Ⅰ 業績
株式会社TKCおよびその連結子会社等5社を含む連結グループの当期における経営成績は、売上高が54,928百万円(前期比0.8%増)、営業利益は6,741百万円(前期比8.9%増)、経常利益は7,042百万円(前期比10.0%増)、当期純利益は4,011百万円(前期比11.3%増)となりました。
当期の売上高・営業利益・経常利益・当期純利益は、前期実績を超えると同時に、当期売上高・当期純利益は過去最高を更新する結果となりました。
その主たる要因は、会計事務所事業および地方公共団体事業の両部門においてクラウドサービスの受注が順調に伸展したこと、および地方公共団体事業部門において社会保障・税番号(マイナンバー)制度開始に伴う住基システム改修に対応するソフトウエアの提供を開始したこと、各種証明書をコンビニエンスストアにて交付するシステムを提供し政令指定都市や中核市において導入いただいたことなどによります。さらに、当初計画で計上したソフトウエア開発費の資産計上額が増加したこと、および社内の経費節減努力なども要因の一つとなっています。
当期における部門別の売上高等の推移は以下のとおりです。
1.当社グループの通期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
①会計事務所事業部門における売上高は39,067百万円(前期比1.8%減)、営業利益は5,579百万円(前期比2.4%増)の業績となりました。
②コンピュータ・サービス売上高は、前期比3.0%減となりました。これは、中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」をはじめとするクラウドサービスの利用件数が伸展した一方で、FXシリーズの利用数の増加を目的として、これまでTKC統合情報センターで出力していた会計帳簿等を、会計事務所または関与先企業において出力できるようにする機能強化を行い、販売価格を引き下げたことにより売上高が減少したものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比5.2%増となりました。これは、FX4クラウドの利用件数が伸展し、これに伴うソフトウエアレンタル売上高が増加したことによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比15.6%減となりました。これは、FX4クラウドの伸展に伴い、その利用形態がクライアント・サーバー型システムからクラウドサービスへ移行し、クライアント・サーバー型システム立ち上げ支援料収入が減少したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比18.4%減となりました。これは、クラウドサービスへの移行の伸展によりサーバーの需要が減少したことと、前期においてはマイクロソフト社のWindowsXPのサポート終了や消費税増税によるパソコンのリプレース需要が高まりましたが、当期はこのような要因がなかったことによります。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
①地方公共団体事業部門における売上高は12,472百万円(前期比8.9%増)、営業利益は1,100百万円(前期比51.6%増)の業績となりました。
②コンピュータ・サービス売上高は、前期比7.8%増となりました。これは、衆議院解散総選挙および統一地方選挙に伴う売上が増えたこと、クラウドサービスの伸展に伴うTISCサービス利用料の増加によるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比37.2%増となりました。これは、マイナンバー制度開始に伴う住基システム改修対応を行い提供したこと、子ども・子育て支援新制度および平成27年度介護保険制度改正に対応したシステムの開発・提供をしたことなどによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比28.1%減となりました。これは、前期に集中した地方税電子申告システムの導入による売上が、当期は減少したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比37.7%減となりました。これは、前期の消費税増税前に集中したパソコン、サーバー等のハードウエアの受注が、システムのクラウド化の伸展により当期は減少したことによるものです。
(3)印刷事業部門(子会社:東京ラインプリンタ印刷株式会社)の売上高の推移
①印刷事業部門における売上高は3,388百万円(前期比3.4%増)、営業利益は54百万円(前期比698.9%増)となりました。
②データプリントサービス関連商品の売上高は、前期比9.4%増となりました。これは、衆議院解散総選挙関連商品や官公庁の大口の入札物件、その他顧客企業のDM作成などの受注が増加したことによるものです。
③ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比6.5%減となりました。これは前期に獲得した大口帳票の定期受注が増加した一方で、ビジネス帳票の需要減退が続いており、さらに前期にあった官公庁の大口スポット受注が当期はなかったことによるものです。
2.会計事務所事業部門の事業内容と経営成績
会計事務所事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第1項:「会計事務所の職域防衛と運命打開のため受託する計算センターの経営」)に基づいて、顧客である税理士または公認会計士(以下、TKC会員)が組織するTKC全国会(平成27年9月30日現在の会員数は1万900名)との密接な連携の下で事業を展開しています。
(注)TKC全国会については、『TKC全国会のすべて』またはTKCグループホームページ(http://www.tkc.jp/)をご覧ください。
(1)TKC全国会の活動について
