決算期統一に伴い連結対象期間を変更しており、前連結会計年度と当連結会計年度は、次のとおりです。
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
連結対象期間の増減 |
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単体 |
H27.1.1~H27.12.31:12ヶ月 |
H28.1.1~H28.12.31:12ヶ月 |
増減無し |
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国内連結子会社 |
H26.10.1~H27.12.31:15ヶ月 |
H28.1.1~H28.12.31:12ヶ月 |
3ヶ月減少 |
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海外連結子会社 |
H26.10.1~H27.9.30:12ヶ月 |
H27.10.1~H28.12.31:15ヶ月 |
3ヶ月増加 |
<当連結会計年度の経営成績>
当連結会計年度におけるわが国経済は、年初からの円高進行により企業業績の伸びは鈍化し、個人消費は減速しましたが、政府の公共投資による景気の下支え効果もあり、力強さに欠くものの底堅く推移しました。当社グループが関連する公共事業は前年とほぼ同水準の事業量で推移しておりますが、社会資本ストックの維持管理・更新や災害復旧事業等へ予算が重点配分され、これらの分野での競争が激化する一方、開発投資型のインフラ整備やこれに伴う測量、地質調査は年々縮小傾向にあり、市場環境は厳しさを増しております。その一方で、熊本地震や相次いで発生した台風による被害は、国民や企業に減災への取組みの必要性を改めて強く印象付けるとともに、防災行政や対策技術の現状について、いまだ課題が存在していることを浮き彫りにしました。また、福岡市の陥没事故では、地盤リスクやその可視化技術に対して、社会的に大きな関心を集めました。これら減災や地盤リスクへの意識の高まりは、自然災害や地盤リスクに対する専門コンサルティング企業である当社にとって、今後の事業拡大につながることが期待されます。
世界経済に目を向けると、低迷していた原油価格が産油国の減産合意等により回復の兆しを見せ、米国経済の回復や産油国の財政再建に向けて、好影響が期待されます。長らく景気が落ち込んでいた探鉱資源市場もようやく年初に底を打ち、市場をけん引する中国経済の先行きにやや不透明感があるものの、持ち直しの傾向が見られます。その一方、新興国の景気低迷や中東地域等での地政学的リスク、米国新大統領の経済政策に対する不確実性など、今後の見通しは依然として不透明な状況にあります。
このような中で、当社グループは、中期経営計画OYO Step14の取り組みを推進するとともに、国内事業においては熊本地震の復興支援業務や民間大型業務の受注、多様化する社会ニーズに対応した新たな情報サービスの開発に取り組みました。海外事業においては、資源以外の産業分野に向けた新商品への開発投資、スリムな経営体質への改善に向けたリストラの継続などに取り組みました。
この結果、当社グループの当連結会計年度は、海外連結子会社の連結対象期間の増加に加えて、国土強靭化関連分野や電力・エネルギー分野、民間市場での業務を堅調に受注したことにより、受注高は504億7千4百万円(前年同期比102.1%)となりました。売上高は、地質調査市場の縮小から国内機器販売が低迷したものの、国内の大型業務が進捗し売上を押し上げた結果、513億2千3百万円(同104.3%)となり、前期を上回りました。なお、当連結会計年度末の受注残高は168億1千8百万円(同95.2%)となっております。
損益は、海外事業が石油・探鉱資源市場の緩やかな回復に伴い、下期より徐々に収益が改善しつつあるものの、上期の損失を補うには至らなかったことや、国内事業における大型調査業務の原価率の悪化、地質調査市場の縮小による機器販売の低迷等により、営業利益は15億7千9百万円(同72.2%)と減益になりました。
経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の減少に伴い、それぞれ20億1千2百万円(同79.4%)、13億8千1百万円(同58.5%)と減益になりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
当事業の受注高は、決算期統一に伴い国内連結子会社の連結対象期間が前期の15ヶ月から12ヶ月となりましたが、防災分野、電力・エネルギー分野、環境分野等で堅調に受注を確保した結果、ほぼ前期並みの384億6千7百万円(前年同期比100.8%)となりました。売上高は、大型業務を中心に受注残業務の進捗を高めたことにより、392億9千6百万円(同105.9%)と増収となりました。なお、当連結会計年度末の受注残高は、149億2千3百万円(同94.7%)となりました。営業利益は、海外連結子会社の海底探査事業が石油資源市場の低迷から大幅な損失を計上したことに加え、国内の大型業務が高原価率であったことなどから、17億4千2百万円(同68.4%)と減益になりました。
