第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、クライアントからの多種多様なニーズに対し親身に応えるとともに高品質の経営コンサルティングサービスを提供していくことで、広く社会に貢献する企業でありたいと考えております。グループ経営力を強化していくためにも、次のとおり「グループ理念」及び「グループビジョン」を定めております。

① グループ理念

「人・企業・社会の未来を創る」

私たちは、船井総研グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援していきます。

② グループビジョン

「仕事を通じて、人と企業を幸せにする 常に社会に必要とされるグループ経営をめざす」

私たちのめざすグループ経営とは、関係する人・企業を幸せにすることだと考えております。幸せを願う人や企業にとって必要な企業集団になることが、結果、常に社会に必要とされる存在になると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、上記グループ理念・ビジョンに向けて、常に成長し続けるグループを目指し、2017年12月期から2019年12月期の中期経営計画において、売上高成長率10%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を目標としており、それぞれ全期間達成することができました。なお、2020年2月5日に公表した2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画においては、さらなる収益性向上を目指し、ROE(自己資本利益率)を15%以上に維持する目標としております。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2017年12月期から2019年12月期にかけての中期経営計画を策定し信頼の総合経営コンサルティンググループの実現に向けて、業界別「経営研究会」を経営の基盤とし、持続的成長可能なストック型コンサルティングモデルを確立してまいりました。また、2020年12月から2022年12月期にかけての中期経営計画においては、中核事業である経営コンサルティング事業を中心に「中小企業向けDXコンサルティング」を加速し、さらにグループ企業とのアライアンス力を高めながら「中堅企業向け総合経営コンサルティング」にチャレンジしてまいります。なお、以下の各戦略につきましては、2017年12月期から2019年12月期と、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における戦略をそれぞれ記載しております。

 

① 経営コンサルティング事業における事業戦略

2017年12月期から2019年12月期:これまで培ってきた当社グループの強みである中小企業の成長実行支援と人材開発支援をベースに、業種別コンサルティングサービスとテーマ別に特化した専門性の高いコンサルティングサービスを連携させて、より品質の高いコンサルティングサービスの提供につなげてまいりました。テーマ別コンサルティングサービスでは、採用・育成などの人材開発のほかに、M&A、WEBマーケティングなど、専門テーマの領域を拡張してサービスの充実を図ることにより、中小・中堅企業の企業価値向上支援ができる体制を整えてまいりました。

2020年12月期から2022年12月期:デジタル革新による顧客接点の拡大とコンサルティングのデジタルシフトを推進し、クライアントの経営者に寄り添った総合経営コンサルティング支援のラインナップを拡大・加速し、中小企業経営者のプラットフォーマーとしての存在の確立を目指してまいります。

 

② ロジスティクス事業における事業戦略

2017年12月期から2019年12月期:現在行っております物流コンサルティング業務、物流オペレーション業務、物流トレーディング業務をさらに成長させるために、プラットフォーム機能を構築し、物流総合エンジニアリング企業への展開を目指してまいりました。

2020年12月期から2022年12月期:コンサルティング、コミュニティ、ネットワーク、データベースの4軸において、国内最大のロジスティクス事業基盤の構築を目指し、従来の業務領域をさらに発展させ、総合ロジスティクス・プロバイダー企業を目指してまいります。

 

③ ダイレクトリクルーティング事業

2020年12月期から2022年12月期:高い継続利用率を維持し、売上拡大フェーズから利益率向上フェーズへの展開を目指し、当社グループの次の柱となる成長事業として引続き経営資源を投入してまいります。

 

④ 人財戦略

2017年12月期から2019年12月期:計画的な新卒採用と高い定着率をベースに、若手コンサルタントの早期育成を実現し、さらに総合経営コンサルティンググループに必要なプロフェッショナル人財の採用にチャレンジしてまいりました。

2020年12月期から2022年12月期:グループ共通の新たなコアバリューをベースに、より多様な人財がその長所を存分に発揮できる環境をデザインし、採用・育成・活躍の好循環により、グループの持続的成長を実現してまいます。