①TKC全国会創設50周年(平成33年)に向けての政策課題と戦略目標
TKC全国会では、「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」を掲げ、TKC会員事務所数の拡大と顧問先企業数100万社を目指した戦略目標を設定するとともに、「中小企業の存続・発展の支援」に向けた積極的な取り組みを行っています。
その具体的な戦略目標は以下のとおりです。
1)TKC会員事務所数:1万超事務所
2)TKC会員事務所の税理士数:1万5,000人
3)K(継続MASシステムの徹底活用)・F(TKC自計化システムの普及)・S(税理士法第33条の2による「書面添付」の実践と「記帳適時性証明書」の決算書への積極的な添付と開示、「中小会計要領」の普及):各50万社
4)巡回監査士数:2万人
5)企業防衛加入関与先企業数:30万社
②TKC全国会の重点活動テーマ
TKC全国会では、統一行動テーマ「Chance,Change and Challenge 未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!」を掲げ、戦略目標を実現するためのロードマップを策定しました。このロードマップでは創設50周年(平成33年)までの期間を三つに分け、その第1ステージの期限となる平成28年12月末までの具体的な活動を以下のとおり定めています。
1)会計指導力を強化し、企業の存続発展に貢献しよう
2)書面添付を推進し、税理士業務の完璧な履行を目指そう
3)決算書の信頼性向上を図り、金融機関との連携を深めよう
4)会員数の拡大活動に参画し、組織の活性化を図ろう
こうしたTKC全国会の活動は、当社が提供するシステムやサービスの活用が前提となっています。当社ではその活動を支援し、中小企業の存続と発展に役立つコンピュータ・サービス、ソフトウエアなどの開発・提供へ積極的に取り組んでいます。
(2)「TKC経営戦略2021」について
当社は、平成26年1月に「TKC経営戦略2021」を発表しました。これはTKC全国会の戦略目標達成を支援するため、当社が重点的に取り組む項目を「TKC会員事務所数1万超事務所」と「TKC自計化システム50万社」の二つとし、その具体的な施策をまとめたものです。
①「TKC会員事務所数1万超事務所」に向けた支援活動
TKC全国会では、平成28年9月末までにTKC会員事務所数を9,501以上とするための「プロジェクト9501」を平成27年1月より開始しました。
当社ではこの目標の達成に向けてTKC全国会と緊密に連携して会員導入活動を行っています。当期においては、平成26年11月に福岡で開催した入会3年未満のTKC会員を対象とする「ニューメンバーズフォーラム」へ約150名の未入会税理士に参加いただいたほか、未入会税理士向けのセミナーを積極的に開催しました。
また、平成27年4月からはTKC会員向けに全国で142回開催した「会計事務所向けマイナンバー制度研修会」へ未入会税理士の参加を促進しました。このセミナーには750名を超える未入会税理士・会計事務所職員が参加し、参加者からは「単なる制度の説明だけでなく、会計事務所が行うべき対策が明確で大変参考になった」などの高い評価を得ました。
こうした結果、当期の目標件数(360件)を上回る376件の新規入会を達成し、TKCの会員数は10,900名、事務所数は9,200事務所となっています(平成27年9月30日現在)。
②「TKC自計化システム50万社」に向けた支援活動
1)中小企業に対する自計化推進活動(FXシリーズの推進活動)
当社では、中小企業経営者による自社の経営状況のタイムリーな把握と経営計画の進捗状況の確認を支援する自計化システム「FX2」と「e21まいスター」(以下、FXシリーズ)の普及促進に注力しています。
この一環として平成26年10月からは、従来の会計帳簿等の情報センターでの出力方式に加えて、顧問先企業が会計帳簿等をFXシリーズにより自社内で印刷できる「制度会計タブ」方式の提供を開始しました。また、平成27年1月からは、TKC会員がFXシリーズを利用する顧問先企業の会計帳簿等を「税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMSクラウド)」から印刷できる「OMS出力」方式の提供も開始しました。
これらの施策は、当社システムの従来の強み(「自社データセンターによるセキュアなデータ保管」や「TKC経営指標による同業他社比較」、「『記帳適時性証明書(会計帳簿作成の適時性〈会社法第432条〉と電子申告に関する証明書)』による決算書の信頼性向上」など)に加え、帳簿書類を顧問先企業へ迅速に提供できる仕組みを提供することでFXシリーズの商品力を一段と強化することを目的としています。また、新たな出力方式の処理料金を従来のものより引き下げました。これはTKC会員のメリットを強化することで、自計化推進の活性化を図ることを目的としています。
当期においては、TKC会員に対して新しい出力方式利用による自計化推進のメリットを訴求するとともに、TKC会員が推進対象企業を抽出するために開催する自計化推進会議の支援や当社社員が会計事務所と同行訪問をして顧問先企業へFXシリーズの利用を提案する活動を実施しました。
こうした活動の結果、FXシリーズは平成27年9月30日現在で約21万5,000社に利用されています。
2)中堅企業に対する自計化推進活動(「FX4クラウド」の推進活動)
当社では、TKC会員の中堅優良顧問先企業の離脱防止と顧問先拡大の支援を目的として、年商5億~50億円規模の中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」を提供しています。
当期においては、FX4クラウドの促進を行う事務所が自立的な活動を継続できるよう、企業規模の大きな顧問先を多く持つTKC会員事務所への所内研修会の開催や自計化推進会議の開催支援、顧問先企業への同行訪問などを実施しました。
