第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 世界的な産業構造の大転換をもたらすデジタル革命は、その助走期間を終え、飛躍的にスピードを上げています。既存産業の仕組みを根本から変え、新たな産業を生み出しています。日本でも有望なスタートアップ企業が本格的に出現しています。次世代を担う若い起業家が急増しています。そのような背景から、ベンチャーキャピタルの投資対象も、スタートアップ企業に大きくシフトしています。加えて、事業会社や機関投資家等によるベンチャー投資も急増し、競争が激化しています。

 当社は創業以来、常に時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのベンチャーキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。事業の構想段階から経営に関与し、起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。

 単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」、共同創業者という意志を持ち、「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」という当社のミッションを実現していきます。新進気鋭の起業家や機関投資家を中心とするファンド出資者へのコミットメントを、より明確にするべく、創業以来の会社型からパートナーシップモデルのベンチャーキャピタルに大きく転換していきます。能力の高い個人(パートナー)が主体となり、今後募集するファンドに当社とともに出資し、成功報酬を享受していきます。長期にわたり蓄積してきた組織力にも磨きをかけ、投資先の価値向上とファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。

 

(1)会社の経営の基本方針

①当社のミッション

「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」

当社は創業以来、様々な革新的製品やサービスを起業家と生み出してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。

②ミッション実現に向けた方針と戦略

当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりミッションの実現を図ります。

ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めます。

・厳選集中投資と経営関与

 新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。

・ファンドパフォーマンスの持続的向上

 十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを向上させ、外部出資者を確保することが不可欠です。また当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにその収益を享受します。厳選集中投資と経営関与により良質なポートフォリオを積み上げ、ファンドパフォーマンスの持続的向上を目指します。

・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ

 事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が創業来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が
「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。

 

(2)会社の対処すべき課題

当社が対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。

①厳選集中投資と経営関与により新事業を創出

 世の中に必要とされる新しい価値=新事業を継続的に生み出していくことが、当社の使命です。そのためには、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行っていくことが必要です。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進していきます。

②ファンドパフォーマンス向上を持続的に追求

 十分な投資資金を確保するには、外部出資者を安定的に確保することが不可欠です。当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにファンドからの収益を享受しています。長期にわたるファンドパフォーマンスの持続的な向上が、当社の最大の責務です。

③良質なポートフォリオの積み上げ

 「厳選集中投資」「コミットメント投資」による良質なポートフォリオを積み上げていくことが、ファンドパフォーマンスの向上につながります。今後もこの投資方針を堅持し、投資対象マーケットの拡大と投資運用能力を合致させながら、運用資産の拡大も視野に入れていきます。

④投資先の「CO-FOUNDER」となりうる人材の育成

 当社は、起業家とともに事業の立ち上げに深く関わり、「チャレンジ精神」や「開拓者魂」を持ち合わせた若手の育成を、創業以来重視しています。成功や失敗の体験を絶えず受け継ぎ、蓄積していくことが、永続的なファンドパフォーマンスの向上につながると確信しています。

⑤自己資本の充実と株主還元のバランスを重視

 スタートアップ企業を主体とした良質のポートフォリオを積み上げ、その価値を高め、最適なEXITをつくりだすためには、長期間を要します。IPOやM&A等によるEXIT価値は、市場環境によって大きく変動します。流動性が乏しい未上場企業に投資をし、高いパフォーマンスを上げると同時に、継続的な株主還元を行っていくために、自己資本の充実と強固な財務基盤の維持を図っていきます。

 

 また、「CO-FOUNDER」という企業アイデンティティーを確立し、下記の五つの姿勢を堅持していきます。

経験知を受け継ぎ成功を再現する

次世代を追求し事業をつくりだす

グローバルに展開しローカルに集中する

起業家と真摯に企業価値を高める

先駆者として規律と透明性を守り抜く

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対策に努めてまいります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2018年6月20日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

