Ⅰ 経営成績
株式会社TKCおよびその連結子会社等5社を含む連結グループの当第2四半期連結累計期間(以下、当第2四半期)における経営成績は、売上高が29,708百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下、前期比)7.0%増)、営業利益は5,187百万円(前期比7.0%増)、経常利益は5,251百万円(前期比6.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,364百万円(前期比18.9%増)となりました。
当第2四半期の売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期実績を超える結果となりました。その主たる要因は、前期に引き続き会計事務所事業および地方公共団体事業の両部門においてクラウドサービスの受注が順調に伸展したこと、また地方公共団体事業部門においてマイナンバー導入に伴うセキュリティー対策の強化(庁内ネットワークのセキュリティー強化)に関する受注があったこと、下期に予定していた商談案件が上期に前倒しになったこと、さらに社内の経費節減努力なども要因の一つとなっています。
当第2四半期における部門別の売上高等の推移は以下のとおりです。
1.当社グループの当第2四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
①会計事務所事業部門における売上高は19,883百万円(前期比3.9%増)、営業利益は3,620百万円(前期比10.5%増)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比2.8%増となりました。これは中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」をはじめとするクラウドサービスの売上高が増加したことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比8.0%増となりました。これは、FX4クラウドの利用数が伸展し、これに伴うソフトウエアレンタル売上高が増加したことによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比9.0%減となりました。これは、FX4クラウド等の利用数が伸展したことに伴い、その利用形態がクライアント・サーバー型システムからクラウドサービスへ移行し、クライアント・サーバー型システム立ち上げ支援料およびハードウエア保守料収入が減少したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比1.9%減となりました。これは、第1四半期からWindows10搭載パソコンの取り扱いを開始したことで販売数が増加したものの、クラウドサービスへの移行が伸展したことによりサーバーの需要が減少していることによるものです。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
①地方公共団体事業部門における売上高は8,042百万円(前期比14.3%増)、営業利益は1,544百万円(前期比6.9%減)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比0.2%減となりました。これは、前期には衆議院解散総選挙および統一地方選挙に伴う売り上げが発生しましたが、当第2四半期にはこのような要因がなかったことによります。
③ソフトウエア売上高は、前期比7.6%増となりました。これは、マイナンバー制度開始に伴う住基システムの改修を行い提供したことや、介護保険制度改正に対応したシステムを開発・提供したことなどによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比57.0%増となりました。これは、地方税電子申告審査サービスの審査サーバー更改および同サービスの機能拡張に伴う導入支援に関する売上が増加したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比77.0%増となりました。これは、マイナンバー制度開始に伴い、顧客団体において情報セキュリティー体制の強化が求められたことにより、サーバー、ネットワーク機器等の販売が増加したことによるものです。
(3)印刷事業部門(子会社:東京ラインプリンタ印刷株式会社)の売上高の推移
①印刷事業部門における売上高は1,782百万円(前期比12.5%増)、営業利益は19百万円(前期は営業損失96百万円)の業績となりました。
②データプリントサービス関連商品の売上高は、前期比26.3%増となりました。これは、大手企業からのDM作成などの大口受注が増加したことによるものです。
③ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比5.5%減となりました。これは、ビジネス帳票の需要減退が続いていることによるものです。
2.会計事務所事業部門の事業内容と経営成績
