第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、1951年に福岡で創業して以来、「“食”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を目指してまいりました。2012年からは、ホテル事業の伸張を受け「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を掲げ、ロイヤルホスト、天丼てんやなどの外食事業をはじめ、空港・高速道路や病院など大規模施設内で食を提供するコントラクト事業、リッチモンドホテルを運営するホテル事業、食品事業など、幅広く事業を展開してまいりました。

 今後につきましては、「時間や場所にとらわれない食とホスピタリティの提供」をビジョンとして新たに策定した中期経営計画の推進により、事業ごとのコア戦略を明確にし、長期的かつ安定的な企業価値の向上に向け、あらゆるステークホルダーから共感・支持を得られる企業グループを目指して、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

(2) 経営環境

 足もとのわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が長期化しているものの、2022年3月のまん延防止等重点措置の全面解除以降、経済活動が正常化に向かい、個人消費の持ち直しがみられました。一方で、世界的な資源価格の高騰によるインフレ懸念やウクライナ紛争などの地政学リスクの顕在化、為替相場の変動による不確実性の高まり、並びに新型コロナウイルス感染症変異株の影響継続などにより、依然として先行きは不透明且つ厳しい状況が続いております。特に今後の国内経済においては、景気の緩やかな回復が期待される一方で、物価の上昇に伴い家計の節約志向が強まり、個人消費に影響を及ぼす可能性も想定されます。

 

(3) 中期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき課題

 当社グループにおきましては、中期経営計画のビジョンとして掲げた「時間と場所にとらわれない“食”&“ホスピタリティ”の提供」を通じて、「既存事業の収益性向上」と「戦略的事業の創造」を骨子とした事業計画を推進してまいります。双日株式会社との資本業務提携を最大限活用し、「既存事業の収益性向上」では高付加価値商品の提供やテイクアウト・デリバリーの強化、食品事業における商品開発力と生産性の向上、「戦略的事業の創造」では新ライフスタイル型の業態開発や冷凍食品事業の拡大、海外事業の展開などに注力してまいります。また、足もとにおいては、依然として原材料費や光熱費の高騰が続いている状況ではありますが、高付加価値商品の提供や業務効率化などの施策を実施することで、各種コスト増への対応を進めてまいります。あわせて、成長に向けた好循環を実現するため、人材の確保、育成、労働環境の整備を最重要課題と捉え、従業員の処遇改善を含めた人的資本投資により、厳しい経営環境に対応していけるよう努力してまいります。

 

(4) 目標とする経営指標

 中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度における主要財務目標は以下のとおりです。

  ・収益力の強化   ⇒ 売上高 1,360億円・経常利益 65億円・EBITDA 140億円

  ・株主価値の創出  ⇒ EPS 80円程度

  ・財務基盤の健全性 ⇒ 自己資本比率 40%程度

  ・資本効率の向上  ⇒ ROE 8%以上

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 また、以下記載につきましては、現経営環境下において経営者が重要と判断した順に記載しております。

 

(1) 人材の確保と育成

当社グループの事業において円滑な運営を継続するためには、短時間労働者、外国人労働者を含めた人材の確保が重要な課題であり、社員の配置転換、新卒・中途社員の採用等を行うなど、人材の確保に注力しております。また、当社グループが持続的に成長するためには確保した人材を教育し技能の向上を図る必要があります。労働人口の減少が先々見込まれる状況下、計画に沿った人材確保が困難な状況、確保した人材の育成に失敗した状況、新人事制度や処遇面での各種施策等の十分な効果が得られず、人材流失が継続・加速する場合、労働集約型のビジネスモデルが大半を占める当社グループにおいては、お客様に提供する商品やサービスの品質低下が生じる可能性を否めず、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループにおける人件費増加の発生可能性として、労働・労務関連法規の改正や社会保険制度の変更等、現行制度の改変による影響が挙げられます。これらに対しては、人事制度改定による対応はもとより、デジタルやテクノロジーを活用し効率性の向上に取組む必要があると認識しております。このような状況下、前述の取組みが不十分のため関連法令や労働環境に係わる変化への対応に遅延又は不足が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食品の安全性

