「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
世界的な規模で産業構造の大転換をもたらす「デジタル革命」は、既存産業の仕組みを根本から変え、新たな産業が生まれようとしています。日本でも有望なスタートアップ企業が本格的に出現し、次世代を担う若い起業家が急増しています。ベンチャーキャピタルの投資対象も、スタートアップに大きくシフトしています。加えて、事業会社や機関投資家等によるベンチャー投資も急増し、競争が激化しています。
当社は創業以来、時代をリードする起業家とともに歩んできました。当社には、経験を積み重ねてきた多くのベンチャーキャピタリストに加え、企業成長を促進するための豊富なリソースとネットワークの蓄積があります。単なる投資家としてではなく、「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から経営に関与します。起業家とともに事業の成長にコミットし、企業価値を高めていきます。
また、2018年3月にパートナーシップモデルを導入しました。能力の高い個人(パートナー)を中心としたフラットな組織作りと、成果をより重視した評価制度の構築を進めてきました。2019年度に募集予定のファンドではパートナーも当社とともに出資し、個人としても運用リスクを負いながら成果配分を享受していきます。また、長期にわたり蓄積してきた組織力にも磨きをかけ、投資先の価値向上とファンドパフォーマンスの一段の向上を目指します。
(1)会社の経営の基本方針
①当社のミッション
「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」
当社は創業以来、様々な革新的製品やサービスを起業家と生み出してきました。世の中に必要とされる新事業の創造にコミットすることで、ステークホルダーの皆様とともに新しい時代を切り開くことが当社のミッションです。
②ミッション実現に向けた方針と戦略
当社は、ファンドを通じたベンチャー投資とバイアウト投資によりミッションの実現を図ります。
ミッションの実現に向け、当社は下記の取り組みを進めます。
・厳選集中投資と経営関与
新事業を創造するために、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行います。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進します。
・ファンドパフォーマンスの持続的向上
十分な投資資金を獲得するには、ファンドパフォーマンスを向上させ、外部出資者を確保することが不可欠です。また当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにその収益を享受します。厳選集中投資と経営関与により良質なポートフォリオを積み上げ、ファンドパフォーマンスの持続的向上を目指します。
・「CO-FOUNDER」としてのジャフコ
事業の立ち上げ局面では、投資家である以上に「CO-FOUNDER≒共同創業者」であることが求められます。当社が創業来獲得してきた精神や知識、経験を継承・発展させ、当社及び個々の従業員が
「CO-FOUNDER」として活躍できる組織を目指します。
(2)会社の対処すべき課題
当社が対処すべき主要な課題は以下のとおりであります。
①厳選集中投資と経営関与により新事業を創出
世の中に必要とされる新しい価値=新事業を継続的に生み出していくことが、当社の使命です。そのためには、ポテンシャルの高い投資対象を絞り込み、大胆に投資を行っていくことが必要です。投資先企業に対し影響力のあるシェアを確保し、投資先の経営に深く関与することで、企業の成長を促進していきます。
②ファンドパフォーマンス向上を持続的に追求
十分な投資資金を確保するには、外部出資者を安定的に確保することが不可欠です。当社は自己資金をファンドに出資し、出資者とともにファンドからの収益を享受しています。長期にわたるファンドパフォーマンスの持続的な向上が、当社の最大の責務です。
③良質なポートフォリオの積み上げ
「厳選集中投資」「コミットメント投資」による良質なポートフォリオを積み上げていくことが、ファンドパフォーマンスの向上につながります。今後もこの投資方針を堅持し、投資対象マーケットの拡大と投資運用能力を合致させながら、運用資産の拡大を図ります。
④投資先の「CO-FOUNDER」となりうる人材の育成
当社は、起業家とともに事業の立ち上げに深く関わり、「チャレンジ精神」や「開拓者魂」を持ち合わせた若手の育成を、創業以来重視しています。成功や失敗の体験を絶えず受け継ぎ、蓄積していくことが、永続的なファンドパフォーマンスの向上につながると確信しています。
⑤自己資本の充実と株主還元のバランスを重視
スタートアップ企業を主体とした良質なポートフォリオを積み上げ、その価値を高め、最適なEXITをつくりだすためには、長期間を要します。IPOやM&A等によるEXIT価値は、市場環境によって大きく変動します。流動性が乏しい未上場企業に投資をし、高いパフォーマンスを上げると同時に、継続的な株主還元を行っていくために、自己資本の充実と強固な財務基盤の維持を図っていきます。
また、「CO-FOUNDER」という企業アイデンティティーを確立し、当社が掲げる「新事業の創造にコミットし、ともに未来を切り開く」というミッションの実現に向けて、下記に掲げる五つの姿勢を堅持していきます。
・経験知を受け継ぎ成功を再現する
・次世代を追求し事業をつくりだす
・グローバルに展開しローカルに集中する
・起業家と真摯に企業価値を高める
・先駆者として規律と透明性を守り抜く
企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(31)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しています。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び対策に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月19日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況
当社グループは主に当社グループが管理運営するファンドの資金を使って、日本・アジア・米国で未上場株式等への投資を行っております。当社グループはファンドからの管理報酬及び成功報酬に加え、ファンドに自己資金を出資することにより、投資成果であるキャピタルゲインをファンドの他の出資者とともに享受します。
