(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、中国景気の減速、原油等資源価格の大幅下落、地政学リスクの高まりなど、国際経済のリスク要因を抱え、今後の景気見通しには慎重さがみられるものの、政府・日銀の経済対策・金融政策や原油安を背景として企業業績は概ね順調に推移しており、緩やかな回復基調にあります。一方、個人消費の面では、消費税増税の影響一巡による消費マインドの改善は見られますが、実質賃金の伸び悩みや輸入物価の上昇などにより、力強さに欠ける状況が続いております。
当業界においては、「教育の再生」が我が国の最重要課題の一つとして位置づけられ、国民の関心も高まるなか、大学入試制度の抜本的な改革や、グローバル化に対応した英語教育の見直し、ICTを活用した教育手法の開発などが本格的に議論されております。必要とされる教育内容や質の変化に伴い、民間教育が担うべき役割や責務は、公教育との連携を含め、ますます大きなものになっております。また一方で、各企業は少子化による市場縮小に加え、生徒、父母が求める教育サービス水準の更なる高まりと厳しい選別にも直面しており、企業間競争は激しさを増しております。
このような環境の下、当社グループは、人財育成企業として、「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」という教育理念をグループ全体が共有し、その実現に取り組んでおります。
グループ各社が、「心・知・体」の教育を総合的に行える体制の構築を目指し、高校生部門(東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等)、小・中学生部門(四谷大塚等)、スイミングスクール部門(イトマンスイミングスクール)を中心に、提供するコンテンツの充実や教育指導方法の深化、受講環境整備などを進めてまいりました。また、小学生から高校生までを対象とした「全国統一テスト」の拡充や「米国大学留学支援制度」など、当社の教育理念をさらに具体的な形とする取組みにも注力いたしました。さらに、昨年8月、多くの高等学校の先生方にご参加いただき全国12か所で開催した「大学入試改革先取り対応セミナー」など、教育を取り巻く環境変化への対応を積極的に進めております。
こうしたなか、当連結会計年度の営業収益は、高校生部門を中心に堅調に推移し、対前年同期で4,168百万円(内早稲田塾分2,488百万円)増加し、45,742百万円(前年同期比10.0%増)となり、当社グループの過去最高値を更新いたしました。これは、今春も東京大学をはじめ、早稲田、慶応など難関大学への現役合格者数の伸長など、高い合格実績を背景に生徒募集活動が順調に推移し、高校生部門を中心として生徒数の増勢が続いていることによるものであります。
費用面では、校舎現場の指導力強化や基礎学力養成のためのコンテンツ・システムの開発など、学力向上に焦点を絞った施策を進めました。また、イトマンスイミングスクール、四谷大塚の新規校舎展開や既存校舎設備の整備、受験料無料で実施している「全国統一テスト」の拡充など、将来に向けた取り組みも意欲的に進めました。他方、各部門において引き続き業務改善、効率化にも取り組み、費用全体では対前年同期2,431百万円の増加(内早稲田塾分2,247百万円)となる39,228百万円(前年同期比6.6%増)となりました。
この結果、営業利益6,514百万円(前年同期比36.3%増)、経常利益5,929百万円(前年同期比33.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,442百万円(前年同期比60.8%増)となり、各利益項目においても当社グループの過去最高値を更新することができました。
セグメント別の状況
当連結会計年度におけるセグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、セグメント利益は連結損益計算書の営業利益に調整額を加えたものであります。
(高校生部門)
当部門は、東進ハイスクール、東進衛星予備校、早稲田塾等で、主に高校生を対象とした教育事業を行っており、質の高い授業と革新的な学習システムを提供する我が国最大級の予備校として、当社グループの主要事業となっております。
当連結会計年度末の校舎数は、直営校として東進ハイスクール94校、早稲田塾23校、また東進衛星予備校のフランチャイズを構成する加盟校は、当連結会計年度末時点で984校となっております。
当連結会計年度のセグメント売上高は29,103百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は7,764百万円(前年同期比18.3%増)となりました。
(小・中学生部門)