当事業は、東日本大震災関連特需の終焉と従来のインフラ建設・開発型の公共事業が減少したことに伴い、地質調査業界における計測機器需要が減少したことに加え、決算期統一に伴う国内連結子会社の連結対象期間が前期の15ヶ月から12ヶ月となったことから、当連結会計年度の受注高は、26億9千6百万円(前年同期比69.8%)と減少しました。これに伴い、売上高は29億9百万円(同69.0%)と減収になり、当連結会計年度末の受注残高は、2億8千万円(同56.8%)と減少しました。営業利益は、減収に伴い、1億4千1百万円(同34.6%)と減益になりました。
当事業の受注高は、決算期統一に伴い海外連結子会社の連結対象期間が、前期の12ヶ月から15ヶ月となったことに加え、原油価格の持ち直しに伴い産油国の財政が改善し、停滞していた防災関連事業が再開しはじめたこと、又、洋上風力発電市場の拡大に伴い海洋探査機器の需要が増加したことなどから、93億1千万円(前年同期比125.0%)と増加しました。これに伴い売上高は、91億1千8百万円(同115.3%)と増収となりました。当連結会計年度末の受注残高は、16億1千4百万円(同113.5%)と増加しました。営業損益は、ドル高ユーロ安の厳しい競争環境の中で、不採算部門のリストラなどにより損益は改善しているものの、上期の損失を補うには至らず、3億5千3百万円の営業損失(前年同期は7億8千8百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ68億1千9百万円減少(前年同期は54億8千8百万円の資金増)し、183億4百万円(前年同期比72.9%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は13億2千1百万円(前年同期は20億4千7百万円の資金増)となりました。
これは主に、売上債権の増加65億5百万円(前年同期比533.3%)等の資金の減少要因があった一方で、税金等調整前当期純利益19億7千9百万円(同73.9%)や減価償却費13億6百万円(同98.7%)等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は40億5千7百万円(前年同期は40億4千6百万円の資金増)となりました。
これは主に、定期預金の預け入れによる支出35億5千1百万円(前年同期は2億円の資金減)や有価証券の取得による支出6億円(前年同期比149.8%)、有形及び無形固定資産の取得による支出7億8千2百万円(同45.4%)等の資金の減少要因があった一方で、有価証券の売却による収入15億1百万円(同93.5%)等の資金の増加要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9億2千8百万円(前年同期比102.9%)となりました。
これは主に、配当金の支払額7億6千3百万円(同100.0%)等の資金の減少要因があったことによるものであります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
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平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
平成27年 |
平成28年 |
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自己資本比率(%) |
83.0 |
80.1 |
81.2 |
81.9 |
80.1 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
43.3 |
58.0 |
62.2 |
44.3 |
44.4 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
― |
0.0 |
― |
― |
― |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
― |
270.9 |
434.0 |
207.8 |
― |
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
4 平成24年12月期及び平成28年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載を省略しております。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
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調査・コンサルティング事業 |
(百万円) |
39,296 |
105.9 |
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計測機器事業(国内) |
(百万円) |
2,909 |
69.0 |
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計測機器事業(海外) |
(百万円) |
9,118 |
115.3 |
|
合計 |
(百万円) |
51,323 |
104.3 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 |
前年同期比 |
受注残高 |
前年同期比 |
