第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高27,857百万円(前期41,155百万円)、経常利益13,666百万円(前期19,808百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益11,073百万円(前期17,018百万円)となりました。また、当連結会計年度末の純資産は207,855百万円(前期末189,501百万円)、総資産は237,902百万円(前期末214,245百万円)、自己資本比率は87.4%(前期末88.5%)となりました。

 

 当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称を従来の「投資及び投資事業組合管理運営事業」から「ファンド運用事業」に変更しております。

 

 当連結会計年度の主な営業活動の状況は、次のとおりであります。

 

 

(投資実行の状況)

 当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は20,904百万円(前期21,441百万円)、投資会社数は55社(前期62社)となりました。国内においてはより一層有望企業を厳選して投資を行っております。米国では、ITサービス関連3社に25百万米ドルの新規投資を実行しました。アジアにおいては台湾及び中国の6社に13百万米ドルの新規投資を行っております。

 

(キャピタルゲインと新規上場の状況)

 営業投資有価証券売上高は20,774百万円(前期32,376百万円)となりました。キャピタルゲインは8,800百万円(前期15,689百万円)となりました。その内訳は上場株式の売却によるものが6,499百万円(前期9,989百万円)、上場株式以外によるものが2,301百万円(前期5,699百万円)であります。上場株式以外によるキャピタルゲイン2,301百万円の内訳は売却益5,893百万円(前期10,586百万円)・売却損3,592百万円(前期4,887百万円)であります。

 また、当社グループ及びファンドの投資先からのIPO社数は、国内6社(前期8社)、海外3社(前期6社)となりました。

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

 至 2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

営業投資有価証券売上高①

32,376

20,774

 

売却高

30,824

20,533

 

配当金・債券利子

1,551

240

営業投資有価証券売上原価②

16,687

11,973

 

売却原価

16,687

11,973

 

強制評価損

 

キャピタルゲイン①-②

15,689

8,800

投資倍率①÷②

1.94

1.74

 

上場キャピタルゲイン

9,989

6,499

上場以外キャピタルゲイン

5,699

2,301

 

売却益

10,586

5,893

売却損

4,887

3,592

 

 

(投資損失引当金の状況)

 営業投資有価証券については、その損失に備えるため、投資先の実情に応じ、損失見積額を計上しております。

 個別投資先ごとには、原則として回収見込額が取得原価の70%未満になったものを引当しております。

 また、個別引当対象以外の投資残高に対しても、過去の実績等に基づいた損失見積額を一括して引当しておりました。これまで、厳選集中投資と投資先への関与度を高めてきたことにより、投資の質的向上が図られ、現在は、個別投資先の評価をより精緻に行うことが可能になりました。これにより、2017年1月以降の投資分は、一括引当の対象としておりません。

 当連結会計年度の投資損失引当金繰入額は1,905百万円(前期3,098百万円)となりました。その内訳は、個別引当による繰入が2,006百万円(前期3,370百万円)、一括引当による繰入(△は取崩)が△101百万円(前期△272百万円)であります。

 一方、個別引当について、引当対象投資先の売却や強制評価損等により4,741百万円(前期3,673百万円)を取り崩しました。その結果、投資損失引当金繰入額の純額(△は戻入額)は△2,835百万円(前期△574百万円)となりました。

 以上により、当連結会計年度末の投資損失引当金残高は12,332百万円(前期末15,176百万円)、未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は25.9%(前期末29.8%)となりました。

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資損失引当金繰入額①

3,098

1,905

 

個別繰入額

3,370

2,006

 

一括繰入(△取崩)額

△272

△101

投資損失引当金取崩額②

3,673

4,741

投資損失引当金繰入額(純額・△は戻入額)①-②

△574

△2,835

 

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資損失引当金残高

15,176

12,332

 

個別引当残高

11,834

9,091

 

一括引当残高

3,342

3,241

未上場営業投資有価証券残高に対する引当率

29.8%

25.9%

 

(営業投資有価証券残高の状況)

 上場営業投資有価証券の評価損益(取得原価と時価の差額)は11,358百万円(前期末6,017百万円)であります。その内訳は評価益(時価が取得原価を超えるもの)が11,679百万円(前期末6,499百万円)、評価損(時価が取得原価を超えないもの)が321百万円(前期末482百万円)であります。

