いを共にするパートナーが参加して、様々な技術や知識を持ち寄り(“共想”戦略)、セコムとともに暮らしや社会に安心を提供する社会インフラが「あんしんプラットフォーム」です。セコムはこの「あんしんプラットフォーム」を通して、きめ細やかな切れ目のない安心を提供していきます。そのために、“ALL SECOM”(セコムグループ総力の結集)を継続的に推進し、当社グループが展開するさまざまな事業間の連携をこれまで以上に進め、社員一人ひとりが、当社グループの総合力を最大限活用できる環境整備に努めております。加えて、最新情報技術を活用したビッグデータ分析によりお客様の潜在ニーズに応えるとともに、日常のお困りごとに対しても、更なる付加価値として快適・便利なサービスを提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会の構築を目指してまいります。
また、海外でも高まる安心ニーズに対して、課題先進国日本で培ったノウハウを活かし、地域ごとに応じたサービスを展開していきます。
社会が変わりゆく中で、それらを捉えて、あるいは先んじて、変わらぬ安心を提供し続けます。そのためにセコムはこれからも変わり続けていきます。セコムは、「あんしんプラットフォーム」構想の実現により、社会とのつながりを強め、さまざまな社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
また、以上のような経営戦略のもと、実効性のあるコーポレートガバナンスの実現など、様々なESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)課題にも適切に対処してまいります。
当社グループ(当社および連結子会社)の事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断に影響を与えると考えられる事項については、積極的な情報開示という観点から以下に開示しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の早期対応に努める所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①信用リスク
当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生するさまざまな信用リスクにさらされています。当社グループは、その状況を定期的に見直し、必要な引当金等の検討ならびに計上を行っておりますが、今後、取引先の財政状態が悪化した場合は、貸倒引当金の積み増しをせざるを得なくなり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、警備契約やリース契約などにおいて、当社グループとの契約期間中に契約先が不測の事態に陥った場合、当社の初期投資等が損失になる可能性があります。しかしながら、特定の大口契約を有していないため、リスクは分散されております。
②投資リスク
当社グループは、株式等、価格変動リスクを有するさまざまな有価証券を有しております。従いまして、保有する有価証券の価値が下落した場合、評価損が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう審査の上、総合的な経営判断のもと、投資を決定しております。
③不動産価値変動のリスク
当社グループは、不動産開発・販売および不動産賃貸事業等において、さまざまな不動産を有しております。不動産の価値は、マクロ経済などさまざまな要因により変動するリスクを有しており、当該価値の変動により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、そのさまざまな要因やその資産の活用状況、タイミングなどを総合的に勘案し、取得・保有・売却などの意思決定を行っております。
④金利変動のリスク
当社グループは、資金を金融機関からの借入および社債の発行などにより調達しており、金利変動リスクにさらされています。従いまして、金利変動により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金利負担を最小に抑えつつ、将来の金利変動に伴うキャッシュ・フローの変動を管理するために、借入の一部について金利スワップ契約を利用しています。変動金利支払分を受け取り、固定金利を支払う受取変動・支払固定の金利スワップ契約により、キャッシュ・フローを固定しております。
⑤年金債務
当社グループの年金資産の時価が下落し、年金資産の運用利回りが期待運用収益率を下回った場合や、予定給付債務を計算する基礎となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、数理計算上の差異が発生することから、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
厚生年金基金の代行部分を国に返上したことや、退職給付制度を確定拠出型年金制度およびキャッシュバランス制度(在籍期間中の年収に応じて毎年累積した額に10年国債応募者利回り3年平均の利息を付与する制度)に移行したことにより、将来の数理計算上の差異発生リスクを低減しております。
⑥メディカルサービス事業におけるリスク
当社グループは、メディカルサービス事業において、在宅医療サービス、シニアレジデンスの運営、医療機器・器材の販売および医療機関向け不動産の賃貸を実施しております。また、当事業に関連し、医療機関に対し貸付および債務保証等を実施しております。診療報酬の引き下げなど医療制度の改定等による激しい事業環境変化が発生した場合には、当社グループのメディカルサービス事業および取引先である医療機関の業績が悪化し、その結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの事業運営においては、事業環境変化への柔軟かつ迅速な対応、医療機関の経営状況の継続的な監視および経営改善支援等を行うことにより、適正なリスクコントロールに努めております。
