文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは企業理念・方針を以下のように定め、その実現に努めております。
当社グループは、地域に根ざし、創業以来50年の営業で培った顧客基盤を最大の強みとする総合リース会社を核とする当社グループの特性を活かし、課題を抱える企業のパートナーとして、柔軟かつ専門性の高いソリューション営業を展開しております。
当社グループの主要地盤である九州においては、大手半導体メーカーの新工場が竣工・稼働したことに伴い、関連するサプライチェーンも拡大・強化されるなか、これらが交通インフラ整備や流通・商業設備開発などにも波及するなど、地元企業の、広い分野での設備投資や、地域経済の拡大・活性化に繋がっています。一方で、原材料・資源価格の高騰や金利の上昇、米国の関税政策や、中国経済の下振れリスクなどにより、今後の経営環境については、不透明な状況が続くものと想定されます。
このような厳しい環境変化を成長の機会と捉え、当社グループは、新たな中期経営計画「共創2027 ~つながるチカラで未来を創造する~」(計画期間:2024年4月~2027年3月)をスタートさせました。
当社グループでは、2030年までのビジョンの一つとして、「お取引先企業、地域に寄り添い、経営課題や社会情勢の変化に対応する、独創性のある総合金融サービス・ソリューションを提供する伴走型企業集団となること」を目指しております。
中期経営計画「共創 2027」においては、このビジョンの実現・実践に向け、「確かな収益基盤の確立」「新たな領域の創造」「経営基盤の強化」の3つの基本方針を掲げ、これからの3年間で取組む重点戦略、施策を組立てました。
特に、当社グループの従来からの強みである「お取引先・地域との密着力」と「多様で幅広なサービスメニュー」に加え、「専門、固有なノウハウ・知見を有する戦略的パートナーとの連携」を相乗させ、当社グループ独自のビジネスを展開することで持続的成長・提供価値の拡大を実現することに注力してまいります。
中期経営計画「共創2027 ~つながるチカラで未来を創造する~」において、更なる利益成長にとどまらず、収益性や資本効率性の向上にも注力してまいります。また、当社グループが持続的な成長を実現していくためには、人的資本投資の拡大による魅力ある組織づくりの展開が不可欠と考え、エンゲージメントの向上といった非財務指標についても新たに目標として掲げております。これらの経営指標の達成を通じて、当社グループの企業価値向上を目指してまいります。


当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 基本方針
当社グループは、企業理念として掲げる「共存共栄」「地域貢献」に基づく事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献すべく、地域に根ざした総合金融サービス企業として、企業経営に必要な付加価値の高いサービスを提供することで、ステークホルダー(株主さま、お取引先、地域・社会、従業員など)の皆さまと共に、新たな価値や豊かな未来を創造することを目指しています。
併せて環境ビジネス分野のステージアップやソリューション力の拡大、新たなビジネスへの挑戦などによる事業領域の拡大と、未来創造機能の強化や人的資本への戦略的投資などによる経営基盤強化に取組み、持続的な成長の実現と企業価値の向上に注力してまいります。
(2) ガバナンス
当社では、持続可能な成長の実現と企業価値の向上に向けて、取締役会及び経営会議を中心としたガバナンス体制の下でサステナビリティに関する課題や具体的な取組みの方向性などを審議するとともに、環境課題への取組み実績をモニタリングしております。
(3) 戦略
① 気候変動関連への対応に関する戦略
当社グループの主要な事業であるリース取引は、賃貸借であり、リース契約満了後は継続して使用する場合は再リースとなり、契約終了となる場合、物件はリース会社に返却されることになります。当社では、リース終了物件のうち再利用やリサイクルが可能な物件については、中古品取扱会社への売却や、リサイクル会社への処理委託等の適切な処分を行うことで、3R(Reduce、Reuse、Recycle)を実践し、循環型社会の実現に貢献しております。また、当社グループは太陽光発電事業に取組むことによるCO2排出量削減への貢献や、再生可能エネルギー事業者向けに融資などのファイナンス機能を提供することで、再生可能エネルギーの普及に貢献しております。

新たな中期経営計画「共創2027 ~つながるチカラで未来を創造する~」(計画期間:2024年4月~2027年3月)では環境分野での新たな取組みを通じて社会課題に貢献するため、環境関連分野のステージアップとして、蓄電池発電所への取組み、PPA導入支援、小水力発電などの展開を主な重点施策として掲げております。
なお、気候変動関連情報の開示については、今後、必要なデータの収集や分析などを行い、開示の充実に向けて検討を重ねております。
② 人的資本に関する戦略
当社は、人材を最も重要な経営資源の一つと位置づけ、お客さまに合わせた付加価値の高い「多様なソリューション」を提供する総合金融サービス企業として成長するため、社内外で行う研修を拡充し、複数のスキルを持つ人材の育成を目指しております。
