第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 2021年4月1日、三菱UFJリース株式会社(以下、「三菱UFJリース」)は日立キャピタル株式会社(以下、「日立キャピタル」)と合併を通じた経営統合を行い、商号を三菱HCキャピタル株式会社に変更いたしました。

 経営統合を機に、経営理念及び経営ビジョンを以下のとおり定め、事業活動を通じて社会課題の解決や持続可能な成長、企業価値の向上をめざすことを掲げております。

◎ 経営理念

わたしたちは、アセットの潜在力を最大限に引き出し社会価値を創出することで、

持続可能で豊かな未来に貢献します。

◎ 経営ビジョン

・地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開することで、社会的課題を解決します。

・世界各地の多様なステークホルダーとの価値共創を通じて、持続可能な成長をめざします。

・デジタル技術とデータの活用によりビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上を図ります。

・社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、自由闊達で魅力ある企業文化を醸成します。

・法令等を遵守し、健全な企業経営を実践することで、社会で信頼される企業をめざします。

 

 

(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

 経営統合の背景・目的及び経営統合後の基本戦略は以下のとおりであります。

Ⅰ)経営統合の背景・目的

(ⅰ)経営統合の背景

①社会の情勢

 昨今、外部環境の変化は激しく、「気候変動・資源不足」「脱資源・脱化石燃料」「人口構造の変化」「テクノロジーの進歩」「都市化」「世界の経済力のシフト」「多極化する世界」といった長期的に内外経済の動向を左右する潮流、メガトレンドの動きが加速しております。

 さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、経済・社会全体のパラダイムシフトが発生しており、企業活動においては「サプライチェーンの質的再構築」「デジタル化・データエコノミー化」「大量生産・消費から循環経済への変革」などが進展するものと考えられます。

②課題認識

 このような外部環境の変化に伴い、リース会社に求められる役割は、従来型のリース・ファイナンスに加えて、事業の投資・運営などを通じた社会的課題の解決へと変化しております。

 しかも、With/Afterコロナの環境下では、想像以上のスピードで産業レベルでのビジネスモデルチェンジが生じるとみられ、各企業が環境変化に適応していく上では、アセットに関する多様な機能を有し、金融機能にとどまらない柔軟なサービスを提供するリース会社の存在意義がさらに高まるものと考えております。

 さまざまな産業と密接な連携を図ってきた両社においては、このような社会や業界の大きな環境変化を新たなビジネスの機会と捉え、多様なお客様や地域社会に貢献し、社会価値を創出するためにも、一層の事業基盤の拡大・財務基盤の強化が必要との判断にいたりました。

 

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(ⅱ)経営統合の目的

 経営統合前の両社においては、それぞれの中期経営計画の中長期ビジョンに掲げてきたとおり、環境変化に適応した豊かな社会の実現に向けた社会価値の創出、さらに、それらを通じた持続的な企業価値の向上に努めてまいりました。

 今回の経営統合により、統一された理念・ビジョンのもと、一つの会社として事業を展開することで、「①ビジネス領域の相互補完」、「②経営基盤の強化」、さらに、これらをベースとした「③新たな価値創造」を実現し、より力強く成長してまいります。

①ビジネス領域の相互補完

 理想的な相互補完関係の構築により、ビジネス領域をフルラインアップ化できるとともに、ビジネス領域、展開地域双方におけるポートフォリオの分散が実現します。これにより、外部環境の影響を受けにくい強固で安定的な収益基盤の実現に加え、その強化される体力を活かした投資活動の一層の拡大により、収益力の向上を図ります。

②経営基盤の強化

 企業の競争力の源泉である、人材(財)の活用・強化、パートナー・ネットワークの活用、財務基盤強化、リスクマネジメントの高度化、デジタル化の推進といった経営資源・ノウハウを結集することで、持続的成長を支える強靭な経営基盤の構築を図ります。

③新たな価値創造

 強みを有するビジネス領域を強化、拡大するとともに、新たな領域・地域にチャレンジすることで、お客様に対する従来のリース会社の枠を超えた新しい価値の提供をめざします。経営統合により、当社は規模・領域ともに業界屈指のグローバルプレイヤーとなります。今後、拡大する規模と蓄積される資本を活かし、世界各地のお客様や地域社会のニーズの変化を的確に捉え、その実現に貢献していく新時代の社会的課題解決企業への成長を図ります。

 

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Ⅱ)基本戦略

(ⅰ)めざす姿

 世界各地でリース会社の枠を超えた先進的なアセットビジネスを展開、開拓者精神で社会価値の創出に努めることで、経営ビジョンを達成してまいります。また、「社会資本/ライフ」「環境・エネルギー」「モビリティ」「販売金融」「グローバルアセット」を注力領域として深耕してまいります。

 これらを実現するためにも、三菱UFJリースが掲げてきた「アセットビジネスのプラットフォームカンパニー」としての先進的なアセット価値の提供と、日立キャピタルが掲げてきた「社会価値創造企業」としてのお客様や地域社会のニーズを的確に捉えた、各ステークホルダーに対する価値の創造、提供といった両社の強みを融合したシナジーの創出を図ってまいります。

 

(ⅱ)ビジネスモデル

 有形資産のみならず、ソフトウェアやデータベースなどの情報化資産、研究開発ならびにライセンスなどの革新的資産、人材(財)、組織などの経済的競争力などの無形資産も広く保有するアセットホルダーとして、「アセット価値創出力」を活かしたビジネスを積み重ね、アセット価値の収益化を図ってまいります。

 そのためにも、アセットビジネスの5つの形態「アセット型ファイナンスソリューション」「アセット投融資」「アセット付加価値サービス」「アセット利用価値提供」「アセット活用事業」のそれぞれを研ぎ澄まし、ビジネスモデルを常に刷新・進化してまいります。

 なお、「アセット価値創出力」とは、産業・社会に提供する価値創造に資するアセットを活用した機能を相次いで創出、提供することで、お客様やパートナー企業、そして、当社の競争力向上を実現するものです。

 

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(ⅲ)提供価値

 環境変化に適応し、強固なビジネス基盤を活用した企業活動を通じて、社会的課題を解決、社会価値を創出いたします。また、多様なステークホルダーの視点を取り入れることで、産業・社会全体への価値創出を図ります。

 例えば、有力パートナーとの協業を通じて、「アセット利用価値提供」「金融」を組み合わせたソリューションや新しい「事業」のアイデアを提供することで、お客様が抱える経営課題の解決のみならず、産業全体における脱炭素・デジタル社会をはじめとする社会的課題への対応を加速させます。

 また、スマート化やエコシステム創造による産業・社会活動の最適化を提案することで、新常態における地域社会の安心・安全の実現に貢献してまいります。さらに、ESG経営の一層の推進を図り、中長期的な視点で地球環境持続性や社会性・ガバナンスの強化にも取り組むことで、株主利益の拡大はもちろんのこと、With/Afterコロナの環境下におけるモデルケースとなるような、働きがいのある職場環境づくりにも努めてまいります。

 

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(ⅳ)事業の展開地域

 「日本」「欧州」「米州」「中華圏」「アジア・オセアニア」の5極で事業を積極展開し、各地域の特性を見極めつつ、地域に根付いたビジネスモデルへの刷新を継続することで、それぞれの地域で独自の存在感を発揮してまいります。

 