こうした活動の結果、平成27年9月30日現在のFX4クラウド利用社数は7,600社となりました。
3)「年度重要テーマ研修」への参加促進と参加者へのフォロー活動
TKC全国会では7月から9月にかけ、年度重要テーマ研修「TKC会計人のビジネスモデルを構築しよう ~事例に学ぶ!高収益力を誇るTKC会員事務所の成功法則とは~」を全国で80回開催しました。この研修会には約4,600事務所、約6,800名が参加しています。
講師を担当した高収益を実現しているTKC会員事務所では、FXシリーズを利用した自計化推進を事務所経営の基盤とし、その活用により提供業務の付加価値を高めています。
当社では、この研修会をこれから自計化推進に取り組む事務所の動機付けの場と位置付け、TKC会員に対して積極的な参加を促すとともに、自計化推進会議開催や企業同行訪問などの提案などを行いました。
4)インターネットバンキング等との連携対応
当社は、全国1,500超の金融機関の取引データを一元管理できるデータアグリケーションサービスを新規開発して、データの取り込みと自動で伝票を起票する機能をFXシリーズへ搭載する予定です。
これは、経理業務に人員を割けない小規模事業者(個人事業主)における預金通帳、領収書、請求書などからの起票事務を省力化し、迅速かつ正確な経理業務の実現を支援することを狙いとしています。
(3)「TKC全国会7000プロジェクト」への支援活動
国は平成25年3月に「経営改善計画策定支援事業」を開始しました。これは自ら経営改善計画等を策定することが難しい中小企業・小規模事業者を対象として、税理士・公認会計士等の認定支援機関が中小企業支援の担い手として経営改善計画などの策定支援を行うものです。TKC全国会では、この支援活動を7,000件実施することを目標として平成26年4月に「7000プロジェクト」を設置し、認定支援機関であるTKC会員に対して当事業への積極的な参画を勧奨してきました。なお、平成27年2月には支援事業の利用申請期限が撤廃され、経営改善計画策定支援活動が認定支援機関の恒久的な役割となったことを受け、税理士に対する社会からの期待に応えるべく、TKC全国会では全会を挙げた積極的な活動を継続しています。
当社ではその活動を支援するため、部門横断的な組織として平成27年5月「TKC7000プロジェクト推進支援本部」を設置し、全国各地で開催された「7000プロジェクト実践会」の開催や信用保証協会・金融機関との関係強化の支援に努めました。
また、システム面では経営改善計画の策定に役立つ「継続MASシステム」のレベルアップに加え、計画のモニタリングを支援すべく「FXシリーズ」の「銀行報告用ボタン」の機能強化を行いました。
なお、平成27年6月18日に当社とTKC全国会、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)との三者間において「業務連携・協力に関する覚書」を締結しました。これは、①三者の連携強化、②中小企業の支援の充実、の二点を目的としたもので、これまで当社がTKC全国会とともに行ってきた“中小企業支援の担い手としての活動”が評価され実現したものです。
当社ではTKC全国会と協力し、中小機構との情報交換会や講師派遣、共済制度の推進などをさらに伸展させる計画です。
(4)「適時・正確な記帳に基づく信頼性の高い決算書の作成を支援する」ための活動
当社では、TKC会員が作成する決算書の信頼性を高め、顧問先企業の円滑な資金調達に貢献することを目的として、「記帳適時性証明書」を発行しています。これは、過去データの遡及的な訂正・加除の会計処理を禁止している当社の「データセンター利用方式による財務会計処理」の特長を生かしたもので、TKC会員が毎月、顧問先企業に出向いて正しい会計記帳を指導(月次巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを適時に完了したことを、株式会社TKCが第三者として証明するものです。
この記帳適時性証明書は、全国の金融機関から高く評価され、平成27年9月30日現在、三菱東京UFJ銀行の融資商品「極め」をはじめ、商工組合中央金庫など全国44の金融機関において融資や金利優遇の判断にこれを用いる融資商品が提供されています。
当期においては、当社だけが持つこうした特長が金融機関から高く評価されていることについての企業経営者からの認知を高めるため、積極的な広報・広告活動を展開しました。
(5)「マイナンバー制度」への対応
マイナンバー制度の開始に伴い、企業ではパートタイマーやアルバイトを含む全ての従業員およびその扶養家族などの個人番号を取得し、その管理においては「番号法」および「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」に定められた安全管理措置を講じることが求められます。これは企業から各種申請手続きを委託される会計事務所も同様で、適切な管理・運用の仕組みの整備には多大な負担とリスクが発生します。
そこで当社では、TKC会員事務所が顧問先企業から委託されるマイナンバーを安全かつ適切に管理できるよう「税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMSクラウド)」の機能を強化するとともに、「戦略給与情報システム(PXシリーズ)」のオプションシステムとして顧問先企業が安全・安心・簡単にマイナンバーを収集・保管・利用するクラウドサービスとして「PXまいポータル」(平成27年11月提供予定)の開発を進め、その利用促進活動を開始しました。
また、TKC全国会では同制度の内容や企業の実務対応に精通した会計事務所を「マイナンバー制度アドバイザー事務所」として認定する制度を平成27年8月24日に創設しました。これは当社が提供する「PXまいポータル」の活用を前提としており、当社ではアドバイザー事務所の認知度向上に努め、その活動を支援しています。
こうした活動の結果、OMSクラウドは当期の目標(300事務所)を大幅に超える450事務所から受注し、平成27年9月30日現在で6,100事務所において利用されています。
