第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(以下、「当期」という。)におけるわが国経済は、国内の雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかながらも回復基調が続きました。しかし、新興国の景気下振れ懸念、英国のEU離脱問題、米国の政権交代、各地域での地政学リスクなど、主に海外において不確実性が高まる事象が相次ぎました

情報サービス産業においても、官公庁・自治体分野でマイナンバー制度に関する需要が上半期で一旦落着いたこと、金融分野においてもマイナス金利政策の影響や、大規模開発案件に区切りがついたことなどがあり、特に下半期は不透明感が増すこととなりました

このような状況下、当社グループではWeb型総合行政情報システム「WebRings」をはじめとして、ITソリューション・サービスの更なる拡充を図るとともに、プロジェクト管理の徹底や製品・サービス品質の向上に努め、グループ各社の事業の拡大と収益力の強化に取り組んでまいりました

一方で、FinTech、IoT、AI、ビッグデータなど、近い将来、社会にイノベーションをもたらすと期待される先端技術・ノウハウを外部有識者との連携の下に蓄積し、事業化を推進する株式会社アイネス総合研究所を設立し、将来を見据えた企業価値向上のための取り組みにも着手しました。

当期の売上高は、マイナンバー対応のためのシステム改修案件等により、公共分野が過去最高の売上高を更新しましたが、金融・産業分野が減少し、全体としては、前期比2.5%減の384億88百万円となりました(業種別、商品・サービス別売上高(※)は下表のとおりです)

(※)当期より、従来の工程別売上高に代え、より市場の動向を反映させるため、お客様に提供する商品・サービス別で売上高を表示しております。

損益面では、プロジェクト管理の徹底や原価低減等が奏功し、営業利益は前期比8.8%増の24億7百万円、経常利益は同7.1%増の24億27百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.0%増の16億13百万円となりました

当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、以下、業種別及び商品・サービス別の売上高を示しております。

 

業種別連結売上高

(単位:百万円)

 

区分\期別

前連結会計年度

当連結会計年度

対前年
増減率

自 平成27年4月1日
至 平成28年3月31日

自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日

金額

構成比

金額

構成比

産     業

7,596

19.3%

7,345

19.1%

△3.3%

金     融

12,627

32.0%

11,811

30.7%

△6.5%

公     共

19,231

48.7%

19,331

50.2%

0.5%

合     計

39,455

100.0%

38,488

100.0%

△2.5%

 

商品・サービス別連結売上高

(単位:百万円)

 

 

区分\期別

連結会計年度

自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日

当連結会計年度

自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日

対前年

増減率

金額

構成比

金額

構成比

システム開発

19,485

49.4%

18,220

47.3%

△6.5%

運用

9,997

25.3%

10,103

26.3

1.1%

システム保守

4,085

10.4%

4,417

11.5%

8.1%

情報機器販売

1,905

4.8%

1,287

3.3%

△32.4%

その他

3,982

10.1%

4,459

11.6%

12.0%

合     計

39,455

100.0%

38,488

100.0%

△2.5%

 

(2)キャッシュ・フロー

当期末における現金及び現金同等物は97億26百万円となり、前期末に比べ36億90百万円増加しました。

当期における各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりです。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上等により、72億58百万円(前期比51億45百万円増)となりました。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入8億23百万円等があったものの、無形固定資産の取得による支出13億64百万円があったこと等により、△14億58百万円(同29億53百万円減)となりました

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出24億33百万円等により、△21億10百万円(同37億40百万円増)となりました

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の生産実績を示しております。

商品・サービスの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発(百万円)

16,981

83.8

運用(百万円)

10,102

100.8

システム保守(百万円)

4,412

109.7

情報機器販売(百万円)

1,241

59.5

その他(百万円)

4,388

114.2

合計(百万円)

37,127

92.2

 (注)1.金額は売価換算によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度まで工程別に区分して記載しておりましたが、当連結会計年度より商品・サービス別に区分して記載しております。

