第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、2023年にグループパーパスを制定いたしました。変化が激しい不確実性の時代においても、力強く持続的に成長し続けられる会社をサステナグロースカンパニーと定義し、そのような企業を数多く輩出すること、また当社グループ自身もそのような会社になるという思いを込めています。

① グループパーパス

「サステナグロースカンパニーをもっと。」

Sustainable Growth for More Companies

どんな時代にも成長し続ける企業を増やし、あらゆる人が幸せにその可能性を開花させ、社会の生産性をも上げられる、そんな未来を私たちがリードしよう。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画においては、資本効率を意識した経営を目指し、ROE(自己資本利益率)を15%以上を目標としており、それぞれ全期間達成することができました。

 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年12月期から2022年12月期にかけての中期経営計画においては、中核事業である経営コンサルティング事業を中心に「中小企業向けDXコンサルティング」を加速し、さらにグループ企業とのアライアンス力を高めながら「中堅企業向け総合経営コンサルティング」にチャレンジしてまいりました。なお、以下の各戦略につきましては、2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における戦略を記載しております。2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画における戦略については、「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。

 

① 経営コンサルティング事業における事業戦略

デジタル革新による顧客接点の拡大とコンサルティングのデジタルシフトを推進し、クライアントの経営者に寄り添った総合経営コンサルティング支援のラインナップを拡大・加速し、中小企業経営者のプラットフォーマーとしての存在の確立を目指してまいりました。

 

② ロジスティクス事業における事業戦略

コンサルティング、コミュニティ、ネットワーク、データベースの4軸において、国内最大のロジスティクス事業基盤の構築を目指し、従来の業務領域をさらに発展させ、総合ロジスティクス・プロバイダー企業を目指してまいりました。

 

③ ダイレクトリクルーティング事業

高い継続利用率を維持し、売上拡大フェーズから利益率向上フェーズへの展開を目指し、当社グループの次の柱となる成長事業として引続き経営資源を投入してまいりました。

 

④ 人財戦略

グループ共通の新たなコアバリューをベースに、より多様な人財がその長所を存分に発揮できる環境をデザインし、採用・育成・活躍の好循環により、グループの持続的成長を実現してまいりました。

 

 

⑤ 資本政策の基本的方針

 ・基本方針

当社は、株主価値を中長期的に高めていくために、適切な資本政策の方針の策定・実行が極めて重要であると認識しております。最適な株主資本の水準の形成と併せて、株主還元の向上に努めると同時に、積極的な事業投資により利益の拡大を目指し、資本効率を高めていくことを基本方針としております。

・効率性の方針

ROE(自己資本利益率)15%以上を目指してまいりました。

・株主還元の方針

総還元性向60%以上を目指してまいりました。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、新たに「中期経営計画(2023-2025年)」を策定し、基本方針として「中堅・中小企業を中心としたデジタル×総合経営コンサルティング」を定め、持続的に成長し続けられる企業に向けて、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 事業戦略

当社グループの創業からの強みである、経営者との直接接点及び経営者ネットワークを豊富に有することで、上流工程からアプローチできる強みを活かし、高い収益性を維持しながら、上流コンサルティングのさらなる拡大、中堅企業領域及び高収益領域への展開、デジタルソリューションサービスの拡充を目指し、中堅・中小企業の経営課題を一気通貫でサービス提供できる体制へとビジネスを拡張してまいります。

 

② 業績計画

高い収益性を保ちながら、高い成長性をデジタル領域で実現し、売上高及び営業利益において年平均成長率約12%を維持し、2025年度は、グループ売上高360億円、営業利益100億円の達成を目指してまいります。

 

③ 人財戦略

売上高に直結する「コンサルタント人財」及び「ビジネス人財」を年平均成長率約10%で増員してまいります。コンサルタント人財は、上流工程のコンサルタントを増員し収益性を拡大、成長性の高いDX領域やM&A領域などキャリア採用を積極化、中堅企業に対応できるPM人財の採用・育成強化による生産性向上が課題となります。ビジネス人財は、システム開発やBPOを拡大し成長性を加速、エンジニア人財を増員しDXソリューションの開発の推進が課題となります。

 

④ 財務戦略

持続的な成長に向けて、営業活動により得られたキャッシュ・フローを積極的に株主還元及び成長投資に回すことにより、持続的な成長を目指してまいります。株主還元方針については、総還元性向60%以上、配当性向55%以上とし、成長投資については、2030年を見据えて積極的に投資することにより、資本効率の向上を目指し、2025年にはROE20%以上を目指してまいります。

 

