文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社は、土木建築工事に欠かせない建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の賃貸、販売、工事などを主たる事業として展開しており、取引先である建設業界のニーズに応え、社会資本整備の一端を担ってまいります。
当社は、経営の基本理念として以下の三項目を掲げ、役員、従業員一丸となって経営環境の変化に対応し、迅速かつ適切な意思決定が行われるべく、企業体質の強化に取り組んでおります。
① 社会・株主に対して存在価値の高い会社を目指します。
② 顧客より高い評価と信頼を受ける会社を目指します。
③ 厳しい中にも公正で夢と誇りを持てる会社を目指します。
中期経営計画の対象期間(2019-2023)における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの感染防止策の推進や、ワクチン接種拡大の取り組みにより社会・経済活動の持ち直しの動きが期待されますが、感染症の動向は依然として不透明であり今後の内外経済に与える影響が懸念されます。建設業界においては、インフラ整備・大規模災害対策等の公共投資は堅調に推移するものと見込まれますが、民間設備投資は総じて弱含みの状況が続き、受注競争の激化が一層加速され、業界を取り巻く環境は厳しさを増していくものと予想されます。
・中期経営計画「未来への変革と創造への挑戦」(2019-2023)の概要と取組み状況
①顧客ニーズに応えられる価値あるサービスの提供
顧客のニーズに応えるべく、地域の将来性や特色を踏まえた品揃えの充実や保有量の拡大、新商品の開発・導入を行い、工種・工法のバリエーションを拡張し、現場に最適な提案と材工一式の受注活動を行います。これらの目的達成を有力パートナーや協力企業との提携、資本参加、M&Aなどにより加速させます。
当連結会計年度においては、現場作業性等効率改善に資する新商品の高強度腹起材「マルケンタフ7」やコラム切梁材「マルケンタフ4」を実用化し現場納入を開始しております。また、工種・工法のバリエーションを拡張するため、2021年2月に工事協力会社2社と当社の共同出資により、マルケンテックジャパン㈱を設立し、今後工事受注活動の強化を図ります。
②国内収益基盤整備と海外積極展開
(国内収益基盤整備)
国内収益基盤の整備については、材工一式受注体制を鋼材、工種・工法の充実により強化するとともに、人手不足の緩和や生産性向上・就労環境の改善のため工場の機械化・自動化、安全設備導入を引き続き推進します。加工能力を高めるべく人員の確保、設備の充実を行い外注からの収益拡大を図ります。また鋼材価格や運送費、整備費用の上昇につき技術や効率改善など自助努力を進めるとともに価格の改善・適正化を図り持続的成長のベースとします。
当連結会計年度においては、当社工場で、切断ロボットの導入をはじめとした工場の機械化・自動化を推進し、また安全設備への継続投資やクレーン等の設備更新投資を加えた設備投資総額は2億65百万円と年間減価償却費2億27百万円を上回り、前連結会計年度に引き続き工場設備の増強を図りました。
(海外積極展開)
既存海外案件については、パートナーとの協力関係を強化し、大型開発案件やインフラ整備案件の需要に対応して鋼材保有量の更なる増強や設備投資を行い、量的拡大による収益向上を図ります。新規案件では周辺国での重仮設鋼材需要の見極めと工法の浸透を図るべく第三の海外案件を開始しました。
具体的には、タイ丸建㈱では、パートナーのItalian-Thai Development Public Co.,Ltd.との協力関係を強化し、タイ国の建設需要に対応するため鋼材保有量と工場設備の増強を図りました。また、タイ国のタイ丸建㈱、中国の中鉄伊紅鋼矢板有限公司に続く第三の案件として、当社は伊藤忠丸紅鉄鋼㈱と共同で、中国において環境に配慮した鋼製山留工法を用いた重仮設合弁事業を行うことを目的として、2020年8月に合弁会社「瑞馬丸建(安徽)工程支護科技有限公司」への第三者割当増資を引き受け当該事業を開始しており、今後中国での重仮設事業の拡充に努めて参ります。
③就労環境の整備と人材育成
就労環境の整備と人材育成については、多様な人材を採用し資格取得やキャリア構築のための研修プロセスを充実させ、現業のみならず共同研究や海外事業・新規ビジネスで活躍できる創造力豊かな人材を育成します。日々進化するIT技術を活用して業務改善や海外事業・新規ビジネスで活躍できる人材の育成に取り組んで参ります。
また、人材確保については国内に限らず外国人採用にも注力し、アジア地区からの採用実績を上げており、多様な人材確保を行っております。