 

⑤ 資本政策の基本的方針

 ・基本方針

当社は、株主価値を中長期的に高めていくために、適切な資本政策の方針の策定・実行が極めて重要であると認識しております。最適な株主資本の水準の形成と併せて、株主還元の向上に努めると同時に、積極的な事業投資により利益の拡大を目指し、資本効率を高めていくことを基本方針としております。

・効率性の方針

2017年12月期から2019年12月期:ROE(自己資本利益率)10%以上を目指してまいりました。

2020年12月期から2022年12月期:ROE(自己資本利益率)15%以上を目指してまいります。

・株主還元の方針

2017年12月期から2019年12月期:総還元性向50%以上を目指してまいりました。

2020年12月期から2022年12月期:総還元性向60%以上を目指してまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループは、「総合経営コンサルティンググループ」の実現に向けて、各業界の時流に適したコンサルティングサービスを提供し、広く社会に貢献できるよう以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 優秀な人財の採用、育成の強化、定着率の向上

当社グループの中核である経営コンサルティング事業の業績を向上させるためには、各個人のコンサルティング力の向上が不可欠であり、優秀な人財の確保が必要であります。採用活動については当社の人財開発部において一括して行っており、2019年は新卒採用を中心に190名のコンサルタントを採用いたしました。コンサルタントの増加は当社グループの成長を支える重要な原動力となりますので、今後も新卒採用を中心に積極的に拡大してまいります。

さらに、優秀な人財が定着することで、顧客との関係性が継続的に強化され、契約継続率が向上し業績の安定化につながります。こうしたことから、採用した能力の高い社員を優秀なコンサルタントに育成し、定着させることが、当社グループの重要な課題と考えております。

また、働き方改革の推進により労働時間の見直しや、リモートワークの導入、育児等と就業の両立支援の制度の導入など女性の活躍機会の向上に積極的に取り組んでまいります。今後も、従業員がより長く、より働きやすくなる環境づくりを目指してまいります。

 

② 企業の社会的責任(CSR)に基づく経営

当社グループの健全な成長を確保し、企業価値の向上を図るために、企業の社会的責任(CSR)に立脚した経営が不可欠と認識しております。当社グループといたしましては、企業の社会的責任を果たすべく、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、内部統制の強化に継続的に取り組むとともに、総合的な経営コンサルティング業務を通じて、当社グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援することを基本理念としております。この基本理念に基づき、社会の発展に結実する経営を目指してまいります。

 

③ グループ経営の強化及び事業領域の拡大

当社グループが中小・中堅企業に対する企業経営に関する「総合経営コンサルティンググループ」を目指すためには、従来の業種別のマーケティングコンサルティングである成長実行支援やマネジメントコンサルティングである人材開発支援の拡充、企業価値向上支援やデジタル化支援に向けた体制を整える必要があります。コンサルティングサービスの質の向上及び領域の拡大やグループ会社間の連携を促進するためにも、M&Aや業務提携、グループ内事業の開発等を通じてグループ経営を強化し、顧客企業の経営者に対して最適なコンサルティングサービスを提供できる体制を整備してまいります。 

 

④ 経営研究会の拡充

経営コンサルティング事業を中心に展開しております経営者向けの業種・テーマ別経営研究会において、業界動向や成功事例等の情報交換を活発に行い、研究会ごとに時流に適した業績向上ソリューションの研究を行っております。経営研究会の会員数増加は、当事業の売上高の60%を超える月次支援型コンサルティング業務との相乗効果が高く、経営全体を牽引することから、経営研究会の拡充が重要な課題であると認識しております。

経営者向けセミナーの開催や協業先や既存顧客からの紹介等を通じて経営研究会への誘導を図り、会員数の増加を目指してまいります。また今後は、単に会員数の増加のみならず、その品質についても充実を図るべく、業種別経営研究会から、さらにビジネスモデル別の経営研究会へのリニューアルに取り組んでまいります。

