第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、クライアントからの多種多様なニーズに対し親身に応えるとともに高品質の経営コンサルティングサービスを提供していくことで、広く社会に貢献する企業でありたいと考えております。グループ経営力を強化していくためにも、次のとおり「グループ理念」及び「グループビジョン」を定めております。

① グループ理念

「人・企業・社会の未来を創る」

私たちは、船井総研グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援していきます。

② グループビジョン

「仕事を通じて、人と企業を幸せにする 常に社会に必要とされるグループ経営をめざす」

私たちのめざすグループ経営とは、関係する人・企業を幸せにすることだと考えております。幸せを願う人や企業にとって必要な企業集団になることが、結果、常に社会に必要とされる存在になると考えております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、上記グループ理念・ビジョンに向けて、常に成長し続けるグループを目指し、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画においては、資本効率を意識した経営を目指し、ROE(自己資本利益率)を15%以上に維持する目標としております。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年12月から2022年12月期にかけての中期経営計画においては、中核事業である経営コンサルティング事業を中心に「中小企業向けDXコンサルティング」を加速し、さらにグループ企業とのアライアンス力を高めながら「中堅企業向け総合経営コンサルティング」にチャレンジしてまいります。なお、以下の各戦略につきましては、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における戦略を記載しております。

 

① 経営コンサルティング事業における事業戦略

デジタル革新による顧客接点の拡大とコンサルティングのデジタルシフトを推進し、クライアントの経営者に寄り添った総合経営コンサルティング支援のラインナップを拡大・加速し、中小企業経営者のプラットフォーマーとしての存在の確立を目指してまいります。

 

② ロジスティクス事業における事業戦略

コンサルティング、コミュニティ、ネットワーク、データベースの4軸において、国内最大のロジスティクス事業基盤の構築を目指し、従来の業務領域をさらに発展させ、総合ロジスティクス・プロバイダー企業を目指してまいります。

 

③ ダイレクトリクルーティング事業

高い継続利用率を維持し、売上拡大フェーズから利益率向上フェーズへの展開を目指し、当社グループの次の柱となる成長事業として引続き経営資源を投入してまいります。

 

④ 人財戦略

グループ共通の新たなコアバリューをベースに、より多様な人財がその長所を存分に発揮できる環境をデザインし、採用・育成・活躍の好循環により、グループの持続的成長を実現してまいります。

 

 

⑤ 資本政策の基本的方針

 ・基本方針

当社は、株主価値を中長期的に高めていくために、適切な資本政策の方針の策定・実行が極めて重要であると認識しております。最適な株主資本の水準の形成と併せて、株主還元の向上に努めると同時に、積極的な事業投資により利益の拡大を目指し、資本効率を高めていくことを基本方針としております。

・効率性の方針

ROE(自己資本利益率)15%以上を目指してまいります。

・株主還元の方針

総還元性向60%以上を目指してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営計画を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

① グループ経営の強化及び事業領域の拡大

当社グループは「総合経営コンサルティンググループ」を目指すため、従来の中小企業向けの業種別のマーケティングコンサルティングである成長実行支援や、マネジメントコンサルティングである人材開発支援を拡充しながら、DX化コンサルティングであるデジタル化支援、価値向上支援及び生産性向上支援の加速、中堅企業向けコンサルティングである業界・テーマに特化した専門性の高いソリューション提案及び課題解決支援を加速させる必要があります。そのためには、多様な人財の確保と育成が極めて重要な課題であり、採用の強化と育成プログラムの整備に取り組んでまいります。併せて、コンサルティングサービスの質の向上及び領域の拡大のため、グループ経営をより強化し、グループ会社間の連携の促進新しいソリューション開発を強化し、顧客企業に対して最適なコンサルティングサービスを提供できる体制を構築してまいります。

 

② 経営コンサルティング事業

新型コロナウイルス感染症の影響により、中小企業におけるビジネスモデルは大きな変革が求められております。当社グループは中小企業のニューノーマル時代に対応した体制整備をサポートするために、DX化コンサルティングを通じて、非対面型ビジネスモデル、WEBマーケティング、MA(マーケティングオートメーション)ツール等の提案を加速させてまいります。また、当事業におきましても、WEB集客の強化や経営セミナー及び経営研究会のWEB開催への移行により、新規領域における受注を加速させる体制を整備してまいります。

