第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 当期の業績の概況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和策を背景に企業収益や雇用環境の改善等が見られ緩やかな回復基調にあるものの、個人消費の回復では依然足踏み状態が続いております。また、世界経済も中国をはじめとする新興国の成長鈍化、英国のEU離脱、米国新政権の政策動向などにより、その先行きは不透明な状況下で推移しております。

 当警備業界におきましては、サミットやオリンピックなどの国際イベントのテロ警戒に対し、ドローンやウェアラブルカメラなど最新技術を応用したセキュリティ強化への需要が高まっている一方、雇用環境の改善による採用難、雇用維持に伴う労務費の増加など、依然として厳しい事業環境に置かれております。

 このような状況の中、当社グループは5ヵ年中期経営計画「CSPパワフル50計画」の最終年にあって、引き続き画像関連サービスと鉄道会社向け警備サービスの拡販を図るとともに、CS(顧客満足)を軸としたサービス力と画像関連の最先端技術を取り込むことで、品質及びコスト面で競争力のあるパワフルな企業を目指してまいりました。

 創業50周年を記念して創作したCSPオリジナルキャラクター「CSPman(シーエスピーマン)」を活用し、販売促進を図ってまいりました。

 ダイバーシティプロジェクトにおいては、男女ともに働きやすい職場環境の改善に取り組んでまいりましたが、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)の具体的成果として「くるみんマーク」を取得することができました。

 また、昨年9月末に実施したM&Aにより、神奈川県平塚市の有力警備会社である㈱特別警備保障が新たに連結子会社として加わり、CSPグループ総合力のさらなる強化を図ることができました。

 さらに、新商品としてCSPオリジナルの高齢者集合住宅向けナースコールシステムである「見守りハピネスコール」を開発し、本年2月より販売を開始いたしました。

 

 (セキュリティ事業) 

 常駐警備部門につきましては、大型警備の新規開始や伊勢志摩サミットをはじめとする臨時警備が好調に推移したことから、売上高は242億1千8百万円(前連結会計年度比5.2%増)となりました。

 機械警備部門につきましては、これまでのM&Aの効果に加え画像関連サービスが堅調に推移したことから、売上高は157億6千9百万円(前連結会計年度比6.8%増)となりました。

 運輸警備部門につきましては、集配金・精査サービスの向上に注力した結果、売上高は33億3千万円(前連結会計年度比14.0%増)となりました。

 工事・機器販売部門につきましては、画像関連システム及び鉄道系ICカードが利用できる入退室管理システム「centrics(セントリックス)」などが堅調に推移し、売上高は45億1千5百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。

 これらの結果、当連結会計年度のセキュリティ事業セグメントの売上高は478億3千3百万円(前連結会計年度比6.4%増)、セグメント利益(営業利益)は14億4千万円(前連結会計年度比121.9%増)となりました。

 

(ビル管理・不動産事業)

 ビル管理・不動産事業につきましては、清掃業務や電気設備の保安業務等の建物総合管理サービス及び不動産賃貸を中心に事業を行っております。当連結会計年度のビル管理・不動産事業セグメントの売上高は14億8千5百万円(前連結会計年度比5.4%増)、セグメント利益(営業利益)は2億8千1百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高は493億1千8百万円(前連結会計年度比6.4%増)、利益面につきましては、営業利益は17億2千4百万円(同87.5%増)、経常利益は20億9千2百万円(同75.2%増)、前期計上していた退職金制度の見直しによる特別利益がなくなったこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は11億4千9百万円(同30.5%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローで33億1百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローで22億1千1百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローで8千万円の増加の結果、前連結会計年度末に比べ11億6千9百万円増加し、50億5百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動で得られた資金は前連結会計年度に比べ20億1千5百万円増加し33億1百万円(前連結会計年度比156.8%増)であります。増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益20億1千3百万円、減価償却による資金の内部留保17億9千1百万円、支払利息1億6百万円、仕入債務1億3千2百万円、未払費用1億8千5百万円、減少の主な内容は、受取利息及び受取配当金2億8千7百万円、売上債権1億9千2百万円、たな卸資産1億1千8百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は前連結会計年度に比べ5億1千8百万円増加し22億1千1百万円(同30.6%増)であり、その主な内容は、定期預金2億1百万円、有形固定資産の取得による支出13億7千1百万円、無形固定資産の取得による支出1億3千6百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億6千5百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動の結果増加した資金は前連結会計年度に比べ8億9千7百万円増加し、8千万円(同109.9%増)であり、その主な内容は、長期借入れによる収入19億1千1百万円、社債の発行による収入1億円、短期借入金の減少2億円、長期借入金の返済による支出6億7百万円、リース債務の返済による支出5億2千1百万円、社債の償還による支出1億1千9百万円、配当金の支払4億8千1百万円などによるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんが、当連結会計年度末日現在実施中のセグメントごとの契約件数は、次のとおりであります。