 

⑤ デジタル化推進による情報管理の強化

近年のデジタル技術の革新により、AI・IoTや、RPAといった新しい技術が次々と生み出されております。当社グループの主要顧客である中小企業においてもデジタル化は不可避な課題となっており、当社グループとしても顧客企業のデジタル化支援を推進してまいります。それにより、顧客の機密情報や、コンサルティングノウハウなどの多くの情報を保有することとなり、今後一層の情報管理を強化する必要があるため社内における情報管理体制を整備及び社員教育によるIT人材の育成に努めてまいります。

 

⑥ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの向上

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスの向上が不可欠と認識しており、「コーポレートガバナンス・コード」の適切な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。社外取締役のみで構成される「ガバナンス委員会」を設置し、コーポレート・ガバナンスの適切な実践に向けての検討を定期的に行っており、併せて、内部統制報告制度に対応し、経営の透明性と健全性の確保を目的とした内部統制ルールを導入し、運用しております。また、取締役会の監査・監督機能の強化によるコーポレート・ガバナンスの充実、経営の公平性・効率性の向上のため、2016年3月に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。これらにより、当社グループにおける戦略及び事業目的の推進を組織として機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り本有価証券報告書提出日現在において、当社グループで判断したものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1) 経営コンサルティング事業が経営成績上大きなウエイトを占めていることについて

経営コンサルティング事業は、当社グループの中核事業であり、収益面においても利益面においても大きな比重を占めております。

当社グループ(連結)の2018年12月期及び2019年12月期における売上高及び営業損益の内訳(金額及び構成比)は、下表のとおりであります。

 

 

(自 2018年1月1日
 至 2018年12月31日)

(自 2019年1月1日
 至 2019年12月31日)

売上高

営業損益

売上高

営業損益

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

経営コンサルティング事業

17,099

78.8

4,559

92.1

19,592

76.0

5,395

94.6

ロジスティクス事業

2,452

11.3

256

5.2

2,441

9.5

344

6.0

ダイレクトリクルーティング事業

1,298

6.0

19

0.4

2,564

10.0

△80

△1.4

その他

823

3.8

28

0.6

1,130

4.4

23

0.4

消去又は全社

23

0.1

82

1.7

23

0.1

22

0.4

合計

21,697

100.0

4,946

100.0

25,752

100.0

5,705

100.0

 

 

(2) 当社グループの中核事業である経営コンサルティング事業に関連するリスクについて

① 経営コンサルティング業界を取り巻く環境について

当社グループにおいては、主に株式会社船井総合研究所が企業・法人を対象とした経営コンサルティングを行っております。

経営コンサルティング事業は、様々な分野において、幅広い専門知識や情報・技術をもって、企画立案・指導助言などのサービスを行う専門サービス業でありますが、当社グループが属する経営コンサルティング事業は、弁護士、公認会計士、税理士等のように法律によって独占業務が存する業態とは異なり、開業に際し必ずしも特別な資格取得の必要でない業態であります。

当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っておりますが、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想され、デジタルトランスフォーメーション等の新たな顧客ニーズも発生しており、顧客ニーズに対応できる企業とそうでない企業との二極分化の傾向が生じており、今後、合従連衡を含む業界再編が進展していく可能性もあります。

また、わが国における当業界の市場規模は、欧米と比較し経済規模としては相対的に小さいとの指摘がなされております。今後、わが国における企業経営が成熟するに従い、経営コンサルティングなどの知的専門サービスに対するニーズは高まるものと認識していますが、こうした知的専門サービスに対する理解並びに認識が十分に高まらず、当社が顧客ニーズに適合しない方向に向かった場合は、当社の収益の拡大も限定的なものに留まる可能性があります。

 

② 株式会社船井総合研究所の事業内容並びに顧客開拓について

当社グループの中核事業会社である株式会社船井総合研究所は、企業経営者が抱える様々な経営上の問題に対し、業種業態ごとに対応したマーケティング・顧客管理・人事などの経営に関するコンサルティングを通じ、顧客企業の育成及び発展を支援しております。

