第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策・金融政策等の効果を背景とする企業収益の改善傾向が雇用・所得環境の改善につながり、また、設備投資や生産は増加傾向にあり、景気は緩やかな回復基調が続いているものの、中国をはじめアジアの新興国等の経済の先行き、政策に関する不確実性による影響や金融資本市場の変動の影響等により、景気の先行きに対する不透明感が払拭できない状況が続きました。

当社グループを取り巻く市場環境は、平成28年度の政府補正予算と平成29年度予算において、当社グループの強みが活かせる事業が多く含まれる東日本大震災等の災害からの復興の加速化、防災・減災対策やインフラ老朽化対策の推進等に予算が重点配分されたこと等から、比較的堅調に推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、安全・安心で持続可能な社会の実現、CSRのさらなる推進、コンサルタントとしての技術力の総合化・多様化・高度化、さらには企業価値の向上を目標に事業を推進してまいりました。

また、当社グループは、平成28年から平成30年までの中期経営ビジョンにおいて、「イノベーションとマーケティングによる市場創生・新規事業の展開と海外事業の拡大」を掲げ、①イノベーションとマーケティングによる市場創生・新規事業の展開と新しい視点による技術開発の推進、②グローバル人材の育成・確保と海外事業の拡大、③コーポレート・ガバナンスのさらなる強化、の3つの重要な経営課題に取り組むことにより、強い経営基盤の構築と安定的な成長を目指してまいりました。

当連結会計年度における連結業績は、受注高は前年同期比19億5百万円増加の180億5千2百万円(前年同期比11.8%増)、来期以降への繰越受注残高は同11億2千7百万円増加の162億8百万円(同7.5%増)となりました。売上高は、中断していた大規模海洋工事の環境モニタリング調査が再開し売上計上したこと、道路施設や橋梁の点検・維持管理業務や防災・減災関連業務が増加したこと等により、同10億4千1百万円増加の175億1千5百万円(同6.3%増)となりました。

売上高は前年同期に比べて10億4千1百万円増加したものの、現地調査など原価率の高い業務の占める割合が増加したことによる売上原価率の上昇及び受注獲得のための体制強化等により、営業利益は前年同期比2千7百万円増加の11億5千1百万円(前年同期比2.5%増)、経常利益は同6千8百万円増加の12億1千4百万円(同6.0%増)となりました。また、前連結会計年度においては、持分変動損益を特別利益として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は同1千2百万円増加の7億9千8百万円(同1.6%増)となり、売上高当期純利益率は目標数値の5.0%に対して4.6%となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおります。)

 

(環境コンサルタント事業)

同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が続いているものの、再生可能エネルギー関連の環境調査や東日本大震災の復旧・復興に関する様々な調査、特に放射能除染に関する大型業務等、当社の強みを生かせる業務を多く受注することができました。売上高は前年同期比8億1千6百万円増加の111億4千1百万円 (前年同期比7.9%増)となりましたが、現地調査など原価率の高い業務の占める割合が増加したことによる売上原価率の上昇及び受注獲得のための体制強化等により、セグメント利益は同1千3百万円減少の5億2千8百万円(同2.6%減)となりました。

 

同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)

 

環境アセスメント及び環境計画部門におきましては、環境アセスメント分野では、港湾・空港・火力発電・風力発電・土砂処分場建設に関する環境アセスメント業務を実施いたしました。また、低炭素社会や再生可能エネルギー事業の推進に関する業務、海洋開発に関する業務、海域環境保全等の業務、海域・湖沼等の閉鎖性水域における底層水の溶存酸素量・透明度について環境基準の類型指定に向けた調査検討業務を実施いたしました。

環境計画分野では、都市地域や自然地域における環境保全計画の策定、河川・湖沼・海域・湿地・森林等の自然再生に関する調査・検討、環境中の化学物質等の挙動把握に関する業務を実施いたしました。また、東日本大震災の関連では、放射能除染に関する業務を実施いたしました。

港湾インフラマネジメント分野では、港湾施設、海岸保全施設等の長寿命化を目的とした点検診断及び維持管理計画策定に関する業務を実施いたしました。また、岸壁、防波堤、海岸堤防等における耐震・耐津波の機能強化を目的とした基本設計・実施設計・耐震照査に関する業務を実施いたしました。

売上高は前年同期比2億4千9百万円増加の21億8千万円(前年同期比12.9%増)となりました。

 