また、当社は、現状の世代別・階層別人材構成を踏まえ、当社の持続的な成長を視野に、人材構成の最適化を図るべく、女性及び中途採用者の管理職への登用率向上、新卒採用時の男女同数採用を目標としております。子育てや介護等と仕事を両立できる職場環境を構築することで、年齢や性別にかかわらず、意欲を持った多様な人材が活躍できる魅力ある組織づくりの展開によりエンゲージメントを高めてまいります。
(4) リスク管理
当社は、持続的な成長の実現と企業価値の向上に向けた各種業務執行に伴い発生するさまざまなリスクを正しく把握し、かつ適切に管理することを目的とする「リスク管理基本規程」を制定し、管理対象とするリスクを特定したうえで、それぞれのリスクの所管部署が管理する体制を構築しております。
また、リスク管理に関する重要な事項について具体的かつ実質的な協議又は評価を行うことを目的として、リスク管理統括部署の担当役員を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。
当社は、「(3)戦略」において記載した人的資本に関する戦略について、次の指標を用いており、当該指標に関する実績及び目標は次のとおりであります。
当該指標に関する実績
※ 2025年3月31日時点での育児休業未取得者1名は、2025年4月から5月にかけて育児休業を取得していることから、提出日現在の取得率は100%であります。
当該指標に関する今後の目標
(注)上記の指標に関する実績・今後の目標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しており、当社から社外への出向者を含み、社外から当社への出向者を除き算出しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 景気変動によるリスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループで行っているリース・割賦販売取引は、お取引先が設備投資をする際の資金調達手段の1つという役割を担っています。
民間設備投資額とリース設備投資額とは、一時的な差異はあるものの、ほぼ相関関係にあり、今後もこの傾向は続くものと考えられます。
当社グループの契約実行高とリース設備投資額の推移は必ずしも一致していませんが、今後、国内外の景気の低迷が長期化するなどの要因によりリース設備投資額が大幅に減少した場合は、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
資源・原材料価格の高騰や、地政学リスクの拡大、米国の通商政策による世界経済全体の下振れリスク等が懸念されることに加え、円安や、市場金利上昇も予想され、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。国内外の景気動向を注視するとともに、お取引先の業況把握に努めながら、リース・ファイナンス・不動産を中心に、市場価額や利回りを踏まえた適切な資産の入替えに注力し、景気変動によるリスクの低減を意識した事業ポートフォリオの構築に取組んでいます。
(2) 信用リスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループで行っているリース・割賦販売取引及び営業貸付取引につきましては、お取引先に対する中長期与信となりますので、その信用リスクの軽減及び管理が経営上重要な事項となります。
当社グループでは、次の対応策を実践することにより、信用リスクの軽減及び管理に取組んでおりますが、お取引先の経営破綻等により、リース契約が解除となった場合、リース資産処分損等が発生することがあり、また、営業貸付金につきましても、お取引先の業況悪化や担保物件の時価下落などにより貸倒引当金の積み増しを余儀なくされることがあるため、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
リース・割賦販売取引の当初の取引時においては、将来の中古価値に基づいた対象物件の選別、契約期間やリース料・割賦金水準の設定、お取引先の財務状況の把握などに細心の注意を払うことにより、リスク軽減に努めております。また、取引開始後におきましても、定期的にお取引先の業況をチェックし、市場動向や財務状況の悪化などお取引先の信用状況の変化を早期に把握できるよう管理を行っております。
同様に営業貸付及び信用保証取引におきましても、資金使途、資金繰り、担保物件の時価などについて当初の貸出時に十分な審査を行うことにより、リスク軽減を図っております。また、担保不動産につきましては、その評価を外部に委託し、債務者区分に応じて定期的に評価の見直しを行うことで、評価の透明性、客観性を確保しながら、信用リスクの管理を行っております。
(3) 市場金利変動リスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
リース・割賦販売取引は、お取引先が導入を希望する機械・設備を当社グループが代わって購入のうえ、契約期間を通じてお取引先に賃貸又は割賦販売し、その対価として毎月一定のリース料又は割賦金を受け取る取引であります。このリース料又は割賦金は固定金額であり、契約後に市場金利の変動が直ちにリース料等へ反映される契約内容ではありません。また、賃貸不動産につきましてもマンション・オフィスビル等であり、今後の市場金利の変動が直ちに賃貸料へ反映される契約内容ではありません。