ファンドのパフォーマンスは、日本、アジア地域及び米国の経済情勢や株式市場の動向に影響を受けます。そこで、当社グループでは、日本・アジア・米国とグローバルに投資を行うことにより地域的なリスクの分散を図っています。また、当社グループが運用する未上場企業投資ファンドは、通常3年前後の期間をかけて投資先企業の組入れを行うため、時間的にも一定期間に渡る分散が行われることになります。さらに、IPOに限らずM&A等によるEXIT(売却)の機会も絶えず追及しており、株式市場やIPO市場の動向が当社グループの収益基盤へ与える影響を低減できるように努めています。
しかし、世界経済が不況に陥った場合には投資先企業の業績不振につながる可能性があり、また起業環境が悪化することで当社グループの投資対象となりうるスタートアップの数が減少する可能性があります。また、株式市場やIPO市場が低調な場合には、ファンドが保有する株式等の流動化機会が限られる可能性があり、さらにファンドが得るキャピタルゲイン及び成功報酬も大きく変動する可能性があります。こうした場合は、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)未上場株式等への投資
当社グループ及びファンドは、未上場株式等を投資対象としており、その中でも近年ではシード・スタートアップの割合が高まっています。こうした未上場企業は、一般に収益基盤や財務基盤が不安定であるばかりでなく、売上がないまたは僅少である場合も多く、経営資源に制約があること等から、景気や市場動向、競争状況等の影響を受けやすく、不確実性が高いといった特徴があります。
当社グループにおける投資判断は、日本・アジア・米国の拠点ごとに設けた所定の委員会において行っています。そこでは、投資検討先が対象とする市場の成長性、製品/サービスの革新性や競争力といった事業性、マネジメントチームの評価、投資採算や投資条件、想定する投資後の企業価値向上策やEXIT戦略、さらにはリスクなどの観点から議論を行った上で投資の可否を決定します。
また当社グループでは、有望企業を厳選し、1社あたりの投資金額と保有シェアを高め、投資先会社への経営関与を強化しています。投資後は、成長ステージなど投資先企業ごとの状況に応じて、人材採用、営業・マーケティング、大手企業との資本・業務提携、管理体制整備・上場準備、追加の資金調達といった面でのサポートを提供しています。このようにして投資先の事業の成長と企業価値の向上を図り、キャピタルゲインと投資倍率の向上に努めています。さらに、一定水準の現預金等を保有するなど、自己資本の充実と財務基盤の強化に取り組んでいます。
しかし、未上場株式等への投資には以下のようなリスクが存在し、これらはファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
①投資によってキャピタルゲインが得られるかどうかについての確約はありません。
②投資によっては、キャピタルロスが発生する可能性があります。
③投資対象は、ファンドの運営期間中に株式上場、売却等が見込める企業を前提としていますが、株式上場時期・売却等が当初の見込みと大幅に異なる可能性があります。
④未上場株式等は、上場企業の株式等に比べ流動性が著しく劣ります。そのため、未上場段階で売却する場合は、当社グループが希望する条件で売却できない可能性があります。
(3)専業であること
当社グループは、ファンドの管理運営、日本・アジア・米国での未上場株式投資に経営資源を集中し事業活動を行っており、現状では未上場株式投資以外に事業を拡大することは考えておりません。2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、これまでに蓄積してきた組織力との協働を図りながら、ファンドパフォーマンスの向上を目指しています。しかし、当業界は世界経済の情勢変化や世界各国の株式市場・IPO市場の影響を強く受ける業態であるため、このような変化等が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合
当社グループの主たる業務である未上場株式投資では、当社グループに類する専業のベンチャーキャピタルや、事業会社によるいわゆるコーポレートベンチャーキャピタルといった競合他社との間で、有望な未上場企業への投資案件獲得競争が激しさを増しております。当社は、2018年3月に導入したパートナーシップモデルを進化させ、同時にこれまでに蓄積してきた組織力やネットワークも活用して投資先企業の成長をサポートすることで競合他社との差別化を図り、ファンドパフォーマンスの向上を目指しています。
しかし、こうした競合状況により有望企業への投資機会を逸した場合や、必ずしも当社グループが望む条件ではない場合は、十分なキャピタルゲインをあげることができず、ファンドのパフォーマンスに影響し、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)株価下落
投資先企業のIPO後は、株式市況、取得コストや保有残高、株価、出来高の動向、当該投資先企業の事業の状況、当該株式を保有するファンドの契約期間等を総合的に勘案しながら、当社グループ及びファンドが保有する株式を売却しています。また、買い手となる機関投資家との間で証券会社を介して諸条件が折り合った場合、「ブロックトレード」と呼ばれる相対取引等により一定程度まとまった株数を売却することもあります。
しかし、保有する上場株式の株価の下落は、ファンドのパフォーマンスならびに当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、厳選集中投資により当社グループ及びファンドによるIPO時点の持株比率が比較的高い水準である場合は、株価下落による悪影響が一層大きくなる可能性があります。
(6)為替レートの変動
当社グループは、日本だけでなく、アジア・米国を主とする海外での地域分散投資を行っております。こうした海外投資により保有する資産は、米ドルを中心とする外貨建であるため、為替レートの変動は、ファンドのパフォーマンスに影響します。当社グループが運用する未上場企業投資ファンドは、通常3年前後の期間をかけて海外投資を含む投資先企業の組入れを行います。また、組入れ後の海外投資先企業の株式売却及び当該売却代金の分配は、ファンド運用期間(通常10年間)満了までの期間にわたって行われます。その結果、海外投資により外貨建て資産を保有する際及び当該外貨建て資産を流動化する際の為替レートについては、一定期間に渡る分散が行われることになります。しかしながら、為替レートの変動の影響を完全に払拭することは困難であり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)ファンド募集