Ⅲ)優先して対処すべき事業上の課題

 経営統合によるシナジーの創出のためには、PMI(経営統合プロセス)の確実な推進が重要であると認識しており、全社のPMIを統括し、シナジー発揮のための全体推進等を行う部署を立ち上げております。また、複数のワーキンググループを立ち上げ、本格的且つ具体的な議論を進めております。

 経営統合によって、経営資源の最適化等のコスト面を中心としたシナジー、営業面のシナジー、統合によって創出される資本余力を活用したシナジーの3つの側面からシナジーの創出をめざしてまいります。

 

Ⅳ)営業体制

 事業の重複が少なく、理想的な相互補完関係にあることから、経営統合を行った2021年4月1日時点において、旧三菱UFJリースと旧日立キャピタルの営業組織は併存しております。

 現行の組織体制における事業戦略は以下のとおりであります。

 

 

事業戦略

カスタマービジネス

■各セクターのバリューチェーン変革を捉えた機能提供による有力パートナーとの協働ビジネスの創出加速化を図る。

■Webツールを最大限活用した新たな営業モデルを確立させ顧客接点の絶対量増加と、グループ総力を駆使した顧客の課題解決型営業スタイルの徹底により、安定収益基盤の維持・拡大を進める。

■データベースマーケティングによる高ROA資産の効率的な獲得強化と低収益資産の漸減により、ポートフォリオの最適化を図る。

 

■地域毎に注力する産業分野の選定やアセット価値に依拠した取組を強化し収益性を高める。

■ベトナムのヴィエティンバンクリースへの出資等を通じ、新興国の成長を取り込む。

■デジタル戦略としてENGS Commercial Finance Co.(※)の「Digital Center」の取組を推進。営業機会の拡大・顧客及びベンダーの利便性向上・オペレーションの効率化の「一石三鳥」を狙う。

 ※ ENGS Holdings Inc.の事業会社

航空事業部門

■航空機リースは、優良エアライン向け新造機セール&リースバック取組強化や信用状況管理の更なる徹底等により、資金回収極大化と与信費用を削減。

■航空機エンジンリースは、稼働率向上と新型エンジン積上げに加え、エンジンパーツアウト業務拡充により出口戦略を強化。

不動産事業部門

■国内は、「物流事業の深化」、「CREソリューション事業の強化」、「ホテル運営機能の強化」等を推進して、アフターコロナを見据えた事業展開を加速。

■海外は、主に米国における事業運営体制の強化、既存デットの取組強化、投融資枠の拡大、地場アセットマネジメント会社等のパイプライン拡充等を進める。

ロジスティクス事業部門

■海上コンテナは、市況に応じたメリハリある投資で良質なポートフォリオを構築し、リセール体制の強化により収益改善を図る。

■鉄道貨車は、ポートフォリオの稼働率改善により収益の安定化を図ると共に、資産回転モデルへ段階的に移行。

■モビリティは、既存オートリース事業の維持・拡大と新事業の取組、海外トッププレイヤーとのASEAN地域での協業拡大に注力。

再生可能エネルギー事業部門

■太陽光については、大型アセットの拡大に加えて中型アセットの取組を推進する他、パートナー戦略による機能拡充やポートフォリオ整理を進めると共に、国内及びタイにおける屋根置きPPA(電力販売契約)事業の本格拡大をめざす。

■太陽光以外の再エネアセット(陸上風力・洋上風力)は、既存パートナー及び新規チャネル工作によりパイプラインの拡充を図る。

ヘルスケア事業部門

■ヘルスケアファンド事業について、病院の機能統廃合・病床再編、再生ニーズの取込みや次期ファンド立上げにより収益拡大を図る。

■デジタル分野における事業機会探索、注力領域である回復期戦略の推進、新興国市場への事業展開について、パートナー企業との協業により加速。

インフラ・企業投資事業部門

■海外インフラは、有力プレーヤーとの協業推進による実績積上げ、現地(欧州等)を起点とした事業参画体制を構築。

■企業投資は、パートナーと連携強化。相対オリジネーション案件や大型案件の取組によるプレゼンス向上、取組体制強化。

 

 

 

事業戦略

事業企画本部

■各地域における営業事例、知見を集約し、新たなビジネス創造による収益拡大を推進。

■日立グループ企業等のサービス事業化モデルの潮流に関与して、ビジネスモデルを協働で創出し、金融収益に加え、サービス収益獲得を志向。

■信託、債権回収、決済サービス、中古資産売買処分等により、累積型の安定収益獲得を志向。

日立グループ事業本部

■日立グループ企業とのパートナー化推進、協創強化等により日立ビジネスを強化。

■社内リソースを最大限に活用することで、提案型営業への変革を図り、高収益確保に向けた取組を推進。

■クラウド化やリモートワーク需要の取込み等により事業基盤・サービスモデルを変革。

法人事業本部

■良質資産確保による収益基盤の維持、ならびに、DX活用による業務プロセス改善とローコストオペレーションにより経営体質を強化。

■アカウントのパートナー化推進、日立グループ連携、ならびに、注力分野の取組強化等により顧客基盤を拡充。

■IoTリースサービスによる収益獲得、パートナーのソリューションを活用したサービスモデル構築等、新規事業を推進。

ライフ事業本部

■不動産事業のキーアカウント等の取引領域拡大や、資産回転型ビジネス拡大・営業資産ポートフォリオの質的向上等、量・質の改善強化。

■産業基盤・生活関連の社会資本を対象とした、物流・商業・医療業界の顧客基盤再構築と、取引業界の課題・未来を見据えた営業活動を実践。

■パートナーとの連携強化、ならびに、新規事業の開発を推進。

環境・エネルギー

事業本部

■パートナーとの連携による、風力発電事業の積極的な開発を推進。

■自治体や地方企業との連携により、街づくりに貢献する地域エネルギー事業を推進。

■将来市場(電力小売・アグリゲータ事業等)を見据えた事業範囲の拡大と次世代技術(蓄電・水素等)の活用による事業化を検討。

ベンダーソリューション

事業本部

■ローコストかつハイクオリティなオペレーションにより安定収益基盤を確立。

■既存ベンダーの絞り込みによる質・量の向上、ならびに、独自機能の提供によるベンダー囲い込み等により収益性を向上。

■顧客課題解決型新サービスの開発を推進。

モビリティソリューション

事業本部

■日本事業では、日立キャピタルオートリースの日立グループへの価値提供、物流分野でのパートナー連携、マイカーリースの再構築等による収益拡大を軸に、CASEがもたらす変革期に対応した新ビジネス開発とソリューションの提供を推進。

■欧州事業では、モビリティとオートリースを融合させたサービスの提供により、顧客と収益の拡大を推進。

 

 

 

事業戦略

欧州地域

■カスタマーサービス、社員エンゲージメント、コンプライアンス遵守の維持向上、ならびに、デジタルプログラム開発等により持続的成長を加速。

■日立等のパートナーとの協創を通じたEV関連事業等の開発と、EVaaS(サービスとしてのEV)構築の継続・拡大。

■欧州大陸事業における提供サービスと、対象地域の拡大。

米州地域

■DXによるオペレーションの効率化、競争力と収益性の向上、ならびに、メトリクスを使用した継続的な改善推進等によりコアビジネスを強化。

■クリーンエネルギー、モビリティ、ヘルスケア等、SDGsに重点をおいた新たなオペレーションや投資により新たなビジネスを構築。

■Mitsubishi UFJ Lease & Finance(U.S.A.)Inc.との連携を増やし、早期に合併効果を実現。

中国地域

■パートナー戦略、地域密着ビジネスを軸としたビジネスモデルの更なる拡大。

■事業の選択と集中、及びファイナンス+αにより新たな成長戦略を構築。

■事業戦略に沿った出資の実行と投資余力を意識した投資管理(EXITと再投資を含む)強化。

ASEAN地域

■新規ビジネスはコロナ禍で需要が見込まれる事業を選定し開拓に注力、既存ビジネスは販売金融ベンダー・パートナーとの関係を強化。

■太陽光発電事業等の環境・エネルギー分野やカーシェアリング等のモビリティ分野の事業拡大、ならびに、新地域への展開。

■コロナ禍におけるリスケ債権の適切な管理および督促強化。

 

