第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、政府及び日銀による経済政策、金融緩和策等の実施により、緩やかな回復基調が続いたものの、中国をはじめとするアジア新興国の景気下振れや英国のEU離脱問題、米国の政策転換等、海外経済の不確実性が高まり、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当業界におきましては、中食需要の高まりにより外食のみならず他業種との競合が激化するなか、人材不足を背景とした採用活動費や人件費の増加、また原材料価格の高騰など、依然として厳しい経営環境が続いております。

こうした状況のもとで、当社は、会社構造改革を推進し、黒字化を目指してまいりました。

まず、全店において成果主義セールス活動を徹底し、売上の拡大に注力してまいりました。

さらに、お客様アンケートの収集・分析活動を強化し、一部店舗では顧客名簿と予約受注の一元管理システムの導入準備を進め、作業の効率化を図ることと合わせ、顧客満足度の向上に努めてまいりました。

また、インターネット完結型予約サイトとの提携やLINEなどを活用し、インターネットを中心とした販促への移行を行い、販促費削減を実行してまいりました。

次に、婚礼ブランド「LUCIS(ルーキス)」「Coeur et Coeur(クーレクール)」「LA VIE CLAIR(ラ ヴィ クレール)」に加え、各店においても、ウエディングにかかわるパーティの受注に注力し、顔合わせ、食事会、1.5次会、2次会のさらなる強化を図りました。

平成28年6月、愛知県名古屋市中村区名駅所在の“JPタワー名古屋”内の商業施設3階に「KITTE名古屋店」を新規出店いたしました。落ち着いた雰囲気の店舗となり、来店されたお客様にご好評をいただいております。

また、平成29年1月「恵比寿ガーデンプレイスタワー店」が入居している39階のフロア全体をリニューアルすることとなり、同店を閉店いたしました。

一方、保有不動産の有効活用のため、上野広小路ビルの売却を行いました。

当事業年度の売上高は、前年同期比8.0%増の67億1,484万円となりました。売上構成の変化に伴い粗利益が当初予想より減少、さらに人手不足による人件費増に加え、婚礼関連販促費の先行負担などもあり、営業損失は1億5,497万円(前年同期は営業損失7億3,064万円)、経常損失は1億6,457万円(前年同期は経常損失6億9,654万円)となりました。また、減損損失1億9,170万円の計上並びに、所有不動産の売却及び繰延税金負債の取崩しにより当期純利益は393万円(前年同期は当期純損失6億9,902万円)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は19億814万円となり前事業年度末と比較して11億7,507万円の増加となりました。

これは税引前当期純損失の計上となったものの、上野広小路ビルの土地及び建物の売却、減価償却費の計上、借入金の返済等によるものであります。

 

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1億4,393万円となりました。(前年同期は3億3,871万円の支出)

これは主に、税引前当期純損失の計上及び減価償却費並びに減損損失の計上などによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動より得られた資金は、14億9,366万円となりました。(前年同期は9億928万円の支出)

これは主に、上野広小路ビルの土地及び建物の売却並びに有価証券の償還などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は4億6,253万円となりました。(前年同期は1億3,759万円の支出)

これは主に、借入金の返済によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産能力及び生産実績

当社は飲食店としての事業がほとんどを占めており実質的に単一セグメントのため、当事業年度の生産能力(客席数)及び生産実績(客数)を業態別に示すと次のとおりであります。

 

業態別

生産高

客席数(千人)

前年同期比(%)

客数(千人)

前年同期比(%)

中国料理

2,003

98.0

1,002

100.5

日本料理

27

36.7

21

55.8

合計

2,030

95.8

1,023

98.8

 

(注) 客席数につきましては、営業日数を乗じて算出しております。

 

(2) 販売実績

当社は飲食店としての事業がほとんどを占めており実質的に単一セグメントのため、当事業年度の販売実績を事業の業態別に示すと次のとおりであります。

 

業態別

販売高(千円)

前年同期比(%)

中国料理

6,496,759

109.7

日本料理

156,622

60.3

その他

61,467

171.1

合計

6,714,849

108.0

 

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、政府による経済政策などを背景に、景気は首都圏を中心に穏やかな回復が予測されていますが、未だ景気の先行きは不透明なものと思われます。