 

③ ロジスティクス事業

国内最大のロジスティクス事業基盤を目指し、コンサルティング、コミュニティ、ネットワーク、データベースの4軸の強化を進めてまいります。具体的には、荷主企業と物流企業を結ぶプラットフォームを構築し、デジタル、AI、ロボティクス導入コンサルティングの提案、グローバル物流のサポートを展開してまいります。

 

④ 人財戦略

当社グループの業績を向上するため、優秀な人財の確保が不可欠であり、多様な人財採用をより加速しグループ社員数の増加を目指してまいります。また、当社グループの中核企業である㈱船井総合研究所ではタレントディベロップメントセンター(TDC)を設置し、人員拡大に適応した早期育成プログラムを再構築し、人財の育成に努めております。さらに、多様な人財が活躍する環境として、キャリアコースの多様化を整備してまいります。働き方改革の推進として、働く場所や時間の自由度を高め、リモートワークの導入、育児等と就業の両立支援の制度の導入など女性の活躍機会の向上に積極的に取り組んでまいります。今後も、従業員がより長く、より働きやすくなる環境づくりを目指してまいります。

 

 

⑤ ESG経営への取組み

当社グループは、サステナブル社会を実現するために、ESG活動を経営の重要課題と認識し、以下のとおり基本方針を制定し、事業活動を通じて継続的な取組みを実施してまいります。

・中堅・中小企業へのコンサルティングを通じて、地域社会に貢献してまいります。

・顧客のESG経営を推進するためのサポートやソリューションを提供してまいります。

・自社グループの経営において、ESGへの積極的な配慮と適切な情報開示を進めてまいります。

併せて、当社グループは、企業の社会的責任を果たすべく、リスク管理やコンプライアンスを徹底し、内部統制の強化に継続的に取り組むとともに、総合的な経営コンサルティング業務を通じて、当社グループに関わる人・企業、そして社会に対して、より良い未来を提案し、その実現を全力で支援することを基本理念としております。この基本理念に基づき、社会の発展に結実する経営を目指してまいります。

 

⑥ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの向上

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスのより一層の向上が不可欠と認識しており、コーポレートガバナンス・コードの確実な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。また、社外取締役のみで構成される「ガバナンス委員会」を設置し、コーポレート・ガバナンスの適切な実践に向けての協議・検討を定期的に行っております。併せて、内部統制報告制度に対応し、経営の透明性と健全性の確保を目的とした内部統制ルールを導入し、運用しております。これらにより、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスを機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループのリスク管理体制

当社グループにおいては、損失のリスクの管理を含めた危機管理を行う全社横断的な組織として、リスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会は、企業経営・事業継続に重大な影響を及ぼすリスクの識別・評価・管理が重要な課題であるとの認識の下、重点対応リスクを抽出したうえで具体的な対策を講じる等、当社グループを取り巻くリスクを適切に管理し、リスク発生の防止に努めるなどの活動を行っております。各主要部門の担当取締役、執行役員及び従業員を中心に構成され、社内外における情報を収集し、様々な観点からリスク分析を行い、リスクに応じた対応策を検討、実施しております。

 

(2) 経営コンサルティング事業が経営成績上大きなウエイトを占めていることについて

経営コンサルティング事業は、当社グループの中核事業であり、収益面においても利益面においても大きな比重を占めております。

当社グループ(連結)の2020年12月期及び2021年12月期における売上高及び営業損益の内訳(金額及び構成比)は、下表のとおりであります。

 

 

(自 2020年1月1日
 至 2020年12月31日)

(自 2021年1月1日
 至 2021年12月31日)

売上高

営業損益

売上高

営業損益

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

経営コンサルティング事業

19,058

76.2

4,801

96.4

22,256

77.2

5,846

92.1

ロジスティクス事業

2,638

10.5

311

6.3

3,309

11.5

338

5.3

ダイレクトリクルーティング事業

2,331

9.3

△174

△3.5

1,953

6.8

△115

△1.8

その他

975

3.9

△88

△1.8

1,272

4.4

82

1.3

消去又は全社

23

0.1

131

2.6

21

0.1

195

3.1

合計

25,027

100.0

4,982

100.0

28,813

100.0

6,349

100.0

 