 

Ⅴ)目標とする経営指標

 経営統合後の中期的な経営方針・戦略及び目標とする経営指標は今後策定を進めてまいります。

 なお、2022年3月期の連結業績予想は以下のとおりであります。

 

 

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

前期比

(増減)

前期比

(増減率)

親会社株主に帰属する

当期純利益

873億円

950億円

+76億円

+8.8%

ROE

7.3%

8.0%

+0.7P

-

OHR

55.9%

55.9%

0.0P

-

(注)1. 2021年3月期の数値は、当社(旧三菱UFJリース(日本基準))と日立キャピタル(IFRS)の単純合算値であり、会計基準が異なるものの、参考値として掲載しております。なお、親会社株式に帰属する当期純利益は、日立キャピタルにおける親会社の所有者に帰属する当期利益を用いて算出しております。

2. OHR(経費率)は、販売費及び一般管理費の金額を、売上総利益と営業外損益の金額の合計で除した数値としております。ただし、販売費及び一般管理費、及び営業外損益の金額には貸倒関連費用の金額は含んでおりません。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業等のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なものを「1.統合リスク管理」に記載している枠組みで総合的に管理し、リスクの概要やリスクに対する主な取り組み等の具体的な内容については「2.統合リスク管理の枠組みで管理している重要なリスク」に記載しています。当社グループでは、このようなリスクに対する適切な管理態勢を構築し、リスク顕在化の未然防止と発生時の影響の極小化に努めています。

考えられるリスク要因を管理対象として、各リスクの所管部門が外部環境の変化等による課題を把握し、定期的にこれらのリスクに対する対策を検討のうえ、業務執行の統制を行うための協議決定機関である常務会(※)に遅滞なく報告する管理態勢としています。具体的には、個別リスクの課題と対策を議論するALM(資産・負債の総合管理)委員会・コンプライアンス委員会・J-SOXに関わる情報開示委員会等のほか、経営全般に係るリスクを総合的かつ体系的に管理するリスク管理委員会を四半期毎及び必要に応じて開催し、リスク状況の報告・対応方針の審議等を行っています。また、各委員会における重要事項は、取締役会に報告し、審議しています。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

※ 2021年4月1日の経営統合後は、経営会議に改組しております。

 

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1.統合リスク管理

当社では、経営の健全性維持と収益性向上を両立させることで持続的な成長を図るため、「統合リスク管理」の枠組みを組み込んだ事業運営を行っています。統合リスク管理の枠組みで管理している重要なリスクには、信用リスク、アセットリスク、投資リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク等があり、連結ベースでリスク管理を行っています。

具体的には、アセットやビジネスの特性に応じた評価手法により各リスクを定量化した上で、当社のリスク資本管理方針に基づきそれぞれのリスクカテゴリーにリスク資本を配賦し、リスク許容度の範囲内で合理的なリスクテイクを行う態勢としています。

こうしたリスク管理の枠組みの中で、定期的にリスク資本の使用状況や各種ポートフォリオの状況についてモニタリングを行い、リスク管理委員会、常務会および取締役会に報告され、審議することで、適切な対応を務めるとともに、社内におけるリスクに関するコミュニケーションの充実を図っています。リスク管理態勢や管理の状況は、取締役会が把握し、監督する態勢となっています。

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2.統合リスク管理の枠組みで管理している重要なリスク

当社グループは、グローバルに事業活動を行っており、取引先の事業に必要な設備投資やサービスをリース等により提供しています。リース取引等のために保有するアセットは、事務機器や生産設備といった一般的な動産のほか、航空機等特定の産業で使用されるアセットまで多様化しています。国内外の景気の減速・後退に伴い、取引先の事業環境等が悪化し設備投資需要が大幅に減少した場合、リース取引の減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、内部プロセス・人・システムが不適切であることもしくは機能しないこと、または外生的事象が生起することから生じる損失によっても、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これら想定されるリスクを対象として、当社では「1.統合リスク管理」で記載した枠組みで重要なリスクを管理しています。

(1)信用リスク

 当社グループは、リース取引や割賦販売取引や金銭の貸付等の形態による金融サービスの提供により、中長期にわたり信用を供与する事業を行っています。今後の景気動向や金融情勢によっては、企業の信用状況悪化による不良債権の増加に伴い貸倒引当金の追加繰入等が必要となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、グローバルなビジネス展開を行っていることから、取引先や投資先の国や地域における政治・経済等の状況によって損失を被るカントリーリスクを負っています。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 個別案件の取組み可否の検討にあたっては、当社グループ独自の格付制度を用いて取引先の信用状況を精査するとともに、リース対象物件の価値やカントリーリスク等を踏まえたうえで総合的に審査を行い、リスクに基づく適切なリターンの確保に努めています。また、取引開始後も継続的に取引先の信用状況をチェックし、取引先の信用状況悪化の際には必要な措置を講ずる態勢を整えています。さらに、ポートフォリオ全体として、特定取引先、業種、国・地域等に与信が集中しないよう、リスク分散を考慮した与信運営に取り組んでいることに加えて、定期的にポートフォリオの信用リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。

(2)アセットリスク

 当社グループは、国内外において、一般的な動産に加え、航空機等のグローバルアセット、建物等の不動産を保有し、オペレーティング・リース等の形態で、これらを賃貸する事業を行っています。この事業では、前述の信用リスクに加えて、アセットリスクを負っているため、アセットの運用や処分によって得られる収入の変動が当該取引の採算に影響を及ぼす可能性があります。このため、オペレーティング・リースの取り組みにあたっては、個別案件の取組み時に、取引先の信用状況に加え、アセットの種類に応じて、その価値を慎重に見極めて審査を行っています。また、取引開始後も継続的に当該アセットに係るリースや売買市場の状況、賃借人によるアセットの利用状況等のモニタリングを行い、リスクの顕在化防止、軽減に努めています。

 

