第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度のわが国経済は、賃金・雇用環境の改善が続くなか、引き続き緩やかな景気回復基調にあるものの、海外の政治、経済情勢の不確実性や国内の生活物価の上昇などにより、消費者の消費意欲については、依然として不安定な状況が続いているといえます。

 当業界におきましては、他業種他業態との顧客獲得競争の激化や、原材料価格の高騰、労働単価の上昇に加え、顧客志向の食の安全安心を含めた品質を重視する傾向が強まり続けるなど、経営環境はより一層厳しさを増しております。

 当社グループでは、「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”グループ」の実現に向け、平成26年11月に平成29年を最終年度とする中期経営計画「Fly to 2017」を策定しております。この中期経営計画は、当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化するなか、持続的成長を目指すものであり、働き方の多様化など、時代変化を十分に踏まえたホスピタリティビジネスの産業化モデルを再構築するものです。その最終年度となる当連結会計年度におきましては、グループとしての生産性の向上と労働環境の改善を図るべく、セグメント別の概況に記載のとおり、当社グループの各事業に見合った「規模の成長」または「質的成長」の各種経営施策を着実に実施してまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は135,563百万円(前年同期比+1.9%)、営業利益は5,952百万円(前年同期比+14.0%)、経常利益は6,056百万円(前年同期比+16.3%)となりました。また、投資有価証券売却益349百万円、固定資産売却益120百万円など総額540百万円を特別利益に、固定資産除売却損441百万円、閉鎖を決定した店舗等の固定資産の減損損失390百万円など、総額921百万円を特別損失に計上したほか、法人税等1,950百万円を計上し、非支配株主に帰属する当期純利益191百万円を差し引いた、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は3,533百万円(前年同期比+48.6%)となりました。

 セグメント別の概況については、次のとおりであります。

 

(外食事業)

 当社グループの基幹である外食事業におきましては、ホスピタリティ・レストラン「ロイヤルホスト」、天丼・天ぷら専門店「てんや」、ステーキ・ハンバーグ&サラダバー「カウボーイ家族」、ピザレストラン「シェーキーズ」、サラダバー&グリル「シズラー」などのチェーン店のほか、ビアレストラン、カフェ、各種専門店等の多種多様な飲食業態を展開しております。

 主力の「ロイヤルホスト」におきましては、早朝深夜の営業時間短縮による人員配置の強化や、品質を重視したメニューの提供、既存店舗への追加投資など、「質的成長」に向けた施策を継続いたしました。「てんや」におきましては、季節の食材を使用した限定メニューを販売したほか、新たに直営店を6店舗、国内外でフランチャイズ17店舗を出店するなど「規模の成長」に向けた施策を継続いたしました。

 当連結会計年度におきましては、前期および当期の閉店による減収や、原材料費、人件費などのコストの上昇の影響がありましたが、ロイヤルホストの既存店の売上回復や生産性向上により、売上高は62,106百万円(前年同期比△0.3%)、経常利益は3,000百万円(前年同期比+1.8%)となりました。

 

(コントラクト事業)

 コントラクト事業におきましては、法人からの委託等により、空港ターミナルビル、高速道路サービスエリア、大型商業施設、オフィスビル、医療介護施設、百貨店、官公庁等において、それぞれの立地特性に合わせた多種多様な飲食業態を展開しております。

当連結会計年度におきましては、既存の空港ターミナルビル内店舗、高速道路内店舗の売上高が堅調に推移したことに加え、高速道路サービスエリアの一括受託を獲得するなど、新たに12店舗を受託し、売上高は34,009百万円(前年同期比+1.4%)、経常利益は1,421百万円(前年同期比+6.3%)となりました。

 

(機内食事業)

 機内食事業におきましては、関西国際空港、福岡空港および那覇空港等において、国内外の航空会社より機内食の調製業務と搭載業務を受託しております。

 当連結会計年度におきましては、訪日外国人の増加もあり、好調な搭乗率が維持されたほか、間接業務の効率化などの生産性向上策により、売上高は8,476百万円(前年同期比+6.4%)、経常利益は960百万円(前年同期比+133.9%)となりました。

