Ⅰ 経営成績
株式会社TKCおよびその連結子会社等5社を含む連結グループの当第3四半期連結累計期間(以下、当第3四半期)における経営成績は、売上高が43,702百万円(前年同四半期連結累計期間比(以下、前期比)6.1%増)、営業利益は7,698百万円(前期比15.0%増)、経常利益は7,853百万円(前期比14.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,959百万円(前期比25.4%増)となりました。
当第3四半期の売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期実績を超える結果となりました。その主たる要因は、①前期に引き続き会計事務所事業および地方公共団体事業の両部門においてクラウドサービスの受注が順調に伸展したこと、②地方公共団体事業部門においてマイナンバー制度の開始に伴う情報セキュリティー対策の強化(庁内ネットワークのセキュリティー強化)に関する受注があったこと、③社内の経費節減努力など――が挙げられます。
当第3四半期における部門別の売上高等の推移は以下のとおりです。
1.当社グループの当第3四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
①会計事務所事業部門における売上高は29,900百万円(前期比4.0%増)、営業利益は5,807百万円(前期比17.0%増)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比3.3%増となりました。これは、中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」、およびマイナンバーの適切な管理を支援する「PXまいポータル」などのクラウドサービスの利用数が伸展したことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比7.2%増となりました。これは、FX4クラウドおよびe21まいスターの利用数が伸展したことによるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比8.3%減となりました。これは、FX4クラウド等の利用数が伸展したことに伴い、クライアント・サーバー型システムに関わる立ち上げ支援料およびハードウエア保守料収入が減少したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比5.2%増となりました。これは、第1四半期から取り扱いを開始したWindows10搭載パソコンの販売数が増加したことによるものです。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
①地方公共団体事業部門における売上高は10,997百万円(前期比11.5%増)、営業利益は1,636百万円(前期比0.7%増)の業績となりました。
②コンピューター・サービス売上高は、前期比0.7%増となりました。これは、「新世代TASKクラウド」の顧客団体数の伸展にともない、利用料が増加したことによるものです。
③ソフトウエア売上高は、前期比7.4%増となりました。これは、マイナンバー制度開始に伴う住基システムの改修および介護保険制度改正に対応したシステムの開発・提供に加えて、新世代TASKクラウドを利用する顧客団体数の増加によるものです。
④コンサルティング・サービス売上高は、前期比46.2%増となりました。これは、地方税電子申告審査サービスの審査サーバーの更改および同サービスの機能拡張に伴う導入支援に関する売上高が増加したことによるものです。
⑤パソコン、サーバー等のハードウエア売上高は、前期比78.4%増となりました。これは、マイナンバー制度の開始に伴い、顧客団体において情報セキュリティー体制の強化が求められたことにより、サーバーやネットワーク機器等の販売数が増加したことによるものです。
(3)印刷事業部門(子会社:東京ラインプリンタ印刷株式会社)の売上高の推移
①印刷事業部門における売上高は2,804百万円(前期比8.8%増)、営業利益は250百万円(前期比155.3%増)の業績となりました。
②データプリントサービス関連商品の売上高は、前期比7.8%増となりました。これは、大手企業からのDM作成などの大口受注を獲得したことによるものです。
③ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比5.9%減となりました。これは、ビジネス帳票の需要減退が続いていることに加え、前期にあった官公庁からの大口スポット受注が当期はなかったことによるものです。