⑤ サステナビリティ経営への取組み

当社グループは、変化が激しい不確実性の時代においても、力強く持続的に成長し続けられる会社をサステナグロースカンパニーと定義し、そのような企業を数多く輩出すること、また当社グループもそのような会社になるという志を込めて、グループパーパスとして「サステナグロースカンパニーをもっと。」を制定いたしました。グループパーパスの浸透及びESGへの取組みの重要性を認識し、今後もより一層取組みを強化してまいります。

 

⑥ 内部統制、コーポレート・ガバナンスの強化

持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るために、コーポレート・ガバナンスのより一層の向上が不可欠と認識しており、コーポレートガバナンス・コードの確実な実践や、内部統制機能の確立は極めて重要な課題であると考えております。当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスを機能させ、より適正かつ効率的な経営を遂行し、事業基盤の強化を図ってまいります。

 

 

(5)気候変動の取組みとTCFDへの対応

 

①気候変動への取組姿勢

当社グループは、グループパーパスである『サステナグロースカンパニーをもっと。』の実現に向けて、2023年に改定した環境基本方針に基づき気候変動対応を進めております。

 

②ガバナンス体制

当社グループは、サステナビリティの担当取締役は取締役専務執行役員、最終責任者は代表取締役社長が担当しております。取締役会の諮問委員会として「サステナビリティ委員会」を2021年に設立し、気候変動対応を含むサステナビリティに関する目標設定や進捗状況のモニタリング及び達成内容の評価等を行っております。当委員会は年3回開催を目安とし、委員長は取締役会の指名により選任されております。また、サステナビリティ委員会で対策が必要と判断された環境関連リスクは、取締役会への答申を行い、必要な対策を決定しこれを実施しております。

 

③戦略

当社グループは、グループパーパスである『サステナグロースカンパニーをもっと。』の実現に向けて、企業の経営課題を一気通貫でサービス提供できる体制へとビジネスを拡張していき、グループビジョンであります“中堅・中小企業を中心とした「デジタル」×「総合」経営コンサルティンググループ”を目指しております。

また、環境基本方針の「5.事業を通じた取組」に基づき、当社グループは、自社グループの活動内だけでなく、コンサルティングやサービスを通じ、お客様と共に気候変動への取組み、環境汚染の防止、資源循環の推進等により、環境負荷の低減を図ることを掲げております。当社グループは、気候変動に関するリスクと機会による影響の把握に努め、サステナブルな社会の実現に向け、必要な戦略を遂行しております。

 

リスク

分類

リスク評価

主な対応策

移行リスク

市場

社会全体及びクライアントの気候変動及び脱炭素意識の向上

社会全体の気候変動に対する関心が高まる中、当社グループの主なクライアントである中堅・中小企業においても脱炭素化及び環境配慮型経営へのシフトが進んでおります。その中で、当社グループが提供するコンサルティングサービスにおいて脱炭素支援などのコンサルティングサービスを提供しております。

評判

ステークホルダーからの評判の低下・説明不足による取引の低下

気候変動に対して、クライアントや投資家等のステークホルダーからの要請が急速に増し、当社が消極的な対応を取った場合や対応が遅れた場合には、当社のブランド棄損や社会的評価が低下するリスクがあります。さらには、若い世代の気候変動への危機感の上昇による人材獲得の困難化につながるリスクも想定されます。

物理リスク

急性

自然災害・風水害の激甚化による経済停滞リスクの増大

当社グループの各オフィスへ物理的な被害や交通網の被害があった場合、対面型のコンサルティング事業に影響を与えると想定されます。また、事業所の被災によるデータ(支援先データ、個人情報データ)紛失リスクもあるため、情報セキュリティ統括部門やリスク管理委員会と連携し、システムインフラの強化を推進しております。

 

 

 

機会

分類

機会

主な対応策

機会

製品と 

サービス

環境配慮サービスの提供

社会及び市場やクライアントからのサステナビリティに対する関心が高まるほど、当社へのコンサルティングニーズは増加していくと想定されます。当社としては業種ごとに展開するコンサルティングサービスにおいて、気候変動への配慮・環境へ配慮したサービス提供を拡充してまいります。

 

各社の取組み

・船井総合研究所では、住宅・不動産部門のZEB/ZEH建築ビジネス、カーボンニュートラル支援グループによるTCFD対応・CDP回答・SBT認定・脱炭素ロードマップ策定・カーボンニュートラル支援ソリューションを推進してまいります。また、カーボンニュートラル経営推進のために、中堅・中小企業の経営者・サステナブル責任者向けの会員制勉強会として「脱炭素経営研究会」を開催しております。

・船井総研ロジでは、ロジスティクスESGコンサルティングを展開し、ロジスティクスの活動で生じる環境負荷の低減に取り組んでおります。ESGの観点から、企業の取組み度合いを「レーダーチャート評価」しております。診断結果を基に、物流コンサルタントが進捗と課題を分析し、戦略を検討するなど、ESGロジスティクス導入に向けた実行支援も行っております。