セグメント名称及び業務別名称

契約件数(件)

前年同期比(%)

(セキュリティ事業)

 

 

常駐警備

857

104.0

機械警備

110,983

111.7

運輸警備

3,141

111.4

小計

114,981

111.7

(ビル管理・不動産事業)

5,777

102.9

合計

120,758

111.2

 

 

(2) 販売実績

 当連結会計年度におけるセグメントごとの業務別販売実績は、次のとおりであります。

セグメント名称及び業務別名称

金額(千円)

前年同期比(%)

(セキュリティ事業)

 

 

常駐警備

24,218,070

105.2

機械警備

15,769,114

106.8

運輸警備

3,330,416

114.0

工事・機器販売

4,515,658

106.7

小計

47,833,260

106.4

(ビル管理・不動産事業)

1,485,485

105.4

合計

49,318,745

106.4

 

(注) 1 上記金額には消費税等を含んでおりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

東日本旅客鉄道㈱

5,018,992

10.2

 

3 前連結会計年度では10%未満となりましたので記載を省略しております。

 

3 【対処すべき課題】

 今後のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などにより、引き続き緩やかな回復基調が続くものの、個人の消費マインドには弱さが見られ、為替や株式市場でも不安定な動きが予測されます。また、不安定な世界経済による国内景気への影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況にあります。

 警備業界におきましては、犯罪認知件数が年々減少する一方、高齢者や弱者を対象とした世間を賑わす犯罪が後を絶たず、今まで以上に広い様々な分野でセキュリティニーズが高い状況にあります。これら多様化する要求に応えていくためにも、様々な技術を警備に取り込むことが必要であり、最新技術の動向に傾注すべきと考えております。また、需要に対して人的リソースの不足状況が続いており、優秀な人材を確保することが喫緊の課題となっております。

 こうした厳しい情勢のもと、当社は3年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた新中期経営計画「CSPパワフル2020」を策定いたしました。

 画像関連サービスのさらなる拡販のため、画像専門の営業部門を新設するとともに、世界中の最先端技術をいち早く取り入れ、警備サービス・商品化につなげるための研究開発部門も新設いたしました。これにより、独自サービス・商品化のスピードアップと販売体制の整備を図り、収益力の向上に努めてまいります。

 カメラ市場においては、IPカメラが出荷の過半を占める現状に、柔軟に対応できる遠隔監視の画像センターを今秋に立ち上げる予定です。これによりプロトコルの異なる様々なメーカーのIPカメラを直接接続することができ、サービス拡充とコスト削減に寄与する見込みです。

 また、脚光を浴びているAI技術についても、警備分野への応用研究を進めてまいります。将来的に人と置き代わることで、判断ミスの軽減や人手不足の解消などサービス品質向上やコスト削減に寄与するものと考えております。

 さらに、新たにCSPグループに加わった㈱特別警備保障とのグループ連携を密にするとともに、多方面でのシナジーを見出すことで、グループ収益力の向上を図ります。

 雇用環境の改善に伴う採用難、過労死問題に端を発した労働時間の抑制問題など、これから益々雇用の確保・維持が厳しくなると予想されますが、法令に準拠した働きやすい職場環境を整備するなど、基盤の最適化を図ってまいります。

 3つのC(コンプライアンス、CSR、コアバリュー経営)で経営の基盤を確固たるものとし、技術力の強化、収益力の向上、基盤の最適化、グループ連携の強化の4本柱を基本戦略とし、「最新の技術をいち早く取り込み お客さまの期待を超える 技術サービス企業」を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業等に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に掲載しています。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の早期対応に努めてまいります。