2.熊本地震への対応
今年4月、熊本県と大分県で相次いで発生した熊本地震により、当社のお客さまである会計事務所とその顧問先企業、あるいはアライアンスパートナーを通じて当社システムを利用される市町村が大きな被害を受けました。
当社においても営業所(熊本SCGサービスセンター)が被災しましたが、人的な被害はなく、現在では通常業務に復しています。
また、今回の地震発生に伴い、当社では被災したお客さまの復旧・復興を支援するため、以下の支援活動を行いました。
①当社社員およびお客さまの安否確認と被災状況の把握
②被災したTKC全国会会員への見舞金の支払い
③社員有志および当社から、義援金1,000万円を拠出
④被災したTKC全国会会員の業務再開を支援
⑤アライアンスパートナーへの支援の申し入れ
⑥被災により会計帳簿等を消失した企業に対する、会計帳簿等の無償再出力
⑦パソコン等の無償貸与
⑧平成28年4月分請求の一カ月繰り延べ
3.会計事務所事業部門の事業内容と経営成績
会計事務所事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第1項:「会計事務所の職域防衛と運命打開のため受託する計算センターの経営」)に基づき、お客さまである税理士または公認会計士(以下、TKC会員)が組織するTKC全国会との密接な連携の下で事業を展開しています。
(注)TKC全国会については、『TKC全国会のすべて』またはTKCグループホームページ(http://www.tkc.jp/)をご覧ください。
(1)TKC全国会の活動について
①TKC全国会創設50周年(平成33年)に向けての政策課題と戦略目標
TKC全国会では、「TKC全国会創設50周年に向けての政策課題と戦略目標」を掲げ、TKC会員事務所数の拡大と顧問先企業数100万社を目指した戦略目標を設定するとともに、「中小企業の存続・発展の支援」に向けた積極的な取り組みを行っています。
その具体的な戦略目標は以下のとおりです。
1)TKC会員事務所数:1万超事務所
2)TKC会員事務所の税理士数:1万5,000人
3)K(継続MASシステムの徹底活用)・F(TKC自計化システムの普及)・S(税理士法第33条の2による「書面添付」の実践と「記帳適時性証明書」の決算書への積極的な添付と開示、「中小会計要領」の普及):各50万社
4)巡回監査士数:2万人
5)企業防衛加入顧問先企業数:30万社
②TKC全国会の重点活動テーマ
TKC全国会では、統一行動テーマ「Chance,Change and Challenge 未来を拓く。TKC会計人の新成長戦略2021!」を掲げ、戦略目標を実現するためのロードマップを策定しました。このロードマップでは創設50周年までの期間を三つに分け、その第1ステージの期限となる平成28年12月末までの具体的な活動を以下のとおり定めています。
1)会計指導力を強化し、企業の存続発展に貢献しよう
2)書面添付を推進し、税理士業務の完璧な履行を目指そう
3)決算書の信頼性向上を図り、金融機関との連携を深めよう
4)会員数の拡大活動に参画し、組織の活性化を図ろう
こうしたTKC全国会の活動は、当社が提供するシステムやサービスの活用が前提となっています。当社ではその活動を支援し、中小企業の存続と発展に役立つコンピューター・サービス、ソフトウエアなどの開発・提供へ積極的に取り組んでいます。
(2)「TKC経営戦略2021」について
当社は、平成26年1月に「TKC経営戦略2021」を発表しました。これはTKC全国会の戦略目標達成を支援するため、当社が重点的に取り組む項目を「TKC会員事務所数1万超事務所」と「TKC自計化システム50万社」の二つとし、その具体的な施策をまとめたものです。
①「TKC会員事務所数1万超事務所」に向けた支援活動
TKC全国会では、平成29年9月末までにTKC会員事務所数を9,501以上とするための「プロジェクト9501」へ積極的に取り組んでおり、当社はその達成に向けてTKC全国会と緊密に連携して会員導入活動を行っています。
当第3四半期においては、TKC会員への紹介依頼活動により紹介を受けた未入会税理士や3月末までに開催したセミナーの参加者へ積極的な入会促進活動を展開しました。
また、6月1日からFXシリーズへ新たに搭載した顧問先企業向けFinTechサービス「銀行信販データ受信機能」の活用を提案する入会促進活動を行っています。
こうした活動の結果、TKCの会員数は平成28年6月30日現在で1万1,000名、事務所数は9,300事務所となりました。
