第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、不安定な国際情勢や米国の通商政策、物価の上昇、金融資本市場の変動等の影響により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。

当社グループを取り巻く市場環境は、令和6年度の政府補正予算と令和7年度予算において、防災・減災、国土強靭化への対策が引き続き推進されるとともに、脱炭素社会の実現、循環経済の構築、自然資本の維持・回復・充実等の当社グループが強みを活かせる分野に重点配分されており、比較的堅調に推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、安全・安心で持続可能な社会の実現、コンサルタントとしての技術力の総合化・多様化・高度化、さらにはサステナビリティ経営の実現や企業価値の向上を目標に事業を推進してまいりました。

また、当社グループは、2025年から3か年の第6次中期経営計画を策定し、「DX推進と共創による新たな価値創造に向けた変革への挑戦」をスローガンに掲げ、以下の5つの戦略を成長戦略の大きな柱として設定し、それぞれの具体的施策に取り組んでおります。

①事業戦略

重点事業分野に経営資源を投入し、DXの推進などによるビジネスモデルの変革と社内外の多様なプロフェッショナルの共創によるイノベーションの創出やIoT・ロボット・AI等の先端技術の活用などを通じて新たな価値を創造し、独自性・優位性を確立・強化するとともに、市場プレゼンス(受注、売上、認知度など)の拡大を目指す。また、民間・個人向けサービスやものづくりにおいても取り組みを強化する。

②DX戦略

AIやデータ活用などのDX人財の確保・育成や社内業務・人財情報の統合的な活用を実施し、DXの推進による生産性向上を図る。また、AI関連の技術開発と業務への利活用支援とともに、新規事業の創出や事業展開の加速、社内外の共創推進など、事業におけるDXの推進によりビジネスモデルの変革を進める。

③人事戦略

経営戦略に沿った適正な人員配置や、人財の確保・育成などの人的資本投資を通じて、戦略的・機動的な生産体制を構築する。また、多様な人財が自身の専門性や強みを活かして活躍できる、社員一人ひとりが働きがいのある職場環境を整備し、ウェルビーイングの向上を図ることで、組織と社員がともに成長し続けられる会社を目指す。

④財務戦略

各戦略を果敢に実行していくための新規事業及び事業拡大に向けた技術開発や調査・分析機器の整備など、成長・注力分野に向けた投資のほか、基幹系システムやサイバーセキュリティ対策に関するIT基盤整備など、経営基盤強化に向けた投資を積極的に実施する。また、事業部門における事業分野の選択と集中及び資本効率の向上にも取り組む。

⑤サステナビリティ戦略

サステナビリティ経営の推進における重点的な取り組みとして、ガバナンス体制及び内部統制の高度化による経営基盤の強化やIR・SR活動の充実に注力するとともに、カーボンニュートラルの実現に向けたCO₂排出量削減や資源循環など環境負荷低減の取り組みを推進する。これらを通じて、ステークホルダーとのより深い信頼関係を構築し、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上に取り組む。

 

当中間連結会計期間における連結業績については、受注高は前年同期比9千5百万円増加の141億5百万円(前年同期比0.7%増)となりました。売上高は同3千3百万円減少の123億2千8百万円(同0.3%減)となりました。なお、受注残高は同9億3千4百万円増加の154億6百万円(同6.5%増)となりました。

営業利益は人的資本投資の強化による人件費の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、前年同期比3億1千9百万円減少の20億4千4百万円(前年同期比13.5%減)となりました。また、経常利益は同3億8千1百万円減少の21億4千1百万円(同15.1%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は同2億9千7百万円減少の14億5千3百万円(同17.0%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメント間取引を含んでおります。)

 

(環境コンサルタント事業)

同事業は、当社及び連結子会社4社(新日本環境調査㈱、沖縄環境調査㈱、東和環境科学㈱、以天安(北京)科技有限公司)が行っている事業であり、環境アセスメント及び環境計画部門、環境生物部門、数値解析部門、調査部門、環境化学部門、気象・沿岸部門の6部門より構成されております。

売上高は化学物質の環境リスク評価に係る大型業務の売上は減少したものの、再生可能エネルギー関連の環境調査やAUVの設計製作・運用支援業務等の売上が増加したことにより、前年同期比2千万円増加の81億2千5百万円(前年同期比0.2%増)となりました。セグメント利益は人的資本投資の強化による人件費の増加に加え、将来の事業拡大に向けた重点事業分野への投資による売上原価の増加及びDX推進に関する投資等により、同2億2千9百万円減少の12億8千3百万円(同15.2%減)となりました。

 

(建設コンサルタント事業)

同事業は、当社及び連結子会社1社(㈱クレアテック)が行っている事業であり、河川部門、水工部門、道路部門、橋梁部門の4部門より構成されております。

売上高はインフラ施設の設計業務等の売上が減少したことにより、前年同期比1億3千3百万円減少の35億4百万円(前年同期比3.7%減)となり、セグメント利益は売上高の減少、人的資本投資の強化による人件費の増加及びDX推進に関する投資等により、同9千5百万円減少の6億4千9百万円(同12.8%減)となりました。

 

(情報システム事業)