当社グループでは鋼材を繰り返し使用する環境に配慮した重仮設事業を基軸としておりますが、社会的関心が高まるESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みを進め、進展するDX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れることにより、持続的な成長とステークホルダーへの貢献を目指すものであります。
・主要係数目標値と進捗状況
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、これらのリスクの発生を十分に認識した上で、その発生を極力回避し、また、発生した場合には適確な対応を行うための努力を継続してまいります。
(1) 特定の市場への依存による経営成績及び財政状態の異常な変動について
当社グループの主たる取引先は国内の建設会社であり、当社はこの建設市場への依存度が高いため、当社グループの経営成績及び財政状態は今後この市場の動向により影響を受ける可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、国内市場では、各地区別の需要動向を把握して人的資源を適正に配置し、建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の適切な移管・購買により収益を確保しました。海外においては安定的な利益を計上しているタイ丸建㈱を軸とし、2020年8月には中国の瑞馬丸建(安徽)工程支護科技有限公司への出資を行い重仮設事業への参入を進めており、アジア市場への更なる展開を図りました。また、新商品として現場作業性等効率改善に資する高強度腹起材「マルケンタフ7」やコラム切梁材「マルケンタフ4」を実用化し現場導入を開始しました。今後も引き続き、M&Aや新商材開発などについて幅広く検討してまいります。
(2) 鋼材価格の変動について
当社グループの主要取扱品目である建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の価格は、今後、建設需要動向や鉄鉱石、スクラップ等製鉄原料の相場変動の影響を受けることが予想され、特に2021年度は鋼材価格のより一層の上昇懸念もあることから、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、鉄鋼業界を中心に各方面からの情報収集を行い鋼材価格の動向を注視し、また仕入先であるメーカー・商社等との関係を強化して安定的に重仮設鋼材の購入を行いつつ、必要に応じて中古品鋼材の購入についても視野に入れております。また、引き続き賃貸重視の経営方針を推進し、建設需要動向などに応じた品種毎の適正保有を把握して効率的な購入を行うなどの諸施策により、原価上昇の抑制に努めております。
(3) 有利子負債、金利及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動について
当社グループの事業活動資金の一部は金融機関からの借入により調達しているため、有利子負債の増加や金利及びキャッシュ・フローの異常な変動がある場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、手元流動性として必要とされる現金及び預金残高を確保しつつより効率的な資金管理を行うため、キャッシュ・フロー経営を徹底しております。具体的には、取締役会において各年度の資金調達方針を審議の上決定しております。その中で、資金予算制度を充実させ、安定資金である長期借入金を中心に設備投資資金を確保しつつ、金利コストの低減を図るとともに、中期経営計画の財務目標値に沿って有利子負債の圧縮による財務体質の強化を推し進めております。
(4) 事故等について
当社グループでは、建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の修理・加工を行う工場及び杭打抜・山留架設工事、地中連続壁工事等を行う工事現場での事故発生、及びそれに伴う鋼材の納入遅延や工期の遅れ等により、損失補償を負う場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、各種保険に加入するとともに、各工場部門では、墜落・転落防止をはじめとした安全対策の設備投資を継続して行い、各工事部門では事前施工検討会や安全パトロールを行うなどの対策を講じ、中期経営計画に沿って安全対策を推進しております。また、各部門では安全衛生管理に関する諸規程に基づいて日常の業務を遂行するとともに、安全関係の規定全般と現場管理マニュアル等の業務手順を定期的に見直しており、環境安全部においては全事業所を対象として、安全衛生管理の徹底、啓蒙活動の推進などを通じて安全衛生管理業務全般を行っております。タイ丸建㈱など海外のグループ会社については、災害等発生時の報告体制を整備し、当社工務統括本部の指導の下安全対策を構築しております。