②「TKC自計化システム50万社」に向けた支援活動
当社では、中小企業経営者によるタイムリーな経営状況の把握と経営計画の進捗状況の確認を支援する自計化システム(「FX2」と「e21まいスター」 、以下FXシリーズ)の普及促進に注力しています。FXシリーズの利用社数は平成28年6月30日現在で約22万5,000社となりました。
1)TKC方式による自計化ステップアップ研修
当社では、TKC全国会が4月から6月にかけて開催した年度重要テーマ研修「マイナンバー・複数税率・クラウド会計・FinTech~これらの変化に対応し、危機を突破する事務所経営とは」によりTKC方式による自計化の取り組みを開始したTKC会員事務所をフォローアップするため、「TKC方式による自計化ステップアップ研修会」を平成28年4月より全国56カ所で開催しています。
この研修会は「立ち上げ編」3講座と「活用編」3講座からなり、これによりTKC自計化システムのスムーズな活用を支援し、TKC全国会が目指す「事務所総合力」の強化へ貢献することを目的としています。
2)顧問先企業向けFinTechサービス
当社では、FXシリーズの機能強化として6月1日からTKC会員の顧問先企業向けにFinTechサービス「銀行信販データ受信機能」の提供を開始しました。これは全国97%の銀行(法人口座)や主要な信販会社から取引データを受信し、あらかじめ設定した仕訳ルールをもとに仕訳を簡単かつ正確に計上できるようにするものです。仕訳の約40%(当社調べ)を占める銀行取引に関わる経理事務の合理化を支援します。
当第3四半期においては、これを切り口として自計化推進を一気に進めるため、前述の「TKC方式による自計化ステップアップ研修会」で紹介するとともに、事務所主催の「銀行信販データ受信機能立ち上げ支援研修会」の開催を支援しました。
3)金融機関向けFinTechサービス
当社では、平成28年10月から金融機関向けFinTechサービス、「TKCモニタリング情報サービス」の提供を開始します。これは、金融機関が「金融行政方針」(金融庁、平成27年9月公表)により「事業性評価」と「FinTech」への対応が求められていることを踏まえ、この支援を通じてTKC会員の業務品質の高さを金融機関に訴求し、相互連携を深めることを目的としています。
当第3四半期においては、この取り組みに賛同した常陽銀行や西武信用金庫との連携に関する広報活動と積極的な広告活動へ取り組んだほか、全国で20の地域会とともに各地域の金融機関に対して当サービスの説明会を開催しました。この活動の結果、6月30日までに全国204の金融機関から当サービスに関する利用の意向を受けています。
※なお、このサービスによる金融機関へのデータ提供は、TKC会員の顧問先企業の依頼に基づき実施します。
③中堅企業に対する自計化推進活動(「FX4クラウド」の推進活動)
当社では、TKC会員の中堅優良顧問先企業の離脱防止と顧問先企業拡大の支援を目的として、年商5億~50億円規模の中堅企業向け統合型会計情報システム「FX4クラウド」を提供しています。
当第3四半期においては、顧問先向けFinTechサービス「銀行信販データ受信機能」を切り口とした活動を促進しました。また、FX4クラウドを推進するTKC会員事務所への支援策として、ユーザー企業へ当機能の活用を促進するための研修会を実施しました。
こうした活動の結果、FX4クラウドの利用社数は平成28年6月30日現在で約8,300社となりました。
(3)「TKC全国会7000プロジェクト」への支援活動
TKC全国会では、7,000件の「経営改善計画策定支援事業」を実施することを目標として平成26年4月に「TKC全国会7000プロジェクト」を設置し、認定支援機関であるTKC会員に対して当事業への積極的な参画を勧奨してきました。この結果、これまでにTKC会員が実施した支援事業の利用件数は約5,300件(平成28年6月現在)と利用件数全体の約5割を占め、TKC全国会に対する中小企業庁や金融機関等からの高い評価につながっています。
当社ではその活動を支援するため、「TKC7000プロジェクト推進支援本部」を設置し、信用保証協会や金融機関との関係強化の支援に努めています。
(4)「適時・正確な記帳に基づく信頼性の高い決算書の作成を支援する」ための活動