会計事務所事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第1項:「会計事務所の職域防衛と運命打開のため受託する計算センターの経営」)に基づいて、顧客である税理士または公認会計士(以下、TKC会員)が組織するTKC全国会(平成28年3月31日現在の会員数は1万1,000名)との密接な連携の下で事業を展開しています。
(注)TKC全国会については、『TKC全国会のすべて』またはTKCグループホームページ(http://www.tkc.jp/)をご覧ください。
(1)TKC全国会の活動について
①TKC全国会創設50周年(平成33年)に向けての政策課題と戦略目標
TKC全国会では、「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」を掲げ、TKC会員事務所数の拡大と顧問先企業数100万社を目指した戦略目標を設定するとともに、「中小企業の存続・発展の支援」に向けた積極的な取り組みを行っています。
その具体的な戦略目標は以下のとおりです。
1)TKC会員事務所数:1万超事務所
2)TKC会員事務所の税理士数:1万5,000人
3)K(継続MASシステムの徹底活用)・F(TKC自計化システムの普及)・S(税理士法第33条の2による「書面添付」の実践と「記帳適時性証明書」の決算書への積極的な添付と開示、「中小会計要領」の普及):各50万社
4)巡回監査士数:2万人
5)企業防衛加入顧問先企業数:30万社
②TKC全国会の重点活動テーマ
TKC全国会では、統一行動テーマ「Chance,Change and Challenge 未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!」を掲げ、戦略目標を実現するためのロードマップを策定しました。このロードマップでは創設50周年までの期間を三つに分け、その第1ステージの期限となる平成28年12月末までの具体的な活動を以下のとおり定めています。
1)会計指導力を強化し、企業の存続発展に貢献しよう
2)書面添付を推進し、税理士業務の完璧な履行を目指そう
3)決算書の信頼性向上を図り、金融機関との連携を深めよう
4)会員数の拡大活動に参画し、組織の活性化を図ろう
こうしたTKC全国会の活動は、当社が提供するシステムやサービスの活用が前提となっています。当社ではその活動を支援し、中小企業の存続と発展に役立つコンピューター・サービス、ソフトウエアなどの開発・提供へ積極的に取り組んでいます。
(2)「TKC経営戦略2021」について
当社は、平成26年1月に「TKC経営戦略2021」を発表しました。これはTKC全国会の戦略目標達成を支援するため、当社が重点的に取り組む項目を「TKC会員事務所数1万超事務所」と「TKC自計化システム50万社」の二つとし、その具体的な施策をまとめたものです。
①「TKC会員事務所数1万超事務所」に向けた支援活動
TKC全国会では、平成29年9月末までにTKC会員事務所数を9,501以上とするための「プロジェクト9501」を積極的に実施しています。
当社では、この目標の達成に向けてTKC全国会と緊密に連携して会員導入活動を行っています。
当第2四半期においては、平成27年11月に名古屋で開催した「ニューメンバーズフォーラム」へ参加した約150名の未入会税理士と、TKC会員への紹介依頼活動により紹介を受けた約2,250名の未入会税理士を対象として、マイナンバー制度や改正消費税への対応を切り口とした入会促進活動を展開しました。
また、新たな対象事務所を開拓するため、2月には改正消費税対応に関するダイレクトメールを発信し、約350名の未入会税理士から資料請求をいただいています。
こうした活動の結果、TKCの会員数は平成28年3月31日現在で1万1,000名、事務所数は9,300事務所となりました。
②「TKC自計化システム50万社」に向けた支援活動
1)中小企業に対する自計化推進活動(FXシリーズの推進活動)
当社では、中小企業経営者によるタイムリーな経営状況の把握と経営計画の進捗状況の確認を支援する自計化システム(「FX2」と「e21まいスター」 以下、FXシリーズ)の普及促進に注力しています。
当第2四半期においては、第1四半期より継続している自計化推進会議の開催支援により、事務所ごとに絞り込んだ促進対象企業(全社で約4万5,000社)に対して、当社のマイナンバー制度や改正消費税への対応を紹介するとともに、当社システムの最大の特長である「365日変動損益計算書」と「部門別業績管理」の活用を切り口とした利用促進を積極的に行いました。
こうした活動の結果、FXシリーズの利用社数は平成28年3月31日現在で約22万5,000社となりました。
2)中小企業のマイナンバー対応支援
平成28年1月からスタートしたマイナンバー制度を「てこ」として「戦略給与情報システム(PXシリーズ)」および、マイナンバーの適切な管理を支援するクラウドシステム「PXまいポータル」(平成27年11月提供開始)の利用促進を行いました。この活動は、①TKC会員による顧問先企業の適切で効率的なマイナンバー制度対応支援、②他社システムの採用によるマイナンバー制度対応をきっかけとした、顧問先離脱防止とTKC会員事務所の収益拡大、③PXまいポータル導入をきっかけとしたFXシリーズの導入――を実現することを目的としており、PXまいポータルは平成28年3月末現在で、約3万社の関与先企業で利用されています。