⑦損害保険事業におけるリスク
当社グループは、保険事業において火災保険等の損害保険を販売しております。火災保険を中心に地震・風水害などの自然災害、火災その他の大事故により、保険事業における業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは保険引受にあたっては、「契約引受規定」に基づき引受を行い、継続的な損害率の検証を行うなど、適正なリスクコントロールに努めており、また巨大災害・集積リスクについては再保険カバーや異常危険準備金積立てにより対応しております。
資金運用にあたっては、さまざまなリスクを考慮し、負債特性に合わせた運用を行っており、流動性の確保に努めております。
積立保険については、満期および解約時に返戻金を支払う必要があります。市場の混乱等により資金回収が遅延した場合や、予期せぬ多額の保険金支払および大量解約等により資金流出が発生した場合には、流動性が損なわれ、予定外の運用資金の回収を行う必要があり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧競争激化のリスク
当社グループの各事業分野への新規参入企業の増加により、価格の低下、あるいはマーケットシェアが低減する可能性があります。また、既存企業による低価格戦略の採用、顧客からの値下げ圧力等により当社グループの提供するサービス・商品が価格競争に巻き込まれる可能性があります。競争の激化に伴い、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
ただし、当社グループの主要事業であるセキュリティサービス事業への新規参入は、設備投資等の初期投下資本額が膨大な額となることやノウハウの取得が困難であることなどから、容易ではないものと考えております。また、価格競争による収益性の低下に対しては、よりきめ細かいサービスの提供により価格下落を防ぐとともに、充分なコスト管理により収益の確保に努めます。
⑨法規制の変更
「安全・安心」というサービスを主に提供している当社グループの事業は、その性質上、厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されています。このような法令や規制に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、大きな負担が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
法規制の変更に基づくリスクを回避するため、当社グループでは関係当局の今後の動向を注視し、適時適切に対応する所存であります。
⑩災害・大事故等の発生
大規模な地震や風水害などの自然災害(気候変動の進行が原因となるものを含む)、火災や大規模停電、インフラ損壊などの大事故、伝染病等の社員への集団感染などの事態が発生した場合、当社グループのサービス提供や事業遂行などに支障をきたす可能性があります。また、オンライン・セキュリティシステムの契約先に設置されている当社グループ資産の警報機器等が災害等により損傷し、修理・交換等の対応を余儀なくされる可能性があります。このような事態が発生した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これら災害等の発生時に備え、当社グループのノウハウを盛り込んだマニュアルの整備、対策品の備蓄、機動的な対応体制、訓練の実施などの対応策を講じております。
⑪顧客情報の管理
当社グループは、セキュリティサービス契約に関するものをはじめとし、膨大な顧客情報を取り扱っており、このような情報の機密保持が極めて重要な課題となっております。万一、顧客情報が外部に漏洩した場合には、信用失墜や損害賠償請求等が発生し、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、セキュリティサービスを中心に「安全・安心」を提供する企業体として、厳格な顧客情報管理体制を構築しています。外部からのネットワーク不正侵入への対策はもとより、内部からの情報漏洩防止のため、「情報セキュリティ方針」に基づいた厳格なシステム操作権限の設定、徹底した社員教育、情報漏洩を防止するシステムの導入等を行うとともに、「個人情報取扱規程」をはじめ「個人情報に関する問い合わせ対応マニュアル」等を整備し、情報流出の防止に努めております。
⑫人材の確保
当社グループは、セキュリティサービス事業をはじめ、さまざまな事業を展開しており、その持続的成長を担う人材を確保する必要がありますが、少子化の進行等に伴い、人材確保における競争は高まっています。当社グループが展開している各事業に必要な人材を確保できない場合、事業運営に支障をきたし、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕事を通じた自己実現で得られる社員満足度の向上を重視する経営方針の下、グループ横断的な採用活動や人事異動を実施するとともに、社員の職種や成長段階に応じた独自の研修・教育体系を整備し人材育成を行うなど、必要な人材の確保・維持に努めております。さらに、先端技術を活用した業務の効率化や生産性の向上に努めております。
⑬技術環境の変化