(2)受注状況

 当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の受注状況を示しております。

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

38,361

99.8

39,578

98.9

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における商品・サービス別の販売実績を示しております。

商品・サービスの名称

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

前年同期比(%)

システム開発(百万円)

18,220

93.5

運用(百万円)

10,103

101.1

システム保守(百万円)

4,417

108.1

情報機器販売(百万円)

1,287

67.6

その他(百万円)

4,459

112.0

合計(百万円)

38,488

97.5

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、当該割合が100分
の10未満のため、記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度まで工程別に区分して記載しておりましたが、当連結会計年度より商品・サービス別に区分して記載しております。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、「創造 和 挑戦」を社是としており、これを拠り所として、グループ会社が各社の事業内容に即した企業理念を定めております。

また、当社は、「創造と和と挑戦をもって、お客さまからの信頼をもとに未来をひらき、世界中のお客さまと感動と喜びを分かち合い、豊かで安全・安心な社会の創生に貢献してゆきます」を企業理念としております

当社グループは、これらの企業理念の実現のため、次期においては次の経営方針を定めております。

a. 事業構造改革の更なる進化をめざす

b. 新規事業の創生に挑戦する

c.「全体最適」による生産性向上をめざす

(2) 経営環境

次期におきましては、日本経済の景気見通しが引き続き弱含みであることや、国内情報サービスの代替となる製品・サービス(パブリック型クラウドサービスや情報サービスの海外調達)の影響により、全般的に成長のスピードは鈍化するものと予測されております。一方、FinTech、IoT、セキュリティ、AI、ビッグデータやクラウドに関する情報技術の革新が進んでおり、新たな成長分野として期待されております。また、政府主導による「働き方改革」推進の影響による情報サービス需要の高まりも見込まれております。

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

このような経営環境の中、当社グループは、製品・サービスを拡充するとともに、プロジェクト管理の徹底や品質の向上により、受注・売上の拡大と収益力の強化に努めてまいります。

これにより、中長期的に持続的成長と高収益体質を確立し、企業価値を向上し続けていくことで、株主の皆様・お客様・従業員など、当社グループを取り巻くすべてのステークホルダーにご満足頂くことをめざしております。

これらの目的達成のため、当社グループの経営方針に従って以下の課題に取り組みます。

受注・売上の拡大

情報サービス市場の中で、産業・金融・公共の3つの分野を中核として、既存のお客様により良いソリューションを提供していくとともに、新規のお客様との取引拡大に取り組み、受注・売上の増大を図ります

そのために、従来の人員派遣型ビジネスから、主力製品やサービスのソリューション販売、パッケージのクラウド提供、コンサルティングサービスなどの高付加価値なサービス提供型ビジネスへと事業構造の改革に挑戦します。

「全体最適」による生産性の向上

高収益体質を確立するためには生産性の向上が欠かせません。当社グループでは働き方改革を推進し、「全体最適」の観点から生産性を向上させます。

また、業務プロセスの改善とプロジェクトの「視える化」をさらに推進し、業務の効率化と経営判断の迅速化に取り組み、高収益体質への転換を促進します。

③ 技術力の向上

当社グループの得意分野における技術・ノウハウを蓄積するとともに、お客様の要求に応えるための先端技術をグループ会社の株式会社アイネス総合研究所が中心となって取り込み、新規事業の創生に挑戦します

④ グループ内外との連携による事業の拡大

グループ各社との連携強化により経営効率をさらに高め、連結業績の向上を図ります。また、グループ外では、業務提携及びM&Aを戦略的に推進・活用し、業容の拡大や必要な技術・ノウハウの取得に努めます

⑤ 品質の向上とプロジェクト管理の徹底

当社グループの製品・サービスの品質が競争力の源泉であると認識し、継続的に品質向上に取り組んでおり、教育・研修やキャンペーン活動などを通じて社員のさらなる品質意識の向上を図りますさらに、見積り段階またはプロジェクトの初期の段階から管理を徹底し、生産・管理ツールを活用するなど、不調プロジェクトの撲滅に取り組みます。