環境生物部門におきましては、水域生物分野では、河川、湖沼、湿地等の陸水域から、干潟、藻場、海岸等の沿岸水域までを対象に、魚類、底生動物、サンゴ等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。また、自然再生に関する調査・検討、漁場環境や漁業生物に関する業務を実施いたしました。また、新しい解析手法を用いた水生生物・生態系の生息環境の解析・評価業務を実施いたしました。

陸域生物分野では、里山から山地帯、河川・海岸さらには離島まで広範囲の地域を対象に、植物、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類等の分布状況や生息環境の特性、生態系の構造に関する調査・解析業務を実施いたしました。また、道路・ダム事業に伴う動植物・猛禽類の調査・影響予測、重要種の保全対策に関する業務を実施いたしました。また、離島における外来種の駆除や風力発電施設の環境影響評価関連業務を実施いたしました。

生物飼育実験分野では、希少魚類の飼育・繁殖業務を実施いたしました。また、海域で用いる底泥改質材に対する安全性試験等を実施いたしました。

売上高は前年同期比8千3百万円増加の21億2千5百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

 

数値解析部門におきましては、海域分野では、東京湾、伊勢湾、有明海、博多湾等の閉鎖性海域や東北・北陸地方の沿岸域において、流れや水質のデータ解析及び環境影響評価、水質改善効果把握、漁場整備を目的とした流れ、土砂輸送、水質・底質、生態系を介した物質循環の数値シミュレーション業務を実施いたしました。また、再生可能エネルギー事業推進のための外海での海流データ解析業務や、港湾の検潮所等における海象観測データの整理・解析業務を実施いたしました。

河川・湖沼分野では、霞ヶ浦、中海・宍道湖、諏訪湖等の指定湖沼における湖流、水質・底質に関わる数値シミュレーションを実施し、湖沼における水質保全計画策定と対策に資する検討業務を実施いたしました。また、ダム湖・ため池における水質調査・解析業務を実施いたしました。

このほか気象解析分野では、人工降雨に関する調査、レーダ雨量計に関する検討業務を実施いたしました。また、光化学オキシダントの予測モデル構築業務を実施いたしました。

売上高は前年同期比1百万円増加の3億4千5百万円(前年同期比0.4%増)となりました。

 

 

調査部門におきましては、水域調査分野では、港湾・空港等の海域環境モニタリング調査や漁業影響調査、開発事業に伴う水生生物調査、発電所更新のための環境調査、河川等の公共用水域の測定計画調査や湖沼の環境改善のためのモニタリング調査等を実施いたしました。

陸域調査分野では、発電所の更新に伴う騒音・振動・低周波音調査や高層気象・地上気象調査、飛行場周辺対策事業のための航空機騒音・大気調査等を実施いたしました。

航空調査分野では、自社保有の航空機を用いて、大型海生生物の生態・監視調査を実施いたしました。

廃棄物・土壌調査分野では、施設の解体、再開発に伴う土壌汚染調査、汚染対策の検討・立案、廃棄物調査、PCB含有機器の調査を実施いたしました。

このほか、水中の3次元可視化技術(マルチビームソナー、3Dスキャナー、サブボトムプロファイラ-、音響カメラ等)を用いた内湾や沖合の海底や海底面下の状況、浅場漁業施設の確認、魚群の行動確認調査等を実施いたしました。また、震災復興関連では、ため池の放射性物質拡散防止対策や中間貯蔵施設建設事業に係る水質・底質の調査等を実施いたしました。

売上高は前年同期比2億8百万円増加の29億5百万円(前年同期比7.7%増)となりました。

 

環境化学部門におきましては、環境化学分野では、水質・底質・土壌等の環境媒体の測定分析、大気中有害金属の測定分析、ノロウィルス検査・細菌試験やダイオキシン類・残留性有機汚染物質(POPs)の極微量化学物質の測定分析を実施いたしました。また、震災復興関連では、ため池等の放射性物質モニタリングに関する測定分析や食品中の放射性物質の測定分析を実施いたしました。

食品・生命科学分野では、食品等の成分分析、遺伝子解析やタンパク質の解析(プロテオーム解析)等を実施いたしました。

環境リスク分野では、子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)等の業務において、生体試料(血液、尿、毛髪等)中の重金属類、ダイオキシン類・POPsや農薬類の代謝物の測定分析を実施するとともに、化学物質による人や生物への影響評価調査を実施いたしました。また、水生生物を用いた化学物質の内分泌かく乱作用のリスク評価及び試験法の開発や生態毒性試験等を実施いたしました。

売上高は前年同期比3億4千1百万円増加の29億5千5百万円(前年同期比13.1%増)となりました。

 

