第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか、政府による各種政策の効果により景気回復に向け緩やかに持ち直しつつありましたが、一方で中国経済をはじめとした海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響を中心に予断を許さない状況が続きました。このような状況の下、当社グループは主力事業である経営コンサルティング事業の業績が好調に推移し、連結経営成績は過去最高の売上高及び利益を達成することができました。

主力事業の経営コンサルティング事業における最大の特徴ともいえる月次支援型コンサルティング業務の契約継続率の向上と業種・テーマ別経営研究会の会員数の順調な増加により、コンサルティング件数が順調に増加いたしました。また、ロジスティクス事業におきましては大型案件の受注も重なり売上高が増加し、これらの結果、売上高は16,433百万円(前連結会計年度比11.7%増)、営業利益は3,859百万円(同10.4%増)、経常利益は3,866百万円(同4.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,558百万円(同5.5%増)となりました。

 

当連結会計年度のセグメント別の業績の概況は次のとおりであります。

 

① 経営コンサルティング事業

経営コンサルティング事業におきましては、前連結会計年度からさらに実績を伸ばし過去最高の売上高を更新いたしました。当事業の主力部門である住宅・不動産業界向けコンサルティング部門、医療・介護・福祉業界向けコンサルティング部門において引続き順調に売上高を伸ばし、当事業の売上高増加に大きく寄与いたしました。

業務区分別の売上高につきましては、国内でも最大級の展開を行っている業種・テーマ別経営研究会において、会員企業数の順調な増加により、会費収入は引続き高い成長率を継続することができました。会員数が増加したことにより、月次支援型コンサルティング業務においても契約の受注及び更新が安定し売上高が増加いたしました。さらに、インターネット広告運用代行支援や人材採用コンサルティングなど新規業務の展開も順調に進捗いたしました。

これらの結果、売上高は14,104百万円(前連結会計年度比12.0%増)、営業利益は3,737百万円(同12.0%増)となりました。

 

② ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、主力の物流オペレーション業務において出荷倉庫の拠点を大阪に集約し、新規顧客の獲得も順調に推移し計画通りの売上高を達成することができました。物流コンサルティング業務につきましては、定期的な研究会開催と既存顧客の継続案件に加え、人気セミナーの開催等の効果により新規顧客の受注件数も増加し、引続き安定的な売上高を維持しました。また、利益率の高い物流コンサルティング業務が順調に伸長したため営業利益も増益となりました。

これらの結果、売上高は1,729百万円(前連結会計年度比3.9%増)、営業利益は93百万円(同18.2%増)となりました。

 

 

③ その他

その他の事業のコンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、COPC認証制度の支援を軸とした受注増加及び資格更新による研修の増加に後押しされ、計画以上の売上高を達成することができました。しかしながら、IT関連事業におきましては、当初の計画を達成することができず、厳しい状況が続きました。

これらの結果、売上高は574百万円(前連結会計年度比36.6%増)、営業利益は5百万円(前連結会計年度は営業損失28百万円)となりました。

なお、当連結会計年度より、主な不動産賃貸物件を売却したことを契機として当社の取締役会における連結業績管理方法を見直し、「その他」に含めておりました不動産賃貸業務に関する収入等を報告セグメントに帰属しない「調整額」として計上する方法に変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等  (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,537百万円増加し、8,663百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,813百万円(前連結会計年度は2,008百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が3,945百万円となり、減価償却費が242百万円、売上債権の増加額が172百万円、法人税等の支払額が1,658百万円、法人税等の還付額が395百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は412百万円(前連結会計年度は671百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得並びに売却による差引収入が640百万円、有形及び無形固定資産の取得並びに売却による差引支出が227百万円となったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は1,689百万円(前連結会計年度は1,181百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が473百万円、配当金の支払額が1,099百万円となったことによるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

平成24年12月期

平成25年12月期

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

自己資本比率(%)

83.2

85.3

81.1

81.3

83.5

時価ベースの自己資本比率(%)

86.9

127.5

137.0

263.2

270.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

0.4

0.4

0.2

0.3

0.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

170.1

221.9

250.7

326.3

355.8

 

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率: 自己資本/ 総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、1年内償還予定の社債及び社債を対象としております。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