当第2四半期においては、TKC会員へのPXまいポータル推進の動機付けとして、全ての関与先企業に推進しているTKC会員にご協力いただき、その事務所の推進活動を行っている動機とその効果をテーマに動画を作成し視聴促進を行いました。
また、会計事務所の職員を対象として、「マイナンバー対応のためのPX2立ち上げ研修会」を開催し、関与先企業へ利用促進を行う職員に対する動機付けと促進方法に関する提案を行いました。
3)中堅企業に対する自計化推進活動(「FX4クラウド」の推進活動)
当社では、TKC会員の中堅優良顧問先企業の離脱防止と顧問先拡大の支援を目的として、年商5億~50億円規模の中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」を提供しています。
当第2四半期においては、FX4クラウドの推進経験があり、企業規模の大きい顧問先を多く持つTKC会員事務所に対して、事務所が自立的な活動を継続できるよう所内研修会と自計化推進会議の開催支援を行いました。
また、既存のユーザーに対してPXまいポータルを活用したマイナンバー対応支援を行ったほか、3月には「改正消費税・軽減税率の要点解説」をテーマとしたセミナーを開催し、TKC会員の関与先拡大を支援しています。
こうした活動の結果、FX4クラウド利用社数は平成28年3月31日現在で約8,300社となりました。
4)FinTechサービスの開発
当社は関与先企業向けのFinTechサービスとして、金融機関や信販会社が提供するインターネットバンキング等の取引データを自動受信し、FXシリーズの仕訳データとして計上する「銀行信販データ受信機能」を、6月から提供する予定です。
当社が提供するサービスでは、取引明細データを会計システムに取り込む際に、①自動的に差分データのみを取得する、②現金預け入れ・引き出し取引、銀行の口座間振替取引を自動でチェックする、③カード利用明細書とカード利用時の未払い金計上仕訳をチェック(突合)できるなどの当社独自の機能を搭載して、経理事務における省力化を実現するとともに決算書の信頼性を高めるための正確な仕訳計上を支援します。
また、当社は金融機関向けのFinTechサービスとして、その取引先企業の了解のもと決算書情報や月次試算表等の最新の業績情報等のデータを会計事務所から金融機関へ提供する新たなサービスの開発について、常陽銀行殿および西武信用金庫殿と提携することを発表しました。当サービスは、TKC会員が実施する月次巡回監査を通して正確性や適法性が確認された月次・年次決算データであることから、金融機関の融資判断およびモニタリングのための信頼性の高い情報として期待されています。当サービスは10月から提供開始する予定です。
(3)「TKC全国会7000プロジェクト」への支援活動
国は平成25年3月に「経営改善計画策定支援事業」を開始しました。これは自ら経営改善計画等を策定することが難しい中小企業・小規模事業者を対象として、税理士・公認会計士等の認定支援機関が中小企業支援の担い手として、経営改善計画などの策定支援を行うものです。TKC全国会では、この支援活動を7,000件実施することを目標として平成26年4月に「7000プロジェクト」を設置し、認定支援機関であるTKC会員に対して当事業への積極的な参画を勧奨してきました。
当社ではその活動を支援するため、「TKC7000プロジェクト推進支援本部」を設置し、信用保証協会や金融機関との関係強化の支援に努めています。
なお、経営改善計画策定支援活動は、平成27年2月に支援事業の利用申請期限が撤廃され、認定支援機関の恒久的な役割となっています。
(4)「適時・正確な記帳に基づく信頼性の高い決算書の作成を支援する」ための活動
当社では、TKC会員が作成する決算書の信頼性を高め、顧問先企業の円滑な資金調達に貢献することを目的として、「記帳適時性証明書」を発行しています。これは、過去データの遡及的な訂正・加除の会計処理を禁止している当社の「データセンター利用方式による財務会計処理」の特長を生かしたもので、TKC会員が毎月、顧問先企業に出向いて正しい会計記帳を指導(月次巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを適時に完了したことを株式会社TKCが第三者として証明するものです。
この記帳適時性証明書は、全国の金融機関から高く評価され、三菱東京UFJ銀行の融資商品「極め」をはじめ、商工組合中央金庫など全国の金融機関において融資や金利優遇の判断にこれを用いる融資商品が提供されています。
(5)税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMS)の推進
当社では、TKC会員事務所のマイナンバー対応を支援するため、平成27年10月に「税理士事務所オフィス・マネジメント・システム(OMS)」を改訂し提供しました。