 なお、部分純資産直入法により、当連結会計年度は△157百万円(前期△15百万円)を評価損(△は戻入益)として計上しております。

 以上により、当連結会計年度末の営業投資有価証券残高は62,274百万円(前期末60,644百万円)となりました。

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額

6,017

11,358

 

時価が取得原価を超えるもの

6,499

11,679

 

時価が取得原価を超えないもの

△482

△321

 

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益)

△15

△157

 

営業投資有価証券残高

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

取得原価

(百万円)

連結貸借対照表計上額

(百万円)

取得原価

(百万円)

連結貸借対照表計上額

(百万円)

上場

3,763

9,780

3,243

14,601

未上場

45,300

48,215

43,111

45,589

小計

49,064

57,996

46,354

60,190

他社ファンドへの出資

2,257

2,648

1,720

2,084

合計

51,322

60,644

48,075

62,274

(注)1「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者が運営する投資ファンドへの出資であります。

.「未上場」及び「他社ファンドへの出資」の取得原価と連結貸借対照表計上額との差異は、外国為替の評価差額のみを反映しています。

 

(ファンドの管理運営業務)

 当連結会計年度のファンドの管理運営業務による収入は7,062百万円(前期8,688百万円)で、その内訳は以下のとおりであります。

 なお、当連結会計年度において、ジャフコSV5シリーズ(コミットメント総額650億円)を設立いたしました。また、前連結会計年度に設立したIcon Ventures Ⅵ, L.P.は、コミットメント総額が66百万米ドル増額し225百万米ドルになりました(2017年3月末時点、継続募集中

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

 至 2017年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資事業組合管理収入

8,688

7,062

 

管理報酬

3,812

3,494

 

成功報酬

4,875

3,567

(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。

 

 

 

(2)キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは15,117百万円のキャッシュインフロー(前期12,788百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは1,580百万円のキャッシュアウトフロー(前期11,768百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは5,817百万円のキャッシュアウトフロー(前期14,092百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に配当の支払いによるものであります。

 これらの結果、現金及び現金同等物は7,877百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は107,179百万円(前期末99,302百万円)となりました。そのうち9,371百万円(前期末6,987百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で19,385百万円(前期末18,220百万円)であります。

 

2【営業投資活動の状況】

 当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。

 ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。

 連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。

 次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

 

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(注)用語説明

名  称

定    義

ファンド

当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等)

当社グループ

当社及び連結子会社

 

(1)投資実行状況

(1)-1 投資実行額

 

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

金 額(百万円)

社 数

金 額(百万円)

社 数

エクイティ

21,441

62

20,904

55

 

(1)-2 エクイティ投資実行額:業種別

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

エレクトロニクス

1,074

ソフトウェア

1,244

1,882

ITサービス

14,492

12,818

医療・バイオ

1,229

731

サービス

598

605

製造業

944

738

流通・小売・外食

1,858

4,128

合計

21,441

20,904

 

(1)-3 エクイティ投資実行額:地域別

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

日本

12,195

15,180

米国

5,008

3,938

アジア

4,236

1,786

合計

21,441

20,904

(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。

2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。

3.米国のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。

 

(2)投資残高

(2)-1 投資残高

 

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金 額(百万円)

社 数

金 額(百万円)

社 数

エクイティ

上場

8,194

39

6,559

37

未上場

118,387

302

111,315

260

小計

126,581

341

117,875

297

他社ファンドへの出資

2,257

37

1,720

30

 

合計

128,839

378

119,596

327

 

(2)-2 未上場エクイティ投資残高:業種別

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

エレクトロニクス

18,346

13,984

ソフトウェア

18,492

19,750

ITサービス

46,631

52,900

医療・バイオ

5,669

2,697

サービス

13,176

8,050

製造業

11,236

6,897

流通・小売・外食

3,452

6,161

住宅・金融等

1,381

873

合計

118,387

111,315

 

(2)-3 未上場エクイティ投資残高:地域別

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

日本

61,817

54,129

米国

29,547

33,394

アジア

27,022

23,791

合計

118,387

111,315

(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。

2.「投資残高」は取得原価で表示しております。

3.「エクイティ」には、他社との共同投資によるファンドへの出資を含んでおります。

4.「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者の運営する投資ファンドへの出資であり、「社数」欄にはファンド数を表示しております。