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調査・コンサルティング事業 |
38,467 |
100.8 |
14,923 |
94.7 |
|
計測機器事業(国内) |
2,696 |
69.8 |
280 |
56.8 |
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計測機器事業(海外) |
9,310 |
125.0 |
1,614 |
113.5 |
|
合計 |
50,474 |
102.1 |
16,818 |
95.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
調査・コンサルティング事業 |
(百万円) |
39,296 |
105.9 |
|
計測機器事業(国内) |
(百万円) |
2,909 |
69.0 |
|
計測機器事業(海外) |
(百万円) |
9,118 |
115.3 |
|
合計 |
(百万円) |
51,323 |
104.3 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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国土交通省 |
8,217 |
16.7 |
6,850 |
13.3 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、2020年に向けて当社グループが目指す姿を明らかにした「応用地質グループ長期経営ビジョンOYO2020」を策定しています。OYO2020は活動期間を「計画:助走」「試行:Hop」「展開:Step」「飛躍:Jump」の4期に区分しており、2014年から第3期の展開に当たる中期経営計画OYO Step14がスタートし、3年が経過しました。
OYO Step14では、次の飛躍:Jumpのために応用地質グループの持続的な成長に向けた成長基盤を構築することを目指しており、グループの連結業績は、過去最高水準(売上高585億円、営業利益率10%)を目標としています。なお、上記目標については、OYO Step14の最終年である2017年(平成29年)12月期の連結業績に示したとおり、達成が厳しい状況にあります。当社グループが事業を展開する主な領域は、「持続可能な社会の構築」のために、「安全と安心の確保」を目指して、防災・減災、環境、エネルギー・資源、豊かな暮らしを支える公共インフラとしています。
OYO Step14の2年目から3年目に掛けて、海外では、中国・新興国経済の停滞、欧州経済の回復の遅れ、原油・資源価格の低迷と回復、中東・アジア地域での地政学的リスク、米国新大統領の就任に伴う世界経済の先行き不透明感の増大など、予測が困難かつ変動の激しい世界情勢が続いております。
国内では、熊本地震の発生、気候変動に伴う自然災害の増加、社会インフラの老朽化、福岡市陥没事故に伴う地盤リスクへの関心の高まり、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)による第4次産業革命の動き、長時間労働問題と働き方改革の本格化など、社会変化のスピードはますます増加しております。
当社グループを取り巻く事業環境も、海外での資源・エネルギー市場の低迷、ドル高ユーロ安による競争の激化、国内での公共建設投資の抑制と多様化など大きく変化しており、当連結会計年度の業績に影響が表れております。
これらの外部環境の動向を踏まえ、今後の対処すべき課題とその対応方針を、下記のように整理しております。
a.予算の増加が抑制され多様化する公共投資分野における成長分野の拡大
国内公共事業における成長分野は、当社グループでは維持管理分野をはじめとして、防災・減災分野、地球環境分野、福島地区の復興事業等と想定しております。ただし、国内公共事業は、これまでの投資型のインフラ整備が縮小しており、この減少分をこれらの成長分野が補うまでに至っておりません。しかし、これらの分野については、当社グループの強みを活かしたサービスの提供を進めており、競合他社との差別化を図っております。引き続き、これら成長分野に経営資源を投入し、市場への差別化サービスを積極的に提供してまいります。
b.地盤情報サービスを活用した国内事業の拡大
国土交通省の推進する「i-Construction」など、建設現場におけるICTやAIを活用した生産性向上の取り組みや、福岡市の大規模陥没事故の発生から、地盤リスクの可視化に対する社会的ニーズが高まりつつあります。当社は豊富な地盤情報を保有・整備しており、地盤情報サービスの事業拡大に向けて、大手建機メーカーとの連携による地盤情報の提供、地質リスクの可視化技術にAIを組み合わせた研究も進めております。今後も経営資源を活用して、付加価値の高いソリューションサービスや商品を開発し、公共事業に留まらない新たな市場づくりを行ってまいります。
c.外部環境の厳しい海外事業の改善と事業領域の拡大
海外事業は、中国・新興国経済の停滞や原油価格の低迷に伴い資源・エネルギー市場が低調に推移し、ドル高ユーロ安による米国子会社の価格競争力の低下など、厳しい事業環境にありますが、経営体制の強化と成長が見込めない部門のリストラに取り組むとともに、新たな産業分野などに向けた製品の開発と市場投入を進めております。当連結会計年度後半には、原油価格の回復など外部環境が改善する傾向にあり、リストラと新製品の投入効果も表れていることから、今後も製品開発や事業領域の拡大に積極的に取り組んでまいります。