気象・沿岸部門におきましては、気象情報サービス分野では、携帯電話向け天気予報サイトの運営を実施するとともに、当社で独自開発した健康天気予報(バイオウェザー)の内容を充実させるために継続的に研究開発を実施いたしました。また、民間事業者や自治体に対して道路気象予報、波浪予報、気象情報配信等の業務を実施いたしました。

沿岸分野では、沿岸での防災や港湾等の事業に関する解析・検討業務を実施いたしました。また、自社で開発した数値解析モデル等を用いて、波浪・海岸変形の解析や航路埋没の対策検討、津波・高潮・高波の監視・観測・解析に関する業務を実施いたしました。

売上高は前年同期比6千9百万円減少の5億8千5百万円(前年同期比10.5%減)となりました。

 

(建設コンサルタント事業)

同事業では、国・地方自治体等において厳しい受注競争が依然として続いているものの、インフラ施設の維持管理業務や防災・減災関連業務などが増加したことにより、売上高は前年同期比1億6千8百万円増加の56億9千1百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益は同2千4百万円増加の4億3千7百万円(同5.9%増)となりました。

 

 

同事業の部門別業績は次のとおりであります。(外部売上高を記載しております。)

 

河川部門におきましては、河川分野では、河川整備計画、治水計画、近年激化している豪雨による洪水予測・はん濫解析、水防災、ダムの運用・管理、河川事業の評価、数値シミュレーションを用いた河道改修方策の評価に関する業務を実施いたしました。また、河川流域の総合土砂管理、河道内樹木の適正な管理、河川環境の保全を勘案した川づくり、河川の維持管理に関する業務を実施いたしました。

海岸分野では、海岸侵食対策、高潮・津波対策等の海岸保全計画の検討のほか、海岸事業の事業再評価や河口処理計画に関する業務を実施いたしました。

売上高は前年同期比3億4千万円増加の19億1千万円(前年同期比21.7%増)となりました。

 

水工部門におきましては、平成27年9月に堤防決壊した鬼怒川をはじめとする河川の堤防・護岸の設計、樋管・水門・堰・放水路・排水機場等の河川構造物の設計を実施いたしました。また、平成26年8月に土砂災害が発生した広島西部山系をはじめとする砂防施設の計画・設計、地方自治体の砂防基礎調査、河川構造物の耐震補強設計、河川構造物の維持管理計画業務を実施いたしました。また、東日本大震災で被災した海岸堤防・樋管の復旧設計を実施いたしました。

売上高は前年同期比8千万円増加の13億6千2百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

 

道路部門におきましては、自動車専用道路及び一般道における道路・道路付属物・道路構造物の設計業務のほか、交通対策・事故対策、道路事業評価や整備効果、道路の無電柱化、道の駅の設計、道路施設の点検、維持管理に関する業務を実施いたしました。

東日本大震災の被災地域では、復興支援道路のCM(プロジェクトの管理・運営)業務を実施いたしました。

売上高は前年同期比2億5千9百万円減少の10億3千9百万円(前年同期比20.0%減)となりました

 

橋梁部門におきましては、自動車専用道路及び一般道における橋梁・道路構造物の計画・設計業務のほか、橋梁老朽化対策としての維持管理・モニタリング計画や橋梁点検・診断、補修・補強設計等に関する業務を実施いたしました。

また、東日本大震災の被災地域では二級河川の堤防嵩上げに伴う橋梁予備・詳細設計業務、熊本震災の被災地域では被災橋梁の点検・調査及び復旧設計を実施いたしました。

売上高は前年同期比6百万円増加の13億7千8百万円(前年同期比0.5%増)となりました。

 

(情報システム事業)

システム構築分野では、河川の洪水予測システムやはん濫予測システムの構築、ダム管理支援システムの構築、健康診断管理システムの機能改修、独立行政法人向け財務会計システムの機能改修等の業務を実施いたしました。

システム開発分野では、CCTVカメラ映像を利用した水位計測システムの精度向上に加え、画像解析による流量計測システムの現地導入のためのシステム開発を実施いたしました。

システム運用支援分野では、地球観測衛星の運用支援業務、通信会社のスマートフォンサービスの技術検証支援業務を実施いたしました。

このほか放射能除染関連として、GISデータの整理・解析を実施いたしました。

システム構築業務と放射能除染関連業務の売上の増加により、売上高は前年同期比4千4百万円増加の5億1千3百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益は同9百万円増加の2千4百万円(同63.1%増)となりました。

 

 

(不動産事業)