5.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。

6.米国のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。

(3)ファンドの運用状況

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

ファンド数

出資金総額

ファンド数

出資金総額

円建

 

 

(百万円)

 

(百万円)

運用中

13

205,500

17

270,500

延長中

14

155,400

9

97,500

小計

27

360,900

26

368,000

米ドル建

 

 

(千米ドル)

 

(千米ドル)

運用中

8

513,285

7

426,176

延長中

2

125,800

3

169,000

小計

10

639,085

10

595,176

 

合計

 

 

(百万円)

 

(百万円)

運用中

21

263,337

24

318,312

延長中

16

169,575

12

116,460

合計

37

432,912

36

434,772

(注)1.「出資金総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。

2.合計欄における米ドル建「出資金総額」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。

3.「出資金総額」に占める当社グループの出資持分は、前連結会計年度では38.5%、当連結会計年度では36.6%であります。

 

(4)投資先会社IPO(新規上場)の状況

前連結会計年度(2015年4月1日~2016年3月31日)

 

投資先会社名

上場年月日

上場市場

事業内容

本 社

所在地

国内:8社

㈱レントラックス

2015年4月24日

マザーズ

成果報酬型広告サービス事業、検索連動型広告代行事業

東京都

Gunosy

2015年4月28日

マザーズ

情報キュレーションアプリ「Gunosy(グノシー)」の運営

東京都

㈱エコノス

2015年6月24日

アンビシャス

古物商、電気器具・住宅設備機器・各種ソフト・楽器及びこれ等に関連する物品の販売、書籍及びこれ等に関連する物品の販売、インターネットを利用した物品の販売、カーボン・オフセット・プロバイダー事業、環境コンサルタント事業

北海道

㈱中村超硬

2015年6月24日

マザーズ

電子材料スライス周辺事業、特殊精密機器事業、化学繊維用紡糸ノズル事業

大阪府

㈱アクアライン

2015年8月31日

マザーズ

「水道屋本舗」の屋号による水まわり緊急修理サービスの提供等

広島県

㈱ブランジスタ

2015年9月17日

マザーズ

電子雑誌出版事業

東京都

AppBank

2015年10月15日

マザーズ

スマートフォン向けアプリの紹介記事等を掲載するメディアサイト「AppBank.net」の運営、自社アプリや動画コンテンツの提供、スマートフォン及びゲーム関連商材のECサイトの運営及び店舗販売等

東京都

㈱ヨシムラ・フード・
ホールディングス

2016年3月4日

マザーズ

食料品等の製造・販売業を行うグループ会社の経営管理及びそれに付随する業務

東京都

海外:6社

Teladoc, Inc.

2015年7月1日

NYSE

遠隔医療サービスとその情報インフラの開発・運営

米国

WAPS Co., Ltd.

2015年8月24日

KOSDAQ

熱可塑性エラストマー製造

韓国

Savior Lifetec Corporation

2015年9月8日

台湾店頭

抗生物質の無菌医薬原体(API)の開発・製造

台湾

Park Systems Corp.

2015年12月17日

KOSDAQ

産業用の原子間力顕微鏡(AFM)システムの開発

韓国

Egis Technology Inc.

2015年12月23日

台湾店頭

指紋認証ソリューションの提供

台湾

China Crystal New Material Holdings Co., Ltd.

2016年1月28日

KOSDAQ

化学合成マイカ(雲母)製造・販売

中国

(注)1.海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。

2.上記のほか、当連結会計年度に株式交換・合併により上場会社に買収され、上場会社の株式を取得した主な投資先は以下のとおりであります。

㈱アラタナ

当連結会計年度(2016年4月1日~2017年3月31日)

 

