文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、社業を通じて社会に貢献することを企業理念とし、セキュリティサービス事業を中心として、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他の様々な分野の事業を展開しており、これらを複合的・融合的に提供することで、より「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築を目指しております。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び業績目標
外部環境が大きく変化し不確実性の増す今日において、当社グループの方向性を明確にするために、2017年に策定した「セコムグループ2030年ビジョン」では、これまで当社グループが培ってきた社会とのつながりをベースに、想いを共にするパートナーが参加して様々な技術や知識を持ち寄り、暮らしや社会に安心を提供する社会インフラ「あんしんプラットフォーム」構想を掲げております。「あんしんプラットフォーム」構想では、時間や空間にとらわれないサービスの提供、一人ひとりのお客様に寄り添った最適なサービスの提供および生活の中にある様々なリスクに対して、事前の備えから事後の復旧まで、安心にフォーカスしたきめ細やかな切れ目のないサービスの提供を目指し、当社グループが展開する様々な事業間の連携をさらに深め、当社グループの総合力を最大限活用できるように努めております。
また、当社グループでは、「セコムグループ2030年ビジョン」の実現に向けて、各種取り組みを進めております。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行などにより、社会を取り巻く環境は刻々と変化しており、今後が見通しづらい状況にありますが、将来の成長に向けたシステム投資や人への投資は、継続的に行ってまいります。今後も、社会の変化に対応した各種施策を進めていくことで、新たな価値創造による新事業の創出・育成や、既存業務の拡充を着実に進め、当社グループの成長スピードをさらに加速してまいります。
以上の経営戦略のもと、実効性のあるコーポレートガバナンスを実現し、ESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)課題へ適切に対処するとともに、社会とのつながりを強め、様々な社会課題を解決することで、社会と共に成長を続け、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
新型コロナウイルス感染症は世界中の経済・社会活動に大きな影響を及ぼしています。当社グループでは、セキュリティサービスをはじめとして、感染症対策を徹底しながらサービス提供を継続しております。引き続き、お客様と従業員の安全確保を最優先に考え、新型コロナウイルス感染症には十分注意しながら、影響が最小限となるように努めてまいります。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社は、日本のセキュリティサービス事業のパイオニアとして、創業以来社会の変化に先んじてサービスを進化させ、業界をリードしてまいりました。現在は、セキュリティサービス事業を中心に、防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、その他事業を展開しています。また、海外では、17の国と地域に進出し、現地の状況を踏まえた当社グループならではのサービスを提供し、セコムブランドのグローバル市場への浸透を進めています。
一方、当社グループを取り巻く環境においては、少子高齢化、労働力の減少等の社会課題に加え、技術革新により急速に変化するライフスタイルへの対応が課題となっております。このような状況下において、当社グループはテクノロジーの進化および労働力人口の減少を優先して取り組むべき課題として設定し、その解決に向けて以下の取り組みを推進しております。
①新しい技術・ノウハウの積極的な活用
テクノロジーの進化が進む中、デジタル化や最先端技術を活用した付加価値創造・サービス品質向上等を実現するため、新しい技術やノウハウを積極的に情報収集し、活用してまいります。また、こうした取り組みを通じて、国内および海外において、最新技術と人財を融合した新商品・新サービスの創出に取り組んでまいります。
②国内事業(サービス・商品の競争力の向上)
国内事業においては、法人マーケット向けのサービス・商品の品質・機能向上を図り競争力を高めていくとともに、高齢者見守り等の新サービスを提供することにより、個人マーケットの更なる開拓等に注力してまいります。また、セコムグループの経営資源を最大限に活用することにより、多様化するお客様のニーズに応える付加価値の高いサービスを提供することで、「安全・安心・快適・便利」な社会の構築を目指してまいります。
③海外事業の強化
海外事業においては、広告宣伝をはじめとした販売促進を進めながら、高まる安心ニーズに対して、最先端技術を積極的に取り入れ、現地ニーズに合った海外のローカルマーケット向けの事業企画・商品開発や大型物件への対応など、事業展開を強化してまいります。また、現地における積極的な採用、教育・研修の充実により、海外事業におけるサービス品質を向上してまいります。
④業務効率化及び業務品質の向上
労働力人口の減少による人手不足への対応に当たり、システムへの投資により機能改善を図ることで業務の効率化を推進し、生産性向上、収益性向上、サービス品質の向上に繋げてまいります。あわせて、業務プロセスおよび社内の事務処理の見直しを図り、コスト削減を促進してまいります。
⑤競争力向上のための人財確保
労働力人口の減少により、優秀な人財の確保が課題となっております。当社グループでは、IT人財、グローバル人財をはじめ、優秀な人財の採用強化を進めるとともに、既存社員の育成、変化適応力の向上のための教育・研修、働きやすい環境整備等を推進してまいります。また、成長分野を強化するために人財を再配置するなどの組織戦略を推進し、当社グループの競争力向上に向けて取り組みを進めてまいります。
⑥コンプライアンス・ガバナンス体制の強化