当社グループは、主にファンドの資金を使って投資を行っております。ファンド出資者とは、ファンドパフォーマンスの状況、投資先企業の概況その他ファンド運用に係る情報を、担当者の訪問その他の方法で定期的かつ必要に応じ随時提供すること等を通じて、信頼関係の醸成に努めています。また、金融機関等のいわゆる機関投資家のほか、ベンチャー投資ファンドへの出資を通じベンチャー企業に関する情報収集に関心を持つ事業法人等と当社担当者が接触し、当社グループの投資活動に係る理解を深めてもらうこと等を通じて、ファンド出資者層としての開拓を行っています。さらに、当社自身も、ファンド出資を含む投資活動を継続するための自己資本の充実と財務基盤の強化に取り組んでいます。
こうした取り組みにもかかわらず、経済環境その他ファンド募集に係る環境の悪化、ファンドパフォーマンスの低迷、ファンド条件や管理運営手法に対するファンド出資者ニーズとの乖離といった要因により、今後のファンド募集においてファンド出資者から十分な資金を集めることができない場合、投資活動に支障をきたす可能性があるほか、管理報酬が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、2019年度において、主に日本国内でのベンチャー投資及びバイアウト投資を対象とする次期基幹ファンドの募集を予定しています。
(8)情報の管理
当社グループが保有する取引先の重要な情報及び個人情報の管理については、情報管理規程、プライバシーポリシー及び各種社内規程等の制定、役職員への周知徹底、情報システムのセキュリティ強化等、情報管理体制の整備を行っております。世界的にサイバー攻撃の脅威が高まる中、当社グループでは、ファイアウォールの整備、コンピュータウィルス対策やデータ暗号化といったセキュリティ対策を実施・強化しております。また、ペーパーレス化を積極的に推進することで役職員が書類を社外に持ち出す機会を減らし、重要書類の紛失リスク低減を図っております。さらに、役職員に対し通達や研修等を通じて情報セキュリティに関する意識の涵養に努めております。しかし、今後、外部からの不正アクセス、役職員その他の関係者の悪意または過失による流出等といった事態によりこうした情報が漏洩した場合は、損害賠償請求や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制
当社グループは、ファンドの運営管理、未上場株式投資を日本・アジア・米国を中心に行っており、その活動にあたっては日本及び各関係国の種々の法的規制(会社法(商法)・独占禁止法・租税法・金融商品取引法・投資事業有限責任組合契約に関する法律・外国為替管理法・マネロン対策関連・財務会計関連等)を受けることとなります。当社グループでは、管理部門を中心とする関係部署が業務に係る法的規制の導入・改廃に関する情報収集と対応を行っております。しかし、法的規制が及ぶことにより当社グループの活動が制限される場合及びこれら規制との関係で費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)法令違反等
当社グループでのコンプライアンスに係る情報は、コンプライアンスへの取組み全般を統括するコンプライアンス・オフィサーに集約されます。また、各部門の長が担当部門におけるコンプライアンス責任者として日常におけるコンプライアンスを推進し、統括部署としての管理部がその取組みを支援・管理するとともに、内部監査部門がこうした状況を監査します。また、管理部門は法令等の制定・改廃に関する役職員への情報発信や、コンプライアンスに係る研修や勉強会を実施しています。万が一法令や社内規則等に抵触する事案や事務事故等が発生した場合は、コンプライアンス・オフィサーとコンプライアンス統括部署に情報集約した上で、当面の善後策の検討・実施と再発防止の徹底を図ります。さらに、コンプライアンスに係る事項の通報制度として、コンプライアンス・オフィサー、管理部門および独立社外取締役を通報窓口とする「ジャフコホットライン」を設置しています。
こうした取り組みにもかかわらず、当社グループ及びその役職員が、投資活動における関連法規や各種の契約等への違反、ファンドの無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしての善管注意義務違反、又は業務上の過誤や不祥事等により、投資先企業、ファンド出資者その他の第三者に損害を与えた場合は、当該損害に対する賠償責任を当社グループが負う可能性があります。さらに、こうした法令違反等による社会的信用の低下や監督当局の行政処分等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)役員派遣
当社グループは、投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。しかし、その役職員個人に対し役員損害賠償請求等があった場合、当社グループによるその個人に生じた経済的損失の全部又は一部の負担、当社グループの使用者責任や社会的信用の低下等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、投資先企業において可能な範囲で会社役員賠償責任保険(D&O保険)の付保や責任限定契約を締結するとともに、当社加入のD&O保険では役員派遣されている役職員も補償対象に加えておりますが、当社グループの業績及び財政状態への悪影響を完全には回避できない可能性があります。
(12)有能な人材の確保や育成
当社グループの将来の成長と成功は、その事業の特性上有能なベンチャーキャピタリスト等の人材に大きく依存いたします。当社では、継続的に行ってきた新卒採用と、必要に応じたキャリア採用活動により人材を獲得し、OJTを中心にその育成に取り組んでいます。2018年3月にはパートナーシップモデルを導入し、実績ある個人(パートナー)が投資運用の重要な意思決定を行い、ファンドパフォーマンスにコミットするとともに、ファンドの運用成果を個人が享受できる仕組みとしました。他の職員についても、投資の成果に対する直接・間接の貢献に応じた成果配分を受ける制度を設けています。また、完全フレックス制、フリーアドレスやリモートワークの推進、副業を推奨するなど最先端のワークスタイルの導入を図っております。こうした制度・施策を実施することで、優秀な人材の確保・育成に努めております。
これらの取り組みにもかかわらず、有能な人材を確保できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、有能な人材を確保・育成するためには費用が増加する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
当連結会計年度は、「収益認識に関する会計基準」を適用し、米国子会社を連結の範囲から除外した数値であります。