d.社会変化に伴う事業リスク対策の強化
持続可能な企業活動を目指して、成果品の品質管理の強化、労働環境の改善に加え、ワークライフバランスの向上を目指した取り組みを推進しております。グループ内では当社が先行して厚生労働省より「えるぼし認定」「くるみん認定」を取得するなど、取り組み成果が確実に表れております。引き続き企業の社会的責任を推進する活動を強化してまいります。又、このような労働環境の改善と並行して、しっかりとした収益を確保していくために、生産性向上の取り組みも行ってまいります。具体的には、ICTやAIを活用して業務の効率化を図るとともに、効率化によって得られる可能性や価値を新たな商品やサービスの開発に展開することで、事業の高付加価値化と労働環境改善の更なる好循環を目指すものです。
e.企業価値向上を目指した資本効率の改善
資本政策の基本方針を定め、利益率及び資産効率の向上並びに適切な株主還元を通じて、中長期的な企業価値向上と株主利益の拡大に努めます。株主還元に関しては、財務状況や市場環境等を踏まえて、機動的な自己株式の取得及び消却を引き続き検討します。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす主要なリスクは以下のようなものがあります。
当社グループにはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の防止に努め、また発生した場合の的確な対応に努めていく方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの売上の約3/4を占める国内における調査・コンサルティング事業は、事業領域の拡大を進めておりますが、公共事業領域は依然として当社の主要市場の一つであり、国及び地方公共団体等は主要顧客になります。国及び地方公共団体等の財政状況の悪化や事業量の縮小に伴う発注量の減少、調達方式の変更などにより、当社グループの営業成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの売上の約1/4を占める計測機器事業は、主に北米地区を拠点とし、ドル建てで取引しているため為替変動により財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの調査・コンサルティング事業ならびに計測機器事業は、天災、火災等の不測の災害に見舞われた場合には、生産設備やデータの損傷・喪失により、生産能力の低下と業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおける調査・コンサルティング事業の海外事業は、新興国や途上国における社会資本整備事業、開発事業を主体に実施しておりますが、これらの国では、国際紛争やテロ行為が発生する場合があり、紛争活動や武装行為に巻き込まれた場合には、事業の中止もしくは停止など、業務遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの調査・コンサルティング事業ならびに計測機器事業は、専門技術を用いた事業であり、知的所有権などの損害賠償を提訴される可能性があります。
当社グループの各企業はITシステムを活用した業務処理ならびに情報管理を行っていますが、コンピューターウイルスや悪意ある第三者の不正侵入により、業務遂行に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、会社法、金融商品取引法、税法、労働法、独占禁止法及び建設業法等の法規制を始め、品質に関する基準、環境に関する基準、会計基準等、事業展開している国内外のさまざまな法規制の適用を受けており、社会情勢の変化等により、将来において、改正や新たな法的規制が設けられる可能性があります。その場合には当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループが直接的または間接的に関係する取引の一部が法規制等に違反していると規制当局が判断した場合には、当社グループが課徴金等の行政処分を受けたり、社会的な信用や評価が影響を受ける可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係の維持などを目的として有価証券を保有しており、保有する有価証券の大幅な市場価格の下落、当該企業の財政状態の悪化等があった場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、地価の下落等があった場合、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しています。将来の課税所得の見積り等に大きな変動が生じた場合、あるいは制度面の変更等があった場合には繰延税金資産が減少し、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、地震災害、斜面災害などに対する防災や減災、既存の社会インフラの維持管理などの問題に対して、最適なソリューションを提供するための技術及び製品の研究開発を進めております。