上記の取り組みを推進するに当たり、「安全・安心」を提供する当社グループにとって、法および法の精神の遵守によりお客様からの信頼を確保・維持し続けることは、経営上極めて重要な課題であります。当社グループでは、創業以来受け継がれてきた「セコムの理念」を通じて、一層のコンプライアンス体制の強化に努めております。また、ガバナンス体制を整備し、ステークホルダーの皆様に配慮した経営に取り組んでおります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。以下のリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の早期対応に努める所存であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
①社会・経済
当社グループは、日本国内において主要事業を展開しているため、我が国の社会情勢、経済状況、金利変動等により国内の景気が低迷すると、当社グループの様々な契約の新規受注などに影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは社会情勢や経済政策などを注視し、市場のニーズを取り込んで常に最新の警備システムやサービスの開発・販売を行うなど適時適切に対応しております。
②国際的な事業活動に伴うリスク
当社グループは、17の国と地域に進出しており、現地の政治、経済、社会情勢、労使関係、商慣習・文化等の相違、外資規制等の法規制の変更、インフラの整備状況、テロや紛争の発生など、日本国内とは異なるリスクがあります。当社グループは、海外進出時には、起こり得る各種リスクの十分な検討を行い、進出後は、現地での不断の情報収集を行い、速やかに対策を講じております。なお、当社の連結財務諸表は、日本円での表示となっているため、通貨の円換算時の為替レートの変動による影響を受けます。
③自然災害・パンデミック
気候変動の進行などによる自然災害の頻発・甚大化、大規模な地震、火災や大規模停電、インフラ損壊などの大事故、ウイルス・伝染病等の集団感染(パンデミック)などの事態が発生した場合、当社グループのサービス提供や事業遂行などに支障をきたす可能性があります。当社グループでは、災害等の発生やパンデミックなどに備え、マニュアルの整備、対策品の備蓄、機動的な対応体制、訓練の実施などの対応策を講じております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略及び業績目標」に記載のとおりであります。
④法規制の変更
「安全・安心」というサービスを主に提供している当社グループの事業は、警備業法をはじめとした厳格かつ詳細な法令や規制に従うことを要求されております。このような法令や規制に変更が生じた場合には、速やかに対応する必要があり、大きな負担が発生する可能性があります。法規制の変更に基づくリスクを回避するため、当社グループでは関係当局の動向を注視し、適時適切に対応してまいります。
⑤技術環境の変化
当社グループが展開している事業分野において、新しい技術の急速な発展や技術環境の大きな変化により、迅速で大規模な開発・投資が必要となる可能性があります。当社グループは、専門組織を中心に研究・開発を推進するとともに、他社とも連携し、最先端技術などを広く活用して、常に最適なサービスやシステムの創出に努めております。
⑥労働市場の逼迫
少子化の進行などに伴い、当社グループが展開している各事業に必要な人材を確保できない場合、事業運営に支障をきたす可能性があります。当社グループは、グループ横断的な採用活動や人事異動の実施をはじめ、研修・教育体系を整備し人材育成を行うなど、必要な人材の確保・維持に努めるとともに、より少ない労働力でも事業運営を推進できるよう先端技術を活用した業務の効率化や生産性の向上に努めております。
⑦競争激化
当社グループの各事業分野への他社の新規参入や、競合会社の低価格戦略や新サービス展開などにより、当社グループの競争環境が激化するリスクがあります。これらの環境においても、サービス品質の向上、商品価値の拡大を進めるとともに、適切なコスト管理を通じて適正な収益の確保に努めます。なお、当社グループの主要事業であるセキュリティサービス事業への新規参入は、設備等の初期投資額が膨大であることや、即応体制の整備やノウハウの取得が困難であることなどから、参入障壁は高いものと考えております。
⑧年金債務
当社グループの年金資産の時価が下落し、年金資産の運用利回りが期待運用収益率を下回った場合や、予定給付債務を計算する基礎となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合には、数理計算上の差異が発生する可能性があります。厚生年金基金の代行部分を国に返上したことや、退職給付制度を確定拠出型年金制度およびキャッシュバランス制度(在籍期間中の年収に応じて毎年累積した額に10年国債応募者利回り3年平均の利息を付与する制度)に移行したことにより、将来の数理計算上の差異発生リスクを低減しております。
①契約先・取引先にかかる信用リスク
当社グループは、営業活動や投融資活動などにおいて、主に国内の取引先に対し発生する信用リスクにさらされています。当社グループは、取引先の経営状況を把握するなど、リスクの早期発見・対応に努めております。
また、警備契約やリース契約などにおいて契約先が不測の事態に陥った場合、当社の初期投資等が損失になる可能性がありますが、特定の大口契約を有していないため、リスクは分散されております。
②情報漏洩
当社グループは、膨大な顧客情報や機密情報を取り扱っているため、当該情報が外部に漏洩した場合は、信用失墜や損害賠償請求などが発生するリスクがあります。当社グループは、外部からのネットワーク不正侵入への対策に加え、内部からの情報漏洩防止のため、規則・マニュアルを整備し、社員教育を徹底するとともに、ソフト・ハードの両面から情報漏洩対策を日々強化するなど、システム・人材の両面から情報流出の防止に努めております。
③投資
当社グループは、株式等、価格変動リスクを有する様々な有価証券を有しております。そのため、保有する有価証券の価値が下落した場合、評価損が発生する可能性があります。当社グループは、投資効率が低く保有意義の乏しい投資にならないよう厳格に審査の上、総合的な経営判断のもと、投資・売却を決定しております。
また、M&A、他社との資本提携・業務提携などの戦略的投資においては、当初想定したシナジー効果等が得られなかった場合、のれんの減損損失等が発生する可能性があります。当社グループは、M&A等の戦略的な投資に当たっては、専門機関も活用しながら各種デュー・デリジェンスを慎重かつ重点的に実施することで、リスクを低減させております。
④オペレーショナルリスク