 

 

上記に記載したリスクと機会は、後述するリスク管理委員会やサステナビリティ委員会に報告・共有し、適切な対策の検討及び実施を図ってまいります。

 

④リスク管理

当社グループでは、企業経営・事業継続に影響を及ぼす事業リスクの識別・評価・管理が重要な課題であると認識し、リスク管理委員会において、適切に管理し、その対応策等を実施しております。また、気候変動対策におけるリスク管理はサステナビリティ委員会が担当し、リスク管理委員会との連携を図っております

サステナビリティ委員会は、ESGの重要課題の解決を通じたサステナビリティ経営の横断的な推進及び統括することを目的としており、気候変動対応に関わる環境関連リスクの分析と報告は環境マネジメントグループを中心に行っております。対策が必要と判断される環境関連リスクはリスク管理委員会に共有し、事務局であるサステナビリティ推進室から取締役会への答申を行っております。取締役会では、他のリスクとの関連性も評価したうえで、必要な対策を決定し、これを実施しております

 

⑤指標と目標

当社グループは、「中期経営計画(2023-2025年)」において、サステナビリティ目標としてGHG排出量50%削減(2019年度比)を掲げております

再生可能エネルギーの調達について、当社グループは2021年6月より、東京本社オフィスにおいて再生可能エネルギー由来の電力契約に切り替えております。2030年には国内事業所においては、再生可能エネルギー調達率100%を目指しScope2の実質ゼロ化を実現してまいります。

 

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループのリスク管理体制

当社グループにおいては、損失のリスクの管理を含めた危機管理を行う全社横断的な組織として、リスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会は、企業経営・事業継続に重大な影響を及ぼすリスクの識別・評価・管理が重要な課題であるとの認識の下、重点対応リスクを抽出したうえで具体的な対策を講じる等、当社グループを取り巻くリスクを適切に管理し、リスク発生の防止に努めるなどの活動を行っております。各主要部門の担当取締役、執行役員及び従業員を中心に構成され、社内外における情報を収集し、様々な観点からリスク分析を行い、リスクに応じた対応策を検討、実施しております。

 

(2) 経営コンサルティング事業が経営成績上大きなウエイトを占めていることについて

経営コンサルティング事業は、当社グループの中核事業であり、収益面においても利益面においても大きな比重を占めております。

当社グループ(連結)の2021年12月期及び2022年12月期における売上高及び営業損益の内訳(金額及び構成比)は、下表のとおりであります。

 

 

(自 2021年1月1日
 至 2021年12月31日)

(自 2022年1月1日
 至 2022年12月31日)

売上高

営業損益

売上高

営業損益

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

金額
(百万円)

構成比率
(%)

経営コンサルティング事業

18,544

81.3

5,893

92.7

20,314

79.3

6,150

86.6

ロジスティクス事業

2,922

12.8

338

5.3

3,778

14.7

448

6.3

その他

1,328

5.8

△68

△1.1

1,524

5.9

260

3.7

消去又は全社

21

0.1

194

3.1

17

0.1

241

3.4

合計

22,816

100.0

6,358

100.0

25,635

100.0

7,100

100.0

 

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首

  から適用しており、前連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を遡って

  適用した後の指標等となっております。

 

(3) 当社グループの中核事業である経営コンサルティング事業に関連するリスクについて

① 経営コンサルティング業界を取り巻く環境について

当社グループにおいては、主に株式会社船井総合研究所が企業・法人を対象とした経営コンサルティングを行っております。

経営コンサルティング事業は、様々な分野において、幅広い専門知識や情報・技術をもって、企画立案・指導助言などのサービスを行う専門サービス業でありますが、当社グループが属する経営コンサルティング事業は、弁護士、公認会計士、税理士等のように法律によって独占業務が存する業態とは異なり、開業に際し必ずしも特別な資格取得の必要でない業態であります。

当業界におけるコンサルタント会社は、顧客満足度の高いサービスを提供するために、日々の業務等から得られたノウハウを蓄積し、新たな方法論(顧客の現状分析方法や現状分析に基づいた現状改革の方法)の構築を行っておりますが、今後当業界はさらに競争が厳しくなると予想され、DX等の新たな顧客ニーズも発生しており、顧客ニーズに対応できる企業とそうでない企業との二極分化の傾向が生じており、今後、合従連衡を含む業界再編が進展していく可能性もあります。

また、わが国における当業界の市場規模は、欧米と比較し経済規模としては相対的に小さいとの指摘がなされております。今後、わが国における企業経営が成熟するに従い、経営コンサルティングなどの知的専門サービスに対するニーズは高まるものと認識していますが、こうした知的専門サービスに対する理解並びに認識が十分に高まらず、当社が顧客ニーズに適合しない方向に向かった場合は、当社の収益の拡大も限定的なものに留まる可能性があります。