① グローバルアセット

 当社グループは、航空機、航空機エンジン、船舶、コンテナ、鉄道貨車等のグローバルアセットを国内外において保有し、オペレーティング・リース等の形態で、これらを賃貸する事業を行っています。グローバルアセットに関する事業では、前述の信用リスクに加えて、当該アセットの価格変動リスクを負っています。オペレーティング・リースでは、取引先からのリース料収入のほか、リース期間満了後にアセットを売却して資金の回収を図ります。また、取引先の経営破綻等の際には、当該アセットを引き揚げたうえで、別の取引先とリース取引等を行うほか、アセットを売却して資金の回収を図ります。アセットの売却に際しては、景気動向や金融情勢のほか、技術的問題に起因する大事故、技術革新による陳腐化、法律や規制等の改定、世界的な感染症の拡大やテロの懸念の高まり、あるいは自然災害や地政学的リスク等によってもアセット売却価格が変動するほか、減損損失の計上や物件管理に付随するコストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 グローバルアセットのオペレーティング・リースの取組みにあたっては、個別案件の取組み時に、動産を対象とする取引時の確認事項に加え、将来のアセットの流動性等を含め総合的に審査を行うとともに、信用リスクやアセットの価格変動リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。さらに、対象機種や地域・満了時期等リスク分散を考慮したポートフォリオを維持すべく、当社グループ内で投資クライテリアを定めて運用しています。また、取引開始後も継続的に取引先の信用状況や業界動向をチェックし、必要に応じてアセットの劣化を回復するための預かり金を取引先から徴求するなどして、取引先の信用状況悪化の際に必要な措置を講ずる態勢を整えています。加えて、主要なアセットカテゴリー毎に、事業部門とリスク管理部門にて、定期的に対象業界の動向やアセットの価値変動に影響を及ぼす兆候を点検する予兆管理会議を開催しています。また、定期的に取引先の信用リスクやポートフォリオにおけるアセットの価値変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。

② 不動産

 当社グループは、国内外において、オフィス、住宅、商業施設、物流施設、ホテル等の商業不動産に対する投融資や保有不動産を活用した賃貸および事業運営等を行っていますが、当該アセットは収入変動リスクや価格変動リスクを負っています。不動産に関する事業では、テナント等からの賃貸料収入のほか、長期保有方針以外のアセットでは、適切な時期にアセットを売却して資金の回収を図ります。賃貸料収入やアセットの売却収入については、景気動向、金融情勢、アセットの所在する個別のロケーションの賃貸市況といった市況環境によって収入が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 個別案件の取組み時に、将来のアセット価値や流動性等を慎重に見極めて総合的に判断を行うとともに、アセットの価格変動リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。また、取組み後も継続的にアセットの運用状況、価格動向や業界動向をチェックし、収益の極大化を図る態勢を整えています。加えて、事業部門とリスク管理部門にて、定期的に業界の動向やアセットの価値変動に影響を及ぼす兆候を点検する予兆管理会議を開催しています。また、定期的にポートフォリオにおけるアセットの価値変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。

(3)投資リスク

 当社グループは、太陽光発電を中心とする再生可能エネルギー事業、海外インフラ事業に代表されるプロジェクト向け投融資、事業会社やファンドへの出資等の様々な事業に対する投資活動を行っています。このような投資活動においては、景気変動や需要の減退といった事業環境が変化するリスク、投資先やパートナーの業績停滞等に伴って期待通りの収益が上げられないリスクや投資額の回収可能性が低下するリスク、投資先の株価が一定水準を下回るリスクがあるほか、投資先の業績にかかわらず経済・金融情勢の急激な変化や金融市場の大きな混乱等により株価が一定水準を下回る状態が相当期間に及ぶリスク等があり、投資の一部または全部が損失となる、あるいは追加資金拠出が必要となる場合があります。さらには、パートナーとの経営方針の相違、投資資産の流動性の低さ等により当社グループが望む時期や方法での事業撤退や事業再編が行えないリスク、あるいは、投資先から適切な情報を入手できず当社グループに不利益が発生する等のリスクがあり、そのような場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 投資案件の取組みにあたっては、個別案件の投資額やリスクの深度等に応じて投資協議会を開催して関係各部の意見を確認、幅広い視点で将来の投資価値や流動性等を慎重に見極めて総合的に判断を行うとともに、投資変動リスクに見合った適切なリターンの確保に努めています。加えて、取組み後も継続的に投資の運用状況や業界動向をチェックし、収益の極大化を図る態勢を整えています。また、定期的にポートフォリオにおける投資価値の変動リスク量を計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。

(4)市場リスク

① 金利変動リスク

 当社グループの行うリース取引や割賦取引におけるリース料や賦払金は、取引対象物件の購入代金や契約時点の市場金利水準等を基に設定され、基本的に契約期間中は変動しない取引が主体となっています。一方、リース物件等の取得資金については、資金調達の多様化や資金コスト低減のために、固定金利調達と変動金利調達とのバランスを図りながら調達を行っていますが、資金原価は市場金利の変動にも影響を受けます。したがって、金融情勢の急変によって、市場金利が急激に上昇するような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 為替変動リスク

 当社グループは、海外での事業展開に積極的に取り組み、外貨建資産が増加しており、連結営業資産に占める割合も高まっています。当社グループの海外連結子会社では、原則として資産と同一通貨での資金調達を行っていますが、各社の財務諸表は現地通貨で表示されている一方、当社の連結財務諸表は日本円で表示されているため、為替相場の大幅な変動が生じた場合、日本円換算での当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループでは、金融市場の動向を随時注視するとともに、ALM(資産・負債の総合管理)により、資産運用と資金調達の金利形態や為替等のミスマッチの状況を随時モニタリングし、金利動向を考慮しながら適宜ヘッジオペレーションを行い、金利変動リスクを管理しています。為替変動リスクへの対応としては、外貨建営業資産に合致した通貨での資金調達を原則とし、為替評価差損益を極小化するよう努めています。また、金利や為替相場が不利な方向に動いた場合に、保有ポートフォリオのポジションが、一定期間、一定の確率でどの程度損失を被る可能性があるかを過去の統計に基づいて計量的に示したリスク量を定期的に計測し、これが資本の一定の範囲内に収まっているかをモニタリングすることで、経営の健全性確保に努めています。なお、ALM委員会は四半期毎または状況に応じて開催し、金融市場環境の動向やリスク量の状況などを踏まえてALM方針を決定しています。

(5)流動性リスク

 当社グループは、リース取引に係るリース物件の取得及び割賦取引や金銭の貸付等の事業を行うにあたって、内外の通貨により多額の資金調達を行っています。リース等の与信取引や投資等の期間と資金調達の期間とのバランスを図りながら調達を行っていますが、経済・金融情勢の急激な悪化や金融市場の大きな混乱、あるいは当社グループの信用力低下等により、金融機関や投資家のリスク回避姿勢が強まり、充分な資金の確保が困難になる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 資金調達については、金融機関からの借入に加え、社債、コマーシャルペーパー、リース債権流動化等市場からの直接調達により多様化に努め、かつ、長期・短期の調達バランスの調整や綿密な資金繰り管理を行うとともに、コミットメントラインの取得等により緊急時の流動性補完対策を講じ、資金の流動性確保を図っています。また、資金流動性のステージ管理を実施しており、調達環境が悪化した場合であっても返済資金を含めた当面の必要資金が確保できるかの流動性の状況を確認し、ALM委員会に報告する運用としています。

 ALM委員会では、金利感応度分析(金利変動による収益への影響分析)、クレジット分析を実施するほか、金融市場などにストレスがかかった場合における(4)の市場リスク及び(5)の資金流動性リスクの状況や損益インパクト等を総合的に検証した上で、全社戦略を実現するための資金調達戦略、リスク対応への方針を決定しています。特に、リスク管理に関しては、全社的な統合リスク管理の一環であるリスク管理委員会とも連携しています。予兆管理体制を強化し、コンティンジェンシー・プランと合わせることで、危機に直面したときの財務構造の柔軟性と回復力の向上に努めています。