2 【受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

11,609,519

104.4

5,295,974

101.6

ロジスティクス事業

137,573

99.3

40,866

85.2

その他

495,456

110.5

68,139

89.0

 

(注) 1 経営コンサルティング事業については、会費収入、セミナー収入は継続収入であるため、コンサルティング収入についてのみ記載いたしました。

2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。

3 その他の事業については、ITコンサルティング収入及びコンタクトセンターコンサルティング収入についてのみ記載しております。

4 金額は販売価格で表示しております。

5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

14,104,365

112.0

ロジスティクス事業

1,729,472

103.9

その他

574,697

136.6

 

(注) 1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

 

 

3 【対処すべき課題】

国内経済は、政府による経済再生に向けた各種政策の効果により企業収益が改善されるなど緩やかに持ち直しつつあるものの、中国経済をはじめとした海外景気の減速や、米国や欧州の政治動向を中心に予断を許さない状況下にあります。各企業は、この局面を乗り切るため、経営資源をより効率的に活用する必要があり、そのために的確な投資判断や経営判断が求められます。

このような状況は、経営コンサルティング事業を主力事業とする当社グループにとってはビジネス拡大のチャンスであるととらえております。当社グループの新たな成長局面を迎えるために、当社のグループビジョンである「仕事を通じて、人と企業を幸せにする 常に社会に必要とされるグループ経営をめざす」を基に、真に顧客の求めるニーズをとらえ、各業界の時流に適したコンサルティングサービスを提供し、常に顧客に寄り添い、顧客とともに進化し、広く社会に貢献できるよう以下の課題に取組んでまいります。

 

(1) 経営研究会の拡充

経営コンサルティング事業を中心に展開しております経営者向けの業界別・テーマ別経営研究会において、業界動向や成功事例などの情報交換を活発に行い、研究会ごとに時流に適した業績向上ソリューションの研究を行っております。経営研究会の会員数増加は、当事業の売上高の70%以上を占める月次支援型コンサルティング業務との相乗効果が高く、経営全体を牽引することから、経営研究会の拡充が重要な課題であると認識しております。経営者向けセミナーや既存顧客などを通じて経営研究会への誘導を図り、平成28年12月時点で会員数6,115社から平成32年12月末を目処に10,000社を目指してまいります。

 

(2) 優秀な人財の採用、育成の強化、定着率の向上

経営コンサルティング事業の業績を向上するためには、各個人のコンサルティング力の向上が不可欠であり、優秀な人財の確保が必要であります。この点に関しては、当社グループの知名度の向上に伴い、新卒採用者・中途採用者ともに、潜在能力の高い人財を多く獲得できるようになりました。国内外を問わず、広く採用・募集活動を実施しており、より質の高い人財の獲得に注力しております。

さらに、優秀な人財が定着することで、顧客との関係性が継続的に強化され、契約継続率が向上し業績の安定化につながります。こうしたことから、採用した能力の高い社員を優秀なコンサルタントに育成し、定着させることが、当社グループの重要な課題と考えております。また、働き方改革の推進により労働時間の見直しや、育児等と就業の両立支援の制度の導入など女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでまいります。

 今後も、コンサルタントがより長く、より働きやすくなる環境づくりを目指してまいります。

 

(3) グループ経営の強化

当社グループが中小・中堅企業に対する企業経営に関する「総合経営コンサルティンググループ」を目指すため、従来の業界別コンサルティングである成長実行支援及び人材開発支援の拡充のほかに、今後は中小・中堅企業の企業価値向上支援の実行に向けた体制を整える必要があります。M&Aや業務提携を通じてコンサルティングサービスの質の向上及び領域の拡大を図り、グループ会社間の連携をより促進するためにもグループ経営を強化し、顧客企業の経営者に対して最適なコンサルティングサービスを提供できる体制を整備してまいります。

 

(4) 海外市場への展開

海外市場への展開については、当社グループは進出先としてアジア市場に対象を絞っております。既に国内企業の海外進出をサポートするコンサルティング業務を行ってまいりましたが、海外におけるニーズに対して適切なコンサルティングサービスを拡充していくために、現地での営業展開や人財採用のほか、市場の活性化を目的とした顧客同士の学びの場としての研究会を提案してまいります。国内売上比率が圧倒的に高い状況が続いておりますが、今後は大きく事業拡大が期待できる市場であると考えております。