当部門は、四谷大塚、東進四国、東進育英舎等で、主に小学生、中学生を対象とした教育事業を行っております。中学受験指導のパイオニアとして全国最大の中学受験模試「合不合判定テスト」を主催する四谷大塚、各地域に根差して展開する東進育英舎、東進四国(東進スクール)など、それぞれ特色を有し、事業を進めております。当連結会計年度末時点の校舎数は、首都圏に四谷大塚25校(当連結会計年度に勝どき校舎、新浦安校舎を開設。他にYTnet・四谷大塚NET加盟教室数874教室)、愛媛県で株式会社東進四国が運営する東進スクール15校、茨城県で株式会社東進育英舎が運営する東進育英舎4校、東進こべつ3校となっております。
当連結会計年度のセグメント売上高は7,533百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は360百万円(前年同期比169.5%増)となりました。
(スイミングスクール部門)
当部門は、スイミングスクールの草分けであり、乳幼児から小中学生、成人に至る幅広い年齢層に支持されるイトマンスイミングスクールとして、国内最大級のスイミング事業を展開し、主に水泳教室、フィットネスクラブの運営を行っております。世界に通じる選手育成にも力を入れており、これまで30名以上のオリンピック選手を輩出し、スイミング界の名門として、高い評価をいただいております。当連結会計年度末時点の校舎数は32校(他に提携校19校)となっております。また、日本初のオリンピック公認仕様の水泳競技用施設「AQIT」を2016年5月に開校いたしました。
当連結会計年度のセグメント売上高は7,024百万円(前年同期比1.1%増)、セグメント利益は1,063百万円(前年同期比20.8%増)となりました。
(ビジネススクール部門)
当部門は、東進ビジネススクール等で、主に大学生、社会人を対象とした教育事業を行っております。大学入学前の未履修科目補習、入学後の教養・基礎分野教材提供など、大学生の基礎学力向上に貢献する大学事業部、企業向けに映像・インターネットを駆使した各種語学研修プログラムを提供する企業営業部、大学生を対象とした東進ビジネススクールを運営する学生部でそれぞれ事業を展開しております。
当連結会計年度のセグメント売上高は1,370百万円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は376百万円(前年同期比12.8%増)となりました。
(その他部門)
その他部門には、出版事業部門、こども英語塾部門、国際事業部門を含んでおります。
出版事業部門では、“東進ブックス”として数多くの学習参考書・語学書を出版、高校生向けの「名人の授業」「レベル別問題集」「高速マスター」等のシリーズものが堅調です。また、特色ある「大学受験案内」の発行などを通し、東進のブランド力を高め、東進ハイスクール、東進衛星予備校等とのシナジー効果をあげております。
こども英語塾部門は、セサミ・ストリートを教材とした「セサミ・ストリート・イングリッシュ」を使用して「自ら進んで楽しみながら学習する」新しい英語学習を提案しております。
国際事業部門では、こども向け英語教育の需要が高まりつつあるアジア主要国で、「セサミ・ストリート・イングリッシュ」のライセンス販売を行っており、すでに、台湾、中国、マレーシアで教室を展開しております。
当連結会計年度のセグメント売上高は1,874百万円(前年同期比12.0%増)、セグメント利益は171百万円(前年同期は13百万円の損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、以下に記載のキャッシュ・フローにより20,255百万円となり、前連結会計年度に比べて1,178百万円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは8,023百万円の資金増加(前年同期比77.1%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が5,755百万円となったこと、減価償却費2,179百万円の加算、前受金の増加1,172百万円および法人税等の支払1,868百万円によるものです。
また、前連結会計年度比では、3,492百万円の資金増加となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加1,749百万円、前受金の増加1,134百万円、売上債権の減少605百万円、法人税等の支払額減少123百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは4,672百万円の資金減少(前年同期比24.8%減)となりました。これは、有形固定資産の取得3,500百万円(イトマン事業用施設他)、無形固定資産の取得332百万円(ソフトウエア他)及び、投資有価証券の取得605百万円などの要因によるものです。