 当社グループは主に当社グループが管理運営するファンドの資金を使って、日本・米国・アジアで未上場株式等への投資を行っております。当社グループはファンドからの管理報酬及び成功報酬に加え、ファンドに自己資金を出資することにより、投資成果であるキャピタルゲインをファンドの他の出資者とともに享受します。
 ファンドのパフォーマンスは、日本、米国及びアジア地域の経済情勢や株式市場の動向に影響を受けます。世界経済が不況に陥った場合には投資先企業の業績不振につながる可能性があり、また株式市場やIPO市場が低調な場合にはファンドが得るキャピタルゲイン及び成功報酬も大きく変動する可能性があります。こうした場合は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)未上場株式等への投資

 当社グループ及びファンドは、未上場株式等を投資対象としております。未上場企業は、一般に収益基盤や財務基盤が不安定であり、経営資源に制約があること等から、景気や市場動向、競争状況等の影響を受けやすく、不確実性が高いといった特徴があります。そのため、未上場株式等への投資には以下のようなリスクが存在し、これらはファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

①投資によってキャピタルゲインが得られるかどうかについての確約はありません。

②投資によっては、キャピタルロスが発生する可能性があります。

③投資対象は、ファンドの運営期間中に株式上場、売却等が見込める企業を前提としていますが、株式上場時期・売却等が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。

④未上場株式等は、上場企業の株式等に比べ流動性が著しく劣ります。そのため、未上場段階で売却する場合は、当社グループが希望する条件で売却できない可能性があります。

(3)専業であること

 当社グループは、ファンドの管理運営、日本・米国・アジアでの未上場株式投資に経営資源を集中し事業活動を行っております。当業界は世界経済の情勢変化や世界各国の株式市場・IPO市場の影響を強く受ける業態であるため、このような変化等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)競合

 当社グループの主たる業務である未上場株式投資では、競合他社との間で有望な未上場企業への投資案件獲得競争が激しさを増しております。こうした競合により有望企業への投資機会を逸した場合や、必ずしも当社グループが望む条件ではない場合は、十分なキャピタルゲインをあげることができず、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5)株価下落

 当社グループ及びファンドが保有する上場株式の株価の下落は、ファンドのパフォーマンスならびに当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6)為替レートの変動

 当社グループは、日本だけでなく、米国・アジアを主とする海外での地域分散投資を行っております。こうした海外投資により保有する資産は、米ドルを中心とする外貨建であるため、為替レートの変動は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7)ファンド募集

 当社グループは、主にファンドの資金を使って投資を行っております。そのため、ファンドパフォーマンスの低迷、ファンド条件や管理運営手法に対する出資者ニーズとの乖離といった要因により、今後のファンド募集において出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、管理報酬が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8)情報の管理

 当社グループが保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理については、情報管理規程、プライバシーポリシー及び各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を行っております。しかし、今後、不測の事態によりこれらの情報が漏洩した場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9)法的規制

 当社グループは、ファンドの運営管理、未上場株式投資を日本・米国・アジアを中心に行っており、その活動にあたっては日本及び各関係国の種々の法的規制(会社法(商法)・独占禁止法・租税法・金融商品取引法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・財務会計関連法規等)を受けることとなります。従いまして、その活動が制限される場合及びこれら規制との関係で費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10)法令違反等

 当社グループ及びその役職員が、投資活動における関連法規や各種の契約等への違反、ファンドの無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしての善管注意義務違反、又は業務上の過誤や不祥事等により、投資先企業、ファンド出資者その他の第三者に損害を与えた場合は、当該損害に対する賠償責任を当社グループが負う可能性があります。さらに、こうした法令違反等による社会的信用の低下や監督当局の行政処分等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11)役員派遣

 当社グループは、投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対し役員損害賠償請求等があった場合、当社グループによるその個人に生じた経済的損失の全部又は一部の負担や、当社グループの使用者責任等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(12)有能な人材の確保や育成

 当社グループの将来の成長と成功は、その事業の特性上有能なベンチャーキャピタリスト等の人材に大きく依存いたします。従いまして、有能な人材を確保できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材を確保・育成するためには費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。

 

経営成績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高29,470百万円(前期27,857百万円)、経常利益15,554百万円(前期13,666百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益24,235百万円(前期11,073百万円)となりました。国内投資先の新規上場(IPO)とバイアウト投資先のM&Aによる大きなキャピタルゲインが業績に貢献しました。また、保有する株式会社野村総合研究所の株式の一部を売却したことによる特別利益により、当期純利益が大きく増加しています。