 また、当社グループは近年の事業のグローバル化を支え、外貨調達力を引き上げる為にも、地域財務拠点の再構築を進めています。その一環として、北米におけるコーポレート機能の一部を担っていた在ニューヨーク現地法人を有人化し、財務機能を具備して地域財務拠点とすることで、北米における「グループファイナンス体制」を整備しています。同拠点では、間接金融のみならずUSコマーシャルペーパーやMTNの発行等による多様な資金調達の実行と、北米に展開するグループ会社に対する資金の提供を行っています。また金融情勢のモニタリング機能を強化しており、知見や情報の当社グループ内での共有化を進め、北米での最適な事業サポートができるような仕組みづくりを進めています。

 

(6)事業基盤拡大・戦略的提携・M&A等に関するリスク

 当社グループは、事業基盤拡大による持続的な成長を図るため、国内外で、当社グループ独自での展開に加え、各種サービスの充実に向けた外部との戦略的な提携にも取り組んでおり、また、M&Aによりグループの事業ポートフォリオの多様化・拡充を図っております。

 このようなアプローチで、事業の多角化やサービスの充実に取り組んでおりますが、国内外の経済・金融情勢の変化、競争の激化、提携先の事業環境の変化や戦略の変化、関連法令の変更等により、期待した効果が得られない可能性、M&Aの際に計上したのれんの減損処理を迫られる等、追加的な費用計上が必要となる可能性があり、このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 M&A等の案件の取組みにあたっては、個別案件の投資額やリスクの深度等に応じて関係各部で検討を行うほか、外部の専門家を起用し、幅広い視点で将来の投資効果等を慎重に見極めて総合的に判断を行うこととしています。なお、M&A案件実行後においても、当社グループの規程等を適用し、適正な業務運営を行う態勢を整備するともに、その事業計画や実績管理等のモニタリングを行い必要な対応を適時に行う態勢としております。

(7)オペレーショナルリスク

① 地震・風水害・感染症・テロ等に関するリスク

 当社グループは、国内外に拠点・システム等の設備を有し事業活動を行っており、地震・風水害等の自然災害や感染症・テロ等その他の突発的な事態が発生した場合、拠点やシステム等への被害、従業員が直接の被害を受けるまたは出社が制限される等により、拠点の活動が縮小または運営困難などの被害が生じ、事業活動に支障が生じる可能性があります。また、その被害の程度、あるいは当該事象の発生の長期化等によっては、システム等の設備の復旧に多額の費用が必要になる可能性や事業活動の回復に長期間を要する可能性があり、このような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループでは、このような事態に備え、想定されるリスク事象により所管部を定め、危機事態には対策本部を設置し対応する態勢を整備しています。また、事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の策定、基幹システムの二重化対策、在宅勤務が可能なシステムインフラ整備による業務継続、継続すべき業務を限定した上での交代出社等により、業務継続態勢の整備を進めています。

② システムリスク

 当社グループは、様々な情報システムを利用し、会計処理、各種契約管理、取引先管理、リース物件の資産管理等を行うほか、電子メール等を利用しています。これらの情報システムについては、保守の不備、開発の不調等を起因とするシステムの停止や障害の発生による契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、経済的損失等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループは、システムの安定稼働のため、当社及び協力会社との連携による強固な保守管理態勢を整備し運用しています。障害等発生時には当該事象の社内外の速やかな情報連携・対応を行うと共に、その後の再発防止策の策定・実施も含めた一連の対応態勢を構築しています。また、システムの開発にあたっては、当社開発プロセスの標準的手法を国内外のグループ会社へも展開しグループベースでのIT統制を行っています。

③ サイバーセキュリティリスク・情報セキュリティリスク

 当社グループは、様々な情報システムを利用し、会計処理、各種契約管理、取引先管理、リース物件の資産管理等を行うほか、電子メール等を利用しており、これらの情報システムについては、ビジネスメール詐欺、コンピュータウイルスの侵入、外部からの不正アクセス等、サイバー攻撃等を受けるリスクがあります。外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入、人為的ミス、不正、詐欺行為等により、システムの停止や障害、金銭的被害の発生、あるいは当社機密情報や取引先情報の漏洩、不正使用等が発生した場合、契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、経済的損失、重要情報の外部への漏洩による社会的信頼の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループでは、これらのリスクに対し、社内に組織横断型チームMUL-CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を設置し、入口・内部・出口の多段階での防御とインシデント発生時の対応態勢を整備しています。具体的には、脆弱性を悪用したサイバー攻撃への備えとして、ソフトウェアを最新の状態に更新し、外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの侵入、サイバー攻撃等を検知し、トラブルを未然に防止する管理態勢を講じるとともに、インシデント発生時の社内外の連携態勢の整備・訓練を行い、全社員に対し標的型メール訓練や情報セキュリティに係る社内教育を継続的に実施しています。

④ コンプライアンスリスク

 当社グループの業務活動は、国内外の各種関連法令等の適用を受けています。主なものとして、会社法、税法、金融商品取引法、独占禁止法、個人情報保護法、貸金業法、割賦販売法、犯罪収益移転防止法、環境に関する法令等を遵守する必要があり、海外においては、それぞれの国・地域における法令の適用を受け、規制当局の監督を受けています。法令や社会規範・社内ルール等が遵守されなかった場合、業務の制限や停止、取引先等からの損害賠償の請求、社会的信頼の失墜等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループは、法令や社内ルールの厳格な遵守に加え、高い倫理観をもって社会規範等に従って業務活動等を行うこととしており、コンプライアンスに関する継続的な教育や、マネー・ローンダリング・テロ資金供与行為並びに不正行為の未然防止を図る対策を講じ、コンプライアンス態勢の強化に努めています。

⑤ 制度変更リスク

 当社グループの業務活動は、国内外の法令・会計・税制等、各種制度の適用を受けています。当社の業務に密接に関連する各種制度に大幅変更・改訂等が発生し、当社が当該制度変更・改訂に適切に対処できなかった場合、各種制度への不適合による罰則、商品の取扱い中止、業務活動の制限、会計上の売上減少等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループでは、国内外の法令・会計・税制等の各種制度について、コーポレートセンター・各事業部門・エリアカンパニー、各国拠点のそれぞれが、担当業務・国にかかる制度等の改訂・変更の状況を継続的にモニタリングしていることに加え、外部専門家の積極的な活用により当該モニタリングを補強しながら、各種変更・改訂の早期の情報収集・対策の実施を行っています。

⑥ 事務リスク

 当社グループは、様々な形態の取引を行っており、取引毎に様々な事務管理が発生しています。これらの事務管理については、不適切な事務等の人為的ミス、不正等により、契約・回収等の業務や取引先への提供サービスの中断による営業活動の停滞、取引先からの信用の失墜等が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

〔リスクに対する主な取り組み〕

 当社グループは、取引毎に事務管理ルールを定め、当該事務管理ルールに従って業務を行うとともに、同ルールの見直しを適宜実施しています。また、社内で事務事故が発生した場合の社内報告態勢を整備し、事故発生時には社内報告・発生事象への迅速な対応・事故原因の特定と再発防止策の策定・実施を行う態勢を構築し運用しています。

 

3.その他の重要なリスク

 「2.統合リスク管理の枠組みで管理している重要なリスク」に記載のとおり、当社グループでは合理的に想定されるリスクについて統合リスク管理の枠組みでリスクを管理していますが、以下のような合理的な想定を超える重要なリスクあるいは合理的な想定が難しい重要なリスクについても認識しており、こうしたリスクが顕在化する可能性が認められる場合、当該リスクの状況・見通しを含め、統合リスク管理の枠組みで管理している各リスク項目への影響や複数のリスク項目に跨る複合的な影響を分析するとともに、対応方針を策定するほか、必要に応じて新たなシナリオや複数のシナリオを想定したストレステストなどを実施して、リスク耐久力に対する多面的な検証を行っています。