 

(ホテル事業)

 ホテル事業におきましては、「ひとと自然にやさしい、常にお客様のために進化するホテル」を経営理念とし、全国に「リッチモンドホテル」等を38店舗展開しております。

 当連結会計年度におきましては、訪日外国人の増加や運営受託を行っていたホテルの直営化、ならびに会員制度の見直しによる会員特典の改善などが、各ホテルの高い稼働率につながり、売上高は26,943百万円(前年同期比+6.1%)、経常利益は4,109百万円(前年同期比+6.8%)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業におきましては、主に当社グループの各事業における食品製造、購買、物流業務等のインフラ機能を担っているほか、グループ外企業向けの食品製造も行っております。

 当連結会計年度におきましては、グループ外企業向けの販売、グループ内向けの販売が、ともに増加したことにより、売上高は10,911百万円(前年同期比+3.0%)、経常利益は275百万円(前年同期比+12.2%)となりました。

 

(その他)

 その他の事業は不動産賃貸等の事業であり、売上高は160百万円(前年同期比△13.6%)、経常利益は59百万円(前年同期比△46.8%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,491百万円増加(+49.2%)し、7,558百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ138百万円収入が増加し、9,350百万円の収入となりました。法人税等の還付・支払前のキャッシュ・フロー(収入)は、前連結会計年度に比べ240百万円減少して11,259百万円となり、法人税等の支払・還付によるキャッシュ・フロー(支出)は、前連結会計年度に比べ379百万円減少しました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,682百万円支出が減少し、4,279百万円の支出となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が942百万円減少し、また、有形固定資産の売却による収入が504百万円増加したことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ70百万円支出が減少し、2,580百万円の支出となりました。これは、長期借入れによる収入が1,200百万円減少した一方、自己株式の取得による支出が574百万円、長期借入金の返済による支出が451百万円それぞれ減少し、また、短期借入金の純増減額(収入)が300百万円増加したことなどによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

食品事業(百万円)

8,270

106.6

合計(百万円)

8,270

106.6

 (注)1 金額は製造原価によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

外食事業(百万円)

62,106

99.7

コントラクト事業(百万円)

34,009

101.4

機内食事業(百万円)

8,476

106.4

ホテル事業(百万円)

26,943

106.1

食品事業(百万円)

10,911

103.0

報告セグメント計(百万円)

142,447

101.9

その他(百万円)

160

86.4

合計(百万円)

142,608

101.9

 (注)1 セグメント間の取引を含めた金額によっております。

2 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業以来、「“食”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を基本理念として、お客様の食生活への貢献を企業目的として取り組んでまいりました。また平成24年度からは、ホテル事業の伸張を受け、  「“食”&“ホスピタリティ”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を基本理念として、事業毎にコア戦略を明確にし、長期的かつ安定的な企業価値の向上を図ることを企業目的として取り組んでまいりました。今後におきましては、引き続き持続性のある成長に向けて対応すべく、如何なる時代においても経営基本理念を礎として、企業価値向上に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、平成29年11月に平成30年1月から平成32年12月までの3年間を対象とする中期経営計画「Beyond 2020」を策定し、その最終年度である平成32年度(2020年度)において、売上高1,500億円、連結経常利益75億円、連結経常利益率5.0%、ROA(総資産経常利益率)7.0%、ROE(株主資本利益率)8.0%をそれぞれ達成することを具体的な数値目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題

 当社グループは、平成22年9月に平成32年度(2020年度)を最終年度とする長期ビジョン「ロイヤルグループ経営ビジョン2020」を策定し、その最終年度である平成32年度(2020年度)において「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”グループ」を目指しております。この期間においては、国内人口減少による外食マーケット規模の縮小や労働力不足が起こることが想定される一方で、同業種のみならず他業種との競合激化や、原材料および物流費等の上昇、食の安全安心に対する規制の強化など、更なる外部環境の変化が想定されます。このような経営環境の中、当社グループが生き残りを図り、持続的な成長を確保するため、中長期的に以下の点を主たる重点施策としております。