当連結会計年度末の純資産は160,299百万円(前期末207,855百万円)、総資産は191,550百万円(前期末237,902百万円)、自己資本比率は83.7%(前期末87.4%)となりました。

 当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。

 当連結会計年度の主な営業活動の状況は、次のとおりであります。

 

 

(投資実行の状況)

 当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は大幅に増加し、30,222百万円(前期20,904百万円)、投資会社数は67社(前期55社)となりました。国内においてはより一層有望企業を厳選して投資を行っております。米国では、ITサービス関連4社に50百万米ドルの新規投資を実行しました。アジアにおいては台湾、中国及びシンガポールの9社に42百万米ドルの新規投資を行っております。

 基幹ファンドの増額により、1年間の組入れ想定額も増加していますが、ややオーバーペースとなっています。各年度により、地域ごとの投資総額は変動します。投資対象の業界動向、競合状況、バリュエーションなどを見据えながら、3年前後のファンドの新規組入れ期間を意識したポートフォリオの構築を計っていきます。

(キャピタルゲインと新規上場の状況)

 営業投資有価証券売上高は23,470百万円(前期20,774百万円)になりました。キャピタルゲインは、13,621百万円(前期8,800百万円)となりました。その内訳は上場株式の売却によるものが11,281百万円(前期6,499百万円)、上場株式以外によるものが2,340百万円(前期2,301百万円)であります。上場株式以外によるキャピタルゲイン2,340百万円の内訳は売却益6,750百万円(前期5,893百万円)・売却損4,410百万円(前期3,592百万円)であります。

 また、当社グループ及びファンドの投資先からのIPO社数は、国内7社(前期6社)、海外1社(前期3社)となりました。

 投資先における保有シェアを高めたことにより、M&Aやトレードセールも増加し、EXITの多様化が進んでいます。ここ数年で大きなキャピタルゲインをともなったIPOやM&Aの殆どが、厳選集中投資から生まれています。今後もIPO社数を追うことなく、一社当たりのキャピタルゲインの最大化を目指します。

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

 至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

 至 2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

営業投資有価証券売上高①

20,774

23,470

 

売却高

20,533

23,322

 

配当金・債券利子

240

147

営業投資有価証券売上原価②

11,973

9,848

 

売却原価

11,973

9,848

 

強制評価損

 

キャピタルゲイン①-②

8,800

13,621

投資倍率①÷②

1.74

2.38

 

上場キャピタルゲイン

6,499

11,281

上場以外キャピタルゲイン

2,301

2,340

 

売却益

5,893

6,750

売却損

3,592

4,410

 

 

(投資損失引当金の状況)

 営業投資有価証券については、その損失に備えるため、投資先の実情に応じ、損失見積額を計上しております。

 個別投資先ごとには、原則として回収見込額が取得原価の70%未満になったものを引当しております。

 また、個別引当対象以外の投資残高に対しても、過去の実績等に基づいた損失見積額を一括して引当しておりました。これまで、厳選集中投資と投資先への関与度を高めてきたことにより、投資の質の向上が図られ、現在は、個別投資先の評価をより精緻に行うことが可能になりました。これにより、2017年1月以降の投資分は、一括引当の対象としておりません。

 当連結会計年度の投資損失引当金繰入額は2,283百万円(前期1,905百万円)となりました。その内訳は、個別引当による繰入が3,817百万円(前期2,006百万円)、一括引当による繰入(△は取崩)が△1,534百万円(前期△101百万円)であります。

 一方、個別引当について、引当対象投資先の売却や強制評価損等により3,148百万円(前期4,741百万円)を取り崩しました。その結果、投資損失引当金繰入額の純額(△は戻入額)は△865百万円(前期△2,835百万円)となりました。また、上記取り崩しのほか、当社が直接保有する営業投資有価証券の一部を投資有価証券勘定に変更して減損したことに伴い、投資損失引当金を1,098百万円取り崩しております。

 以上により、当連結会計年度末の投資損失引当金残高は10,351百万円(前期末12,332百万円)、未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は20.9%(前期末25.9%)となりました。