 

(3) 当社グループの中核事業である経営コンサルティング事業に関連するリスクについて

① 経営コンサルティング業界を取り巻く環境について

当社グループにおいては、主に株式会社船井総合研究所が企業・法人を対象とした経営コンサルティングを行っております。

経営コンサルティング事業は、様々な分野において、幅広い専門知識や情報・技術をもって、企画立案・指導助言などのサービスを行う専門サービス業でありますが、当社グループが属する経営コンサルティング事業は、弁護士、公認会計士、税理士等のように法律によって独占業務が存する業態とは異なり、開業に際し必ずしも特別な資格取得の必要でない業態であります。

当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っておりますが、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想され、デジタルトランスフォーメーション等の新たな顧客ニーズも発生しており、顧客ニーズに対応できる企業とそうでない企業との二極分化の傾向が生じており、今後、合従連衡を含む業界再編が進展していく可能性もあります。

また、わが国における当業界の市場規模は、欧米と比較し経済規模としては相対的に小さいとの指摘がなされております。今後、わが国における企業経営が成熟するに従い、経営コンサルティングなどの知的専門サービスに対するニーズは高まるものと認識していますが、こうした知的専門サービスに対する理解並びに認識が十分に高まらず、当社が顧客ニーズに適合しない方向に向かった場合は、当社の収益の拡大も限定的なものに留まる可能性があります。

 

② 株式会社船井総合研究所の事業内容並びに顧客開拓について

当社グループの中核事業会社である株式会社船井総合研究所は、企業経営者が抱える様々な経営上の問題に対し、業種業態ごとに対応したマーケティング・顧客管理・人事などの経営に関するコンサルティングを通じ、顧客企業の育成及び発展を支援しております。

また、顧客企業に対する直接的なコンサルティング活動の他に、多岐に亘る経営課題並びに時流に即した経営セミナーの主催、また、経営戦略の研究や会員相互の交流による事業の可能性を広げるネットワーク作りを目的とする、多様なメンバーから構成された会員制組織である経営研究会を運営しております。

顧客開拓につきましては、既存顧客からの紹介、主催するセミナーによる集客、研究会のネットワーク拡充及び無料経営相談などにより顧客開拓を図っております。

顧客基盤におきましては、創業以来、流通業を主要な顧客基盤としておりましたが、現在においては、住宅・不動産業、医療・介護・福祉業、士業、自動車関連業、人材サービス業等、顧客基盤は拡大してきております。

株式会社船井総合研究所は、顧客開拓を専門に行う営業部門を有しておらず、今後も上記のようなコンサルティング活動を通じて顧客開拓を図る方針でありますが、顧客開拓のための活動や手法が有効に機能しなくなる等の事態が生じた場合においては、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンサルタントへの依存について

経営コンサルティング事業において、コンサルタント1人当たりの業務量には限界があることから、事業拡大を図るには優秀なコンサルタントの増員が不可欠であります。そのために、社内教育の研修プログラムにおいてコンサルタントとしての基本姿勢及び必要な知識を習得させ、また、通常3~5名程度で構成されるチームで実際の現場におけるコンサルティング業務を通じ、個々のコンサルタントのレベルアップと知識ノウハウの社内共有を図り人材の育成に努めております。とりわけ育児等と就業の両立支援の制度の導入により女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでおり、優秀な人材の定着に努めております。さらに、新たな人材確保においては、国内外を問わず新卒採用の他に各分野での経験者の採用を積極的に進め、潜在能力の高い人材の獲得に努めております。

今後においても優秀な人材の確保及び優秀なコンサルタントへの育成に努め、引続き増員を図る方針でありますが、当社グループが求める人材の確保及び育成が進捗しない場合においては、コンサルタントへの依存が高い当社グループの事業並びに業績に影響を及ぼすことになります。

また、当事業の性格上、個々のコンサルタントの意識や能力等により、パフォーマンスに差が生じる可能性があります。

当社は、社員のモチベーション及び帰属意識をより高めるために、人事評価制度における見直しを行い、個々の成果がより反映される給与体系を導入しております。しかしながら、能力の高いコンサルタントの中には独立志向が高い人材がいる可能性もあり、一部の重要な人材の離職があれば、業績において一時的な影響を受ける可能性があります。