同事業では、赤坂のオフィスビル、旧本社ビル、旧大阪支社跡地等の不動産賃貸を行いました。

売上高は前年同期比1千2百万円増加の2億7千1百万円(前年同期比4.9%増)、セグメント利益は同7百万円増加の1億6千1百万円(同5.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億7千7百万円減少の10億9千3百万円(前年同期比13.9%減)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は7億9百万円(前年同期は11億5千9百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益12億4千5百万円、非資金支出費用である減価償却費6億9千3百万円、売上債権の増加額11億5千6百万円、仕入債務の増加額1億9千8百万円、法人税等の支払額3億7千万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は6億6千7百万円(前年同期は8億9百万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出6億1千1百万円、投資有価証券の取得による支出1億3千4百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は2億2千万円(前年同期は2億4千5百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1千4百万円、社債の償還による支出5千万円、配当金の支払額1億2千5百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

環境コンサルタント事業

 

 

環境アセスメント及び環境計画部門

2,384,796

110.2

環境生物部門

2,151,734

105.0

数値解析部門

302,383

87.4

調査部門

2,609,767

90.2

環境化学部門

3,252,030

114.8

気象・沿岸部門

582,647

93.0

建設コンサルタント事業

 

 

河川部門

1,746,120

100.1

水工部門

1,347,296

92.0

道路部門

1,293,354

106.3

橋梁部門

1,633,369

123.0

情報システム事業

517,633

93.7

不動産事業

212,228

106.4

合計

18,033,363

103.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は販売価格で表示しております。

3  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高
(千円)

前年同期比(%)

受注残高
(千円)

前年同期比(%)

環境コンサルタント事業

 

 

 

 

環境アセスメント及び環境計画部門

2,429,515

187.5

2,358,126

112.1

環境生物部門

2,117,725

98.6

1,861,471

99.3

数値解析部門

297,426

93.4

256,835

85.2

調査部門

2,495,912

85.5

2,133,513

84.0

環境化学部門

3,744,920

132.7

3,086,195

134.4

気象・沿岸部門

220,650

122.6

175,092

105.4

建設コンサルタント事業

 

 

 

 

河川部門

1,834,522

105.0

1,839,000

95.9

水工部門

1,459,395

106.7

1,232,572

108.5

道路部門

1,203,664

89.0

1,222,049

117.4

橋梁部門

1,718,895

120.9

1,645,428

124.3

情報システム事業

529,612

91.7

398,191

104.7

合計

18,052,243

111.8

16,208,479

107.5

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は受注契約金額で表示しております。

3  上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

環境コンサルタント事業

 

 

環境アセスメント及び環境計画部門

2,180,265

112.9

環境生物部門

2,125,620

104.1

数値解析部門

345,183

100.4

調査部門

2,905,534

107.7

環境化学部門

2,955,745

113.1

気象・沿岸部門

585,936

89.5

建設コンサルタント事業

 

 

河川部門

1,910,938

121.7

水工部門

1,362,926

106.3

道路部門

1,039,039

80.0

橋梁部門

1,378,636

100.5

情報システム事業

513,525

109.5

不動産事業

212,228

106.4

合計

17,515,582

106.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

なお、前連結会計年度の環境省につきましては、当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

国土交通省

5,031,450

30.5

5,181,532

29.6

環境省

2,340,486

13.4

 

3 上記金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

今後、しばらくは復興関連事業、防災・減災や国土強靭化・インフラの老朽化対策等に政府の予算が重点配分されることが予想されるものの、その規模や期間は不透明であります。今後も厳しい受注競争等が継続する中で、平成30年以降の受注環境は、予断を許さない状況が続くと想定されます。

このような状況の中、安定的な経営を行うためには、組織の一体化・効率化とコーポレート・ガバナンスの一層の強化とともに、優秀な人材の育成・確保と技術の総合化・多様化・差別化により、社会ニーズや社会環境の変化にマッチした組織構造・事業構造・事業領域への転換を図ることで、当社グループ独自のビジネスモデルを構築し、特に生活環境や自然環境を意識した安全で安心な社会の実現に貢献していくことが重要であると考えます。

当社グループは、平成28年から平成30年までの中期経営ビジョンにおいて、「イノベーションとマーケティングによる市場創生・新規事業の展開と海外事業の拡大」を掲げ、以下の3つの重要な経営課題に取り組むことにより、強い経営基盤の構築と安定的な成長を目指す所存であります。