 投資方針を大きく見直し、国内ではピーク時に1,000社を超えていたポートフォリオを120社程度に絞り込みました。また、厳選集中投資により、良質のポートフォリオを積み上げてきたことで、投資損失引当金残高も大きく減少しています。

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資損失引当金繰入額①

1,905

2,283

 

個別繰入額

2,006

3,817

 

一括繰入(△取崩)額

△101

△1,534

投資損失引当金取崩額②

4,741

3,148

投資損失引当金繰入額(純額・△は戻入額)①-②

△2,835

△865

 

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資損失引当金残高

12,332

10,351

 

個別引当残高

9,091

8,644

 

一括引当残高

3,241

1,707

未上場営業投資有価証券残高に対する引当率

25.9%

20.9%

 

(営業投資有価証券残高の状況)

 上場営業投資有価証券の評価損益(取得原価と時価の差額)は9,633百万円(前期末11,358百万円)であります。その内訳は評価益(時価が取得原価を超えるもの)が9,850百万円(前期末11,679百万円)、評価損(時価が取得原価を超えないもの)が216百万円(前期末321百万円)であります。

 なお、部分純資産直入法により、当連結会計年度は△105百万円(前期△157百万円)を評価損(△は戻入益)として計上しております。

 以上により、当連結会計年度末の営業投資有価証券残高は61,287百万円(前期末62,274百万円)となりました。

 投資先社数と投資残高を一段と絞り込み、より質の高い運用資産の入れ替えを進めてきました。その結果、未上場の投資残高は減少が続いていましたが、1社当たりの投資額が急増したことにより、当期は増加に転じています。

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額

11,358

9,633

 

時価が取得原価を超えるもの

11,679

9,850

 

時価が取得原価を超えないもの

△321

△216

 

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益)

△157

△105

 

営業投資有価証券残高

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

取得原価

(百万円)

連結貸借対照表計上額

(百万円)

取得原価

(百万円)

連結貸借対照表計上額

(百万円)

上場

3,243

14,601

2,035

11,669

未上場

43,111

45,589

46,528

47,743

小計

46,354

60,190

48,564

59,412

他社ファンドへの出資

1,720

2,084

1,807

1,874

合計

48,075

62,274

50,371

61,287

(注)1「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者が運営する投資ファンドへの出資であります。

.「未上場」及び「他社ファンドへの出資」の取得原価と連結貸借対照表計上額との差異は、外国為替の評価差額のみを反映しています。

 

(ファンドの管理運営業務)

 当連結会計年度のファンドの管理運営業務による収入は5,987百万円(前期7,062百万円)で、その内訳は以下のとおりであります。

 当連結会計年度において、JAFCO Asia Technology Fund Ⅶ L.P.(コミットメント総額128百万米ドル。2018年4月に140百万米ドルで募集を完了を設立いたしました。また、前連結会計年度に設立したSV5ファンドは、コミットメント総額が100億円増額し750億円になりました。同じくIcon Ventures Ⅵ, L.P.は、コミットメント総額が37百万米ドル増額し262百万米ドルになりました。一方、V2ファンド(総額940億円)については2017年12月末をもって延長期間を終了し清算しています。そのため、運用中のファンド総額が減少しています。

 当連結会計年度は、最大のファンドであるSV3ファンド等の分配により、成功報酬を2,435百万円計上しました。海外ファンドの募集があった一方で、大型ファンドの清算や運用年数の経過により、管理報酬は当面減少が見込まれます。ファンドの運用会社として、基礎収入である管理報酬で販管費を賄えない状態が続いています。今後のファンド規模については、有望投資対象マーケットの拡大を見据えながら、厳選集中投資を堅持し、徐々に拡大していくことを視野に入れています。

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

 至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

 至 2018年3月31日)

金 額(百万円)

金 額(百万円)

投資事業組合管理収入

7,062

5,987

 

管理報酬

3,494

3,551

 

成功報酬

3,567

2,435

(注)管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。

 

 

 

(2)キャッシュ・フロー

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは7,425百万円のキャッシュインフロー(前期15,117百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に営業投資有価証券の売却によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは24,732百万円のキャッシュインフロー(前期1,580百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に投資有価証券の売却によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは69,046百万円のキャッシュアウトフロー(前期5,817百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に自己株式の取得によるものであります。