(1)世界的な感染症リスク

 世界的な感染症の拡大(パンデミック)が生じた場合、広域なサプライチェーンの分断、各国政府による経済活動の一定期間の抑制措置や停止措置の実施、産業システムや金融機能の棄損などにより、幅広い顧客層や当社保有アセットを利用したビジネスに影響が波及し、取引先の経営破綻や保有アセットの価値下落などが生じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、2020年2月以降、グローバルな対応態勢を整備するため、危機管理対策本部を設置し業務継続態勢を整備しています。また現在は、WITHコロナのフェーズにあるという認識の下、感染防止対策を継続しつつ、新たな取り組みを止めることのないよう、ITツールの活用による社内外とのコミュニケーションの強化、ビジネススタイルの進化等を推進しています。

〔新型コロナウイルス感染症による影響〕

 昨年初め頃に端を発した新型コロナウイルス感染症の影響は急速に世界中へ拡大し、人流抑制や店舗等の営業制限措置を講じたことなどに伴って世界経済は一旦急減速をし、その後のワクチン接種等の防疫措置で経済活動が持ち直しつつある国があるものの、変異種の動向あるいは今後のワクチンの普及状況や有効性などまだ感染症の終息時期は不透明であり、当面はその影響が一定程度残る状態が続くと想定されます。

 新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループのビジネスに与える影響としては、世界的な経済活動の停滞に伴って顧客が設備投資の抑制・縮小・延期等を行うことで、当社グループの営業資産が計画通りに拡大できない乃至は減少し、収益の低下につながる可能性があります。次に、顧客の信用状況悪化による不良債権の増加に伴い、貸倒引当金の追加繰入等が増加する可能性があります。これらの影響は感染状況が深刻な国・地域のほか、航空関連業界・旅行関連や飲食等をはじめとするサービス業・小売業など特定の業種で生じやすくなります。

 更に、当社グループが営業資産として所有するアセットの価格下落やリース等に供するアセットの稼働率低下、あるいは保有する株式等の価格下落につながる可能性があります。これらの影響は航空機やそのエンジンあるいはホテル等の一部不動産などの特定のアセットカテゴリー、そして感染の影響の強い特定の国・地域や業種の株式等で生じやすくなります。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響が残る中で金融危機が生じた場合、資金調達が計画通りにできない可能性がありますが、当社グループは手元の資金流動性を厚くする措置を講じていることに加え、これまでの各国・地域の中央銀行の潤沢な市場への資金供給等により、そのような事態は生じておりません。

 なお、移動制限等の措置に伴って当社グループの業務活動にも制約が掛かる可能性がありますが、Withコロナ・Afterコロナに対応すべく社内でのプロジェクト活動を推進しており、感染防止措置を十分に講じつつ、業務フローの見直しやITツールの活用および情報セキュリティ強化等を図って、円滑にリモートでの業務活動を可能とする態勢整備を拡充しております。

(2)気候変動リスク

 社会的に多大な影響を与える気候変動が生じた場合、自然災害の規模や頻度が高まり、当社グループ及び取引先が、気候変動による悪影響を防ぐための規制の変更または技術革新やビジネスモデルの転換に対応できないこと、あるいはビジネスモデルやビジネス上のインフラやツール等が劇的に変化するなどにより、業績悪化や資産の喪失などによる取引先の経営破綻、当社グループが保有するアセットの価値下落や物件喪失などが生じて、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)ビジネス領域の拡大に伴うリスク

 当社グループは、法令や規制をはじめとする各種の条件で許容される範囲において、新規のビジネス領域を含めた業務範囲をグローバルベースで拡大しています。その過程において、拡大したビジネス領域に関する経験や知見またはリスクの検証を実施してもなお、リスクの顕在化が合理的想定の範囲を超えるなどした場合、あるいは、拡大した業務範囲のビジネスが想定通りに進展しない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)競争の激化

 当社グループが国内外で行っているリース取引等の各種事業では、同業のみならず金融機関等も含めた競争の更なる激化、あるいは異業種のビジネスモデル転換や技術革新等による競争環境の変化が生ずる可能性があります。当社グループでは、競争力の維持・強化に向けて、取引先への更なる付加価値サービスの提供、アセットホルダーとしての価値創造力、低コストによる資金調達等様々な取組みを進めていますが、競争状況がさらに激化した場合、マーケットシェアの低下や利益の減少により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)人材確保に関するリスク

 当社グループは、国内外で展開している各種事業の競争力を維持・強化していくため、充分な人的資源を安定的に確保する必要があります。当社グループでは、継続的に有能な人材の確保・育成に努めていますが、必要な人材を十分に確保・育成できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)労務・雇用管理に関するリスク

 当社グループの業務には多くの従業員が従事していますが、長時間労働により、従業員の心身の健康等に悪影響を及ぼし、想定していた業務を遂行できないリスク、または、雇用等に関する法令順守事項を適切にモニタリングしていないことによって法令違反を犯してしまうリスク、加えてこれらにより社会的信用を毀損する可能性があります。

 上述のリスクを低減するため、生産性向上に向けたプロジェクトや多様な働き方を可能とする制度(テレワーク、フレックスタイム等)を推進し、長時間労働縮減だけでなく育児・介護の必要な社員が活躍できる環境づくりに努めています。また、ハラスメント等の労務問題についても国内外の従業員に対して、社内通報・相談窓口を設置するなど対応しています。当社では、従業員が最大限能力を発揮できるよう「働きやすい職場づくり」を当社の重要な取り組みテーマとして推進しています。

 

 

4.ストレステスト

 経営戦略の遂行にあたっては、景気悪化や市場変動、各種市況の悪化等、当社グループのビジネスに影響を及ぼすと考えられるさまざまなリスク事象について、ストレス時の影響度を把握するようにしています。具体的には、世界経済が悪化するシナリオに加え、事業分野ごとに市況変動やクレジットの悪化、大口集中リスクの顕在化など、強いストレスを想定した複数のシナリオを設定し、ストレス状況下において、期間損益や自己資本にどの程度の影響が生じる可能性があるのか、分析・検証を行っています。

 こうした多面的な検証により、経営計画において、リスク選好に無理は生じていないか、リスクの耐久力の確認を行っています。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントを変更するとともに、セグメント利益を営業利益から親会社株主に帰属する当期純利益に変更しております。また、記載のセグメント利益は報告セグメント金額を記載しております。(報告セグメントの変更に関する詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載の通りであります。)

 

(連結経営成績)                                 (単位:億円)

 

2020年3月期

2021年3月期

増減

増減率(%)

売上高

9,237

8,943

△294

△3.2

売上総利益

1,819

1,605

△213

△11.8

営業利益

918

624

△294

△32.1

経常利益

943

650

△293

△31.1

親会社株主に帰属

する当期純利益

707

553

△154

△21.8

 

(連結財政状況)

 

2020年3月期

2021年3月期

増減

増減率(%)

純資産(億円)

7,988

8,212

224

2.8

総資産(億円)

62,859

60,098

△2,761

△4.4

自己資本比率(%)

12.4

13.4

1.0

-

 

(セグメント別経営成績)                                  (単位:億円)

 

 