(1)連結経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高25,878百万円(前期29,470百万円)、経常利益13,410百万円(前期15,554百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益10,162百万円(前期24,235百万円)となりました。当連結会計年度の業績は、売上高、経常利益、当期純利益ともに前連結会計年度を下回っています。キャピタルゲインは前期比横ばいとなっています。IPOは国内2社のみと低調ながら、国内のバイアウト投資及び海外の未上場投資先のM&Aや一部売却により、相応の大きなキャピタルゲインを確保しています。投資先における保有シェアを高めたことで、IPO以外でのEXITの多様化が進んでいます。
当連結会計年度末の純資産は163,215百万円(前期末160,299百万円)、総資産は184,213百万円(前期末191,550百万円)、自己資本比率は88.6%(前期末83.7%)となりました。
なお、当期より米国子会社であるJAFCO America Ventures Inc.(JAV)は連結の範囲から除外し、非連結子会社としています。収益認識に関する会計基準の適用に伴い、米国子会社の売上高をグロスからネット表示に変更したことで、当社グループの連結決算に対する重要性が低下したことによります。詳細については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,350百万円のキャッシュアウトフロー(前期7,425百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に法人税等の支払によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは213百万円のキャッシュインフロー(前期24,732百万円のキャッシュインフロー)となりました。これは主に投資有価証券の売却によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは3,923百万円のキャッシュアウトフロー(前期69,046百万円のキャッシュアウトフロー)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
これらの結果、現金及び現金同等物は6,208百万円減少し、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は63,878百万円(前期末70,086百万円)となりました。そのうち7,484百万円(前期末8,144百万円)はファンド出資持分であります。また、当社グループが管理運営するファンドに対して当社グループが出資金として今後支払を約束している金額は、当連結会計年度末で14,601百万円(前期末21,518百万円)であります。
(2)生産、受注及び販売の実績
営業投資活動の状況
当社グループは、下図のとおり、原則としてファンド(下図①)の資金により、国内外の有望未上場企業等への投資を行っております。
ファンドにおける営業投資有価証券の売却損益等は、ファンドの出資持分に応じて、当社グループに直接帰属いたします。また、当社グループは、ファンドから契約に基づいて管理運営に対する管理報酬と投資成果に対する成功報酬を受領しております。
連結貸借対照表の営業投資有価証券残高は、ファンドの当社グループ出資持分(下図②)に応じた営業投資有価証券残高と当社グループ(下図③)の営業投資有価証券残高の合計額であります。
次ページ以降の「投資実行額」「投資残高」につきましては、当社グループの営業投資活動(投資及びファンドの管理運営)を表すため、ファンド(下図①)と当社グループ(下図③)を合算した投資活動の状況を記載しております。
(注)用語説明
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名 称 |
定 義 |
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ファンド |
当社グループが管理運営するファンド(投資事業有限責任組合契約に関する法律上の組合、外国の法制上のリミテッドパートナーシップ等) |
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当社グループ |
当社及び連結子会社 |
①投資実行状況
①-1 投資実行額
|
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金 額(百万円) |
社 数 |
金 額(百万円) |
社 数 |
||
|
エクイティ |
30,222 |
67 |
25,147 |
56 |
|
①-2 エクイティ投資実行額:業種別
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
|
エレクトロニクス |
1,299 |
5,707 |
|
ソフトウェア |
3,861 |
666 |
|
ITサービス |
19,965 |
11,471 |
|
医療・バイオ |
736 |
1,874 |
|
サービス |
300 |
1,775 |
|
製造業 |
1,073 |
2,652 |
|
流通・小売・外食 |
2,985 |
- |
|
住宅・金融 |
- |
1,000 |
|
合計 |
30,222 |
25,147 |
①-3 エクイティ投資実行額:地域別
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
|
日本 |
18,057 |
11,379 |
|
米国 |
7,101 |
10,753 |
|
アジア |
5,063 |
3,014 |
|
合計 |
30,222 |
25,147 |
(注)1.「投資実行額」は、当社グループ及びファンドの投資実行額の合計であります。
2.外貨建の「投資実行額」については、四半期連結会計期間ごとにそれぞれの四半期末為替レートで換算した額を合計しております。
3.海外のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。
②投資残高
②-1 投資残高
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|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|||
|
金 額(百万円) |
社 数 |
金 額(百万円) |
社 数 |
|||
|
エクイティ |
上場 |
3,129 |
33 |
2,288 |
28 |
|
|
未上場 |