 これらの結果、現金及び現金同等物は37,093百万円減少し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は70,086百万円(前期末107,179百万円)となりました。そのうち8,144百万円(前期末9,371百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で21,518百万円(前期末19,385百万円)であります。

 

(資本の財源及び資金の流動性について

 当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動的が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、野村ホールディングス株式会社及び株式会社野村総合研究所が保有する当社株式の全部を買い取り、当社が保有する株式会社野村総合研究所の株式の一部を売却しています。その結果、純資産額は160,299百万円(前期末207,855百万円)と減少しています。今後も投資方針を堅持した積極的な投資と、株主還元の継続を同時に目指していきます。

(3)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

①投資損失引当金

 当社グループは、期末に有する営業投資有価証券の損失に備えるため、投資先企業の実情を勘案の上、その損失見積額を計上しております。従いまして、実際の損失が投資損失引当金計上時点における前提及び見積りと異なる可能性があります。また、経済状況・投資先企業の財政状態の悪化等により、設定した前提及び見積りを変更して投資損失引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

②繰延税金資産

 当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

③退職給付費用

 当社グループの退職金制度は、概ね退職一時金及び確定拠出年金の割合が均等となるよう退職金制度を採用しております。確定拠出年金の割合が概ね半分であるため、全てが一時金である場合に比べ、割引率・昇給率・死亡率等(基礎率)の前提に基づいて計算される年金債務(PBO)の割合は相対的に低く、これら基礎率の変更等による退職給付費用への影響は相対的に小さなものとなっております。しかし、年金債務の計算はありますので、前提の変更等によって当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 

 

営業投資活動の状況

 当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。

 ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。

 連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。

 次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。

 

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(注)用語説明

名  称

定    義

ファンド

当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等)

当社グループ

当社及び連結子会社

 

(1)投資実行状況

(1)-1 投資実行額

 

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

金 額(百万円)

社 数

金 額(百万円)

社 数

エクイティ

20,904

55

30,222

67

 

(1)-2 エクイティ投資実行額:業種別

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

エレクトロニクス

1,299

ソフトウェア

1,882

3,861

ITサービス

12,818

19,965

医療・バイオ

731

736

サービス

605

300

製造業

738

1,073

流通・小売・外食

4,128

2,985

合計

20,904

30,222

 

(1)-3 エクイティ投資実行額:地域別

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

日本

15,180

18,057

米国

3,938

7,101

アジア

1,786

5,063

合計

20,904

30,222

(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。

2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。

3.海外のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。

 

(2)投資残高

(2)-1 投資残高

 

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

金 額(百万円)

社 数

金 額(百万円)

社 数

エクイティ

上場

6,559

37

3,129

33

未上場

111,315

260

115,942

218

小計

117,875

297

119,071

251

他社ファンドへの出資

1,720

30

1,807

28

 

合計

119,596

327

120,879

279

 

(2)-2 未上場エクイティ投資残高:業種別

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

エレクトロニクス

13,984

11,384

ソフトウェア

19,750

18,949

ITサービス

52,900

64,494

医療・バイオ

2,697

3,457

サービス

8,050

3,896

製造業

6,897

4,709

流通・小売・外食

6,161

8,750

住宅・金融等

873

299

合計

111,315

115,942

 

(2)-3 未上場エクイティ投資残高:地域別

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

 

金 額(百万円)

金 額(百万円)

日本

54,129

60,230

米国

33,394

34,380

アジア

23,791

21,331

合計

111,315

115,942

(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。

2.「投資残高」は取得原価で表示しております。

3.「エクイティ」には、他社との共同投資によるファンドへの出資を含んでおります。

4.「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者の運営する投資ファンドへの出資であり、「社数」欄にはファンド数を表示しております。

5.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。

6.海外のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。

(3)ファンドの運用状況

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2018年3月31日)

ファンド数

出資金総額

ファンド数

出資金総額

円建

 

 

(百万円)

 

(百万円)

運用中

17

270,500

10

135,500

延長中

9

97,500

7

150,000

小計

26

368,000

17

285,500

米ドル建

 

