第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、クライアントからの多種多様なニーズに対し親身に応えるとともに高品質の経営コンサルティングサービスを提供していくことで、広く社会に貢献する企業でありたいと考えております。グループ経営力を強化していくためにも、次のとおり「グループ理念」及び「グループビジョン」を定めております。

① グループ理念

「人・企業・社会の未来を創る」

私たちは、船井総研グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援していきます。

② グループビジョン

「仕事を通じて、人と企業を幸せにする 常に社会に必要とされるグループ経営をめざす」

私たちのめざすグループ経営とは、関係する人・企業を幸せにすることだと考えております。幸せを願う人や企業にとって必要な企業集団になることが、結果、常に社会に必要とされる存在になると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、上記グループ理念・ビジョンに向けて、常に成長し続けるグループを目指し、2017年12月期から2019年12月期の中期経営計画において重要経営指標を次のとおり定めております。

① 売上高成長率 10%以上

コンサルティングサービスを充実させるための事業開拓やグループ経営を推進し、年10%以上の売上高成長率を維持しながら、さらなる業容の拡大を目指してまいりたいと考えております。

② ROE(自己資本利益率) 10%以上

安定した利益を確保し、中長期的な企業の成長を目指し、最適資本とそれに基づく株主還元政策等も踏まえ、10%以上を維持しながら、資本効率の向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2017年度から2019年度にかけての中期経営計画「Great Value 2020」(以下、第2次中期経営計画)を策定し信頼の総合経営コンサルティンググループの実現に向けて、業界別「経営研究会」を経営の基盤とし、持続的成長可能なストック型コンサルティングモデルを確立してまいります。

なお、第2次中期経営計画は、初年度において連結営業利益の経営数値目標の最終年度計画を達成したため目標数値を上方修正し、2年目である2018年12月期においても目標数値を達成することが出来ました。最終年度である2019年度の業績目標につきましても、引続き計画数値の達成に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 

① 経営コンサルティング事業における事業戦略

これまで培ってきた当社グループの強みである中小企業の成長実行支援と人材開発支援をベースに、業種別コンサルティングサービスとテーマ別に特化した専門性の高いコンサルティングサービスを連携させて、より品質の高いコンサルティングサービスの提供につなげてまいります。テーマ別コンサルティングサービスでは、採用・育成などの人材開発のほかに、M&A、WEBマーケティングなど、専門テーマの領域を拡張してサービスの充実を図ることにより、中小・中堅企業の企業価値向上支援ができる体制を整えてまいります。

 

② ロジスティクス事業における事業戦略

現在行っております物流コンサルティング業務、物流オペレーション業務、物流トレーディング業務をさらに成長させるために、今後、プラットフォーム機能を構築し、物流総合エンジニアリング企業への展開を目指してまいります。

 

③ 人財戦略

計画的な新卒採用と高い定着率をベースに、若手コンサルタントの早期育成を実現し、さらに総合経営コンサルティンググループに必要なプロフェッショナル人財の採用にチャレンジしてまいります。

 

 

④ 資本政策の基本的方針

 ・基本方針

当社は、株主価値を中長期的に高めるために、適切な資本政策の方針の策定・実行が極めて重要であると認識しており、最適な株主資本の水準の形成と併せて、株主還元の向上に努めると同時に、積極的な事業投資による利益の拡大を目指すことにより、資本効率を高めることを基本方針としております。

・効率性の方針

資本コストを意識した経営に注力し、ROE10%以上を維持するよう、利益率の向上に取り組みます。

・株主還元の方針

適切な利益還元を経営の最重要課題と認識しており、業績を考慮した利益配当を実施するとともに、財務状況を勘案しつつ、機動的な自社株買いも実施することにより、総還元性向の向上につなげ50%以上を目指します。

 

⑤ コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、取締役会の客観性、妥当性を確保するために取締役のうち3分の1以上の社外取締役を選任しており、コーポレート・ガバナンスの強化に努めております。

知識・能力・経験を考慮した社外取締役の選任や、既設の指名委員会及び報酬委員会に加え、社外取締役間における活発な意見交換を通じて、ガバナンス全般における各種課題に対して中長期的な観点から議論を行う目的で設立した、社外取締役のみで構成されるガバナンス委員会の設置、さらには、社外取締役への情報提供の充実・強化をすることによる取締役会の実効性担保に取り組むと同時に、コンプライアンス体制及び内部統制の充実を目的としたリスク管理委員会の設置によるリスク管理体制の強化に努めております。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