 

② 株式会社船井総合研究所の事業内容並びに顧客開拓について

当社グループの中核事業会社である株式会社船井総合研究所は、企業経営者が抱える様々な経営上の問題に対し、業種業態ごとに対応したマーケティング・顧客管理・人事などの経営に関するコンサルティングを通じ、顧客企業の育成及び発展を支援しております。

また、顧客企業に対する直接的なコンサルティング活動の他に、多岐に亘る経営課題並びに時流に即した経営セミナーの主催、また、経営戦略の研究や会員相互の交流による事業の可能性を広げるネットワーク作りを目的とする、多様なメンバーから構成された会員制組織である経営研究会を運営しております。

顧客開拓につきましては、既存顧客からの紹介、主催するセミナーによる集客、研究会のネットワーク拡充及び無料経営相談などにより顧客開拓を図っております。

顧客基盤におきましては、創業以来、流通業を主要な顧客基盤としておりましたが、現在においては、住宅・不動産業、医療・介護・福祉業、士業、自動車関連業、人材サービス業等、顧客基盤は拡大してきております。

株式会社船井総合研究所は、顧客開拓を専門に行う営業部門を有しておらず、今後も上記のようなコンサルティング活動を通じて顧客開拓を図る方針でありますが、顧客開拓のための活動や手法が有効に機能しなくなる等の事態が生じた場合においては、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ コンサルタントへの依存について

経営コンサルティング事業において、コンサルタント1人当たりの業務量には限界があることから、事業拡大を図るには優秀なコンサルタントの増員が不可欠であります。そのために、社内教育の研修プログラムにおいてコンサルタントとしての基本姿勢及び必要な知識を習得させ、また、通常3~5名程度で構成されるチームで実際の現場におけるコンサルティング業務を通じ、個々のコンサルタントのレベルアップと知識ノウハウの社内共有を図り人材の育成に努めております。とりわけ育児等と就業の両立支援の制度の導入により女性の活躍機会の向上に積極的に取組んでおり、優秀な人材の定着に努めております。さらに、新たな人材確保においては、国内外を問わず新卒採用の他に各分野での経験者の採用を積極的に進め、潜在能力の高い人材の獲得に努めております。

今後においても優秀な人材の確保及び優秀なコンサルタントへの育成に努め、引続き増員を図る方針でありますが、当社グループが求める人材の確保及び育成が進捗しない場合においては、コンサルタントへの依存が高い当社グループの事業並びに業績に影響を及ぼすことになります。

また、当事業の性格上、個々のコンサルタントの意識や能力等により、パフォーマンスに差が生じる可能性があります。

当社は、社員のモチベーション及び帰属意識をより高めるために、人事評価制度における見直しを行い、個々の成果がより反映される給与体系を導入しております。しかしながら、能力の高いコンサルタントの中には独立志向が高い人材がいる可能性もあり、一部の重要な人材の離職があれば、業績において一時的な影響を受ける可能性があります。

 

④ 海外事業におけるカントリーリスクについて

当社は中国上海市に子会社を有しており、主に国内企業の中国進出サポート及び現地における営業マーケティングのコンサルティング活動を展開しております。中国市場におけるコンサルティングニーズは高い一方で、カントリーリスクが依然として高い状況にあります。具体的には、反日活動による日本製品への影響、税務・法務諸制度の度重なる変更による影響、政治・経済状況の激変によるマーケットに与える影響、大気汚染をはじめとした環境問題による従業員の健康への影響、その他、為替リスクなど海外事業特有のカントリーリスクがあげられます。今後も中国ビジネスにおけるコンサルティングニーズは高まるものと考えておりますが、上記のようなカントリーリスクにより、当社グループに一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 経営コンサルティング事業以外の事業に関連するリスクについて

船井総研ロジ株式会社は、ロジスティクス事業を行っており、顧客の業績向上及び物流コスト削減等を目的とした物流コンサルティング業務、物流業務の設計・構築・運用等を実行する物流BPO業務等を実施しております。これらは顧客との良好な関係により成立するため、常に競合会社からの営業活動による顧客の流出リスクにさらされております。

物流BPO業務については、リフト作業時の事故や倉庫内事故といった荷物事故、車両事故、倉庫の火災等予期しない業務事故が発生する可能性を秘めており、また、共同購買では品質における瑕疵等が考えられ、その対応処置に応じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社船井総研ITソリューションズは、ITコンサルティング事業を行っており、主に基幹システム導入サポートやITコスト削減支援などのITコンサルティング業務を行っております。IT関連業界においては技術革新のスピードが速く、また競合他社においても大手企業はもとより新興企業が多数存在し、競争の激しい業界であります。このような業界においては、刻々と変化、複雑化する顧客ニーズに対し的確に対応する必要があり、同社が顧客ニーズに対応できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社プロシードは、コンタクトセンターコンサルティング事業を行っており、米国COPC社との日本独占ライセンス契約に基づいて、COPC組織認証等個人向けトレーニングを実施しているため、COPC社の経営方針、サービス内容の変化等によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