 

① 生産性の向上

 人材投資や既存店改装投資等を積極的に行うことで、質の成長、すなわち付加価値の向上を推進いたします。また、「てんや」を中心とした国内外での出店や、「ロイヤルホスト」、「リッチモンドホテル」等を出店することで、規模の成長を図ってまいります。加えて新商品、新業態、ロボティクス、ITの活用等の研究開発にも取り組むことで、現場の省人化を実現させ、規模の成長と効率性向上を進めてまいります。さらに、グループ内でのシナジーを発揮することにより、原材料および物流費上昇を抑制いたします。

 

② 次の10年を見据えた企業価値向上

 日本国内における人材採用は年々厳しさを増すなか、当社グループでは従業員が誇りを持って働ける企業グループを目指し、従業員への健康投資や、働く環境の整備、多様な働き方への対応等に取り組んでまいります。また、地域になくてはならない店づくりはもとより、社会における「人」と「食」に係る課題については当社グループにおける最重要課題と認識し、これらの課題に率先的に対応することで持続的成長につなげてまいります。

 

 なお、成長戦略の一環として位置づけてきたM&A戦略については、今後の環境変化に対応可能な“食”&“ホスピタリティ”に係る事業や、持続性のある差異化要因を有する事業、ロイヤル経営理念と合致したモデルを基本方針として検討してまいります。これらの施策を着実に実行することにより、今後見込まれる経営環境の変化及び経営課題にしなやかに対応し、「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”グループ」の実現を目指してまいります。また、食品企業として食の安全安心を第一に考え、企業の社会的責任を誠実に果たすことで、全てのステークホルダーに支持される企業グループを目指してまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態、株価に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中に記載する将来のリスクに関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.景気動向と競合

当社グループの経営成績は景気動向、特に個人消費の動向に大きく影響を受けます。国内経済においては、景気の先行き不透明感が依然として払拭されない状況が継続することが予想されます。また、外食業界においては、顧客確保のための企業間競争は激化しており、既存店売上高は減少傾向にあります。今後も既存店売上高の減少が続く場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

2.食材等の仕入コスト変動

当社グループが使用する食材等の仕入コストは、天候や為替相場など様々な要因により大きく変動する可能性があります。特に昨今、様々な要因により、価格の変動幅が大きくなっております。こうした仕入価格の変動が経営成績に与える影響を極力抑制するための各種施策を実施しておりますが、価格上昇の影響をすべて回避することは困難であり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

3.食材調達

当社グループが使用する食材については、厳正な調達基準を設けるとともに調達先を選別するなど、安全な食材確保に努めておりますが、当社グループの使用する食材に健康被害をもたらすような食材が混入する等使用食材の安全性に疑義が呈された場合、風評被害を含め、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

4.品質保証管理

当社グループでは、飲食店営業、食品製造、食品販売、それぞれについて食品衛生法に基づき、各営業許可を取得し、営業、製造、販売を行っております。当社グループでは品質保証管理の重要性を十分認識した上で、従業員に対して品質保証管理の指導を徹底するとともに、定期的な検査により品質保証問題の発生防止を徹底しております。さらにグループ横断的に食材の品質衛生状態を管理する部署を強化するなど、品質保証管理の強化に努めておりますが、店舗、製造拠点、販売店において食中毒、異物混入等の品質保証問題が発生した場合には、営業停止あるいは風評悪化等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

5.労務関連

当社グループにおいては多くのパートタイム従業員が業務に従事しておりますが、今後社会保険、労働条件などに係る諸制度に変更がある場合、人件費の増加となり当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また同様にその他の従業員等につきましても、関連法令や労働環境に変化がある場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

6.人材の確保

当社グループの事業において円滑な運営を継続するためには、短時間労働者を含めた人材の確保及び育成が重要な課題となります。当社グループでは社員の配置転換、中途社員の採用等を行うなど、人材の確保に注力しておりますが、人材確保が予定どおり進まない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