研究開発を推し進める組織体系としては、当社技術本部研究開発センター、計測システム事業部が中心となり、各事業所及びグループ企業との連携のもとに行ってきました。また、研究開発を効率的に推進するため、外部機関の優れた技術の活用を図るために、公的研究機関、大学、民間企業との共同研究も積極的に進めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、20億2千2百万円でありました。研究開発の主な内容は次のとおりであります。
重点事業分野に挙げている国土マネジメント、維持管理、エネルギー、情報サービス、地球環境、地震防災、計測システムの7つの事業分野ごとに紹介いたします。
平成28年も、平成28年台風10号等により、岩手県、北海道で多くの土砂災害、河川の氾濫が発生しました。豪雨による土砂災害や河川の増水による堤防決壊に対して、そのメカニズムを解明し、崩壊予測や対策技術の確立を目指し、現地調査、モニタリング、地質解析等の各技術の研究開発を進めております。また、液状化対策技術として開発したピエゾドライブコーン(PDC:抵抗体を地盤に打ち込むだけで液状化判定が可能な技術)の適用範囲の拡大を図っております。
社会インフラの維持管理に関しては、膨大な数のインフラ施設をいかに効率的に調査し、問題箇所を検出し、劣化等による災害・事故を未然に防ぐのかが課題となっています。そのため、走行しながら道路下の空洞を探査する空洞探査車(ロード・ビジュアライザー)の機能強化、橋梁床版の劣化を効率的に診断する技術、既設トンネル点検を効率化するためのシステム、切土法面に設置されているアンカーの健全度評価、河川堤防の堤体の診断技術等の研究開発を行っております。
再生可能エネルギーとして注目されている地中熱利用に際しては、地形や地質、地下水の情報から適地を判定することが重要であり、そのために、地盤情報データベースを用いた地中熱ポテンシャルマップの研究開発を継続的に進めております。さらに、地熱資源開発についても、広範囲を探査できるタイムドメイン空中電磁探査法(P-THEM)の開発と実証を進めております。
国土交通省では三次元モデルを構築しながら土木構造物の設計や施工を進めるCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング/マネジメント)の普及が進み、地盤の三次元モデルはCIM全体の中で重要な要素になっています。それに対応して、CIM支援ソフトウェアの機能の追加・向上を図るとともに、コンソーシアム活動を通じた三次元地質解析技術の普及拡大を進めております。
また、自治体や企業などのBCP(Business Continuity Plan)実行支援のために、災害発生時に被災現場と災害対策本部を情報通信技術で繋ぎ、被害状況の情報収集から報告までを自動化し、対応行動を支援するシステム(ServiBers:サバイバーズ)を新規に開発いたしました。
福島県田村郡三春町にある応用生態工学研究所では、三春ダム建設前から、周辺の生態調査、気象観測、水質観測を継続的に行っております。昨年来、淡水域における魚類の効率的なモニタリング手法として、環境DNA(魚の糞や鱗などから溶け出したDNA)を用いた魚類の現存量把握に関する研究を進めております。また、街路樹等の樹木の健全度(倒壊危険度)について、物理探査手法を活用して診断する研究開発も行っております。さらに、世界的な荒廃地化、砂漠化に対しては、中国の清華大学等と共同で半乾燥地域の生態環境復元に関する研究を継続しております。
名古屋大学減災連携研究センターに地域社会減災計画部門を寄附講座として設け、主に経済被害予測手法の研究を進めております。また、世界的な地震ハザード/リスクモデルを開発する組織であるGEM(Global Earthquake Model Project:世界地震モデル)に参画し、世界最先端技術の習得と活用に努めております。さらに、平成28年12月に発生した新潟県糸魚川市における大火にみられるように、火災延焼リスクも課題となっていることから、火災の延焼をシミュレーションする技術についても継続的に研究開発を行っております。
斜面の表層崩壊の予測、検知が可能な計測機器およびシステムの開発や、インターネットを介してクラウド上でデータを処理し、各種ソフトで予測等ができるクラウド型遠隔監視システムの開発を進めております。また、GNSS(全地球航法衛星システム)を活用した高精度ポジショニングレーダー探査機器の開発と実用化も進めております。
また、NCS SUBSEA,INC.(米国)では、超高分解能海洋地震探査サービスを提供しております。同社は、GEOMETRICS,INC.(米国)が製造・販売する超高分解能海洋地震探査システムP-Cableを開発したP-CABLE 3D SEISMIC AS(ノルウェー)を買収し、GEOMETRICS,INC.と協力して同サービスの改良と事業の強化に努めております。P-Cableシステムで測定したデータの品質は、研究機関や石油探査業界で高い評価を得ております。
応用地震計測株式会社では、地震の揺れ方や大きさが建物や地盤の特性により大きく異なることから、小型地震計を設置し、揺れの大きさを高精度で計測し、その際の対処方法など“地震時に役立つ地震情報”を素早く配信する地震情報配信システムを開発し、平成29年中の販売を目指しております。このシステムは、グループ会社であるOYOリソースマネージメント株式会社が提供するクラウドサーバーに接続することができ、同社の広域地盤情報WEB-GISシステムReportMAPと組み合わせることで、地震情報に加えて多彩な情報提供が可能となります。