(6)中堅・大企業市場における顧問先拡大支援
上場企業を中心とする中堅・大企業市場においては、グループの成長戦略として海外展開を準備する企業が増える一方、すでに海外展開している企業では海外子会社の財務情報の適正性、正確性、迅速性が課題となるなど、海外子会社を含めたグループ業績管理体制の強化が必至となっています。また、IFRS(国際会計基準)については、任意適用要件が緩和されたこともあり上場企業を中心に適用企業が増加しており、その動きはさらに顕著となっています。加えて、改正会社法(平成27年5月施行)により、子会社の管理も含め企業グループにおける内部統制システムの強化が求められています。
税務分野では連結納税制度の申請件数は減少しているものの、平成27年度税制改正により法人税の法定実効税率が段階的に引き下げられるなど、複雑化する税効果計算に対する解決策が求められています。さらに、全ての市区町村が地方税電子申告の受け付けを開始したのを受け、中堅・大企業においても電子申告の利用が急速に進んでいます。
当社では、このような環境の変化を捉え、中堅・大企業向けに「TKC連結グループソリューション」(連結会計システム「eCA-DRIVER」、連結納税システム「eConsoliTax」、税効果会計システム「eTaxEffect」、法人電子申告システム「ASP1000R」、統合型会計情報システム「FX5」、電子申告システム「e-TAXシリーズ」ほか)を積極的に推進するとともに、平成27年8月26日より新たにクラウド版の固定資産管理システム「FAManager」の提供を開始し、多くの企業で採用いただきました。
また、当期においては、TKC全国会 中堅・大企業支援研究会(平成27年9月30日現在の会員数は約1,200名)と連携して、「IFRS」「会社法改正」「税制改正」をテーマとしたセミナーを開催したほか、ユーザ企業に対して、企業グループ全体の決算・申告に係る業務を網羅する当社システムの強みを生かしたクロスセールスを実施しました。
こうした活動の結果、中堅・大企業市場を担当する企業情報営業部は7期連続となる2桁成長を達成し、TKC連結グループソリューションの利用企業数は、平成27年9月30日現在で約2,500企業グループ(約1万6,000社)となっています。
(7)海外展開支援
各国の会計システムと連携し、親会社が海外子会社の経営状況をリアルタイムで容易に把握することのできる「海外ビジネスモニター(英語名:Overseas Business Monitor)」の推進に取り組みました。また、平成26年12月5日に西武信用金庫と中小企業の海外展開支援を目的とした包括的連携協定を締結したほか、平成27年6月には、中国子会社の業績管理をテーマに「海外展開支援セミナー」を開催しました。
(8)法律情報データベースの市場拡大
法律情報データベース「LEX/DBインターネット」は、明治8年の大審院判例から直近に公開された全ての法律分野にわたる27万件超(平成27年9月30日現在)の判例等を収録しています。また、LEX/DBインターネットを中核コンテンツとする総合法律情報データベース「TKCローライブラリー」には87万6,000件超の文献情報、46の「専門誌等データベース」を収録し、TKC会員事務所をはじめ大学・法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部など、平成27年9月30日現在で1万5,000超の機関に利用されています。
当期においては、株式会社ぎょうせい殿との共同販売体制によるTKCローライブラリー基本サービスセット、交通事故関連やビジネス法務関連など実務に役立つコンテンツを軸とした販売促進へ取り組むとともに、登録5年未満の弁護士を対象とした「法律事務所実務セミナー」を開催し好評を得ました。また、平成27年8月から新コンテンツとして、「最高裁判所判例解説」「NBL」「資料版商事法務」の提供も開始しました。これらの活動により、弁護士や企業法務部等の実務家への販売強化を図っています。
アカデミック市場では、厳しい経営環境にある法科大学院に対してコストパフォーマンスの高い「TKC法科大学院教育支援システム・ロースクールパッケージ」の継続利用を提案し、現在70校で利用されています。また、同パッケージに含まれる学生の自学自習を支援するための演習システム(「基礎力確認テスト」「短答式過去問題演習トレーニング」「論文演習セミナー」)に加え、新たに「学習支援NAVI」「判例学習ドリル」の二つのシステムを投入し、司法試験に向けた学習計画と進捗管理および必須の判例学習と演習が行える機能を提供したことにより、利用者が拡大しています。
さらに「TKCローライブラリー(海外版)」の代理店販売については、韓国や台湾、中国をはじめとするアジア諸国、ドイツ、イギリス、アメリカなど各国の裁判所や政府機関、大学、法律事務所等からの引き合いがあり、平成27年9月30日現在で60件超のライセンスが利用され、アジア諸国を中心に今後も利用拡大が見込まれています。
3.地方公共団体事業部門の事業内容と経営成績
地方公共団体事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第2項:「地方公共団体の行政効率向上のため受託する計算センターの経営」)に基づき、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、専門特化した情報サービスを展開しています。
(1)市区町村向けクラウドサービスの開発・提供