⑥ 活力ある組織構築と人材育成

「仕事に厳しく、人に優しい職場づくり」に向け、社内のコミュニケーションを活性化し、活力ある組織体制を構築いたします。さらに、技術、プロジェクト管理、マネジメント、国際化などの面で、高収益企業を支える幅広い人材の育成を進めます

⑦ 経営管理の強化とCSRの推進

グループ内の経営管理強化のため、内部統制体制を拡充し、社員のコンプライアンス意識の維持・向上のための教育を充実させ、情報セキュリティや個人情報保護のさらなる徹底を推進いたします

また、文化活動支援などを通じた、より豊かな社会づくりや未来の人材育成に積極的に取り組み、さらに、環境保全活動や社会貢献活動などを通じて、企業に求められる社会的責任を果たしてまいります。

⑧ コーポレート・ガバナンスの強化

当社のコーポレート・ガバナンスは、企業価値の継続的な向上を目的に、以下を基本方針として強化してまいります

a.株主の皆様の権利・利益を守り、平等性を保障するとともに、株主の皆様をはじめとするステークホルダーとの円滑な関係を構築することにより、会社の健全な経営を維持する。

b.会社の財務状況、業績等を含む重要事項について、適時適切な情報開示を行うことによって、企業活動の透明性を確保する

c.取締役会、監査役及び監査役会による経営の監督・監視を充実させ、株主の皆様に対するアカウンタビリティを確保する

4【事業等のリスク】

当社グループの事業活動、経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある主なリスク要因は以下のとおりであります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の防止及び発生した場合の適切な対処に努めておりますが、予測されない事態が発生した場合には、業績に影響を与える可能性があります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業環境リスク

当社グループの属する情報サービス産業においては、お客様の情報化投資動向や技術動向の急激な変化、新規参入企業の増加等により事業環境が大きく変化する可能性があります。この事業環境の変化に対応するため、当社グループは業種業態を絞り込み、お客様業務や業界のノウハウを蓄積することで、より付加価値の高いサービスの提供に取り組んでおります。また、常に技術革新動向を注視し質の高い技術者の育成に取組んでおります。

(2) 開発リスク

ソフトウェアの受託開発及びパッケージ製品などにおいて、品質不良や納期遅延等が発生し、コスト増加により不採算案件が生じるリスクがあります。その結果、お客様との取引契約に関して債務不履行や不法行為が発生した場合、お客様から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあります。これらを回避するために、当社ではプロジェクト管理の徹底、品質や見積り精度の向上など、開発体制の充実に取組んでおります。

(3) 運用リスク

アウトソーシングなど運用サービスにおいて、大規模災害による想定外の損害や長期の電力不足、サイバー攻撃、運用ミスなどにより、システムダウンや回線障害が発生し、お客様の事業が停止もしくは中断した場合、お客様から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがあります。これらを回避するために、当社ではITIL※1に準拠した体制の整備、データセンター設備の増強・バックアップ機能の充実・運用ツールの強化等の設備投資、運用管理の向上、技術者教育、BCP※2の策定などに継続的に取組んでおります

(4) 財務リスク

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況において、現時点では異常な変動はありません。ただし、経済情勢の変化等によるお客様の情報化投資動向、競合状況、プロジェクト案件の進捗状況や採算性等によっては財務リスクが大きく変動する可能性があります。また、当社グループの売上高及び利益は、お客様への納期が期末となることが多いため、第2・第4四半期に集中する傾向にあります

(5) 情報漏洩リスク

当社グループは、業務上、お客様が保有する特定個人情報を含む個人情報や機密情報を含んだ情報資産を受託等で取り扱う場合があります。当該情報が漏洩した場合、お客様から契約上の損害賠償請求または提訴を受けるリスクや情報サービス企業として信用失墜のリスクがありますこれらを回避するために、当社ではISMS※3やプライバシーマーク※4など各種認証の維持・取得に積極的に取り組むとともに、研修や教育などを通じて社員への啓蒙活動を継続的に実施しております