当社グループでは、飲食店営業、食品製造、食品販売、それぞれについて食品衛生法に基づき、必要な営業許可等を取得し、営業・製造・販売を行っており、品質管理の重要性を十分認識した上で、従業員に対して品質管理の指導教育を徹底するとともに、定期的な点検や検査により品質問題の発生防止に取り組んでおります。さらにグループ横断的に食材の品質衛生状態を管理する独立部署を当社に置き、品質保証体制の強化に努めております。しかしながら、店舗、製造拠点、販売店において食中毒、異物混入等の品質問題が発生した場合には、営業停止あるいは風評悪化等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが使用する食材については、法規制に加え自主基準を設けるとともに調達先を選別するなど、安全な食材確保に努めております。しかしながら、当社グループの使用する食材に健康被害をもたらすものが混入する等、使用食材の安全性に疑義が呈された場合、風評被害を含め、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 食材・商品等の供給体制と仕入コスト

当社グループは、店舗の食品の安全、効率的な運営と生産性の向上を目的に、食品工場、及び多数の取引先等からなるサプライチェーンを構築しています。

当該サプライチェーンの構成上、重要性が高い食品工場においては、品質安全性、商品差別化と供給の安定性を確保するために、自社にて一部商品の生産と供給を行っております。このため、自社生産部門において供給体制や品質等に問題が生じた場合には、商品の供給中断に伴う営業一時停止や営業制限等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当該サプライチェーンに取り込んでいる取引先より提供を受ける食材や商品の品質水準や、物流面を担うドライバーの不足等を含む供給体制等に問題が発生した場合、あるいは自然災害や、火災等の不測の事故等が発生した場合、さらに地政学的リスク問題が発生した場合、店舗への食材・商品・備品の供給に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社グループが使用する食材等の仕入コストは、天候や為替相場など様々な要因により大きく変動する可能性があります。特に昨今、様々な要因により、価格の変動幅が大きくなっております。こうした仕入価格の変動が経営成績に与える影響を極力抑制するための各種施策を実施しておりますが、価格上昇の影響をすべて回避することは困難であり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(4) ブランド戦略

当社グループが展開する店舗名やロゴタイプ、商品に関する商標等の知的財産権は、重要性が高いものであると考えております。ロイヤルホスト・てんや等のブランドは長年にわたり顧客の支持を受けており、当社グループのブランドイメージの維持・向上やマーケティング戦略に不可欠なものとなっております。これら商標等の知的財産権については、その保護に努めておりますが、その保護に失敗した場合、又は第三者が当社グループの知的財産権を悪用若しくは侵害した場合、ブランドの価値が損なわれ、当社グループの事業、ブランドイメージ、社会的信用に影響を与える可能性があります。

 

(5) 店舗等拠点の管理

当社グループの外食事業の店舗の多くは借地又は賃借用の建物を使用しておりますが、賃貸借契約は賃貸人側の事情により解約や賃料が改定される可能性があります。当社グループの拠点管理部署にて賃貸人と契約条件・期間の交渉を実施しておりますが、賃貸借契約の期間前解約、賃料の大幅な増加が想定以上に発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループで運営する店舗において建物・設備の計画的、定期的な保守点検、メンテナンスを実施しておりますが、経年による老朽化が進行した場合、昨今の気候変動や自然災害の大型化による影響等により損壊や崩落等の被害の可能性があります。物理的な被害にとどまらず人的被害を伴う可能性があるほか、営業の一時停止や営業制限等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) テクノロジーの導入

当社グループは飲食産業全体が抱える課題に対応すべく、様々なテクノロジーの情報を収集・分析し、実験店舗にて実証を行っております。テクノロジーは日進月歩で進化しており、業務拡大及び戦略的業務に伴う戦略的システムの導入遅延が生じた場合、競合他社に対する優位性の低下や事業の収益性の低下につながる恐れがあり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理