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

調整額

合計

売上総利益

599

77

49

462

275

50

20

1,535

69

1,605

セグメント利益

255

37

7

280

28

18

3

630

△77

553

セグメント資産

21,270

1,985

1,573

9,556

12,038

5,455

1,116

52,997

7,100

60,098

契約実行高

5,872

331

395

1,464

1,060

751

155

10,031

0

10,032

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の経営成績等は、営業面では契約実行高は前期(2020年3月期)比5,354億円(34.8%)減少の1兆32億円となりました。なお、当期より、短期取引が大半を占めるファクタリング取引について契約実行高の対象から除外する等の変更を行っており、前期については遡及適用後の数値としております。この結果、遡及適用を行う前と比較して、前期の契約実行高は3,430億円減少しております。

 収入面では、売上高は前期比294億円(3.2%)減少の8,943億円となりました。

 損益面では、売上総利益は前期比213億円(11.8%)減少の1,605億円、営業利益は前期比294億円(32.1%)減少の624億円、経常利益は前期比293億円(31.1%)減少の650億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比154億円(21.8%)減少の553億円となりました。

 なお、親会社株主に帰属する当期純利益の主な増減要因は、次のとおりであります。

 

 売上総利益の減少    △213億円

 経費の増加       △10億円

 貸倒関連費用の増加   △72億円

 営業外損益の増加      2億円

 特別損益の増加      134億円

 税金費用の減少等      4億円

 なお、営業外損益の金額については、貸倒関連費用(償却債権取立益等)の金額は含んでおりません。

 

◎親会社株主に帰属する当期純利益の増減要因

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 当期末の総資産は、前期末比2,761億円(4.4%)減少の6兆98億円となりました。当期末の純資産は、前期末比224億円(2.8%)増加の8,212億円となりました。自己資本比率は前期末比1.0ポイント上昇の13.4%となりました。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

 カスタマービジネスのセグメント利益は、前期比86億円(51.6%)増加の255億円となりました。

 環境・エネルギー事業のセグメント利益は、前期比3億円(11.4%)増加の37億円となりました。

 ヘルスケア事業のセグメント利益は、前期比微増の7億円となりました。

 不動産事業のセグメント利益は、前期比31億円(12.6%)増加の280億円となりました。

 航空事業のセグメント利益は、前期比221億円(88.7%)減少の28億円となりました。

 ロジスティクス事業のセグメント利益は、前期比8億円(91.7%)増加の18億円となりました。

 インフラ・企業投資事業のセグメント利益は、前期比3億円(56.4%)減少の3億円となりました。

② キャッシュ・フローの状況

 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比1,693億円(37.1%)減少して2,862億円となりました。

 資金が1,693億円減少した内訳は、営業活動により1,993億円、投資活動により12億円の資金獲得があった一方、財務活動により3,728億円の資金を使用したことによるものです。

 営業活動におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益832億円に、賃貸資産に係る減価償却費・除却損及び売却原価1,813億円を調整した収入、リース債権・リース投資資産の減少による収入951億円、及び貸付債権の減少による収入796億円等を、賃貸資産及びその他の営業資産の取得による支出2,187億円、法人税等の支払による支出223億円等に振り向けた結果、1,993億円の資金収入となりました(前期は2,521億円の支出)。

 投資活動におけるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出555億円及び投資有価証券の取得による支出156億円等に対し、定期預金の払戻による収入542億円、投資有価証券の売却及び償還による収入146億円、及び社用資産売却に係る収入32億円等により、12億円の資金収入となりました(前期は329億円の支出)。

 財務活動におけるキャッシュ・フローは、直接調達で3,071億円、銀行借入等の間接調達で361億円の純支出、配当金の支払額280億円等により3,728億円の資金支出となりました(前期は5,523億円の収入)。

 

③ 営業取引の状況

a.契約実行高

 当連結会計年度における契約実行高の実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:億円)

 

報告セグメント

調整額

合計

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

契約実行高

5,872

331

395

1,464

1,060

751

155

10,031

0

10,032

前期比(%)

△27.7

△11.3

△3.1

△52.0

△50.0

△35.2

4.0

△34.8

△46.3

△34.8

(注)各セグメントに含まれる契約実行高のうち、リース取引については、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得価額を表示しており、再リース取引の実行額は含んでおりません。また、割賦取引については、割賦債権から割賦未実現利益を控除した額を表示しております。

b.セグメント資産残高

 連結会計年度末におけるセグメント資産残高は、次のとおりであります。

前連結会計年度

(単位:億円)

 

報告セグメント

調整額

合計

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

セグメント資産

23,629

1,850

1,526

9,801

11,623

5,223

954

54,608

8,250

62,859

(注)セグメント資産は、各報告セグメントに帰属する営業資産、持分法適用会社への投資額、のれん及び投資有価証券等であります。

当連結会計年度

(単位:億円)

 

報告セグメント

調整額

合計

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

セグメント資産

21,270

1,985

1,573

9,556

12,038

5,455

1,116

52,997

7,100

60,098

(注)セグメント資産は、各報告セグメントに帰属する営業資産、持分法適用会社への投資額、のれん及び投資有価証券等であります。

c.営業実績

 連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

前連結会計年度

(単位:億円)

 

報告セグメント

調整額

合計

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

売上総利益

645

87

46

422

468

42

12

1,725

93

1,819

セグメント利益

168

33

6

249

249

9

6

723

△16

707

 

当連結会計年度

(単位:億円)

 

報告セグメント

調整額

合計

カスタマー

ビジネス

環境・

エネルギー

ヘルスケア

不動産

航空

ロジスティクス

インフラ・

企業投資

売上総利益

599

77

49

462

275

50

20

1,535

69

1,605

セグメント利益

255

37

7

280

28

18

3

630

△77

553

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 当社(旧三菱UFJリース株式会社)グループは、2020年3月に公表した中期経営計画~Sustainable Growth 2030~に基づき、「アセットビジネスのプラットフォームカンパニー」をめざし、注力分野である「グローバルアセット」、「社会資本」、「再生可能エネルギー」の3分野を中心に、将来の事業基盤強化に資する各種施策を着実に進めてまいりました。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、当社グループの当連結会計年度の経営成績は次のとおりとなりました。

 営業面では、契約実行高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響による取引減少や営業活動の制約もあり、前期比5,354億円(34.8%)減少の1兆32億円となりました。

 収入面では、売上高は、カスタマービジネスにおける国内子会社の連結除外影響等や航空事業におけるリース収入の減少等により、前期比294億円(3.2%)減少の8,943億円となりました。

 損益面では、売上総利益は、不動産事業における売却益が増加した一方、航空事業の収益減少等により、前期比213億円(11.8%)減少の1,605億円となりました。

 営業利益は、航空事業やカスタマービジネス(主に海外)における貸倒関連費用、および日立キャピタル株式会社との経営統合に関する費用の増加等により、前期比294億円(32.1%)減少の624億円となりました。

 経常利益は、受取配当金が増加したものの、前期比293億円(31.1%)減少の650億円となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として政策保有株式の売却益や不動産関連の再開発事業に伴う受取補償金があったものの、前期比154億円(21.8%)減少の553億円となりました

 当期末の総資産は、現金及び預金の減少等により、前期末比2,761億円(4.4%)減少の6兆98億円となりました。当期末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の積上げ等により、前期末比224億円(2.8%)増加の8,212億円となりました。自己資本比率は、前期末比1.0ポイント上昇の13.4%となりました。

 セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 カスタマービジネスは、海外において貸倒関連費用は増加したものの、政策保有株式や社用資産の売却益等により、セグメント利益は前期比86億円(51.6%)増加の255億円となりました。