 

④ 海外事業におけるカントリーリスクについて

当社は中国上海市に子会社を有しており、主に国内企業の中国進出サポート及び現地における営業マーケティングのコンサルティング活動を展開しております。中国市場におけるコンサルティングニーズは高い一方で、カントリーリスクが依然として高い状況にあります。具体的には、反日活動による日本製品への影響、税務・法務諸制度の度重なる変更による影響、政治・経済状況の激変によるマーケットに与える影響、大気汚染をはじめとした環境問題による従業員の健康への影響、その他、為替リスクなど海外事業特有のカントリーリスクがあげられます。今後も中国ビジネスにおけるコンサルティングニーズは高まるものと考えておりますが、上記のようなカントリーリスクにより、当社グループに一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 経営コンサルティング事業以外の事業に関連するリスクについて

船井総研ロジ株式会社は、ロジスティクス事業を行っており、顧客の業績向上及び物流コスト削減等を目的とした物流コンサルティング業務、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流オペレーション業務、及び購買コスト削減等を共同購買で具現化する物流トレーディング業務等を実施しております。これらは顧客との良好な関係により成立するため、常に競合会社からの営業活動による顧客の流出リスクにさらされております。

また、サービスや物品を仕入販売するため、相場に左右される商材やサービス(燃料、ダンボール、トラック運賃等)を扱うことにより常に仕入価格と販売価格の調整が必要となり、その成否によって利幅が変動するリスクや販売先の債務不履行リスクがあります。

物流オペレーション業務については、リフト作業時の事故や倉庫内事故といった荷物事故、車両事故、倉庫の火災等予期しない業務事故が発生する可能性を秘めており、また、共同購買では品質における瑕疵等が考えられ、その対応処置に応じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社船井総研ITソリューションズは、ITコンサルティング事業を行っており、主に基幹システム導入サポートやITコスト削減支援などのITコンサルティング業務を行っております。また、新和コンピュータサービス株式会社は、システム開発事業を行っており、主に情報システム開発、システムマネジメントサービス業務を行っております。IT関連業界においては技術革新のスピードが速く、また競合他社においても大手企業はもとより新興企業が多数存在し、競争の激しい業界であります。このような業界においては、刻々と変化、複雑化する顧客ニーズに対し的確に対応する必要があり、同社が顧客ニーズに対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社プロシードは、コンタクトセンターコンサルティング事業を行っており、米国COPC社との日本独占ライセンス契約に基づいて、COPC組織認証等個人向けトレーニングを実施しているため、COPC社の経営方針、サービス内容の変化等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社HR Forceは、ダイレクトリクルーティング事業を行っており、主に採用広告運用代行サービスを通じて、現在多くの企業が抱える人手不足という課題に、ITテクノロジーを活用した解決ソリューションを提供しております。人材業界は大手企業をはじめ競合他社が多数存在し、価格面やサービス面において同社の競争優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 当社グループ戦略等について

① 事業領域の見直しについて

当社グループは、現経営陣のもと、事業戦略の見直しを行った結果、中核事業であり安定した利益の見込まれる経営コンサルティング事業については、当面事業の拡大は可能と判断し、当該事業及びその周辺事業に経営資源を集中する方針を採っております。

当該方針に従い、今後、経営コンサルティング事業とシナジー効果の高い周辺事業などの新規の事業領域への進出を図ることにより、初期投資によるコスト発生及び投資計画と業績実績との乖離が発生した場合、当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのブランド力について

創業者の船井幸雄が築いてきた「船井総合研究所」ブランドは、経営コンサルティング事業をはじめとする当社グループの事業展開の上で不可欠であり、このブランドを維持・発展することは、当社グループの事業基盤拡大の上で非常に重要であります。しかしながら、コンサルタントの質の低下や当社グループが提供するサービスが、顧客ニーズに必ずしも合致したものではなくなる状況が生じ、顧客からの信頼獲得に影響を及ぼす等の事態が生じた場合には、ブランド力の低下に繋がります。また、「船井総合研究所」あるいは「船井総研」の商標を冠する各社等にリーガル・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の諸問題が発生した場合にはブランドの毀損に繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティに関するリスクについて