[用語解説]

※1 ITIL(アイティル):Information Technology Infrastructure Libraryの略

英国商務局が策定した、コンピュータシステムの運用・管理業務に関する体系的なガイドライン。ITサービス管理を実行する上での業務プロセスと手法を体系的に標準化しています。

※2 BCP(ビー・シー・ピー):Business Continuity Planの略

企業が、自然災害、大火災、パンデミック、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく事業継続計画です。

※3 ISMS(アイ・エス・エム・エス):Information Security Management Systemの略

情報セキュリティ管理の国際標準に基づき定められた情報セキュリティマネジメントシステムの適合評価制度です。継続的に情報セキュリティリスクを管理しリスク回避や軽減を図り、この認証基準に適合したマネジメントシステムを構築・維持できている企業や団体が第三者機関により認証されます。

※4 プライバシーマーク

個人情報保護に関するJIS(JIS Q 15001:2006個人情報保護マネジメントシステム要求事項)基準に適合し、特定個人情報を含む個人情報の取り扱いを適法かつ適切に行うための体制を整備している企業や団体について、第三者機関が客観的に審査・評価し認定する制度です。

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度中において、経営上の重要な契約等はありません。

6【研究開発活動】

当社グループは、急激な変化を続けている社会環境の中で、新たな社会ニーズを見据え、今後の事業の中心となる製品・サービスの研究開発及び長期的成長の基盤となる基礎的研究や新技術の研究に注力しております。なお、当連結会計年度の研究開発活動に要した研究開発費は88百万円であります。

当社グループの事業は、情報サービス事業の単一セグメントのため、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動を示しております。

(1) 今後の事業の中心となる製品・サービスの研究開発

お客様をとりまく市場や社会、技術などといった環境は年々複雑さを増し、変化の速度も上がってきています。このような状況の中、環境変化への適応を行う取組みのみならず、プロアクティブな変化創出へ事業の舵取りを変えていく動きも出始めています。

このような変化にいち早く対応すべく、株式会社アイネス総合研究所を設立しました。「お客さまとともに社会イノベーションを共創する」をコンセプトに、最先端のデジタルテクノロジーをお客様のビジネスに融合させた革新的なビジネスモデルを調査研究してまいります。今後は、特に当社グループの事業領域に関係の深い、AI、FinTech、地方創生などをテーマに、外部有識者の知見を得つつ、実証実験を交えながら研究してまいります。

(2) 長期的成長の基盤となる基礎的研究や新技術の研究

低コストかつ高品質なシステム構築の実現に向けて、ソフトウェア開発環境を整備・標準化するための技術の研究開発を継続的に行っております。特に、アプリケーション・ソフトウェアを自動生成する技術、業務仕様を可視化し保守性を高めるビジネスルール管理技術、業務に依存しないシステム共通処理を再利用し易くするフレームワーク技術や、高い生産性・品質を実現する開発支援ツール活用技術、拡張性や運用自動化などクラウドの特長的な機能を取り込んだアプリケーションの開発技術の研究を重点的に行っております。そして、これらの技術を取り込んだ自社パッケージの刷新を事業部門と共に実施しております。今後は、アイネス総合研究所にて進めている、AI、Fintech、IoTなどの基礎研究を新規事業に応用して、顧客事業の変革の実現に貢献してまいります

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態

① 資産
 当連結会計年度(以下「当期」という。)末の流動資産は、主に現金及び預金が増加しましたが、受取手形及び売掛金の減少等により、2億44百万円減少し、236億21百万円となりました。固定資産は、47百万円増加し、330億9百万円となりました

② 負債
 流動負債は、主に未払金等の増加により、7億56百万円増加し、69億3百万円となりました。固定負債は、主に退職給付に係る負債の増加により、1億26百万円増加し、117億40百万円となりました。