株式会社HR Forceは、ダイレクトリクルーティング事業を行っており、主に採用広告運用代行サービスを通じて、現在多くの企業が抱える人手不足という課題に、ITテクノロジーを活用した解決ソリューションを提供しております。人材業界は大手企業をはじめ競合他社が多数存在し、価格面やサービス面において同社の競争優位性を維持できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 当社グループ戦略等について

① 事業領域の見直しについて

当社グループは、現経営陣のもと、事業戦略の見直しを行った結果、中核事業であり安定した利益の見込まれる経営コンサルティング事業については、当面事業の拡大は可能と判断し、当該事業及びその周辺事業に経営資源を集中する方針を採っております。

当該方針に従い、今後、経営コンサルティング事業とシナジー効果の高い周辺事業などの新規の事業領域への進出を図ることにより、初期投資によるコスト発生及び投資計画と業績実績との乖離が発生した場合、当社グループの経営成績に一時的に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当社グループのブランド力について

創業者の舩井幸雄が築いてきた「船井総合研究所」ブランドは、経営コンサルティング事業をはじめとする当社グループの事業展開の上で不可欠であり、このブランドを維持・発展することは、当社グループの事業基盤拡大の上で非常に重要であります。しかしながら、コンサルタントの質の低下や当社グループが提供するサービスが、顧客ニーズに必ずしも合致したものではなくなる状況が生じ、顧客からの信頼獲得に影響を及ぼす等の事態が生じた場合には、ブランド力の低下に繋がります。また、「船井総合研究所」あるいは「船井総研」の商標を冠する各社等にリーガル・コンプライアンスやコーポレート・ガバナンス上の諸問題が発生した場合にはブランドの毀損に繋がり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティに関するリスクについて

当社グループは、業務遂行上の必要から、個人情報や経営情報等の顧客の機密情報を保有しております。当社グループでは情報セキュリティをESGの重要課題の一つと捉え、グループの情報セキュリティ基本方針のもと、当該情報の取得、保管、加工、利用、廃棄に当たっては、個人情報の保護に関する法律やその他の各種法令、守秘義務契約や機密保持契約を厳守すべく、グループ全体に情報セキュリティ関連規程及び運用状況の統制を行い、社内規程に則った取扱いをする体制を布いております。組織面では役職員等に対して情報セキュリティ5か条及び情報セキュリティマニュアルやeラーニングを用いた教育・研修等による情報管理の重要性の周知徹底をするとともに、システム面では主たるグループ会社では2018年より場所を選ばないシームレスなモバイル環境の整備と、クラウド化やメールの暗号化及び誤送信対策等によりセキュリティの両立をすすめ、コロナ禍以降の新たな働き方にもスムーズに対応しております。また、2020年からは株式会社船井総合研究所では顧客の情報資産の預り方法の仕組みも刷新するなど、セキュリティ対策を日々強化し、機密保持に努めております。

しかしながら、これらの対策にもかかわらず、不測の事態により、これら情報の流出、個人情報の取得・取扱手続の不備による法令違反、重要データの破壊や改ざん、システム停止等が生じた場合には、当社グループの信用低下や損害賠償等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 内部管理体制について

当社グループは、持続的な成長と中長期的に企業価値の向上を図るため、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。当社グループでは業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備及び運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な事業運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 保有資産に関するリスクについて

当社グループが保有する資産のうち、有形固定資産、無形固定資産及び有価証券等において、当社グループの業績が計画どおり進捗できず将来得られるキャッシュ・フローが大幅に減少することとなった場合や、発行体の業績悪化等や経営破綻等が発生した場合には、これらの資産について減損処理を行う場合があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。こうした保有資産に関するリスクを回避するために、新規投資及び投資後の進捗管理を取締役会等において十分に検討を行い、リスクの予防や早期発見に努めてまいります。

 