当社グループは、業務遂行上の必要から、個人情報や経営情報等の顧客の機密情報を保有しております。当社グループでは情報セキュリティをESGの重要課題の一つと捉え、グループの情報セキュリティ基本方針のもと、当該情報の取得、保管、加工、利用、廃棄に当たっては、個人情報の保護に関する法律やその他の各種法令、守秘義務契約や機密保持契約を厳守すべく、グループ全体に情報セキュリティ関連規程及び運用状況の統制を行い、社内規程に則った取扱いをする体制を布いております。組織面では役職員等に対して情報セキュリティ5か条及び情報セキュリティマニュアルやeラーニングを用いた教育・研修等による情報管理の重要性の周知徹底をするとともに、システム面では主たるグループ会社では2018年から場所を選ばないシームレスなモバイル環境の整備と、クラウド化やメールの暗号化及び誤送信対策等によりセキュリティの両立をすすめ、コロナ禍の新たな働き方にもスムーズに対応しております。また、2020年からは株式会社船井総合研究所では顧客の情報資産の預り方法の仕組みも刷新するなど、セキュリティ対策を日々強化し、機密保持に努めております。

しかしながら、これらの対策にかかわらず、不測の事態により、これら情報の流出、個人情報の取得・取扱手続の不備による法令違反、重要データの破壊や改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や損害賠償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 内部管理体制について

当社グループは、持続的な成長と中長期的に企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。当社グループでは業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 保有資産に関するリスクについて

当社グループが保有する資産のうち、有形固定資産、無形固定資産及び有価証券等において、当社グループの業績が計画通り進捗できず将来得られるキャッシュ・フローが大幅に減少することとなった場合や、発行体の業績悪化等や経営破綻等が発生した場合には、これらの資産について減損処理を行う場合があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうした保有資産に関するリスクを回避するために、新規投資及び投資後の進捗管理を取締役会等において十分に検討を行い、リスクの予防や早期発見に努めてまいります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化に関するリスクについて

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、国内外の経済悪化の影響や、企業収益は大幅に悪化することとなりました。当社グループの主要顧客である国内の中小企業の業績悪化は、当社グループのコンサルティングサービスの受注にも悪影響となり、また、集客や対面営業の制約により、受注機会が低下したことにより、当社グループの業績にも影響を与えることとなりました。

当社グループにおいては、社内外における感染予防を徹底しつつ、オンラインセミナー、WEB会議システムを活用したコンサルティング、リモートワークの推進などによりコロナ禍においても事業活動を継続していく体制が整い、また、顧客企業ニューノーマル時代に対応した体制整備のサポートやDXコンサルティングを加速させることにより、顧客の業績回復を推進してまいります。しかしながら、新型コロナウイルス感染症がさらに拡大及び長期化した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、年初において新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、飲食業や観光産業を中心に経済活動の停滞が見られ、個人においても外出自粛による消費活動が制限されることとなりました。その後ワクチン接種の進行により新規感染者数が大幅に減少したことから、年末にかけては企業及び個人の経済活動も正常化に向けた動きとなりつつあり、企業の設備投資は大企業を中心に回復傾向となりましたが、中小企業においては依然として厳しい状況となっております。また雇用環境においては有効求人倍率の低迷が長らく続いており引続き厳しい環境であります。一方、個人の消費活動においては移動制限の緩和により回復傾向にありました。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、社内外における感染症予防対策を徹底し、ワクチンの職域接種も併せて行いながら、オンライン主体のセミナーを積極的に開催し、コンサルティング活動におきましても、顧客のニーズにあわせて対面とWEBによるコンサルティングを柔軟に併用しながら事業を進めてまいりました。当社の主要顧客であります中小企業においては、リモートワークをはじめとした多様な働き方への対応、サステナブルな社会の実現に向けたESGへの取組み等、事業における様々な課題を抱えておりますが、当社グループがその課題に一丸となって向き合い、その課題解決のソリューションを提供できたこともあり、当連結会計年度はコロナ禍前の前々連結会計年度をも上回り過去最高の業績を達成することができました。当社グループの事業戦略において重視しておりますDXコンサルティングは、『事業再構築補助金』や『IT導入補助金』の後押しもあり、営業活動における『製造業オンライン営業ソリューション』、製造現場における『AI・ロボット・ERPソリューション』等、顧客の事業活動のあらゆる場面でDXコンサルティングの引合いが1年を通じて堅調に推移することとなりました。また、中堅企業向けコンサルティングは、各種経営診断プログラムの提供をきっかけとして、新たな顧客接点を確立し個別の課題に向き合い解決に向けたソリューションを提供してまいりました。