また、顧客企業に対する直接的なコンサルティング活動の他に、多岐に亘る経営課題並びに時流に即した経営セミナーの主催、また、経営戦略の研究や会員相互の交流による事業の可能性を広げるネットワーク作りを目的とする、多様なメンバーから構成された会員制組織である経営研究会を運営しております。

 

顧客開拓につきましては、既存顧客からの紹介、主催するセミナーによる集客、研究会のネットワーク拡充及び無料経営相談などにより顧客開拓を図っております。

顧客基盤におきましては、創業以来、流通業を主要な顧客基盤としておりましたが、現在においては、住宅・不動産業、医療・介護・福祉業、士業、自動車関連業、人材サービス業等、顧客基盤は拡大してきております。

株式会社船井総合研究所は、顧客開拓を専門に行う営業部門を有しておらず、今後も上記のようなコンサルティング活動を通じて顧客開拓を図る方針でありますが、顧客開拓のための活動や手法が有効に機能しなくなる等の事態が生じた場合においては、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンサルタントへの依存について

経営コンサルティング事業において、コンサルタント1人当たりの業務量には限界があることから、事業拡大を図るには優秀なコンサルタントの増員が不可欠であります。そのために、社内教育の研修プログラムにおいてコンサルタントとしての基本姿勢及び必要な知識を習得させ、また、通常3~5名程度で構成されるチームで実際の現場におけるコンサルティング業務を通じ、個々のコンサルタントのレベルアップと知識ノウハウの社内共有を図り人材の育成に努めております。とりわけ育児等と就業の両立支援の制度の導入により女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでおり、優秀な人材の定着に努めております。さらに、新たな人材確保においては、国内外を問わず新卒採用の他に各分野での経験者の採用を積極的に進め、潜在能力の高い人材の獲得に努めております。

今後においても優秀な人材の確保及び優秀なコンサルタントへの育成に努め、引続き増員を図る方針でありますが、当社グループが求める人材の確保及び育成が進捗しない場合においては、コンサルタントへの依存が高い当社グループの事業並びに業績に影響を及ぼすことになります。

また、当事業の性格上、個々のコンサルタントの意識や能力等により、パフォーマンスに差が生じる可能性があります。

当社は、社員のモチベーション及び帰属意識をより高めるために、人事評価制度における見直しを行い、個々の成果がより反映される給与体系を導入しております。しかしながら、能力の高いコンサルタントの中には独立志向が高い人材がいる可能性もあり、一部の重要な人材の離職があれば、業績において一時的な影響を受ける可能性があります。

 

④ 海外事業におけるカントリーリスクについて

当社は中国上海市に子会社を有しており、主に国内企業の中国進出サポート及び現地における営業マーケティングのコンサルティング活動を展開しております。中国市場におけるコンサルティングニーズは高い一方で、カントリーリスクが依然として高い状況にあります。具体的には、反日活動による日本製品への影響、税務・法務諸制度の度重なる変更による影響、政治・経済状況の激変によるマーケットに与える影響、大気汚染をはじめとした環境問題による従業員の健康への影響、その他、為替リスクなど海外事業特有のカントリーリスクがあげられます。今後も中国ビジネスにおけるコンサルティングニーズは高まるものと考えておりますが、上記のようなカントリーリスクにより、当社グループに一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営コンサルティング事業以外の事業に関連するリスクについて

船井総研ロジ株式会社は、ロジスティクス事業を行っており、顧客の業績向上及び物流コスト削減等を目的とした物流コンサルティング業務、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流オペレーション業務、及び購買コスト削減等を共同購買で具現化する物流トレーディング業務等を実施し、顧客との良好な関係により成立するため、常に競合会社からの営業活動にさらされております。