7.個人情報の取扱い

当社グループでは大量の営業目的の顧客情報や、特定個人情報を取り扱っております。当社グループは個人情報の漏洩を重要なリスクと認識し、その取扱いに関するルールを定め、厳重な管理取扱をグループ内に周知しておりますが、万が一個人情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、損害賠償の責を負う可能性もあり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

8.自然災害

大規模な地震等の自然災害が発生した場合に備え、当社グループでは事業継続計画(BCP)の策定、防災訓練の実施、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、被害状況によっては正常な事業活動の継続が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

9.法的規制

当社グループの事業は食品衛生法を始めとして、様々な法的規制の枠組みの中で運営しております。食品に関わる法的規制は、昨今の消費・賞味期限表示や産地偽装に係る問題の続発等を受け、今後強化されることが予想されます。今後、法的規制が強化された場合、これに対応するための新たな費用の発生等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

10.出資・買収

当社では、外食産業に対する長期的展望の下、グループとして持続的な成長を遂げるため、出資・買収を展開しております。出資・買収に際しては、事前に十分な調査を行っておりますが、出資・買収の効果が当初想定したとおりに発現しない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

11.賃貸借契約に基づく差入保証金の回収

当社グループが展開している飲食店、ホテルの大多数は土地建物を賃借して営業しており、当社グループは賃貸人に対して契約に基づき保証金を差し入れております。保証金を確実に回収するため賃貸人の状況には十分留意しておりますが、賃貸人の倒産等の事由により、回収が困難となった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

12.会計制度・税制等の変更

会計基準や税制の新たな導入・変更等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、追加の税負担が生じる可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 以下は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに関する情報であり、文中に記載する将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成におきましては、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りが必要とされます。当該見積りにあたりましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループが採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」に記載しておりますが、財政状態及び経営成績に特に重要な影響を与える会計方針と見積りは、以下のとおりと考えております。

 

① 固定資産の減損処理の測定基準

 当社グループは、店舗、工場及び賃貸物件など多くの固定資産を有しております。これら固定資産につきまして減損の認識が必要とされた場合の回収可能価額は、「固定資産の減損に係る会計基準」等に従い合理的に算定しておりますが、資産グループの単位ごとに将来キャッシュ・フロー又は正味売却価額などを基礎としているため、前提が異なることとなった場合には、将来追加で減損処理が発生する可能性があります。

② 有価証券の評価基準

 当社グループは、取引先の株式などの有価証券を保有しております。これらの有価証券につきましては、「金融商品に関する会計基準」及び社内で定める基準に従い適正に評価を行い、厳格な減損処理を行っておりますが、将来の市況悪化又は出資先の財政状態等の悪化により、追加で減損処理が発生する可能性があります。

③ 差入保証金の評価基準

 当社グループは、飲食店舗、ホテルなどの賃借物件において、契約に基づき保証金を差し入れております。これらの保証金につきましては、賃貸人の財政状態等の把握によるリスク管理を行い、必要に応じ損失処理を行うこととしております。したがって、賃貸人の財政状態等の急激な悪化などに伴い、将来、損失処理が発生する可能性があります。

④ 繰延税金資産の計上基準

 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金を有しております。これらにかかる繰延税金資産の計上にあたりましては、「税効果会計に係る会計基準」及び社内で定める基準等に従い回収可能性を判断しており、将来の課税所得見積りは、機関決定された利益計画等を基礎にその実現可能性について十分な検討を行い、必要に応じて評価性引当額を計上しております。しかし、将来の経営環境の変化などにより回収可能見込額が変動した場合には、繰延税金資産の取崩又は追加計上が発生する可能性があります。

⑤ 資産除去債務の計上基準

 当社グループは、飲食店舗、ホテルなどの賃借物件において、契約終了時の原状回復義務等に関して資産除去債務を計上しております。これらの資産除去債務につきましては、「資産除去債務に関する会計基準」等に従い合理的に見積りをしておりますが、将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

 当社グループを取り巻く経営環境は、同業、他業種との競争が続くなど、依然として厳しい状況にあります。このような環境下、当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。