投資先会社名

上場年月日

上場市場

事業内容

本 社

所在地

国内:6社

㈱ベガコーポレーション

2016年6月28日

マザーズ

家具・インテリア等のインターネット通信販売事業、越境市場をターゲットとしたグローバルECサイトの運営等

福岡県

KHネオケム㈱

2016年10月12日

東証1部

溶剤、可塑剤原料、冷凍機油原料等各種化学品の製造・販売

東京都

WASHハウス㈱

2016年11月22日

マザーズ/
福岡Q-Board

コインランドリー「WASHハウス」のチェーン本部としてフランチャイズシステムの提供等

宮崎県

日宣

2017年2月16日

JASDAQ/S

広告・セールスプロモーションを中心としたコミュニケーションサービス全般の提供

東京都

ロコンド

2017年3月7日

マザーズ

通販サイト「LOCONDO.jp」の運営、プラットフォームサービスの提供

東京都

ティーケーピー

2017年3月27日

マザーズ

貸会議室の運営を中心として、付随する飲料・オプション・宿泊サービス等を展開

東京都

海外:3社

OptoPAC Inc.

2016年7月20日

KOSDAQ

イメージセンサ等のパッケージングソリューション開発

韓国

Concraft Holding Co., Ltd.

2016年11月11日

台湾

証券取引所

各種コネクタ、携帯端末用音響部品等、インサートモールド製品、精密金型開発・製造

台湾

Suzhou MedicalSystem Technology Co., Ltd.

2016年12月8日

上海

証券取引所

臨床情報システム(CIS)の開発・販売

中国

(注)1.海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。

2.上記のほか、当連結会計年度に株式交換・合併により上場会社に買収され、上場会社の株式を取得した主な投資先は以下のとおりであります。

miRagen Therapeutics, Inc.

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

①当社のミッション

「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」

当社は創業以来、様々な革新的製品やサービスを起業家と生み出してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。

②ミッション実現に向けた方針と戦略

当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりミッションの実現を図ります。

ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めます。

・厳選集中投資と経営関与

 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。

・ファンドパフォーマンスの持続的向上

 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを向上させ、外部出資者を確保することが不可欠です。また当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにその収益を享受します。厳選集中投資と経営関与により良質なポートフォリオを積み上げ、ファンドパフォーマンスの持続的向上を目指します。

・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ

 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が創業来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が
「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。

 

(2)会社の対処すべき課題

当社が対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

①厳選集中投資と経営関与により新事業を創出

 世の中に必要とされる新しい価値=新事業を継続的に生み出していくことが、当社の使命です。そのためには、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行っていくことが必要です。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進していきます。

②ファンドパフォーマンス向上を持続的に追及

 十分な投資資金を確保するには、外部出資者を安定的に確保することが不可欠です。当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにファンドからの収益を享受しています。長期にわたるファンドパフォーマンスの持続的な向上が、当社の最大の責務です。

③良質なポートフォリオの積み上げ

 「厳選集中投資」「コミットメント投資」による良質なポートフォリオを積み上げていくことが、ファンドパフォーマンスの向上につながります。今後もこの投資方針を堅持し、投資対象マーケットの拡大と投資運用能力を合致させながら、運用資産の拡大も視野に入れていきます。

④投資先の「CO-FOUNDER」となりうる人材の育成

 当社は、起業家とともに事業の立ち上げに深く関わり、「チャレンジ精神」や「開拓者魂」を持ち合わせた若手の育成を、創業以来重視しています。成功や失敗の体験を絶えず受け継ぎ、蓄積していくことが、永続的なファンドパフォーマンスの向上につながると確信しています。

⑤自己資本の充実と株主還元のバランスを重視

 スタートアップ企業を主体とした良質のポートフォリオを積み上げ、その価値を高め、最適なEXITをつくりだすためには、長期間を要します。IPOやM&A等によるEXIT価値は、市場環境によって大きく変動します。流動性が乏しい未上場企業に投資をし、高いパフォーマンスを上げると同時に、継続的な株主還元を行っていくために、自己資本の充実と強固な財務基盤の維持を図っていきます。

 

 当社は、「CO-FOUNDER」という新たな企業アイデンティティーを確立し、下記の五つの姿勢を堅持していくことに全力で取り組みます。

経験知を受け継ぎ成功を再現する

次世代を追求し事業をつくりだす

グローバルに展開しローカルに集中する

起業家と真摯に企業価値を高める

先駆者として規律と透明性を守り抜く

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対策に努めてまいります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2017年6月21日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