また、サービスや物品を仕入販売するモデルであるため、仕入価格、特に相場に左右される商材やサービス(燃料、ダンボール、トラック運賃等)を扱うため常に仕入価格と販売価格の調整が必要となり、その成否によって利幅が変動するリスクや販売先の債務不履行リスクがあります。

物流オペレーション業務については、リフト作業時の事故や倉庫内事故といった荷物事故、車両事故等、倉庫の火災等予期しない業務事故が発生する可能性を秘めており、また、共同購買では品質における瑕疵等が考えられ、その対応処置に応じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

株式会社船井総研ITソリューションズは、ITコンサルティング事業を行っており、主に基幹システム導入サポートやITコスト削減支援などのITコンサルティング業務を行っております。また、新和コンピュータサービス株式会社は、システム開発事業を行っており、主に情報システム開発、システムマネジメントサービス業務を行っております。IT関連業界においては技術革新のスピードが速く、また競合他社においても大手企業はもとより新興企業が多数存在し、競争の激しい業界であります。このような業界においては、刻々と変化、複雑化する顧客ニーズに対し的確に対応する必要があり、同社が顧客ニーズに対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社プロシードは、コンタクトセンターコンサルティング事業を行っており、米国COPC社との日本独占ライセンス契約に基づいて、COPC組織認証等個人向けトレーニングを実施しているため、COPC社の経営方針、サービス内容の変化等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社HR Forceは、ダイレクトリクルーティング事業を行っており、主に採用広告運用代行サービスを通じて、現在多くの企業が抱える人手不足という課題に、ITテクノロジーを活用した解決ソリューションを提供しております。人材業界は大手企業をはじめ競合他社が多数存在し、価格面やサービス面において同社の競争優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 当社グループ戦略等について

① 事業領域の見直しについて

当社グループは、現経営陣のもと、事業戦略の見直しを行った結果、中核事業であり安定した利益の見込まれる経営コンサルティング事業については、当面事業の拡大は可能と判断し、当該事業及びその周辺事業に経営資源を集中する方針を採っております。

当該方針に従い、今後、経営コンサルティング事業とシナジー効果の高い周辺事業などの新規の事業領域への進出を図ることにより、初期投資によるコスト発生及び投資計画と業績実績との乖離が発生した場合、当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのブランド力について

創業者の船井幸雄が築いてきた「船井総合研究所」ブランドは、経営コンサルティング事業をはじめとする当社グループの事業展開の上で不可欠であり、このブランドを維持・発展することは、当社グループの事業基盤拡大の上で非常に重要であります。しかしながら、コンサルタントの質の低下や当社グループが提供するサービスが、顧客ニーズに必ずしも合致したものではなくなる状況が生じ、顧客からの信頼獲得に影響を及ぼす等の事態が生じた場合には、ブランド力の低下に繋がります。また、「船井総合研究所」あるいは「船井総研」の商標を冠する各社等にリーガル・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の諸問題が発生した場合にはブランドの毀損に繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 情報漏えい等に関するリスクについて

当社グループは、業務遂行上の必要から、個人情報や経営情報等の顧客の機密情報を保有しておりますが、同情報の取得、保管、加工、利用、廃棄に当たっては、個人情報の保護に関する法律その他の各種法令を厳守し、グループ全体及びグループ各社の社内規程に則った取扱いをしております。また、機密情報を取得するにあたっては、機密保持契約等により守秘義務を負っております。これに加えて、役職員等に対してeラーニングを用いた教育・研修等による情報管理の重要性の周知徹底、システムによるセキュリティ対策の強化等、機密保持に努めております。

しかしながら、これらの対策にかかわらず、第三者によるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルスの侵入等により、万一これら情報が流出した場合や個人情報の取得・取扱手続の不備による法令違反があった場合、重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、これらによって損害を被った者からの損害賠償請求や当社グループの信用の低下により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) 内部管理体制について