この改訂では、マイナンバー制度に係る法令および「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」に定められた特定個人情報の安全管理措置を順守できるよう、入力制限や閲覧制限、出力制限、オフライン利用権限などの仕組みを組み込むとともに、当社のデータセンターでマイナンバーを安全・安心に保管し、事務所内のサーバーやパソコン内に同データを残さない仕組みを構築しています。
当第2四半期においては、こうしたマイナンバー対応を訴求点として利用促進を行い、平成28年3月31日現在で6,400を超えるTKC会員事務所で利用されています。
(6)中堅・大企業市場における顧問先拡大支援
上場企業を中心とする中堅・大企業市場においては、昨今の税制改正による法人税の法定実効税率の段階的な引き下げ、企業会計基準委員会より公表された「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」など、複雑化する税効果計算に対する解決策や、2015年より導入された社会保障・税番号制度への対応や消費税の軽減税率制度への対応、移転価格税制に係る文書化への対応など、相次ぐ法・制度改正への対応が求められています。
会計分野においては、IFRS(国際会計基準)の任意適用要件が緩和されたこともあり上場企業を中心に適用企業が増加しており、その動きはさらに顕著となっています。加えて、改正会社法(2015年5月施行)により、子会社の管理も含め企業グループにおける内部統制システムの強化が求められています。また、グループの成長戦略として海外展開を準備する企業が増える一方、すでに海外展開している企業では海外子会社の財務情報の適正性、正確性、迅速性が課題となるなど、海外子会社を含めたグループ業績管理体制の強化が必至となっています。
当社では、このような環境の変化を捉え、中堅・大企業向けに「TKC連結グループソリューション」(連結会計システム「eCA-DRIVER」、連結納税システム「eConsoliTax」、税効果会計システム「eTaxEffect」、法人電子申告システム「ASP1000R」、統合型会計情報システム「FX5」、電子申告システム「e-TAXシリーズ」、固定資産管理システム「FAManager」、海外ビジネスモニター「OBMonitor」ほか)を積極的に推進し、平成28年3月31日現在で約2,500企業グループ(約1万6,300社)に利用されています。
当第2四半期においては、TKC全国会中堅・大企業支援研究会(平成28年3月31日現在の会員数は約1,200名)、TKC全国会海外展開支援研究会(平成28年3月31日現在の会員数は約290名)と連携して、法人税や消費税など税制改正をテーマとしたセミナーや在アジア子会社のミス・不正の発見・けん制事例を紹介するセミナーを開催したほか、当社システムユーザーに対して、企業グループ全体の決算・申告に係る業務を網羅する当社システムの強みを生かしたクロスセールスを実施しました。また、大企業に向け、報酬・不動産使用料等の支払先のマイナンバー管理に特化したクラウドサービス「e-TAX法定調書(報酬・不動産マイナンバーオプション)」(平成28年6月提供予定)の開発を進めています。
(7)法律情報データベースの市場拡大
法律情報データベース「LEX/DBインターネット」は、明治8年の大審院判例から直近に公開された全ての法律分野にわたる27万件超(平成28年3月31日現在)の判例等を収録しています。また、LEX/DBインターネットを中核コンテンツとする総合法律情報データベース「TKCローライブラリー」には89万件超の文献情報、46の「専門誌等データベース」を収録し、TKC会員事務所をはじめ大学・法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部など、平成28年3月31日現在で1万6,000超の機関に利用されています。
当第2四半期においては、株式会社ぎょうせい殿との共同販売体制によるTKCローライブラリー基本サービスセット、交通事故関連やビジネス法務関連など実務に役立つコンテンツを軸とした販売促進へ取り組むとともに、登録5年未満の弁護士を対象とした「法律事務所実務セミナー」を開催し好評を得ました。また、平成27年8月に提供を開始した新コンテンツ「最高裁判所判例解説」「NBL(New Business Law)」「資料版商事法務」と組み合わせた促進活動により、弁護士や企業法務部等の実務家への販売強化を図っています。
アカデミック市場では、厳しい経営環境にある法科大学院に対してコストパフォーマンスの高い「TKC法科大学院教育支援システム・ロースクールパッケージ」の継続利用を提案し、現在70校で利用されています。また、同パッケージに含まれる学生の自学自習を支援するための演習システム(「基礎力確認テスト」「短答式過去問題演習トレーニング」「論文演習セミナー」)に加え、新たに「学習支援NAVI」「判例学習ドリル」を投入し、司法試験に向けた学習計画と進捗管理および必須の判例学習と演習が行える機能を提供したことにより利用者が拡大しています。
さらに「TKCローライブラリー(海外版)」の代理店販売については、韓国や台湾、中国をはじめとするアジア諸国、ドイツ、イギリス、アメリカなど各国の裁判所や政府機関、大学、法律事務所等からの引き合いがあり、平成28年3月31日現在で60件超のライセンスが利用され、アジア諸国を中心に今後も利用拡大が見込まれています。