一方、営業資産取得にかかる資金調達は、金融機関からの借入が主体であり、そのうち変動金利の借入については、市場金利変動の影響を受けます。
従いまして、今後市場金利が上昇した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
当社グループでは、日本銀行の金融政策の動向など、市場金利の動きを常時注視し、ALM(資産・負債の総合管理)の視点から、資産と負債を一元的に管理し、バランスを確保することに努めております。借入の金利形態や期間のモニタリングを行い、有利子負債における固定金利・変動金利の調達比率をコントロールするなど様々な手法を活用するとともに、運用面についても、適用金利引上げや不動産利回り向上に取組み、市場金利変動リスクの低減に取組んでおります。
(4) 販売用不動産及び賃貸不動産の価格変動リスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループでは、将来の売却益獲得を目的として販売用不動産93億89百万円を保有しております。また、長期安定収入の確保を目的に賃貸不動産275億70百万円を保有しております。
販売用不動産につきましては、国内景気の低迷などの要因により、売却時における不動産相場水準が低下した場合には売却損が発生し、また、今後不動産時価が下落した場合には評価損が発生する恐れがあります。
同様に、賃貸不動産につきましても、今後の不動産時価の動向や稼働率の変化により減損損失が発生する恐れがあり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
今後の国内経済の動向を注視するとともに、不動産市況や稼働率を適宜に把握し、販売用不動産の売却損や賃貸不動産の減損損失の発生を回避すべく、保有資産の入れ替えを促進するなどにより、不動産の価格変動リスクの軽減に取組んでおります。
(5) 諸制度の変更リスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループでは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準に基づき、リース取引等の各種事業を行っております。将来、現行の制度や基準が変更された場合には、新たなコストが発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
現行の制度や基準の変更に際しては、適宜、弁護士や専門家の助言を受けることによって、新たなコストの発生をできる限り抑制するなど、諸制度の変更リスクの軽減に取組んでおります。
(6) 法的規制に関するリスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループでは、事業を行うに際して会社法、金融商品取引法、貸金業法、宅地建物取引業法、独占禁止法、個人情報保護法等の法令等の適用及び規制当局の監督を受けております。
当社グループでは、これらの法令等を遵守し、許認可更新等に支障が出ないよう、役職員に対するコンプライアンスの徹底を行っておりますが、役職員が法令等に違反した場合には、罰則、業務停止処分、登録・届出資格抹消、信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
当社グループが事業を行うにあたって必要な「貸金業者登録」や「宅地建物取引業者免許」などの許認可については、更新手続きを怠らないよう、その有効期限を厳正に管理しております。
また、毎年コンプライアンスプログラムを策定し、その進捗状況をコンプライアンス委員会で把握してコンプライアンス体制の整備に努めるとともに、定期的な勉強会の開催などを通じて、当社グループの全役職員のコンプライアンス意識の向上に取組んでおります。
(7) 為替変動リスクについて
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
当社グループは、外貨建資産を保有しております。世界経済の低迷などを要因として、急激に為替相場が変動した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
② 対応策
地政学リスクや、世界経済の動向、各国の金融政策などを要因とする為替相場の動きを注視するとともに、為替相場の変動による影響を最小限に留めるため、外貨建資産残高を適切に管理することなどにより、為替変動リスクの軽減に取組んでおります。
① 顕在化する可能性の程度や時期、経営成績等への影響
災害や事故などの緊急時や社会インフラの毀損など不測の事態が発生した場合のリスク、不適切な事務処理が行われることによる事務リスク、使用しているコンピュータシステムのダウンもしくは誤作動などのシステムリスクなどの発生により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
② 対応策
当社グループでは、「危機管理マニュアル」「事務リスク管理規程」「システムリスク管理規程」など顕在化が想定されるそれぞれのリスクについて、管理規程やマニュアルを策定し、リスクの軽減及び管理に取組んでおります。