当社グループは、業務を遂行する上で、情報管理・労務管理・職場環境での不適切な行為、顧客への営業等に関する不適切行為、ヒューマンエラー、プロセス・システムなどの機能不全、委託業者・取引先業者による不適切行為などが発生するリスクがあります。当社グループでは、リスク対策委員会による会社横断的な対策の検討や、会社理念の透徹、定期的な研修、運用・ルールの徹底、システム管理、カメラの導入などにより、不適切な行為の防止・抑止に努めております。
⑤グループガバナンス
当社グループは、セキュリティサービス事業を中心とした様々な分野において、グループ各社が主体となり事業活動を推進しております。そのため、グループ各社における経営判断・投資判断、内部における不適切な行為などによりグループ経営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当社の内部監査部門による監査、定期的なグループ経営会議を通じたグループ情報および運営理念の共有、内部通報制度などによりグループガバナンスを強化しております。
①メディカルサービス事業におけるリスク
当社グループは、メディカルサービス事業において、医療機関に対し貸付および債務保証等を実施しており、診療報酬の引き下げなど医療制度の改定等による事業環境の変化などにより影響を受ける可能性があります。メディカルサービスの事業運営においては、事業環境変化への柔軟かつ迅速な対応、医療機関の経営状況の継続的な監視および経営改善支援などを行うことにより、適正なリスクコントロールに努めております。
②保険事業におけるリスク
当社グループは、保険事業において火災保険などの損害保険を販売しており、地震・風水害などの自然災害、火災その他の大事故により影響を受ける可能性があります。
当社グループは保険引受にあたっては、「契約引受規定」に基づき引受を行い、継続的な損害率の検証を行うなど、適正なリスクコントロールに努めており、また巨大災害・集積リスクについては再保険カバーや異常危険準備金積立てにより対応しております。資金運用にあたっては、様々なリスクを考慮し、負債特性に合わせた運用を行っており、流動性の確保に努めております。
③不動産価値変動のリスク
当社グループは、不動産賃貸事業などにおいて、不動産を有しております。不動産の価値は、マクロ経済など様々な要因により変動するリスクを有しております。当社グループは、その様々な要因やその資産の活用状況、タイミングなどを総合的に勘案し、取得・保有・売却などの意思決定を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、企業収益や個人消費などで持ち直しの動きが見られました。また、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かうなかで、国内外の感染症の動向による経済の下振れリスクや金融資本市場の変動、国際情勢の不透明感の高まりや原材料価格上昇の影響などにも留意が必要な状況が続きました。
このような状況において、当社グループは、「安全・安心・快適・便利」な社会を実現する「社会システム産業」の構築をめざすなかで策定した「セコムグループ2030年ビジョン」、また、その実現に向けて今何をすべきかを明確化した「セコムグループ ロードマップ2022」への取り組みを積極的に展開しております。
2021年7月から9月にかけて開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」では「オフィシャルパートナー(セキュリティサービス&プランニング)」として協賛し、競技会場や関連施設の警備を実施することで、大会の「安全・安心」な開催に貢献しました。また、2022年1月には、深刻な人手不足と高まるセキュリティニーズに対応するため、世界初となる、AIを活用し警戒監視や受付業務などを行う「バーチャル警備システム」を販売開始したほか、商業施設やオフィスビルなどさまざまな場所に調和しながらAI・5Gなどの最先端技術を活用して警備業務を行うセキュリティロボット「cocobo(ココボ)」の販売を開始しました。さらに、2月には、「Apple Watch」や「iPhone」を使ってより快適に、より楽しく、「セコム・ホームセキュリティ」を使用できる「SECOM カンタービレ」アプリを提供開始するなど、当連結会計年度も様々な取り組みを通じて、ますます多様化・高度化するお客様の安心ニーズに対し、きめ細やかな切れ目のないサービスを提供することに努めました。
なお、2020年12月に当社の連結子会社でありましたセコムホームライフ株式会社(以下、「セコムホームライフ」という。)の発行済株式の全てを譲渡し、連結の範囲から除外したことから、当連結会計年度より、セグメント名称をこれまでの「不動産・その他の事業」から「その他事業」へ変更いたしました。この変更によるセグメントの区分に変更はありません。
また、当連結会計年度から、より適切な情報を提供するため事業内容の類似性および関連性の観点からセグメント区分の見直しを行い、従来「セキュリティサービス事業」に含めておりました一部の事業を「BPO・ICT事業」および「その他事業」に変更しており、前期比較にあたっては、変更後の区分により作成したものを記載し、分析を行っております。
セグメントごとの業績につきましては、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業では、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)を中心に、常駐警備や現金護送のサービスを提供するとともに、安全商品を販売しております。
事業所向けでは、防犯や防災をはじめ、従業員の就業管理などによる事業効率化に至るまで、企業の事業運営に有益な機能をオールインワンで提供するシステムセキュリティ「AZ」(注1)の拡販に努めました。また、多様化する画像監視ニーズに対し、「AZ」との連携が可能で、多彩なラインアップやクラウド対応等の柔軟性により施設の規模を問わず幅広いニーズに対応した「セコムIPカメラ」の販売および「セコム画像クラウドサービス」を提供しました。
家庭向けでは、防犯・防火ニーズに加え、お客様の生活スタイルに柔軟に対応でき、様々な機器と接続することでサービスを拡張できる「セコム・ホームセキュリティNEO」の機能を向上し、拡販に努めました。さらに、「セコム・ホームセキュリティ」のオプションサービスとして、スマートフォン専用アプリにより、離れた場所に住むご家族が親御さんの暮らしの様子をゆるやかに見守ることができる、新しい「安否みまもりサービス」の提供を開始しました。