国内経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益は回復傾向にありますが、欧米の政策動向の影響等による海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響により依然として先行き不透明な状況下にあります。

このような状況のなか、第2次中期経営計画を策定し、「総合経営コンサルティンググループ」の実現に向けて、真に顧客の求めるニーズをとらえ、各業界の時流に適したコンサルティングサービスを提供し、常に顧客に寄り添い、顧客とともに進化し、広く社会に貢献できるよう以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 優秀な人財の採用、育成の強化、定着率の向上

当社グループの中核である経営コンサルティング事業の業績を向上させるためには、各個人のコンサルティング力の向上が不可欠であり、優秀な人財の確保が必要であります。採用活動については当社の人財開発部において一括して行っており、2018年は新卒採用を中心に150名超のコンサルタントを採用いたしました。コンサルタントの増加は当社グループの成長を支える重要な原動力となりますので、今後も新卒採用を中心に積極的に拡大してまいります。

さらに、優秀な人財が定着することで、顧客との関係性が継続的に強化され、契約継続率が向上し業績の安定化につながります。こうしたことから、採用した能力の高い社員を優秀なコンサルタントに育成し、定着させることが、当社グループの重要な課題と考えております。

また、働き方改革の推進により労働時間の見直しや、リモートワークの導入、育児等と就業の両立支援の制度の導入など女性の活躍機会の向上に積極的に取り組んでまいります。今後も、コンサルタントがより長く、より働きやすくなる環境づくりを目指してまいります。

 

② 企業の社会的責任(CSR)に基づく経営

当社グループの健全な成長を確保し、企業価値の向上を図るために、企業の社会的責任(CSR)に立脚した経営が不可欠と認識しております。当社グループといたしましては、企業の社会的責任を果たすべく、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、内部統制の強化に継続的に取り組むとともに、総合的な経営コンサルティング業務を通じて、当社グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援することを基本理念としております。この基本理念に基づき、社会の発展に結実する経営を目指してまいります。

 

 

③ グループ経営の強化及び事業領域の拡大

当社グループが中小・中堅企業に対する企業経営に関する「総合経営コンサルティンググループ」を目指すためには、従来の業種別のマーケティングコンサルティングである成長実行支援やマネジメントコンサルティングである人材開発支援の拡充、企業価値向上支援やデジタル化支援に向けた体制を整える必要があります。コンサルティングサービスの質の向上及び領域の拡大やグループ会社間の連携を促進するためにも、M&Aや業務提携、グループ内事業の開発等を通じてグループ経営を強化し、顧客企業の経営者に対して最適なコンサルティングサービスを提供できる体制を整備してまいります。 

 

④ 経営研究会の拡充

経営コンサルティング事業を中心に展開しております経営者向けの業種・テーマ別経営研究会において、業界動向や成功事例等の情報交換を活発に行い、研究会ごとに時流に適した業績向上ソリューションの研究を行っております。経営研究会の会員数増加は、当事業の売上高の約70%を占める月次支援型コンサルティング業務との相乗効果が高く、経営全体を牽引することから、経営研究会の拡充が重要な課題であると認識しております。

経営者向けセミナーの開催や協業先や既存顧客からの紹介等を通じて経営研究会への誘導を図り、会員数の増加を目指してまいります。また今後は、単に会員数の増加のみならず、その品質についても充実を図るべく、業種別経営研究会から、さらにビジネスモデル別の経営研究会へのリニューアルに取り組んでまいります。

 

⑤ アジア市場への展開

アジア市場への展開については、当社グループは進出先として中国市場に対象を絞っております。既に国内企業の海外進出をサポートするコンサルティング業務を行ってまいりましたが、中国市場においても適切なコンサルティングサービスを拡充するために、現地での営業展開や人財採用のほか、市場の活性化を目的とした顧客同士の学びの場としての経営研究会を提案し、業界全体の向上を目指しております。国内売上比率が圧倒的に高い状況が続いておりますが、今後は大きく事業拡大が期待できる市場であると考えております。

 

⑥ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの向上

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスの向上が不可欠と認識しており、「コーポレートガバナンス・コード」の適切な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。社外取締役のみで構成される「ガバナンス委員会」を設置し、コーポレート・ガバナンスの適切な実践に向けての検討を定期的に行っており、併せて、内部統制報告制度に対応し、経営の透明性と健全性の確保を目的とした内部統制ルールを導入し、運用しております。また、取締役会の監査・監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実、経営の公平性・効率性の向上のため、2016年3月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これらにより、当社グループにおける戦略及び事業目的の推進を組織として機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営コンサルティング事業が経営成績上大きなウエイトを占めていることについて