 環境・エネルギー事業は、前期に計上した売却益の反動減はあったものの、売電収入の増加等により、セグメント利益は前期比3億円(11.4%)増加の37億円となりました。

 ヘルスケア事業は、ヘルスケアファンドにおける投資収益の拡大等により、セグメント利益は前期比微増の7億円となりました。

 不動産事業は、売却益の増加や再開発事業に伴う受取補償金等により、セグメント利益は前期比31億円(12.6%)増加の280億円となりました。

 航空事業は、エアラインの破綻等に伴うリース料収入の減少や貸倒関連費用の増加、セカンダリー市場の流動性が低下したことに伴う売却益の減少等により、セグメント利益は前期比221億円(88.7%)減少の28億円となりました。

 ロジスティクス事業は、市況悪化による鉄道貨車の収益減少はあったものの、海上コンテナの稼働率上昇等により、セグメント利益は前期比8億円(91.7%)増加の18億円となりました。

 インフラ・企業投資事業は、投資案件の積み増しにより収入が増加したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響を主因とする一部投資先の持分法投資利益の減少等により、セグメント利益は前期比3億円(56.4%)減少の3億円となりました。

 なお、調整額は、日立キャピタル株式会社との経営統合に関する費用や資金調達に関連する費用の増加等により、セグメント損失は前期比61億円減益の77億円となりました。

 

◎親会社株主に帰属する当期純利益の増減要因(セグメント別)

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 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループは、リース取引に係るリース物件の取得や貸付等の事業を行うにあたって、内外の通貨により多額の資金調達を行っております。

 当連結会計年度末における有利子負債(リース債務を除く)は、前期末比2,957億円減少の4兆6,349億円となり、負債合計は前期末比2,985億円減少の5兆1,885億円となりました。有利子負債のうち、長期借入金等の長期性の負債は前期末比1,846億円増加の3兆2,856億円、短期借入金、コマーシャル・ペーパー等の短期性の負債は前期末比4,804億円減少の1兆3,492億円となりました。

 資金調達にあたっては、調達コストを抑制しつつ安定的に事業資金を確保していくことを念頭に、金融機関借入による間接金融と、社債、コマーシャル・ペーパー、リース債権流動化等による直接金融により、調達手段の多様化に努めております。間接金融においては、メガバンク・地域金融機関・生命保険会社等の幅広い金融機関と長きに亘って築き上げてきた良好な関係を活かし、安定した借入取引を継続しております。直接金融においては、金融機関や機関投資家からの調達のみならず、個人投資家向け社債を発行するなど、調達源の多様化も進めております。

 なお、当社グループ内における資金管理については、資金調達を当社および地域財務拠点、海外現地法人に集中させ、グループファイナンスを活用して資金を効率的に融通する体制を整えております。

 流動性の観点では、平時より綿密な資金繰り管理や、資金流動性リスクのモニタリング運営を実施しているほか、四半期毎に開催されるALM委員会において流動性リスクについての現状および課題を把握し、リスクに対する対策を審議しております。当社グループでは、これらリスクマネジメントの取り組みを通じて、強固な財務体質を目指しております。

 金融市場の混乱や、各種リスクによる調達環境の変化への備えとしては、複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結することで、緊急時の流動性補完手段を確保しております。当連結会計年度末において、当社グループにて締結しているコミットメントライン契約のうち未使用額は4,472億円となっております。また、これらのコミットメントライン契約に加えて、コミットメントベースではない借入枠の契約を締結しております。

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表及び財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく営業貸付金の状況

 当社の営業貸付金の状況は次のとおりであります。

① 貸付金の種別残高内訳

2021年3月31日現在

 

貸付種別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

平均約定金利

(%)

消費者向

 

 

 

 

 

無担保(住宅向を除く)

有担保(住宅向を除く)

住宅向

事業者向

 

 

 

 

 

29,698

100.00

1,544,191

100.00

1.65

合計

29,698

100.00

1,544,191

100.00

1.65

② 資金調達内訳

2021年3月31日現在

 

借入先等

残高(百万円)

平均調達金利(%)

金融機関等からの借入

1,716,956

0.82

その他

1,620,206

0.91

 

社債・CP

1,519,294

0.94

合計

3,337,163

0.86

自己資本

550,727

 

資本金・出資額

33,196

 (注)当期の貸付債権の譲渡の合計額は、814百万円であります。

 

③ 業種別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

業種別

先数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

製造業

802

19.16

89,596

5.80

建設業

124

2.96

5,685

0.37

電気・ガス・熱供給・水道業

58

1.39

61,029

3.95

運輸・通信業

166

3.97

301,353

19.52

卸売・小売業、飲食店

946

22.60

57,764

3.74

金融・保険業

69

1.65

294,775

19.09

不動産業

328

7.84

274,782

17.79

サービス業

1,489

35.58

406,683

26.34

農業

個人

その他

203

4.85

52,520

3.40

合計

4,185

100.00

1,544,191

100.00

 

④ 担保別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

受入担保の種類

残高(百万円)

構成割合(%)

有価証券

15

0.00

 

うち株式

15

0.00

債権

8,120

0.53

 

うち預金

3,041

0.20

商品

3,000

0.19

不動産

114,917

7.44

財団

387

0.03

その他

5,083

0.33

131,524

8.52

保証

33,424

2.16

無担保

1,379,242

89.32

合計

1,544,191

100.00

⑤ 期間別貸付金残高内訳

2021年3月31日現在

 

期間別

件数(件)

構成割合(%)

残高(百万円)

構成割合(%)

1年以下

935

3.15

56,028

3.63

1年超 5年以下

21,084

70.99

514,237

33.30

5年超 10年以下

6,617

22.28

578,983

37.49

10年超 15年以下

917

3.09

48,860

3.16

15年超 20年以下

113

0.38

314,240

20.35

20年超 25年以下

22

0.08

5,647

0.37

25年超

10

0.03

26,191

1.70

合計

29,698

100.00

1,544,191

100.00

一件当たり平均期間

9.15年

 (注)期間は、約定期間によっております。

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社の連結子会社であるJSA International U.S. Holdings, LLCとボーイング社との間の航空機の購入契約

契約会社名

契約締結年度

契約先

受領予定時期

契約内容

JSA International U.S. Holdings, LLC

2019年3月期

ボーイング社

2023年から

2025年まで

航空機の購入契約

・ボーイング737 Max 8  30機(注)

(注)当連結会計年度において、購入機数を22機とすることに関する変更契約を締結しております。

 

(2)当社と日立キャピタル株式会社は、2020年9月24日開催の両社の取締役会で、合併を通じた経営統合を決議し、両者間で経営統合契約及び合併契約を締結いたしました。なお、2021年4月1日付で本経営統合契約及び合併契約に基づいて経営統合の手続きを完了し、同日付で商号を「三菱HCキャピタル株式会社」へ変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

(3)当社は、2020年12月23日開催の取締役会において、連結子会社であるひろぎんリース株式会社の全保有株式を、同社の自己株式取得の方法により譲渡することについて決議し、同日付けで株式譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

 

(4)当社は、2021年6月18日開催の取締役会において、CAI International, Inc.(以下、CAI社)の全株式を、当社が買収のために設立した米国における完全子会社であるCattleya Acquisition Corp.(デラウェア州/以下、買収子会社)とCAI社の合併による方法(逆三角合併)を通じて取得することを決議し、当社、買収子会社及びCAI社間における合併契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。