当社グループでは大量の事業運営に関わる機密情報や、経営数値情報、また、営業を目的とした大量の顧客情報や、特定個人情報を取り扱っております。当社グループは機密情報の漏洩を重要なリスクと認識し、その取扱いに関するルールを定め、厳重な管理取扱をグループ内に周知しておりますが、昨今頻繁に発生しているSNSによる情報流出やサイバー攻撃等による各種情報の漏洩や取り扱い情報の不正な改ざん等の問題、或いは個人情報の流出等の問題が発生した場合には、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、損害賠償の責を負うなどにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、サプライチェーンの管理、店舗での注文、決済等において情報通信システムに大きく依存しております。当社のグループ内システム部門において、コンピューターウイルス・サイバー攻撃などに対し、適切に防止策を実施してリスクの低減を図っておりますが、情報通信システムが悪意ある攻撃などにより障害が発生した場合、効率的な運営ができず、又は情報喪失や情報流出により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

さらに当社グループに関連し、インターネット上で様々な書き込みや画像等により風評被害が発生した場合、その内容の真偽にかかわらず、当社グループの事業、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループ以外の風評被害であっても、外食産業の社会的評価や評判が下落するものの場合、当社グループの事業、経営成績、ブランドイメージ及び社会的信用にも影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 景気動向と競合

当社グループの経営成績は景気動向、特に個人消費の動向に大きく影響を受けます。所得税、消費税、社会保険負担、景況動向など様々な外部要因による個人可処分所得の増減が個人消費に影響するため、政治経済状況を注意深く観察しておりますが、社会環境の見通しの誤りやその変化への対応が遅れる場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、女性の社会進出や少子化など社会構造の変化に伴い、消費者の生活スタイルも変容しており、中食やデリバリーサービスの日常化など消費やマーケットの構造もその影響を受けております。これに伴い外食同業間だけでなく業態・業種を超えて顧客確保のための企業間競争がますます激化するなど、構造変化とその対応如何が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 感染症

当社グループは感染拡大防止策として、2020年3月に新型コロナウイルス等感染症対策業務継続計画書(BCP)を制定し、店舗でお客様に安心してお食事をしていただけるように、また従業員も安心して業務が遂行できるように、様々な感染拡大対策を講じて感染拡大の防止に努めております。

現時点では回復基調にあるものの、今後、新たな変異株の出現などによる感染症の拡大により消費者の行動に制約が課され、移動又は外出する機会が大幅に減少する状況が発生した場合、来店客数減により売上高が低迷し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 自然災害

昨今の気候変動等により自然災害が発生しておりますが、特に日本においては地震の多発化、温暖化によるゲリラ豪雨の発生、台風の大型化等が見受けられます。このような状況から大規模な地震等の自然災害が発生した場合に備え、当社グループでは専門部署を設置し、事業継続計画(BCP)の策定、防災訓練の実施、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、これらの自然災害により影響を受けた地域では、日常生活も深刻な状況となり、当社グループの店舗においても設備損傷、ライフラインの利用制限、さらに取引先、物流などのサプライチェーンの寸断により、正常な事業活動の継続が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 法令遵守

当社グループは様々な法令の枠のもとで営業活動を行っており、情報開示や研修等による啓蒙活動によって法令遵守の意識向上に努め、当社グループのリスク管理規程に基づきリスク管理委員会を設置し、当社グループ内の様々なリスクを適切に認識し、具体的対策を実施しておりますが、取引先や加盟店への対応徹底も含め、新たな法令制定、法改正への対応に不備が生じた場合、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループはフランチャイズ契約による事業活動も展開しており、フランチャイジーに対する指導不足等により法令遵守に違反する事例が生じた場合、当社グループの信用に大きな影響を与えるとともに、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社グループの事業は食品衛生法を始めとして、様々な法的規制の枠組みの中で運営しております。昨今のHACCP義務化を例として、食品表示関連も含め、さらなる法的規制が強化された場合、これに対応するための新たな費用の発生等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 財務健全性