当社といたしましては、会社構造改革を更に推進させ、売上目標の達成に努め、黒字化を目指してまいります。

まず、引き続き成果にこだわるセールスの徹底により、新規顧客の掘り起こしや既存顧客の囲い込みを確実に実行してまいります。

次に、婚礼ブランド「LUCIS(ルーキス)」「Coeur et Coeur(クーレクール)」「LA VIE CLAIR(ラ ヴィ クレール)」においては、各媒体への積極的販促を継続し、合わせてSNS等の活用を行い、新規来館客の増加、成約率のアップを図り、売上増加を目指してまいります。

また、販促活動は、ネット関連への移行を更に推進させ、婚礼はもとより各店における宴会受注の強化を図ってまいります。

そして、「上野店」の婚礼部門においては、販促投資の効果が表れ、新規来館数、成約率ともに順調に推移しており、婚礼売上の増加が期待されます。

平成29年夏、恵比寿ガーデンプレイスタワー39階のリニューアルに合わせ、同フロアに新規出店する予定となっております。

また、所有不動産の売却資金を有効活用し安定収益確保のため、平成29年3月、東京都世田谷区と千葉県習志野市の賃貸用不動産を取得いたしました。

 

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 景気動向と競合

当社の経営成績は景気動向、特に法人需要の動向に大きく影響を受けます。外食市場においては新規参入や中食の台頭等により競争は更に激しさを増しております。今後も景気の後退、競争の激化等が続いた場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食材の安定確保

BSE問題、鳥インフルエンザ等の伝染病、異物混入問題等、食に対する不安が広まる中、良質な食材の量及び価格の両面における安定的確保が外食企業として成長を遂げるための不可欠な要素となっております。当社では良質な食材の安定的確保に向けて従来以上に慎重に取り組んでいく方針ですが、外的要因により当社の使用する食材の安全性に疑義が呈された場合、また、天候要因ならびに外国為替相場の動向等を反映して食材の仕入コストが大きく変動した場合などに当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 衛生管理

当社は、飲食店営業及び食品製造・販売について食品衛生法に基づき、各営業許可を取得し、事業を行っております。当社は衛生管理の重要性を十分認識した上で、従業員に対して衛生管理の指導を徹底するとともに、外部の検査機関による定期的な検査実施等により衛生問題の発生防止を徹底しております。しかしながら、店舗において食中毒等衛生上の問題が発生した場合には、営業停止あるいは風評悪化等により当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 個人情報の取扱に関するリスク

当社は営業目的で大量の顧客情報を取り扱っております。当社は個人情報の漏洩を重要なリスクと認識し、「個人情報保護にかかる規程」を制定し、厳重な管理取扱を社内に周知徹底しております。しかしながら、顧客情報の流出等の問題が発生した場合には、当社の信用及び、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 自然災害リスク

当社の事業所の多くは東京を中心とする関東圏及び、大阪を中心とする関西圏に集中しております。従って大規模な地震等の災害が発生した場合、被害状況によっては、正常な事業活動が行うことができなくなり、結果として当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法的規制について

当社に関する主な法的規制には「食品衛生法」、「製造物責任法(PL法)」、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」等があります。これらの法規制が強化された場合や、今後新たな法律が制定された場合は、設備投資などの新たな費用が発生・増加することなどにより当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 敷金及び保証金について

当社は外食事業を展開するにあたり、店舗オーナーと賃貸借契約を結び敷金及び保証金の差入れを行っております。オーナーの経営状況によって、保証金の回収不能や店舗営業の継続に問題が発生した場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 固定資産の減損について

当社では減損会計を適用しておりますが、当社の保有資産について実質的価値の下落や収益性の低下等により減損処理がさらに必要となった場合、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成には、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っております。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社が採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「財務諸表等」(1)「財務諸表」「注記事項」重要な会計方針をご参照下さい。

 

(2) 経営成績の分析

① 売上高及び営業利益

売上高は前年同期比4億9,698万円増の67億1,484万円となりました。これは主に、中食需要の高まりにより外食のみならず他業種との競合が激化するなど、依然として厳しい経営環境が続いている状況のもと、当社は、会社構造改革を推進し、黒字化を目指した成果主義セールス活動の徹底や、婚礼のさらなる強化など売上の拡大に注力したことなどによるものであります。