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の拡大、堅調な企業収益等を背景に、緩やかな回復基調が続く一方、米国の政策動向や、中国経済の下振れリスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いています。
当社グループにおきましては、2024年度を初年度とした3ヵ年の中期経営計画「共創2027~つながるチカラで未来を創造する~」に取組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、各セグメントとも増収増益と好調に推移し、売上高は393億38百万円(前期比17.4%増)、営業利益は56億51百万円(前期比21.9%増)、経常利益は55億84百万円(前期比21.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は35億69百万円(前期比17.1%増)となりました。特に営業利益は過去最高を更新しました。
営業資産残高につきましては、販売用不動産の売却により不動産事業において減少しましたが、建物リースや航空機リースによりリース・割賦事業の残高が伸長し、1,903億45百万円(前期末比4.5%増)となりました。
当連結会計年度の財政状態につきましては次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ85億34百万円増加し、2,019億32百万円(前期末比4.4%増)となりました。これは主に、リース債権及びリース投資資産の増加41億34百万円、割賦債権の増加39億3百万円、投資有価証券の増加18億55百万円、賃貸不動産の減少27億85百万円などであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ60億46百万円増加し、1,593億2百万円(前期末比3.9%増)となりました。これは主に、社債の増加95億円、借入金の減少48億43百万円などであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ24億87百万円増加し、426億30百万円(前期末比6.2%増)となりました。これは主に、利益剰余金の増加27億48百万円などであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
リース・割賦
売上高は前連結会計年度に比べ36億77百万円増加し238億57百万円(前期比18.2%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ2億1百万円増加し、16億84百万円(前期比13.6%増)と増収増益となりました。
ファイナンス
売上高は前連結会計年度に比べ3億12百万円増加し21億47百万円(前期比17.1%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ2億32百万円増加し12億83百万円(前期比22.2%増)と増収増益となりました。
不動産
売上高は前連結会計年度に比べ17億36百万円増加し116億72百万円(前期比17.5%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ4億29百万円増加し29億48百万円(前期比17.1%増)と増収増益となりました。
フィービジネス
売上高は前連結会計年度に比べ49百万円増加し4億86百万円(前期比11.3%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ54百万円増加し2億46百万円(前期比28.5%増)と増収増益となりました。
環境ソリューション
売上高は前連結会計年度に比べ63百万円増加し11億50百万円(前期比5.8%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ62百万円増加し1億98百万円(前期比46.0%増)と増収増益となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億79百万円減少し49億7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは32億50百万円の資金流出(前連結会計年度は148億65百万円の資金流出)となりました。これは主に、割賦債権の増加37億38百万円、リース債権及びリース投資資産の増加36億33百万円などによる資金流出がある一方、販売用不動産の減少34億11百万円、仕入債務の増加による収入15億6百万円などの資金流入があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは68百万円の資金流出(前連結会計年度は9億3百万円の資金流出)となりました。無形固定資産の取得による支出84百万円、社用資産の取得による支出76百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入93百万円などによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは31億41百万円の資金流入(前連結会計年度は147億28百万円の資金流入)となりました。これは主に、社債の純増減額(収入)94億41百万円による資金流入がある一方、長期・短期借入金の純増減額(支出)48億43百万円、配当金の支払額8億18百万円などの資金流出があったことによるものであります。