当社の借入金に関して、株式会社みずほ銀行から調達した短期借入金8,532百万円及び株式会社みずほ銀行他6行からシンジケーション方式により調達した長期借入金14,125百万円(うち1年内返済予定の長期借入金4,000百万円)には財務制限条項が付されており、当社の業績又は財政状態の悪化等の要因で、財務制限条項へ抵触した場合には、当該借入についての返済を求められ、当社グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) サステナビリティリスク

国内外に営業拠点を持ち、様々な取引先と広範なサプライチェーンを構築し、労働集約型の事業を展開する当社グループにおいて、世界人口の増加、気候変動の進行、資源枯渇などの地球規模での構造的な変化による中長期的な経済活動への影響は事業継続に関わるリスクであると認識しております。

サプライチェーン上の人権問題・環境破壊に起因する不買運動の発生、サステナビリティ課題への対応遅れによるブランドイメージや社会的信用の棄損などは、当社グループの経営成績等に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

なお、食に関わる項目については当社グループの貢献が特に期待されていると認識しており、当社は、グループ全体で食品ロス削減の取組みや災害支援などCSR活動への継続的かつ積極的な参加に努めておりますが、その活動内容や告知が十分でない場合、レピュテーションの棄損、消費者からの反発などを通じて、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要及び分析・検討内容

 当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況の概要及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績の状況

(売上高及び営業損益)

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度から20,040百万円増加(+23.9%)し、104,015百万円となりました(前連結会計年度の売上高には、「その他の営業収入」を含む。)。引き続き、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響を受けたものの、まん延防止等重点措置の全面解除を受けて行動制限が緩和されたことに伴い、各事業セグメントにおいて需要が回復いたしました。

 当社グループのセグメント別売上高は、「(2) 生産、受注及び販売の実績」に記載のとおりでありますが、営業時間短縮などの制約がなくなり、主力の外食事業が増収となったことに加えて、全国旅行支援やインバウンド需要の緩やかな回復も下支えし、コントラクト事業やホテル事業においても大幅な増収となりました。また、高付加価値な商品提供や業態転換等の施策も奏功しており、中期経営計画(2022年~2024年)の骨子として掲げた「既存事業の収益性向上」は着実に進捗しております。あわせて、各事業セグメントにおいて次世代に向けた新たな業態開発を行うなど、「戦略的事業の創造」を通じた売上創造に取り組みました。なお、中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度における売上高の目標値として1,360億円を掲げております。

 売上原価につきましては、前連結会計年度に比べ4,564百万円増加(+17.7%)しました。なお、売上原価が売上高に占める比率(売上原価率)は、前連結会計年度から1.5ポイント低下し29.2%となっております。これは、原価率が相対的に低いホテル事業の売上シェアが増加したことによるものであります。

 販売費及び一般管理費につきましては、前連結会計年度に比べ5,917百万円増加(+9.0%)しました。なお、販売費及び一般管理費が売上高に占める比率(販管費率)は、電気やガスの仕入価格が高騰したことなどにより、水道光熱費の比率は上昇したものの、大幅な増収に伴い、従業員給与や賃借料、減価償却費等の固定的な費用の占める割合が低下したことなどにより、前連結会計年度に比べ9.4ポイント低下し68.7%となっております。

 以上の結果、営業利益は2,192百万円(前期営業損失7,366百万円)となっております。

 

(営業外損益及び経常損益)

 営業外収益は、営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金等の助成金収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ3,888百万円減少(△66.2%)し、1,981百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度において、第三者割当による普通株式及び優先株式の発行に係る費用等を資金調達費用として計上していたことや、持分法投資損失が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ984百万円減少(△32.8%)し、2,017百万円となりました。