 当社グループは主に当社グループが管理運営するファンドの資金を使って、日本・米国・アジアで未上場株式等への投資を行っております。当社グループはファンドからの管理報酬及び成功報酬に加え、ファンドに自己資金を出資することにより、投資成果であるキャピタルゲインをファンドの他の出資者とともに享受します。
 ファンドのパフォーマンスは、日本、米国及びアジア地域の経済情勢や株式市場の動向に影響を受けます。世界経済が不況に陥った場合には投資先企業の業績不振につながる可能性があり、また株式市場やIPO市場が低調な場合にはファンドが得るキャピタルゲイン及び成功報酬も大きく変動する可能性があります。こうした場合は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)未上場株式等への投資

 当社グループ及びファンドは、未上場株式等を投資対象としております。未上場企業は、一般に収益基盤や財務基盤が不安定であり、経営資源に制約があること等から、景気や市場動向、競争状況等の影響を受けやすく、不確実性が高いといった特徴があります。そのため、未上場株式等への投資には以下のようなリスクが存在し、これらはファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

①投資によってキャピタルゲインが得られるかどうかについての確約はありません。

②投資によっては、キャピタルロスが発生する可能性があります。

③投資対象は、ファンドの運営期間中に株式上場、売却等が見込める企業を前提としていますが、株式上場時期・売却等が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。

④未上場株式等は、上場企業の株式等に比べ流動性が著しく劣ります。そのため、未上場段階で売却する場合は、当社グループが希望する条件で売却できない可能性があります。

(3)専業であること

 当社グループは、ファンドの管理運営、日本・米国・アジアでの未上場株式投資に経営資源を集中し事業活動を行っております。当業界は世界経済の情勢変化や世界各国の株式市場・IPO市場の影響を強く受ける業態であるため、このような変化等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)競合

 当社グループの主たる業務である未上場株式投資では、競合他社との間で有望な未上場企業への投資案件獲得競争が激しさを増しております。こうした競合により有望企業への投資機会を逸した場合や、必ずしも当社グループが望む条件ではない場合は、十分なキャピタルゲインをあげることができず、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)株価下落

 当社グループ及びファンドが保有する上場株式の株価の下落は、ファンドのパフォーマンスならびに当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)為替レートの変動

 当社グループは、日本だけでなく、米国・アジアを主とする海外での地域分散投資を行っております。こうした海外投資により保有する資産は、米ドルを中心とする外貨建であるため、為替レートの変動は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)ファンド募集

 当社グループは、主にファンドの資金を使って投資を行っております。そのため、ファンドパフォーマンスの低迷、ファンド条件や管理運営手法に対する出資者ニーズとの乖離といった要因により、今後のファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、管理報酬が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)情報の管理

 当社グループが保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理については、情報管理規程、プライバシーポリシー及び各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を行っております。しかし、今後、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9)法的規制

 当社グループは、ファンドの運営管理、未上場株式投資を日本・米国・アジアを中心に行っており、その活動にあたっては日本及び各関係国の種々の法的規制(会社法(商法)・独占禁止法・租税法・金融商品取引法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・財務会計関連法規等)を受けることとなります。従いまして、その活動が制限される場合及びこれら規制との関係で費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)法令違反等

 当社グループ及びその役職員が、投資活動における関連法規や各種の契約等への違反、ファンドの無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしての善管注意義務違反、又は業務上の過誤や不祥事等により、投資先企業、ファンド出資者その他の第三者に損害を与えた場合は、当該損害に対する賠償責任を当社グループが負う可能性があります。さらに、こうした法令違反等による社会的信用の低下や監督当局の行政処分等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)役員派遣

 当社グループは、投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対し役員損害賠償請求等があった場合、当社グループによるその個人に生じた経済的損失の全部又は一部の負担や、当社グループの使用者責任等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)有能な人材の確保や育成

 当社グループの将来の成長と成功は、その事業の特性上有能なベンチャーキャピタリスト等の人材に大きく依存いたします。従いまして、有能な人材を確保できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材を確保・育成するためには費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13)野村ホールディングス株式会社及びその関係会社との資本関係について

 野村ホールディングス株式会社が当社の議決権を19.5%保有(うち間接保有0.3%を含む)しています。また、同社の関連会社(株式会社野村総合研究所)が当社の議決権を11.2%保有しています。しかしながら、当社に対する野村ホールディングス株式会社及びその関係会社の持株比率の安定性は、保証されているわけではありません。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