当社では、TKC会員が作成する決算書の信頼性を高め、顧問先企業の円滑な資金調達に貢献することを目的として「記帳適時性証明書」を発行しています。これは、過去データの遡及的な訂正・加除の会計処理を禁止している当社の「データセンター利用方式による財務会計処理」の特長を生かしたもので、TKC会員が毎月、顧問先企業に出向いて正しい会計記帳を指導(月次巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを適時に完了したことを株式会社TKCが第三者として証明するものです。
この記帳適時性証明書は、全国の金融機関からも高く評価され、三菱東京UFJ銀行の「極め」をはじめ商工組合中央金庫などにおいて、融資や金利優遇の判断にこれを用いる融資商品が提供されています。
(5)中堅・大企業市場における顧問先企業拡大支援
上場企業を中心とする中堅・大企業市場においては、昨今の税制改正による法人税の法定実効税率の段階的な引き下げや、複雑化する税効果計算に対する解決策、社会保障・税番号制度、移転価格税制に係る文書化など、相次ぐ法・制度改正への対応が求められています。会計分野においても、IFRS(国際会計基準)の任意適用要件の緩和などで上場企業を中心に適用企業が増加しており、その動きはさらに顕著となっています。加えて、改正会社法(2015年5月施行)により、子会社の管理も含め企業グループにおける内部統制システムの強化が求められています。また、グループの成長戦略として海外展開を準備する企業が増える一方、すでに海外展開している企業では海外子会社の財務情報の適正性、正確性、迅速性が課題となるなど、海外子会社を含めたグループ業績管理体制の強化が必至となっています。
当社では、このような環境の変化を捉え、中堅・大企業向けに「TKC連結グループソリューション」(連結会計システム「eCA-DRIVER」、連結納税システム「eConsoliTax」、税効果会計システム「eTaxEffect」、法人電子申告システム「ASP1000R」、統合型会計情報システム「FX5」、電子申告システム「e-TAXシリーズ」、固定資産管理システム「FAManager」、海外ビジネスモニター「OBMonitor」ほか)を積極的に推進し、平成28年6月30日現在で約2,500企業グループ(約1万6,500社)に利用されています。
当第3四半期においては、TKC全国会中堅・大企業支援研究会(平成28年6月30日現在の会員数は約1,200名)とTKC全国会海外展開支援研究会(平成28年6月30日現在の会員数は約350名)と連携して、税務コンプライアンスや国税関係書類のスキャナ保存制度をテーマとしたセミナーや移転価格税制に係る成功/失敗事例を紹介するセミナーを開催したほか、当社システムユーザーに対して、企業グループ全体の決算・申告に係る業務を網羅する当社システムの強みを生かしたクロスセールスを実施しました。
また、6月30日から「電子帳簿保存法第4条3項(スキャナ保存制度)」に対応した大企業向けクラウドサービス「TKC証憑ストレージサービス(TDS)」の提供を開始しました。さらに、報酬・不動産使用料等の支払先のマイナンバー管理に特化したクラウドサービス「e-TAX法定調書(報酬・不動産マイナンバーオプション)」(平成28年7月1日提供予定)の開発を進める一方で、早期予約キャンペーンを実施し、160社を超える企業から予約を受けました。
(6)法律情報データベースの市場拡大
法律情報データベース「LEX/DBインターネット」は、明治8年の大審院判例から直近に公開された全ての法律分野にわたる27万3,000件超(平成28年6月30日現在)の判例等を収録しています。また、LEX/DBインターネットを中核コンテンツとする総合法律情報データベース「TKCローライブラリー」には89万1,000件超の文献情報、46の「専門誌等データベース」など、収録情報総数は232万件を超え、TKC会員事務所をはじめ大学・法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部など、平成28年6月30日現在で約1万6,600超の機関に利用されています。
当第3四半期においては、TKCローライブラリー基本サービスセット、交通事故関連やビジネス法務関連など実務に役立つコンテンツを軸とした販売促進へ取り組むとともに、登録5年未満の弁護士(組織内弁護士含む)を対象とした「法律事務所実務セミナー」を4テーマ、7回開催し好評を得ました。また、「最高裁判所判例解説」「NBL(New Business Law)」「資料版商事法務」と組み合わせた商品の促進活動により、弁護士や企業法務部等の実務家への販売強化を図っています。