① 売上高及び営業利益

 売上高(その他の営業収入を含む)は、前連結会計年度に比べ2,537百万円増加(+1.9%)し、135,563百万円となりました。

 当連結会計年度におきましては、国内外におけるフランチャイズ出店17店舗を含め、合計37店舗の新規開店及び新たな営業受託などの店舗展開を行ったほか、ホテル事業、コントラクト事業の既存店の売上高や、機内食事業の販売食数が堅調に推移したことなどにより増収となりました。なお、当社グループのセグメント別売上高は、「2 生産、受注及び販売の状況」に記載のとおりでございますが、ロイヤルホストを中心とする外食事業の占める割合が依然高い水準にあるため、引き続きバランスのとれたポートフォリオ構築を進めてまいります。

 売上原価につきましては、前期および当期に食品工場を改修したことに伴い、減価償却費が増加したことなどによる製造原価の増加を主な要因として、前連結会計年度に比べ490百万円増加(+1.2%)いたしました。なお、前述のとおり売上原価は増加している一方で、売上原価が売上高に占める比率(売上原価率)は、前連結会計年度から0.2ポイント改善し31.2%となっております。これは、食品工場における製造原価率は上昇したものの、機内食工場の仕入価格の低減や生産効率の改善による製造原価率の改善に加え、原価率が相対的に低いホテル事業の売上シェアが増加したためであります。

 販売費及び一般管理費につきましては、ホテル事業を中心に売上高が増加したことに伴い、前連結会計年度に比べ1,317百万円増加(+1.5%)いたしましたが、その一方で、販売費及び一般管理費の売上高に占める比率(販管費率)は、既存店の売上高増加による固定費の負担軽減などにより、前連結会計年度に比べ0.2ポイント改善し64.4%となっております。

 以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ729百万円増加(+14.0%)し、5,952百万円となりました。また、売上高営業利益率は0.5ポイント上昇し4.4%となっており、収益性は改善しております。今後、お客様により高い価値の商品を提供する一方、業務効率を高めることで更なる利益率の改善が重要な課題と考えております。

② 営業外損益及び経常利益

 営業外収益は、持分法による投資利益の増加160百万円などにより、前連結会計年度に比べ102百万円増加(+14.4%)し、817百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ18百万円減少(△2.5%)し、713百万円となりました。

 この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ850百万円増加(+16.3%)となり、6,056百万円となっております。

③ 特別損益及び税金等調整前当期純利益

 特別利益は、前連結会計年度に比べ337百万円増加(+166.7%)し、540百万円となりました。これは、投資有価証券売却益が258百万円増加したこと及び効率化に伴う工場施設の集約により、一部不要となった土地を売却したこと等による固定資産売却益120百万円を計上したことなどによるものであります。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ43百万円減少(△4.5%)し、921百万円となりました。これは、当連結会計年度において、連結子会社1社で採用している退職一時金制度を、確定拠出制度へ移行することを決定したことに伴い、退職給付費用89百万円を特別損失として計上した一方、食品工場の改修等により、前連結会計年度に一時的に増加した固定資産除売却損が91百万円減少していることなどによるものであります。

 この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,232百万円増加(+27.7%)となり、5,675百万円となっております。

④ 法人税等、当期純利益、非支配株主に帰属する当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 法人税等(「法人税、住民税及び事業税」並びに「法人税等調整額」の合計額)は、前連結会計年度に比べ52百万円増加(+2.8%)し、1,950百万円となりました。なお、法人税法等の改正に伴い、実効税率が引き下げられているのに加え、当連結会計年度に関しては、過年度に評価損を計上した土地等を売却していることなどにより、相対的な税金等の負担率が軽減しております。

 この結果、当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,179百万円増加(+46.4%)し、3,724百万円となっております。

 また、非支配株主に帰属する当期純利益は、ホテル事業を営む連結子会社など非支配株主が存在する連結子会社の当期純利益のうち、その持分に相当する額でありますが、前連結会計年度に比べ24百万円増加(+14.9%)し、191百万円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,155百万円増加(+48.6%)し、3,533百万円となっております。