①投資損失引当金

 当社グループは、期末に有する営業投資有価証券の損失に備えるため、投資先企業の実情を勘案の上、その損失見積額を計上しております。従いまして、実際の損失が投資損失引当金計上時点における前提及び見積りと異なる可能性があります。また、経済状況・投資先企業の財政状態の悪化等により、設定した前提及び見積りを変更して投資損失引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

②繰延税金資産

 当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③退職給付費用

 当社グループの退職金制度は、概ね退職一時金及び確定拠出年金の割合が均等となるよう退職金制度を採用しております。確定拠出年金の割合が概ね半分であるため、全てが一時金である場合に比べ、割引率・昇給率・死亡率等(基礎率)の前提に基づいて計算される年金債務(PBO)の割合は相対的に低く、これら基礎率の変更等による退職給付費用への影響は相対的に小さなものとなっております。しかし、年金債務の計算はありますので、前提の変更等によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度における当社グループの経営成績は、連結売上高は27,857百万円、経常利益は13,666百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は11,073百万円となりました。

①売上高の分析

(営業投資有価証券売上高及びキャピタルゲインの状況)

 営業投資有価証券売上高は20,774百万円(前期32,376百万円)であります。キャピタルゲインは、8,800百万円(前期15,689百万円)となりました。その内訳は上場株式の売却によるものが6,499百万円(前期9,989百万円)、上場株式以外によるものが2,301百万円(前期5,699百万円)であります。上場株式以外によるキャピタルゲイン2,301百万円の内訳は、買収・トレードセール等による売却益5,893百万円(前期10,586百万円)・売却損3,592百万円(前期4,887百万円)であります。

(ファンドの管理運営業務)

 当連結会計年度のファンドの管理運営業務による収入は7,062百万円(前期8,688百万円)で、その内訳は管理報酬が3,494百万円(前期3,812百万円)、成功報酬が3,567百万円(前期4,875百万円)であります。

②営業投資有価証券の評価損の分析

 投資損失引当金については、個別銘柄ごとには、原則として回収見込額が取得原価の70%未満になったものを引当しております。また、個別引当対象以外の投資先に対しても、過去の実績等に基づいた損失見積額を一括して引当しておりました。これまで、厳選集中投資と投資先への関与度を高めてきたことにより、投資の質的向上が図られ、現在は、個別投資先の評価をより精緻に行うことが可能になりました。これにより、2017年1月以降の投資分は、一括引当の対象としておりません。

 当連結会計年度の投資損失引当金繰入額の純額(△は戻入額)は△2,835百万円(前期△574百万円)となり、当連結会計年度末の投資損失引当金残高は12,332百万円(前期末15,176百万円)、未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は25.9%(前期末29.8%)となりました。

 また、部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損計上額(△は戻入益)は△157百万円(前期△15百万円)となりました。

③販売費及び一般管理費の分析

 販売費及び一般管理費は、前期5,689百万円に対し当連結会計年度5,476百万円と212百万円減少いたしました。これは主に海外子会社で経費が減少したことによるものであります。

④営業外損益及び特別損益の分析

 営業外収益は、前期1,382百万円に対し当連結会計年度1,520百万円と138百万円増加いたしました。これは主に受取配当金の増加によるものであります。

 営業外費用は、前期800百万円に対し当連結会計年度178百万円と621百万円減少いたしました。これは主に為替差損の減少によるものであります。

 特別利益は、前期計上はありませんでしたが、当連結会計年度は償却債権取立益の発生による513百万円を計上しました。

 特別損失は、前期、当連結会計年度とも計上はありませんでした。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは15,117百万円のキャッシュインフロー(前期12,788百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは1,580百万円のキャッシュアウトフロー(前期11,768百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは5,817百万円のキャッシュアウトフロー(前期14,092百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に配当の支払いによるものであります。

 これらの結果、現金及び現金同等物は7,877百万円増加し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は107,179百万円(前期末99,302百万円)となりました。そのうち9,371百万円(前期末6,987百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で19,385百万円(前期末18,220百万円)であります。

②資金需要について

 当社の運転資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であります。販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。