 この結果、経常利益は2,156百万円(前期経常損失4,498百万円)、EBITDA(経常利益+減価償却費+のれん償却額+ネット支払利息)は6,320百万円増加し(+331.1%)、8,230百万円となっております。当連結会計年度については、外食や宿泊需要の回復に伴う既存事業の収益改善や構造改革の効果などにより、前期に対して大幅な増益となりました。中期経営計画(2022年~2024年)の2年目にあたる次期においては、引き続き「既存事業の収益性向上」「戦略的事業の創造」を戦略骨子とし、既存事業への積極的な投資と新規事業の育成を通じて、最終年度における主要財務目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。なお、中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度における目標値として、経常利益65億円及びEBITDA140億円をそれぞれ掲げております。

 

(特別損益及び税金等調整前当期純損益)

 特別利益は、当連結会計年度には、関連会社であったハイウェイロイヤル㈱を連結の範囲に加えたことに伴い段階取得に係る差益759百万円を計上しておりますが、前連結会計年度に比べて投資有価証券売却益が1,725百万円減少したことや前連結会計年度に持分変動利益519百万円を計上していることなどにより、前連結会計年度から1,962百万円減少(△68.3%)し、911百万円となりました。また、特別損失は、閉店の決定又は収益性の低下による外食事業やホテル事業の店舗等に係る減損損失が前連結会計年度に比べて384百万円減少したことなどにより、前連結会計年度から587百万円減少(△56.4%)し、454百万円になりました。

 この結果、税金等調整前当期純利益は2,613百万円(前期税金等調整前当期純損失2,667百万円)となっております。

 

(法人税等、当期純損益、非支配株主に帰属する当期純損益及び親会社株主に帰属する当期純損益)

 法人税等(「法人税、住民税及び事業税」並びに「法人税等調整額」の合計額)は、各事業における業績の回復により、法人税、住民税及び事業税は前連結会計年度に比べて340百万円増加しておりますが、一方で、業績の回復を受けて繰延税金資産の計上を見直したことなどにより、法人税等調整額(マイナス)が689百万円増加しております。

 これらの結果、当期純利益は2,754百万円(前期当期純損失2,875百万円)となっております。

 また、非支配株主に帰属する当期純利益は、非支配株主が存在する連結子会社の当期純利益のうち、その持分に相当する額でありますが、当連結会計年度における計上はありません(前期非支配株主に帰属する当期純損失1百万円)。

 以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,754百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失2,873百万円)となり、1株当たり当期純利益は52円86銭(前期1株当たり当期純損失68円60銭)となっております。なお、中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度における1株当たり当期純利益の目標値として80円程度と掲げております。次期以降、引き続き、各事業セグメントにおいて各種施策を進めていき株主価値の創出への取り組みを推進してまいります。

 

 各セグメント別の経営成績の状況については、次のとおりであります。

 

(外食事業)

 当社グループの基幹である外食事業におきましては、ホスピタリティ・レストラン「ロイヤルホスト」、天丼・天ぷら専門店「てんや」、サラダバー&グリル「シズラー」、ピザレストラン「シェーキーズ」などのチェーン店のほか、ビアレストラン、カフェ、各種専門店等の多種多様な飲食業態を展開しております。

 主力の「ロイヤルホスト」におきましては、行動制限の緩和に伴い、外食需要が回復したことから、売上高はコロナ禍前の水準まで上昇いたしました。また、1号店の開業から50周年を迎えたことを記念したフェア「洋食小皿&厚切りステーキ」を実施するなど、高付加価値な商品を提供いたしました。

 「てんや」におきましては、全国のご当地食材を使用したメニューの提供を行うとともに、引き続き、テイクアウト需要拡大の取り組みを行いました。また、効率性向上による省人化を目指した新型店舗として、「天丼てんやエキア北千住店(東京都足立区)」をリニューアルオープンいたしました。

 「専門店」におきましては、ミドルサイズチェーンの「シズラー」において、アメリカの食文化や料理を紹介するフェアを実施いたしました。また、「アペティートカフェメトロ(福岡県福岡市)」と「ミセスエリザベスマフィン博多駅マイング店(福岡県福岡市)」の2店舗を既存店からの業態転換で開業いたしました。