当社グループは、社会変化や犯罪動向、技術の進展などを見据え、社会のニーズに合致したサービスやシステムを迅速かつ的確に創出することが重要であると考えています。当社グループが展開している事業分野において、新しい技術の急速な発展や技術環境の大きな変化により、急激で大規模な開発・投資が必要となった場合は、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、研究部門(IS研究所)や開発部門(開発センター)などの研究開発体制を有しています。IS研究所では、未来を見据えた最先端の技術動向を捉え、「社会システム産業」の構築に必要な基盤技術の研究に取り組んでいます。開発センターでは、その基盤技術を生かしてお客様の声を反映させた独創的で信頼性の高いシステム開発を行っています。さらに、当社グループの技術のみならず、他社との連携を進めることで、最先端技術等を広く積極的に活用して、お客様にとって最適なサービスやシステムの創出に努めております。
⑭国際的な事業活動におけるリスク
当社グループは、グローバルな事業展開を重要な戦略のひとつとして、18の国と地域に進出しています。海外では、政治、経済および社会情勢の動向、現地における労使関係、商慣習および文化等の相違、外資規制をはじめとする法規制の変更、電気や通信などのインフラの整備状況、テロや紛争の発生など、国内とは異なるさまざまなリスクがあります。このようなリスクに直面した場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、海外進出時には進出先において起こり得る各種リスクの十分な検討を行い、進出後はそれらリスクの動向をいち早く察知し迅速に対応できるよう、現地での不断の情報収集に努めております。
なお、セコムの連結財務諸表は、日本円での表示となっているため、主に米ドル、英国ポンド、人民元、豪ドル、タイバーツ、韓国ウォンおよび台湾ドルといった通貨の円換算時の為替レートの変動による影響を受けます。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッ シュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の日本経済は、高い水準にある企業収益や、雇用情勢の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方、通商問題の動向や、中国をはじめアジア新興国等の経済の先行き、英国のEU離脱問題に伴う不透明感など、海外経済の動向と政策に関する不確実性や金融資本市場の変動の影響等に留意が必要な状況が続きました。
このような状況において、“いつでも、どこでも、誰もが「安全・安心・快適・便利」に暮らせる社会”を実現する「社会システム産業」の構築をめざす当社グループは、2017年5月に「セコムグループ2030年ビジョン」を策定しました。このビジョンのもと、セコムグループの総力を結集する“ALL SECOM”戦略に加え、想いを共にするパートナーと協業する“共想”戦略を推進しながら、暮らしや社会に安心を提供する社会インフラである「あんしんプラットフォーム」の構築を進めております。さらに、「2030年ビジョン」実現に向けて今何をすべきかを明確化した「セコムグループ ロードマップ2022」を2018年5月に公表し、当連結会計年度はロードマップの実現に向けて、「テクノロジーの進化」と「労働力人口の減少」という2つの優先課題への取り組みを積極的に展開しました。テクノロジーの進化による「つながる社会のセキュリティ」需要に対しては、ドローンやロボットの活用など先端技術を駆使した取り組みや、サイバーセキュリティ分野への積極的な進出、ホームセキュリティの価値拡大などに取り組みました。労働力人口の減少による「誰かに頼みたい」需要に対しては、施設管理・ビル管理やサプライチェーン管理業務などへの提案力強化などに取り組みました。また、当期および来期を持続的成長のための将来に向けた基盤整備を行う投資の年として、IT人財やグローバル人財などの確保、積極的な人員採用、働き方改革の推進、モチベーションを高めるための各種研修内容の充実などの人への投資と、基幹システムの刷新・機能改善や業務品質向上・効率化、新商品・新サービスの研究・開発などのシステム投資を行いました。
また、地理情報サービス事業は、2018年5月9日に主要会社である株式会社パスコが「パスコグループ中期経営計画2018-2022」を発表し、位置情報とそれに関連付けられたさまざまな事象に関する情報を活用したビジネスモデルを展開する空間情報産業の総合企業を目指すことを表明したことから、当連結会計年度より、セグメント名称をこれまでの「地理情報サービス事業」から「地理空間情報サービス事業」へ変更いたしました。この変更による報告セグメントの区分に変更はありません。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、常駐警備や現金護送のサービスを提供するとともに、安全商品を販売しております。当連結会計年度も、お客様のニーズを的確に把握し、最適なサービスを提供することにより、お客様の満足度向上とリレーション強化につなげ、長期にわたりお客様に「安全・安心・快適・便利」を提供することに努めました。
事業所向けでは、当連結会計年度も高度な画像認識技術や出入管理機能、設備制御機能など、付加価値の高いオンライン・セキュリティシステムの拡販に努めました。また、2018年4月には大手流通グループと協働し、大型施設の管理・運営の省人化・無人化の実現や中小型施設のワンストップサービスの開発などを開始、2018年6月にはサプライチェーンに関わるセキュリティ認証等の取得を支援するサービス「セコム・サプライチェーンセキュリティ・セレクト」を発売、2018年12月には「SGS 食品への意図的な異物混入防御のための物理的対応認証」の取得支援サービスを開始するなど、施設管理・ビル管理やサプライチェーン管理に対する提案力を強化しました。大規模イベント向けサービスでは、「AI画像認識システム」や「セコム気球」(上空からの監視カメラ)など、先端技術を駆使した最新のセキュリティシステムを提供し、イベントの「安全・安心」な開催・運営を支援しました。そのほか、2018年8月末に東芝グループの施設警備を主に手掛ける、セコムトセック株式会社(旧東芝セキュリティ株式会社)の発行済株式の80.1%を取得して子会社化しました。