同事業は、当社が行っている事業であり、システム開発及び画像解析等の事業を行っております。

売上高は前年同期比5千2百万円増加の3億4千7百万円(前年同期比17.9%増)となり、セグメント利益は同8百万円増加の5千万円(同21.0%増)となりました。

 

(海外事業)

同事業は、当社及び連結子会社1社(㈱Ides)が行っている事業であり、海外における防災対策やインフラマネジメント、環境保全・創出等の事業を行っております。

売上高は前年同期比4千3百万円増加の2億9千1百万円(前年同期比17.6%増)となり、セグメント利益は2百万円(前年同期はセグメント損失5百万円)となりました。

 

(不動産事業)

同事業は、当社が行っている事業であり、赤坂のオフィスビル、旧大阪支社跡地等の不動産賃貸事業を行っております。

売上高は前年同期比1千万円減少の1億1千1百万円(前年同期比8.5%減)となり、セグメント利益は同1千万円減少の5千7百万円(同16.0%減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

  (資産)

資産合計は、前連結会計年度末と比べ7億4千2百万円減少の367億1千万円(前年同期比3.7%増)となりました。

流動資産につきましては、主に現金及び預金の増加58億9千4百万円、受取手形、営業未収入金及び契約資産が69億4千7百万円減少したことにより、前連結会計年度末に比べ9億6千3百万円減少の162億9千8百万円(前年同期比3.3%増)となりました。

固定資産につきましては、主に建物の減少1億1千6百万円、有形固定資産その他の増加1億5千1百万円、投資有価証券の増加3億3千2百万円により、前連結会計年度末に比べ2億2千万円増加の204億1千2百万円(前年同期比4.1%増)となりました。

  (負債)

負債合計は、前連結会計年度末と比べ14億9千5百万円減少の72億3千1百万円(前年同期比2.5%減)となりました。

流動負債につきましては、主に支払手形及び営業未払金の減少10億6千3百万円、流動負債その他の減少2億5千7百万円により、前連結会計年度末に比べ13億5千9百万円減少の42億1千2百万円(前年同期比0.2%減)となりました。

固定負債につきましては、主に長期借入金の減少1億円、固定負債その他の減少4千1百万円により、前連結会計年度末に比べ1億3千6百万円減少の30億1千8百万円(前年同期比5.6%減)となりました。

  (純資産)

純資産につきましては、主に親会社株主に帰属する中間純利益の計上による増加14億5千3百万円、配当金の支払いによる減少7億1千3百万円により利益剰余金が7億3千9百万円増加し、前連結会計年度末に比べ7億5千3百万円増加の294億7千9百万円(前年同期比5.4%増)となりました。

 

企業の安定性を示す自己資本比率は、当中間連結会計期間末は、前連結会計年度末に比べ3.6ポイント上昇の80.3%(前年同期は79.0%)となり、また、支払能力を示す流動比率は、前連結会計年度末に比べ77.1ポイント上昇の386.9%(前年同期は373.6%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ58億9千4百万円増加(前年同期は76億5千1百万円増加)の96億6千7百万円(前年同期は99億4千4百万円)となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

獲得した資金は73億3千9百万円(前年同期は93億7千9百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前中間純利益21億4千1百万円、非資金支出費用である減価償却費3億4千8百万円、売上債権及び契約資産の減少額69億3千4百万円、仕入債務の減少額10億6千3百万円によるものであります。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

使用した資金は6億2千6百万円(同4億7千6百万円の使用)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出4億2千7百万円、投資有価証券の取得による支出2億3千万円によるものであります。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

使用した資金は8億1千5百万円(同12億6千6百万円の使用)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出1億円、配当金の支払額7億1千万円によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当社グループにおける研究開発活動は、当社のみで行っております。当中間連結会計期間における研究開発費の総額は、3千9百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6) 生産、受注及び販売の実績 

当中間連結会計期間における受注実績に関して、建設コンサルタント事業においてはインフラ施設の設計・維持管理関連業務等の受注が増加したことにより、前年同期比4億4百万円増加し、44億3千万円(前年同期比10.1%増)となりました。情報システム事業においては流量観測高度化業務等の受注が増加したことにより、同1億2千3百万円増加し、5億8百万円(同32.0%増)となりました。海外事業においては海外における洪水対策調査等の受注が増加したことにより、同9千3百万円増加し、2億2百万円(同86.8%増)となりました。

売上高に関して、情報システム事業においては流量観測高度化業務等の売上が増加したことにより、前年同期比5千2百万円増加し、3億4千7百万円(前年同期比17.9%増)となりました。海外事業においては太平洋島しょ国等の海洋温度差発電に係る確認調査等の売上が増加したことにより、同4千6百万円増加し、2億8千4百万円(同19.5%増)となりました。

受注残高は前年同期比9億3千4百万円増加の154億6百万円(前年同期比6.5%増)となりました。なお、建設コンサルタント事業においては同4億5百万円増加し、43億1千9百万円(同10.3%増)となり、情報システム事業においては同6千8百万円増加し、3億9千2百万円(同21.0%増)となりました。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当中間連結会計期間において、当社グループの経営戦略の現状と見通しに重要な変更はありません。

 

(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当中間連結会計期間において、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に重要な変動はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。