(5) 与信管理について
当社グループの主たる取引先である建設業界の環境は、最近数年間は首都圏を中心に再開発・インフラ整備等が進み、堅調に推移しています。しかしながら、建設業界は、地場の中堅建設会社や特約店を中心として他の業界と比べて貸し倒れリスクが高い状況におかれており、更に2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大による景況感悪化により倒産件数が増加傾向にあり、そのリスクが増加しており、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクを管理するため、取引先のランク付けを行い、そのランク付けに応じた信用限度額、鋼材貸出数量限度、及び貸倒引当率を定めるとともに、定期的にかつ信用状態の変化に応じて機動的に取引先の見直しを行っております。また、一部取引先については、個別保証委託付保の活用により信用リスクの低減を図っております。
(6) 海外事業に関するリスクについて
当社グループは、中期経営計画の具体的施策の一つとして更なる海外積極展開を掲げており、タイ国のタイ丸建㈱を中心にアジアで海外事業を展開しております。
タイ丸建㈱ではタイ国の建設需要増に対応するため重仮設鋼材の追加購入を行うなど事業拡大を図っており、その中で増加した銀行借入金に対して同社の株主である当社とItalian-Thai Development Public CO., LTD.が債務保証を行っております。更に、2020年8月に中国安徽省で重仮設合弁事業を行う瑞馬丸建(安徽)工程支護科技有限公司への第三者割当増資を伊藤忠丸紅鉄鋼㈱と共同で引き受け事業を開始しました。
今後、これらの対象国の政治経済情勢や外国為替相場等が大きく変動し、海外の事業が計画通り進捗しなかった場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、各海外拠点スタッフの情報網を整備するとともに、海外進出に関する豊富な知見と情報網を有する丸紅㈱をはじめとする同グループ会社や外部コンサルタント等を活用して、現地の最新情報を入手するなどの対策を講じるとともに、海外事業会社への投資規模を、同事業が計画通りとならなかった場合でも当社グループの財政状態に重要な影響が及ばない範囲内とする様に適切に管理しております。
(7) 関係会社管理リスクについて
当社グループの関係会社において、当社が認識していない投資・契約・制度設計・会計処理等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、当社から取締役を派遣して取締役会に出席するなど業務執行状況の監督を行うとともに、関係会社連絡会を四半期毎に開催し業績推移の状況をモニタリングしております。関係会社を統括管理する経営企画部は、関係会社管理規程の重要事項決裁基準を見直し、与信・安全・コンプライアンス・財務などについて、当社と同等の管理を行っております。また、当社の常勤監査等委員と監査部は合同で全ての連結子会社・関係会社を対象に年一回の頻度で業務監査等を実施しております。
(8) 人材の確保について
当社グループは、最近の少子高齢化による労働人口の減少などにより必要な人材を確保できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、採用に関する内規を制定し、年1回総務人事部長は経営会議において年間採用活動方針を報告しており、その方針に基づき新卒定期採用だけでなくインターンシップの活用や中途採用活動を継続して実施しております。外国人の採用も随時行っており、人材の確保に努めております。また、中期経営計画で策定した研修プログラムに沿って人材の育成を行うとともに、働き方改革に取り組みテレワークを導入するなど業務の効率化を推進しております。
(9) 重要な訴訟について
当社グループの国内及び海外における営業活動が、訴訟等の法的手続きの対象となる可能性が有り、これらの訴訟等の内容や結果によっては当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、コンプライアンス教育の実施による法令遵守の意識付けと基本動作の徹底に努めております。
(10) 退職給付債務について
当社グループの退職給付制度は、確定給付企業年金制度等でありますが、その年金資産の時価や運用利回りの変動、割引率などの数理計算上の計算基礎の変更等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、確定給付企業年金の運用担当部門では年金資産運用委託先である金融機関から定期的に運用状況の報告を入手し、その内容を四半期毎に経営会議で報告しております。その中で、目標とする長期期待運用収益率が達成できたか確認するとともに、年金資産の運用方針をローリスク型とするなど運用方法を随時見直しており、安定運用を目指しております。