当社では、人口50万人程度までの市区町村を対象に「TKC行政クラウドサービス」を提供しています。このサービスは、住民向け・基幹系・庁内情報系の各サービスを支援する「TASKクラウドサービス」と、納税通知書などの大量一括出力処理を支援する「TASKアウトソーシングサービス」により構成されています。特に、TASKクラウドサービスは、当社データセンターを運用拠点として全国の市区町村が共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)する単一のパッケージシステムであるため、国が推進する「自治体クラウド」としても注目されています。なお、国の調査によれば基幹系(住基・税務等)システムのクラウド導入率は単独・共同利用を合わせて3割程度ですが、当社システムの利用団体(180団体)では、すでに「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)や「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)など、ユーザのほぼ半数にあたる約90団体(平成27年9月30日現在)がクラウド方式を導入しています。
また、TASKクラウドサービスの後継として平成27年3月より提供を開始した「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」は、「社会保障・税番号(マイナンバー)制度」へ対応するとともに、業務に不慣れな新任や臨時の職員でも迷わず正しい処理を可能とするなど大幅な機能強化を図りました。当期においては、10月からの番号通知に向けた対応準備を進めるとともに、「TASKクラウドフェア2015」(平成27年6月30日~9月4日、全国18都市で開催)などを通じて全国の市区町村に対して本格的な提案活動を展開した結果、約20団体から受注し、平成27年末までに稼働の予定です。
(2)住民向けクラウドサービスの拡充
平成28年1月からの個人番号カード普及に伴い、総務省が推進する「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」サービスの導入機運が急速に高まっています。当社では、これを実現するシステムとして「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」を提供し、これを基盤として11団体においてコンビニ交付サービスが提供されています。全国の市区町村を対象とした初のクラウドサービスとして多くの稼働実績を持つことから、政令指定都市を含め全国から引き合いが相次ぎ、当期においては新たに兵庫県神戸市や姫路市など18団体から受注しました。
(3)地方税の電子申告への対応
当社では、一般社団法人地方税電子化協議会の認定委託先事業者として、同会が運営する「地方税電子申告審査サービス」と「電子納税サービス」をクラウド方式で提供するとともに、各団体が運用する税務システムとの「データ連携サービス」を独自に開発・提供しています。本サービスの推進にあたっては、アライアンスパートナー契約を結ぶ全国40超のシステム・ベンダーとともに提案活動を展開しており、現在、TASKクラウド地方税電子申告支援サービスは700団体超(平成27年9月30日現在)に利用されています。
また、これを足がかりとして税務業務の効率化とコスト削減の観点から「TASKクラウド課税資料イメージ管理サービス」に対する注目度も高まっており、平成27年9月30日現在で30団体超に利用されています。
(4)法律および制度改正等への対応
①マイナンバー制度への対応
マイナンバー制度の開始に伴い、関連するシステムの機能追加を図りました。また、顧客団体の円滑な制度導入を支援するため職員研修などを開催するとともに、「個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)」に欠かせない情報セキュリティ対策ソリューションを体系化し、顧客団体に対して提案を行いました。
②地方公会計の統一的な基準への対応
「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(総務大臣通知平成27年1月23日公表)を受け、市区町村では原則平成29年度までに「複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」を前提とした統一基準による財務書類等を作成することが求められています。
当期においては、日々仕訳(リアルタイム変換方式)に対応した「TASKクラウド公会計システム」と関連システムである「TASKクラウド固定資産管理システム」の新基準への対応を進めるとともに、全国の市区町村に対して積極的な提案活動を行いました。その結果、山梨県韮崎市・北杜市、静岡県下田市など11団体から受注しました。
③社会保障と税の一体改革への対応
市区町村では「社会保障と税の一体改革」への対応が急務となっています。なかでも社会保障制度改革では、「子ども・子育て」「医療・介護」「年金」「貧困・格差・低所得者対策」の分野で各種施策がとられており、当社ではこれらに完全準拠したシステムの提供に取り組んでいます。当期においては、平成27年4月にスタートした子ども・子育て支援新制度および平成27年度介護保険制度改正に対応したシステムの開発・提供を行いました。
4.印刷事業部門の事業内容と経営成績
当社グループの印刷事業部門は、ビジネスフォームの印刷およびデータプリントサービス事業を軸に製造・販売を展開しています。
ビジネスフォーム印刷分野ではビジネス帳票の売上減少が続いているものの、当期は前期に開拓した大口顧客の定期発注により減少は小幅となりました。また、データプリントサービス分野では、選挙関連商品のスポット受注、官公庁の入札物件、顧客企業の大口DM物件獲得などにより売上が増加し、全体の売上高は前期比3.4%増の結果となりました。
Ⅱ キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における「現金および現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ593百万円増加し、16,619百万円になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの概況とその主な理由は次のとおりです。