(1) 情報管理及びプライバシー保護に関するリスク

 当社グループは、セキュリティ事業の各サービスの実施にあたって、業務運営上の必要から契約先の機密情報その他の情報を知り得る立場にあります。

 当社グループは、従来から徹底した管理体制と社員教育により、契約先の情報が外部に漏洩しないよう情報の管理及びプライバシー保護に努めております。当社はさらに、これらの情報管理体制をより強化して契約先との信頼関係を一層強固なものとするため、平成15年5月に全社を挙げてISMS(情報セキュリティ・マネジメントシステム、平成19年1月よりISO/IEC27001に移行)認証を取得いたしました。

 また、平成17年4月から施行された個人情報保護法への対応については、当社内で「個人情報及び個人番号の保護に関する基本方針」(平成27年11月1日改定)を定め、一連の個人情報保護に関する社内ルールを整備して、ISMSをベースにした情報管理を徹底させております。機密情報、個人情報については、ネットワーク、システム上だけでなく、USBメモリ等の記録媒体についても管理の徹底に努めております。

 しかしながら、契約先の情報が外部に漏洩した場合には当社グループの信用が損なわれることとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 価格競争に関するリスク

 市場規模に比べて警備業者は大小とりまぜて9,342社(警察庁公表「平成27年度における警備業の概況」より)と多数にのぼっており、同業者間の価格競争が年々激しくなっております。当社グループは、これらの同業他社と競合状態にあり、今後の価格競争の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 社員採用に関するリスク

 良質な警備サービスを継続して提供するためには、常に優秀な人材を確保し、不断の教育、研修を通じてその知識、技能の維持、向上を図ることが欠かせません。当社グループでは年間を通じて採用業務を展開するとともに、専用の施設と専属のスタッフを配置して社員教育に取り組んでおりますが、少子化の時代を迎え、質・量の両面で必要な人員を確保できなくなった場合、事業の継続に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 技術の陳腐化に関するリスク

 機械警備業務における最近の傾向として、IT技術の進展により、画像伝送システム等を利用した機械警備など、新たなサービスが登場しています。

 また、情報ネットワークの拡大に伴い、各種情報の漏洩、コンピュータ・ウィルスによるデータの破壊などの脅威から重要な情報資産を守るため、サイバーセキュリティの分野での需要も増大しております。

 

 当社グループでは、当該技術分野の研究・開発により、既存の機器・装置の陳腐化や犯罪の高度化・凶悪化に対応しておりますが、急速な環境変化への対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 法令に抵触した場合のリスク

 当社グループでは、業務管理及び社員教育を徹底し、コンプライアンス意識の維持、向上に努めておりますが、以下の関係法令に違反して罰則の適用を受け、営業停止等の行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

① 警備業法等

 セキュリティ事業の実施にあたっては、警備業法及び関係法令の規制を受けております。また、平成17年11月に施行されました同法の改正に対しては、適確に対応すべく引き続き社員の資格取得を推進しております。

 なお、当社の他、子会社である関西シーエスピー㈱、新安全警備保障㈱、エスシーエスピー㈱、長野県パトロール㈱、長野県交通警備㈱、㈱特別警備保障、日本キャリアサービス㈱、関連会社である㈱トーノーセキュリティ、ワールド警備保障㈱が同様に警備業法及び関係法令の規制を受けております。

② その他の法律等

 機械警備業務及び工事・機器販売の業務においては、契約先の施設に警報機器を設置しており、この設置工事に関して建設業法等の規制を受けております。

 また運輸警備業務においては、契約先の要請に応じ、現金輸送車を利用して現金等を輸送しているため、貨物自動車運送事業法等の規制を受けております。

(6) 大規模災害等に関するリスク

 当社グループでは災害発生時の対応について、普段より対応マニュアルの整備及び定期的な教育・訓練の実施等により、対策を講じております。また機械警備部門では、万一に備えて東京と長野に相互にバックアップ機能を持たせた全国ネットワーク(機械警備統合システムS21)を構築しております。