① イノベーションとマーケティングによる市場創生・新規事業の展開と新しい視点による技術開発の推進

当社の強みを活かし、差別化を図ることができる分野である気候変動に伴う災害リスクへの防災・減災対策、再生可能エネルギーの活用検討、海洋政策を睨んだ外洋や遠隔離島の環境調査及び海洋資源開発に伴う環境・生態系調査、生物多様性の確保対策や自然再生、社会インフラのマネジメントに関連する業務の拡充を図ります。また、食品・医薬・微量化学物質・健康天気予報等、人の健康や生活環境の安全・安心を提供する事業の拡充及び民間・個人市場へのさらなる展開を図ります。

また並行して、社会や顧客のニーズにマッチした営業・技術開発等の戦略を立案・推進できる体制を強化するとともに、特に市場創生・新規事業を展開するための技術開発を推進いたします。

② グローバル人材の育成・確保と海外事業の拡大

企業の持続的な成長を図るため、社員の教育・研修をさらに強化することにより、知識・スキルの向上に加え、社員の意識改革、コミュニケーションの醸成を促し、引き続きイノベーションを担える人材を育成してまいります。また、言語、国境、文化の壁を越えて、グローバルなビジネス環境で業務を遂行できる人材の育成・確保を図ります。

海外事業については、子会社㈱Idesとの連携を強化することにより拡大を図ります。また、中国及びタイにおける現地法人を拡充するとともに、IDEA R&Dセンター(アジア工科大学院内)を有効活用し、さらにアジアへの展開を図ります。

③ コーポレート・ガバナンスのさらなる強化

ステークホルダーに対し経営の透明性、健全性、遵法性をより一層高めていくとともに、内部統制システムの充実を図ることにより、コンプライアンス、情報管理、リスク管理、財務管理を徹底いたします。

 

また、当社グループは、社会基盤整備や環境保全に関わる「企画、調査、分析・解析、予測・評価から計画・設計、対策・管理」にいたるすべての段階において、ワンストップでお客様のニーズに合わせたサービスを迅速に提供できる特色を強みに、技術力の総合化・多様化・差別化を図り、社会の要請にこたえてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。あわせて、必ずしもそのようなリスクと考えていない事項につきましても、投資家の判断にとって重要であると当社が考える事項につきましては、積極的な情報開示の観点から記載しております。

当社グループはこれらリスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関する全てのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①  官公庁及び公益法人への高い受注依存

当社グループは主として社会基盤整備の形成と環境保全の総合コンサルタントとして、環境コンサルタント事業、建設コンサルタント事業、情報システム事業、不動産事業等を営んでおります。

売上高を顧客で分類した場合、官公庁及び公益法人からの受注によるものが8割以上を占めることから、公共事業関係費全体や当社グループ関連技術分野に係る予算の増減もしくは予算執行の制約により、受注額、ひいては売上額が増減し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  業績の季節変動

当社グループの売上高は官公庁への依存度が高いため、契約工期が3月に集中することにより、上半期の売上高及び利益の水準が下半期に比べ著しく高くなる傾向があります。

なお、最近3年間の売上高、営業損益及びその上期・下期の内訳は、下表のとおりであります。

 (単位:千円)

 

平成27年12月期

平成28年12月期

平成29年12月期

売上高

営業利益又は

営業損失(△)

売上高

営業利益又は

営業損失(△)

売上高

営業利益又は

営業損失(△)

上 半 期

12,480,127

2,546,702

12,254,888

2,143,141

12,335,823

1,946,066

下 半 期

4,738,780

△854,527

4,219,207

△1,018,989

5,179,759

△794,222

通  期

17,218,908

1,692,174

16,474,095

1,124,152

17,515,582

1,151,844

 

 

③  主要拠点の災害による事業活動への影響

当社グループの主要拠点(札幌、仙台、福島、高崎、東京、横浜、新潟、静岡、名古屋、大阪、広島、高知、福岡、那覇)の中には、大規模地震到来の危険性が指摘されている地域が含まれております。当社グループはこのような自然災害に備えて防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては、主要設備、試料、データの損傷等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  成果品に関する瑕疵

当社グループでは、品質保証システムISO9001 を導入するとともに専任者を配置した照査室を設置し定期的かつ厳格な照査等を実施することにより、常に品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて、建設コンサルタント損害賠償責任保険に加入しております。しかしながら当社グループの成果品に瑕疵が発生し、多額の賠償請求を受けた場合や指名停止等となった場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑤  法的規制