(11) 株価の変動について
当社グループは、市場価格のある投資有価証券を保有しており、当連結会計年度末現在の残高は9銘柄6億42百万円であり、その内訳は「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (5) 株式の保有状況」に記載の通りです。その株価が変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、コーポレートガバナンス・コードに従い、年一回経営会議および取締役会で、保有する投資有価証券の全銘柄を対象として個別具体的に保有の可否を判定するとともに、一部銘柄については保有の圧縮についても検討しております。また、社内で定めた議決権行使基準に従って各政策保有株式を議案毎に精査した上で、その議決権を行使しております。
(12) 工場設備等の固定資産について
当社グループが保有する工場設備などの固定資産は、「第3 設備の状況 2 主要な設備の状況」に記載の通りですが、今後各部店やグループ会社の収益性の低下や工場土地の時価の下落により減損損失計上を余儀なくされ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 繰延税金資産について
当社グループが当連結会計年度末において計上している繰延税金資産は、今後の利益(課税所得)により全額回収可能性があると判断しておりますが、今後の税率変更などの税制改正や、利益計画の修正によりその回収可能性の見直し(繰延税金資産の取崩し)が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 建設機材及びたな卸資産の評価について
当社グループが保有する建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)及びたな卸資産は総資産のうち重要な割合を占めております。賃貸、販売、返却等による建設機材及びたな卸資産の動きはシステムで管理し、保有在庫については定期的に棚卸しを実施しております。
建設機材は購入年度別総平均法による原価から定額法による減耗費を控除した額により評価し、商品・材料貯蔵品は総平均法による原価法により評価しております。鋼材市況価格が上昇した場合は建設機材及びたな卸資産の仕入価格も連動して上昇するため、売却時の払出原価と建設機材減耗費が増加し売上原価が押し上げられ、逆に下落した場合は収益性低下による簿価切り下げを行う可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、建設需要動向に応じた品種毎の適正保有を把握して建設機材の効率的な購入を行うことなどにより、原価上昇の抑制に努めております。
(15) 工事進行基準による収益認識について
当社グループの「重仮設工事」・「土木・上下水道施設工事等」の各セグメントでは、一部取引を除き工事契約取引について見積総原価に対する実際発生原価の割合(原価進捗率)を算定する工事進行基準により収益を認識しておりますが、予定外の追加工事原価の発生や工事期間の大幅な延長などによりこれらの見直しが必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、工事契約案件毎に請負金額だけでなく、見積総原価、予定工事期間を随時見直すなど適切な工事採算管理を行っております。
(16) 当社グループの売上取引内容について
当社グループは、建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の賃貸・販売・修理・加工、杭打抜・山留仮設工事、地中連続壁工事等、及び土木・上下水道施設工事等の事業活動を行っており、都市部の地下空間や河川・港湾などの地下工事が主な工事対象現場であります。
その中で、事前に予測不能な地盤の沈下や崩落、地下水の出水、岩盤層の発生などにより、工事期間の予定外の延長や追加工事費用が発生する可能性があり、顧客である建設会社から追加工事契約が取得できない場合は、工事採算の悪化により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、工事現場毎に地質資料などの工事現場の情報を入手した上で見積金額を適切に算定するとともに、回収遅延を防止するために売上債権の年齢毎の管理を行い、営業経理部はその結果を経営会議に報告しております。
(17) 自然災害に関するリスクについて
地震や水害などの自然災害により事務所や工場設備に被害が及んだ場合や、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大などのパンデミックが発生した場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、BCP(事業継続計画)マニュアルを毎期更新し、安否確認システムを確実に運用するとともに、新たにテレワーク勤務規定を定め、時差出勤や在宅勤務の推進などの対応策を講じています。