 しかしながら、広範囲に亘って大規模な地震や火災などが発生した場合には、公共の通信インフラの機能停止、道路、鉄道などの交通インフラの遮断などにより、当社グループが提供する各種のセキュリティサービスの実行に支障をきたすおそれがあります。また、当社が契約先に設置している警報機器等(当社資産)が損傷した場合には、修理・交換等の対応を余儀なくされる可能性があります。

 したがいまして、大規模な災害等が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。

(7) 新型インフルエンザの大流行に関するリスク

 当社は「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(厚生労働省新型インフルエンザ専門家会議 平成19年3月26日)に基づき、「新型インフルエンザ対応マニュアル」を作成し、予防に関する備品の整備、社員教育、各関係機関からの情報収集等の体制を整えるなど、感染予防及び危機管理体制の確立に努めております。

 しかしながら、新型インフルエンザの発生及び感染が広範囲に拡大し、警備を担当する社員の感染者が多数に至った場合には、お客さまへの感染を最大限防止するためにも、セキュリティサービスの実行を縮小及び停止せざるを得ない事態が発生する可能性があります。

 したがいまして、新型インフルエンザが大流行した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。

(8) 警備及び基幹システムに関するリスク

 当社グループでは、機械警備サービスの信号処理、警備サービスに係る契約の管理、代金の請求及び債権の回収・管理等の業務処理について、警備及び基幹システムを使用して統合的に管理しております。また、業務効率化、取引形態の多様化や制度改正に対応するため、随時、システムの改修を実施しております。
 システムの運用・改修については、システムの開発段階から納品までの品質管理の徹底を図っておりますが、災害の発生等によるシステム障害やシステムの改修に伴いプログラムの不具合が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 関連当事者との取引等に関するリスク

 当社グループと大株主(議決権所有比率25.4%)である東日本旅客鉄道㈱及びそのグループ会社との間の当連結会計年度における売上実績は、123億6千5百万円となり、全売上高の25.1%を占めております。

 当社は、平成9年12月に東日本旅客鉄道㈱と「業務提携基本契約」を締結して以来、同社が管轄する各駅及び同社の本社ビル等の常駐・機械警備、同社及び同社グループの集配金業務(現金輸送等)などのセキュリティサービスの提供、並びに、新セキュリティシステムの共同開発等を行って、その提携関係を強化して参りました。また、今後もその提携関係は強化していく方針ですので、同社及び同社グループに対する売上比率は徐々に高まっていくものと思われます。

 したがいまして、同社の業績が著しく悪化した場合、あるいは当社との提携関係に変化が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼすおそれがあります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1)業務提携基本契約

契約会社名

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

セントラル警備
保障株式会社(当社)

東日本旅客鉄
道株式会社
(JR東日本)

業務提携基本契約書

当社との資本提携及びJR東日本グループに対する警備サービスの提供に関する業務提携(対価:物件ごとの個別警備契約書による)

平成9年12月18日締結、以後1年ごとの自動更新

 

 

6 【研究開発活動】

 当社グループの当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

(1) セキュリティ事業

 当社グループの研究開発活動は、主に事業戦略推進本部にある研究開発部及び子会社である株式会社CSPフロンティア研究所が行っております。ネットワーク、無線通信、クラウド、AIなど、様々な技術が警備分野にも流入し、多様化する市場ニーズを的確に捉え、画像関連を含む廉価で高品質なセキュリティシステムを開発することにより、お客さまの信頼を獲得することを基本方針としております。

① 汎用セキュリティ機器の開発

 IP通信やモバイルサービスを取り込んだセキュリティ商品、様々なシチュエーションに対応できる簡易・低価格なカメラ(画像サーバー内蔵、無線通信、夜間撮影)の開発を行っております。

② カメラシステムの開発

 高感度カメラ、サーマルカメラなどの機能性カメラ、AI、ディープラーニングを活用した画像解析装置、次世代無線通信を利用したネットワークなど、最先端技術をいち早く取り込み、警備サービスと融合した新たな画像監視システムなどの開発を行っております。