3.地方公共団体事業部門の事業内容と経営成績
地方公共団体事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第2項:「地方公共団体の行政効率向上のため受託する計算センターの経営」)に基づき、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、専門特化した情報サービスを展開しています。
(1)市区町村向けクラウドサービスの開発・提供
当社では、人口50万人程度までの市区町村を対象に「TKC行政クラウドサービス」を提供しています。これは、住民向けサービスおよび基幹系・庁内情報系の各種業務を支援する「TASKクラウドサービス」と、納税通知書などの大量一括出力処理を支援する「TASKアウトソーシングサービス」により構成されています。特に、TASKクラウドサービスは、当社データセンターを運用拠点として全国の市区町村が共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)する単一のパッケージシステムであるため、国が推進する「自治体クラウド」としても注目されています。なお、国の調査によれば基幹系(住基・税務等)システムのクラウド導入率は単独・共同利用を合わせて3割程度ですが、当社基幹系システムの利用団体(130団体)では、すでに「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)や「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)など、ユーザーの半数を超える82団体(平成28年3月31日現在)がクラウド方式を導入しています。
また、TASKクラウドサービスの後継として平成27年3月より提供を開始した「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」は、マイナンバー制度へ対応するとともに、業務に不慣れな新任や臨時の職員でも迷わず正しい業務処理を可能とするなど大幅な機能強化を図りました。当第2四半期においては、平成28年1月からのマイナンバー利用開始に向けた対応準備を進めるとともに、累計32団体において新世代TASKクラウドへの移行が完了しています。
(2)住民向けクラウドサービスの拡充
平成28年1月から交付が開始されたマイナンバーカードの普及に伴い、総務省が推進する「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」サービスの導入機運が急速に高まっています。当社では、これを実現するシステムとして「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」を提供しており、平成28年3月31日までに36団体(稼働済み25団体含む)に採用いただいています。
全国の市区町村を対象とした初のクラウドサービスとして多くの稼働実績を持つことから、政令指定都市を含め全国から引き合いが相次いでおり、当第2四半期においては新たに7団体から受注しました。
(3)地方税の電子申告への対応
当社では、一般社団法人地方税電子化協議会の認定委託先事業者として、同会が運営する「地方税電子申告審査サービス」と「電子納税サービス」をクラウド方式で提供するとともに、各団体が運用する税務システムとの「データ連携サービス」を独自に開発・提供しています。本サービスの推進にあたっては、アライアンスパートナー契約を結ぶ全国40社超のシステム・ベンダーとともに提案活動を展開しており、現在、TASKクラウド地方税電子申告支援サービスは、全都道府県・市区町村の約4割にあたる712団体(平成28年3月31日現在)に利用されています。
また、税務業務の効率化とコスト削減に加え、最近では紙媒体に起因する情報漏えいの防止策としても「TASKクラウド課税資料イメージ管理サービス」に対する注目度が高まっており、平成28年3月31日現在で49団体に利用されています。
(4)法律および制度改正等への対応
①マイナンバー制度への対応
マイナンバー制度の開始に伴い、関連するシステムの機能追加を図りました。また、「個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)」に欠かせない情報セキュリティー対策ソリューションについて積極的な提案活動を行いました。
②地方公会計の統一的な基準への対応
「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(総務大臣通知 平成27年1月23日公表)を受け、市区町村では原則、平成29年度までに「複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」を前提とした統一基準による財務書類等を作成することが求められています。
当第2四半期においては、当社独自の機能として日々仕訳(リアルタイム変換方式)に対応した「TASKクラウド公会計システム」とその関連システムである「TASKクラウド固定資産管理システム」の新基準への対応を進め、全国の市区町村に先駆け奈良県香芝市および栃木県益子町にて本稼働しました。また、同システムの引き合いが全国から相次いでおり、新たに17団体から受注しました。