アカデミック市場では、厳しい経営環境にある法科大学院に対してコストパフォーマンスの高い「TKC法科大学院教育支援システム・ロースクールパッケージ」の継続利用を提案し、現在68校で利用されています。また、同パッケージに含まれる学生の自学自習を支援するための演習システム(「基礎力確認テスト」「短答式過去問題演習トレーニング」「論文演習セミナー」)に加え、新たに「学習支援NAVI」「判例学習ドリル」を投入し、司法試験に向けた学習計画と進捗管理および必須の判例学習と演習が行える機能を提供したことにより利用者が拡大しています。
さらに「TKCローライブラリー(海外版)」の代理店販売については、韓国や台湾、中国をはじめとするアジア諸国、ドイツ、イギリス、アメリカなど各国の裁判所や政府機関、大学、法律事務所等からの引き合いがあり、平成28年6月30日現在で60件超のライセンスが利用され、アジア諸国を中心に今後も利用拡大が見込まれています。
4.地方公共団体事業部門の事業内容と経営成績
地方公共団体事業部門は、会社定款に定める事業目的(第2条第2項:「地方公共団体の行政効率向上のため受託する計算センターの経営」)に基づき、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、専門特化した情報サービスを展開しています。
(1)市区町村向けクラウドサービスの開発・提供
当社では、人口50万人程度までの市区町村を対象に「TKC行政クラウドサービス」を提供しています。これは、住民向けサービスおよび基幹系・庁内情報系の各種業務を支援する「TASKクラウドサービス」と、納税通知書などの大量一括出力処理を支援する「TASKアウトソーシングサービス」により構成されています。
特に、TASKクラウドサービスは、当社データセンターを運用拠点として全国の市区町村が共同で利用(単独利用・複数団体による共同利用のいずれも可)する単一のパッケージシステムであり、国が推進する「自治体クラウド」としても注目されています。このため、当社基幹系システムの利用団体(130団体)のうち、クラウド方式を採用しているのは「埼玉県町村情報システム共同化推進協議会」(18町村)や「いばらき自治体クラウド基幹業務運営協議会」(4市町)など84団体(平成28年6月30日現在)で、その割合は全体の約65%と全国平均よりも高くなっています。
また、TASKクラウドサービスの後継として平成27年3月に提供を開始した「新世代TASKクラウド(番号制度対応版)」は、マイナンバー制度へ対応するとともに、業務に不慣れな新任や臨時の職員でも迷わず正しい業務処理を可能とするなど大幅な機能強化を図りました。当第3四半期においては、平成29年7月からのマイナンバー制度における情報連携の開始に向けた対応準備を進め、これまでに累計33団体において新世代TASKクラウドへの移行が完了しました。
(2)住民向けクラウドサービスの拡充
平成28年1月から交付が開始されたマイナンバーカードの普及に伴い、総務省が推進する「コンビニエンスストアにおける証明書等の交付」サービスの導入機運が高まっています。当社では、これを実現するシステムとして「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」を提供しており、平成28年6月30日までに48団体(稼働済み27団体含む)に採用いただきました。
また、全国の市区町村を対象とした初のクラウドサービスとして多くの稼働実績を持つことから、政令指定都市を含め全国から引き合いが相次いでおり、当第3四半期においては新たに12団体から受注しました。
(3)地方税の電子申告への対応
当社では、一般社団法人地方税電子化協議会の認定委託先事業者として、同会が運営する「地方税電子申告審査サービス」と「電子納税サービス」をクラウド方式で提供するとともに、各団体が運用する税務システムとの「データ連携サービス」を独自に開発・提供しています。本サービスの推進にあたっては、アライアンスパートナー契約を結ぶ全国40社超のシステム・ベンダーとともに提案活動を展開しており、現在、TASKクラウド地方税電子申告支援サービスは、全都道府県・市区町村の約4割にあたる712団体(平成28年6月30日現在)に利用されています。
また、税務業務の効率化とコスト削減に加え、最近では紙媒体に起因する情報漏えいの防止策としても「TASKクラウド課税資料イメージ管理サービス」に対する注目度が高まっており、平成28年6月30日現在で51団体に利用されています。
(4)地方公会計の統一的な基準への対応