 

(千米ドル)

 

(千米ドル)

運用中

7

426,176

4

361,555

延長中

3

169,000

6

231,500

小計

10

595,176

10

593,055

 

合計

 

 

(百万円)

 

(百万円)

運用中

24

318,312

14

173,911

延長中

12

116,460

13

174,594

合計

36

434,772

27

348,506

(注)1.「出資金総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。

2.合計欄における米ドル建「出資金総額」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。

3.「出資金総額」に占める当社グループの出資持分は、前連結会計年度では36.6%、当連結会計年度では43.4%であります。

 

(4)投資先会社IPO(新規上場)の状況

前連結会計年度(2016年4月1日~2017年3月31日)

 

投資先会社名

上場年月日

上場市場

事業内容

本 社

所在地

国内:6社

㈱ベガコーポレーション

2016年6月28日

マザーズ

家具・インテリア等のインターネット通信販売事業、越境市場をターゲットとしたグローバルECサイトの運営等

福岡県

KHネオケム㈱

2016年10月12日

東証1部

溶剤、可塑剤原料、冷凍機油原料等各種化学品の製造・販売

東京都

WASHハウス㈱

2016年11月22日

マザーズ/
福岡Q-Board

コインランドリー「WASHハウス」のチェーン本部としてフランチャイズシステムの提供等

宮崎県

日宣

2017年2月16日

JASDAQ/S

広告・セールスプロモーションを中心としたコミュニケーションサービス全般の提供

東京都

ロコンド

2017年3月7日

マザーズ

通販サイト「LOCONDO.jp」の運営、プラットフォームサービスの提供

東京都

ティーケーピー

2017年3月27日

マザーズ

貸会議室の運営を中心として、付随する飲料・オプション・宿泊サービス等を展開

東京都

海外:3社

OptoPAC Inc.

2016年7月20日

KOSDAQ

イメージセンサ等のパッケージングソリューション開発

韓国

Concraft Holding Co., Ltd.

2016年11月11日

台湾

証券取引所

各種コネクタ、携帯端末用音響部品等、インサートモールド製品、精密金型開発・製造

台湾

Suzhou MedicalSystem Technology Co., Ltd.

2016年12月8日

上海

証券取引所

臨床情報システム(CIS)の開発・販売

中国

(注)1.海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。

2.上記のほか、当連結会計年度に株式交換・合併により上場会社に買収され、上場会社の株式を取得した主な投資先は以下のとおりであります。

miRagen Therapeutics, Inc.

 

当連結会計年度(2017年4月1日~2018年3月31日)

 

投資先会社名

上場年月日

上場市場

事業内容

本 社

所在地

国内:7社

㈱GameWith

2017年6月30日

マザーズ

ゲームに関する総合メディア・コミュニティの開発・運営

東京都

ユニフォームネクスト㈱

2017年7月19日

マザーズ

業務用ユニフォームの通信販売

福井県

UUUM㈱

2017年8月30日

マザーズ

YouTuberを中心とするクリエイターのマネジメント業務、クリエイターに関連するプロモーション提案やグッズ販売、動画コンテンツの制作等

東京都

エスユーエス

2017年9月13日

マザーズ

IT分野・機械分野・電気/電子分野・化学/バイオ分野における技術者派遣・請負業務、 ERP分野におけるコンサルティング・システム開発・導入支援等

京都府

マネーフォワード

2017年9月29日

マザーズ

自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を行うPFM事業、法人・個人事業主向けのクラウド型サービス『MFクラウド会計・確定申告・請求書・給与・振込・消込・マイナンバー』といった6つのバックオフィス向けMFクラウド事業等

東京都

クックビズ㈱

2017年11月28日

マザーズ

飲食業界に特化した人材紹介事業・求人広告事業

大阪府

ナレッジスイート㈱

2017年12月18日

マザーズ

クラウドコンピューティング形式で提供されるグループウエアを含むSFAやCRM等の営業支援システム開発・販売

東京都

海外:1社

GLOBAL TEK FABRICATION Co., Ltd.

2018年2月5日

台湾

証券取引所

自動車、航空機、産業用機器向け精密金属部品の製造・販売

台湾

(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。