応用計測サービス株式会社では、平成28年度に自走式バイブロサンプラーと繰返し載荷が可能な全自動孔内載荷試験装置AUTO LLT3を開発いたしました。これまでのバイブロサンプラーは、打撃装置、ポンプユニット、コントロールユニット、引抜装置から構成されておりました。そのため、多地点でのサンプリング作業時には多くの労力と時間を要し、また、打撃装置を人力で地上1m程度まで持ち上げてサンプリングを行うため、危険性の高い作業となっておりました。そこで、上記装置を小型キャタピラーに一体化させ、作業効率と安全性を高めた自走式バイブロサンプラーを開発し、平成28年5月より販売とレンタルを開始いたしました。また、自動孔内載荷試験装置AUTO LLT3は、平成26年6月より販売とレンタルを開始している自動孔内載荷試験装置AUTO LLT2の上位機種であり、電磁バルブによる繰返し載荷が可能となる装置として開発いたしました。平成28年12月より販売とレンタルを開始しております。
KINEMETRICS,INC.(米国)は、地震観測機器の専門メーカーとして、地震計や地震観測システムの開発・製造・販売を行っております。同社では、地震観測システムをベースとした地震防災ソリューション事業を拡大させるため、緊急地震速報や高層ビルの健全性モニタリングに適した新型地震計ETNA-2の販売を開始いたしました。また、商業施設やテナントビル向けの被災時の事業継続マネジメント(BCM)ソリューションOASIS+の開発を進めております。
GEOMETRICS,INC.(米国)は、弾性波探査装置、磁気探査装置および電磁探査装置の開発・製造・販売を行っております。平成28年には、ワイヤレス弾性波探査装置Atomを開発いたしました。また、海域での不発弾探査プロジェクトを支援するために、陸上用MetalMapperを改良したMarine MetalMapperの開発に取り組んでおります。加えて、GEOMETRICS,INCが、開発中の超小型磁気センサ(MFAM)で、物理探査市場以外の市場への展開にも取り組んでおります。
GEOPHYSICAL SURVEY SYSTEMS,INC.(米国)は、地下レーダー探査装置において世界トップシェアを誇っております。同社では、新たに道路舗装の品質管理を目的とした地下レーダー探査装置PaveScan RDMの販売を開始いたしました。また、コンクリート検査市場を対象としたStractureScanシリーズのアクセサリとして、コンクリート内部の交流電線を検知するLineTracを開発した他、埋設管市場を対象としたUtilityScanシリーズ用に、ハイパースタッキング技術を利用した高性能アンテナ350HSを新たに開発するなど、既存製品群の充実にも取り組んでおります。
ROBERTSON GEOLOGGING LTD.(英国)は、ボーリング孔を利用した検層機の開発・製造・販売を行っております。同社は、検層業界の世界的な潮流であるメモリ内蔵型検層機の開発を進めるとともに、次世代検層システムとしてネットワーク機能などを有した新型データ収録装置MICROLOGGER3の開発を進めております。
当社グループにおける財政状態及び経営成績の分析は、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社は、この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券の減損、たな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、退職給付債務及び年金資産の認識、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。当社の経営陣は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的だと考えられる様々な要因に基づき、損益又は資産の状況に影響を与える見積り及び判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。また、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
当連結会計年度の当社グループの経営成績の概要は「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載のとおりでありますが、そのポイントは主に次のとおりであります。
売上高は、国内の公共投資が前年水準で推移する中、震災特需の終焉により、従来からの建設・開発型の事業が減少しましたが、国内において防災・減災分野、エネルギー分野が伸長し、売上高は513億2千3百万円(前年同期比104.3%)と前連結会計年度から20億9千3百万円増加いたしました。
セグメント別の売上の特徴としては、国内市場を主体とする調査・コンサルティング事業が392億9千6百万円(同105.9%)と21億8千9百万円増加し、計測機器事業(国内)が29億9百万円(同69.0%)と13億8百万円減少しております。