③ 営業取引の状況
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 ファイナンス・リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦販売については、実行時の割賦債権(物件購入金額)を表示しております。
2 オペレーティング・リースについては、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の実行高は含んでおりません。
営業資産残高をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
(注) 当連結会計年度の主な販売先については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (セグメント情報等) 関連情報 3 主要な顧客ごとの情報」に記載のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2025年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.事業全体の状況
当連結会計年度において、当社グループは、2024年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「共創2027 ~つながるチカラで未来を創造する~」を策定しました。長期ビジョンとして、「お取引先企業と地域に寄り添い、経営課題や社会情勢の変化に対応する、独創性のある総合金融サービス・ソリューションを提供する伴走型企業集団となる」ことを目指し、「確かな収益基盤の確立」「新たな領域の創造」「経営基盤強化」の3つの基本戦略を掲げ、地域社会との共創による当社グループのサスティナブルな成長と、社会課題解決の実現に挑戦し続けています。
計画初年度となる当連結会計年度においては、外部環境変化を踏まえた事業ポートフォリオのさらなる強靭化や、アライアンスパートナーとの連携による新たなソリューションの開発・提供に注力し、当社グループの事業領域拡大に向けた取組みを積極的に行ってまいりました。
主な取組み・成果につきましては、次のとおりであります。
(確かな収益基盤の確立)
当社グループが50年の業歴の中で築いてきた地域密着の顧客基盤や、お取引先企業との強固な信頼関係を土台として、ソリューション提案型の営業活動に注力することで、コアビジネスの一層の進展ならびに収益力の強化に取組みました。リース・割賦事業においては、建物リースや航空機リースの実績を積み重ねたほか、株式会社西日本フィナンシャルホールディングスとの連携強化による地場優良顧客の開拓や、地域の大型設備投資案件における協調取組みを進めてまいりました。
不動産事業においては、環境認証を取得した付加価値の高い不動産開発に注力したほか、2023年4月にグループ化した西日本不動産開発株式会社とのシナジー強化策により、不動産関連手数料によるノンアセット収益を大きく伸ばすことができました。
加えて、環境分野の新たなサービスとして、お取引先企業の省エネにつながる、空調サブスクリプションサービスの展開にも積極的に取組み、お取引先企業の経営課題解決に向けたソリューション力を強化しました。
(新たな領域の創造)
さらなる持続的成長を目指す当社グループの新たな事業領域創造に向け、マーケットとビジネスの双方の観点から今後の成長が見込まれるターゲット開拓に取組みました。
マーケットの観点からは、熊本県を中心に九州全域で拡がりを見せている半導体関連市場に着眼し、リース・割賦事業、不動産事業を中心に営業活動に注力しました。足許では、サプライチェーンの拡大に伴い、工場や倉庫の建築に使用される土木建設機械のリース取扱高が増加したほか、熊本県内における開発用地の売買及び仲介にも取組みました。今後は、商業店舗や賃貸不動産などにも需要拡大が見込まれるマーケットであり、当社グループの総合金融サービス・ソリューションを発揮しながら、引き続き実績を重ねてまいります。
ビジネスの観点からは、系統用蓄電池やFIP制度に対応した再生可能エネルギーの新たな事業を展開する新法人設立に向けて、準備を進めてまいりました。具体的には、事業パートナーと連携しながら、第一号案件として自社グループ所有地内での系統用蓄電池設置を進めている状況でありますが、これによりスマートエネルギー事業への展開を図り、さらなる収益拡大と、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(経営基盤強化)
お取引先企業のニーズを捉えた付加価値の高い多様なソリューションを提供する総合金融サービス企業として成長するため、人的資本への積極的な投資を行い、リスキリングやキャリア開発支援などを促進しました。また、足許の金利動向や経済情勢を踏まえ、資産と負債を総合的に管理するALM体制の強化に取組み、リスクマネジメントの実効性向上を図りました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
リース・割賦