売上原価は前年同期比1億2,062万円増の30億5,053万円となりました。これは主に売上高の増加によるものであります。

販売費及び一般管理費は前年同期比1億9,931万円減の38億1,928万円となりました。これは主に、婚礼関連販促費の先行負担により広告宣伝費が増加したものの、有形固定資産の減価償却方法の変更に伴い、減価償却費が減少したことなどによるものであります。

上記の結果、営業損失は1億5,497万円(前年同期は営業損失7億3,064万円)となりました。

 

② 営業外損益及び経常利益

営業外収益は前年同期比4,552万円減の1,318万円となり、営業外費用は前年同期比182万円減の2,279万円となりました。

上記の結果、経常損失は1億6,457万円(前年同期は経常損失6億9,654万円)となりました。

 

③ 特別損益、法人税等及び当期純利益

特別利益は1億5,619万円となりました。これは上野広小路ビルの土地及び建物の売却益によるものであります。

特別損失は前年同期比1億7,143万円増の2億3,485万円となりました。これは減損損失1億9,170万円の計上、店舗閉店に伴う閉鎖損失を4,061万円計上したことなどによるものであります。

法人税等調整額は、上野広小路ビルの土地売却による繰延税金負債1億8,171万円並びに、買換資産圧縮積立金に係る繰延税金負債2億2,867万円を取り崩したことによるものであります。

以上の結果、当期純利益は393万円(前年同期は当期純損失6億9,902万円)となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2「事業の状況」4「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 

(4) 財政状態の分析

① 資産

流動資産は現金及び預金が当期純利益の計上、所有資産の売却及び有価証券の償還、並びに借入金の返済などにより11億7,507万円増加したこと等により、前事業年度末比6億5,760万円増の24億265万円となりました。

固定資産は主に有形固定資産がKITTE名古屋店の出店及びCHIBA SKY WINDOWS東天紅の改装による取得等で2億3,238万円を計上したものの、土地10億7,810万円の売却、当期償却により4億1,871万円減少したこと並びに減損損失1億9,170万円の計上などにより、前事業年度末比14億3,718万円減の105億5,728万円となりました。

上記の結果、当事業年度末の総資産は前事業年度末比7億7,958万円減の129億5,994万円となりました。

 

② 負債

負債につきましては、未払法人税等が課税所得の計上により2億300万円増加したものの、借入金が返済により4億6,200万円減少、繰延税金負債が買替資産圧縮積立金の取り崩しにより2億2,078万円減少、再評価に係る繰延税金負債が土地の売却等により1億8,892万円減少したことなどにより、前事業年度末比8億1,069万円減の26億7,808万円となりました。

 

③ 純資産

純資産につきましては、当期純利益393万円の計上などにより、前事業年度末比3,110万円増の102億8,185万円となりました。

上記の結果、当事業年度末の負債・純資産合計は前事業年度末比7億7,958万円減の129億5,994万円となりました。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

当社は、複雑で高度化した社会のニーズに対応し、お客様にご満足頂くため、カスタマーズ・ヴァリューのある商品を創造・提供できる体制づくりを目指しております。その実現のために、ホスピタリティ精神にあふれる人材の育成、時代の要請に応える商品、業態や店舗の開発、管理部門の高度情報化に力を注いでまいります。

今後とも「豊かな食事文化を創造、提供する」ことを目指して、お客様一人ひとりのご要望にお応えするために、企業価値を高めながら社会と共に発展してまいりたいと考えております。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローの状況をご参照下さい。

なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

 

平成27年2月期

平成28年2月期

平成29年2月期

自己資本比率(%)

71.5

74.6

79.3

時価ベースの自己資本比率(%)

33.6

23.9

34.7

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

5.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

9.5

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

平成27年2月期及び平成28年2月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・ガバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は「豊かな食事文化を創造、提供する」ことを企業使命とし、多目的な会食空間をお客様にご利用頂くために、食事の豊かさと楽しさを提供するホスピタリティの充実に努めると共に、企業価値の増大を目指してまいります。

特に、企業価値の増大を重要な経営課題と位置づけ、その目的を達成するために、お料理とサービスのより一層の充実に努めると共に、一方では全社的な業務の見直しを継続的に行い効率化を推進するなど、経営資源の有効かつ適切な投入を行ってまいります。