海外では、経済発展が続く東南アジアや中国を中心に、緊急対処サービスを特長とする「セコム方式」のセキュリティサービスの拡販に努めるとともに、最先端技術を取り込みながら機械警備のデジタルトランスフォーメーションを推進し、現地市場に適応したシステムの開発・導入を推進しました。
当連結会計年度はセコムホームライフの子会社を連結の範囲から除外したことによる55億円の減収影響がありますが、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび常駐警備サービスの増収などにより、売上高は5,580億円(前期比0.4%増加)となり、営業利益は1,161億円(前期比3.8%増加)となりました。
(注1) システムセキュリティ:事業所向けオンライン・セキュリティシステム
防災事業では、オフィスビル、プラント、トンネル、文化財、船舶、住宅といった様々な施設に対し、お客様のご要望に応えた高品質な自動火災報知設備や消火設備などの各種防災システムを提供しております。当連結会計年度も、国内防災業界大手2社である能美防災株式会社およびニッタン株式会社が、それぞれの営業基盤や商品開発力などを活かした防災システムの受注に努めました。
当連結会計年度は能美防災株式会社の火災報知設備の増収などにより、売上高は1,488億円(前期比4.3%増加)となり、営業利益は採算性の良い案件が集中したことなどにより、147億円(前期比14.0%増加)となりました。
メディカルサービス事業では、訪問看護サービスや薬剤提供サービスなどの在宅医療サービスを中心として、シニアレジデンスの運営、電子カルテの提供、医療機器・医薬品等の販売、介護サービス、医療機関向け不動産賃貸等様々なメディカルサービスを提供しております。
当連結会計年度は医療消耗品の販売が増収となったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt.Ltd.の増収などにより、売上高は745億円(前期比4.1%増加)となり、営業利益は56億円(前期比37.9%増加)となりました。
保険事業では、当連結会計年度もセキュリティシステム導入によるリスク軽減を保険料に反映した事業所向けの「火災保険セキュリティ割引」や家庭総合保険「セコム安心マイホーム保険」、ガン治療費の実額を補償する「自由診療保険メディコム」、セコムの緊急対処員が要請に応じて事故現場に急行するサービスを付帯した自動車総合保険「セコム安心マイカー保険」など、当社グループならではの保険の販売を推進しました。
当連結会計年度はセコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が好調に推移したことなどにより、売上高は526億円(前期比6.5%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少などにより、10億円(前期比27.0%増加)となりました。
地理空間情報サービス事業では、航空機や車両、人工衛星などを利用した測量や計測で地理情報を集積し、加工・処理・解析した空間情報サービスを、国および地方自治体などの公共機関や民間企業、さらには新興国や発展途上国を含めた諸外国政府機関に提供しております。
当連結会計年度は国内公共部門が航空レーザーによる測量業務等の増加により増収となったことなどにより、売上高は563億円(前期比2.8%増加)となりました。営業利益は本社移転費用の計上および人員増加に伴う人件費の増加に加え、前連結会計年度に海外部門で大型案件の工事損失引当金の戻入が発生したことなどにより、40億円(前期比13.4%減少)となりました。
BPO・ICT事業では、データセンターを中核に、セコムならではのBCP(事業継続計画)支援やテレワーク支援、情報セキュリティ、クラウドサービスの提供に加えて、コンタクトセンター業務を含む様々なBPO業務の受託・運営を行っています。
当連結会計年度はコンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービスを提供する株式会社TMJの増収およびデータセンター事業の増収などにより、売上高は1,156億円(前期比3.3%増加)となり、営業利益は131億円(前期比4.1%増加)となりました。
その他事業には、不動産賃貸および建築設備工事などが含まれます。
当連結会計年度はセコムホームライフを連結の範囲から除外したことによる75億円の減収影響などにより、売上高は436億円(前期比11.8%減少)となり、営業利益は59億円(前期比3.4%減少)となりました。
これらの結果、当連結会計年度における連結売上高は2020年12月にセコムホームライフおよびその子会社を連結の範囲から除外したことによる131億円および「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等の適用による33億円の減収影響がありますが、すべての報告セグメントが増収となったことから、1兆498億円(前期比1.3%増加)となりました。営業利益はセキュリティサービス、防災、メディカルサービス、保険およびBPO・ICT事業などの増益の影響もあり、1,434億円(前期比4.8%増加)となりました。経常利益は営業外損益で米国などにおける投資事業組合運用損益が前連結会計年度35億円の運用損から当連結会計年度28億円の運用益となったことなどにより、1,531億円(前期比10.2%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に特別損失でのれん償却額56億円および関係会社株式売却損29億円を計上したことなどにより、942億円(前期比26.2%増加)となりました。
なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を達成することができました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度末の総資産は、前期末比435億円(2.3%)増加の1兆9,077億円となりました。
流動資産は、現金及び預金が231億円(4.6%)増加の5,223億円、受取手形、売掛金及び契約資産が169億円(12.8%)増加の1,498億円となり、流動資産合計は前期末比441億円(4.7%)増加の9,862億円となりました。