家庭向けでは、ご家庭の「安全・安心・快適・便利」なサービスへの高いニーズが続いていることから、お客様の生活スタイルに柔軟に対応でき、さまざまな機器と接続することでサービスが拡張できる新型ホームセキュリティ「セコム・ホームセキュリティNEO」の拡販に努めました。また、「セコム・ホームセキュリティ」と連携が可能なオプションサービスを拡充しました。リストバンド型ウェアラブル端末を用いて健康管理・救急対応を行う「セコム・マイドクターウォッチ」や、いつでも安心して荷物を受け取ることができる「セコムあんしん宅配ボックス」に続き、2018年10月から「セコム・ホームセキュリティ」とコミュニケーションロボットを連携させ、お客様の毎日の暮らしを切れ目なく見守ることができる新しいスタイルのセキュリティサービスを提供するなど、ご家庭のさまざまな「安全・安心」ニーズの高まりに応えています。そのほか、2018年12月には日本で初めて家庭用AED(自動体外式除細動器)のレンタルサービスとオンラインサービスをパッケージ化した「セコム・MyAED」の販売を開始しました。
海外では、経済発展が続く東南アジアや中国を中心に、緊急対処サービスを特徴とする「セコム方式」のセキュリティサービスの拡販に努めました。また、2019年2月には、セキュリティサービス事業で13カ国目の海外進出国となるトルコ共和国で、同国有数の財閥グループと合弁会社、セコムアクティフギュベンリックヤトゥルム A.S.を設立しました。
当連結会計年度は事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、新たに連結子会社となったセコムトセック株式会社の寄与などによる常駐警備サービスの増収および主に集配金サービスを提供している株式会社アサヒセキュリティの増収などにより、売上高は5,583億円(前期比2.3%増加)となりました。営業利益は持続的成長のための将来に向けた基盤整備に対する投資の影響などにより、1,141億円(前期比1.3%減少)となりました。
防災事業では、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅といったさまざまな施設に対し、お客様のご要望に応えた高品質な自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供しております。当連結会計年度も、国内防災業界大手2社である能美防災株式会社およびニッタン株式会社が、それぞれの営業基盤や商品開発力などを活かした防災システムの受注に努めました。
当連結会計年度は積極的な営業活動に努めたことなどにより、売上高は1,402億円(前期比2.7%増加)となりましたが、営業利益は前連結会計年度に比べ原価率の高い物件が集中したことおよび販売費及び一般管理費が増加したことなどにより、141億円(前期比9.6%減少)となりました。
メディカルサービス事業では、訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテの提供、医療機器・医薬品等の販売、介護サービス、医療機関向け不動産賃貸等さまざまなメディカルサービスを提供しております。当連結会計年度は、在宅患者の心電図や血圧などの生体データを、医師や看護師が遠隔確認できる、遠隔診療支援プラットフォーム「セコムVitalook(セコムバイタルック)」の提供を開始しました。
当連結会計年度は薬価改定の影響などによる減収要因はありますが、シニアレジデンスの増収および医療機器の販売の増収などにより、売上高は722億円(前期比1.8%増加)となりました。営業利益は原価率の上昇などにより、51億円(前期比5.5%減少)となりました。
保険事業では、当連結会計年度もセキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した事業所向けの「火災保険セキュリティ割引」や家庭総合保険「セコム安心マイホーム保険」、ガン治療費の実額を補償する「自由診療保険メディコム」、セコムの緊急対処員が要請に応じて事故現場に急行するサービスを付帯した自動車総合保険「セコム安心マイカー保険」など、当社グループならではの保険の販売を推進しました。
当連結会計年度はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および火災保険の販売が好調に推移したことなどにより、売上高は448億円(前期比3.6%増加)となりました。営業損益は自然災害等に係る責任準備金の繰入が増加したことなどにより、前連結会計年度の13億円の営業利益から当連結会計年度は3億円の営業損失となりました。
地理空間情報サービス事業では、航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、さらには新興国や発展途上国を含めた諸外国政府機関に提供しております。本セグメントの主要会社である株式会社パスコは2018年5月に「パスコグループ中期経営計画2018-2022」を発表し、各種施策に取り組みました。
当連結会計年度は海外部門が減収となりましたが、国内部門が増収となったことにより、売上高は515億円(前期比1.3%増加)となりました。営業利益は国内部門の原価率の改善および販売費及び一般管理費の減少などにより、27億円(前期比31.8%増加)となりました。