 

 

(5) 企業の社会的責任(CSR)に基づく経営

当社グループの健全な成長を確保し、企業価値の向上を図るために、企業の社会的責任(CSR)に立脚した経営が不可欠と認識しております。当社グループといたしましては、企業の社会的責任を果たすべく、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、総合的な経営コンサルティング業務を通じて、当社グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援することを基本理念としております。この基本理念に基づき、社会の発展に結実する経営を目指してまいります。

 

(6) 内部統制、コーポレート・ガバナンスの向上

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスの向上が不可欠と認識しており、「コーポレートガバナンス・コード」の適切な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。社外取締役のみで構成される「ガバナンス委員会」を設置し、適切なコーポレート・ガバナンスの検討を定期的に行っており、併せて、内部統制報告制度に対応し、経営の透明性と健全性の確保を目的とした内部統制ルールを導入し、運用しております。また、取締役会の監査・監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実、経営の公平性・効率性の向上のため、平成28年3月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これらにより、当社グループにおける戦略及び事業目的の推進を組織として機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営コンサルティング事業が経営成績上大きなウエイトを占めていることについて

経営コンサルティング事業は、当社グループの中核事業であり、収益面においても利益面においても大きな比重を占めております。

当社グループ(連結)の平成27年12月期及び平成28年12月期における売上高及び営業損益の内訳(金額及び構成比)は、下表のとおりであります。

 

 

(自 平成27年1月1日
 至 平成27年12月31日)

(自 平成28年1月1日
 至 平成28年12月31日)

売上高

営業損益

売上高

営業損益

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

経営コンサルティング事業

12,593

85.6

3,335

95.4

14,104

85.8

3,737

96.8

ロジスティクス事業

1,664

11.3

78

2.3

1,729

10.5

93

2.4

その他

420

2.9

△28

△0.8

574

3.5

5

0.2

消去又は全社

39

0.2

111

3.1

24

0.2

23

0.6

合計

14,717

100.0

3,497

100.0

16,433

100.0

3,859

100.0

 

 

(2) 当社グループの中核事業である経営コンサルティング事業に関連するリスクについて

① 経営コンサルティング業界を取り巻く環境について

当社グループにおいては、主に株式会社船井総合研究所が企業・法人を対象とした経営コンサルティングを行っております。

経営コンサルティング事業は、様々な分野において、幅広い専門知識や情報・技術をもって、企画立案・指導助言などのサービスを行う専門サービス業であります。このうち、当社グループが属する経営コンサルティング事業は、弁護士、公認会計士、税理士等のように法律によって保護される業態とは異なり、開業に際し必ずしも特別な資格取得の必要でない業態であります。

わが国における当業界の市場規模は、欧米と比較し経済規模としては相対的に小さいとの指摘がなされております。今後、わが国における企業経営が成熟するに従い、経営コンサルティングなどの知的専門サービスに対するニーズは高まりますが、こうした知的専門サービスに対する理解並びに認識が十分に高まらず、当社が顧客ニーズに適合しない方向に向かった場合は、当社の収益の拡大も限定的なものに留まる可能性があります。

当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っており、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想されます。顧客ニーズに対応できる企業とそうでない企業との二極分化の傾向が生じており、今後、合従連衡を含む業界再編が進展していく可能性もあります。

 

② 株式会社船井総合研究所の事業内容並びに顧客開拓について

当社グループの中核事業会社である株式会社船井総合研究所は、企業経営者が抱える様々な経営上の問題に対し、業種業態ごとに対応したマーケティング・顧客管理・人事などの経営に関するコンサルティングを通じ、顧客企業の育成及び発展を支援しております。

また、顧客企業に対する直接的なコンサルティング活動の他に、多岐に亘る経営課題並びに時流に即した経営セミナーの主催、また、経営戦略の研究や会員相互の交流による事業の可能性を広げるネットワーク作りを目的とする、多様なメンバーから構成された会員制組織である経営研究会を運営しております。

顧客開拓につきましては、既存顧客からの紹介、主催するセミナーによる集客、研究会のネットワーク拡充及び無料経営相談などにより顧客開拓を図っております。

 