経営コンサルティング事業は、当社グループの中核事業であり、収益面においても利益面においても大きな比重を占めております。

当社グループ(連結)の2017年12月期及び2018年12月期における売上高及び営業損益の内訳(金額及び構成比)は、下表のとおりであります。

 

 

(自 2017年1月1日
 至 2017年12月31日)

(自 2018年1月1日
 至 2018年12月31日)

売上高

営業損益

売上高

営業損益

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

経営コンサルティング事業

15,275

81.8

4,201

90.7

17,099

78.8

4,559

92.2

ロジスティクス事業

2,188

11.7

216

4.7

2,452

11.3

256

5.2

その他

1,197

6.4

72

1.6

2,121

9.8

48

1.0

消去又は全社

23

0.1

141

3.0

23

0.1

82

1.6

合計

18,685

100.0

4,631

100.0

21,697

100.0

4,946

100.0

 

 

(2) 当社グループの中核事業である経営コンサルティング事業に関連するリスクについて

① 経営コンサルティング業界を取り巻く環境について

当社グループにおいては、主に株式会社船井総合研究所が企業・法人を対象とした経営コンサルティングを行っております。

経営コンサルティング事業は、様々な分野において、幅広い専門知識や情報・技術をもって、企画立案・指導助言などのサービスを行う専門サービス業であります。このうち、当社グループが属する経営コンサルティング事業は、弁護士、公認会計士、税理士等のように法律によって保護される業態とは異なり、開業に際し必ずしも特別な資格取得の必要でない業態であります。

わが国における当業界の市場規模は、欧米と比較し経済規模としては相対的に小さいとの指摘がなされております。今後、わが国における企業経営が成熟するに従い、経営コンサルティングなどの知的専門サービスに対するニーズは高まりますが、こうした知的専門サービスに対する理解並びに認識が十分に高まらず、当社が顧客ニーズに適合しない方向に向かった場合は、当社の収益の拡大も限定的なものに留まる可能性があります。

当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っており、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想されます。顧客ニーズに対応できる企業とそうでない企業との二極分化の傾向が生じており、今後、合従連衡を含む業界再編が進展していく可能性もあります。

 

② 株式会社船井総合研究所の事業内容並びに顧客開拓について

当社グループの中核事業会社である株式会社船井総合研究所は、企業経営者が抱える様々な経営上の問題に対し、業種業態ごとに対応したマーケティング・顧客管理・人事などの経営に関するコンサルティングを通じ、顧客企業の育成及び発展を支援しております。

また、顧客企業に対する直接的なコンサルティング活動の他に、多岐に亘る経営課題並びに時流に即した経営セミナーの主催、また、経営戦略の研究や会員相互の交流による事業の可能性を広げるネットワーク作りを目的とする、多様なメンバーから構成された会員制組織である経営研究会を運営しております。

顧客開拓につきましては、既存顧客からの紹介、主催するセミナーによる集客、研究会のネットワーク拡充及び無料経営相談などにより顧客開拓を図っております。

 

顧客基盤におきましては、創業以来、流通業を主要な顧客基盤としておりましたが、現在においては、サービス業、消費財メーカー、官公庁や大企業等、顧客基盤は拡大してきております。

株式会社船井総合研究所は、顧客開拓を専門に行う営業部門を有しておらず、今後も上記のようなコンサルティング活動を通じて顧客開拓を図る方針でありますが、顧客開拓のための活動や手法が有効に機能しなくなる等の事態が生じた場合においては、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンサルタントへの依存について

経営コンサルティング事業において、コンサルタント1人当たりの業務量には限界があることから、事業拡大を図るには優秀なコンサルタントの増員が不可欠であります。そのために、社内教育の研修プログラムにおいてコンサルタントとしての基本姿勢及び必要な知識を習得させ、また、通常3~8名程度で構成されるチームで実際の現場におけるコンサルティング業務を通じ、個々のコンサルタントのレベルアップと知識ノウハウの社内共有を図り人材の育成に努めております。とりわけ育児等と就業の両立支援の制度の導入により女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでおり、優秀な人材の定着に努めております。さらに、新たな人材確保においては、国内外を問わず新卒採用の他に各分野での経験者の採用を積極的に進め、潜在能力の高い人材の獲得に努めております。