(18) IT(システム)リスクについて
当社グループの事業活動において情報システムの重要性が増大する中で、大規模災害やコンピュータウイルス感染の発生・サイバー攻撃などにより予期せぬシステム障害や情報漏えいが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは当該リスクに対応するため、情報系機器の入れ替えと災害対応設備の整ったデータセンターへの移設を行ないシステムのバックアップ対策を強化しております。また、クラウドのメールチェックなど3段階のセキュリティ対策を行うとともに、不正侵入対策としてファイヤーウォールシステムを強化するなどの対策を講じております。
(19) 丸紅㈱との関係について
丸紅㈱は、当社の議決権の35.21%を所有する株主であるため、この議決権を有する株主としての権利を行使することができます。また、監査等委員である取締役(非常勤)1名が、丸紅㈱の鉄鋼製品事業部長を兼任しているため、同社の金属セグメントに関する方針が、当社の経営方針の決定等について影響を及ぼし得る状況にあります。一方、当社は、経営の自主性・独自性を確保するために、丸紅㈱との間で経営の関与に関する覚書を2005年3月31日付で締結し、当社の重要事項の決定に当たっては事前の承認・報告を要さない旨を合意しております。
当連結会計年度における当社グループと丸紅㈱との取引関係について、特記すべき事項はありません。また、当社と丸紅㈱を含めた丸紅グループ全体との間での当連結会計年度の取引高の割合は、売上高が2.1%、仕入高が8.8%でありますが、その取引は市場価格等を勘案し、一般取引と同様に公正かつ適切に行っております。
丸紅㈱との人的関係は、役員10名のうち転籍者が2名、兼任者が1名であります。
(20) 法的規制について
当社グループの事業のうち、当社及び子会社の丸建基礎工事㈱・マルケンテックジャパン㈱が行う「建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の杭打抜・山留架設工事、地中連続壁工事等」や、子会社の興信工業㈱が行う「土木・上下水道施設工事、建築設備工事及び工場プラント工事」については、建設業法による許可を取得して業務を行うことが定められており、今後これらの許可の取消があった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでの重要な許可の要件は有資格者でありますが、当該リスクに対応するため、経営業務の管理責任者、一級土木施工管理技士、一級建築施工管理技士などの有資格者の育成、確保等を行っております。
(21) 環境保全リスクについて
当社グループは、工場・工事現場での作業時に産業廃棄物、泥水、泥土、汚泥などの発生などの環境保全リスクにより、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクに対応するため、産廃契約書、マニフェスト伝票の確認をはじめとした廃棄手続の管理と適切な実施を行っております。
(22) コンプライアンスリスクについて
当社グループは、会社や役員・従業員による法令違反、不祥事の発生や反社会的勢力との関わりにより、法令による処罰や社会的制裁により社会や各利害関係者からの信用を失う可能性があります。
当社グループでは、当該リスクに対応するため、コンプライアンス・マニュアルを制定しコンプライアンス講習会を開催するとともに、年一回全役員・全従業員がコンプライアンス宣誓書を提出しております。また、当社の顧問弁護士と常勤監査等委員を窓口とする内部通報制度を設けており、グループ会社を含めた役員・従業員への周知徹底を図っております。反社会的勢力に対しては、取引先のネガティブデータチェックを行うなどの対策を講じ取引の遮断を図っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制されるなか、企業収益や設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、同感染症収束の目途は立たず依然として厳しい状況が続きました。
当社グループが属する建設業界におきましては、進捗中の工事案件は概ね順調に推移しましたが、一部では新規着工や開発計画等の中断・延期の動きも見られました。