顧客基盤におきましては、創業以来、流通業を主要な顧客基盤としておりましたが、現在においては、サービス業、消費財メーカー、官公庁や大企業等、顧客基盤は拡大してきております。

株式会社船井総合研究所は、顧客開拓を専門に行う営業部門を有しておらず、今後も上記のようなコンサルティング活動を通じて顧客開拓を図る方針でありますが、顧客開拓のための活動や手法が有効に機能しなくなる等の事態が生じた場合においては、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンサルタントへの依存について

経営コンサルティング事業において、コンサルタント1人当たりの業務量には限界があることから、事業拡大を図るには優秀なコンサルタントの増員が不可欠であります。そのために、社内教育の研修プログラムにおいてコンサルタントとしての基本姿勢及び必要な知識を習得させ、また、通常3~8名程度で構成されるチームで実際の現場におけるコンサルティング業務を通じ、個々のコンサルタントのレベルアップと知識ノウハウの社内共有を図り人材の育成に努めております。とりわけ育児等と就業の両立支援の制度の導入により女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでおり、優秀な人材の定着に努めております。さらに、新たな人材確保においては、新卒採用の他に各分野での経験者の採用を積極的に進め、潜在能力の高い人材の獲得に努めております。

今後においても優秀な人材の確保及び優秀なコンサルタントへの育成に努め、引続き増員を図る方針でありますが、当社グループが求める人材の確保及び育成が進捗しない場合においては、コンサルタントへの依存が高い当社の事業並びに業績に影響を及ぼすことになります。

また、当事業の性格上、個々のコンサルタントの意識や能力等により、パフォーマンスに差が生じることも事実であります。当社は、社員のモチベーション及び帰属意識をより高めるために、人事評価制度における見直しを行い、個々の成果がより反映される給与体系を導入、また3ヶ月毎に実績に応じた昇格が可能となる制度を導入しております。しかしながら、能力の高いコンサルタントの中には独立志向が高い人材がいる可能性もあり、一部の重要な人材の離職があれば、業績において一時的な影響を受ける可能性があります。

 

④ 海外事業におけるカントリーリスクについて

当社は中国上海市に子会社を有しており、主に国内企業の中国進出サポート及び現地における営業マーケティングのコンサルティング活動を展開しております。中国市場におけるコンサルティングニーズは高い一方で、カントリーリスクが依然として高い状況にあります。具体的には、反日活動による日本製品への影響、税務・法務諸制度の度重なる変更による影響、政治・経済状況の激変によるマーケットに与える影響、大気汚染をはじめとした環境問題による従業員の健康への影響、その他、為替リスクなど海外事業特有のカントリーリスクがあげられます。今後も中国ビジネスにおけるコンサルティングニーズは高まるものと考えておりますが、上記のようなカントリーリスクにより、当社グループに一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営コンサルティング事業以外の事業に関連するリスクについて

船井総研ロジ株式会社は、ロジスティクス事業を行っており、顧客の物流コスト削減等を目的とした物流コンサルティング業務、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流オペレーション業務、及び購買コスト削減等を共同購買で具現化する物流トレーディング業務等を実施しております。物流業務は顧客との良好な関係により成立するため、常に競合会社からの営業活動にさらされております。

また、サービスや物品を仕入販売するモデルであるため、仕入価格、特に相場に左右される商材やサービス(燃料、ダンボール、トラック運賃等)を扱うため常に仕入価格と販売価格の調整が必要となり、その成否によって利幅が変動するリスクや販売先の債務不履行リスクがあります。

オペレーション業務については、荷物事故、車両事故等、予期しない業務事故が発生する可能性を秘めており、また、共同購買では品質における瑕疵等が考えられ、その対応処置に応じて、当社グループの実績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社船井総研ITソリューションズは、IT関連事業を行っており、主に基幹システム導入サポートやITコスト削減支援などのITコンサルティング業務を行っております。IT関連業界においては技術革新のスピードが速く、また競合他社においても大手企業はもとより新興企業が多数存在し、競争の激しい業界であります。このような業界においては、刻々と変化、複雑化する顧客ニーズに対し的確に対応する必要があり、同社が顧客ニーズに対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