115,942 |
218 |
129,503 |
215 |
||
|
小計 |
119,071 |
251 |
131,792 |
243 |
||
|
他社ファンドへの出資 |
1,807 |
28 |
1,632 |
23 |
||
|
|
合計 |
120,879 |
279 |
133,424 |
266 |
|
②-2 未上場エクイティ投資残高:業種別
|
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
|
エレクトロニクス |
11,384 |
14,487 |
|
ソフトウェア |
18,949 |
16,182 |
|
ITサービス |
64,494 |
73,576 |
|
医療・バイオ |
3,457 |
4,937 |
|
サービス |
3,896 |
5,372 |
|
製造業 |
4,709 |
5,201 |
|
流通・小売・外食 |
8,750 |
8,745 |
|
住宅・金融等 |
299 |
1,000 |
|
合計 |
115,942 |
129,503 |
②-3 未上場エクイティ投資残高:地域別
|
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
|
日本 |
60,230 |
67,172 |
|
米国 |
34,380 |
41,523 |
|
アジア |
21,331 |
20,806 |
|
合計 |
115,942 |
129,503 |
(注)1.「投資残高」は、当社グループ及びファンドの投資残高の合計であります。
2.「投資残高」は取得原価で表示しております。
3.「エクイティ」には、他社との共同投資によるファンドへの出資を含んでおります。
4.「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者の運営する投資ファンドへの出資であり、「社数」欄にはファンド数を表示しております。
5.外貨建の「投資残高」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
6.海外のライフサイエンス投資(日本のベンチャー投資部門が担当)は日本に含めております。
③ファンドの運用状況
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|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|||
|
ファンド数 |
出資金総額 |
ファンド数 |
出資金総額 |
||
|
円建 |
|
|
(百万円) |
|
(百万円) |
|
運用中 |
10 |
135,500 |
9 |
135,000 |
|
|
延長中 |
7 |
150,000 |
7 |
150,000 |
|
|
小計 |
17 |
285,500 |
16 |
285,000 |
|
|
米ドル建 |
|
|
(千米ドル) |
|
(千米ドル) |
|
運用中 |
4 |
361,555 |
4 |
486,131 |
|
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延長中 |
6 |
231,500 |
5 |
181,500 |
|
|
小計 |
10 |
593,055 |
9 |
667,631 |
|
|
合計 |
|
|
(百万円) |
|
(百万円) |
|
運用中 |
14 |
173,911 |
13 |
188,958 |
|
|
延長中 |
13 |
174,594 |
12 |
170,144 |
|
|
合計 |
27 |
348,506 |
25 |
359,103 |
(注)1.「出資金総額」は、契約上出資が約束されている額の総額であります。
2.合計欄における米ドル建「出資金総額」については、各連結会計年度末為替レートで換算しております。
3.「出資金総額」に占める当社グループの出資持分は、前連結会計年度では43.4%、当連結会計年度では42.3%であります。
④投資先会社IPO(新規上場)の状況
前連結会計年度(2017年4月1日~2018年3月31日)
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投資先会社名 |
上場年月日 |
上場市場 |
事業内容 |
本 社 所在地 |
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国内:7社 |
㈱GameWith |
2017年6月30日 |
マザーズ |
ゲームに関する総合メディア・コミュニティの開発・運営 |
東京都 |
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ユニフォームネクスト㈱ |
2017年7月19日 |
マザーズ |
業務用ユニフォームの通信販売 |
福井県 |
|
|
UUUM㈱ |
2017年8月30日 |
マザーズ |
YouTuberを中心とするクリエイターのマネジメント業務、クリエイターに関連するプロモーション提案やグッズ販売、動画コンテンツの制作等 |
東京都 |
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㈱エスユーエス |
2017年9月13日 |
マザーズ |
IT分野・機械分野・電気/電子分野・化学/バイオ分野における技術者派遣・請負業務、 ERP分野におけるコンサルティング・システム開発・導入支援等 |
京都府 |
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㈱マネーフォワード |
2017年9月29日 |
マザーズ |
自動家計簿・資産管理サービス『マネーフォワード』の提供を行うPFM事業、法人・個人事業主向けのクラウド型サービス『MFクラウド会計・確定申告・請求書・給与・振込・消込・マイナンバー』といった6つのバックオフィス向けMFクラウド事業等 |
東京都 |
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クックビズ㈱ |
2017年11月28日 |
マザーズ |
飲食業界に特化した人材紹介事業・求人広告事業 |
大阪府 |
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ナレッジスイート㈱ |
2017年12月18日 |
マザーズ |
クラウドコンピューティング形式で提供されるグループウエアを含むSFAやCRM等の営業支援システム開発・販売 |
東京都 |
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海外:1社 |