1.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローについては、6,485百万円増加(前連結会計年度比2,082百万円収入増)しました。その主な理由は、税金等調整前当期純利益が6,962百万円計上されたことなどによるものです。
2.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローについては、4,558百万円減少(前連結会計年度比1,684百万円支出増)しました。その主な理由は、投資有価証券の取得により6,338百万円を支払ったことなどによるものです。
3.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローについては、1,333百万円減少(前連結会計年度比207百万円支出増)しました。その主な理由は、平成26年9月期期末配当ならびに平成27年9月期中間配当1,459百万円を支払ったことなどによるものです。
(1)生産実績
特に記載すべき事項はありません。
(2)受注状況
特に記載すべき事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
会計事務所事業 |
39,067 |
98.2 |
|
地方公共団体事業 |
12,472 |
108.9 |
|
印刷事業 |
3,388 |
103.4 |
|
合計 |
54,928 |
100.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額には消費税等は含まれておりません。
各部門の対処すべき課題は次のとおりです。
1.会計事務所事業部門の対処すべき課題
会計事務所事業部門では、会計事務所と中小企業の発展に貢献することが重要な経営課題であると捉え、今後もTKC全国会の諸活動との密接な連携を図るとともに、TKC会員の活動を支えるシステムやサービスの開発・提供を通じて、その活動を支援してまいります。
(1)小規模企業でもパソコン会計システムは必需品となり、多くの商談で他の会計システムベンダーと競合する状況となっています。当社では、以下の取り組みを通じてシステムの競争力の強化を図り、優位性を訴求することで他社との差別化に努めます。
①当社システムの「強み」は税務と会計にあります。その特長は、法令および会計基準への完全準拠性を堅持しながら、関連する税務申告書と連動させ、会計・税務・電子申告の「一気通貫」を実現していることです。今後も、法令改正や制度変更に迅速・的確に対応し、こうした強みを強化します。
②当社システムの最大の特長は、単にシステムやサービスの提供にとどまらず、税務と会計の実務に精通したTKC会員がシステムの導入から運用まで、きめ細かなサポートを行い、企業の適法・適正な税務と会計の処理を支援していることにあります。当社では、こうしたTKC会員の業務品質のさらなる高付加価値化を支援するため、会員への支援体制の強化を図ります。
(2)TKC全国会の戦略目標を達成するためには、TKC全国会ニューメンバーズ・サービス委員会が掲げるTKC会員事務所1万超事務所の達成が前提となります。当社では、TKC会員と連携した会員導入活動へ取り組み、TKC全国会の戦略目標の達成に貢献します。
(3)顧問先企業の適切なマイナンバー制度対応を支援することで、TKC会員と顧問先企業の関係強化を図り、TKC会員事務所の収益力向上に貢献します。
(4)TKCローライブラリーの利用拡大を目指し、LEX/DBインターネット等の主要コンテンツの機能を強化するとともに、実務家の業務を支援するデータベースや専門誌等のデータベース化によりコンテンツを拡充することで、法律事務所の業務を支援します。
2.地方公共団体事業部門の対処すべき課題
地方公共団体事業部門では、今後も最新のICTを活用した革新的な製品やサービスの開発・提供を通じて、住民の利便性向上と行政の業務効率化を支援することが重要な経営課題であると捉え、以下に取り組みます。
(1)マイナンバー制度開始後を見据えた新たな住民サービスの開発
平成28年1月の番号利用、ならびに平成29年7月の情報連携が開始されることに伴い、市区町村においてはマイナンバーを活用してさらなる利便性向上を図る新たな住民サービスの提供が期待されています。このため、国の動向等を注目しつつタブレット端末やスマートフォン等の最新のICTを活用し、「新世代TASKクラウド」と連携した新たな住民向けサービスの開発に取り組みます。
(2)最適な業務プロセスの実現
地方公共団体市場における当社の強みは、当社データセンターを運用拠点として全国の市町村が単一システムを共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)できることにあります。これらの強みを生かしながら、柔軟性や拡張性、安全性といったクラウドコンピューティングの特長を取り入れ、最適なコストで、最適な業務プロセスを実現できるシステムを継続して探求します。
3.印刷事業部門の対処すべき課題
当グループの印刷事業部門では、「得意先のダイレクトコミュニケーションへの貢献」と「得意先の間接業務アウトソーシング受託」を掲げ、アナログ印刷技術とデジタル印刷技術を融合した受注体制と生産体制を確立し、DPS(データプリントサービス)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)の拡販のため以下へ取り組みます。
(1)新規顧客の開拓により、DPS(データプリントサービス)関連商品の販売促進へ注力します。
(2)アナログとデジタルを融合した印刷技術を得意先に提案し、その顧客とのダイレクトコミュニケーションへ貢献します。
(3)BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)として顧客の間接業務を受託し、高品質を担保しつつ業務効率化、コスト削減、セキュリティリスクの低減など顧客の経営効率化に寄与します。