 当連結会計年度におきましては、上記施策を実施したことや営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金を計上したことなどにより、売上高は53,523百万円(前期比+18.8%)、経常利益は3,881百万円(前期比+16.2%)となりました。

 

(コントラクト事業)

 コントラクト事業におきましては、法人からの委託等により、空港ターミナルビル、高速道路サービスエリア・パーキングエリア、コンベンション施設、オフィスビル、医療介護施設、百貨店、官公庁等において、それぞれの立地特性に合わせた多種多様な飲食業態を展開しております。

 当連結会計年度におきましては、都道府県を跨ぐ移動や海外からの入国制限が緩和され、各業態で売上高は増加いたしました。また、空港ターミナルビルでは、「あご出汁うどんこがね丸福岡空港店(福岡県福岡市)」を新規出店するとともに、国際線の復便を受けて、成田、中部、福岡の3空港で計4店舗の営業を再開いたしました。高速道路サービスエリア・パーキングエリアでは、山陽自動車道(下り線)の小谷サービスエリアで「小谷サービスエリア売店・フードコート(広島県東広島市)」、東名高速道路(下り線)の海老名サービスエリアで「Lucky Rocky Chicken 海老名サービスエリア店(神奈川県海老名市)」を出店いたしました。加えて、百貨店内店舗では「ロイヤルホスト名古屋星ヶ丘店(愛知県名古屋市)」を既存店からの業態転換で開業いたしました。上記施策を実施したことや営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金を計上したことなどにより、売上高は23,103百万円(前期比+33.8%)、経常利益は1,241百万円(前期経常損失336百万円)となりました。

 

 

(ホテル事業)

 ホテル事業におきましては、「ひとと自然にやさしい、常にお客さまのために進化するホテル」を経営理念として掲げ、全国に「リッチモンドホテル」等を47店舗展開しております。

 当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束していないことを受けて、ホテル8棟を感染軽症者・無症状者の宿泊療養施設として各自治体に提供いたしました。また、京都府内2号店となる「リッチモンドホテルプレミア京都四条(京都府京都市)」を新規開業するとともに、観光での利用が多い立地特性を活かし、リッチモンドホテルプレミア東京押上を名称変更の上、SHARE LOUNGEやサウナ、ゲーミングルームなどを備えた体験型ホテル「リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ(東京都墨田区)」としてリニューアルオープンいたしました。上記施策を実施したことに加えて、まん延防止等重点措置の適用解除以降は、都道府県を跨ぐ移動や各種イベントが再開され、全国旅行支援や海外からの入国制限緩和なども下支えし、国内のビジネスおよび観光需要が回復に向かったことから、売上高は23,175百万円(前期比+38.7%)、経常利益は1,189百万円(前期経常損失2,784百万円)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業におきましては、主に当社グループの各事業における食品製造、購買、物流業務等のインフラ機能を担っているほか、グループ外企業向けの「業務食」および家庭用フローズンミール「ロイヤルデリ」の製造も行っております。

 当連結会計年度におきましては、ロイヤルホストを中心としたグループ店舗の需要回復を受け、内部向けの製造販売量は増加したものの、原材料や包装材、光熱費などの仕入価格が上昇したことにより、売上高は10,236百万円(前期比+7.5%)、経常損失は153百万円(前期経常損失290百万円)となりました。

 

(その他)

 その他の事業は不動産賃貸や機内食等の事業であり、航空需要が完全な回復には至っていないことから、売上高は329百万円(前期比△42.9%)、経常損失は519百万円(前期経常損失812百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

 流動資産は、後述「③キャッシュ・フローの状況(資本の財源)」に記載のとおり、双日㈱による新株予約権の行使に伴う普通株式の発行等により、現金及び預金が2,540百万円増加したこと、また、ホテル事業や外食事業を中心に業績が回復したこと等に伴い、売掛金が1,939百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末から4,807百万円増加(+14.1%)し、38,950百万円となりました。