当社グループは事業活動を行う上で、独占禁止法、下請法、個人情報保護法等の様々な法規制の適用を受けております。これらの法規制の遵守を徹底するため、すべての役員及び従業員が、企業行動規範の基本原則である「法令の遵守」の精神を理解し、公正で透明な企業風土の構築に努めております。また、取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を常設して、社内規程・マニュアルや運用体制を整備し、当社グループ全体での厳格な運用に努めております。しかしながら、万が一これらの法規制を遵守できなかった場合には、社会的な信用や評価等が低下することにより、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、主務官庁から建設コンサルタント登録や計量証明事業所登録をはじめとして、様々な許認可を受けて事業をおこなっていることから、許認可の根拠となる各法令等を遵守し、許認可等の更新に支障が出ないよう、役職員の教育等に努めております。しかしながら、役員が罰金以上の刑に処されることその他何らかの理由により許認可が取消されるもしくは更新ができない状態が発生した場合または関連法規が改廃されるもしくは新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開に制約が生じ、経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において、当社グループは以下の登録取消事由に抵触しておりません。

登録の種類

有効期限

取消事由

建設コンサルタント登録

平成31年9月30日

建設コンサルタント登録規程第13条

計量証明事業所登録

計量法第113条

 

 

⑥  情報セキュリティ

当社グループは公共性の高い事業活動を行っているため、個人情報等様々な機密情報を取り扱っております。当社グループでは「情報管理規程」を制定するとともに「情報管理委員会」を設置し、全社的な情報管理体制を構築しておりますが、情報漏洩等の事故が生じた場合には、当社グループの社会的な信用や評価等が低下することにより、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 専門性の高い人材の確保

当社グループは技術部門において専門性の高い優秀な人材を採用し、養成することにより、競争優位性を確保することができると考えております。しかしながら、専門性の高い優秀な人材は限られていることから、人材の採用及び確保の競争は激化しております。当社グループの技術力や生産性の維持・向上には、このような人材の採用・養成・維持が不可欠であり、この状況によっては、技術力や生産性の低下により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループから、専門性の高い優秀な人材が競合他社に移籍した場合には、加えてその者が有する当社グループの知識やノウハウの流出により、当社の競争力が相対的に低くなるおそれがあり、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発活動は、当社のみで行っております。当連結会計年度における研究開発費用は9千万円であります。

 

(環境コンサルタント事業)

同事業における主な研究開発は以下のとおりです。

環境アセスメント及び環境計画部門においては、バイオマスを活用した地域の循環・エネルギー技術システムの研究や諸外国における土壌汚染対策技術の研究などを、環境生物部門においては、生物多様性に関する戦略的技術開発、環境DNA解析技術を活用する新規事業の開発、希少淡水魚類の保全技術に関する研究開発、次世代シーケンサーを用いた餌生物推定法の開発などを行いました。

数値解析部門においては、レーダ雨量データや数値モデルを用いた降雨予測モデルの研究・開発や3次元流動・水質・底質モデルの高速化・高精度化に関する技術開発などを、調査部門においては、5BeamADCPによる波浪観測技術の開発、サンゴ礁保全再生技術の開発、サブボトムプロファイラー(SBP)とマルチビームを用いた新たな底質調査技術の開発などを、環境化学部門においては、生体試料中の金属類等の存在比率調査や質量分析計を用いた網羅分析による生態毒性物質の探索に関する技術開発、海岸漂流微細プラスチック中の残留性有機汚染物質の分析法開発などを行いました。

気象・沿岸部門においては、高潮解析モデルの高度化やリアルタイム予測システムの精度向上と機能拡張のための研究開発などを行いました。また、スマートフォンやタブレット端末での天気予報や健康予報・生活予報(バイオウェザー予報)でのコンテンツを継続的に開発して、提供する情報の質と量の向上に反映させております。

同事業における研究開発費用は6千8百万円となりました。

 

(建設コンサルタント事業)

同事業における主な研究開発は以下のとおりです。

河川・水工部門においては、洪水予測システムの精度向上に向けた研究・開発、人口変動を踏まえた治水安全度バランスの適正化方策に関する研究、河川及び土砂管理のための生態系評価手法の開発などを行いました。

道路・橋梁部門においては、鋼材の亀裂把握に関する技術開発や中小規模橋梁の維持管理を目的とした新たなアセットマネジメントシステムの構築、点検の効率化を図るための研究開発などを行いました。

同事業における研究開発費用は1千3百万円となりました。

 

(情報システム事業)

同事業においては、画像解析技術を活用したリアルタイム流量観測システムの開発やICTロボット技術の研究開発の構築を行いました。

同事業における研究開発費用は7百万円となりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表作成にあたっては、資産・負債、収益・費用の計上について必要に応じて会計上の見積りを行っております。この会計上の見積りは、過去の実績や現在の状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性を有しているために実際の結果とは異なる可能性があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5  経理の状況 1. 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