③ 情報セキュリティについての開発

 インターネット、イントラネット、企業内のサーバー・パソコンの電子化された情報の漏洩、外部からの浸入、改ざん、ウイルス等の人的脅威、地震等の災害から貴重な情報を確実に守るサイバー領域のセキュリティ開発を行っております。

 なお、上記の研究開発は、既存製品の流用及びその改造によるものが主であり、かかる費用が軽微なため、その他として計上しております。

 

(2) ビル管理・不動産事業

 当連結会計年度は、当事業の研究開発活動は行っておりません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されており、連結財務諸表の作成にあたっては連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績については以下のとおりです。

① 概要

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高493億1千8百万円(前連結会計年度比6.4%増)、営業利益は17億2千4百万円(同87.5%増)、経常利益は20億9千2百万円(同75.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億4千9百万円(同30.5%減)となりました。
以下、連結財務諸表に重要な影響を与えた要因について分析いたします。

② 売上高

 売上高は、前連結会計年度に比較して29億6千7百万円の増収となりました。セキュリティ事業の常駐警備部門において、12億円の増収(前連結会計年度比5.2%増)、機械警備部門において、9億9千9百万円の増収(同6.8%増)、運輸警備部門において、4億8百万円の増収(前連結会計年度比14.0%増)、工事・機器販売部門において、2億8千2百万円の増収(同6.7%増)となったことが主な要因であります。

③ 売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益 

 売上総利益は前連結会計年度に比較して11億9千5百万円の増益(同13.9%増)、売上総利益率は19.9%となり、前連結会計年度に比較して1.3ポイント改善しました。
 また、販売費及び一般管理費は、退職給付費用1千8百万円の減少などがあったものの、給料及び手当1億5千2百万円の増加、広告宣伝費1千2百万円の増加、減価償却費3千2百万円の増加などがあり、前連結会計年度に比較して3億9千万円の増加(同5.1%増)、売上高に対する販売費及び一般管理費の構成比率は16.4%(0.2ポイント減少)となりました。
 以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比較して8億4百万円の増益(同87.5%増)となりました。

④ 営業外損益、経常利益

 当連結会計年度は、受取配当金8千5百万円の増加、受取保険金2千1百万円の増加などにより、営業外収益は前連結会計年度に比較して1億5百万円増加しました。一方、支払利息2千4百万円の増加などにより、営業外費用は前連結会計年度に比較して1千2百万円の増加となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比較して8億9千8百万円の増収(同75.2%増)となりました。

⑤ 特別損益、税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益

 特別利益は、固定資産売却益3百万円の増加、退職給付信託返還益14億7千1百万円の減少などにより、前連結会計年度に比較して14億6千8百万円の減少となりました。特別損失は、関係会社株式評価損8千万円の増加、退職給付制度終了損4千万円の減少などにより、前連結会計年度に比較して3千8百万円の増加となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比較して6億9百万円の減益(同23.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比較して5億3百万円の減益(同30.5%減)となりました。

 

 

(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析

 当社グループの当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりです。なお、総資産及び負債、純資産の著しい増加要因は、主に当第3四半期連結会計期間より、株式会社特別警備保障の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めたことによるものであります。

 総資産は、現金及び預金の増加1億4千3百万円、受取手形及び売掛金の増加1億7百万円、未収警備料の増加2億5千9百万円、貯蔵品の増加1億4千5百万円、立替金の増加11億7千9百万円、土地の増加2億3千万円、リース資産の増加16億4千1百万円、投資有価証券の増加8億2千1百万円、退職給付に係る資産の増加1億8千7百万円などにより、前連結会計年度末に比べ50億5千4百万円増加し、472億1千1百万円(前連結会計年度比12.0%増)となりました。

 負債は、買掛金の増加1億6千6百万円、短期借入金の増加3億3千8百万円、リース債務の増加17億6千1百万円、未払費用の増加2億3千8百万円、長期借入金の増加7億6千6百万円、繰延税金負債の増加2億7千1百万円、預り金の減少3億9千1百万円などにより、前連結会計年度末に比べ28億8千3百万円増加し、253億4千7百万円(同12.8%増)となりました。