BPO・ICT事業では、データセンターを中核に、セコムならではのBCP(事業継続計画)支援や情報セキュリティ、クラウドサービスの提供に加えて、コールセンター業務を含むさまざまなBPO業務の受託・運営を行っています。当連結会計年度は、高まるサイバーセキュリティへのニーズに対応し、仮想通貨取引所から電子鍵を預かり安全な運用・管理を行う「ウォレット運用サービス」や、標的型サイバー攻撃に対する入口対策と出口対策、保険をパッケージにした「セコムあんしんブラウザ-b」の販売を開始しました。また、飲食・小売業界の生産性向上に寄与する勤務シフト自動作成サービス「セコムかんたんシフトスケジュール」の販売を開始しました。
当連結会計年度は2017年10月より連結子会社となった株式会社TMJの寄与およびデータセンターの売上の増収などにより、売上高は921億円(前期比32.1%増加)となり、営業利益は81億円(前期比12.1%増加)となりました。
不動産・その他の事業には、防犯・防災対策を充実させたマンションの開発・販売、不動産賃貸および建築設備工事などが含まれます。
当連結会計年度は建築設備工事事業が増収となったことなどにより、売上高は543億円(前期比1.8%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇および販売費及び一般管理費の増加などにより、44億円(前期比12.2%減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結売上高は1兆138億円(前期比4.5%増加)となりましたが、営業利益は持続的成長のための将来に向けた基盤整備に対する投資の影響もあり、1,302億円(前期比3.9%減少)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益を83億円計上したことなどにより、1,448億円(前期比0.4%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は920億円(前期比5.8%増加)となりました。なお、売上高は1兆円を超え、親会社株主に帰属する当期純利益とともに過去最高を達成することができました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末の総資産は、前期末比499億円(2.9%)増加の1兆7,651億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が330億円(10.4%)増加の3,503億円、有価証券が80億円(46.2%)増加の253億円、現金護送業務用現金及び預金が65億円(4.8%)増加の1,423億円、未収契約料が63億円(18.0%)増加の416億円となり、流動資産合計は前期末比546億円(6.9%)増加の8,467億円となりました。
固定資産は、繰延税金資産が58億円(26.8%)増加の274億円、有形固定資産が47億円(1.3%)増加の3,784億円、投資有価証券が110億円(3.9%)減少の2,695億円、退職給付に係る資産が29億円(7.1%)減少の384億円となり、固定資産合計は前期末比46億円(0.5%)減少の9,183億円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前期末比52億円(0.8%)増加の6,391億円となりました。
流動負債は、現金護送業務用預り金が72億円(6.4%)増加の1,210億円、その他流動負債が34億円(15.4%)増加の259億円となり、流動負債合計は前期末比119億円(3.3%)増加の3,694億円となりました。
固定負債は、繰延税金負債が54億円(38.6%)減少の87億円、長期借入金が26億円(20.9%)減少の100億円となり、固定負債合計は前期末比66億円(2.4%)減少の2,696億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金が570億円(6.7%)の増加、その他有価証券評価差額金が56億円(23.6%)の減少、為替換算調整勘定が49億円(85.0%)の減少、退職給付に係る調整累計額が35億円(35.4%)の減少となり、純資産合計は前期末比447億円(4.1%)増加の1兆1,259億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の55.5%から56.4%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,364.63円から4,562.08円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,489億円の資金の増加(前連結会計年度は1,236億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益1,439億円、減価償却費581億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額518億円、受取手形及び売掛債権の増加額94億円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で613億円の資金の減少(前連結会計年度は582億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出538億円、投資有価証券の取得による支出362億円、無形固定資産の取得による支出110億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入435億円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で549億円の資金の減少(前連結会計年度は509億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、配当金の支払額349億円、長期借入金の返済による支出72億円、非支配株主への配当金の支払額62億円、リース債務の返済による支出50億円であります。また、主な資金の増加要因は、長期借入れによる収入24億円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ319億円増加して3,398億円となりました。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告金額に影響を与える判断、見積りの設定を行うことが必要となります。これらの見積りは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(概要)