このような環境下、当社グループでは生産性向上・就労環境の改善のため工場設備の更新や安全設備導入を継続して進めて参りました。また、現場作業性等効率改善に資する新商品の高強度腹起材「マルケンタフ7」やコラム切梁材「マルケンタフ4」を実用化し現場導入を始めました。海外では下期より中国における重仮設事業への参入を進めました。当連結会計年度の業績につきましては、売上高は200億32百万円(前年同期比13億70百万円、6.4%減)となりましたが、営業利益は7億25百万円(同56百万円、8.4%増)、経常利益は11億89百万円(同86百万円、7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億11百万円(同1億30百万円、16.7%増)と減収増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
①重仮設事業
重仮設鋼材の賃貸稼働量・販売量が前年比で減少となり、売上高は162億48百万円(前年同期比9億19百万円、5.4%減)となりましたが、採算管理を徹底しコスト削減に努めた結果、セグメント利益は13億69百万円(同2億11百万円、18.2%増)となりました。
②重仮設工事事業
再開発工事案件の一服により、売上高は23億90百万円(同1億85百万円、7.2%減)、セグメント利益は1億25百万円(同22百万円、15.0%減)となりました。
③土木・上下水道施設工事等事業
土木水道等設備工事の工事中断や進捗遅れの影響により、売上高は13億93百万円(同2億64百万円、16.0%減)、セグメント利益は18百万円(同16百万円、47.4%減)となりました。
(注)セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当社グループでは、出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注生産を行っていないため、修理実績、加工実績についてはセグメントごとの記載を省略しております。
なお、当社グループの工場における主たる業務は、建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の修理、加工並びに在庫管理でありますが、当連結会計年度における修理及び加工実績は次のとおりであります。
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
出荷直前に取引契約の締結を行うという業界の慣習、取引形態の特殊性により、受注高の集計は行っておりませんので、当社グループの受注実績及びそのセグメントごとの記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりです。なお当連結会計年度は当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の資産合計は、中国の瑞馬丸建(安徽)工程支護科技有限公司への第三者割当増資引受などによる投資有価証券の増加額14億79百万円と、建設機材の減少額8億57百万円、受取手形及び売掛金の減少額9億14百万円、電子記録債権の減少額2億66百万円などにより、前期末比5億70百万円減の325億94百万円となりました。
負債合計は、支払手形及び買掛金の減少額8億2百万円や、借入金の減少額8億80百万円などにより、前期末比18億68百万円減の176億2百万円となりました。
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益9億11百万円の計上による増加額、非支配株主持分5億3百万円の計上による増加額と、配当金2億33百万円の支払による減少額などにより、前期末比12億97百万円増の149億92百万円となり、自己資本比率は3.2ポイント増の44.5%となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(重仮設事業)
首都圏を中心に建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の賃貸稼働量・販売量が前期比で減少し売上高が減収となったため、受取手形及び売掛金と電子記録債権の合計で7億74百万円減少し建設機材の保有額も8億57百万円減少したため、前期末比16億71百万円減の243億13百万円となりました。
(重仮設工事事業)
売上高は、当社単体の再開発工事案件の一服による減収が、子会社丸建基礎工事㈱の増収を上回り、セグメント全体では1億85百万円の減収となったため、受取手形及び売掛金と電子記録債権の合計が2億74百万円減少した一方で、連結子会社丸建基礎工事㈱で工事用機械の購入を行い有形固定資産が44百万円増加したため、前期末比1億99百万円減の8億14百万円となりました。
(土木・上下水道施設工事等事業)