今後においても優秀な人材の確保及び優秀なコンサルタントへの育成に努め、引続き増員を図る方針でありますが、当社グループが求める人材の確保及び育成が進捗しない場合においては、コンサルタントへの依存が高い当社の事業並びに業績に影響を及ぼすことになります。

また、当事業の性格上、個々のコンサルタントの意識や能力等により、パフォーマンスに差が生じることも事実であります。当社は、社員のモチベーション及び帰属意識をより高めるために、人事評価制度における見直しを行い、個々の成果がより反映される給与体系を導入、また3ヶ月毎に実績に応じた昇格が可能となる制度を導入しております。しかしながら、能力の高いコンサルタントの中には独立志向が高い人材がいる可能性もあり、一部の重要な人材の離職があれば、業績において一時的な影響を受ける可能性があります。

 

④ 海外事業におけるカントリーリスクについて

当社は中国上海市に子会社を有しており、主に国内企業の中国進出サポート及び現地における営業マーケティングのコンサルティング活動を展開しております。中国市場におけるコンサルティングニーズは高い一方で、カントリーリスクが依然として高い状況にあります。具体的には、反日活動による日本製品への影響、税務・法務諸制度の度重なる変更による影響、政治・経済状況の激変によるマーケットに与える影響、大気汚染をはじめとした環境問題による従業員の健康への影響、その他、為替リスクなど海外事業特有のカントリーリスクがあげられます。今後も中国ビジネスにおけるコンサルティングニーズは高まるものと考えておりますが、上記のようなカントリーリスクにより、当社グループに一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営コンサルティング事業以外の事業に関連するリスクについて

船井総研ロジ株式会社は、ロジスティクス事業を行っており、顧客の業績向上及び物流コスト削減等を目的とした物流コンサルティング業務、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流オペレーション業務、及び購買コスト削減等を共同購買で具現化する物流トレーディング業務等を実施し、顧客との良好な関係により成立するため、常に競合会社からの営業活動にさらされております。

また、サービスや物品を仕入販売するモデルであるため、仕入価格、特に相場に左右される商材やサービス(燃料、ダンボール、トラック運賃等)を扱うため常に仕入価格と販売価格の調整が必要となり、その成否によって利幅が変動するリスクや販売先の債務不履行リスクがあります。

物流オペレーション業務については、リフト作業時の事故や倉庫内事故といった荷物事故、車両事故等、倉庫の火災等予期しない業務事故が発生する可能性を秘めており、また、共同購買では品質における瑕疵等が考えられ、その対応処置に応じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社船井総研ITソリューションズは、ITコンサルティング事業を行っており、主に基幹システム導入サポートやITコスト削減支援などのITコンサルティング業務を行っております。また、2018年6月に新たに連結子会社となったシステム開発事業を営む新和コンピュータサービス株式会社においても、主に情報システム開発、システムマネジメントサービス業務を行っております。IT関連業界においては技術革新のスピードが速く、また競合他社においても大手企業はもとより新興企業が多数存在し、競争の激しい業界であります。このような業界においては、刻々と変化、複雑化する顧客ニーズに対し的確に対応する必要があり、同社が顧客ニーズに対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社プロシードは、コンタクトセンターコンサルティング事業を行っており、米国COPC社との日本独占ライセンス契約に基づいて、COPC組織認証等個人向けトレーニングを実施しているため、COPC社の経営方針、サービス内容の変化等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社HR Forceは、ダイレクトリクルーティング事業を行っており、主に採用広告運用代行サービスを通じて、現在多くの企業が抱える人手不足という課題に、ITテクノロジーを活用した解決ソリューションを提供しております。人材業界は大手企業をはじめ競合他社が多数存在し、価格面やサービス面において同社の競争優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 当社グループ戦略等について

① 事業領域の見直しについて

当社グループは、現経営陣のもと、事業戦略の見直しを行った結果、中核事業であり安定した利益の見込まれる経営コンサルティング事業については、当面事業の拡大は可能と判断し、当該事業及びその周辺事業に経営資源を集中する方針を採っております。

当該方針に従い、今後、経営コンサルティング事業とシナジー効果の高い周辺事業などの新規の事業領域への進出を図ることにより、初期投資によるコスト発生及び投資計画と業績実績との乖離が発生した場合、当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのブランド力について