固定資産は、退職給付に係る資産が83億円(21.0%)増加の478億円、長期前払費用が75億円(30.4%)減少の173億円となり、固定資産合計は前期末比5億円(0.1%)減少の9,215億円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前期末比173億円(2.7%)増加の6,517億円となりました。
流動負債は、前受契約料が80億円(26.6%)増加の382億円、その他が64億円(27.4%)減少の170億円となり、流動負債合計は前期末比6億円(0.2%)増加の3,617億円となりました。
固定負債は、長期前受契約料165億円を計上した他、保険契約準備金が46億円(2.6%)増加の1,856億円、長期預り保証金が70億円(22.9%)減少の236億円となり、固定負債合計は前期末比167億円(6.1%)増加の2,899億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、資本剰余金が114億円(14.0%)の減少、利益剰余金が453億円(4.5%)の増加、自己株式が56億円(7.7%)の減少、為替換算調整勘定が113億円(66.9%)の増加、退職給付に係る調整累計額が26億円(61.6%)の増加、非支配株主持分が141億円(9.6%)の減少となり、純資産合計は前期末比262億円(2.1%)増加の1兆2,560億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の58.1%から58.8%となり、期末発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,958.18円から5,147.30円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、全体で1,649億円の資金の増加(前連結会計年度は1,819億円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益1,520億円、減価償却費617億円であります。また、主な資金の減少要因は、法人税等の支払額426億円、売上債権及び契約資産の増加額106億円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、全体で553億円の資金の減少(前連結会計年度は485億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出531億円、投資有価証券の取得による支出316億円であります。また、主な資金の増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入332億円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、全体で873億円の資金の減少(前連結会計年度は493億円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、配当金の支払額381億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出285億円、自己株式の増加額112億円、リース債務の返済による支出56億円であります。また、主な資金の増加要因は、長期借入れによる収入48億円であります。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ238億円増加して5,139億円となりました。
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(概要)
当社グループは、セキュリティサービスを中心に防災、メディカルサービス、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、不動産賃貸などの事業活動全般にわたってサービスの拡充、営業の拡大、システムの構築、商品の開発に努めるなど、積極的な事業展開を図ってまいりました。
当連結会計年度における売上高は2020年12月にセコムホームライフおよびその子会社を連結の範囲から除外したことによる131億円および「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等の適用による33億円の減収影響がありますが、すべての報告セグメントが増収となったことから、1兆498億円(前期比1.3%増加)となりました。営業利益はセキュリティサービス、防災、メディカルサービス、保険およびBPO・ICT事業などの増益の影響もあり、1,434億円(前期比4.8%増加)となりました。経常利益は営業外損益で米国などにおける投資事業組合運用損益が前連結会計年度35億円の運用損から当連結会計年度28億円の運用益となったことなどにより、1,531億円(前期比10.2%増加)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に特別損失でのれん償却額56億円および関係会社株式売却損29億円を計上したことなどにより、942億円(前期比26.2%増加)となりました。
(売上高)
すべての報告セグメントの増収により、売上高は前期比1.3%増加の1兆498億円となりました。各事業セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティサービス事業が53.2%、防災事業が14.2%、メディカルサービス事業が7.1%、保険事業が5.0%、地理空間情報サービス事業が5.4%、BPO・ICT事業が11.0%、その他事業が4.1%となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の売上原価は、前期比1.0%増加の7,121億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の68.1%から67.8%になりました。
販売費及び一般管理費は、前期比0.3%増加の1,941億円となり、売上高に占める割合は前連結会計年度の18.7%から18.5%になりました。
これらの結果、当連結会計年度の営業利益は1,434億円(前期比4.8%増加)となりました。
(経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は、米国などにおける投資事業組合運用損益が前連結会計年度35億円の運用損から当連結会計年度28億円の運用益となったことなどにより、営業外収益が前期比34億円(29.6%)増加となり、営業外費用が前期比41億円(44.2%)減少したことにより、経常利益は1,531億円(前期比10.2%増加)となりました。