(4)既存得意先との関係をさらに深め、シェアアップを図ります。
(5)顧客ニーズへの対応、他社との差別化による提案型の営業展開、生産コスト削減のため新技術開発へ継続して取り組みます。
(6)品質の向上と安定・維持、また品質障害防止のための「品質検査」を強化します。
(7)さらなる内製化を進めることで外注比率を下げ、コスト削減を図ります。
(8)「ISO14001」取得の環境配慮型企業として、損紙の削減を図るとともに、使用済みのりの浄化処理や大豆を主原料とするインキへの切り替えをさらに進めます。
4.全社の対処すべき課題
(1)法令を完全に遵守したシステムの提供
当社の業務は、税法、会社法、民法、金融商品取引法、地方自治法などの法律に深く関わりながら、高度な社会的責務を持つ税理士・公認会計士および地方公務員の業務遂行を最新のICTを媒介として支援することにあります。このため、当社においては引き続き法令の改正に迅速に対応できるよう、システム開発体制を整備していきます。
(2)グループガバナンスシステムの確立
金融商品取引法への対応を含め、会社法で求められる内部統制システムを整備するとともに、企業経営理念、各種会議体、諸規程を体系的にまとめ上げ、グループガバナンスシステムの向上に取り組みます。
(3)働きがいのある組織風土の醸成
「経営の行動指針」に基づき、個人とチームワークを尊重した職場づくりへ努めるとともに、「顧客への貢献」の実現に必要となる従業員の能力開発を積極的に行うことにより、「働きがいのある組織風土」の醸成を推進します。
(4)業務継続性の確保
大規模な自然災害など不測の事態が発生した場合でも、全ての当社顧客が業務の継続あるいは早期再開ができるよう、引き続き既存サービスの強化・拡充へ取り組みます。
(5)情報セキュリティに対する取り組み
当社グループは、会計事務所とその関与先企業、地方公共団体を対象として常に最新のICTの活用を通して各種情報サービスを提供しており、情報セキュリティの確保は当社の事業活動の重要課題であり社会的責務です。
また、平成27年10月からマイナンバー制度が開始されたことにより、当社顧客から預託される個人情報に特定個人情報である個人番号が加わり、これらの個人情報の漏洩リスクを低減することがますます重要になってきています。
こうした認識の下、当社グループでは顧客が当社のクラウドサービスを安心して利用いただけるよう、従来より「情報セキュリティ・マネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度」、「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項(プライバシーマーク)」などの第三者認証を取得し、またTISCにおいて「日本公認会計士協会の監査・保証実務委員会実務指針第86号」に基づく「受託業務に係る内部統制の保証報告書(86号監報告書)」を受領しています。
さらに平成27年10月12日には、パブリッククラウドにおける個人情報の保護に特化した国際規格ISO/IEC27018の国内第1号となる認証を取得しました。今回、この認証を取得したことで、当社が会計事務所や地方公共団体からお預かりしている中堅・中小企業の役社員、住民等のマイナンバーを含む個人情報を、世界最高水準の体制下で安全に運用管理していることの客観的な評価を得たこととなり、顧客からの当社のクラウドサービスに対する一層の信頼向上につながるものと考えています。
当社グループでは、引き続き顧客が“安全・安心・便利”にクラウドサービスを利用できる環境の提供に努めてまいります。
当社および当社グループの事業等に関連するリスクについては、有価証券報告書に記載した「事業の状況」および「経理の状況」等に関連して、投資者の皆さまにご承知いただくべきと思われる主な事項を以下に記載いたします。また、その他のリスク要因についても、投資者の皆さまのご判断上、重要と思われる事項について、積極的な情報開示の観点から開示することとしています。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスク発生の事前防止および発生した場合の迅速な対応に努める所存ですが、当社株式に関する投資判断は、本項に加えて本報告書全体の記載も参考にされ、十分に検討した上で行われる必要性があると考えています。また、以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスク要因を全て網羅しているものではありませんので、この点にもご留意ください。
なお、本項において将来にわたる事項は、当連結会計年度末(平成27年9月30日)現在において当社グループが判断したものです。
1.退職給付債務について
当社グループの従業員退職給付債務および関連費用の計上は、割引率等数理計算上で設定される前提条件(基礎率)に基づいて行っています。これらの基礎率が変更となった場合は、結果として当社グループの財政状態および経営成績の変動要因となります。当社グループは、この影響を最小限にすべく退職金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行するなどの施策を実施していますが、その影響を完全になくすことはできません。基礎率の変更は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
2.固定資産価値の減少について
金融商品取引法に基づいて、平成18年9月期から「固定資産の減損に係る会計基準」が適用されています。
この固定資産の減損会計の適用は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.印刷事業部門の原材料調達費の変動について