当社グループは、セキュリティサービスを中心に防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、不動産開発・販売、不動産賃貸などの事業活動全般にわたってサービスの拡充、営業の拡大、システムの構築、商品の開発に努めるなど、積極的な事業展開を図ってまいりました。
当連結会計年度の売上高は1兆138億円(前期比4.5%増加)となりましたが、営業利益は持続的成長のための将来に向けた基盤整備に対する投資の影響もあり、1,302億円(前期比3.9%減少)となりました。経常利益は米国などにおける投資事業組合運用益を83億円計上したことなどにより、1,448億円(前期比0.4%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は920億円(前期比5.8%増加)となりました。
(売上高)
セキュリティサービス事業を始めとするすべての事業の増収により、売上高は前期比4.5%増加の1兆138億円となりました。各事業セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティサービス事業が55.1%、防災事業が13.8%、メディカルサービス事業が7.1%、保険事業が4.4%、地理空間情報サービス事業が5.1%、BPO・ICT事業が9.1%、不動産・その他の事業が5.4%となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は、前期比6.1%増加の6,922億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の67.2%から68.3%になりました。
販売費及び一般管理費は、前期比4.9%増加の1,913億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の18.8%から18.9%になりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,302億円(前期比3.9%減少)となりました。
(経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、固定資産売却廃棄損の増加などにより営業外費用が前期比6億円(16.1%)増加しましたが、米国などにおける投資事業組合運用益の増加などにより、営業外収益が前期比64億円(49.4%)増加したことにより、経常利益は1,448億円(前期比0.4%増加)となりました。
なお、前連結会計年度の特別利益に海外税務関連利益7億円を計上したこと、特別損失が前期比2億円(11.5%)増加したことなどにより、税金等調整前当期純利益は1,439億円(前期比0.2%減少)となりました。
法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計は前期比63億円(13.9%)減少の391億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は前連結会計年度の31.5%から27.2%に低下しました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比10億円(8.5%)増加の127億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は920億円(前期比5.8%増加)となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度の9.0%から9.1%になりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の398.58円から421.56円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況(財政状態の状況)」に記載のとおりであります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が518億円、受取手形及び売掛債権の増加額が94億円となりましたが、税金等調整前当期純利益が1,439億円、減価償却費が581億円となったことなどにより、全体では1,489億円の資金の増加となりました。
前連結会計年度との比較では、保険契約準備金の純増額の減少が56億円となりましたが、たな卸資産の増減額が前連結会計年度の186億円の増加に対し34億円の減少、リース債権及びリース投資資産の増減額が前連結会計年度の15億円の増加に対し37億円の減少、法人税等の支払額が47億円減少となったことなどにより、営業活動から得た資金は前期比253億円(20.5%)の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が435億円となりましたが、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出が538億円、投資有価証券の取得による支出が362億円、無形固定資産の取得による支出が110億円となったことなどにより、全体では613億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得が201億円減少、投資有価証券の取得による支出が147億円減少となりましたが、投資有価証券の売却及び償還による収入が257億円減少、無形固定資産の取得による支出が35億円増加、有形固定資産の取得による支出が35億円増加、有価証券の純増額が31億円増加、有形固定資産の売却による収入が27億円減少となったことなどにより、投資活動に使用した資金は前期比31億円(5.5%)の増加となりました。