なお、前連結会計年度に特別損失でのれん償却額56億円および関係会社株式売却損29億円を計上したことなどにより、税金等調整前当期純利益は1,520億円(前期比18.0%増加)となりました。
法人税、住民税及び事業税ならびに法人税等調整額の合計は前期比33億円(7.7%)増加の462億円となり、税金等調整前当期純利益に対する負担率は前連結会計年度の33.3%から30.4%に下落しました。
また、非支配株主に帰属する当期純利益が前期比2億円(2.4%)増加の114億円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は942億円(前期比26.2%増加)となり、売上高当期純利益率は前連結会計年度の7.2%から9.0%になりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度の342.17円から431.27円、ROEは前連結会計年度の7.1%から8.6%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
セキュリティサービス事業は、セコムホームライフの子会社を連結の範囲から除外したことによる55億円の減収影響がありますが、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティシステム)の販売が堅調に推移したことおよび常駐警備サービスの増収などにより、売上高は5,698億円(前期比0.4%増加)となり、営業利益は1,161億円(前期比3.8%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の19.7%から20.4%になりました。
資産は、現金及び預金などが増加しましたが、長期前払費用、短期貸付金などの減少により、9,948億円(前期比0.1%減少)となりました。
防災事業は、能美防災株式会社の火災報知設備の増収などにより、売上高は1,521億円(前期比4.2%増加)となり、営業利益は採算性の良い案件が集中したことなどにより、147億円(前期比14.0%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の8.9%から9.7%になりました。
資産は、受取手形、売掛金及び契約資産などの増加により、1,843億円(前期比4.7%増加)となりました。
メディカルサービス事業は、医療消耗品の販売が増収となったことおよびインドにおける総合病院事業会社タクシャシーラ ホスピタルズ オペレーティング Pvt.Ltd.の増収などにより、売上高は748億円(前期比4.1%増加)となり、営業利益は56億円(前期比37.9%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の5.7%から7.6%になりました。
資産は、長期貸付金などの減少により、1,317億円(前期比1.4%減少)となりました。
保険事業は、セコム損害保険株式会社のガン保険「自由診療保険メディコム」の販売が好調に推移したことなどにより、売上高は558億円(前期比6.2%増加)となり、営業利益は自然災害による損害の減少などにより、10億円(前期比27.0%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の1.5%から1.8%になりました。
資産は、投資有価証券などが減少しましたが、現金及び預金、有価証券などの増加により、2,378億円(前期比2.7%増加)となりました。
地理空間情報サービス事業は、国内公共部門が航空レーザーによる測量業務等の増加により増収となったことなどにより、売上高は565億円(前期比2.8%増加)となりました。営業利益は本社移転費用の計上および人員増加に伴う人件費の増加に加え、前連結会計年度に海外部門で大型案件の工事損失引当金の戻入が発生したことなどにより、40億円(前期比13.4%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の8.6%から7.2%になりました。
資産は、現金及び預金などの増加により、692億円(前期比4.7%増加)となりました。
BPO・ICT事業は、コンタクトセンター業務やバックオフィス業務全般のBPOサービスを提供する株式会社TMJの増収およびデータセンター事業の増収などにより、売上高は1,247億円(前期比0.5%増加)となり、営業利益は131億円(前期比4.1%増加)、売上高営業利益率は前連結会計年度の10.2%から10.6%になりました。
資産は、無形固定資産などの減少により、1,486億円(前期比0.7%減少)となりました。
その他事業は、セコムホームライフを連結の範囲から除外したことによる75億円の減収影響などにより、売上高は448億円(前期比11.5%減少)となり、営業利益は59億円(前期比3.4%減少)、売上高営業利益率は前連結会計年度の12.2%から13.3%になりました。
資産は、短期貸付金などが減少しましたが、販売用不動産などの増加により、1,474億円(前期比1.0%増加)となりました。
なお、以上のセグメント売上高および営業損益はセグメント間取引を含む数値であり、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)」に記載した売上高(セグメント間取引を含まない外部顧客に対する売上高)とは一致しません。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況(財政状態の状況)」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払額が426億円となりましたが、税金等調整前当期純利益が1,520億円、減価償却費が617億円となったことなどにより、全体では1,649億円の資金の増加となりました。