GLOBAL TEK FABRICATION Co., Ltd. |
2018年2月5日 |
台湾 証券取引所 |
自動車、航空機、産業用機器向け精密金属部品の製造・販売 |
台湾 |
(注)海外企業の本社所在地は、主たる営業地域又は実質的な本社所在地を基準に記載しております。
当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)
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投資先会社名 |
上場年月日 |
上場市場 |
事業内容 |
本 社 所在地 |
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国内:2社 |
㈱МTG |
2018年7月10日 |
マザーズ |
美容機器、健康機器、化粧品等の企画開発及び製造販売 |
愛知県 |
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㈱テノ.ホールディングス |
2018年12月21日 |
マザーズ/ 福岡Q-Board |
直営保育所・受託保育所の運営、幼稚園や保育所に対する保育士派遣、ベビーシッターサービス・ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(保育士養成講座等)の運営 |
福岡県 |
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、資産、負債、収益及び費用の額に影響を与える仮定や見積りを必要とします。 これらの仮定や見積りは、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断していますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」等に記載していますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすものと考えております。
a.投資損失引当金
当社グループは、期末に有する営業投資有価証券の損失に備えるため、投資先企業の実情を勘案の上、その損失見積額を計上しております。個別投資先ごとには、原則として回収見込額が取得原価の70%未満になったものを引当しております。また、個別引当対象以外の投資残高に対しても、過去の実績等に基づいた損失見積額を一括して引当しておりました。これまで、厳選集中投資と投資先への関与度を高めてきたことにより、投資の質の向上が図られ、現在は、個別投資先の評価をより精緻に行うことが可能になりました。これにより、2017年1月以降の投資分は、一括引当の対象としておりません。但し、実際の損失が投資損失引当金計上時点における前提及び見積りと異なる可能性があります。また、経済状況・投資先企業の財政状態の悪化等により、設定した前提及び見積りを変更して投資損失引当金の積み増しを行わざるを得なくなり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。しかしながら、厳選集中投資により良質のポートフォリオを積み上げ、投資先企業の経営状況を随時かつ定期的にモニタリングすることによって適宜投資損失引当金の計上を行っていく方針です。
b.繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得に関するものを含めた様々な予測・仮定に基づいて繰延税金資産を計上しており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。また、将来の課税所得に関する予測・仮定に基づいて、当社又は子会社が繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。繰延税金資産の詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(税効果会計関係)」を参照ください。
②当年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、当年度の当社グループの売上高25,878百万円(前期比12.2%減)、営業利益12,239百万円(前期比14.1%減)となりました。営業外収益は、受取配当金の減少などにより、1,426百万円(前期比3.8%減)となりました。また、営業外費用は、為替差損の増加などにより、255百万円(前期比41.4%増)となりました。この結果、経常利益は13,410百万円(前期比13.8%減)となりました。特別利益は、投資有価証券売却益の減少により190百万円(前期19,718百万円)、特別損失の計上はありませんでした(前期506百万円)。税効果会計適用後の法人税等は3,437百万円(前期比67.4%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は10,162百万円(前期比58.1%減)となりました。
b.財政状態
当連結会計年度末における当社グループの財政状態は、流動資産115,636百万円(前期比5.1%減)、固定資産68,577百万円(前期比1.6%減)、流動負債2,475百万円(前期比78.7%減)、固定負債18,523百万円(前期比5.6%減)、純資産は163,215百万円(前期比1.8%増)となり、総資産は184,213百万円(前期比3.8%減)となりました。流動資産については、現金及び預金が主に法人税等の支払や配当金の支払により前年度から6,208百万円減少し、営業投資有価証券が主に評価差額の減少により前年度から2,020百万円減少しています。固定資産については、投資有価証券が主に評価差額の減少により前年度から635百万円減少しています。流動負債については、未払法人税等が前年度から8,156百万円減少し、固定負債については繰延税金負債が前年度から1,030百万円減少しております。
c.キャッシュ・フローの状況
「(1)連結経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。
d.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績等に特に重要な影響を与える要因である、投資実行、キャピタルゲイン、投資損失引当金、営業投資有価証券の残高、ファンドの管理運営業務の各状況に関する認識及び分析・検討は次の通りです。
(投資実行の状況)