また、前連結会計年度比では、1,541百万円の資金増加となりました。これは、前年度に株式会社早稲田塾株式の取得に伴う支出2,089百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、2,002百万円の資金減少(前年同期は4,176百万円の資金増加)となりました。これは長期借入による収入1,900百万円、社債の発行による収入800百万円に対し、長期借入金の返済による支出2,037百万円及び社債の償還による支出1,561百万円のほか、配当金の支払947百万円などの資金減少があったことによるものです。
また、前連結会計年度比では、6,179百万円の資金減少となりました。この主な要因は、長期借入金、社債発行による収入の減少8,100百万円に対し、借入金返済額、社債償還額の減少1,913百万円による支出減などがあったことによるものです。
(1)生産実績
当社グループは、生徒に対して授業を行うことを主な業務としておりますので、生産能力として表示すべき適当な指標はありません。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
高校生部門(千円) |
28,770,689 |
115.6 |
|
小・中学生部門(千円) |
7,503,577 |
101.3 |
|
スイミングスクール部門(千円) |
7,024,593 |
101.1 |
|
ビジネススクール部門(千円) |
1,370,300 |
100.4 |
|
その他(千円) |
1,073,508 |
110.4 |
|
合計(千円) |
45,742,670 |
110.0 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
教育業界は、長期にわたる出生率低下による人口減を所与の問題として抱えております。これに加え、大学入試制度の見直し、英語教育の抜本的な改革など多方面に亘る教育改革の進行は、生徒父母のニーズにも変化をもたらし、今後の民間教育機関の在り方自体に大きな影響を与えるものと見込まれます。
こうした環境の変化に対応しつつ、当社グループの教育目標である「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」の実現に取り組み、引き続き高品質の教育を提供していくことが当社グループの課題とするところであります。
東進ハイスクールでは、既存校舎の体制整備の他、新規校舎展開も進め、最適な学習環境を追求しながら、学力向上と生徒一人ひとりの第一志望校合格を達成する校舎づくりを強力に推進してまいります。また、東進衛星予備校では、加盟校との連携と支援を強化して、個々の加盟校業績の向上とその積み上げによる安定した収益体制を確立いたします。これと併せ、「四谷大塚NET」から「東進中学NET」、「東進衛星予備校」へとつながる小中高一貫の教育体制を構築いたします。
英語教育の面では、近時の英語教育改革の流れを踏まえて「聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと」の4技能をバランスよく習得できるプログラムの開発に取り組み、児童英語の分野では東進こども英語塾を、大学生や社会人対象の分野では東進ビジネススクールを中心に事業展開を進め、海外事業にも注力してまいります。
グループ会社においては、四谷大塚で新規校舎展開も含め、小学校低学年を含めた指導体制を強化するほか、イトマンスイミングスクールでは、オリンピック選手を輩出するスイミングスクールとしてのステータスと実績を活用し、「心・知・体」のバランスのとれた教育の基盤作りに取り組んでおります。また、昨年当社グループに加わった早稲田塾でも、大学入試改革を視野に、AO・推薦入試の分野におけるトップクラスの実績とブランド力を生かし、東進ハイスクール、東進衛星予備校とのシナジーを図るなど、より一層の収益性改善に向け、連携を強めてまいります。
当社グループ全体が、教育目標の実現に向け、信頼できる人財育成企業としてのブランドイメージを確立するとともに、収益の増大と経費削減に努めることで、さらに戦略的な投資が行えるような環境を整備することで、教育業界における確固たる地位を固めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また以下の記載は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在で記載しており、リスクの全てを網羅するものではありません。
(1)少子化及び大学受験動向の影響について
長期にわたる出生率低下による少子化の問題は、学齢人口の減少という形で教育業界における大きな課題となっております。大学入試の分野では、生徒数減少による影響に加え、推薦入試や選抜方法の多様化に伴い、生徒父母のニーズも大きく変化してきております。