 

(3) 財政状態の分析

① 資産

 流動資産は、現金及び預金が2,494百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末から2,780百万円増加(+15.5%)し、20,669百万円となりました。

 固定資産うち有形固定資産は、外食事業やホテル事業における既存店舗の改装・改修、食品工場の改修など、グループ全体で5,361百万円の設備投資(リース資産を含む)を実施しておりますが、減価償却5,210百万円、減損処理388百万円に加え、賃貸不動産等の非中核事業資産の売却699百万円などの減少要因により、前連結会計年度末に比べ1,106百万円減少(△2.3%)し、47,881百万円となりました。無形固定資産は各種システム構築に伴う投資等211百万円、減価償却183百万円などの結果、前連結会計年度末に比べ26百万円増加(+3.7%)し、729百万円となりました。また、投資その他の資産は、時価の上昇等により投資有価証券が1,455百万円増加したことを主な要因として、前連結会計年度末に比べ1,367百万円増加(+5.2%)し、27,857百万円となりました。

 これらにより、資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,068百万円増加(+3.3%)し、97,138百万円となりました。

② 負債

 流動負債は、設備投資に係る未払金の減少等によりその他流動負債が457百万円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が530百万円、短期借入金が300百万円それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ551百万円増加(+3.3%)し、17,485百万円となりました。

 固定負債は、その他有価証券評価差額金の増加等に伴う繰延税金負債の増加360百万円などの増加要因があった一方、長期借入金が1,370百万円、リース債務(固定負債)が392百万円それぞれ減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,223百万円減少(△4.2%)し、27,678百万円となりました。

 これらにより、負債合計は、前連結会計年度末に比べて671百万円減少(△1.5%)し、45,164百万円となりました。

③ 純資産

 純資産につきましては、「第5 経理の状況」に記載の連結株主資本等変動計算書のとおり、親会社株主に帰属する当期純利益3,533百万円を計上し、配当金772百万円を支払った結果、利益剰余金が2,760百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金が872百万円増加したことなどにより、純資産全体では前連結会計年度末に比べ3,739百万円増加(+7.8%)し、51,973百万円となりました。

 なお、当連結会計年度末における、純資産から非支配株主持分を控除した自己資本は50,990百万円であり、前連結会計年度末から3,637百万円増加(+7.7%)いたしました。また、自己資本比率は、主として上記に記載の自己資本の増加により前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇し、52.5%となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,491百万円増加(+49.2%)し、7,558百万円となりました。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フロー(収入)は、外食事業やコントラクト事業などの各事業における顧客からの売上代金の受取から、食材等の仕入、販売費及び一般管理費、法人税等の支払いを控除したキャッシュ・フローであります。当連結会計年度の法人税等の還付・支払前のキャッシュ・フロー(収入)は、前連結会計年度に比べ240百万円減少しておりますが、法人税等の支払・還付によるキャッシュ・フロー(支出)が、379百万円減少したことから、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フロー全体では、前連結会計年度に比べ138百万円収入が増加し、9,350百万円の収入となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資5,230百万円が主なものであります。前連結会計年度との比較では、設備投資による支出が942百万円減少し、また、有形固定資産の売却による収入が504百万円増加したことなどにより、当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,682百万円支出が減少し、4,279百万円の支出となりました。

 以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを控除したフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,820百万円収入が増加し、5,071百万円の収入となりました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、ファイナンス・リース債務の返済1,177百万円、長期借入金の借入及び返済(純支出)840百万円、配当金の支払い772百万円などであります。前連結会計年度との比較では、長期借入金の借入れによる収入が1,200百万円減少しておりますが、自己株式の取得による支出が574百万円、長期借入金の返済による支出が451百万円それぞれ減少し、また、短期借入金の純増減額(収入)が300百万円増加したことなどにより、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ70百万円支出が減少し、2,580百万円の支出となりました。

 なお、当社グループでは、グループ内の効率的な資金管理を実施するため、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しております。