当社グループの印刷事業部門においては、原材料の調達の大部分について、製紙メーカーから直接原紙を購入し、安定的な原材料の確保と最適な価格の維持に努めています。しかし、原油価格の高騰や国際市場での需給逼迫により、需給バランスが崩れる懸念があります。そのような場合には、当社グループの顧客との間の価格交渉を通じて対応していく所存ですが、原材料調達が極めて困難になった場合や購入価格が著しく上昇した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4.個人情報等の保護について
当社グループにおいては、業務上、顧客(会計事務所および地方公共団体等)は保有する法人および個人の情報を大量に預託されているほか、さまざまな内部情報を保有しています。
当社では、こうした情報の管理を徹底するため、情報管理に関するポリシーや手続きを常に見直すとともに、役社員等に対する教育・研修等を行い、情報管理の重要性の周知徹底およびシステム上のセキュリティ対策等を実施しています。
また、「情報セキュリティ・マネジメントシステム(ISMS)適合性評価制度」、「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム―要求事項(プライバシーマーク)」、パブリッククラウドにおける個人情報の保護に特化した国際規格ISO/IEC27018の第三者認証を受けるなど、さらなる情報保護管理体制の強化を図っています。
しかしながら、予期せぬ事態により、これらの情報が流出する可能性は皆無ではなく、そのような事態が生じた場合、当社の社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担やブランド価値の低下が、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
5.係争事件等について
現在、当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある係争事件等はありませんが、今後そのような係争事件が発生する可能性は皆無ではありません。
該当事項はありません。
当社グループでは、会計事務所とその関与先企業に対し、革新的な情報とマネジメント・ツールを提供するため、並びに地方公共団体に対して、行政事務の効率化・標準化・ネットワーク化を推進するために、ソフトウエアの研究・開発を行っております。
また、研究・開発を行う部門では、システム開発業務における品質管理・品質保証体制の確立・強化を目的として、品質保証の国際規格である「品質システム-設計、開発、製造、据付及び附帯サービスにおける品質保証モデル(ISO9001)」の認証を平成11年7月に取得しております。また平成22年9月にはその範囲を拡大し、地方公共団体事業部システム開発本部においても取得いたしました。
当連結会計年度における研究開発費は124百万円であり、主要な研究開発の成果は次のとおりであります。
(1) 会計事務所事業
上場企業を対象に充実したデータ連携機能で固定資産にかかる決算・申告業務をシンプルに行えるクラウド型固定資産管理システムとして「FAManager」を、TKC給与計算システム(PXシリーズ)のオプションシステムとして、マイナンバー(個人番号)管理を安全・安心・簡単に行える「PXまいポータル」等を開発いたしました。
当事業に係る研究開発費は123百万円であります。
(2) 地方公共団体事業
福祉情報の入力業務が行えるクラウド型システムとして、TASKクラウド福祉情報入力システムを開発しています。
当事業に係る研究開発費は0百万円であります。
(1)財政状態の分析
1.資産の部について
当連結会計年度末における総資産は、76,836百万円となり、前連結会計年度末75,266百万円と比較して1,570百万円増加しました。
①流動資産
当連結会計年度末における流動資産は、31,666百万円となり、前連結会計年度末34,944百万円と比較して3,277百万円減少しました。
その主な理由は、「現金及び預金」が1,706百万円、「受取手形及び売掛金」が1,274百万円減少したことなどによるものです。
②固定資産
当連結会計年度末における固定資産は、45,169百万円となり、前連結会計年度末40,321百万円と比較して、4,848百万円増加しました。
その主な理由は、「長期預金」が3,300百万円減少したものの、「投資有価証券」が6,474百万円増加したことなどによるものです。
2.負債の部について
①流動負債
当連結会計年度末における流動負債は、11,749百万円となり、前連結会計年度末13,281百万円と比較して、1,531百万円減少しました。
その主な理由は、「買掛金」が755百万円、「短期借入金」が268百万円および「未払法人税等」が540百万円減少したことなどによるものです。
②固定負債
当連結会計年度末における固定負債は、2,456百万円となり、前連結会計年度末2,078百万円と比較して、378百万円増加しました。
その主な理由は、「リース債務」509百万円および子会社東京ラインプリンタ印刷株式会社におけるDPSソリューションセンター建設に伴う「長期借入金」が366百万円増加したものの、「その他」に含まれている「長期未払金」が340百万円減少し、退職給付信託に800百万円拠出したことに伴い「退職給付に係る負債」が265百万円減少したことなどによるものです。
3.純資産の部について
当連結会計年度末における純資産合計は、62,630百万円となり、前連結会計年度末59,906百万円と比較して2,723百万円増加しました。
その主な理由は、「利益剰余金」が2,507百万円増加したことなどによるものです。
なお、当連結会計年度末における自己資本比率は、79.6%となり、前連結会計年度末77.7%と比較して1.9ポイント増加しました。
(2)経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 Ⅰ 業績」を参照してください。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 Ⅱ キャッシュ・フロー」を参照してください。