創業者の船井幸雄が築いてきた「船井総合研究所」ブランドは、経営コンサルティング事業をはじめとする当社グループの事業展開の上で不可欠であり、このブランドを維持・発展することは、当社グループの事業基盤拡大の上で非常に重要であります。しかしながら、コンサルタントの質の低下や当社グループが提供するサービスが、顧客ニーズに必ずしも合致したものではなくなる状況が生じ、顧客からの信頼獲得に影響を及ぼす等の事態が生じた場合には、ブランド力の低下に繋がります。また、「船井総合研究所」あるいは「船井総研」の商標を冠する各社等にリーガル・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の諸問題が発生した場合にはブランドの毀損に繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏えい等に関するリスクについて

当社グループは、顧客の機密情報について機密保持契約等により守秘義務を負っております。当社グループでは、役職員等に対してeラーニングを用いた教育・研修等による情報管理の重要性の周知徹底、システムによるセキュリティ対策の強化等、機密保持に努めております。しかしながら、当社グループの機密情報の保護対策及び適切な管理施策が完全に機能するとの保証はなく、第三者によるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これら情報が流出した場合や重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 内部管理体制について

当社グループは、持続的な成長と中長期的に企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。当社グループでは業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、景気は回復基調が続きました。しかしながら欧米の政治動向の影響等による海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響、さらには、相次いでいる自然災害の景気への影響など、先行き不透明な状況が続きました。

このような状況の下、当社グループは主力事業である経営コンサルティング事業の業績が好調に推移し、連結経営成績は引続き過去最高の売上高及び利益を達成することができました。

主力の経営コンサルティング事業における業種・テーマ別に開催している経営研究会において、ビジネスモデル及び会員サービスの充実により会員数が増加し、コンサルティング収入が増加いたしました。また、経営コンサルティング事業におけるWEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業のサービスアカウント数が大きく増加いたしました。

これらの結果、売上高21,697百万円(前連結会計年度比16.1%増)、営業利益4,946百万円(同6.8%増)、経常利益5,008百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,549百万円(同10.7%増)となり、過去最高益を更新いたしました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間に「ダイレクトリクルーティング事業」を行う株式会社HR Forceを設立し、連結の範囲に含めております。これに伴い、従来「経営コンサルティング事業」に含まれていた「ダイレクトリクルーティング関連業務」を、新たな事業セグメントである「ダイレクトリクルーティング事業」とし、「その他」に含めております。また、第2四半期連結会計期間に新たに連結子会社といたしました「システム開発事業」を営む新和コンピュータサービス株式会社を「その他」に含めております。さらに、第3四半期連結会計期間において株式会社船井総合研究所から船井総研ロジ株式会社へ「物流コンサルティング業務」を吸収分割の方法により事業移管いたしました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

・経営コンサルティング事業

経営コンサルティング事業の業種別におきましては、当事業の主力部門である住宅・不動産業界向けコンサルティングにおいて、引続き中小企業向けの業績向上ソリューションの確立が進んだこと、中堅・大手企業向けのプロジェクト案件が増加したことにより、前連結会計年度に比べて売上高が増加いたしました。また、医療・介護・福祉業界、士業業界向けコンサルティングにおいても、経営研究会の会員数増加により順調に売上高が増加いたしました。

テーマ別におきましては、従来の成長実行支援に加え、人材開発コンサルティングについても順調に売上高を伸ばすことができました。その結果、売上高は17,099百万円(前連結会計年度比11.9%増)、営業利益は4,559百万円(同8.5%増)となりました。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、主力の物流オペレーション業務において既存顧客及び新規顧客の受注が順調に増加いたしました。また、第3四半期連結会計期間において、株式会社船井総合研究所から船井総研ロジ株式会社へ「物流コンサルティング業務」を吸収分割の方法により事業移管し、そのシナジー効果により業績は好調に推移いたしました。利益面におきましては、比較的利益率の高い物流コンサルティング業務が増加したことにより増益となりました。その結果、売上高は2,452百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益は256百万円(同18.5%増)となりました。

 

・その他

その他の事業のコンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、売上高において十分に確保することが出来ませんでしたが、ITコンサルティング事業におきましては、システムコンサルティング業務において引続き複数の大型案件を計上することが出来ました。なお、第2四半期連結会計期間より「IT関連事業」としていた事業セグメントの名称をより実体を示すため「ITコンサルティング事業」に変更しております。当該変更は名称変更のみであり、セグメント情報に与える影響はありません。