この結果、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額)は、875億円の資金の増加(前連結会計年度は654億円の資金の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が24億円となりましたが、配当金の支払額が349億円、長期借入金の返済による支出が72億円、非支配株主への配当金の支払額が62億円、リース債務の返済による支出が50億円となったことなどにより、全体では549億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、短期借入金の純減額の減少が17億円となりましたが、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が29億円増加、長期借入れによる収入が24億円減少となったことなどにより、財務活動に使用した資金は前期比40億円(7.9%)の増加となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比319億円(10.4%)増加の3,398億円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループは、柔軟な事業活動を行い、強固な財務基盤を保つために、高い流動性を維持することを基本方針としております。また、「社会システム産業」の構築に向けて、営業活動から得た資金や、市場調達および金融機関からの借入等により調達した資金で、積極的に事業投資活動を行っております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は731億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,398億円となっております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業は、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したこと、新たに連結子会社となったセコムトセック株式会社の寄与などによる常駐警備サービスの増収および主に集配金サービスを提供している株式会社アサヒセキュリティの増収などにより、売上高は5,719億円(前期比2.4%増加)となり、営業利益は持続的成長のための将来に向けた基盤整備に対する投資の影響などにより、1,141億円(前期比1.3%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の20.7%から20.0%に低下しました。
資産は、現金及び預金、現金護送業務用現金及び預金などの増加により、9,586億円(前期比4.3%増加)となりました。
防災事業は、積極的な営業活動に努めたことなどにより、売上高は1,442億円(前期比2.5%増加)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ原価率の高い物件が集中したことおよび販売費及び一般管理費が増加したことなどにより、141億円(前期比9.6%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の11.1%から9.8%に低下しました。
資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金などの増加により、1,651億円(前期比4.9%増加)となりました。
メディカルサービス事業は、薬価改定の影響などによる減収要因はありますが、シニアレジデンスの増収および医療機器の販売の増収などにより、売上高は724億円(前期比1.8%増加)となり、営業利益は原価率の上昇などにより、51億円(前期比5.5%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の7.6%から7.1%に低下しました。
資産は、有形固定資産などの減少により、1,407億円(前期比1.7%減少)となりました。
保険事業は、セコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」および火災保険の販売が好調に推移したことなどにより、売上高は479億円(前期比3.6%増加)となりました。営業損益は自然災害等に係る責任準備金の繰入が増加したことなどにより、前連結会計年度の13億円の営業利益から当連結会計年度は3億円の営業損失となりました。
資産は、未収契約料、繰延税金資産、無形固定資産などが増加しましたが、現金及び預金の減少などにより、2,206億円(前期比1.0%減少)となりました。
地理空間情報サービス事業は、海外部門が減収となりましたが、国内部門が増収となったことにより、売上高は519億円(前期比1.8%増加)となりました。営業利益は国内部門の原価率の改善および販売費及び一般管理費の減少などにより、27億円(前期比31.8%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の4.0%から5.2%に上昇しました。
資産は、無形固定資産、有形固定資産などの減少により、644億円(前期比1.0%減少)となりました。