前連結会計年度との比較では、税金等調整前当期純利益が231億円増加となりましたが、売上債権及び契約資産の増減額が前連結会計年度の89億円の増加に対し106億円の減少、棚卸資産の増減額が前連結会計年度の43億円の増加に対し53億円の減少、投資事業組合運用損益が前連結会計年度の35億円の増加に対し28億円の減少、のれん償却額が55億円減少となったことなどにより、営業活動から得た資金は前期比170億円(9.4%)の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入が332億円となりましたが、警報機器及び設備等の有形固定資産の取得による支出が531億円、投資有価証券の取得による支出が316億円となったことなどにより、全体では553億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、投資有価証券の取得による支出が243億円減少、および前連結会計年度に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得70億円を計上しましたが、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却が146億円減少、投資有価証券の売却及び償還による収入が146億円減少、前連結会計年度に有価証券の減少額92億円を計上したことなどにより、投資活動に使用した資金は前期比68億円(14.0%)の増加となりました。
この結果、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの純額)は、1,095億円の資金の増加(前連結会計年度は1,333億円の資金の増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額381億円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出285億円、自己株式の増加額112億円、リース債務の返済による支出56億円となったことなどにより、全体では873億円の資金の減少となりました。
前連結会計年度との比較では、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が283億円増加、自己株式の増加額が112億円増加となったことなどにより、財務活動に使用した資金は前期比380億円(77.2%)の増加となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比238億円(4.9%)増加の5,139億円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループは、柔軟な事業活動を行い、強固な財務基盤を保つために、高い流動性を維持することを基本方針としております。また、「社会システム産業」の構築に向けて、営業活動から得た資金や、市場調達および金融機関からの借入等により調達した資金で、積極的に事業投資活動を行っております。
当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は679億円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,139億円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告金額に影響を与える判断、見積りの設定を行うことが必要となります。これらの見積りは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
a. 有形固定資産
当社グループでは、有形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。事業用資産においては管理会計上の区分で資産グルーピングを行い、賃貸不動産および遊休資産などは個別物件単位で区分を行い、当連結会計年度で収益性が著しく低下した場合は、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。なお、資産グループの回収可能価額の見積りは、処分価額、不動産鑑定評価額などで算出する正味売却価額、将来キャッシュ・フロー、割引率などで算出する使用価値などにより測定しております。正味売却価額上の仮定、あるいは使用価値算定の基礎となる資産グループの使用期間中および使用後の処分により見込まれる将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
b. のれん及びその他無形資産
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産の評価において、減損損失の兆候がある場合には、減損の判定を行っています。のれん及びその他の無形固定資産の回収可能価額の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家などによる評価を活用しております。なお、回収可能価額の測定で使用する、将来キャッシュ・フロー、割引率などの仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
c. 貸倒引当金
当社グループでは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、過去の実績、将来の見通し等を総合的に勘案して見積もられた回収不能見込額を、貸倒引当金として計上しております。回収不能見込額の見積りにおいて使用される仮定は、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、回収不能見込額が増減し、貸倒引当金を増額または減額する可能性があります。
d. 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、将来の課税所得の見積りにあたっては、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されていますが、見積りは、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化などにより、影響を受ける可能性があり、また、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の取崩しまたは追加計上により利益が変動する可能性があります。
e. 退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社および当社と同一の退職給付制度を有する国内連結子会社においては、退職金制度と確定拠出型年金制度を採用しております。退職給付費用及び退職給付に係る負債について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、金利変動の市場動向等、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断して決定した割引率、予想昇給率、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期期待運用収益率などが含まれております。これら年金数理計算の前提条件には将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって影響を受ける可能性があるため、前提条件と実際の結果が異なる場合、または前提条件の変更がある場合には、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(1) セコムSCセンターの賃貸借契約