再生可能エネルギーなど環境関連分野向けを中心に新規取扱高が堅調に推移したことに加え、リース物件売却収入の計上により、売上高は238億57百万円(前期比18.2%増)、営業利益は16億84百万円(前期比13.6%増)と増収増益となりました。なお、営業資産残高は1,008億15百万円(前期末比11.4%増)となりました。
ファイナンス
営業資産(平残)の積み上げ及び金利動向を踏まえた営業活動により利息収入等が増収となり、売上高は21億47百万円(前期比17.1%増)、営業利益は12億83百万円(前期比22.2%増)と増収増益となりました。なお、営業資産残高は414億58百万円(前期末比0.6%減)となりました。
不動産
賃貸不動産による安定的な賃料収入に加え、不動産販売収入の計上、及び前連結会計年度にグループ化した西日本不動産開発株式会社との連携により九州エリアにおける不動産関連手数料が増加し、売上高は116億72百万円(前期比17.5%増)、営業利益は29億48百万円(前期比17.1%増)と増収増益となりました。なお、営業資産残高は426億68百万円(前期末比5.1%減)となりました。
フィービジネス
自動車関連の手数料収入及び保険代理店収入が堅調に推移したことにより、売上高は4億86百万円(前期比11.3%増)となり、営業利益は2億46百万円(前期比28.5%増)となりました。
環境ソリューション
堅実な売電収入に加え、環境関連分野向けのエクイティ投資収益が寄与したことにより、売上高は11億50百万円(前期比5.8%増)となり、営業利益は1億98百万円(前期比46.0%増)となりました。なお、営業資産残高は54億3百万円(前期末比9.7%増)となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
経営目標の達成状況を判断するための客観的指標と2025年3月期の実績及び2026年3月期の予想値につきましては、次のとおりであります。
中期経営計画で目標とする経営指標の2025年3月期の実績
当連結会計年度においては、中期経営計画に掲げる各施策を着実に推し進めた結果、全セグメントで増収増益の実績となり、当初計画を上回る実績を計上することができました。
2026年3月期は、米国の通商政策による世界経済全体の下振れリスクが懸念されるなど、不確実性の高い状況が続くものと想定されます。当社グループを取り巻く事業環境としては、市場金利上昇に伴う資金コストの増加や、お取引先企業の業況不安による信用コストの増加などコストアップの環境が見込まれますが、そのような環境下においても、リース・割賦事業を中心としたコアビジネスの安定的な成長と、ノンアセットビジネスの強化などから、コスト増加を打ち返し、前年以上の収益を確保する計画としております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場金利動向、不動産市況など様々なリスク要因があることを認識しております。そのため、当社グループは常に経営リスクの動向を注視しつつ、内部管理体制を充実させ、リスク管理体制の強化に努めてまいります。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける資金需要は、リース・割賦物件及び不動産の購入に係る設備資金やファイナンス事業に係る貸付金が主なものであり、資金調達は金融機関からの借入及び自己資金を基本としつつ、公募社債発行による資金調達を行っております。また、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を当社が一元管理することで資金効率の向上を図っております。引き続き、資金調達手段の多様化による安定強固な財務基盤と調達コストの削減に努めてまいります。
借入金残高は、前連結会計年度末に比べ48億43百万円減少し1,182億19百万円(前期末比3.9%減)となりました。また、有利子負債全体では前連結会計年度末に比べ44億77百万円増加し1,403億6百万円(前期末比3.3%増)となりました。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1億79百万円減少し49億7百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末の当社に対する格付けは以下のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
a.貸付金の種別残高内訳
2025年3月31日現在
b.資金調達内訳
2025年3月31日現在
c.業種別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
d.担保別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
e.期間別貸付金残高内訳
2025年3月31日現在
(注) 期間は、約定期間によっております。なお、残存期間別貸付金残高内訳は以下のとおりであります。
2025年3月31日現在
2024年4月1日前に締結された「企業・株主間のガバナンスに関する合意」及び「ローン契約に付される財務上の特性」については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。
該当事項はありません。