土木水道等設備工事の中断や進捗遅れの影響により減収となり、受取手形及び売掛金が1億31百万円減少したため、前期末比1億50百万円減の9億85百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億48百万円(前期比15億13百万円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11億89百万円の計上や建設機材などのたな卸資産の減少額11億20百万円による増加であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、△10億10百万円(前期比7億70百万円の資金支出の増加)となりました。これは主に、中国の瑞馬丸建(安徽)工程支護科技有限公司への出資による支出7億39百万円、当社工場設備を中心とした有形固定資産の取得による支出2億68百万円などによるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、△11億30百万円(前期は9億28百万円の収入)となりました。これは主に、借入金の減少額8億80百万円と配当金の支払2億33百万円によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末比2億7百万円増の23億96百万円となりました。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(財務方針について)
当社は、下記のとおり中期経営計画において、安定的な収益を確保し、自己資本比率の向上、NET有利子負債の削減による財務体質の強化を図っており、今後もその方針を継続してまいります。なお、第53期は中期経営計画のペース以上に財務体質を強化することができました。
また、第52期~第56期中期経営計画「未来への変革と創造への挑戦」において、有力パートナーや協力企業との提携、資本参加、M&Aを計画するとともに、海外ではタイ丸建㈱で大型開発案件やインフラ整備案件の需要に対応して鋼材保有量の更なる増強や設備投資を実施しております。また、第三の海外案件として中国において2020年8月に鋼製山留工法を用いた重仮設合弁事業を開始しており、引き続き国内外の投資案件への資金需要に対応してまいります。
(資本の財源)
当社グループの資金需要は、足元では建設基礎工事用重仮設鋼材(建設機材)の購入費・工事費・整備加工費・運送費ならびに工場設備投資に伴う支出であり、また今後中長期的には、国内では中期経営計画に基づくM&A・資本参加や新商材の開発、海外ではタイ丸建㈱での重仮設鋼材の追加購入や新規合弁事業のための投資資金であり、これらの資金需要に備えてまいります。
その資金の財源は、営業活動による収入で確保しておりますが、不足する場合は国内の金融機関からの借入により調達しており、その借入について相対での借入枠を十分確保するとともに、長期・短期のバランスを考慮して安定的な資金調達を行っております。また、当社と連結子会社の間で資金の融通を行うなど、当社グループ全体での資金の効率化を図っております。海外の持分法適用関連会社であるタイ丸建㈱の資金需要に対応するため、現地金融機関からの借入れの一部について、同社の株主である当社とItalian-Thai Development Public Co.,LTD.が債務保証を行っています。
(資金の流動性)
当社は、期初に開催される取締役会において、年間の資金調達方針を審議の上決定しております。また、より効率的な資金管理を行い、キャッシュ・フロー経営を徹底するために、月次単位で資金予算を管理、更新するなど、資金予算制度の充実を図り手元流動性を確保しております。なお、当社では適正な手元現預金の水準について特に定めておりませんが、当社の定例支払日である月末日において支払資金が充分に確保できる様に資金繰りを行い、また今後、新型コロナウイルス感染症により資金繰りに影響が生じた場合に備えて必要となる現金及び預金の残高を確保するとともに、各取引金融機関との間で借入枠の十分な確保に努めております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす見積りや仮定に基づく事項は、過去の実績や現状等を勘案して合理的な基準により会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社は中期経営計画の施策の一つとして「顧客ニーズを的確にとらえ、新商品の開発・導入を行い、工種・工法のバリエーションを拡張し、顧客に材工一式における最適案を提供する」ことを掲げており、当連結会計年度の実績として「タフシリーズ」と称する山留現場の作業効率改善・工期短縮に寄与する2つの高強度新商品「マルケンタフ7」、「マルケンタフ4」を複数現場に提供することができました。更に、現在第3弾となるタフシリーズ新商品を開発中であります。
また、開発の専門部署の技術管理部主催により、全店参加の「設計施工アイデア発表会」を継続して開催しており、顧客ニーズ及び新商品、新技術のアイデアを社内から発掘しております。
当連結会計年度において取り組んだ新商品、新技術のテーマは5件であり、当社グループの研究開発費の総額は