 固定資産のうち有形固定資産は、各事業における新規出店や、既存店舗の改装・改修等の設備投資額(リース資産を含む)2,678百万円、ハイウェイロイヤル㈱を連結の範囲に含めたことによる同社の資産937百万円の計上などの増加要因に対し、減価償却費4,694百万円などの減少要因があったことにより、前連結会計年度末から1,489百万円減少(△3.1%)し、46,716百万円となりました。無形固定資産は、ハイウェイロイヤル㈱を連結子会社としたことに伴う時価評価による施設運営権11,829百万円の計上及びのれん5,191百万円の計上などにより、前連結会計年度末から17,027百万円増加し、17,538百万円となりました。また、投資その他の資産は、ハイウェイロイヤル㈱の連結子会社化に伴う投資と資本の相殺消去等により、投資有価証券が7,440百万円減少したことを主な要因として、前連結会計年度末から6,542百万円減少(△24.3%)し、20,364百万円となりました。

 これらにより、資産合計は、前連結会計年度末に比べ13,803百万円増加(+12.6%)し、123,570百万円となりました。

 

(負債)

 流動負債は、ハイウェイロイヤル㈱株式の追加取得資金として、短期借入金が1,892百万円増加したこと、長期借入金(固定負債)からの振替等により、1年内返済予定の長期借入金が1,365百万円増加したことに加え、ホテル事業や外食事業を中心に業績が回復したことによる未払消費税の増加等により、その他の流動負債が1,873百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ6,487百万円増加(+27.0%)し、30,507百万円となりました。

 固定負債は、前述、施設運営権の時価評価等により、繰延税金負債が3,109百万円増加したのに対し、約定に従った返済等による長期借入金の減少4,905百万円及びリース債務の減少2,052百万円などにより、前連結会計年度末に比べ3,492百万円減少(△6.7%)し、48,254百万円となりました。

 これらにより、負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,994百万円増加(+4.0%)し、78,762百万円となりました。

 

(純資産)

 純資産のうち、株主資本につきましては、双日㈱による新株予約権の行使に伴う普通株式の発行8,307百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,754百万円等の増加要因、配当金の支払い513百万円等の減少要因のほか、「収益認識に関する会計基準」等を適用したことによる累積的影響額として当連結会計年度の期首に利益剰余金の減少532百万円を計上しており、前連結会計年度から10,051百万円増加(+30.5%)し、43,036百万円となりました。

 その他の包括利益累計額は、投資有価証券の時価の増加等に伴う、その他有価証券評価差額金の増加により、前連結会計年度から242百万円増加(+23.9%)し、1,256百万円となりました。

 以上により、株主資本にその他の包括利益累計額を加えた自己資本は44,293百万円となり、前連結会計年度末から10,293百万円増加(+30.3%)しております。

 総資産のうち自己資本の占める割合である自己資本比率は、前述、株主資本の増加を主な要因として、前連結会計年度末に比べ4.8ポイント上昇し35.8%となっており、財務基盤の健全性は向上しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益の自己資本に対する割合である自己資本利益率は、親会社株主に帰属する当期純利益の改善により7.0%となっております。なお、中期経営計画(2022年~2024年)の最終年度における自己資本比率の目標値を40%程度、自己資本利益率の目標値を8%程度とそれぞれ掲げており、引き続き財務基盤の健全性及び資本効率の向上に努めてまいります。