その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高28,813百万円(前連結会計年度比15.1%増)、営業利益6,349百万円(同27.4%増)、経常利益6,439百万円(同26.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,373百万円(同25.0%増)となりました。また、中期経営計画における財務戦略の目標のひとつであるROEについても18.2%となり目標(15%以上)を大きく上回ることができました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

・経営コンサルティング事業

 経営コンサルティング事業におきましては、受注獲得経路のオンラインセミナーや経営研究会経由の受注が好調に推移し、また、顧客からの紹介や直接営業による受注も獲得できたことにより、売上高、利益ともに前連結会計年度を超える業績を達成することができました。

 業種別におきましては、主力部門である住宅・不動産業界、医療・介護・福祉業界向けコンサルティング部門は引続き前連結会計年度を上回る売上高となり、堅調に推移いたしました。テーマ別においては、WEBマーケティング、ビジネスモデル、財務をテーマとしたコンサルティングが大きく伸びました。

 ソリューションにおいては、製造業向けにオンライン営業を活用したマーケティングにおけるDXや、AI・ロボット・RPAを活用した業務改善におけるDX等、住宅・不動産業、製造業をはじめあらゆる業界向けに多様なDXコンサルティングが広がりを見せはじめました。一方で、依然として人材採用コンサルティング市場は、企業の積極的な人材採用の抑制から厳しい状況が続いております。利益面におきましては、増収による増益効果及び、WEB会議システムを活用したオンラインセミナーやオンライン研究会、リモート支援の定着による旅費交通費及び会場代のコスト削減効果により、増益を達成することができました。

その結果、売上高は22,256百万円(前連結会計年度比16.8%増)、営業利益は5,846百万円(同21.8%増)となりました。

売上高内訳

月次支援

プロジェクト

経営研究会

会費

公開型

セミナー

リスティング

その他

合計

単位:百万円

12,778

1,128

2,045

301

5,478

524

22,256

 

(注) プロジェクト売上にはM&A売上が一部含まれております。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、物流オペレーション業務は、新規顧客の開拓や既存顧客への積極的な販促活動により、WEB経由からの新規受注も増加し、前連結会計年度と比較して増収することができました。物流コンサルティング業務は、顧客の投資活動に戻りが見られ、経営研究会も好調だったことから増収となりました。また、物流トレーディング業務は、企業や人の移動の減少に伴い燃料等販売量が減少したものの、販売価格上昇により増収となりました。利益面におきましては、物流オペレーション業務が好調だったことに伴い増益となりました。

その結果、売上高は3,309百万円(前連結会計年度比25.5%増)、営業利益は338百万円(同8.7%増)となりました。

 

・ダイレクトリクルーティング事業

ダイレクトリクルーティング事業におきましては、前連結会計年度から新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の求人減少に伴い採用広告出稿が減少となり、売上高は引続き厳しい状況が続きましたが、採用広告の効率的な運用や広告宣伝費などのコストを見直すことにより、営業損失額は減少いたしました。

その結果、売上高は1,953百万円(前連結会計年度比16.2%減)、営業損失は115百万円(前連結会計年度は営業損失174百万円)となりました。

 

・その他

その他の事業における、コンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、研修や支援のリモート化が定着したこと、及び大口の定期収入が寄与したことで前連結会計年度と比較して売上高、利益ともに大きく伸ばすことができました。また、システム開発事業におきましても、主要顧客からの受注やその他新規受注が回復し、増収増益となりました。

その結果、売上高は1,272百万円(前連結会計年度比30.4%増)、営業利益は82百万円(前連結会計年度は営業損失88百万円)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、2,932百万円増加し、30,884百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,692百万円増加し、18,996百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加、有価証券の減少によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて240百万円増加し、11,888百万円となりました。これは主に投資有価証券の増加によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて934百万円増加し、5,197百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,039百万円増加し、5,037百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金及び未払法人税等の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて105百万円減少し、160百万円となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,998百万円増加し、25,687百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、自己株式の取得による純資産の減少、剰余金処分による利益剰余金の減少によるものであります。