一方、計測機器事業(海外)は、北米の企業を主体としており、売上高は、91億1千8百万円(同115.3%)と12億1千2百万円の増加となりました。
売上総利益は、142億5千7百万円(前年同期比95.8%)と前連結会計年度から6億3千1百万円減少いたしました。これは、売上高は増加したものの、人件費の増加に加え、ドル高ユーロ安による米国子会社の価格競争力の低下に伴い、売上原価率が悪化したことなどによります。
販売費及び一般管理費は、126億7千8百万円(前年同期比99.8%)と前連結会計年度から2千2百万円減少いたしました。売上原価の悪化もあり、営業利益は、15億7千9百万円(前年同期比72.2%)と前連結会計年度から6億9百万円減少し、売上高営業利益率は3.1%となり、前連結会計年度から1.3ポイント減少いたしました。
営業外損益は、4億3千3百万円の利益となり、前連結会計年度から8千7百万円増加いたしました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ5億2千1百万円減少し、20億1千2百万円となりました。
特別損益は、3千3百万円の損失となり、前連結会計年度から1億7千6百万円減少し、特別損失は4千8百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ6億9千8百万円減少し、19億7千9百万円となりました。
当連結会計年度における税金費用は、6億5千2百万円と前連結会計年度に比べ3億4百万円増加いたしました。これは、前連結会計年度にあった海外事業における税金の還付9億4千1百万円が、当連結会計年度はなかったことによります。また、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純損失は5千4百万円(前年同期は3千1百万円の損失)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は13億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べ9億7千9百万円減少いたしました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ18億9千1百万円増加し、855億9百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ37億1千1百万円増加し、602億4千6百万円となりました。これは主として、完成業務未収入金が66億4千3百万円増加した一方で、有価証券が13億2千8百万円減少し、現金及び預金が6億1千8百万円減少したこと、及び未成業務支出金が4億1千万円減少し、原材料及び貯蔵品が4億2千9百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ18億1千9百万円減少し、252億6千3百万円となりました。これは主として、投資その他の資産のその他が14億4千6百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ19億3千5百万円増加し、166億4千3百万円となりました。これは主として、業務未払金が6億8千6百万円増加し、未払法人税等が3億2千5百万円増加したこと、及び未成業務受入金が3億9千7百万円増加したことによります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4千4百万円減少し、688億6千5百万円となりました。これは主として、純資産の控除項目である自己株式が、自己株式の消却により32億4千3百万円減少する一方で、利益剰余金が25億4千3百万円減少したこと、及び為替の影響により為替換算調整勘定が7億5千8百万円減少したことによります。
この結果、自己資本比率は80.1%となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社は、当社グループが2020年に向けて目指すべき「応用地質グループ長期経営ビジョンOYO2020」を策定しており、この長期ビジョンを踏まえて、2010年からスタートした中期経営計画OYO Hop10(2010年~2013年)が終了し、中期経営計画OYO Step14(2014年~2017年)が2014年から始まりました。
2013年で終了した中期経営計画OYO Hop10は、国内の調査・コンサルティング事業を中心として、「地域拠点戦略」から「事業展開戦略」への転換を進めて参りました。その結果、OYO Hop10の最終年である2013年では、目標として定めた売上高430億円、売上高営業利益率5.0%を超える業績を達成いたしました。
また、前連結会計年度から始まった中期経営計画OYO Step14は、長期経営ビジョンの第3期の展開段階であり、OYO Hop10で構築した土台をベースとして、様々な試行結果を事業として展開する期間と位置付けております。具体的には、OYO Step14では、OYO Hop10の中で事業化として選定した情報サービス事業、循環型廃棄物事業、海外の海洋石油探査事業などを積極的に展開することを計画しております。ただし、海洋石油探査事業については、原油価格の下落に伴う石油探査市場の低迷に伴い大きな損失を計上しており、海外事業の業績が低迷しています。