また、第1四半期連結会計期間に新たに設立した株式会社HR Forceにおけるダイレクトリクルーティング事業におきましても、採用広告運用代行サービスのアカウント数が伸び、順調に売上高が増加いたしました。

さらに、第2四半期連結会計期間より、新たに連結子会社といたしました「システム開発事業」を営む新和コンピュータサービス株式会社の業績を第3四半期連結会計期間からその他の事業に取り込んだ結果、売上高は2,121百万円(前連結会計年度比77.2%増)、営業利益は48百万円(同33.4%減)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、1,170百万円増加し、26,821百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて892百万円増加し、14,696百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて278百万円増加し、12,125百万円となりました。これは主に有形及び無形固定資産の減価償却に伴う減少及び投資有価証券の余資運用に伴う増加によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて424百万円増加し、4,450百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて602百万円増加し、3,675百万円となりました。これは主に未払法人税等及び流動負債のその他に含まれる未払金が増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて177百万円減少し、775百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて746百万円増加し、22,370百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、剰余金処分に伴う利益剰余金の減少によるものであります。

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.4ポイント減少し81.9%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて566百万円増加し、11,022百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は3,554百万円(前連結会計年度は3,950百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5,317百万円となり、売上債権の増加額が437百万円、法人税等の支払額が1,682百万円、法人税等の還付額が333百万円となったことによるものであります。

 

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は222百万円(前連結会計年度は982百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が224百万円となったことによるものであります。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は2,762百万円(前連結会計年度は1,176百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が975百万円、配当金の支払額が1,771百万円となったことによるものであります。

 

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2014年12月期

2015年12月期

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

自己資本比率(%)

81.1

81.3

83.5

83.3

81.9

時価ベースの自己資本比率

(%)

137.0

263.2

270.2

498.8

308.8

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.2

0.3

0.2

0.2

0.2

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

250.7

326.3

355.8

717.7

645.9

 

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率: 自己資本/ 総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、短期借入金、長期借入金、1年内償還予定の社債及び社債を対象としております。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

 ③受注及び販売の状況

・受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

13,816,638

109.2

6,462,351

120.1

ロジスティクス事業

693,381

112.2

231,890

132.7

その他

520,997

96.5

63,703

97.3

 

(注)1 経営コンサルティング事業については、会費収入、セミナー収入は継続収入であるため、コンサルティング収

   入についてのみ記載いたしました。

2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。なお、前年同期

   比については、経営コンサルティング事業内にありました物流コンサルティング業務を移管したため、

   遡及修正後の数値で比較を行っております。

3 その他の事業については、ITコンサルティング収入及びコンタクトセンターコンサルティング収入について

   のみ記載しております。

4 金額は販売価格で表示しております。

5 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

・販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

17,099,170

111.9

ロジスティクス事業

2,452,580

112.1

その他

2,121,691

177.2

 

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。なお、前年同期比については、遡及修正後の

       数値で比較を行っております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討

a 経営成績の分析

売上高におきましては、業種・テーマ別に開催している経営研究会において、ビジネスモデル及び会員サービスの充実により会員数が増加し、また、経営コンサルティング事業におけるWEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業のサービスアカウント数が大きく増加いたしました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて16.1%増21,697百万円となりました。

営業利益におきましては、WEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業が伸びたことにより売上原価が増加いたしましたが、主力の経営コンサルティング事業において、営業活動の効率化や増収により、堅調に営業利益を確保することができました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて6.8%増4,946百万円となりました。

経常利益におきましては、還付消費税等の計上等により営業外収益が121百万円(前連結会計年度は103百万円)、営業外費用が58百万円(同54百万円)となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて7.0%増5,008百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、投資有価証券の売却益319百万円を特別利益に計上し、また、法人税等合計が1,767百万円(前連結会計年度は1,480百万円)となったことにより、前連結会計年度に比べて10.7%増3,549百万円となりました。

 

b 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資金需要の主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローであります。

 

③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、2019年12月期を最終年度とする新中期経営計画「Great Value 2020」を推進しており、同計画において連結売上高23,500百万円、連結営業利益5,400百万円を最終年度に達成すべき数値目標として定めております。

同計画の初年度で当初計画しておりました数値を大幅に上回ったため計画数値の上方修正を実施し、2年目である2018年12月期においても数値目標を達成してまいりました。最終年度についても達成すべく、業績及び資本効率の向上に取り組んでまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。