当社グループは、持続的な成長と中長期的に企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。当社グループでは業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融政策を背景に、企業収益や雇用情勢は緩やかに回復しつつありますが、消費税増税の影響による個人消費マインドの低下、米国の通商政策の動向、中国経済の先行き、中東地域の情勢や金融市場の変動の影響により、先行き不透明な状況が続きました。

このような状況のもと、当社グループは主力事業である経営コンサルティング事業の業績が好調に推移し、連結経営成績は、引続き、過去最高の売上高及び利益を達成することができました。

当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高25,752百万円(前連結会計年度比18.7%増)、営業利益5,705百万円(同15.4%増)、経常利益5,755百万円(同14.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,868百万円(同9.0%増)となり、中期経営計画の2019年度の計画値である売上高23,500百万円、営業利益5,400百万円を大きく上回ることができました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第2四半期連結会計期間において、従来「その他」に含まれていた「ダイレクトリクルーティング事業」について金額的な重要性が増したため報告セグメントとして記載する方法に変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項 (セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

・経営コンサルティング事業

経営コンサルティング事業の業種別におきましては、当事業の主力部門である住宅・不動産業界向けコンサルティングにおいて、中小企業向け業績向上ソリューションの確立がより一層進み、また、医療・介護・福祉業界向けコンサルティングにおいても、歯科医院向け経営研究会等の会員数増加により売上高が順調に増加いたしました。加えて、近年の人手不足を背景に、人材サービス業界向けコンサルティングにおいても大きく売上高が増加いたしました。

テーマ別におきましては、従来の成長実行支援に加え、人材開発コンサルティングについても売上高を順調に伸ばすことができました。その結果、売上高は19,592百万円(前連結会計年度比14.6%増)、営業利益は5,395百万円(同18.3%増)となりました。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、物流コンサルティング業務は既存顧客からの受注に加え、新テーマのセミナーを多数開催し、研究会会員数も過去最高となり、売上高が増加いたしました。また、物流オペレーション業務はDM発送業務等のグループ内業務の割合増加に伴い外部顧客向け売上は減少することとなりました。その結果、売上高は2,441百万円(前連結会計年度比0.4%減)、営業利益は344百万円(同34.5%増)となりました。

 

・ダイレクトリクルーティング事業

ダイレクトリクルーティング事業におきましては、国内企業の求人数増加に伴う転職マーケットの活況に後押しされ、新規顧客を順調に獲得し、売上高は前連結会計年度と比較して約2倍となりました。当事業は前連結会計年度より早期の売上拡大を目指すべく販促費用や運用体制整備に伴う人件費、システム開発費用を中心に積極的な先行投資を継続したため、当連結会計年度においては営業損失となりました。

その結果、売上高は2,564百万円(前連結会計年度比97.5%増)、営業損失は80百万円(前連結会計年度は営業利益19百万円)となりました。

 

 

・その他

その他の事業におきましては、コンタクトセンターコンサルティング事業は、大手企業案件の失注等の影響により減益となりました。ITコンサルティング事業は、安定した受注により計画を上回る利益となりました。システム開発事業は、順調に売上高を伸ばすことができました。

その結果、売上高は1,130百万円(前連結会計年度比37.3%増)、営業利益は23百万円(同19.2%減)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、1,686百万円増加し、28,419百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,104百万円増加し、16,694百万円となりました。これは主に現金及び預金、有価証券、受取手形及び売掛金の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて418百万円減少し、11,724百万円となりました。これは主に投資有価証券の減少によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて892百万円増加し、5,254百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,256百万円増加し、4,931百万円となりました。これは主に1年内償還予定の社債及びその他に含まれる未払金が増加したことによるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて364百万円減少し、322百万円となりました。これは主に社債の減少によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて794百万円増加し、23,165百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、自己株式の取得及び剰余金処分に伴う利益剰余金の減少によるものであります。

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.8ポイント減少し79.4%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて607百万円増加し、11,630百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は4,522百万円(前連結会計年度は3,554百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5,748百万円となり、売上債権の増加額が476百万円、法人税等の支払額が1,801百万円、法人税等の還付額が343百万円となったことによるものであります。