(9) 新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化に関するリスクについて

新型コロナウイルス感染症については、各国におけるワクチン接種や感染予防により、経済活動は持ち直しつつあり、当社グループの主要顧客である国内の中小企業の収益への影響も減少傾向にあります。当社グループにおいては、社内外における感染予防を徹底しつつ、オンラインセミナー、WEB会議システムを活用したコンサルティング、リモートワークの推進などによりコロナ禍においても事業活動を継続していく体制が整い、また、DXコンサルティングを加速させることにより、顧客の業績回復を推進してまいります。しかしながら、新型コロナウイルスなどの世界的な感染症が再び拡大及び長期化し、世界経済に悪影響を与える事態になった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。)等を適用しております。また、収益認識に関する会計基準等の適用については、収益認識に関する会計基準第84項に定める原則的な取扱いに従って、新たな会計方針を過去の期間の全てに遡及適用しているため、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの影響が依然として続いておりますが、政府や自治体による全国旅行支援策や渡航者の入国制限解除の実施により、インバウンド需要の再開などの期待も出てきており、社会経済活動の正常化が徐々に進んでおります。また、企業の設備投資では、中小企業においては回復傾向が見られ、雇用環境においても有効求人倍率は緩やかな上昇が見られました。しかし、ウクライナ情勢は長期化の様相を呈しており、また、米国の継続的な利上げによる急激な円安の進行、エネルギー価格や原材料の高騰は景気への懸念材料となり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループにおきましては、セミナーや経営研究会をオンライン主体で実施しながらも、徐々に対面での機会を増やしており、コンサルティング活動におきましても、中小企業向け総合経営コンサルティングを主力としながら、DXコンサルティングや中堅企業向け総合コンサルティングの領域への拡大を推進しております。さらに、当社グループのデジタル関連サービスをさらに強化し、DXに関連するサービスを一気通貫で提供することを目的として、2022年7月1日付で、WEBマーケティングやBPOコンサルティングを強みとする「株式会社船井総研コーポレートリレーションズ」とデジタル人材の採用・育成及びシステムの受託開発業務を強みとする「新和コンピュータサービス株式会社」を合併し、商号を「株式会社船井総研デジタル」に変更しました。

その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、売上高25,635百万円(前連結会計年度比12.4%増)、営業利益7,100百万円(同11.7%増)、経常利益7,197百万円(同11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,990百万円(同14.0%増)となりました。中期経営計画の最終年度である当連結会計年度においては、財務戦略の目標のひとつであるROEが19.2%となり目標(15%以上)を大きく上回ることができました。

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間において、「ダイレクトリクルーティング事業」について金額的な重要性が低下したため「その他」に含めて記載する方法に変更しております。

また、第3四半期連結会計期間において、当社の連結子会社である株式会社船井総研コーポレートリレーションズを存続会社、同じく当社の連結子会社である新和コンピュータサービス株式会社を消滅会社とする吸収合併を行い、商号を「株式会社船井総研デジタル」に変更しております。本吸収合併に伴い、従来「その他」のセグメントに含めておりました新和コンピュータサービス株式会社のシステム開発事業を、「経営コンサルティング事業」の報告セグメントに含めて記載する方法に変更しております。

これにより変更後の区分により作成したものを記載しております。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。

 

・経営コンサルティング事業

 経営コンサルティング事業におきましては、WEB及びセミナーからの受注が増加し、コンサルティング契約社数も順調に増加しております。その結果、売上高、利益ともに前連結会計年度を超える業績を達成することができました。

 業種別におきましては、主力部門である住宅・不動産業界、医療・介護・福祉業界向けコンサルティング部門に加え、製造業向けコンサルティング部門が売上高を伸ばすことができました。

 ソリューションにおいては、DXコンサルティングであります製造業向けのオンライン営業を活用したマーケティングにおけるDXが好調に推移し、その他では、AI・ロボット・RPAを活用した業務改善や、リフォーム分野での外装DXコンサルティング、クラウド会計導入ソリューションなどが好調な伸びを示しており、DXコンサルティング全体で堅調に推移しております。

 利益面におきましては、旅費交通費、人件費、採用費及びシステム関連費用が増加したものの、増収による増益効果により、増益を達成することができました。

その結果、売上高は20,314百万円(前連結会計年度比9.5%増)、営業利益は6,150百万円(同4.4%増)となりました。

売上高内訳

月次支援

プロジェクト

経営研究会

会費

リスティング

広告

その他

合計

単位:百万円

13,131

1,810

2,051

1,219

2,101

20,314

 

(注) プロジェクト売上にはM&A売上が一部含まれております。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、物流BPO業務は、既存顧客企業の好業績に支えられ好調に推移し、またWEB経由での新規受注も増加したことから前連結会計年度と比べて大きく増収となりました。物流コンサルティング業務は、荷主企業の物流への投資活動に戻りが見られ、プロジェクト受注が好調であったことから前連結会計年度と比べて増収となりました。

また、利益面におきましても、物流BPO業務及び物流コンサルティング業務が好調であったことに伴い増益となりました。

その結果、売上高は3,778百万円(前連結会計年度比29.3%増)、営業利益は448百万円(同32.3%増)となりました。

 