 また、自己資本に非支配株主持分を合計した純資産全体では、ハイウェイロイヤル㈱を連結の範囲に含めたことに伴い非支配株主持分を新たに515百万円計上しており、前連結会計年度末に比べ10,808百万円増加(+31.8%)し、44,808百万円となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動による収入及び財務活動による収入の合計額が、投資活動による支出を上回ったため、前連結会計年度末に比べ2,540百万円増加し、25,660百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、外食事業やコントラクト事業などの各事業における顧客からの売上代金の受取から、食材等の仕入、販売費及び一般管理費、法人税等の支払いなどを控除したキャッシュ・フローであります。当連結会計年度の法人税等の還付・支払前のキャッシュ・フローは、前連結会計年度では2,708百万円の支出でしたが、当連結会計年度では7,872百万円の収入となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー全体でも、前連結会計年度が1,886百万円の支出であるのに対し、当連結会計年度では7,389百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社ハイウェイロイヤル㈱の株式を取得したことによる支出のほか、各事業の新規出店や改装・改修などによる設備投資が主なものであります。前連結会計年度との比較では、当連結会計年度中に行ったハイウェイロイヤル㈱の2回の株式追加取得について、関係会社株式の取得による支出2,542百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4,250百万円としてそれぞれ計上しているのに加え、前連結会計年度に比べ、政策保有株式の売却による投資有価証券の売却による収入が2,520百万円減少しております。これらにより、投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度には2,061百万円の収入でしたが、当連結会計年度には8,552百万円の支出となりました。

 以上の結果、営業活動によるキャッシュ・フロー及び投資活動によるキャッシュ・フローにより算定されるフリーキャッシュ・フローは、前連結会計年度は174百万円の収入でしたが、当連結会計年度には1,162百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、普通株式の発行による収入、長期及び短期借入金の借入による収入及び返済による支出、ファイナンス・リース債務の返済による支出などが主なものであります。前連結会計年度との比較では、双日㈱による新株予約権の行使に伴う、株式の発行による収入8,300百万円があった一方で、前連結会計年度には、普通株式及び優先株式の発行による収入15,685百万円などがあり、当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ5,367百万円収入が減少し、3,702百万円の収入となりました。

 

 

(資本の財源)

 当社グループの事業活動において必要となる資金については、営業活動によるキャッシュ・フローで獲得した資金を充当することを基本とし、内部資金に不足が生じる場合については、金融機関からの借入による資金調達を行うほか、不動産賃貸借契約等に基づくファイナンス・リース取引などを行っております。

 長期資金の調達については、事業計画に基づく資金の使途、資金需要、金利動向等の調達環境、既存借入金の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断して実施しております。

 当連結会計年度におきましては、双日㈱による新株予約権の行使により8,307百万円の新株の発行を行っているほか、関係会社ハイウェイロイヤル㈱の株式取得資金として、締結済みの貸出コミットメント契約により2,332百万円の調達を行っております。

 なお、当連結会計年度末時点において決定している重要な設備の新設等の計画については「第3 設備の状況 3設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

 

(資金の流動性)

 当社グループでは、国内の子会社に対してキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、グループ内の効率的な資金管理を行っており、各社・各部署からの報告に基づき適時に資金繰計画を作成・更新するとともに、手元流動性を維持するなど、当社において当社グループの流動性リスクを一元的に管理する体制を構築しております。

 当連結会計年度においては、前述(資本の財源)に記載のとおり、新株予約権の権利行使を受けたこともあり、現金及び預金25,653百万円を確保しており、前連結会計年度との比較では2,540百万円増加しております。また、当連結会計年度の流動比率(流動負債に対する流動資産の割合)は127.7%となっており、100%を超える健全な水準を維持しております。これらにより、当社グループの事業運営上に必要な資金の流動性は十分に確保しているものと認識しております。

 

(2) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

食品事業(百万円)

8,105

107.4

合計(百万円)

8,105

107.4

(注)金額は製造原価によっております。

 

② 受注実績

当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

前年同期比(%)

外食事業(百万円)

53,523

118.8

コントラクト事業(百万円)

23,103

133.8

ホテル事業(百万円)

23,175

138.7

食品事業(百万円)

10,236

107.5

報告セグメント計(百万円)

110,038

124.2

その他(百万円)

329

57.1

合計(百万円)

110,368

123.8

(注)セグメント間の取引を含めた金額によっております。

 

 

(3) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。