「統一的な基準による地方公会計の整備促進について」(総務大臣通知平成27年1月23日公表)を受け、市区町村では原則、平成29年度までに「複式簿記の導入」「固定資産台帳の整備」を前提とした統一基準による財務書類等を作成することが求められています。当第3四半期においては、引き続き「TASKクラウド公会計システム」とその関連システムである「TASKクラウド固定資産管理システム」の新基準への対応を進めました。
また、平成28年4月1日から奈良県香芝市および栃木県益子町において、全国に先駆けてTASKクラウド公会計システムが本稼働しました。これら導入実績に加え、当社独自のリアルタイム仕訳(日々仕訳)の機能が注目されたことで同システムへの引き合いが相次ぎ、平成27年10月以降新たに24団体から受注しました。これに伴い、TASKクラウド公会計システムは平成28年6月30日現在で約150団体に採用されています。
(5)その他、法律および制度改正等への対応
マイナンバー制度の開始に伴い、関連するシステムの機能追加を図りました。また、「個人番号を適切に管理するために必要な措置(安全管理措置)」に欠かせない情報セキュリティー対策ソリューションについて積極的な提案活動を行いました。
さらに、平成29年7月から始まる情報連携を見据え、関連システムおよび各種機能の強化拡充策について調査・分析を進めました。
5.印刷事業部門の事業内容と経営成績
当社グループの印刷事業部門は、ビジネスフォームの印刷およびデータプリントサービス事業を軸に製造・販売を展開しています。
ビジネスフォーム印刷分野では、全体的にビジネス帳票の売上高が減少傾向にあるものの、当第3四半期においては大手顧客からの帳票受注を獲得し小幅な減少で推移しています。
また、データプリントサービス分野では、官公庁等の入札物件、参議院選挙関連、民間のDM、BPO物件など大口受注があり、当第3四半期の印刷事業全体の売上高は、前期比9.0%増となりました。
Ⅱ.財政状態
当第3四半期連結会計期間末における資産・負債及び純資産の状況は次のとおりです。
1.資産の部について
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、77,434百万円となり、前連結会計年度末76,836百万円と比較して597百万円増加しました。
(1)流動資産
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、28,343百万円となり、前連結会計年度末31,666百万円と比較して3,323百万円減少しました。
その主な理由は、「現金及び預金」が2,586百万円減少したことなどによるものです。
(2)固定資産
当第3四半期連結会計期間末における固定資産は、49,090百万円となり、前連結会計年度末45,169百万円と比較して、3,920百万円増加しました。
その主な理由は、「投資有価証券」が3,285百万円および「建物及び構築物」が1,054百万円増加したことなどによるものです。
2.負債の部について
(1)流動負債
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、10,319百万円となり、前連結会計年度末11,749百万円と比較して、1,430百万円減少しました。
その主な理由は、「その他」に含まれている「前受金」が620百万円増加したものの、「賞与引当金」が1,237百万円および「買掛金」が825百万円減少したことなどによるものです。
(2)固定負債
当第3四半期連結会計期間末における固定負債は、2,581百万円となり、前連結会計年度末2,456百万円と比較して、124百万円増加しました。
その主な理由は、「退職給付に係る負債」が130百万円増加したことなどによるものです。
3.純資産の部について
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、64,533百万円となり、前連結会計年度末62,630百万円と比較して1,903百万円増加しました。
その主な理由は、「その他有価証券評価差額金」が1,088万円減少したものの、「利益剰余金」が2,888百万円増加したことなどによるものです。
なお、当第3四半期連結会計期間末における自己資本比率は、81.3%となり、前連結会計年度末79.6%と比較して1.7ポイント増加しました。
Ⅲ 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅳ 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は72百万円であります。
また、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。