 

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は500百万円(前連結会計年度は222百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が413百万円となったことによるものであります。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は3,411百万円(前連結会計年度は2,762百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が1,535百万円、配当金の支払額が1,862百万円となったことによるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2015年12月期

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

自己資本比率(%)

81.3

83.5

83.3

82.2

79.4

時価ベースの自己資本比率

(%)

263.2

270.2

498.8

309.8

434.6

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.3

0.2

0.2

0.2

0.1

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

326.3

355.8

717.7

645.9

863.6

 

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率: 自己資本/ 総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

 ③ 受注及び販売の状況

・受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

14,185,944

102.7

6,585,001

101.9

ロジスティクス事業

709,179

102.3

325,530

140.4

その他

605,552

116.2

148,315

232.8

 

(注)1 経営コンサルティング事業については、会費収入、セミナー収入は継続収入であるため、コンサルティング収

   入についてのみ記載いたしました。

2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。

3 ダイレクトリクルーティング事業については、コンサルティング収入がないため上表には記載しておりません。

4 その他の事業については、ITコンサルティング収入及びコンタクトセンターコンサルティング収入について

   のみ記載しております。

5 金額は販売価格で表示しております。

6 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

・販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

19,592,131

114.6

ロジスティクス事業

2,441,697

99.6

ダイレクトリクルーティング事業

2,564,549

197.5

その他

1,130,844

137.3

 

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。なお、前年同期比については、遡及修正後の

    数値で比較を行っております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討

a 経営成績の分析

売上高におきましては、ビジネスモデル別に開催している経営者向けセミナーの開催件数の増加、WEB広告運用代行サービスの顧客数の増加により、コンサルティング件数が増加いたしました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて18.7%増25,752百万円となりました。

営業利益におきましては、WEB広告運用代行サービス及びダイレクトリクルーティング事業が伸びたことにより売上原価が大きく増加いたしましたが、経営コンサルティング事業において、営業活動の効率化や増収により、堅調に営業利益を確保することができました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて15.4%増5,705百万円となりました。

経常利益におきましては、受取利息及び還付消費税等の増加に伴い営業外収益が134百万円(前連結会計年度は121百万円)、営業外費用が84百万円(同58百万円)となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて14.9%増5,755百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、法人税等合計が1,880百万円(前連結会計年度は1,767百万円)となったことにより、前連結会計年度に比べて9.0%増3,868百万円となりました。

 

b 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローであります。

 

 

③ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、2017年12月期から2019年12月期における中期経営計画の達成に向けて推進してまいりました。その結果、2019年12月期は過去最高の売上高及び利益を更新することができ、8期連続の増収増益を達成いたしました。引続き当社グループの成長を目指すために、2020年2月5日に2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画を公表いたしました。それぞれの業績計画は以下のとおりであります。

 

・2017年12月期から2019年12月期の中期経営計画における業績計画

項目

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

売上高成長率

(%)

ROE

(%)

2017年12月期

計画

18,000

3,900

10.0

10.0

実績

18,685

4,631

13.7

15.9

計画比

+685

+731

+3.7

+5.9

2018年12月期

計画

21,000

4,900

10.0

10.0

実績

21,697

4,946

16.1

16.4

計画比

+697

+46

+6.1

+6.4

2019年12月期

計画

23,500

5,400

10.0

10.0

実績

25,752

5,705

18.7

17.4

計画比

+2,252

+305

+8.7

+7.4

 

(注)上記計画は、初年度である2017年12月期において当初計画しておりました数値を大幅に上回ったため、2年目以降の計画数値の上方修正を実施いたしましたので、上方修正実施後の計画数値を記載しております。

 

・2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における業績計画

項目

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

ROE

(%)

2020年12月期

計画

29,000

6,300

15.0

2021年12月期

計画

33,000

7,000

15.0

2022年12月期

計画

37,000

7,700

15.0

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。