株式会社プロシードは、コンタクトセンターコンサルティング事業を行っており、米国COPC社との日本独占ライセンス契約に基づいて、COPC組織認証等個人向けトレーニングを実施しているため、COPC社の経営方針、サービス内容の変化等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 当社グループ戦略等について

① 事業領域の見直しについて

当社グループは、現経営陣のもと、事業戦略の見直しを行った結果、中核事業であり安定した利益の見込まれる経営コンサルティング事業については、当面事業の拡大は可能と判断し、当該事業及びその周辺事業に経営資源を集中する方針を採っております。

当該方針に従い、今後、経営コンサルティング事業とシナジー効果の高い周辺事業などの新規の事業領域への進出を図ることにより、初期投資によるコスト発生及び投資計画と業績実績との乖離が発生した場合、当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのブランド力について

創業者の船井幸雄が築いてきた「船井総合研究所」ブランドは、経営コンサルティング事業をはじめとする当社グループの事業展開の上で不可欠であり、このブランドを維持・発展することは、当社グループの事業基盤拡大の上で非常に重要であります。しかしながら、コンサルタントの質の低下や当社グループが提供するサービスが、顧客ニーズに必ずしも合致したものではなくなる状況が生じ、顧客からの信頼獲得に影響を及ぼす等の事態が生じた場合には、ブランド力の低下に繋がります。また、「船井総合研究所」あるいは「船井総研」の商標を冠する各社等にリーガル・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の諸問題が発生した場合にはブランドの毀損に繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏えい等に関するリスクについて

当社グループは、顧客の機密情報について機密保持契約等により守秘義務を負っております。当社グループでは、役職員等に対してeラーニングを用いた教育・研修等による情報管理の重要性の周知徹底、システムによるセキュリティ対策等、機密保持に努めております。しかしながら、万一、情報漏えいや情報流出が生じた場合、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 内部管理体制について

当社グループは、持続的な成長と中長期的に企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。当社グループでは業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りを合理的な基準に基づいて実施しております。

 

(2) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて602百万円増加し、22,862百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円増加し、12,249百万円となりました。これは主に、現金及び預金が増加し、有価証券及びその他の流動資産に含まれる未収入金が減少したことによるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて433百万円減少し、10,613百万円となりました。これは主に、投資有価証券、ソフトウエア及びのれんが減少したことによるものであります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて452百万円減少し、3,590百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて582百万円減少し、2,663百万円となりました。これは主に、未払法人税等が減少したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて130百万円増加し、927百万円となりました。これは主に、長期借入金が増加したことによるものであります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,055百万円増加し、19,272百万円となりました。これは主に、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.2ポイント増加し83.5%となりました。

 

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高・・・16,433百万円(前連結会計年度比11.7%増)

主力事業の経営コンサルティング事業における最大の特徴ともいえる月次支援型コンサルティング業務の契約継続率の向上と業種・テーマ別経営研究会の会員数の順調な増加によりコンサルティング件数も順調に増加いたしました。また、ロジスティクス事業におきましては大型案件の受注も重なり売上高が増加し、これらの結果、売上高は16,433百万円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。

 

② 営業利益・・・3,859百万円(前連結会計年度比10.4%増)

営業利益におきましては、売上原価は10,689百万円(前連結会計年度9,625百万円)、販売費及び一般管理費が1,883百万円(同1,595百万円)となったものの、上記の売上高増加に伴って3,859百万円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。

 

③ 経常利益・・・3,866百万円(前連結会計年度比4.8%増)

経常利益におきましては、前期までの組織再編に伴う還付消費税等の計上が終了したため営業外収益は70百万円(前連結会計年度263百万円)となり3,866百万円(前連結会計年度比4.8%増)にとどまりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益・・・2,558百万円(前連結会計年度比5.5%増)

親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、特別利益として投資有価証券売却益を111百万円計上、法人税等合計が1,386百万円(前連結会計年度1,190百万円)により2,558百万円(前連結会計年度比5.5%増)となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社グループの中核事業であります経営コンサルタント事業は、収益面においても大きな比重を占めております。当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っており、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想されます。

したがいまして、顧客ニーズに適合するサービスを提供できないと、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。