 

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.7ポイント減少し、80.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,458百万円増加し、14,675百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は5,214百万円(前連結会計年度は3,515百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が6,415百万円となり、法人税等の支払額が1,610百万円、法人税等の還付額が540百万円となったことによるものであります。

 

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は219百万円(前連結会計年度は263百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が218百万円となったことによるものであります。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は2,547百万円(前連結会計年度は3,194百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が265百万円、配当金の支払額が2,272百万円となったことによるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2017年12月

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

自己資本比率(%)

83.3

82.2

79.4

82.4

80.7

時価ベースの自己資本比率

(%)

498.8

309.8

434.6

446.3

418.3

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.2

0.2

0.1

0.1

0.1

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

717.7

645.9

863.6

761.7

1,056.1

 

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率: 自己資本/ 総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

 

 ③ 受注及び販売の状況

・受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

14,780,162

116.7

6,736,205

106.6

ロジスティクス事業

671,852

167.7

282,858

152.5

その他

514,368

161.3

86,023

110.4

 

(注)1 経営コンサルティング事業については、会費収入、セミナー収入は継続収入であるため、コンサルティング収

   入についてのみ記載いたしました。

2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。

3 ダイレクトリクルーティング事業については、コンサルティング収入がないため上表には記載しておりません。

4 その他の事業については、ITコンサルティング収入及びコンタクトセンターコンサルティング収入について

   のみ記載しております。

5 金額は販売価格で表示しております。

6 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

・販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

22,256,061

116.8

ロジスティクス事業

3,309,985

125.5

ダイレクトリクルーティング事業

1,953,312

83.8

その他

1,272,887

130.4

 

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。

    2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    3 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、2,932百万円増加し、30,884百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,692百万円増加し、18,996百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加、有価証券の減少によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて240百万円増加し、11,888百万円となりました。これは主に投資有価証券の増加によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて934百万円増加し、5,197百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,039百万円増加し、5,037百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、1年内返済予定の長期借入金及び未払法人税等の増加によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて105百万円減少し、160百万円となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,998百万円増加し、25,687百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、自己株式の取得による純資産の減少、剰余金処分による利益剰余金の減少によるものであります。

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.7ポイント減少し、80.7%となりました。

 

(経営成績の分析)

売上高におきましては、主力の経営コンサルティング事業におけるWEB広告運用代行業務が引続き大幅に増収となり、また、WEBからの新規受注が増えたことにより、月次支援コンサルティング及びロジスティクス事業における物流オペレーション業務が増収となりました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて15.1%増28,813百万円となりました。

営業利益におきましては、売上原価は19,512百万円(前連結会計年度は17,027百万円)、販売費及び一般管理費は2,951百万円(同3,018百万円)となり、WEB広告運用代行業務における広告原価が増加したものの、コンサルティング活動における旅費交通費や会場代などが大幅に減少いたしました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて27.4%増6,349百万円となり、営業利益率は前連結会計年度より2.1ポイント上昇し22.0%となりました。

経常利益におきましては、余資運用による投資有価証券売却益等により営業外収益は131百万円(前連結会計年度は147百万円)、営業外費用は40百万円(同38百万円)となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて26.5%増6,439百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、法人税等合計が2,041百万円(前連結会計年度は1,677百万円)となったことにより、前連結会計年度に比べて25.0%増4,373百万円となりました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 

・経営コンサルティング事業

経営コンサルティング事業におきましては、受注獲得経路のオンラインセミナーや経営研究会経由の受注が好調に推移し、また、顧客からの紹介や直接営業による受注も獲得できたことにより、売上高、利益ともに前連結会計年度を超える業績を達成することができました。

 業種別におきましては、主力部門である住宅・不動産業界、医療・介護・福祉業界向けコンサルティング部門は引続き前連結会計年度を上回る売上高となり、堅調に推移いたしました。テーマ別においては、WEBマーケティング、ビジネスモデル、財務をテーマとしたコンサルティングが大きく伸びました。