③ 純資産
 純資産は、主に自己株式の取得等により、10億79百万円減少し、379億86百万円となりました。なお、平成28年8月に自己株式39億74百万円を消却したことに伴い、資本剰余金も同額減少しております。この自己株式の消却による純資産額の変動はありません

④ 設備及びソフトウェア投資等
 当期においては、12億28百万円の設備投資を実施いたしました。主に、事業所建物設備の更新、事業所再編に伴う一部支社の事業所移転、また、データセンター設備や開発機器等の生産設備の更新・拡充などへ投資しております。また、子会社の社員寮を売却いたしました。

 ソフトウェア資産については、地方自治体向けソフトウェアを中心に15億40百万円を投資いたしました。

(2) 経営成績

① 当社グループを取り巻く環境
 当期におけるわが国経済は、国内の雇用・所得環境の改善などを背景に緩やかながらも回復基調が続きました。しかし、新興国の景気下振れ懸念、英国のEU離脱問題、米国の政権交代、各地域での地政学リスクなど、主に海外において不確実性が高まる事象が相次ぎました

 情報サービス産業においても、官公庁・自治体分野でマイナンバー制度に関する需要が上半期で一旦落着いたこと、金融分野においてもマイナス金利政策の影響や、大規模開発案件に区切りがついたことなどがあり、特に下半期は不透明感が増すこととなりました

 このような状況下、当社グループではWeb型総合行政情報システム「WebRings」をはじめとして、ITソリューション・サービスの更なる拡充を図るとともに、プロジェクト管理の徹底や製品・サービス品質の向上に努め、グループ各社の事業の拡大と収益力の強化に取り組んでまいりました。

 一方で、FinTech、IoT、AI、ビッグデータなど、近い将来、社会にイノベーションをもたらすと期待される先端技術・ノウハウを外部有識者との連携の下に蓄積し、事業化を推進する株式会社アイネス総合研究所を設立し、将来を見据えた企業価値向上のための取り組みにも着手しました。

② 売上高

 売上高は、マイナンバー対応のためのシステム改修案件等により、公共分野が過去最高の売上高を更新しましたが、金融・産業分野が減少し、全体としては、前期比2.5%減の384億88百万円となりました。

③ 売上原価
 売上原価は、主に売上高の減少に伴い、前期に比べ14億21百万円減少し、303億7百万円となりました。原価率は、プロジェクト管理の徹底や原価低減を推し進めたことにより、前期から1.7ポイント改善し78.7%となりました。

④ 販売費及び一般管理費
 販売費及び一般管理費は、前期に比べ2億59百万円増加し、57億72百万円となりました。売上高販管費比率は15.0%と、前期比1.0ポイントの増加となりました。

 なお、当期の研究開発費は88百万円となりました。今後の事業の中心となる製品・サービスの研究開発及び長期的成長の基盤となる基礎的研究や新技術の研究を行っております。

⑤ 営業利益
 以上の結果、営業利益は24億7百万円と、前期に比べ1億95百万円の増加となりました。

⑥ 経常利益
 営業外損益には、不動産賃貸料など1億27百万円の収益と、不動産賃貸費用など1億7百万円の費用を計上いたしました。この結果、経常利益は24億27百万円と、前期に比べ1億60百万円の増加となりました。

⑦ 税金等調整前当期純利益
 資産効率の改善に向けた有形固定資産及び投資有価証券の売却等に伴う特別損益を計上したこと等により、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ3億35百万円増加し、24億56百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益
 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ1億59百万円増加し、16億13百万円となりました。

(3) キャッシュ・フロー

① 営業活動によるキャッシュ・フロー
 営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益の計上等により、72億58百万円(前期比51億45百万円増)となりました。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入8億23百万円等があったものの、無形固定資産の取得による支出13億64百万円があったこと等により、△14億58百万円(同29億53百万円減)となりました。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出24億33百万円等により、△21億10百万円(同37億40百万円増となりました。

④ 現金及び現金同等物の当期末残高
 当期末における現金及び現金同等物は97億26百万円となり、前期末に比べ36億90百万円増加いたしました。