 純資産は、利益剰余金の増加6億6千7百万円、その他有価証券評価差額金の増加6億6千1百万円、退職給付に係る調整累計額の増加1億5千9百万円、非支配株主持分の増加6億8千2百万円などにより、前連結会計年度末に比べ21億7千1百万円増加し、218億6千3百万円(同11.0%増)となりました。

 以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は43.6%、1株当たり純資産は1,409円27銭となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ20億1千5百万円増加し33億1百万円(前連結会計年度比156.8%増)であります。増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益20億1千3百万円、減価償却による資金の内部留保17億9千1百万円、支払利息1億6百万円、仕入債務1億3千2百万円、未払費用1億8千5百万円、減少の主な内容は、受取利息及び受取配当金2億8千7百万円、売上債権1億9千2百万円、たな卸資産1億1千8百万円などであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末に比べ支出が5億1千8百万円増加し22億1千1百万円(同30.6%増)であり、その主な内容は、定期預金2億1百万円、有形固定資産の取得による支出13億7千1百万円、無形固定資産の取得による支出1億3千6百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出9億6千5百万円などであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ8億9千7百万円増加し、8千万円(同109.9%増)であります。その主な内容は、長期借入れによる収入19億1千1百万円、社債の発行による収入1億円、短期借入金の減少2億円、長期借入金の返済による支出6億7百万円、リース債務の返済による支出5億2千1百万円、社債の償還による支出1億1千9百万円、配当金の支払4億8千1百万円などによるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フローで33億1百万円の増加、投資活動によるキャッシュ・フローで22億1千1百万円の減少、財務活動によるキャッシュ・フローで8千万円の増加の結果、前連結会計年度末に比べ11億6千9百万円増加し、50億5百万円となりました。

② 資金需要について

 当連結会計年度の設備投資として、機械警備先の増加に伴う警備先に設置する警報装置及びこれに対応するセンター装置の増設などに25億4千3百万円、賃貸向け不動産の取得に伴い3億1千4百万円、総額34億4千3百万円を支出いたしました。
 次期の当社グループの資金需要については、当連結会計年度に引き続き機械警備設備などに13億5千万円、総額20億円の設備投資を予定しております。なお、この設備投資につきましては自己資金及び長期借入金によって賄う予定であります。

 

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

① 会社の経営の基本方針

 当社グループは、『仕事を通じ社会に寄与する』『会社に関係するすべての人々の幸福を追求する』という「創業の理念」のもと、セキュリティ事業を中核事業として、お客さまから信頼される良質なサービスを提供することにより、社会の安全に貢献することを経営の基本方針としております。

 

② 目標とする経営指標

 新中期経営計画「CSPパワフル2020」計画は3年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた4ヵ年計画で、この4年間でクリアすべき課題と具体的な施策を策定しました。目標数値は下表の通りであります。

 

CSPパワフル2020計画の目標数値(期間:平成30年2月期から平成33年2月期) (単位:百万円)

 

連結売上高目標

49期 (平成33年2月期)

65,000

 

 

③ 中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、3つのCにより経営基盤を確立することを柱とし、4つの基本戦略を(「技術力の強化」「収益力の向上」「基盤の最適化」「グループ連携の強化」)を基に、最新の技術をいち早く取り込み、お客さまの期待を超える、技術サービス企業を目指します。

 

 経営基盤を確立するための3つのCは、以下の通りであります。

・Compliance(コンプライアンス)
・Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)
・Core Value Management(コアバリュー経営)

 

 4つの基本戦略を軸とした当社グループの課題は、以下の通りであります。

イ.技術力の強化

・新領域のサービス開発
・最新技術の取り込みの迅速化
・システム化による業務効率の追求
・先端技術の実用化の追求

ロ.収益力の向上

・画像サービスの拡充と拡販体制の確立
・人的警備の省力化の促進
・高付加価値が目に見えて実感できるサービスの提供
・M&Aの推進

ハ.基盤の最適化

・コンプライアンスの遵守と多様性を享受できる強くて柔軟な組織づくり
・最大限のパフォーマンスと省力化の追求
・さらなるCS(顧客満足)の展開とES(社員満足)の実現

ニ.グループ連携の強化

・業務の効率化
・収益拡大の模索
・業務品質の向上
・役割分担の明確化