「(2)生産、受注及び販売の実績 ①投資実行状況」に記載の通り、当連結会計年度の当社グループ及びファンドの投資実行額は減少し、25,147百万円(前期30,222百万円)、投資会社数は56社(前期67社)となりました。現状のファンドサイズに対する投資額がややオーバーペースであった前連結会計年度の30,222百万円と合わせた平均値でみると、組入れ進捗は巡航速度となっています。各年度により、地域ごとの投資総額は変動します。投資対象の業界動向、競合状況、バリュエーションなどを見据えながら、3年前後のファンドの新規組入れ期間を前提とした投資をしていきます。
当連結会計年度の国内ベンチャー投資における業種分類では、引き続きインターネットスペースの投資先が大半となっていますが、医療・バイオやサービス等も増加しています。IT関連の投資先の比率が高まっていますが、ITサービスの中には、最新のテクノロジーにより様々な既存産業のビジネスモデルを変えていくようなスタートアップが数多く含まれています。
また、新規投資のステージでは、創業期のスタートアップや、事業の立ち上げ時期のアーリーステージが約8割を占めています。その大半がインターネットスペースにあります。事業の立ち上げ方次第で、スタートアップの変化率は非常に高いものになります。一方で、競合先も多く立ち上げの遅れが致命傷になりかねません。当社は、投資先の「CO-FOUNDER」として、事業の構想段階から関わり、起業家とともに事業の成長に踏み込んでいきます。
(キャピタルゲインの状況)
営業投資有価証券売上高は23,291百万円(前期23,470百万円)になりました。キャピタルゲインは、14,016百万円(前期13,621百万円)となりました。その内訳は上場株式の売却によるものが5,264百万円(前期11,281百万円)、上場株式以外によるものが8,751百万円(前期2,340百万円)であります。上場株式以外によるキャピタルゲイン8,751百万円の内訳は売却益11,069百万円(前期6,750百万円)・売却損2,317百万円(前期4,410百万円)であります。
投資先における保有シェアを高めたことにより、M&Aやトレードセールも増加し、EXITの多様化が進んでいます。ここ数年で大きなキャピタルゲインをともなったIPOやM&Aの殆どが、厳選集中投資から生まれています。今後もIPO社数を追うことなく、一社当たりのキャピタルゲインの最大化を目指します。
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
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|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
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営業投資有価証券売上高① |
23,470 |
23,291 |
|
|
|
売却高 |
23,322 |
23,177 |
|
|
配当金・債券利子 |
147 |
113 |
|
営業投資有価証券売上原価② |
9,848 |
9,274 |
|
|
|
売却原価 |
9,848 |
9,274 |
|
|
強制評価損 |
- |
- |
|
キャピタルゲイン①-② |
13,621 |
14,016 |
|
|
投資倍率①÷② |
2.38 |
2.51 |
|
|
上場キャピタルゲイン |
11,281 |
5,264 |
|
|
上場以外キャピタルゲイン |
2,340 |
8,751 |
|
|
|
売却益 |
6,750 |
11,069 |
|
売却損 |
4,410 |
2,317 |
|
(投資損失引当金の状況)
「①重要な会計方針及び見積り a.投資損失引当金」に記載の通り、営業投資有価証券については、その損失に備えるため、投資先の実情に応じ、損失見積額を計上しております。
当連結会計年度の投資損失引当金繰入額は1,687百万円(前期2,283百万円)となりました。その内訳は、個別引当による繰入が2,541百万円(前期3,817百万円)、一括引当による繰入(△は取崩)が△854百万円(前期△1,534百万円)であります。
一方、個別引当について、引当対象投資先の売却や強制評価損等により2,399百万円(前期3,148百万円)を取り崩しました。その結果、投資損失引当金繰入額の純額(△は戻入額)は△712百万円(前期△865百万円)となりました。
以上により、当連結会計年度末の投資損失引当金残高は9,501百万円(前期末10,351百万円)、未上場営業投資有価証券残高に対する引当率は18.4%(前期末20.9%)となりました。
厳選集中投資により、良質のポートフォリオを積み上げ、経営関与を高めてきたことで、投資損失引当金残高も大きく減少しています。当連結会計年度は未上場投資残高における引当率は20%を切る水準となっています。
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
||
|
投資損失引当金繰入額① |
2,283 |
1,687 |
|
|
|
個別繰入額 |
3,817 |
2,541 |
|
|
一括繰入(△取崩)額 |
△1,534 |
△854 |
|
投資損失引当金取崩額② |
3,148 |
2,399 |
|
|
投資損失引当金繰入額(純額・△は戻入額)①-② |
△865 |
△712 |
|
|
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前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
||
|
投資損失引当金残高 |
10,351 |
9,501 |
|
|
|
個別引当残高 |
8,644 |
8,651 |
|
|
一括引当残高 |
1,707 |
850 |
|
未上場営業投資有価証券残高に対する引当率 |
20.9% |
18.4% |
|
(営業投資有価証券残高の状況)
上場営業投資有価証券の評価損益(取得原価と時価の差額)は6,153百万円(前期末9,633百万円)であります。その内訳は評価益(時価が取得原価を超えるもの)が6,394百万円(前期末9,850百万円)、評価損(時価が取得原価を超えないもの)が240百万円(前期末216百万円)であります。
なお、部分純資産直入法により、当連結会計年度は24百万円(前期△105百万円)を評価損(△は戻入益)として計上しております。
以上により、当連結会計年度末の営業投資有価証券残高は59,267百万円(前期末61,287百万円)となりました。
ファンド投資を通じた投資残高における当社の持分では、未上場残高が厳選集中投資の推進とポートフォリオの入れ替えにより、前連結会計年度に引き続き増加しています。一方、IPOした投資先の上場投資残高は、当連結会計年度のIPOが振るわなかったために減少しました。
|