当社は1996年4月23日に研究・情報の拠点として、日鉄鉱業株式会社と三鷹日新ビル(呼称:セコムSCセンター)および敷地等の賃貸借契約を締結いたしました。また、2010年より賃貸借契約を締結した三鷹日新ビルアネックス(呼称:セキュアデータセンター)を含めて表示しております。
(2) セコム本社ビルの賃貸借契約
当社は有限会社原宿ビルと、セコム本社ビルおよびその敷地等の賃貸借契約を更新継続しております。
(3) 株式交換によるセコム上信越株式会社の完全子会社化
当社は、2021年8月6日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社とし、当社の連結子会社であるセコム上信越株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」という。)を行うことを決議し、同日付で両社の間で本株式交換に係る株式交換契約(以下「本株式交換契約」という。)を締結いたしました。
本株式交換契約の詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社および連結子会社)は、安全を核とする「社会システム産業」を確立させるために、提出会社において研究部門と開発部門を組織し、必要な技術の研究、開発に積極的に取り組んでおります。なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額
研究部門(IS研究所)では、当社の成長の原動力となるべく、未来を見据えた研究活動を行っており、AI、IoT、サイバーセキュリティなどこれからの技術動向を捉え、最先端の技術開発に取り組んでいます。
未来の社会に必要となるサービスを創造するための最適アプローチとして、当社の技術と世の中の技術の融合を加速させるためのオープンイノベーションを推進し、研究所がこれまでに築き上げた外部組織との幅広い繋がりをもとに、産学官連携を強力に推し進めております。
今後、将来に向けて、当社が目指す、安全・安心で快適・便利な社会の実現に向け、最先端の技術の力でサービス提供にかかる貴重な「人の力」を大きく増幅させる研究開発により、サービスイノベーションを推進してまいります。
① 画像監視の高度化に対応するための空間認識技術、対象物検知技術、人物追跡技術、行動認識技術、バイオメトリクス(生体認証)応用技術、それらの核となる画像先端技術の研究等
② 光、スペクトル情報、電磁波、可聴音、超音波など多様な領域のセンシング技術および各種センサーの融合活用技術の研究等
③ インターネット上の安全を確保するための新たな暗号・認証技術、サイバーセキュリティ技術の研究等
④ ビッグデータを活用した高度なサービス実現のための高速かつ高信頼のネットワーク基盤技術ならびに分散処理技術の研究等
⑤ 地理情報システム「GIS(Geographic Information System)」や3次元建物情報モデル「BIM(Building Information Modeling)」などを統合した空間情報およびその応用技術の研究等
⑥ サービス品質・効率向上のためのオペレーション解析・最適化技術・シミュレーション技術に関する研究等
⑦ 超高齢社会の今後の動向を見据えた遠隔医療、医療の質向上・経営効率化の為の病院内のデータ分析技術の研究等
⑧ 将来の社会システムへの影響の大きい環境エネルギーなどの社会的課題や新たな犯罪・事故の芽を察知するための研究等
⑨ 犯罪・事故、重要な社会現象に関するリスクマネジメント的観点からの研究等
⑩ プロトタイプ構築において仕様変更を前提とした設計方法の研究、システムの安定動作実現に関する研究等
⑪ クラウドコンピューティングやAI技術の活用のための要素技術の研究等
開発部門(技術開発本部)では、「社会システム産業」の基幹となる技術やシステムの開発を行っております。例えば、ご契約先での異常発生を感知するセンサーをはじめ、家庭向けから大規模施設向けにいたる幅広い用途に応じたセキュリティシステム、出入管理システム、消火システム、ロボットシステム、ドローンや気球を用いた監視システム、そして医療・健康関連システムなど、社会のニーズに適合したシステムや商品を開発しております。
当社グループの2030年に向けたビジョンで掲げた「あんしんプラットフォーム」構想の実現に向け、社会のニーズを先取りし、独創性と高い信頼性が確保されたシステムを開発するという方針に基づき、AI・IoT・5Gなどの技術を積極的に活用した新サービス・新商品を意欲的に供給していくための推進体制を構築して取り組んでおります。
① 開発戦略グループ
戦略的な新システム・新商品を企画。社外との技術連携や当社グループ間でのシナジーを活かした新商品及び
サービスの創出を推進する。
② 管理・技術情報グループ
先端技術・技術動向の調査、技術開発本部の円滑な運営に関わる環境整備・管理業務を行う。
③ 品質保証グループ
セコムのシステム・商品の品質保証業務を担う。フィールドの意見を活かし、様々な事案の解析・改善を行う。
また、当社グループ各社の開発機器の品質向上に関する連携・サポートを行う。
④ 海外グループ
積極的なグローバル展開を目的として、当社の高信頼性機器開発のノウハウを活かして、海外各社の機器開発支
援を行う。
⑤ 開発センター
セコムのシステム・商品の開発・設計を担う開発実行部門。システム・要素技術によりチーム編成し、各チーム
の連携により高品質・高機能・独創的な新システム・商品の開発を推進する。
また、防災事業では、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築および機器の開発を行っております。地理空間情報サービス事業では、パスコ総合研究センターが中心となって基礎技術や応用技術の研究開発を行い、プロジェクトチームを編成して、新製品の開発および既存商品の機能強化等を行っております。
提出会社における研究開発分野および研究開発体制は、下図のとおりであります。