当社グループの主要部門である東進ハイスクール部門では、主に現役高校生、高卒生を対象とする東進ハイスクール各校の運営を行っております。当社は同業他社に比べ、早期に現役高校生向けの校舎体制確立を図ったため、当連結会計年度の高卒生対象の売上高は196百万円(対前年同期12百万円減)、全売上高に占める構成比は0.4%(前年同期比0.1%減)と、高卒生減少による収益への影響は限定されておりますが、当該売上を含む、大学受験の環境変化の問題は当社グループの業績に影響を与える要因となります。
また、少子化による教育業界の競争激化は、自ずと生徒父母の選択を厳しいものにしており、以前にも増して教育そのものの「成果」を問われる状況になっております。当社グループは一貫して「本当に学力を伸ばす」教育体系の確立に向け、様々な施策を実施しておりますが、時代のニーズに合った教育への対応が今後の当社の経営成績に影響する可能性があります。
(2)業績の3月に対する依存度について
当社グループの主要な事業のひとつである衛星事業に関するロイヤリティー収入は、フランチャイズ加盟校での生徒入学、受講申込み時に売上計上されるため、生徒募集の最盛期である3月に営業収入、営業利益が集中する傾向にあります。このため3月の営業収入が全体に占める割合は高くなり、3月の業績により通期の業績が大きく左右される可能性があります。また、期末前後の売上状況により3月に見込んだ売上計上が4月にずれ込むこともあり、期間的なズレが期間損益、業績見込みに影響を与える可能性があります。
(1)当社は、衛星予備校の加盟校展開を図るためフランチャイジーと校舎毎に下記の内容の契約を締結しております。
① 契約の本旨
当社が教育のノウハウを投入して開発した通信衛星による講義の実施および学習指導に係る一連のシステムパッケージと経営ノウハウとによって構成されるシステム「東進衛星予備校システム」を「東進衛星予備校ネットワーク加盟契約書」に基づきサービスを加盟校に提供する。
② 内容
加盟校は、東進衛星予備校システムを使用した教育事業を許諾される対価として、次の金員を支払う。
イ)加盟校は、本契約の締結と同時に加盟金として金300万円を支払う。
ロ)加盟校は、東進衛星予備校ネットワーク加盟契約書で認められた校舎における売上から契約に基づくロイヤリティーを支払う。
③ 契約期間
契約日より5年間。但し、この5年間経過の日が2月末日でない場合は、同日経過後に到来する直近の2月末日をもって、満了とする。契約満了の1年前までに、当事者のいずれからも書面による更新拒絶の意思表示がない場合は、さらに5年間自動更新される。
④ 契約校数
平成28年3月末現在 984校
(2)連結子会社の株式会社四谷大塚は、「四谷大塚テスティングネットワーク」(YTnetと称する。)実施規約に基づいて首都圏提携塾契約を締結しております。
① 契約の本旨
中学受験業界の活性化を促進するため、参加塾は互いの優れた技術や経験を持ちより、よりよい教育環境を父母・児童に提供すると共に首都圏提携塾相互に協力することを目的とする。
② 内容
小学4・5・6年生の進学志望者に対し販売するジュニア予習シリーズ・予習シリーズ(基本編)・予習シリーズ等を主たる教材として使用し、YTnetが実施する各種テスト及び行事に参加の上、参加塾相互の発展・共存共栄を図る。
1.参加塾の資格要件
YTnetが定める要件を満たした塾。
1)必要な設備の設置
2)総合回テストへの参加
3)公開テスト等YTnetが主催する行事への参加協力
4)合格者を共有すること
5)保証金の納入
2.参加する児童の資格要件
テストに参加する児童を「YTnet会員」と称し、その資格要件はYTnetが定めた基準を満たした者とし、認定は参加塾に一任する。
③ 契約期間
契約日より2年間。契約満了日の6ヶ月前までに双方に異議のない場合は以後も同様とする。
④ 契約校数
平成28年3月末現在 YTnet加盟教室数 536教室
特記すべきものはありません。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績については、以下のとおりであります。
なお、本項に記載した予想、見込み、方針、所見等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在においての記載であり、不確実性あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意下さい。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、当社経営陣が決算日現在における収入、費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、及び法人税等であり、これらについては継続して評価を行っております。