(2) 経営成績の分析

 (売上高)

売上高については、中断していた大規模海洋工事の環境モニタリング調査が再開し売上計上したこと、道路施設や橋梁の点検・維持管理業務や防災・減災関連業務が増加したこと等により前連結会計年度と比べ10億4千1百万円増加の175億1千5百万円(前年同期比6.3%増)となりました。

環境コンサルタント事業では、再生可能エネルギー関連の環境調査や東日本大震災の復旧・復興に関する様々な調査、特に放射能除染に関する大型業務等、当社の強みを生かせる業務を多く受注することができたこと等により前年同期比8億1千6百万円増加の111億4千1百万円 (前年同期比7.9%増)となり、建設コンサルタント事業では、インフラ施設の維持管理業務や防災・減災関連業務などが増加したことにより同1億6千8百万円増加の56億9千1百万円(同3.1%増)となりました。また情報システム事業では、システム構築業務と放射能除染関連業務が増加したことにより同4千4百万円増加の5億1千3百万円(同9.5%増)、不動産事業では、同1千2百万円増加の2億7千1百万円(同4.9%増)となりました。

 (営業利益)

営業利益については、売上高は増加したものの、当連結会計年度は、前連結会計年度に比べて、現地調査など原価率の高い業務の占める割合が増加したことによる売上原価率の上昇及び受注獲得のための体制強化等により前年同期比2千7百万円増加の11億5千1百万円(前年同期比2.5%増)となりました。

環境コンサルタント事業では、前年同期比1千3百万円減少の5億2千8百万円(前年同期比2.6%減)のセグメント利益を計上いたしました。建設コンサルタント事業では、同2千4百万円増加の4億3千7百万円(同5.9%増)のセグメント利益を計上いたしました。情報システム事業では、同9百万円増加の2千4百万円(同63.1%増)のセグメント利益を、不動産事業については、同7百万円増加の1億6千1百万円(同5.1%増)のセグメント利益を計上いたしました。

 (経常利益)

経常利益については、営業利益の増益を受けて前年同期比6千8百万円増加の12億1千4百万円(前年同期比6.0%増)の経常利益を計上いたしました。

 (親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益については、前連結会計年度において持分変動利益を特別利益として計上したことから、前年同期比1千2百万円増加の7億9千8百万円(前年同期比1.6%増)となりました。また、売上高当期純利益率は目標数値の5.0%に対して4.6%となり、ROEは5.4%となりました。

 

当社グループの収益確保の方針は、売上高の伸長及び経営の効率化による諸経費の削減を行うことであり、組織の効率化、社内ネットワークを活用した情報の有効活用、資金及び施設の有効活用を実施していく方針であります。

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 財政状態の分析

(資産)

資産合計は、前連結会計年度末と比べ12億9千5百万円増加の243億3千6百万円(前年同期比5.6%増)となりました。

流動資産につきましては、主に現金及び預金の減少1億7千7百万円、受取手形及び営業未収入金の増加11億5千6百万円、仕掛品の増加1億1千8百万円により、前連結会計年度末と比べ10億9千9百万円増加の89億3千5百万円となりました。また、流動比率は181.2%(前年同期は181.6%)となりました。

固定資産につきましては、主に建物の減少1億8千5百万円、有形固定資産その他の増加1億1千3百万円、投資有価証券の増加3億円により、前連結会計年度末と比べ1億9千6百万円増加の154億円となりました。また、固定比率は101.9%(前年同期は106.4%)となりました。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末と比べ4億7千1百万円増加の92億2千6百万円(前年同期比5.4%増)となりました。

流動負債につきましては、主に支払手形及び営業未払金の増加1億9千8百万円、短期借入金の増加8千5百万円、未払法人税等の増加1億1千2百万円により、前連結会計年度末と比べ6億1千6百万円増加の49億3千2百万円となりました。

固定負債につきましては、主に社債の減少5千万円、長期借入金の減少1億円により、前連結会計年度末と比べ1億4千5百万円減少の42億9千4百万円となりました。

(純資産)

純資産合計は、主に利益剰余金の増加6億7千3百万円により、前連結会計年度末と比べ8億2千4百万円増加の151億9百万円(前年同期比5.8%増)となりました。また、ROEは5.4%(前年同期は5.6%)となりました。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