 ソリューションにおいては、製造業向けにオンライン営業を活用したマーケティングにおけるDXや、AI・ロボット・RPAを活用した業務改善におけるDX等、住宅・不動産業、製造業をはじめあらゆる業界向けに多様なDXコンサルティングが広がりを見せはじめました。

 一方で、依然として人材採用コンサルティング市場は、企業の積極的な人材採用の抑制から厳しい状況が続いております。

 利益面におきましては、増収による増益効果及び、WEB会議システムを活用したオンラインセミナーやオンライン研究会、リモート支援の定着による旅費交通費及び会場代のコスト削減効果により、増益を達成することができました。

その結果、売上高は22,256百万円(前連結会計年度比16.8%増)、営業利益は5,846百万円(同21.8%増)となりました。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、物流オペレーション業務は、新規顧客の開拓や既存顧客への積極的な販促活動により、WEB経由からの新規受注も増加し、前連結会計年度と比較して増収することができました。物流コンサルティング業務は、顧客の投資活動に戻りが見られ、経営研究会も好調だったことから増収となりました。また、物流トレーディング業務は、企業や人の移動の減少に伴い燃料等販売量が減少したものの、販売価格上昇により増収となりました。利益面におきましては、物流オペレーション業務が好調だったことに伴い増益となりました。

その結果、売上高は3,309百万円(前連結会計年度比25.5%増)、営業利益は338百万円(同8.7%増)となりました。

 

・ダイレクトリクルーティング事業

ダイレクトリクルーティング事業におきましては、前連結会計年度から新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の求人減少に伴い採用広告出稿が減少となり、売上高は引続き厳しい状況が続きましたが、採用広告の効率的な運用や広告宣伝費などのコストを見直すことにより、営業損失額は減少いたしました。

その結果、売上高は1,953百万円(前連結会計年度比16.2%減)、営業損失は115百万円(前連結会計年度は営業損失174百万円)となりました。

 

・その他 

その他の事業における、コンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、研修や支援のリモート化が定着したこと、及び大口の定期収入が寄与したことで前連結会計年度と比較して売上高、利益ともに大きく伸ばすことができました。また、システム開発事業におきましても、主要顧客からの受注やその他新規受注が回復し、増収増益となりました。

その結果、売上高は1,272百万円(前連結会計年度比30.4%増)、営業利益は82百万円(前連結会計年度は営業損失88百万円)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,458百万円増加し、14,675百万円となりました。営業活動の結果得られた資金は5,214百万円(前連結会計年度は3,515百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が6,415百万円となり、法人税等の支払額が1,610百万円、法人税等の還付額が540百万円となったことによるものであります。投資活動の結果使用した資金は219百万円(前連結会計年度は263百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出が218百万円となったことによるものであります。財務活動の結果使用した資金は2,547百万円(前連結会計年度は3,194百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が265百万円、配当金の支払額が2,272百万円となったことによるものであります。

当社グループの資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローであります。

 

③ 重要な会計上の見積もり及び当該見積もりに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、2020年12月期から2022年12月期における中期経営計画の達成に向けて取り組んでおります。2021年8月3日に修正版の中期経営計画を公表いたしました。それぞれの業績計画は以下のとおりであります。

 

・2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における業績計画

項目

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

ROE

(%)

2020年12月期

計画

29,000

6,300

15.0

実績

25,027

4,982

15.3

2021年12月期

計画

29,000

6,400

15.0

実績

28,813

6,349

18.2

2022年12月期

計画

33,000

7,100

15.0

 

(注)1 上記計画は、初年度である2020年12月期において新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画しておりました数値を下回ったため、2年目以降の計画数値の下方修正を実施し、その後業績が回復したため上方修正を実施いたしましたので、修正実施後の計画数値を記載しております。(詳細につきましては、当社の2021年2月5日、8月3日付プレスリリースをご覧ください。)

 2 2022年12月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用することに伴い、上記の2022年12月期の売上高につきましては当該基準適用前の計画となりますが、当該基準適用後の計画は売上高が25,300百万円となります。なお、当該基準適用による主な影響は代理人取引に該当する売上高の計上を総額から純額に変更することによるものであり、営業利益の業績計画につきましては変更はありません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。