当社は、中期経営計画OYO Step14において、最終年度である2017年度(平成29年度)の業績目標を、過去最高水準の事業規模を目指し、連結売上高585億円、売上高営業利益率10%(連結営業利益58.5億円)、売上高海外比率30%、総資産経常利益率8%としておりますが、現状は、この数値目標の達成が厳しい状況にあります。
当社グループの持続的な成長のためには、当社グループの事業で社会に貢献することが重要であると考えております。具体期には、「製品・サービス」「雇用」「企業活動」の3つの社会的責任と社会貢献を基本とした企業活動を徹底することです。すなわち、確かな品質の製品・サービスで社会や顧客の課題を解決し、従業員の雇用を継続するとともに安定した生活を保障し、企業活動として計画を達成し、社会から要求される企業の責務を確実に果たすことが不可欠と考えております。
また、現中期経営計画OYO Step14では、応用地質グループの持続的な成長に向けて、前中期経営計画OYO Hop10の成果を活用して、事業を拡大するとともに、事業を支える経営基盤の強化に取組む方針でありますが、当社を取り巻く環境は大きく変化しており、これらの変化に対応することが必要であると考えております。
OYO Step14の2年目から3年目に掛けて、海外では、中国・新興国経済の停滞、欧州経済の回復の遅れ、原油・資源価格の低迷と回復、中東・アジア地域での地政学的リスク、米国新大統領の就任に伴う世界経済の先行き不透明感の増大など、予測が困難かつ変動の激しい世界情勢が続いております。
国内においても、熊本地震の発生、気候変動に伴う自然災害の増加、社会インフラの老朽化、福岡市陥没事故に伴う地盤リスクへの関心の高まり、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)による第4次産業革命の動き、長時間労働問題と働き方改革の本格化など、社会変化のスピードはますます増加しております。
当社グループを取り巻く市場環境も、海外での資源・エネルギー市場の低迷、ドル高ユーロ安による競争の激化、国内での公共建設投資の抑制と多様化など大きく変化し、当連結会計年度の業績に影響が表れており、OYO Step14の数値目標の達成が厳しい状況にあります。
これらの外部環境の動向を踏まえ、今後の対処すべき課題とその対応方針を、下記のように整理しております。
a.予算の増加が抑制され多様化する公共投資分野における成長分野の拡大
国内公共事業における成長分野は、当社グループでは維持管理分野をはじめとして、防災・減災分野、地球環境分野、福島地区の復興事業等と想定しております。ただし、国内公共事業は、これまでの投資型のインフラ整備が縮小しており、この減少分をこれらの成長分野が補うまでに至っておりません。しかし、これらの分野については、当社グループの強みを活かしたサービスの提供を進めており、競合他社との差別化を図っております。引き続き、これら成長分野に経営資源を投入し、市場への差別化サービスを積極的に提供してまいります。
b.地盤情報サービスを活用した国内事業の拡大
国土交通省の推進する「i-Construction」など、建設現場におけるICTやAIを活用した生産性向上の取り組みや、福岡市の大規模陥没事故の発生から、地盤リスクの可視化に対する社会的ニーズが高まりつつあります。当社は豊富な地盤情報を保有・整備しており、地盤情報サービスの事業拡大に向けて、大手建機メーカーとの連携による地盤情報の提供、地質リスクの可視化技術にAIを組み合わせた研究も進めております。今後も経営資源を活用して、付加価値の高いソリューションサービスや商品を開発し、公共事業に留まらない新たな市場づくりを行ってまいります。
c.外部環境の厳しい海外事業の改善と事業領域の拡大
海外事業は、中国・新興国経済の停滞や原油価格の低迷に伴い資源・エネルギー市場が低調に推移し、ドル高ユーロ安による米国子会社の価格競争力の低下など、厳しい事業環境にありますが、経営体制の強化と成長が見込めない部門のリストラに取り組むとともに、新たな産業分野などに向けた製品の開発と市場投入を進めております。当連結会計年度後半には、原油価格の回復など外部環境が改善する傾向にあり、リストラと新製品の投入効果も表れていることから、今後も製品開発や事業領域の拡大に積極的に取り組んでまいります。
d.社会変化に伴う事業リスク対策の強化
持続可能な企業活動を目指して、成果品の品質管理の強化、労働環境の改善に加え、ワークライフバランスの向上を目指した取り組みを推進しております。グループ内では当社が先行して厚生労働省より「えるぼし認定」「くるみん認定」を取得するなど、取り組み成果が確実に表れております。引き続き企業の社会的責任を推進する活動を強化してまいります。又、このような労働環境の改善と並行して、しっかりとした収益を確保していくために、生産性向上の取り組みも行ってまいります。具体的には、ICTやAIを活用して業務の効率化を図るとともに、効率化によって得られる可能性や価値を新たな商品やサービスの開発に展開することで、事業の高付加価値化と労働環境改善の更なる好循環を目指すものです。
e.企業価値向上を目指した資本効率の改善
資本政策の基本方針を定め、利益率及び資産効率の向上並びに適切な株主還元を通じて、中長期的な企業価値向上と株主利益の拡大に努めます。株主還元に関しては、財務状況や市場環境等を踏まえて、機動的な自己株式の取得及び消却を引き続き検討します。