・その他

その他の事業における、ダイレクトリクルーティング事業におきましては、求人数増加トレンドの後押しを受け、増収増益となりました。コンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、COPC認証制度に関連する研修に加え、大口のコンサルティング契約受注により前連結会計年度と比較して大きく増収増益となりました。ITコンサルティング事業におきましては、おおむね予算どおりとなりました。

その結果、売上高は1,524百万円(前連結会計年度比14.8%増)、営業利益は260百万円(前連結会計年度は営業損失68百万円)となりました。

 

また、当連結会計年度における財政状態の概況は次のとおりであります。

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、2,082百万円増加し、33,010百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,233百万円増加し、22,283百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,151百万円減少し、10,727百万円となりました。これは主に投資有価証券の減少によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて92百万円増加し、5,309百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて13百万円増加し、5,067百万円となりました。これは主に未払金の増加、その他に含まれる未払消費税及び1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて78百万円増加し、242百万円となりました。これは主に長期借入金の増加によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,990百万円増加し、27,700百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、自己株式の取得による純資産の減少、剰余金処分による利益剰余金の減少によるものであります。

 

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.0ポイント増加し、81.7%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,356百万円増加し、17,031百万円となりました。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は5,000百万円(前連結会計年度は5,214百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,138百万円となり、法人税等の支払額が2,264百万円、法人税等の還付額が451百万円となったことによるものであります。

 

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果得られた資金は348百万円(前連結会計年度は219百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得並びに売却による差引収入が714百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が356百万円となったことによるものであります。

 

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は2,996百万円(前連結会計年度は2,547百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が403百万円、配当金の支払額が2,566百万円となったことによるものであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2018年12月

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

自己資本比率(%)

82.2

79.4

82.4

80.7

81.7

時価ベースの自己資本比率

(%)

309.8

434.6

446.3

417.7

406.2

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率(年)

0.2

0.1

0.1

0.1

0.1

インタレスト・カバレッジ・
レシオ(倍)

645.9

863.6

761.7

1,056.1

677.3

 

(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率: 自己資本/ 総資産

時価ベースの自己資本比率: 株式時価総額/ 総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/ 営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/ 利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております(リース債務を除く)。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。

 

 

 ③ 受注及び販売の状況

・受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

16,531,457

111.8

7,528,899

113.5

ロジスティクス事業

745,132

110.9

304,508

107.7

その他

510,756

99.3

63,967

74.4

 

(注)1 経営コンサルティング事業については、月次支援及びプロジェクトの経営コンサルティング収入についてのみ記載しております。

2 ロジスティクス事業については、物流コンサルティング収入についてのみ記載しております。

3 その他の事業については、コンタクトセンターコンサルティング収入について記載しております。

4 金額は販売価格で表示しております。

 

・販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

経営コンサルティング事業

20,314,813

109.5

ロジスティクス事業

3,778,858

129.3

その他

1,524,495

114.8

 

(注)1 販売実績は、外部顧客に対する売上高を表示しております。

2 総販売実績に対して10%以上に該当する相手先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(財政状態の分析)

・資産の部

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて、2,082百万円増加し、33,010百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて3,233百万円増加し、22,283百万円となりました。これは主に現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産、有価証券の増加によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,151百万円減少し、10,727百万円となりました。これは主に投資有価証券の減少によるものであります。

 

・負債の部

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて92百万円増加し、5,309百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて13百万円増加し、5,067百万円となりました。これは主に未払金の増加、その他に含まれる未払消費税及び1年内返済予定の長期借入金の減少によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて78百万円増加し、242百万円となりました。これは主に長期借入金の増加によるものであります。

 

・純資産の部

当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,990百万円増加し、27,700百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益による増加、自己株式の取得による純資産の減少、剰余金処分による利益剰余金の減少によるものであります。

 

その結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.0ポイント増加し、81.7%となりました。

 

(経営成績の分析)

売上高におきましては、主力の経営コンサルティング事業において、月次支援及びプロジェクトのコンサルティングが増収となり、さらに、リスティング広告業務が引続き増収となりました。また、ロジスティクス事業における物流BPO業務においても大幅に増収となりました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べて12.4%増25,635百万円となりました。

営業利益におきましては、売上原価は15,484百万円(前連結会計年度は13,505百万円)、販売費及び一般管理費は3,049百万円(同2,951百万円)となり、コロナ禍での行動制限の緩和によるコンサルティング活動再開により旅費交通費が大幅に増加し、またコンサルタントの人件費及び採用費が増加しました。この他DXコンサルティングの領域拡大等のためのシステム関連費用も増加しました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて11.7%増7,100百万円となり、営業利益率は27.7%となりました。

経常利益におきましては、保険配当金等により営業外収益は115百万円(前連結会計年度は131百万円)、営業外費用は18百万円(同40百万円)となりました。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて11.6%増7,197百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、法人税等合計が2,148百万円(前連結会計年度は2,046百万円)となったことにより、前連結会計年度に比べて14.0%増4,990百万円となりました。