BPO・ICT事業は、2017年10月より連結子会社となった株式会社TMJの寄与およびデータセンターの売上の増収などにより、売上高は1,051億円(前期比36.8%増加)となり、営業利益は81億円(前期比12.1%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の9.4%から7.7%に低下しました。
資産は、無形固定資産などが減少しましたが、受取手形及び売掛金、有形固定資産などの増加により、1,413億円(前期比0.8%増加)となりました。
不動産・その他の事業は、建築設備工事事業が増収となったことなどにより、売上高は561億円(前期比1.4%増加)となりましたが、営業利益は原価率の上昇および販売費及び一般管理費の増加などにより、44億円(前期比12.2%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の9.1%から7.9%に低下しました。
資産は、有形固定資産、リース債権及びリース投資資産、現金及び預金などが増加しましたが、仕掛販売用不動産などの減少により、1,651億円(前期比0.8%減少)となりました。
なお、以上のセグメント売上高および営業損益はセグメント間取引を含む数値であり、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)」に記載した売上高(セグメント間取引を含まない外部顧客に対する売上高)とは一致しません。
(1) セコムSCセンターの賃貸借契約
当社は1996年4月23日に研究・情報の拠点として、日鉄鉱業株式会社と三鷹日新ビル(呼称:セコムSCセンター)および敷地等の賃貸借契約を締結いたしました。また、2010年より賃貸借契約を締結した三鷹日新ビルアネックス(呼称:セキュアデータセンター)を含めて表示しております。
(2) セコム本社ビルの賃貸借契約
当社は2000年12月8日に、有限会社原宿ビルの不動産信託受託者である住友信託銀行株式会社(現 三井住友信託銀行株式会社)と、セコム本社ビルおよびその敷地等の賃貸借契約を締結いたしました。
当社グループ(当社および連結子会社)は、安全を核とする社会システム産業を確立させるために、提出会社において研究部門と開発部門を組織し、必要な技術の研究、開発に積極的に取り組んでおります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額
研究部門(IS研究所)では、当社の成長の原動力となるべく、未来を見据えた研究活動を行っており、人工知能、IoT、サイバーセキュリティなどこれからの技術動向を捉え、最先端の技術開発に取り組んでいます。
未来の社会に必要となるサービスを創造するための最適アプローチとして、当社の技術と世の中の技術の融合を加速させるためのオープンイノベーションを推進し、研究所がこれまでに築き上げた外部組織との幅広い繋がりをもとに、産学官連携を強力に推し進めております。
今後、将来に向けて、当社が目指す、安全・安心で快適・便利な社会の実現に向け、最先端の技術の力でサービス提供にかかる貴重な「人の力」を大きく増幅させる研究開発により、「セキュリティ」「超高齢社会」「災害・BCP(事業継続計画)・環境」分野でのサービスイノベーションを推進していきます。
① 画像監視の高度化に対応するための空間認識技術、対象物検知技術、人物追跡技術、行動認識技術、バイオメトリクス(生体認証)応用技術、それらの核となる画像先端技術の研究等
② 光、スペクトル情報、電磁波、可聴音、超音波など多様な領域のセンシング技術および各種センサーの融合活用技術の研究等
③ インターネット上の安全を確保するための新たな暗号・認証技術、サイバーセキュリティ技術の研究等
④ ビッグデータを活用した高度なサービス実現のための高速かつ高信頼のネットワーク基盤技術ならびに分散処理技術の研究等
⑤ 地理情報システムGISや3次元建物情報モデルBIM(Building Information Modeling)などを統合した空間情報およびその応用技術の研究等
⑥ サービス品質・効率向上のためのオペレーション解析・最適化技術・シミュレーション技術に関する研究等
⑦ 将来の超高齢社会を見据えた遠隔医療、医療の質向上・経営効率化の為の病院内のデータ分析技術の研究等
⑧ 将来の社会システムへの影響の大きい環境エネルギーなどの社会的課題や新たな犯罪・事故の芽を察知するための研究等
⑨ 犯罪・事故、重要な社会現象に関するリスクマネジメント的観点からの研究等
⑩ プロトタイプ構築において仕様変更を前提とした設計方法の研究、システムの安定動作実現に関する研究等
開発部門(開発センター)では、社会システム産業の基幹となる技術やシステムの開発を行っております。例えば、ご契約先での異常発生を感知するセンサーの開発、家庭向けから大規模施設向けにいたる幅広い用途に応じたセキュリティシステム、出入管理システム、消火システム、ロボットシステム、バーチャル警備員システム、そして医療・健康関連システムにいたるまで、社会のニーズに適合した商品を開発しております。
社会のニーズを先取りし、独創性と高い信頼性を誇るシステムを開発するという開発センターの方針から生まれたシステム・機器には、画像処理技術を活かした防犯用のセンサー、携帯電話のインフラとGPS技術を活かしたシステム、様々な方式の非接触カードに対応したICカードリーダーおよびIT技術を駆使したコントロールセンターとの通信機器などがあります。
また、防災事業では、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築および機器の開発を行っております。地理空間情報サービス事業では、パスコ総合研究所が中心となって基礎技術や応用技術の研究開発を行い、プロジェクトチームを編成して、新製品の開発および既存商品の機能強化等を行っております。
提出会社における研究開発分野および研究開発体制は、下図のとおりであります。