4.印刷事業部門の事業内容と経営成績
当社グループの印刷事業部門は、ビジネスフォームの印刷およびデータプリントサービス事業を軸に製造・販売を展開しています。
ビジネスフォーム印刷分野では、全体的にビジネス帳票の売上高が減少傾向にあるものの、当第2四半期においては大手顧客からの定期帳票の受注が順調に伸び、売上高の減少をカバーしたことで小幅な減少となりました。
また、データプリントサービス分野では、前年にあった選挙関連スポット受注が減少したものの、入札物件、DM物件、BPO物件などの大口受注があったことにより、印刷事業全体の売上高は増加し、当第2四半期は前期比12.5%増となりました。
Ⅱ 財政状態
当第2四半期連結会計期間末における資産・負債及び純資産の状況は次のとおりです。
1.資産の部について
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、78,454百万円となり、前連結会計年度末76,836百万円と比較して1,617百万円増加しました。
(1)流動資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、29,459百万円となり、前連結会計年度末31,666百万円と比較して2,206百万円減少しました。
その主な理由は、「受取手形及び売掛金」が1,913百万円増加し、「現金及び預金」が3,904百万円減少したことなどによるものです。
(2)固定資産
当第2四半期連結会計期間末における固定資産は、48,994百万円となり、前連結会計年度末45,169百万円と比較して、3,824百万円増加しました。
その主な理由は、「投資有価証券」が3,925百万円増加したことなどによるものです。
2.負債の部について
(1)流動負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、11,850百万円となり、前連結会計年度末11,749百万円と比較して、100百万円増加しました。
その主な理由は、「未払法人税等」が861百万円増加し、「未払金」が1,538百万円減少したことなどによるものです。
(2)固定負債
当第2四半期連結会計期間末における固定負債は、2,405百万円となり、前連結会計年度末2,456百万円と比較して、51百万円減少しました。
その主な理由は、「退職給付に係る負債」が84百万円増加し、「長期借入金」が35百万円および「その他」に含まれている「リース債務」が80百万円減少したことなどによるものです。
3.純資産の部について
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、64,198百万円となり、前連結会計年度末62,630百万円と比較して1,568百万円増加しました。
その主な理由は、「利益剰余金」が2,355百万円増加し、「その他有価証券評価差額金」が825百万円減少したことなどによるものです。
なお、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は、79.9%となり、前連結会計年度末79.6%と比較して0.3ポイント増加しました。
Ⅲ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金および現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,604百万円減少し、15,014百万円になりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの概況とその主な理由は次のとおりです。
(1)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローについては、3,247百万円の収入(前年同四半期比 1,683百万円収入増)となりました。その主な理由は、税金等調整前四半期純利益5,236百万円が計上されたこと等によるものです。
(2)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローについては、3,814百万円の支出(前年同四半期比 2,061百万円支出増)となりました。その主な理由は、投資有価証券の取得代金6,162百万円を支払ったこと等によるものです。
(3)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローについては、1,037百万円の支出(前年同四半期比580百万円支出増)となりました。その主な理由は、平成27年9月期期末配当1,008百万円(1株当たり配当38円)を支払ったこと等によるものです。
Ⅳ 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅴ 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は54百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。