 

 

当連結会計年度のセグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

・経営コンサルティング事業

経営コンサルティング事業におきましては、WEB及びセミナーからの受注が増加し、コンサルティング契約社数も順調に増加しております。その結果、売上高、利益ともに前連結会計年度を超える業績を達成することができました。

 業種別におきましては、主力部門である住宅・不動産業界、医療・介護・福祉業界向けコンサルティング部門に加え、製造業向けコンサルティング部門が売上高を伸ばすことができました。

 ソリューションにおいては、DXコンサルティングであります製造業向けのオンライン営業を活用したマーケティングにおけるDXが好調に推移し、その他では、AI・ロボット・RPAを活用した業務改善や、リフォーム分野での外装DXコンサルティング、クラウド会計導入ソリューションなどが好調な伸びを示しており、DXコンサルティング全体で堅調に推移しております。

 利益面におきましては、旅費交通費、人件費、採用費及びシステム関連費用が増加したものの、増収による増益効果により、増益を達成することができました。

その結果、売上高は20,314百万円(前連結会計年度比9.5%増)、営業利益は6,150百万円(同4.4%増)となりました。

 

・ロジスティクス事業

ロジスティクス事業におきましては、物流BPO業務は、既存顧客企業の好業績に支えられ好調に推移し、またWEB経由での新規受注も増加したことから前連結会計年度と比べて大きく増収となりました。物流コンサルティング業務は、荷主企業の物流への投資活動に戻りが見られ、プロジェクト受注が好調であったことから前連結会計年度と比べて増収となりました。

また、利益面におきましても、物流BPO業務及び物流コンサルティング業務が好調であったことに伴い増益となりました。

その結果、売上高は3,778百万円(前連結会計年度比29.3%増)、営業利益は448百万円(同32.3%増)となりました。

 

・その他 

その他の事業における、ダイレクトリクルーティング事業におきましては、求人数増加トレンドの後押しを受け、増収増益となりました。コンタクトセンターコンサルティング事業におきましては、COPC認証制度に関連する研修に加え、大口のコンサルティング契約受注により前連結会計年度と比較して大きく増収増益となりました。ITコンサルティング事業におきましては、おおむね予算どおりとなりました。

その結果、売上高は1,524百万円(前連結会計年度比14.8%増)、営業利益は260百万円(前連結会計年度は営業損失68百万円)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて2,356百万円増加し、17,031百万円となりました。営業活動の結果得られた資金は5,000百万円(前連結会計年度は5,214百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が7,138百万円となり、法人税等の支払額が2,264百万円、法人税等の還付額が451百万円となったことによるものであります。投資活動の結果得られた資金は348百万円(前連結会計年度は219百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得並びに売却による差引収入が714百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出が356百万円となったことによるものであります。財務活動の結果使用した資金は2,996百万円(前連結会計年度は2,547百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得及び売却による差引支出が403百万円、配当金の支払額が2,566百万円となったことによるものであります。

当社グループの資金需要の主なものは、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

当社グループの資金の源泉は主として営業活動によるキャッシュ・フローであります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、2020年12月期から2022年12月期における中期経営計画の達成に向けて推進してまいりました。その結果、2022年12月期は過去最高の売上高及び利益を更新することができました。引続き当社グループの成長を目指すために、2023年2月8日に2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画を公表いたしました。それぞれの業績計画は以下のとおりであります。

 

・2020年12月期から2022年12月期の中期経営計画における業績計画

項目

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

ROE

(%)

2020年12月期

計画

29,000

6,300

15.0

実績

25,027

4,982

15.3

2021年12月期

計画

29,000

6,400

15.0

実績

28,813

6,349

18.2

2022年12月期

計画

25,300

7,100

15.0

実績

25,635

7,100

19.2

 

(注)1 上記計画は、初年度である2020年12月期において新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画しておりました数値を下回ったため、2年目以降の計画数値の下方修正を実施し、その後業績が回復したため上方修正を実施いたしましたので、修正実施後の計画数値を記載しております。(詳細につきましては、当社の2021年2月5日、8月3日付プレスリリースをご覧ください。)

 2 2022年12月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、上記の2021年12月期の売上高につきましては当該基準適用前の計画及び実績となり、2022年12月期の売上高につきましては当該基準適用後の計画及び実績となります。なお、当該基準適用による主な影響は代理人取引に該当する売上高の計上を総額から純額に変更することによるものであり、営業利益の業績計画につきましては変更はありません。

 

 

・2023年12月期から2025年12月期の中期経営計画における業績計画

項目

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

2023年12月期

計画

28,500

7,900

2024年12月期

計画

32,000

8,900

2025年12月期

計画

36,000

10,000

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。