わが国においては、近年、気候変動等による自然災害の増大や社会資本の老朽化による機能低下、少子化や高齢化による経済活力の低下などが懸念されるなか、安全・安心で持続可能な社会の実現が求められております。このような社会を実現するために、コンサルタント業界においては技術力の総合化・多様化等が要請され、市場においては企業価値の向上が求められております。

当社グループはこれら社会的要請に応えるため、人材、技術力、施設・設備、情報等の経営資源を最大限に集約し活用して、一歩先を見据えた新たな事業展開に取り組み、積極的な技術開発と営業展開を図りながら社業を発展させ、安全・安心で快適な社会の持続的発展と、健全で恵み豊かな環境の保全と継承、さらに積極的な環境の創造を支える総合コンサルタントとしての社会的な使命を果たしてまいります。

中長期的には、組織の一体化・効率化とコーポレート・ガバナンスの一層の強化とともに、優秀な人材の育成・確保と技術の総合化・多様化・差別化により、社会ニーズや社会環境の変化にマッチした組織構造・事業構造・事業領域への転換を図ることで、当社グループ独自のビジネスモデルを構築し、特に生活環境や自然環境を意識した安全で安心な社会の実現に貢献してまいります。

また、当社グループはこれまで培ってきた多様な人材、技術、研究施設・設備、情報を活かし、技術競争に打ち勝つ体制を強化し、官公庁の受注シェアを高めるとともに、民間分野へも積極的な営業展開を図ります。さらに、経営の効率化や労働生産性の向上により、徹底的なコストの縮減を図り価格競争への対応力を強化いたします。

特に経営戦略上重要である新規事業については、当社グループの技術、ノウハウ、優位性を十分に活かせる分野へ展開し、主に次の3つの事業戦略を基本といたします。

   ① 既存技術の高付加価値化による既存分野の維持・拡大

   ② 既存技術を軸とした技術開発による新規分野・新市場(新規顧客)への展開

   ③ 技術やノウハウ等の蓄積の応用による新規分野・新市場(新規顧客)への展開

また、技術開発は、原則として上記の市場創生・新規事業に参入するために実施いたしますが、既存業務分野に付加価値をつける個別技術、生産や調達を効率化・省力化する技術等についても、積極的に推進してまいります。

具体的には、近年激化する豪雨等災害の防災・減災対策、老朽化が進む河川・港湾構造物や道路・橋梁等の長寿命化に向けた維持管理計画、今後高確率で発生が予想されている首都直下型地震や南海トラフ地震への対応、温暖化・気候変動の適応策や生物多様性の確保に向けた取り組み、再生可能エネルギーの活用検討、海洋政策を睨んだ海洋環境の調査及び海洋資源開発に伴う環境・生態系調査、化学物質の環境リスクへの対応や人の健康と食の安全をサポートする生命科学関連事業等、当社グループが培ってきた技術・経験が活きる業務分野の拡大が見込めます。

当社グループとして、これらの受注拡大のチャンスを確実に手にするため、民間市場の開拓とこれら拡大が見込める重点分野に対応した新たな技術開発や設備導入を図り、技術・営業体制を強化いたします。

 

(6) 資本の源泉及び資金流動性についての分析

 ① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億7千7百万円減少(前年同期は1億3百万円の増加)し、10億9千3百万円(前連結会計年度末は12億7千万円)となりました。

詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(キャッシュ・フロー指標の推移)

 

平成27年12月期

平成28年12月期

平成29年12月期

自己資本比率(%)

59.0

62.0

62.1

時価ベースの自己資本比率(%)

30.0

28.1

33.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

378.7

236.3

377.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

51.9

110.5

116.1

 

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

   2.各指標は、下記の基準で算出しております。

    自己資本比率:自己資本/総資産

    時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

    キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

    インタレスト・ガバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

  3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式数を控除)により算出しております。

  4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

  5.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている負債を対象としております。

  6.利払いは、連結損益計算書に計上されている支払利息を使用しております。

 ② 資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金需要として外注費、労務費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 ③ 財務政策

当社グループの資金調達としては、運転資金に関しては、手許流動性資金を勘案の上、不足が生じる場合には短期借入金による調達で賄っております。設備資金に関しては、手許資金(利益等の内部留保金)、長期借入金及び社債による調達を基本としております。

ただし、設備資金の不足が生じる期間が短期間である場合には、短期借入金による調達で賄っております。

長期資金の調達に際しては、金利動向並びに発行費用等の調達コストも含めて総合的に検討し、銀行借入と比較して有利な条件になる場合に限り、社債発行を行うこととしております。

資金の流動性については、経理部が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により、流動性リスクを管理しております。