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
||
|
上場営業投資有価証券の取得原価と時価の差額 |
9,633 |
6,153 |
|
|
|
時価が取得原価を超えるもの |
9,850 |
6,394 |
|
|
時価が取得原価を超えないもの |
△216 |
△240 |
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
|
|
部分純資産直入法に基づく営業投資有価証券評価損(△戻入益) |
△105 |
24 |
営業投資有価証券残高
|
|
前連結会計年度 (2018年3月31日) |
当連結会計年度 (2019年3月31日) |
|||
|
取得原価 (百万円) |
連結貸借対照表計上額 (百万円) |
取得原価 (百万円) |
連結貸借対照表計上額 (百万円) |
||
|
上場 |
2,035 |
11,669 |
1,590 |
7,744 |
|
|
未上場 |
46,528 |
47,743 |
49,067 |
49,803 |
|
|
小計 |
48,564 |
59,412 |
50,657 |
57,547 |
|
|
他社ファンドへの出資 |
1,807 |
1,874 |
1,632 |
1,719 |
|
|
合計 |
50,371 |
61,287 |
52,289 |
59,267 |
|
(注)1.「他社ファンドへの出資」は、当社グループ以外の第三者が運営する投資ファンドへの出資であります。
2.「未上場」及び「他社ファンドへの出資」の取得原価と連結貸借対照表計上額との差異は、外国為替の評価差額のみを反映しています。
(ファンドの管理運営業務)
当連結会計年度のファンドの管理運営業務による収入は2,586百万円(前期5,987百万円)で、その内訳は以下のとおりであります。
当連結会計年度は、ファンドの運用年数の経過により、管理報酬は減少しました。また、成功報酬は、最大のファンドであるSV3ファンドが延長期間になりEXIT対象先が少なくなってきたために、前連結会計年度に比べ減少しています。ファンドの運用会社として、基礎収入である管理報酬で販管費を賄えない状態が続いています。今後のファンド規模については、有望投資対象マーケットの拡大に歩調を合わせ、厳選集中投資を堅持しながら徐々に拡大していきます。
|
|
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
|
|
金 額(百万円) |
金 額(百万円) |
||
|
投資事業組合管理収入 |
5,987 |
2,586 |
|
|
|
管理報酬 |
3,551 |
1,750 |
|
|
成功報酬 |
2,435 |
836 |
(注)1.管理報酬及び成功報酬は、当社グループの出資持分相当額を相殺した後の金額となっております。
2.当連結会計年度より、当社の100%子会社であるJAFCO America Ventures Inc.(JAV)が受け取る管理報酬の収益計上の方法を変更するとともに、同社を連結の範囲から除外したことにより、管理報酬は減少しております。
e.当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものはファンドへの投資資金、販売費及び一般管理費等であり、販売費及び一般管理費等の主なものは、人件費及び不動産費等であります。ファンドの運用資産の大半は未上場企業であり、時価もなく流動的が極めて限定されます。従って、どのような環境にあっても、継続して投資を行うために自己資本の充実と強い財務基盤が求められます。当連結会計年度は、純資産額は163,215百万円(前期末160,299百万円)、自己資本比率は88.6%(前期末83.7%)と高まっています。貸借対照表に計上されている61,378百万円の現金及び預金の中には、各ファンドに当社が既に出資した分も含まれています。また、今後の出資分や次期ファンドへの出資予定分など、いかなる状況においても継続出資していくために潤沢な現金を常に確保していきます。その上で、投資方針を堅持した積極的な投資と、株主還元の両立を目指していきます。
f.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社グループにおける最大の経営テーマは、ファンドパフォーマンスを持続的に向上させることです。当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであり、収益の源泉はファンドからの管理収入(管理報酬・成功報酬)とファンドへの直接出資持分からのキャピタルゲインであることから、運用中の各ファンドのパフォーマンスを高めていくことが、中長期的な好業績の継続につながっていきます。
当社は、以下をファンドパフォーマンスの具体的な目標としております。
グロス倍率(売却金額(未売却投資先の評価金額を含む)÷投資金額)2.5倍以上
ネット倍率((分配金累計額+純資産額)÷払込済出資金額)2.0倍以上
また、運用中(延長中を含む)の主な国内ファンドのパフォーマンスは次の通りです。
|
ファンド |
設立年月 |
出資金 総額 (億円) |
払込済 出資金額 (億円) |
分配金 累計額 (億円) |
純資 産額 (億円) |
グロス倍率 (倍) |
ネット倍率 (倍) |
|||||
|
2019年3月末 |
2018年3月末 |
2019年3月末 |
2018年3月末 |
2019年3月末 |
||||||||
|
SV-3(B) |
2007年7月 |
610 |
610 |
940 |
13 |
1.99 |
2.04 |
1.52 |
1.56 |
|||
|
SV-4(B) |
2013年3月 |
291 |
291 |
192 |
175 |
1.38 |
1.45 |
1.16 |
1.26 |
|||
|
SV-5(B) |
2016年8月 |
498 |
359 |
- |
318 |
1.00 |
0.94 |
0.90 |
0.89 |
|||
(注)純資産額において、未売却投資先の評価については、上場株式は期末日の時価で評価しており、外貨建の上場株式は期末日の為替レートで換算しております。また、未上場株式は、マークアップ(未実現評価益の計上)せず、マークダウン(未実現評価損の計上)のみを行っています。なお、外貨建ての未上場株式についても期末日の為替レートで換算しております。
g.セグメントごとの財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、ファンド運用事業の単一セグメントであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。