なお、これらの見積り及び評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、営業収益45,742百万円(前年同期比10.0%増)、営業利益6,514百万円(前年同期比36.3%増)、経常利益5,929百万円(前年同期比33.8%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益3,442百万円(前年同期比60.8%増)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主要な事業のひとつである東進衛星予備校は、全国のフランチャイズ加盟校を結び、大学受験を中心として、中学生、高校生から高卒生までの生徒に豊富な講座を提供しております。これらフランチャイズ加盟校の業績は、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼします。これに対し、当社グループでは、教材や募集ツールの開発、提供に止まらず、東進ハイスクール直営校や衛星事業の各加盟校での成功事例の標準化や、運営スタッフの教育・研修など、踏み込んだ加盟校バックアップを進め、「本当に学力を伸ばす」実績を作り上げることで、各加盟校の業績向上を図っております。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末に比べ総資産が2,919百万円増加し、66,528百万円に、純資産が2,334百万円増加して、16,229百万円となっております。
総資産の異動は、流動資産の増加1,076百万円および固定資産の増加1,843百万円によるものです。流動資産では、配当金や法人税の支払いなどによる減少があったものの、社債の発行及び生徒募集期である期末に発生した前受金による現金及び預金の増加1,466百万円がありました。固定資産は、イトマンスイミングスクール新規校舎の開設、着工など建設仮勘定1,945百万円の計上を主因とする有形固定資産の増加1,920百万円を主な要因として増加しております。
なお、純資産の増加は、配当金947百万円の支出がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益3,442百万円を計上したことによるものであります。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、近年の厳しい事業環境のなか、教育目標である「独立自尊の社会・世界に貢献する人財の育成」に向け、入手可能な情報を基に最善の経営方針を立案するよう努めております。
高校生部門では、2020年に予定されている大学入試改革が今後の事業展開に大きな影響を及ぼすことが見込まれております。こうした大学受験を取り巻く環境の変化に対応し、2015年3月期にAO・推薦入試の分野でトップクラスの実績とブランド力を有する早稲田塾をグループに加え、東進ハイスクール(直営校)、東進衛星予備校(フランチャイズ加盟校)と併せて、当社グループの総合力、競争力を強化いたしました。今後、更なるシェアアップに向け、校舎展開を推進いたします。また、効率的に学力向上が図れる学習システムの構築や、「全国統一高校生テスト」や各種模擬試験の開発、普及にも注力し、質の高い予備校として、ブランドイメージの確立を図ってまいります。
小・中学生部門では、当社グループのネットワークを活用し、全国を結ぶ四谷大塚NET事業を推進すると共に、「全国統一小学生テスト」、「全国統一中学生テスト」の実施を通して、未来のリーダー育成に向けた学習の契機となる取組みも進めてまいります。
英語教育部門では、児童英語の分野は東進こども英語塾で、また大学生、社会人向けには東進ビジネススクールで、近時の英語教育改革の流れを踏まえて「聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと」の4技能をバランスよく習得できるプログラムの開発を進めるなど、国際社会で活躍できる語学力養成のための具体的な取り組みを進めております。
このほか、イトマンスイミングスクールも、これまでオリンピック選手を輩出してきた伝統と実績を背景として、2020年の東京オリンピックに向けさらに質の向上とネットワークの拡大を図ってまいります。
今後も、グループ各社が互いにシナジーを高めていくことにより、教育業界において確固たる地位を確立すると共に、費用面ではスケールメリットを活かし、効率化を進めてまいります。これと併せて、当社グループの今後の成長のためM&Aや海外への展開などについても積極的に取り組み、適切な対応をとってまいります。
また、収益重視の立場から自己資本利益率(当連結会計年度22.9%、前連結会計年度16.2%)の向上に留意し、収入の増大、費用抑制の両面から利益確保を図ってまいります。